説明

エンジン始動制御システム

【課題】エンジンキーを紛失するなどの非常時においてもエンジンの始動を円滑に行うことができる使用の利便性に優れたエンジン始動制御システムを提供する。
【解決手段】エンジン始動制御システムを、車両に設置されたエンジン始動スイッチ1、入力装置2、送受信機5及びそれらが接続されたコード認証制御部6とを備えた車両側装置100と、携帯機200とから構成する。コード認証制御部6は、エンジン始動スイッチ1が操作されたとき、携帯機200に記憶されたIDコードの認証を行い、認証が成功したときにはエンジンの始動を可能とし、認証が成功しないときはコード入力装置2らのIDコードの入力を求め、入力されたIDコードの認証が成功したときにエンジンの始動を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に適用されるエンジン始動制御システムに係り、特に、車両側において携帯機に記憶されたIDコードを認証し、認証が成立した場合にのみエンジンの始動を可能にするエンジン始動制御システムの利便性を改善する手段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のエンジン始動制御システムとして、エンジンキー(携帯機)に内蔵されたトランスポンダと車体側に備えられたイモビライザ制御部との間で通信を行い、トランスポンダに記憶されたIDコードとイモビライザ制御部に記憶されたIDコードとを照合し、照合が成立したときにエンジンの始動を許可するものが知られている(特許文献1参照。)。この特許文献1には、エンジンキーを紛失した場合、又はトランスポンダとイモビライザ制御部との間の通信に利用するアンテナが故障した場合等においても、車両の盗難防止機能を損なわずにエンジンを始動可能にする技術が開示されている。
【0003】
また、携帯機にIDコードを記憶するのではなく、車両にIDコード設定・入力部を備え、該IDコード設定・入力部を操作することによって入力されたIDコードと車両側に記憶されたIDコードとを照合し、照合が成立したときにエンジンの始動を許可するようにして、車両の盗難や無断使用を防止するものも知られている(特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2004−306940号公報
【特許文献2】特開2001−47972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来技術のうち、特許文献1に記載の技術は、エンジンキーを紛失した場合、又はトランスポンダとイモビライザ制御部との間の通信に利用するアンテナが故障した場合、車両に備えられた表示装置の第3スイッチを押しながらキーシリンダにエンジンキーを挿入し、メインスイッチをオフ位置からオン位置に操作して盗難防止のための制御モードとした後、表示装置にメインメニューの「非常始動モード」が表示されるまで第3スイッチを繰り返し押圧操作し、次いで表示装置にサブメニューの「キーレス」が表示されるまで第2スイッチを繰り返し押圧操作するという手順を経なくてIDコードの入力が可能にならないので、非常時におけるユーザの負担が大きく、使用が不便であるという問題がある。
【0005】
また、特許文献2に記載の技術は、エンジンキーがある場合にも、エンジンを始動するごとにIDコード設定・入力部を操作してIDコードを入力しなくてはならないので、やはりユーザの負担が大きく、使用が不便であるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンキーを紛失した場合や携帯機と車体側装置との間の通信に利用するアンテナが故障した場合などの非常時においてもエンジンの始動を円滑に行うことができる、操作性に優れたエンジン始動制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するため、第1に、エンジン始動制御システムを、車両に設置されたエンジン始動スイッチ、入力装置、送受信機及びそれらが接続されたコード認証制御部とを備えた車両側装置と、前記送受信機を介して前記コード認証制御部と信号の送受信を行う携帯機とを備え、前記コード認証制御部は、前記エンジン始動スイッチが操作されたこと、及び前記携帯機から受信されたIDコードの認証を行い、認証が成功したことを条件にエンジンの始動を可能とし、前記エンジン始動スイッチが操作されたがIDコードの認証が成功しないときは前記入力装置からのIDコードの入力を求め、入力されたIDコードの認証が成功したときにエンジンの始動を可能とするという構成にした。
【0008】
本構成は、コード認証制御部による携帯機から受信されたIDコードの認証が成功しないとき、即ち、エンジンキーが紛失等により無い場合や、携帯機とコード認証制御部との間の通信に利用するアンテナが故障した場合などのように、携帯機からのIDコードの受信がないためにIDコードの認証が成功しないとき、或いは、携帯機の故障により、送信されるIDコードに何らかの損傷が生じ、IDコードの認証が成功しないときに、コード認証制御部が直ちに入力装置からのIDコードの入力を求める。したがって、コード認証制御部によるIDコードの認証からコード入力装置を操作してのIDコードの入力までに要する時間を短縮することができる。
【0009】
本発明は、第2に、前記第1の構成のエンジン始動制御システムにおいて、前記入力装置を制御する入力制御部を更に備え、前記コード認証制御部は、前記携帯機から受信されたIDコードの認証が成功しないとき、前記入力制御部をコード入力モードに切り換え、コード入力モードに切り換えられた入力制御部は、前記入力装置からの入力信号又は出力信号に基づいて作成したIDコードを、前記コード認証制御部に送信するという構成にした。
【0010】
かかる構成によると、入力制御部がコード入力モードに切り換えられるまでは、入力装置を他の目的、例えばエアコンやカーナビゲーションシステムなどの車載電気機器の制御操作用に利用できるので、車載部品の共用化を図ることができ、システム構成の簡略化と低コスト化とを図ることができる。
【0011】
本発明は、第3に、前記第1の構成のエンジン始動制御システムにおいて、前記エンジン始動スイッチは、押圧操作部と、該押圧操作部の押圧操作を検出するスイッチとを備え、前記入力装置は、前記押圧操作部を取り囲む位置に設けられた回転押圧操作部と、該回転押圧操作部の回転量を検出するエンコーダと、該回転押圧操作部の押圧操作を検出するスイッチとを備えているという構成にした。
【0012】
かかる構成によると、押圧操作部を取り囲む位置に回転押圧操作部を設けるので、エンジン始動スイッチ及びコード入力用の入力装置の構成を集約化することができ、車室内への配置を容易なものにすることができる。また、1つの回転押圧操作部で、回転信号の検出と押圧信号の検出とを行うことができるので、この点からも入力装置の構成の集約化を図ることができる。
【0013】
本発明は、第4に、前記第3の構成のエンジン始動制御システムにおいて、前記押圧操作部内に表示装置を備え、前記入力制御部は、コード入力モードに切り換えられたとき、前記入力装置を操作することによって行われるIDコードの入力に必要な情報を前記表示装置に表示するという構成にした。
【0014】
かかる構成によると、エンジン始動スイッチを構成する押圧操作部の内部、ひいては入力装置を構成する回転押圧操作部の内部に表示装置が配置されるので、エンジン始動スイッチと入力装置と表示装置の集約化を図ることができ、車室内への配置を容易なものにできる。また、回転押圧操作部の内部に表示装置が配置されるので、表示装置を目視しながらの回転押圧操作部の操作を容易に行うことができ、入力装置によるIDコードの入力作業を容易なものにすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のエンジン始動制御システムは、コード認証制御部による携帯機に記憶されたIDコードの認証が成功しないとき、コード認証制御部が直ちに入力装置からのIDコードの入力を求めるので、コード認証制御部によるIDコードの認証から入力装置を操作してのIDコードの入力までに要する時間を短縮することができる。よって、エンジンキーを紛失した場合や携帯機とコード認証制御部との間の通信に利用するアンテナが故障した場合などにおいてもエンジンの始動を円滑に行うことができ、エンジン始動制御システムの利便性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るエンジン始動制御システムの一実施形態を、図1乃至図4を用いて説明する。図1は実施形態に係るエンジン始動制御システムの構成図、図2は実施形態に係るエンジン始動スイッチ及び入力装置並びにその設定部の平面図、図3は実施形態に係るエンジン始動制御システムの動作を示すフロー図、図4は実施形態に係る表示装置の表示内容を示す説明図である。
【0017】
図1に示すように、本例のエンジン始動制御システムは、車両に設置される車両側装置100と、車両の所有者又は管理者が携帯する携帯機200とからなり、車両側装置100は、エンジン始動スイッチ1と、入力装置2と、表示装置3と、入力制御部4と、アンテナ51を備えた送受信機5と、コード認証制御部6とから構成されている。なお、車両には、コード認証制御部6からの出力信号に基づいてエンジンの始動を制御するエンジン制御部7と、当該エンジン制御部7によって駆動が制御されるエンジン点火装置8及び燃料噴射装置9が備えられる。
【0018】
エンジン始動スイッチ1、入力装置2及び表示装置3は、車室内の運転席に近い位置、例えば運転席前方のダッシュボードや運転席側方のコンソールボックスに設置される。エンジン始動スイッチ1は、配線板10に実装された押釦スイッチ11と、当該押釦スイッチ11を押圧操作する押圧操作部12とから構成されており、押圧操作部12の押圧操作に対応して押釦スイッチ11から出力される押圧信号aをコード認証制御部6に送信する。この押圧操作部12は、少なくとも天板部分が透光性材料をもって構成されており、押圧操作部12の内部に設置された表示装置3の表示内容を外部から視認できるようになっている。なお、図1において、符号13は車室内に備えられたエンジン始動スイッチ1及びコード入力装置2のカバーを示しており、ダッシュボードやコンソールボックスを利用することができる。また、図1及び図2において、符号14はカバー13の開口部に設けられた目盛板を示しており、この目盛板14には、入力装置2によるIDコードの入力を容易にするための目盛りが印刷等により表示されている。
【0019】
入力装置2は、図1に示すように、配線板10に実装されたロータリエンコーダ21と、配線板10に実装された押釦スイッチ22と、前記押圧操作部12の周囲を取り囲むように配置されたリング状の回転押圧操作部23と、回転押圧操作部23の回転をロータリエンコーダ21に伝達するピニオン24とから構成されており、回転押圧操作部23の回転操作に対応してロータリエンコーダ21から出力される回転位置信号b及び回転押圧操作部23の押圧操作に対応して押釦スイッチ22から出力される押圧信号cをコード入力制御部4に送信する。回転押圧操作部23の表面外周部には、図2に示すように、目盛板14に表示された目盛りを指し示すためのマーク25が形成されており、目盛板14に表示された目盛りとマーク25の位置とを照合することによって、回転押圧操作部23の回転位置を視認できるようになっている。また、回転押圧操作部23には、その回転位置をブラインドタッチで感得できるようにするため、回転押圧操作部23の回転操作に伴ってマーク25が目盛板14に表示された各目盛りを指し示すタイミングでクリック感触を付与するクリック感触付与手段を備えることもできる。
【0020】
表示装置3は、例えば液晶表示装置であって、入力制御部4によって駆動が制御される。この表示装置3は、図1に示すように、コネクタ31を介して配線板10に接続されており、表示面を押圧操作部12の天板側にして押圧操作部12の内部空間内に設置される。表示装置3には、入力装置2を操作することによって入力されるIDコードの入力状態を示す符号、例えばアスタリスクと、IDコードの入力位置を示すカーソル、IDコードを示す数字、アルファベットなどが表示される。
【0021】
入力制御部4は、エンジン始動スイッチ1が押圧操作されたときにコード認証制御部6からの指令信号dによりコード入力モードに設定され、入力装置2からの信号をIDコードの入力として受け付けて、表示装置3に入力されたIDコードを表示すると共に、コード認証制御部6に入力されたIDコードを送信する。なお、エンジンが始動された後においては、入力制御部4又はコード認証制御部6はソフト的な手法により入力装置2、表示装置3及びコード入力制御部4をコード認証制御部6から切り離すことが可能で、これら入力装置2、表示装置3を例えばエアコンやカーオーディオなどの車載機器の制御操作装置として利用する通常モードに設定する。
【0022】
送受信機5は、コード認証制御部6と携帯機200との間でやりとりされる信号を無線送受信するためのものであり、付属するアンテナ51は、例えばカバー13に開設された開口部の周囲などに設置することができる。
【0023】
コード認証制御部6は、図1に示すように、CPU61、EEPROM62、ROM63、RAM64及びタイマー65をもって構成されており、EEPROM62に車両と対応付けられた所定のIDコードが記憶される。
【0024】
携帯機200には、トランスポンダチップ71が埋め込まれており、アンテナ75及びアンテナ51を介してコード認証制御部6との間で信号の無線送受信を行えるようになっている。トランスポンダチップ71は、図1に示すように、CPU72とEEPROM73と送受信機74とを有しており、EEPROM73に、前記コード認証制御部6に記憶されたIDコードに対応するIDコードが記憶されている。
【0025】
以下、実施形態に係るエンジン始動制御システムの動作を図3にしたがって説明する。
【0026】
運転者がエンジン始動スイッチ1を押圧操作すると押圧信号aがコード認証制御部6に送信され(手順S1)、押圧信号aを受信したコード認証制御部6は、タイマー65を起動(手順S2)した後、送受信機5からリクエスト信号を発信(手順S3)し、携帯機200からのアンサー信号の受信を待つ(手順S4)。手順S4において送受信機5を介してアンサー信号を受信したと判定された場合には、手順S5に移行して、コード認証制御部6は、アンサー信号に含まれる携帯機200のIDコードを抽出し、EEPROM62に記憶されたIDコードとの照合を行い、認証が成功したか否かの判定を行う(手順S6)。コード認証制御部6は、照合の結果、両方のIDコードが一致した場合には認証が成功したと判定し、不一致である場合には認証が失敗したと判定する。手順S6において認証が成功したと判定された場合には、手順S7に移行してコード認証制御部6はエンジン制御部7にエンジン始動を促す信号を出力する。エンジン制御部7は、エンジン点火装置8と燃料噴射装置9を制御してエンジンを起動する。しかる後に一連のエンジン始動処理を終了する。
【0027】
手順S4においてコード認証制御部6は、アンサー信号が受信されないと判定された場合には、所定時間が経過するまでリクエスト信号の発信を繰り返す(手順S8)。手順S8において、所定時間が経過したと判定された場合には、コード認証制御部6は、入力制御部4にモード設定信号dを送信して入力制御部4を通常モードからコード入力モードに設定すると共に、入力制御部4を介して表示装置4に「アンサー信号なし、IDコードを手入力して下さい」と表示(手順S9)する。コード認証制御部6は同時(手順S10)に、タイマー65の起動(手順S11)を行い、入力制御部4を介して入力装置2からのIDコードの入力を待つ(手順S12)。手順S12において、こーどは、入力制御部4からIDコードの入力(詳細方法は後述する)があったと判定した場合には、手順S13に移行し、EEPROM62に記憶されたIDコードと照合して、入力装置2から入力されたIDコードの認証を行い、認証が成功したか否かの判定を行う(手順S14)。手順S14においてコード認証制御部6が、認証が成功したと判定した場合には、手順S15に移行してエンジンを起動し、しかる後に手順を終了する。
【0028】
手順S12においてコード認証制御部6は、入力装置2からIDコードが入力されないと判定された場合には、所定時間が経過するまでIDコードの入力判定を繰り返し(手順S16)、手順S16において所定時間が経過したと判定した場合には、入力制御部4を介して表示装置3に「エンジン始動操作を最初からやり直して下さい」と表示(手順S17)した後、手順を終了する。また、手順S6において、IDコードの認証が成功しなかった場合、例えば運転者が携帯機200の携帯を忘れたり、車両側装置100又は携帯機200の内部が損傷して正常な通信が損なわれた場合には、手順S18に移行してコード認証制御部6は表示装置3に「認証失敗、IDコードを手入力して下さい」と表示した後、手順S10に移行する。さらに、手順S14においてIDコードの認証が成功しなかった場合には、手順S19に移行してコード認証制御部6は、表示装置3に「コードが違います。エンジン始動操作を最初からやり直して下さい」と表示した後、手順を終了する。
【0029】
次に、入力装置2を操作することにより行われるIDコードの入力方法について説明する。
【0030】
コード認証制御部6はコード入力制御部4にモード設定信号dを送信し、入力制御部4をコード入力モードに設定する。これにより、表示装置3には、図4に示す4桁のICコード表示部81,82,83,84が表示されると共に、第1桁のIDコード表示部81の下方にカーソル85が表示される。一例として、IDコードが「5639」である場合、運転者は、マーク25を目盛板14の「5」の位置に合致させる位置まで回転押圧操作部23を回転操作した後、回転押圧操作部23を押圧操作する。これにより、入力制御部4は、IDコードの第1桁が「5」と決定し、IDコード表示部81にIDコードの入力があったことを示すアスタリスクが表示されると共に、カーソル85がICコード表示部82の下方に移動して表示される。以下同様にして回転押圧操作部23の回転操作と押圧操作とを繰り返し、その度に入力制御部4が各桁を決定し、全ての桁がそろってIDコードが完成する。以上によりIDコード「5639」を入力する。そして、入力制御部4は、完成したIDコード「5639」をコード認証制御部6に送信する。
【0031】
前記実施形態に係るエンジン始動制御システムは、携帯機200に記憶されたIDコードの認証が成功したときのみ、エンジンの始動を可能にするので、高い盗難防止効果を有する。また、携帯機200から受信したIDコードの認証が成功しないときには、コード認証制御部6が直ちに入力装置2からのIDコードの入力を求めるので、コード認証制御部6によるIDコードの認証から入力装置2を操作してのIDコードの入力までに要する時間を短縮することができ、エンジン始動制御システムの利便性を高めることができる。また、実施形態に係るエンジン始動制御システムは、入力装置2及び表示装置3をIDコード入力用の専用装置として用いるのではなく、IDコードの入力が必要になるまでは、これらの装置をエアコンやカーナビゲーションシステムなどの車載電気機器の制御用に利用するので、システム構成の簡略化と低コスト化とを図ることができる。さらに、実施形態に係るエンジン始動制御システムは、エンジン始動スイッチ1の押圧操作部12と入力装置2の回転押圧操作部23とを同心に配置したので、エンジン始動スイッチ1及び入力装置2の構成を集約化でき、車室内への配置を容易化することができる。加えて、実施形態に係るエンジン始動制御システムは、入力装置2を構成する回転押圧操作部23の内部に表示装置3を配置するので、表示装置3を目視しながらIDコードの入力作業を容易なものにすることができる。
【0032】
なお、前記実施形態では、表示装置3にアスタリスクを表示するが、これは他人にIDコードを読み取られないようにするためであり、場合によっては表示装置3にIDコードを数字やアルファベットで表示することも可能である。
【0033】
また、前記実施形態では、入力装置2の回転押圧操作部23に付されたマーク25を目盛板14に表示された目盛りに合わせて入力する数字を選択するように構成したが、表示装置3に表示するアスタリスクの代わりに数字又はアルファベットを回転押圧操作部23の回転に伴って順次変更し、入力したい数字又はアルファベットが表示されたときに回転押圧操作部23を押圧して入力する数字又はアルファベットを決定しても良い。
【0034】
また、前記実施形態では、入力制御部4がIDコードを完成させ、完成したIDコードをコード認証制御部6に送信する構成にしたが、入力制御部4が入力装置2から受信した信号b,cをそのままコード認証制御部6に送信し、コード認証制御部6がIDコードを完成するように構成しても良い。
【0035】
また、コード認証制御部6は、単にIDコードの認証を行う部分とすることも、他の制御部の一部として設けても良く、エンジン始動スイッチ1の押圧信号aが入力されたか否かの判断、及びエンジン始動の可否の判断をコード認証制御部6外で行う構成としても良い。
【0036】
また、前記実施形態では、エンジン始動スイッチ1が操作された後に車両側装置100が携帯機200と通信し、受信したアンサー信号のIDコードを抽出してIDコードの認証を行ったが、上記通信がエンジン始動スイッチ1の操作の前後に短期間の間隔で継続して行われるシステムにおいては、エンジン始動スイッチ1の操作の直前に受信したアンサー信号のIDコードの認証が成功している場合に、エンジン始動スイッチ1の操作があったことを条件としてすぐにエンジンを始動するように構成し、前記直前に受信したアンサー信号のIDコードの認証が失敗していたときに前記したフローチャートの手順を適用するように構成しても良い。
【0037】
さらに、手動でのIDコードの入力中も車載側装値100と携帯機200の通信を継続するように構成し、IDコードの入力中に正しいIDコードを含む携帯機200のアンサー信号が受信され、IDコードの認証が成功したときにエンジンを始動する構成にしても良い。
【0038】
このように、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を実現できる範囲で、諸条件の変更を含む応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施形態に係るエンジン始動制御システムの構成図である。
【図2】実施形態に係るエンジン始動スイッチ及びコード入力装置並びにその設定部の平面図である。
【図3】実施形態に係るエンジン始動制御システムの動作を示すフロー図である。
【図4】実施形態に係る表示装置の表示内容を示す説明図である。
【符号の説明】
【0040】
100 車両側装置
200 携帯機
1 エンジン始動スイッチ
2 入力装置
3 表示装置
4 入力制御部
5 送受信機
6 コード認証制御部
12 押圧操作部
23 回転押圧操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置されたエンジン始動スイッチ、入力装置、送受信機及びそれらが接続されたコード認証制御部とを備えた車両側装置と、前記送受信機を介して前記コード認証制御部と信号の送受信を行う携帯機とを備え、前記コード認証制御部は、前記エンジン始動スイッチが操作されたこと、及び前記携帯機から受信されたIDコードの認証を行い、認証が成功したことを条件にエンジンの始動を可能とし、前記エンジン始動スイッチが操作されたがIDコードの認証が成功しないときは前記入力装置からのIDコードの入力を求め、入力されたIDコードの認証が成功したときにエンジンの始動を可能とすることを特徴とするエンジン始動制御システム。
【請求項2】
前記入力装置を制御する入力制御部を更に備え、前記コード認証制御部は、前記携帯機から受信されたIDコードの認証が成功しないとき、前記入力制御部をコード入力モードに切り換え、コード入力モードに切り換えられた入力制御部は、前記入力装置からの入力信号又は出力信号に基づいて作成したIDコードを、前記コード認証制御部に送信することを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動制御システム。
【請求項3】
前記エンジン始動スイッチは、押圧操作部と、該押圧操作部の押圧操作を検出するスイッチとを備え、前記入力装置は、前記押圧操作部を取り囲む位置に設けられた回転押圧操作部と、該回転押圧操作部の回転量を検出するエンコーダと、該回転押圧操作部の押圧操作を検出するスイッチとを備えていることを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動制御システム。
【請求項4】
前記押圧操作部内に表示装置を備え、前記入力制御部は、コード入力モードに切り換えられたとき、前記入力装置を操作することによって行われるIDコードの入力に必要な情報を前記表示装置に表示することを特徴とする請求項3に記載のエンジン始動制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−207602(P2008−207602A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−43843(P2007−43843)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】