説明

エンジン装置

【課題】従来のマフラーの掃除またはフィルタの交換などのメンテナンス作業を不要にできるものでありながら、排気尾管1の内周面に堆積する粒子状物質量を低減できるようにしたエンジン装置を提供しようとするものである。
【解決手段】ディーゼルエンジン70から排出される排気ガスを、排気尾管1から機外に放出するエンジン装置において、排気尾管1の内面側にすす付着防止体1g,3,3b,3c,3d,3e,9a,9b,10,11,12,14,15,17を設け、排気尾管1内の排気ガス流れが、すす付着防止体1g,3,3b,3c,3d,3e,9a,9b,10,11,12,14,15,17の案内にて渦流または乱流になるように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ディーゼルエンジンが搭載される建設機械または農業機械または発電機またはコンプレッサなどのエンジン装置に係り、より詳しくは、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスを、排気尾管から機外に放出するエンジン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ディーゼルエンジンの排気経路中に、排気ガス中に含まれた粒子状物質(すす、パティキュレート)等を除去するマフラーまたはフィルタを設け、排気ガス中に含まれた粒子状物質(すす、パティキュレート)等を除去する技術が知られている(例えば特許文献1〜2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−177541号公報
【特許文献2】特開2002−349233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、排気ガス中に含まれた粒子状物質(すす、パティキュレート)等をマフラーの内部に蓄積する場合、機外に排出される排気ガス中の粒子状物質量を一時的に低減できるが、粒子状物質の蓄積状況を確認して、マフラーの内部に蓄積された粒子状物質を取り除く作業が必要になる等のメンテナンス作業上の問題がある。また、排気ガスが層流になりやすい排気尾管出口付近の内周面に粒子状物質が付着するのを防止するものではないから、排気尾管のガス出口付近での粒子状物質の付着を簡単に低減できない等の問題がある。
【0005】
一方、特許文献2のように、排気ガス中に含まれた粒子状物質(すす、パティキュレート)等を除去するフィルタを組付ける場合、特許文献1と同様に、機外に排出される排気ガス中の粒子状物質量を一時的に低減できるが、粒子状物質の蓄積状況を確認して、粒子状物質が蓄積されたフィルタを交換する作業が必要になる等のメンテナンス作業上の問題がある。また、特許文献1と同様に、排気尾管出口付近の内周面に粒子状物質が付着するのを簡単に防止できない等の問題がある。
【0006】
そこで、本願発明は、これらの現状を検討して改善を施したエンジン装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスを、排気尾管から機外に放出するエンジン装置において、前記排気尾管の内面側にすす付着防止体を設け、前記排気尾管内の排気ガス流れが、前記すす付着防止体の壁面近傍にて渦流または乱流が生じるように構成したものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載したエンジン装置において、前記すす付着防止体として複数の突起体を設け、前記排気尾管の内周面から内部中心側に向けて前記複数の突起体を突設させたものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載したエンジン装置において、前記排気尾管に複数の取付け孔を形成し、前記排気尾管の外側からこの内部に前記複数の取付け孔を介して前記複数の突起体を着脱可能に突出させるように構成したものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1に記載したエンジン装置において、前記すす付着防止体としてガス絞り体を設け、前記排気尾管内の排気ガスの流速を前記ガス絞り体にて速めるように構成したものである。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1に記載したエンジン装置において、前記排気尾管に前記すす付着防止体を揺振可能に内設させ、前記すす付着防止体が揺振して前記排気尾管の内周面を擦るように構成したものである。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5に記載したエンジン装置において、前記排気尾管の排気ガス圧力によって前記すす付着防止体を揺振させる排気圧検知体を設け、前記排気圧検知体にて前記すす付着防止体が揺振して、前記すす付着防止体にて前記排気尾管の内周面が擦られるように構成したものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によると、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスを、排気尾管から機外に放出するエンジン装置において、前記排気尾管の内面側にすす付着防止体を設け、前記排気尾管内の排気ガス流れが、前記すす付着防止体の壁面近傍にて渦流または乱流が生じるように構成したものであるから、排気ガス中に含まれた粒子状物質(すす、パティキュレート)を前記排気尾管内から積極的に排出でき、排気ガスが層流になりやすい排気尾管のガス出口付近での粒子状物質の付着量を低減でき、前記排気尾管出口の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止できる。従来のマフラーの掃除またはフィルタの交換などのメンテナンス作業を不要にできるものでありながら、前記排気尾管の内周面に堆積する粒子状物質量を容易に低減できる。
【0014】
請求項2の発明によると、前記すす付着防止体として複数の突起体を設け、前記排気尾管の内周面から内部中心側に向けて前記複数の突起体を突設させたものであるから、前記複数の突起体の案内にて排気ガスを渦流(または乱流)移動させ、前記排気尾管の内周面における排気ガスの流速を排気尾管中心部よりも速くしたり、前記排気尾管の内周面における排気ガスの流れを不安定に変化させることができ、前記排気尾管内の排気ガスの層流移動などによって前記排気尾管の内周面に粒子状物質が付着するのを低減できる。即ち、前記排気尾管内における排気ガスの移動抵抗が増大するのを阻止しながら、前記排気尾管の内周面における粒子状物質の堆積量を低減できる。
【0015】
請求項3の発明によると、前記排気尾管に複数の取付け孔を形成し、前記排気尾管の外側からこの内部に前記複数の取付け孔を介して前記複数の突起体を着脱可能に突出させるように構成したものであるから、前記排気尾管のガス出口から離れた上流側に前記複数の取付け孔を開設することにより、前記複数の取付け孔を介して前記排気尾管の上流側に前記複数の突起体を簡単に組付けることができる。また、前記排気尾管の内周面における粒子状物質の堆積状況(エンジンの運転状況)などに応じて、仕様の異なる前記突起体と交換できる。
【0016】
請求項4の発明によると、前記すす付着防止体としてガス絞り体を設け、前記排気尾管内の排気ガスの流速を前記ガス絞り体にて速めるように構成したものであるから、前記ガス絞り体の案内にて排気ガスを内周面側に誘導して高速移動させて、前記排気尾管出口付近の内周面に付着する粒子状物質等の堆積量を低減できる。前記排気尾管内の排気ガスの流速の増加にて、前記排気尾管から粒子状物質等を積極的に排出でき、排気ガス中の粒子状物質等が前記排気尾管出口付近の内周面に付着して堆積するのを防止できる。
【0017】
請求項5の発明によると、前記排気尾管に前記すす付着防止体を揺振可能に内設させ、前記すす付着防止体が揺振して前記排気尾管の内周面を擦るように構成したものであるから、前記排気尾管出口付近における排気ガスの渦流または乱流による粒子状物質の除去作用に加え、前記排気尾管出口付近の内周面に付着する粒子状物質等を前記すす付着防止体にて擦り取ることができ、前記排気尾管出口付近の内周面を前記すす付着防止体にて効果的に清掃できる。
【0018】
請求項6の発明によると、前記排気尾管の排気ガス圧力によって前記すす付着防止体を揺振させる排気圧検知体を設け、前記排気圧検知体にて前記すす付着防止体が揺振して、前記すす付着防止体にて前記排気尾管の内周面が擦られるように構成したものであるから、前記排気尾管内の排気ガスの圧力変動によって前記すす付着防止体を強制的に振動させることができ、前記排気尾管出口付近の内周面に付着する粒子状物質等を速やかに擦り取ることができ、前記排気尾管出口付近の内周面に堆積する粒子状物質等を容易に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図2】同排気尾管の断面端面図である。
【図3】第2実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図4】同排気尾管の断面端面図である。
【図5】第3実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図6】同排気尾管の断面端面図である。
【図7】第4実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図8】同排気尾管の断面端面図である。
【図9】第5実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図10】同排気尾管の断面端面図である。
【図11】第6実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図12】同排気尾管の断面端面図である。
【図13】第7実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図14】同排気尾管の断面端面図である。
【図15】第8実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図16】同排気尾管の断面端面図である。
【図17】第9実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図18】同排気尾管の断面端面図である。
【図19】第10実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図20】同排気尾管の断面端面図である。
【図21】第11実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図22】同排気尾管の断面端面図である。
【図23】第12実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図24】同排気尾管の断面端面図である。
【図25】第13実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図26】同排気尾管の断面端面図である。
【図27】第14実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図28】同排気尾管の断面端面図である。
【図29】第15実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図30】同排気尾管の断面端面図である。
【図31】第16実施形態を示す排気尾管の断面説明図である。
【図32】同排気尾管の断面端面図である。
【図33】ディーゼルエンジンを搭載したスキッドステアローダの側面図である。
【図34】同スキッドステアローダの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1〜図34を参照して、本願発明のエンジン装置の第1〜第16実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図32は、第1〜第16実施形態を示す排気尾管の説明図である。図33は、第1〜第16実施形態の排気尾管が設置されるディーゼルエンジンを搭載したスキッドステアローダ(作業車両)の側面図である。図34は、同スキッドステアローダの平面図である。
【0021】
図1、図2を参照して、第1実施形態の排気尾管の構造を説明する。図1、図2に示す如く、円筒状の排気尾管1は、ガス出口1aから離れた上流側中間部1bに複数の長四角形の取付け孔2を開設している。複数の取付け孔2は、排気尾管1の同一円周上に等間隔に配置されている。また、すす付着防止体として複数の平板翼状の突起体3を設ける。平板翼状の突起体3の長四角端面形状と相似形の長四角形に取付け孔2を形成している。なお、複数の取付け孔2は、必ずしも、排気尾管1の同一円周上に等間隔に配置しなくてもよい。
【0022】
即ち、排気尾管1の外周面1c側から取付け孔2に突起体3の先端側を差し込み、排気尾管1の内周面1dから内部中心側に向けて複数の突起体3の先端側を突設させている。排気尾管1の内周面1d側に複数の突起体3を着脱可能に突出させるように構成している。なお、複数の突起体3の先端側端面3aは、排気ガスを迎える方向に傾斜した斜面形(直角三角形の長辺に相当する斜面)に形成している。
【0023】
また、図1、図2に示す如く、排気尾管1の外周面1cに被嵌させる締結具4を備える。締結具4は、複数組の締結バンド体5と、各締結バンド体5の対向する端部を連結する複数組のボルト6及びナット7を有する。各締結バンド体5の内周面に突起体3の基端部を溶接固定し、各締結バンド体5の内周面側に複数の突起体3を等間隔に配置している。なお、複数の突起体3の取付け間隔(配置)は、複数の取付け孔2の取付け間隔(配置)と同じ間隔(配置)でよく、必ずしも、複数の取付け孔2と同様に、複数の突起体3も等間隔に配置しなくてもよい。
【0024】
上記の構成により、締結バンド体5の内周面に埴設された突起体3の先端側を、取付け孔2を介して排気尾管1の内周面1d側に挿入させ、ボルト6及びナット7にて各締結バンド体5を互いに連結し、排気尾管1の外側からこの内部に複数の取付け孔2を介して複数の突起体3を着脱可能に突出させる。
【0025】
次に、図33、図34を参照して、第1実施形態の排気尾管が設置されるディーゼルエンジン70を搭載したスキッドステアローダ111について説明する。図33、図34に示す如く、セミクローラ型作業車両としてのセミクローラ型スキッドステアローダ111は、後述するローダ装置112を装着し、ローダ作業を行うことが可能に構成されている。このスキッドステアローダ111の前部には前車輪113が配置されており、後部には走行クローラ部114が配置されている。また、スキッドステアローダ111の走行クローラ部114の上方には、開閉可能なボンネット115が配置されている。
【0026】
ボンネット115内にはディーゼルエンジン70が収容されている。このディーゼルエンジン70は、スキッドステアローダ111が備える走行機体116に防振部材等を介して支持されている。ボンネット115の前方には、運転のための空間を構成するキャビン117が配置されており、このキャビン117の内部には操縦ハンドル118及び運転座席119等が備えられている。また、ディーゼルエンジン70によって駆動される走行油圧ポンプ装置120と、左右の走行クローラ部114を駆動する走行油圧モータ装置121が備えられている。ディーゼルエンジン70からの動力が、走行油圧ポンプ装置120と走行油圧モータ装置121を介して左右の走行クローラ部114に伝達される。運転座席119に座乗したオペレータは、操縦ハンドル118等の操作部を介して、スキッドステアローダ111の走行操作等を行うことができる。
【0027】
また、スキッドステアローダ111の前部であって前車輪113の上方には、ローダ装置112を備えている。ローダ装置112は、走行機体116の左右両側に配置されたローダポスト122と、各ローダポスト122の上端に上下揺動可能に連結された左右一対のリフトアーム123と、左右リフトアーム123の先端部に上下揺動可能に連結されたバケット124とを有している。
【0028】
各ローダポスト122とこれに対応したリフトアーム123との間には、リフトアーム123を上下揺動させるためのリフトシリンダ126がそれぞれ設けられている。左右リフトアーム123とバケット124との間には、バケット124を上下揺動させるためのバケットシリンダ128が設けられている。この場合、操縦座席119のオペレータがローダレバー(図示省略)を操作することによって、リフトシリンダ126やバケットシリンダ128が伸縮作動し、リフトアーム123やバケット124を上下揺動させ、ローダ作業を実行するように構成している。
【0029】
また、ディーゼルエンジン70の上部に消音器71を載置し、ディーゼルエンジン70の排気マニホールド72に消音器71の排気ガス取入れ側を連結する。消音器71の排気ガス排出側に排気尾管1の一端側を連結し、ボンネット115の上面側から上方に向けて排気尾管1の他端側を突出させている。上向きに略垂直に立設した排気尾管1他端の上端側からディーゼルエンジン70の排気ガスを排出するように構成している。
【0030】
そして、図1、図2に示す如く、排気尾管1の内周面から内部中心側に向けて複数の突起体3を突設させ、排気尾管1内の同一円周上に1列に複数の突起体3を配置する。排気尾管1の内面側に複数の突起体3を設け、すす付着防止体としての複数の突起体3の案内にて排気尾管1内の排気ガス流れを渦流または乱流にし、ディーゼルエンジン70の排気ガス中に含まれた粒子状物質(すす、パティキュレート)を排気尾管1内から積極的に排出させ、排気ガスが層流になりやすい排気尾管1のガス出口1a付近での粒子状物質の付着量を低減させ、排気尾管1出口の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止している。
【0031】
次に、図3、図4を参照して、第2実施形態の排気尾管1の構造を説明する。図3、図4に示す如く、第1実施形態の平板翼状の突起体3に代えて、すす付着防止体としての針金またはボルトなどの棒状の突起体3bを設ける。第1実施形態と同様に、締結バンド体5の内周面に棒状の突起体3bの基端部を溶接固定し、複数組の締結バンド体5の内周面側に複数の棒状の突起体3bを等間隔に配置し、排気尾管1の内周面から内部中心側に向けて複数の棒状の突起体3bを突設させ、棒状の突起体3bの案内にて排気尾管1内の排気ガス流れを渦流または乱流にし、排気尾管1におけるガス出口1a付近の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止している。
【0032】
なお、前記排気ガスの移動方向と直交する円周上に2列に、複数の棒状の突起体3bを等間隔に設け、前記排気ガスの移動方向の上手側の棒状の突起体3bの突出寸法を短く形成し、前記排気ガスの移動方向の下手側の棒状の突起体3bの突出寸法を長く形成し、前記排気ガスの移動抵抗を段階的に増大させるように構成している。
【0033】
次に、図5、図6を参照して、第3実施形態の排気尾管1の構造を説明する。図5、図6に示す如く、第1実施形態の平板翼状の突起体3に代えて、排気尾管1の一部を押出して形成する凸状の突起体3cを設ける。排気尾管1内周面の同一円周上に1列に複数の凸状の突起体3cを配置している。排気尾管1の内周面側に複数の凸状の突起体3cを略等間隔に配置し、排気尾管1の内周面から内部中心側に向けて複数の凸状の突起体3cを突設させ、すす付着防止体としての凸状の突起体3cの案内にて排気尾管1内の排気ガス流れを渦流または乱流にし、排気尾管1におけるガス出口1a付近の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止している。
【0034】
次に、図7、図8を参照して、第4実施形態の排気尾管1の構造を説明する。図7、図8に示す如く、第1実施形態の平板翼状の突起体3に代えて、排気尾管1の同一円周上に形成する円形の取付け孔2aを介して、排気尾管1の外周面1c側から内部中心側に向けて突出させる球形凸状の突起体3dを設ける。排気尾管1の外周面1cに、前記球形凸状の突起体3dの頭部3eを溶接固定する。排気尾管1内周面の同一円周上に1列に複数の球形凸状の突起体3dを略等間隔に配置している。なお、取付け孔2aと突起体3dは、必ずしも、排気尾管1の同一円周上に形成しなくてもよく、また等間隔に配置しなくてもよく、複数の取付け孔2aと突起体3dは、同一配列位置にすればよい。
【0035】
即ち、排気尾管1の内周面側に複数の球形凸状の突起体3dを略等間隔に配置し、排気尾管1の内周面から内部中心側に向けて複数の球形凸状の突起体3dを突設させ、すす付着防止体としての球形凸状の突起体3dの案内にて排気尾管1内の排気ガス流れを渦流または乱流にし、排気尾管1におけるガス出口1a付近の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止している。
【0036】
次に、図9、図10を参照して、第5実施形態の排気尾管1の構造を説明する。図9、図10に示す如く、第1実施形態の平板翼状の突起体3に代えて、排気尾管1の円形断面端面と異なる四角形に形成する多角形状の薄板筒製の突起体3eを設ける。排気尾管1のうち上流側中間部1bを排気ガスの流れと直交する方向に切断し、上手側尾管1eと下手側尾管1fとに排気尾管1を分割形成している。また、排気尾管1に被嵌させる継手管8を備える。継手管8の内部に前記多角形状の薄板筒製の突起体3eを溶接固定すると共に、継手管8の両端側に、上手側尾管1eと下手側尾管1fとを差し込み、継手管8の両端側に上手側尾管1eと下手側尾管1fを溶接固定し、継手管8を介して上手側尾管1eと下手側尾管1fを一体的に連結する。
【0037】
即ち、排気尾管1の上流側中間部1bに継手管8を一体的に組込み、継手管8を介して排気尾管1の内部に薄板筒製の突起体3eを固着し、すす付着防止体としての薄板筒製の突起体3eの案内にて排気尾管1内の排気ガス流れを渦流または乱流にし、排気尾管1におけるガス出口1a付近の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止している。なお、突起体3eは、四角形の薄板筒にて形成したが、6角形または星型などの多角形端面を有する薄板筒にて形成してもよい。
【0038】
次に、図11、図12を参照して、第6実施形態の排気尾管1の構造を説明する。図11、図12に示す如く、第1実施形態の平板翼状の突起体3に代えて、排気尾管1の円形内孔に挿入する円筒形状の薄板筒体9に形成する折り曲げ翼状の突起体9aを設ける。すす付着防止体としての折り曲げ翼状の突起体9aは、薄板筒体9の一部を切欠いて折り曲げて形成する。排気尾管1内周面の同一円周上に1列に複数の折り曲げ翼状の突起体9aを略等間隔に配置している。
【0039】
即ち、排気尾管1の内周面から内部中心側に向けて複数の折り曲げ翼状の突起体9aを突設させ、折り曲げ翼状の突起体9aの案内にて排気尾管1内の排気ガス流れを渦流または乱流にし、排気尾管1におけるガス出口1a付近の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止している。
【0040】
次に、図13、図14を参照して、第7実施形態の排気尾管1の構造を説明する。図13、図14に示す如く、第1実施形態の平板翼状の突起体3に代えて、排気尾管1の円形内孔に挿入する円筒形状の薄板筒体9の一部を押出して形成するすす付着防止体としての凸状の膨出突起体9bを設ける。薄板筒体9内周面の同一円周上に1列に複数の凸状の膨出突起体9bを配置している。排気尾管1の内周面側に複数の凸状の膨出突起体9bを略等間隔に配置し、排気尾管1の内周面から内部中心側に向けて複数の凸状の膨出突起体9bを突設させ、凸状の膨出突起体9bの案内にて排気尾管1内の排気ガス流れを渦流または乱流にし、排気尾管1におけるガス出口1a付近の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止している。
【0041】
次に、図15、図16を参照して、第8実施形態の排気尾管1の構造を説明する。図15、図16に示す如く、第1実施形態の平板翼状の突起体3に代えて、排気尾管1の円形内孔に挿入するすす付着防止体としての薄板円筒ノズル形状の漏斗状ガス絞り体10を設ける。すす付着防止体としての漏斗状ガス絞り体10は、円錐筒部10aと小径円筒部10bを有する。排気尾管1の内周面1dに、円錐筒部10aの大径側の外周縁を溶接固定する。円錐筒部10aの小径側に小径円筒部10bの一端側を一体的に連結する。排気尾管1内を移動する排気ガス流を、円錐筒部10aと小径円筒部10bにて絞り、排気ガスの圧力を高くしてその流速を速くするように構成している。
【0042】
即ち、排気尾管1のガス出口1a側に小径円筒部10bの他端側を向けると共に、排気尾管1のガス入口側に円錐筒部10aの大径側を向け、排気尾管1内の排気ガスの流速を漏斗状ガス絞り体10にて速めるように構成している。漏斗状ガス絞り体10の排気ガス圧縮作用にて排気尾管1内の排気ガス流速を変化させ、前記排気ガス流れを渦流または乱流にし、排気尾管1におけるガス出口1a付近の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止している。
【0043】
次に、図17、図18を参照して、第9実施形態の排気尾管1の構造を説明する。図17、図18に示す如く、第1実施形態の平板翼状の突起体3に代えて、排気尾管1の円形内孔に挿入するすす付着防止体としての薄板ノズル形状の円筒状ガス絞り体11を設ける。円筒状ガス絞り体11の一端側(排気ガス取入れ端部)に隔壁部11aを一体的に形成し、ドーナツ状円盤形に形成した隔壁部11aの外周縁部を排気尾管1に溶接固定する。排気尾管1の内周面1dと円筒状ガス絞り体11の外周面の間を隔壁部11aにて閉塞する。排気尾管1のガス出口1aに向けて円筒状ガス絞り体11の他端側を開口させている。排気尾管1内を移動する排気ガス流を円筒状ガス絞り体11にて絞り、排気ガスの圧力を高くしてその流速を速くするように構成している。
【0044】
即ち、排気尾管1のガス入口側に円筒状ガス絞り体11の一端側(隔壁部11a形成側)を向けると共に、排気尾管1のガス出口1a側に円筒状ガス絞り体11の他端側を向け、排気尾管1内の排気ガスの流速を円筒状ガス絞り体11にて速めるように構成している。円筒状ガス絞り体11の排気ガス圧縮作用にて排気尾管1内の排気ガス流速を変化させ、前記排気ガス流れを渦流または乱流にし、排気尾管1におけるガス出口1a側の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止している。
【0045】
次に、図19、図20を参照して、第10実施形態の排気尾管1の構造を説明する。図19、図20に示す如く、第1実施形態の平板翼状の突起体3に代えて、排気尾管1の一部を押出して形成するすす付着防止体としての一対の凸状のガス絞り突起体1gを設ける。一対のガス絞り突起体1gは、排気尾管1の対向する部位を内周面1d側に押出して、一対のガス絞り突起体1g形成部の断面端面積を、排気尾管1円筒部の断面端面積よりも小さく形成し、一対のガス絞り突起体1gの間で、排気尾管1内を移動する排気ガス流を絞り、排気ガスの圧力を高くしてその流速を速くするように構成している。
【0046】
即ち、一対のガス絞り突起体1gの排気ガス圧縮作用にて排気尾管1内の排気ガス流速を変化させ、前記排気ガス流れを渦流または乱流にし、排気尾管1におけるガス出口1a側の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止している。なお、排気尾管1の対向する部位に一対のガス絞り突起体1gを設けたが、排気尾管1の全周に亘ってガス絞り突起体1gを形成してもよい。
【0047】
次に、図21、図22を参照して、第11実施形態の排気尾管1の構造を説明する。図21、図22に示す如く、第1実施形態の平板翼状の突起体3に代えて、排気尾管1の中心部にすす付着防止体としての砲弾状のガス誘導体12を設ける。排気尾管1のうち上流側中間部1bを排気ガスの流れと直交する方向に切断し、上手側尾管1eと下手側尾管1fとに排気尾管1を分割形成している。また、排気尾管1に被嵌させる継手管8を備える。継手管8の内周面に複数の支脚体13の一端側を溶接固定し、排気尾管1の中心に向けて複数の支脚体13の他端側を延設し、複数の支脚体13の他端側にガス誘導体12を溶接固定する。また、継手管8の両端側に、上手側尾管1eと下手側尾管1fとを差し込み、継手管8の両端側に上手側尾管1eと下手側尾管1fを溶接固定し、継手管8を介して上手側尾管1eと下手側尾管1fを一体的に連結する。
【0048】
即ち、排気尾管1の上流側中間部1bに継手管8を一体的に組込み、継手管8を介して排気尾管1の内部に砲弾状のガス誘導体12を固着し、すす付着防止体としての砲弾状のガス誘導体12の案内にて排気尾管1内の排気ガス流れを渦流または乱流にし、排気尾管1におけるガス出口1a付近の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止している。なお、砲弾状のガス誘導体12は、尖頭を有する円柱形に形成したが、4角形または6角形などの多角形端面を有する多角柱形に形成してもよい。
【0049】
次に、図23、図24を参照して、第12実施形態の排気尾管1の構造を説明する。図23、図24に示す如く、第1実施形態の平板翼状の突起体3に代えて、排気尾管1の内周面1dを切削して形成するすす付着防止体としての多条螺旋形のガイド溝1hを設ける。排気尾管1内の排気ガスが、螺旋形のガイド溝1hの案内によって渦巻き状に移動し、排気尾管1の内周面1dに向けて前記排気ガスが遠心力にて誘導されるように構成している。即ち、多条螺旋形のガイド溝1hの排気ガス誘導作用にて排気尾管1内の排気ガス流速を変化させ、前記排気ガス流れを渦流または乱流にし、排気尾管1におけるガス出口1a側の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止している。
【0050】
次に、図25、図26を参照して、第13実施形態の排気尾管1の構造を説明する。図25、図26に示す如く、第1実施形態の平板翼状の突起体3に代えて、排気尾管1の中心部にすす付着防止体としての翼状の螺旋ガイド体14を設ける。排気尾管1のうち上流側中間部1bを排気ガスの流れと直交する方向に切断し、上手側尾管1eと下手側尾管1fとに排気尾管1を分割形成している。また、排気尾管1に被嵌させる継手管8を備える。継手管8の内周面に複数の支脚体13の一端側を溶接固定し、排気尾管1の中心に向けて複数の支脚体13の他端側を延設し、複数の支脚体13の他端側にガス誘導体12の前半側を溶接固定する。ガス誘導体12の後半側に螺旋ガイド体14を溶接固定する。また、継手管8の両端側に、上手側尾管1eと下手側尾管1fとを差し込み、継手管8の両端側に上手側尾管1eと下手側尾管1fを溶接固定し、継手管8を介して上手側尾管1eと下手側尾管1fを一体的に連結し、下手側尾管1fの内部に螺旋ガイド体14を支持するように構成している。
【0051】
即ち、排気尾管1の上流側中間部1bに継手管8を一体的に組込み、継手管8を介して排気尾管1の内部に螺旋ガイド体14を固着し、すす付着防止体としての螺旋ガイド体14の案内にて排気尾管1内の排気ガス流れを渦流または乱流にし、排気尾管1におけるガス出口1a付近の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止している。なお、螺旋ガイド体14は、複数枚の翼形に形成したが、1枚の螺旋板形に形成してもよい。
【0052】
次に、図27、図28を参照して、第14実施形態の排気尾管1の構造を説明する。図27、図28に示す如く、第1実施形態の平板翼状の突起体3に代えて、排気尾管1の中心部にすす付着防止体としての金属メッシュ製の円筒形壁面清掃体15を設ける。排気尾管1のうち上流側中間部1bを排気ガスの流れと直交する方向に切断し、上手側尾管1eと下手側尾管1fとに排気尾管1を分割形成している。また、排気尾管1に被嵌させる継手管8を備える。継手管8の内周面に支持筒体16を溶接固定し、支持筒体16の内周面に円筒形壁面清掃体15の一端側(排気ガス取入れ側)を溶接固定し、排気尾管1のガス出口1aに向けて円筒形壁面清掃体15の他端側(排気ガス排出側)を延設している。また、継手管8の両端側に、上手側尾管1eと下手側尾管1fとを差し込み、継手管8の両端側に上手側尾管1eと下手側尾管1fを溶接固定し、継手管8を介して上手側尾管1eと下手側尾管1fを一体的に連結し、下手側尾管1fの内部に円筒形壁面清掃体15を支持するように構成している。
【0053】
即ち、排気尾管1の上流側中間部1bに継手管8を一体的に組込み、継手管8を介して排気尾管1の内部に円筒形壁面清掃体15の一端側を固着し、排気ガス圧力または機械振動などにて円筒形壁面清掃体15の他端側を揺振可能に支持し、すす付着防止体としての円筒形壁面清掃体15の揺動または振動にて排気尾管1の内周面1dを擦り、排気尾管1におけるガス出口1a付近の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止している。排気尾管1のガス出口1a付近における排気ガスの渦流または乱流による粒子状物質の除去作用に加え、排気尾管1のガス出口1a付近の内周面1dに付着する粒子状物質等を円筒形壁面清掃体15にて擦り取る。
【0054】
次に、図29、図30を参照して、第15実施形態の排気尾管1の構造を説明する。図29、図30に示す如く、第1実施形態の平板翼状の突起体3に代えて、排気尾管1の中心部にすす付着防止体としての円筒状のばね製の可とう性壁面清掃体17を設ける。また、第14実施形態と同様に、上手側尾管1eと下手側尾管1fとに排気尾管1を分割形成している。また、排気尾管1に被嵌させる継手管8の内周面に、支持筒体16を溶接固定し、支持筒体16の内周面に可とう性壁面清掃体17の一端側(排気ガス取入れ側)を溶接固定し、排気尾管1のガス出口1aに向けて可とう性壁面清掃体17の他端側(排気ガス排出側)を延設している。継手管8を介して上手側尾管1eと下手側尾管1fを一体的に連結し、下手側尾管1fの内部に可とう性壁面清掃体17を支持するように構成している。
【0055】
即ち、第14実施形態と同様に、継手管8を介して排気尾管1の内部に可とう性壁面清掃体17の一端側を固着し、排気ガス圧力または機械振動などにて可とう性壁面清掃体17の他端側を揺振可能に支持し、すす付着防止体としての可とう性壁面清掃体17の揺動または振動にて排気尾管1の内周面1dを擦り、排気尾管1におけるガス出口1a付近の内周面に排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止している。排気尾管1のガス出口1a付近における排気ガスの渦流または乱流による粒子状物質の除去作用に加え、排気尾管1のガス出口1a付近の内周面1dに付着する粒子状物質等を可とう性壁面清掃体17にて擦り取る。
【0056】
次に、図31、図32を参照して、第16実施形態の排気尾管1の構造を説明する。図31、図32に示す如く、第1実施形態の平板翼状の突起体3に代えて、第15実施形態と同様に、すす付着防止体としての可とう性壁面清掃体17を設けている。そして、支持筒体16の内周面に可とう性壁面清掃体17の一端側(排気ガス取入れ側)を溶接固定し、排気尾管1のガス出口1aに向けて可とう性壁面清掃体17の他端側(排気ガス排出側)を延設し、下手側尾管1fの内部に可とう性壁面清掃体17を支持する。また、排気尾管1のガス出口1aを開閉可能に閉塞する蓋体18を備え、排気尾管1のガス出口1aから突出させる可とう性壁面清掃体17の他端側に蓋体18を溶接固定する。
【0057】
即ち、第15実施形態と同様に、継手管8を介して排気尾管1の内部に可とう性壁面清掃体17の一端側を固着し、排気ガスの排出圧力にて蓋体18を開閉可能に支持し、排気圧検知体としての蓋体18が排気ガスの排出圧力にて開動し、すす付着防止体としての可とう性壁面清掃体17の揺動または振動にて排気尾管1の内周面1dを擦する。排気尾管1のガス出口1a付近における排気ガスの渦流または乱流による粒子状物質の除去作用に加え、排気尾管1のガス出口1a付近の内周面1dに付着する粒子状物質等を可とう性壁面清掃体17にて擦り取る。
【0058】
図1〜図32に示す如く、ディーゼルエンジン70から排出される排気ガスを、排気尾管1から機外に放出するエンジン装置において、排気尾管1の内面側にすす付着防止体としての突起体1g,3,3b,3c,3d,3e,9a,9b、またはガス絞り体10,11、またはガス誘導体12、または螺旋ガイド体14、または壁面清掃体15,17を設け、排気尾管1内の排気ガス流れが、突起体1g,3,3b,3c,3d,3e,9a,9b、またはガス絞り体10,11、またはガス誘導体12、または螺旋ガイド体14、または壁面清掃体15,17の壁面近傍の案内にて渦流または乱流が生じるように構成したものであるから、排気ガス中に含まれた粒子状物質(すす、パティキュレート)を排気尾管1内から積極的に排出でき、排気ガスが層流になりやすい排気尾管1のガス出口付近での粒子状物質の付着量を低減でき、排気尾管1出口の内周面1dに排気ガス中の粒子状物質等が付着するのを防止できる。従来のマフラーの掃除またはフィルタの交換などのメンテナンス作業を不要にできるものでありながら、排気尾管1の内周面に堆積する粒子状物質量を容易に低減できる。
【0059】
図1〜図14に示す如く、すす付着防止体として複数の突起体1g,3,3b,3c,3d,3e,9a,9bを設け、排気尾管1の内周面から内部中心側に向けて複数の突起体1g,3,3b,3c,3d,3e,9a,9bを突設させたものであるから、複数の突起体1g,3,3b,3c,3d,3e,9a,9bの案内にて排気ガスを渦流(または乱流)移動させ、排気尾管1の内周面における排気ガスの流速を排気尾管1中心部よりも早くしたり、排気尾管1の内周面における排気ガスの流れを不安定に変化させることができ、排気尾管1内の排気ガスの層流移動などによって排気尾管1の内周面に粒子状物質が付着するのを低減できる。即ち、排気尾管1内における排気ガスの移動抵抗が増大するのを阻止しながら、排気尾管1の内周面における粒子状物質の堆積量を低減できる。
【0060】
図1〜図4に示す如く、排気尾管1に複数の取付け孔2を形成し、排気尾管1の外側からこの内部に複数の取付け孔2を介して複数の突起体3,3bを着脱可能に突出させるように構成したものであるから、排気尾管1のガス出口1aから離れた上流側中間部1bに複数の取付け孔2を開設することにより、複数の取付け孔2を介して排気尾管1の上流側中間部1bに複数の突起体3,3bを簡単に組付けることができる。また、排気尾管1の内周面における粒子状物質の堆積状況(エンジンの運転状況)などに応じて、仕様の異なる突起体3,3bと交換できる。
【0061】
図15〜図19に示す如く、すす付着防止体としてガス絞り体10,11を設け、排気尾管1内の排気ガスの流速をガス絞り体10,11にて速めるように構成したものであるから、ガス絞り体10,11の案内にて排気ガスを内周面側に誘導して高速移動させて、排気尾管1出口付近の内周面に付着する粒子状物質等の堆積量を低減できる。排気尾管1内の排気ガスの流速の増加にて、排気尾管1から粒子状物質等を積極的に排出でき、排気ガス中の粒子状物質等が排気尾管1出口付近の内周面に付着して堆積するのを防止できる。
【0062】
図27〜図32に示す如く、排気尾管1に前記すす付着防止体としての壁面清掃体15,17を揺振可能に内設させ、壁面清掃体15,17が揺振して排気尾管1の内周面1dを擦るように構成したものであるから、排気尾管1出口付近における排気ガスの渦流または乱流による粒子状物質の除去作用に加え、排気尾管1出口付近の内周面に付着する粒子状物質等を壁面清掃体15,17にて擦り取ることができ、排気尾管1出口付近の内周面を壁面清掃体15,17にて効果的に清掃できる。
【0063】
図31〜図32に示す如く、排気尾管1の排気ガス圧力によってすす付着防止体としての壁面清掃体17を揺振させる排気圧検知体としての蓋体18を設け、蓋体18にて壁面清掃体17が揺振して、壁面清掃体17にて排気尾管1の内周面1dが擦られるように構成したものであるから、排気尾管1内の排気ガスの圧力変動によって壁面清掃体17を強制的に振動させることができ、排気尾管1出口付近の内周面に付着する粒子状物質等を速やかに擦り取ることができ、排気尾管1出口付近の内周面に堆積する粒子状物質等を容易に除去できる。
【符号の説明】
【0064】
1 排気尾管
1g ガス絞り突起体(すす付着防止体)
3 平板翼状の突起体(すす付着防止体)
3b 棒状の突起体(すす付着防止体)
3c 凸状の突起体(すす付着防止体)
3d 球形凸状の突起体(すす付着防止体)
3e 薄板筒製の突起体(すす付着防止体)
9a 折り曲げ翼状の突起体(すす付着防止体)
9b 膨出突起体(すす付着防止体)
10 漏斗状ガス絞り体(すす付着防止体)
11 円筒状ガス絞り体(すす付着防止体)
12 ガス誘導体(すす付着防止体)
14 螺旋ガイド体(すす付着防止体)
15 円筒形壁面清掃体(すす付着防止体)
17 可とう性壁面清掃体(すす付着防止体)
70 ディーゼルエンジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディーゼルエンジンから排出される排気ガスを、排気尾管から機外に放出するエンジン装置において、
前記排気尾管の内面側にすす付着防止体を設け、前記排気尾管内の排気ガス流れが、前記すす付着防止体の壁面近傍にて渦流または乱流が生じるように構成したことを特徴とするエンジン装置。
【請求項2】
前記すす付着防止体として複数の突起体を設け、前記排気尾管の内周面から内部中心側に向けて前記複数の突起体を突設させたことを特徴とする請求項1に記載のエンジン装置。
【請求項3】
前記排気尾管に複数の取付け孔を形成し、前記排気尾管の外側からこの内部に前記複数の取付け孔を介して前記複数の突起体を着脱可能に突出させるように構成したことを特徴とする請求項2に記載のエンジン装置。
【請求項4】
前記すす付着防止体としてガス絞り体を設け、前記排気尾管内の排気ガスの流速を前記ガス絞り体にて速めるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のエンジン装置。
【請求項5】
前記排気尾管に前記すす付着防止体を揺振可能に内設させ、前記すす付着防止体が揺振して前記排気尾管の内周面を擦るように構成したことを特徴とする請求項1に記載のエンジン装置。
【請求項6】
前記排気尾管の排気ガス圧力によって前記すす付着防止体を揺振させる排気圧検知体を設け、前記排気圧検知体にて前記すす付着防止体が揺振して、前記すす付着防止体にて前記排気尾管の内周面が擦られるように構成したことを特徴とする請求項5に記載のエンジン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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