説明

エンジンワイヤーハーネスを封入するためのコンジット封入システム

【課題】エンジンワイヤーハーネスおよび制御部品との接続部を封入するためのコンジット封入システムを提供する。
【解決手段】エンジンワイヤーハーネスのマニホールド部分を着脱可能に封入するように構成されたコンジットマニホールドを含み、そのコンジットマニホールドが、エンジンワイヤーハーネスの複数のハーネス枝部分の各対応するハーネス枝部分のためのマニホールド出口を有する。コンジット封入システムはまた、各対応するハーネス枝部分のためのコンジット枝部分も含み、そのコンジット枝部分は、各対応するハーネス枝部分を着脱可能に長手方向に封入するように構成される。コンジット枝部分は、第1の枝部分端部および第2の枝部分端部を有し、その第1の枝部分端部は、対応するマニホールド出口に連結され、その第2の枝部分端部は、複数の制御部品の対応する制御部品の露出部分に、その露出部分を封止するように封止係合して連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンに関し、より詳細には、エンジンワイヤーハーネスを封入するためのコンジット封入システム(conduit enclosure system)に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのタイプのエンジンが、輸送や発電など、様々な用途に採り入れられている。そのようなエンジンは、一般に電子的に制御され、ワイヤーハーネスによって電子制御装置に電気的に接続された、燃料噴射器、クランクケース換気弁、およびエンジン監視センサなど、エンジンを動作させるために使用される様々な制御部品を採り入れる。いくつかの用途では、エンジンは、汚染物質および/または場合によっては可燃性の気体または混合気体を含むものなど、潜在的に問題のある環境に位置することがある。そのような環境では、制御部品とのワイヤーによる接続部に対する損傷を防止し、例えば、電気接続部でショートを引き起こす塵または他の破片の蓄積が原因で、ワイヤーハーネスと制御部品の間の、ワイヤーハーネスまたは電気接続部において意図しない火花によって引き起こされる爆発の可能性を低下させるために、ハーネスがその環境に露出されるのを防止することが望ましい。政府による様々な規制は、エンジンがそのような環境で動作するように保証されることを要求する場合もある。しかし、典型的なワイヤーハーネスは、そのような保証要件を満たさないことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、エンジンワイヤーハーネスおよび制御部品との接続部を封入するためのコンジット封入システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、その一形態では、エンジンワイヤーハーネスを封入するためのコンジット封入システムを対象としている。エンジンワイヤーハーネスは、マニホールド部分(manifold portion)と、そこから延びる複数のハーネス枝部分(harness branch)とを有する。それらの複数のハーネス枝部分は、複数の制御部品を制御装置に接続する。それらの複数の制御部品の各制御部品は、エンジンワイヤーハーネスによって制御装置に電気的に接続するための露出部分を有する。コンジット封入システムは、マニホールド部分を着脱可能に封入するように構成されたコンジットマニホールド(conduit manifold)を含み、そのコンジットマニホールドは、エンジンワイヤーハーネスの複数のハーネス枝部分のそれぞれ対応するハーネス枝部分のためのマニホールド出口を有する。コンジット封入システムはまた、それぞれ対応するハーネス枝部分のためのコンジット枝部分(conduit branch)も含み、そのコンジット枝部分は、それぞれ対応するハーネス枝部分を着脱可能に長手方向に封入するように構成される。そのコンジット枝部分は、第1の枝部分端部および第2の枝部分端部を有し、第1の枝部分端部は、対応するマニホールド出口に連結され、第2の枝部分端部は、それらの複数の制御部品の対応する制御部品の露出部分に、露出部分を封止するように封止係合(sealing engagement)して連結される。
【0005】
本発明は、その他の形態では、エンジンを対象としている。エンジンは、制御装置と、複数の制御部品の各制御部品が制御装置と電気的に接続するための露出部分を有する複数の制御部品と、マニホールド部分とそこから延びる複数のハーネス枝部分とを有すると共に、それら複数のハーネス枝部分がそれら複数の制御部品を、露出部分を介して制御装置に電気的に接続するエンジンワイヤーハーネスと、そのエンジンワイヤーハーネスを封入するためのコンジット封入システムとを含む。コンジット封入システムは、マニホールド部分を着脱可能に封入するように構成されたコンジットマニホールドを含み、そのコンジットマニホールドは、エンジンワイヤーハーネスの複数のハーネス枝部分のそれぞれ対応するハーネス枝部分のためのマニホールド出口を有する。コンジット封入システムはまた、それぞれ対応するハーネス枝部分のためのコンジット枝部分も含み、そのコンジット枝部分は、それぞれ対応するハーネス枝部分を着脱可能に長手方向に封入するように構成される。コンジット枝部分は、第1の枝部分端部および第2の枝部分端部を有し、第1の枝部分端部は、対応するマニホールド出口に連結され、第2の枝部分端部は、複数の制御部品の対応する制御部品の露出部分に、露出部分を封止するように封止係合して連結される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に図1を参照すると、エンジン10が示されている。エンジン10は、例えば、内燃機関でもガスタービンエンジンでもよい。本実施形態では、エンジン10は内燃機関である。エンジン10は、制御装置12、複数の制御部品14、エンジンワイヤーハーネス16、およびそのワイヤーハーネス16を封入するためのコンジット封入システム18を含む。
【0007】
制御装置12は、ワイヤーハーネス16を介して電気信号を制御部品14へ送信しそこから受信することによって、エンジン10の動作を支配する電子制御装置である。本実施形態では、制御装置12は、エンジン10の近くの周囲環境から制御装置12を封止する筐体19内にある。筐体19は、エンジン10上にもエンジン10から離れた位置にも設置することができる。
【0008】
制御部品14は、一般にエンジン10などのエンジンの動作および制御の際に使用されるタイプの電子エンジン部品であり、例えば、燃料噴射器、クランクケース換気弁、外気温センサ、燃料温度センサ、燃料カムセンサ、燃料レール圧力センサ、クランク位置センサ、水温センサ、および油圧センサが含まれる。本実施形態によれば、制御部品14は、従来の部品であり、すなわち、コンジット封入システム18と関連して使用するために特別に製造されていない。むしろ、本実施形態では、コンジット封入システム18が、従来の制御部品と共に使用するように適合される。制御部品14はそれぞれ、エンジン10またはそのサブシステム内に取り付けられた制御部分20と、露出部分22とを含む。例えば、燃料温度センサの場合、制御部分20は、エンジン10に送られている燃料に露出された、燃料温度センサの端部にあり、露出部分22は、ワイヤーハーネス16を介して制御装置12に電気的に接続するための、エンジン10から外側に突き出した、燃料温度センサの端部である。
【0009】
ワイヤーハーネス16は、ハーネス幹部分(harness branch)24、マニホールド部分26、および複数のハーネス枝部分28を含む。ハーネス幹部分24は、マニホールド部分26と制御装置12の間を延びる。ハーネス枝部分28は、配線30を制御部品14にそれらの動作のために分配するように、マニホールド部分26から延びる。各ハーネス枝部分28の端部には、対応する制御部品14を制御部品14上の接合する電気コネクタ(図示せず)を介して配線30に電気的に接続するための電気コネクタ(図示せず)がある。
【0010】
コンジット封入システム18は、コンジット幹部分(conduit trunk)32と、コンジットマニホールド34と、ワイヤーハーネス16のそれぞれ対応するハーネス枝部分28のためのコンジット枝部分36と、アダプタ38、アダプタ40、アダプタ42、およびアダプタ44を含む複数のアダプタとを含む。アダプタ38および40は、コンジット幹部分32をそれぞれコンジットマニホールド34および筐体19に連結するためのものである。アダプタ42および44は、各コンジット枝部分36をそれぞれコンジットマニホールド34および対応する制御部品14に連結するために採用される。コンジット幹部分32およびコンジット枝部分36は、簡単な経路設定および取付けを可能にするために可撓性の材料からできている。さらに、各コンジット幹部分32およびコンジット枝部分36は、その中に含まれる各ハーネス枝部分28およびハーネス幹部分24の端部が電気コネクタを露出することを可能にするために収縮するように十分な程度に折りたためる。本実施形態では、コンジット幹部分32およびコンジット枝部分36は、帯電防止の半導性樹脂である、DuPont社のTeflon(登録商標)PFA C−980からできており、それは、回旋したコンジット、すなわち、ねじ山様の回旋(convolution)を有するコンジットを形成する。
【0011】
各コンジット枝部分36は、対応するハーネス枝部分28を着脱可能に長手方向に封入するように構成され、枝部分の端部36Aおよび枝部分の端部36Bを有する。すなわち、各コンジット枝部分36は、ハーネス枝部分28を封入するが、ハーネス枝部分28は、ハーネス枝部分28またはコンジット枝部分36に損傷を与えることなしにワイヤーハーネス16の取外しおよび/または修理を可能にするようにコンジット枝部分36から簡単に取り外し可能である。
【0012】
コンジット幹部分32は、ハーネス幹部分24を着脱可能に長手方向に封入するように構成される。すなわち、コンジット幹部分32は、ハーネス幹部分24を封入するが、ハーネス幹部分24は、ハーネス幹部分24またはコンジット幹部分32に損傷を与えることなしにワイヤーハーネス16の取外しおよび/または修理を可能にするように、コンジット幹部分32から簡単に取り外し可能である。コンジット幹部分32は、幹部分端部32Aを有し、その幹部分端部32Aは、コンジットマニホールド34の中身を封止するためにコンジットマニホールド34に封止係合して連結され、したがって、破片がマニホールド部分26に影響を及ぼすことを防止し、ワイヤーハーネス16に発生する意図しない火花が、エンジン10の近くに可燃性ガスがあればそれに点火する可能性を低下させる。コンジット幹部分32の幹部分端部32Bは、筐体19に封止係合して連結されている。したがって、ハーネス幹部分24は、エンジン10の周囲環境に露出されない。
【0013】
コンジットマニホールド34は、ワイヤーハーネス16のマニホールド部分26を着脱可能に封入するように構成される。すなわち、コンジットマニホールド34はマニホールド部分26を封入するが、マニホールド部分26は、コンジットマニホールド34によって永久には封入されず、むしろ、マニホールド部分26またはコンジットマニホールド34に損傷を与えることなしにワイヤーハーネス16の取外しおよび/または修理を可能にするように、コンジットマニホールドから簡単に取り外し可能である。
【0014】
次に図2A〜2Cを参照すると、コンジットマニホールド34は、ワイヤーハーネス16のマニホールド部分26から延びるそれぞれ対応するハーネス枝部分28のためのマニホールド出口46を有する。各マニホールド出口は、対応するコンジット枝部分を連結するためのねじ山47を有する。各ハーネス枝部分28については、コンジット枝部分36の枝部分の端部36Aは、対応するマニホールド出口46に連結され、枝部分の端部36Bは、露出部分22を封止するために、対応する制御部品14の露出部分22に封止係合して連結され、したがって、破片が露出部分22に影響を及ぼすことを防止し、ハーネス枝部分28の制御部品14との電気接続部において発生する意図しない火花が、エンジン10の近くに可燃性ガスがあればそれに点火する可能性を低下させる。
【0015】
コンジットマニホールド34は、端部それぞれに1つの開口部、すなわち、開口部48および開口部50を有し、それらは、ハーネス枝部分28およびマニホールド部分26を設置するためのアクセスを提供する。一度取り付けられると、Oリングシール53およびねじ山54を有するエンドキャップ52が、コンジットマニホールド34の開口部50に隣接する部分のねじ山56にねじ込まれて、コンジットマニホールド34のその側面を封止する。
【0016】
次に図3を参照すると、アダプタ38がさらに詳細に部分断面図に示されている。アダプタ38は、開口部48でコンジット幹部分32をコンジットマニホールド34に連結し封止するように構成される。本実施形態では、アダプタ38はねじ山58を含み、そのねじ山58は、コンジットマニホールド34の開口部48に隣接する部分のねじ山60と係合し、それにより、アダプタ38がコンジットマニホールド34に着脱可能に連結され、すなわち、アダプタ38をコンジットマニホールド34から取り外すためにワイヤーハーネス16および/またはコンジット封入システム18のどの部品の破壊も必要としないようにして、コンジットマニホールド34に連結されることが可能になる。Oリング61がアダプタ38をコンジットマニホールド34に対して封止する。ワイヤーハーネス16を点検するために、アダプタ38をコンジットマニホールド34から外すことができ、したがって、マニホールド部分26およびハーネス枝部分28の取り外しを可能にする。
【0017】
アダプタ38はまた、コンジット幹部分32とも取り外し可能に係合するように構成され、それにより、アダプタ38をコンジット幹部分32から取り外すためにワイヤーハーネス16および/またはコンジット封入システム18のどの部品にも損傷を与えることなしに、アダプタ38がコンジット幹部分32にしっかりと連結されるがそこから簡単に取り外されることを可能にする。したがって、本実施形態では、アダプタ38は、ねじ山様の回旋62を含み、その回旋62は、コンジット幹部分32の回旋64に対応する。やはりコンジット幹部分32の回旋64に対応するねじ山様の回旋68を有するナット継手66を使用して、コンジット幹部分32をアダプタ38に取り付ける。シリコンシーラントなどのシーラント69が、回旋62と回旋64の間に追加される。コンジット幹部分32は、コンジット幹部分32上にアダプタ38から離れる方向に数回ナット継手66を回し、シーラント69をアダプタ38の回旋62に塗布し、コンジット幹部分32を回旋62上でねじ込み、ナット継手66をしっかりと、例えば、アダプタ38に当接する定位置に回すことによって、アダプタ38に固定され封止される。
【0018】
アダプタ38の回旋62は、コンジット幹部分32の回旋64より直径が大きく、それにより、コンジット幹部分32がアダプタ38に回されるときに、コンジット幹部分32とアダプタ38の間の直径の締まり嵌めをもたらし、コンジット幹部分32とアダプタ38の間を封止する。ナット継手66の回旋68は、アダプタ38の定位置にコンジット幹部分32を保持するように寸法設定される。
【0019】
アダプタ40は、アダプタ38のそれと同様にして幹部分端部32Bを筐体19に連結する。
次に図4を参照すると、アダプタ42が部分断面図にさらに詳細に示されている。アダプタ42は、コンジット枝部分36をワイヤーハーネス16のそれぞれ対応するハーネス枝部分28のためのマニホールド出口46に連結し封止するように構成される。本実施形態では、アダプタ42は、ねじ山70を含み、そのねじ山70は、コンジットマニホールド34上の各マニホールド出口46に関するねじ山47と係合し、それにより、アダプタ42がマニホールド出口46に着脱可能に連結され、すなわち、アダプタ42をマニホールド出口46から取り外すためにワイヤーハーネス16および/またはコンジット封入システム18のどの部品の破壊も必要としないようにして、マニホールド出口46に連結されることが可能になる。Oリング72がアダプタ42をマニホールド出口46に対して封止する。ワイヤーハーネス16を点検するために、対応するハーネス枝部分28を露出するようにアダプタ42を外すことができる。
【0020】
アダプタ42はまた、コンジット枝部分36とも取り外し可能に係合するように構成され、それにより、アダプタ42をコンジット枝部分36から取り外すためにワイヤーハーネス16および/またはコンジット封入システム18のどの部品にも損傷を与えることなしに、アダプタ42がコンジット枝部分36にしっかりと連結されるがそこから簡単に取り外されることを可能にする。したがって、本実施形態では、アダプタ42は、ねじ山様の回旋74を含み、その回旋74は、コンジット枝部分36の回旋76に対応する。やはりコンジット枝部分36の回旋76に対応するねじ山様の回旋80を有するナット継手78を使用して、コンジット枝部分36をアダプタ42に取り付ける。シリコンシーラントなどのシーラント81が、回旋74と回旋76の間に追加される。コンジット枝部分36は、コンジット枝部分36上にアダプタ42から離れる方向に数回ナット継手78を回し、シーラント81をアダプタ42の回旋74に塗布し、コンジット枝部分36を回旋74上でねじ込み、ナット継手78をしっかりと、例えば、アダプタ42と当接する定位置に回すことによって、アダプタ42に固定され封止される。
【0021】
アダプタ42の回旋74は、コンジット枝部分36の回旋76より直径が大きく、それにより、コンジット枝部分36がアダプタ42に回されるときに、コンジット枝部分36とアダプタ42の間の直径の締まり嵌めをもたらし、コンジット枝部分36とアダプタ42の間を封止する。ナット継手78の回旋80は、アダプタ42の定位置にコンジット枝部分36を保持するように寸法設定される。
【0022】
アダプタ44は、コンジット枝部分36を、対応する制御部品14、すなわち、特定のコンジット枝部分36によって封入されたハーネス枝部分28に関連する制御部品14に連結しそれを封止するように構成される。アダプタ44は、例えば、ワイヤーハーネス16、ハーネス枝部分28、および/または制御部品14に損傷を与えることなくワイヤーハーネス16、ハーネス枝部分28、および/または制御部品14の取替えを可能にするために、制御部品14に着脱可能に連結するように構成される。アダプタ44の構造は、特定の制御部品14に適合され、特定の制御部品14に応じて様々な寸法にすることができ、かつ/または様々な特性を採り入れることができる。アダプタ44は、例えば、アダプタ42に関して上述したのと同じ様にして、やはりコンジット枝部分36と取り外し可能に係合するように構成される。
【0023】
次に図5を参照すると、本発明によるアダプタ44の実施形態が示されている。コンジット封入システム18は、図5の例では燃料温度センサである、対応する制御部品14の露出部分22をその中で受けそれを封止するためのレセプタクル82を含む。レセプタクル82と制御部品14の間の封止は、Oリング84によって提供され、レセプタクル82とエンジン10の間の封止は、Oリング86によって提供される。
【0024】
アダプタ44は、ねじ山付きリング88を含み、そのねじ山付きリング88は、アダプタ44をレセプタクル82、したがって制御部品14に固定するための、レセプタクル82の周囲のねじ山90とかみ合う。アダプタ44は、Oリング92によってレセプタクル82に対して封止される。ナット継手94を使用して、ナット継手78およびアダプタ42に関して上述したのと同様にしてコンジット枝部分36をアダプタ44に固定し封止する。
【0025】
次に図6を参照すると、本発明によるアダプタ44の他の実施形態が示されている。コンジット封入システム18は、連結リング96を含み、その連結リング96は、図6の例では燃料レール圧力センサである制御部品14に固定される。本実施形態では、連結リング96は、連結リング96と制御部品14の間を封止する従来のエポキシ樹脂を使用して制御部品14に固定される。連結リング96は、アダプタ44と連結するように構成される。
【0026】
アダプタ44は、ねじ山付きリング98を含み、そのねじ山付きリング98は、アダプタ44を連結リング96に、したがって、制御部品14に固定するための、連結リング96の周囲のねじ山100とかみ合う。アダプタ44は、Oリング102によって連結リング96に対して封止される。ナット継手104を使用して、ナット継手78およびアダプタ42に関して上述したのと同様にしてコンジット枝部分36をアダプタ44に固定し封止する。
【0027】
本発明のおかげで、ワイヤーハーネス16が、コンジット封入システム18によって完全に封入され、コンジット封入システム18によってエンジン10の周りの周囲環境に対して封止され、したがって、ワイヤーハーネス16を塵および他の破片から隔離し、それにより、可能性のあるショートを防止すると共に、エンジン10の近くの可能な可燃混合気があればそれにワイヤーハーネス16と接触するのを防止することが理解されよう。
【0028】
好ましい実施形態を説明してきたが、添付の特許請求の範囲で定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく様々な改変を加えることができることが明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態によるエンジンワイヤーハーネスおよびコンジット封入システムを有するエンジンを概略的に示す図である。
【図2】図2Aは、図1のコンジット封入システム実施形態によって採用されたコンジットマニホールドを示す図である。 図2Bは、図1のコンジット封入システム実施形態によって採用されたコンジットマニホールドを示す図である。 図2Cは、図1のコンジット封入システム実施形態によって採用されたコンジットマニホールドを示す図である。
【図3】コンジット幹部分をコンジットマニホールドに連結し封止するように、図1の実施形態に従って使用されるアダプタを示す図である。
【図4】コンジット枝部分をマニホールド出口に連結し封止するように、図1の実施形態に従って使用されるアダプタを示す図である。
【図5】コンジット枝部分をエンジン温度センサなどの制御部品に連結し封止するように、図1の実施形態に従って使用されるアダプタを示す図である。
【図6】コンジット枝部分をエンジン圧力センサなどの制御部品に連結し封止するように、図1の実施形態に従って使用されるアダプタを示す図である。
【符号の説明】
【0030】
10 エンジン
12 制御装置
14 制御部品
16 エンジンワイヤーハーネス
18 コンジット封入システム
19 筐体
20 制御部分
22 露出部分
24 ハーネス幹部分
26 マニホールド部分
28 ハーネス枝部分
30 配線
32 コンジット幹部分
32A、32B 幹部分端部
34 コンジットマニホールド
36 コンジット枝部分
38、40、42、44 アダプタ
46 マニホールド出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マニホールド部分およびそこから延びる複数のハーネス枝部分を有するエンジンワイヤーハーネスを封入するためのコンジット封入システムにおいて、前記複数のハーネス枝部分が、複数の制御部品を制御装置に接続し、前記複数の制御部品の各制御部品が、前記エンジンワイヤーハーネスを介して前記制御装置に電気的に接続するための露出部分を有するコンジット封入システムであって、前記コンジット封入システムが、
前記マニホールド部分を着脱可能に封入するように構成され、前記エンジンワイヤーハーネスの前記複数のハーネス枝部分のそれぞれ対応するハーネス枝部分のためのマニホールド出口を有する、コンジットマニホールドと、
前記各対応するハーネス枝部分を着脱可能に長手方向に封入するように構成され、第1の枝部分端部および第2の枝部分端部を有し、前記第1の枝部分端部が、対応する前記マニホールド出口に連結され、前記第2の枝部分端部が、前記複数の制御部品の対応する制御部品の前記露出部分に前記露出部分を封止するために封止係合して連結された、前記各対応するハーネス枝部分のためのコンジット枝部分とを備える、コンジット封入システム。
【請求項2】
前記エンジンワイヤーハーネスがさらに、前記マニホールド部分と前記制御装置の間を延びるハーネス幹部分を有するコンジット封入システムであって、前記ハーネス幹部分を着脱可能に長手方向に封入するように構成されたコンジット幹部分をさらに備え、前記コンジット幹部分が、前記コンジットマニホールドに封止係合して連結された第1の幹部分端部を有する、請求項1に記載のコンジット封入システム。
【請求項3】
前記制御装置が、筐体内にあり、前記コンジット幹部分が、前記筐体に封止係合して連結された第2の幹部分端部を有する、請求項2に記載のコンジット封入システム。
【請求項4】
前記コンジット幹部分を前記コンジットマニホールドに連結し封止するように構成されたアダプタをさらに備える、請求項2に記載のコンジット封入システム。
【請求項5】
前記アダプタが、前記コンジットマニホールドに着脱可能に連結するように構成される、請求項4に記載のコンジット封入システム。
【請求項6】
前記アダプタが、前記コンジット幹部分と着脱可能に係合するように構成される、請求項4に記載のコンジット封入システム。
【請求項7】
前記コンジット枝部分が可撓性である、請求項1に記載のコンジット封入システム。
【請求項8】
前記コンジット枝部分が、少なくとも部分的に折りたたみ可能である、請求項1に記載のコンジット封入システム。
【請求項9】
前記コンジット枝部分を前記各対応するハーネス枝部分のための前記マニホールド出口に連結し封止するように構成されたアダプタをさらに備える、請求項1に記載のコンジット封入システム。
【請求項10】
前記アダプタが、前記マニホールド出口に着脱可能に連結するように構成される、請求項9に記載のコンジット封入システム。
【請求項11】
前記アダプタが、前記コンジット枝部分と着脱可能に係合するように構成される、請求項10に記載のコンジット封入システム。
【請求項12】
前記コンジット枝部分を前記対応する制御部品に連結し封止するように構成されたアダプタをさらに備える、請求項1に記載のコンジット封入システム。
【請求項13】
前記対応する制御部品の前記露出部分をその中で受け封止するためのレセプタクルをさらに備える、請求項12に記載のコンジット封入システム。
【請求項14】
前記対応する制御部品が従来の制御部品であるコンジット封入システムであって、前記従来の制御部品に固定された連結装置をさらに備え、前記連結装置が前記アダプタと連結するために構成される、請求項12に記載のコンジット封入システム。
【請求項15】
前記アダプタが、前記対応する制御部品に着脱可能に連結するように構成される、請求項12に記載のコンジット封入システム。
【請求項16】
前記アダプタが、前記コンジット枝部分と着脱可能に係合するように構成される、請求項15に記載のコンジット封入システム。
【請求項17】
エンジンを制御するための制御装置と、
複数の制御部品の各制御部品が、前記制御装置と電気的に接続するための露出部分を有する複数の制御部品と、
マニホールド部分およびそこから延びる複数のハーネス枝部分を有するエンジンワイヤーハーネスであって、前記複数のハーネス枝部分が、前記複数の制御部品を前記制御装置に前記露出部分を介して電気的に接続するエンジンワイヤーハーネスと、
前記エンジンワイヤーハーネスを封入するためのコンジット封入システムとを備えるエンジンにおいて、前記コンジット封入システムが、
前記マニホールド部分を着脱可能に封入するように構成され、前記エンジンワイヤーハーネスの前記複数のハーネス枝部分の各対応するハーネス枝部分ためのマニホールド出口を有する、コンジットマニホールドと、
前記各対応するハーネス枝部分を着脱可能に長手方向に封入するように構成され、第1の枝部分端部および第2の枝部分端部を有し、前記第1の枝部分端部が、対応する前記マニホールド出口に連結され、前記第2の枝部分端部が、前記複数の制御部品の対応する制御部品の前記露出部分に前記露出部分を封止するように封止係合して連結された、前記各対応するハーネス枝部分のためのコンジット枝部分とを含む、エンジン。
【請求項18】
前記エンジンワイヤーハーネスがさらに、前記マニホールド部分と前記制御装置の間を延びるハーネス幹部分を有し、前記コンジット封入システムがさらに、前記ハーネス幹部分を着脱可能に長手方向に封入するように構成されたコンジット幹部分を含み、前記コンジット幹部分が、前記コンジットマニホールドに封止係合して連結された第1の幹部分端部を有する、請求項17に記載のエンジン。
【請求項19】
前記制御装置が筐体内にあり、前記コンジット幹部分が、前記筐体に封止係合して連結された第2の幹部分端部を有する、請求項18に記載のエンジン。
【請求項20】
前記コンジット封入システムが、前記コンジット幹部分を前記コンジットマニホールドに連結し封止するように構成されたアダプタをさらに含む、請求項18に記載のエンジン。
【請求項21】
前記アダプタが、前記コンジットマニホールドに着脱可能に連結するように構成される、請求項20に記載のエンジン。
【請求項22】
前記アダプタが、前記コンジット幹部分と着脱可能に係合するように構成される、請求項20に記載のエンジン。
【請求項23】
前記コンジット枝部分が可撓性である、請求項17に記載のエンジン。
【請求項24】
前記コンジット枝部分が、少なくとも部分的に折りたたみ可能である、請求項17に記載のエンジン。
【請求項25】
前記コンジット封入システムがさらに、前記各対応するハーネス枝部分のための前記マニホールド出口に前記コンジット枝部分を連結し封止するように構成されたアダプタを含む、請求項17に記載のエンジン。
【請求項26】
前記アダプタが、前記マニホールド出口と着脱可能に連結するように構成される、請求項25に記載のエンジン。
【請求項27】
前記アダプタが、前記コンジット枝部分と着脱可能に係合するように構成された、請求項26に記載のエンジン。
【請求項28】
前記コンジット封入システムがさらに、前記コンジット枝部分を前記対応する制御部品に連結し封止するように構成されたアダプタを含む、請求項17に記載のエンジン。
【請求項29】
前記コンジット封入システムがさらに、前記対応する制御部品の前記露出部分をその中で受け封止するためのレセプタクルを含む、請求項28に記載のエンジン。
【請求項30】
前記対応する制御部品が従来の制御部品であり、前記コンジット封入システムがさらに、前記従来の制御部品に固定された連結装置を含み、前記連結装置が、前記アダプタと連結するように構成される、請求項28に記載のエンジン。
【請求項31】
前記アダプタが、前記対応する制御部品と着脱可能に連結するように構成される、請求項28に記載のエンジン。
【請求項32】
前記アダプタが、前記コンジット枝部分と着脱可能に係合するように構成される、請求項31に記載のエンジン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−127004(P2008−127004A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279751(P2007−279751)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(591005165)ディーア・アンド・カンパニー (109)
【氏名又は名称原語表記】DEERE AND COMPANY
【Fターム(参考)】