説明

エンボス加工方法及びエンボス加工装置

【課題】紙粉のエンボスパターン表面への付着やエンボスパターンを構成する溝への目詰まりを防止することができ、衛生用紙の連続的な製造及びその設備メンテナンスが容易なエンボス加工方法及びエンボス加工装置を提供する。
【解決手段】ロール外周面にエンボスパターンを構成する溝2a,4aが刻設されたエンボスロール2,4と、ロール外周面にラバー層6a,8aを有しエンボスロール2,4に押圧されるラバーロール6,8とを用い、エンボスロール2,4を回転駆動させつつエンボスロール2,4とラバーロール6,8の間に原紙14,16を通すことにより、エンボスパターンに対応する形状のエンボスを原紙14,16に形成するエンボス加工方法である。ロール外周面側に繊維状材料からなるブラシ10a,12aを有するブラシロール10,12を、エンボスロール2,4に押圧した状態で、エンボスロール2,4とは周速差をつけて回転駆動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原紙にエンボスを形成するためのエンボス加工方法及びエンボス加工装置に関するものである。より具体的には、エンボスロールとラバーロールとの間に原紙を通して、原紙にエンボスを形成するラバースチール法によるエンボス加工方法及びエンボス加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ティシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンタオル等の家庭用衛生用紙の分野においては、吸水性、肌当たりの柔らかさ、意匠性を向上させる等の目的で、原紙にエンボスが形成された衛生用紙が知られている。このような衛生用紙は、例えば大径に巻回された原反ロールから連続的に長尺の原紙を送り出し、その原紙に連続的にエンボスを形成していく方法で得ることができる。
【0003】
原紙にエンボスを形成する方法としては、ロール外周面にエンボスパターン(凸部)を構成する溝が刻設されたエンボスロールと、ロール外周面にエンボスロールのエンボスパターンと相補的なエンボスパターン(凹部)が刻設された受けロール(凹ロール)とを用い、前記エンボスロールを回転駆動させつつ、エンボスロールと凹ロールの間に原紙を通すことにより、エンボスパターンに対応する形状のエンボスを原紙に形成するマッチドスチール法が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、ロール外周面にエンボスパターンを構成する溝が刻設されたエンボスロールと、ロール外周面にラバー層を有しエンボスロールに押圧されるラバーロールとを用い、前記エンボスロールを回転駆動させつつエンボスロールとラバーロールの間に原紙を通すことにより、エンボスパターンに対応する形状のエンボスを原紙に形成するラバースチール法も知られている(特許文献2及び3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−165533号公報(特許請求の範囲、請求項1)
【特許文献2】特開2003−276949号公報(明細書段落0007)
【特許文献3】特開2005−40620号公報(明細書段落0007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2及び3に記載のラバースチール法は特許文献1に記載のマッチドスチール法と比較して柔軟性が高い衛生用紙を得ることができるという利点がある。ラバースチール法は、エンボス形成時に原紙を構成する紙繊維の集合状態を一部破壊し、原紙にダメージを与えるため、原紙に形成されたエンボスが消失し難いものと考えられる。
【0007】
しかし、ラバースチール法は破壊された紙繊維の一部が紙粉となるため、その発生した紙粉が、1)エンボスパターン表面への付着、2)エンボスパターンを構成する溝の目詰まり等の不具合を発生させていた。前記の付着や目詰まりは原紙にエンボスパターンに対応したエンボスを形成することを困難にし、原紙にエンボス形成効果を十分付与できなくなる点において好ましくない。また、この付着や目詰まりの状態を放置してエンボス形成を継続すると、付着又は目詰まりした紙粉が固く締まっていき、事後的な紙粉の除去が困難となり、付着又は目詰まりした紙粉のクリーニングが困難となるという問題もある。
【0008】
前記のような事情から、従前は、原反ロール1ロール分(トイレットペーパーの場合であれば、製品に対し長さ800〜2000倍程度)のエンボス形成が完了する毎に、手作業で付着又は目詰まりした紙粉をクリーニングしていた。このような方法は、衛生用紙の連続的な製造を困難にし、設備メンテナンスのための作業負荷が大きくなる等、生産性を低下させるため好ましくない。
【0009】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、紙粉のエンボスパターン表面への付着やエンボスパターンを構成する溝への目詰まりを防止することができ、衛生用紙の連続的な製造及びその設備メンテナンスが容易なエンボス加工方法及びエンボス加工装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、エンボスロールの外周面に回転するブラシロールを押圧し、そのブラシロールでエンボスロールに付着した紙粉を取り除きながらエンボス形成を行うことにより、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、以下に示すエンボス加工方法及びエンボス加工装置が提供される。
【0011】
[1]ロール外周面にエンボスパターンを構成する溝が刻設されたエンボスロールと、ロール外周面にラバー層を有し前記エンボスロールに押圧されるラバーロールとを用い、前記エンボスロールを回転駆動させつつ前記エンボスロールと前記ラバーロールの間に原紙を通すことにより、前記エンボスパターンに対応する形状のエンボスを前記原紙に形成するエンボス加工方法において、ロール外周面側に繊維状材料からなるブラシを有するブラシロールを、前記エンボスロールに押圧した状態で、前記エンボスロールとは周速差をつけて回転駆動させるエンボス加工方法。
【0012】
[2]ロール外周面にエンボスパターンを構成する溝が刻設されたエンボスロールと、ロール外周面にラバー層を有し前記エンボスロールに押圧されるラバーロールと、を備え、前記エンボスロールを回転駆動させつつ前記エンボスロールと前記ラバーロールの間に原紙を通すことにより、前記エンボスパターンに対応する形状のエンボスを前記原紙に形成するエンボス加工装置において、ロール外周面側に繊維状材料からなるブラシを有し前記エンボスロールに押圧されるブラシロールと、前記ブラシロールを前記エンボスロールとは周速差をつけて回転駆動させる駆動手段と、を更に備えたエンボス加工装置。
【0013】
[3]前記エンボスロールのロール外周面に対する前記ブラシロールの押圧力を調整する押圧力調整機構を備えた前記[2]に記載のエンボス加工装置。
【0014】
[4]前記ブラシロールにおける前記ブラシの高さが、前記エンボスロールの前記溝の深さよりも大きく構成されている前記[2]又は[3]に記載のエンボス加工装置。
【0015】
[5]前記ブラシが、前記ブラシロールのロール本体に着脱可能に取り付けられている前記[2]〜[4]のいずれかに記載のエンボス加工装置。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るエンボス加工方法及びエンボス加工装置は、紙粉のエンボスパターン表面への付着やエンボスパターンを構成する溝への目詰まりを防止することができ、衛生用紙の連続的な製造及びその設備メンテナンスが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るエンボス加工方法及びエンボス加工装置の一の実施形態を示す摸式図である。
【図2】本発明に係るエンボス加工方法及びエンボス加工装置の別の実施形態を示す模式図である。
【図3】本発明に係るエンボス加工方法及びエンボス加工装置の更に別の実施形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るエンボス加工方法及びエンボス加工装置を実施するための形態について図面を参照しながら具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備えるエンボス加工方法及びエンボス加工装置を広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0019】
[1]エンボス加工方法:
本発明に係るエンボス加工方法は、例えば図1に示すように、ロール外周面にエンボスパターンを構成する溝2a,4aが刻設されたエンボスロール2,4と、ロール外周面にラバー層6a,8aを有しエンボスロール2,4に押圧されるラバーロール6,8とを用い、エンボスロール2,4を回転駆動させつつエンボスロール2,4とラバーロール6,8の間に原紙14,16を通すことにより、エンボスパターンに対応する形状のエンボスを原紙14,16に形成するものである。
【0020】
そして、ロール外周面側に繊維状材料からなるブラシ10a,12aを有するブラシロール10,12を、エンボスロール2,4に押圧した状態で、エンボスロール2,4とは周速差をつけて回転駆動させるものである。
【0021】
即ち、エンボスロール2,4の外周面にブラシロール10,12のブラシ10a,12aを摺接させ、そのブラシロール10,12のブラシ10a,12aによってエンボスロール2,4のエンボスパターンの表面又はエンボスパターンを構成する溝2a,4aに付着した紙粉を除去し、クリーニングしながらエンボスを形成する点に特徴がある。
【0022】
このような方法によれば、紙粉が発生し易いラバースチール法であっても、エンボスロール2,4の外周面(エンボスパターンの表面等)に付着した紙粉、特に、エンボスパターンを構成する溝2a,4aの内部に付着した紙粉であっても、ブラシロール10,12のブラシ10a,12aによって掻き出して除去することができる。従って、紙粉のエンボスパターン表面への付着やエンボスパターンを構成する溝への目詰まりを防止することができ、前記付着や前記目詰まりに起因する不具合を有効に防止することができる。即ち、エンボスの形成が阻害され難く、エンボス形成効果を十分付与することができる。
【0023】
また、原反ロール1ロール分のエンボス形成ごとに手作業で付着又は目詰まりした紙粉をクリーニングする必要がなく、エンボス形成を長時間継続することができる。従って、衛生用紙の連続的な製造が容易となり、設備メンテナンスのための作業負荷も小さくなる。即ち、衛生用紙の生産性を向上させることができる。
【0024】
[1−1]ブラシロール:
本発明に言う「ブラシロール」とは、図1に示すようにロール外周面側に繊維状材料からなるブラシ10a,12aを有しエンボスロール2,4に押圧されるロールである(ブラシロール10,12)。
【0025】
「ブラシ」は、複数の単繊維が空隙を有する状態で集合配置されたものであり、繊維状材料からなる部分のみを指す。このようなブラシはエンボスロール2,4の外周面に摺接させた際の柔軟性、変形容易性、形状追従性に優れる。従って、エンボスロール2,4の外周面に刻設された、エンボスパターンを構成する溝2a,4aが極めて微細なものである場合にも、溝2a,4aの内部に確実にそのブラシ10a,12aの先端を入り込ませることができ、溝2a,4aの内部に付着した紙粉を確実に掻き出してエンボスパターンの目詰まりを防止することができる。
【0026】
「繊維状材料」の種類は特に限定されず、従来公知の天然繊維、合成繊維の中から目的に応じて適宜選択して用いればよい。好ましくは、弾性的に撓み変形可能な天然繊維、合成繊維である。
【0027】
「ブラシ」は、複数の単繊維が空隙を有する状態で集合配置されたものであればよく、その繊維がロール外周面からその半径方向へ向けて突出した、いわゆるブラシ状のものは勿論、布状体、例えばフェルト材も含まれる。フェルト材もエンボスロールの外周面に摺接させた際の柔軟性、変形容易性、形状追従性に優れ、いわゆるブラシ状のものと同様の効果を奏する。
【0028】
ブラシロールのブラシは、ブラシロールのロール本体に着脱可能に取り付けられていることが好ましい。例えば、前記フェルト材は一体的なウェブ状に形成されているという特徴があり、いわゆるブラシ状のものと比較して着脱が容易であり、交換作業その他のメンテナンスの面で優れる点において好ましい。また、ブラシとなる繊維状材料を支持体となる樹脂シートに植設させ、この樹脂シートをブラシロールのロール本体に巻き付けて固定したようなものも本発明に言う「ブラシロール」に含まれる。
【0029】
「ブラシ」は、その高さがエンボスロールのエンボスパターンを構成する溝2a,4aの深さよりも大きく構成されていることが好ましい。このような構成とすることで、エンボスパターンを構成する溝2a,4aの底にも、ブラシ10a,12aのブラシの先端を摺接させることができ、エンボスパターンを構成する溝2a,4aの内部に付着した紙粉をより確実に掻き出すことが可能となる。
【0030】
なお、「ブラシの高さ」とは、ロール表面(又はブラシの支持体表面)からブラシ部分がどれだけ突出しているかを示す指標であり、ロール表面等を基準面としたブラシ部分の高さである。例えばエンボスパターンを構成する溝2a,4aの深さが2mmであれば、ブラシの高さを溝2a,4aの深さ2mmよりも大きい、例えば3mm等に設定することが好ましい。一例として、トイレットペーパー用のエンボスロールでは、エンボスパターンを構成する溝2a,4aの深さが1〜2mmとなっている。従って、この場合には、ブラシの高さを1.2〜5mmに設定することが好ましい。
【0031】
[1−2]ブラシロールの回転:
本発明のエンボス加工方法においては、図1に示すように、ブラシロール10,12を、エンボスロール2,4に押圧した状態で、エンボスロール2,4とは周速差をつけて回転駆動させる。
【0032】
ブラシロール10,12は、その回転方向を問わず、エンボスロール2,4に押圧した状態でエンボスロール2,4とは周速差をつけて回転駆動させればよい。例えば、モーター等の駆動手段によりエンボスロール2,4とは独立して回転駆動させてもよく、或いはギヤやベルトを用いてエンボスロール2,4と連動回転させてもよい。これにより、ブラシロールのブラシがエンボスロールの外周面に摺接してエンボスロールの外周面に付着した紙粉が除去される。また、エンボスロール2,4とブラシロール10,12の接触位置が順次に変わるので、ブラシロール10,12が偏摩耗することがなく、ブラシロール10,12の長寿命化を図ることができる。
【0033】
なお、ブラシロール10,12をエンボスロール2,4の回転方向とは逆方向に回転駆動させれば、ブラシロールの回転によってエンボスロールの回転が阻害され難くなる。例えば、図1に示す例では、エンボスロール2を反時計回りに回転させているため、ブラシロール10を時計回りに回転させ、逆にエンボスロール4は時計回りに回転させているため、ブラシロール12は反時計回りに回転させている。
【0034】
「周速」とは、ロール外周上に位置する任意の点が、ロールの回転に伴い、その回転方向に移動する、単位時間当たりの距離を意味する。周速はプラスの値をとってもよいし、マイナスの値をとってもよい。一般にエンボスロールの周速は180〜700m/minとすることが多い。この場合には、ブラシロール10,12の周速を−70〜700m/minの範囲に設定すればよい(但し、ブラシロール10,12の周速が「0」の場合、即ちブラシロール10,12が停止している状態を除く。)。
【0035】
ブラシロール10,12の周速がプラスの値をとるときは、ブラシロール10,12がエンボスロール2,4の回転方向と逆方向に回転することを意味する。例えば700m/minである場合には、ブラシロール10,12が700m/minの周速でエンボスロール2,4の回転方向と逆方向に回転することを意味する。
【0036】
ブラシロール10,12をエンボスロール2,4の回転方向とは逆方向に回転駆動させる場合には、両ロールに周速差がついている限り、何れのロールを速く回転させてもよい。但し、エンボスロールの外周面に付着した紙粉の除去効果を大きくするためには、エンボスロールの周速よりもブラシロールの周速を速くすることが好ましい。例えばエンボスロールの周速が450m/minであれば、ブラシロールの周速を500m/min等に設定すればよい。
【0037】
また、ブラシロール10,12の周速がマイナスの値をとるときは、ブラシロール10,12がエンボスロール2,4の回転方向と同方向に回転することを意味する。例えば−70m/minである場合には、ブラシロール10,12が70m/minの周速でエンボスロール2,4の回転方向と同方向に回転することを意味する。
【0038】
ブラシロール10,12の周速をマイナスの値とするときは、ブラシロール10,12の周速をエンボスロール2,4の周速の10%以内の値とすることが好ましい。例えば、エンボスロール2,4の周速が700m/minであるときには、ブラシロール10,12の周速を−70m/min以上、0m/min未満の範囲内とすることが好ましい。
【0039】
更に、エンボスロールの外周面に対するブラシロールの押圧力を調整し、エンボスロールの外周面への紙粉の付着の度合いに応じて、ブラシロールをエンボスロールの外周面に押圧する押圧力を増大させることが好ましい。この方法は後述するエンボス加工装置に押圧力調整機構を設けることで実施することができる。
【0040】
ブラシロールにより、エンボスロールの外周面に付着した紙粉の除去を行った場合でも、エンボスロールの外周面、特に、エンボスパターンを構成する溝の底部に、紙粉が付着したまま残ることが考えられる。このような場合、その紙粉が経時的に固く締まっていき、事後的な紙粉の除去、ひいては付着又は目詰まりした紙粉のクリーニングが困難となる点において好ましくない。前記のようにエンボスロールの外周面に対するブラシロールの押圧力を増大させれば、固く締まった紙粉でも容易に除去することができる。
【0041】
ブラシロールの押圧力を調整する機構としては、例えば、ブラシロール及びその回転駆動機構を備えたユニットの位置を調整する機構等を挙げることができる。このような機構によれば、ブラシロールのブラシとエンボスロールの外周面とが接離可能となり、両ロール間の距離によって、ブラシロールの押圧力を調整することができる。位置調整が可能である限り、その方法は特に限定されものではない。例えば、サーボモーター等を利用する機械的な機構であってもよいし、手動で位置調整する機構であってもよい。手動で位置調整する機構の場合は、クリック機構やラチェット機構を組み込むことにより、一定の間隔で位置調整を行うことが容易となり、操作性が向上する。
【0042】
なお、「紙粉の付着の度合いに応じて」とは、エンボスロールの外周面への紙粉の付着の度合いをセンサーにて検出し、その検出結果に基づいてブラシロールの押圧力を自動又は手動にて調整する方法を挙げることができる(フィードバック制御等)。また、これに限らず、エンボスロールの外周面への紙粉の付着の度合いを目視し、その結果に基づいてブラシロールの押圧力を手動にて調整する方法を採用してもよい。エンボスロールの外周面に付着する紙粉は、エンボス形成の開始から時間が経つにつれて増える。従って、ブラシロールの押圧力を経時的に増大させる方法を採用してもよい。
【0043】
[1−3]エンボスの形成:
本発明のエンボス加工方法は、ブラシロールを、エンボスロールに押圧した状態でエンボス形成を行うことを除いては、従来のラバースチール法に準じてエンボスを形成すればよい。
【0044】
ラバースチール法は、例えば図1に示すように、ロール外周面にエンボスパターンを構成する溝2a,4aが刻設されたエンボスロール2,4と、ロール外周面にラバー層6a,8aを有しエンボスロール2,4に押圧されるラバーロール6,8とを用い、エンボスロール2,4を回転駆動させつつエンボスロール2,4とラバーロール6,8の間に原紙14,16を通すことにより、エンボスパターンに対応する形状のエンボスを原紙14,16に形成する方法である。ここで、エンボスロール2,4は、モーター等の駆動手段により回転駆動され、ラバーロール6,8はエンボスロール2,4への押圧によってエンボスロール2,4に追従して回転される。
【0045】
具体的な方法は特に限定されないが、例えばエンボスロールとラバーロールの間に原反ロールから送り出された長尺原紙を通してエンボスロールの外周面に刻設したエンボスパターンに対応したエンボスを原紙に形成する方法を挙げることができる。
【0046】
「原反ロール」とは、長尺原紙が大径に巻回されたロールである。大量生産、連続生産を可能とするため、通常の製品(トイレットペーパーの場合、幅114mm、長さ65〜70m程度)に比して、更に幅広かつ長尺な原紙(製品に対し、幅10〜60倍、長さ800〜2000倍程度)が巻回されたロールが用いられる。
【0047】
「原紙」の種類は特に限定されず、従来公知のトイレットペーパー用原紙、キッチンタオル用原紙を用いることができる。中でも、坪量10〜25g/mに抄紙されたトイレットペーパー用原紙を用いることが好ましい。坪量が10g/m未満であると、適正な強度を確保することができない場合がある。一方、坪量が25g/mを超えると、柔軟性が損なわれ、触感が硬くなり過ぎる場合がある。
【0048】
「エンボス」とは、エンボスロール外周面に形成されたエンボスパターンを原紙に型押しすることによって形成されるエンボスパターンと相補的な形状のパターンである。このエンボスによって、原紙に凹凸が形成され、空気層を含んだ嵩高い状態となるため、衛生用紙に柔軟性を付与することができる。また、エンボスパターンを所望の文字、図形、記号等のデザイン形状とすることにより、原紙にこれらデザインを付与することができ、意匠性が高い衛生用紙を得ることもできる。即ち、本発明に言う「エンボス」には、いわゆるマイクロエンボス、デザインエンボス等が含まれる。
【0049】
「マイクロエンボス」とは、主として柔軟性向上のために付されるエンボスである。より具体的には、頂面部の面積が0.01〜2mmのドットエンボスを意味する。通常、マイクロエンボスの頂面部は平面視した場合に円形状又は矩形状等の形状に形成され、長尺原紙の全面に均一に配置される。ドットの頂面形状は特に限定されないが、円形、楕円形、正方形、菱形等を挙げることができる。
【0050】
「デザインエンボス」とは、主として意匠性向上のために付される、デザイン性を有するエンボスである。より具体的には、頂面部の面積が2mmを超えるエンボスからなり、1つのエンボス単独で又は複数のエンボスが組み合わされて何らかのパターンを形成しているものを意味する。デザインエンボスの個々のエンボスの形状は、ドットエンボス、ラインエンボス及びこれらが一体的に組み合わされたエンボスのいずれであってもよい。面状に型押しされた一体的なデザインエンボスにより各々のパターンが形成されていてもよいし、複数のデザインエンボスが集合的に配置され、1つのまとまったパターンが形成されていてもよい。パターンの形状は特に限定されないが、例えば、花、木の葉、幾何学パターン等の形状を挙げることができる。
【0051】
エンボスの形成位置は特に限定されないが、本発明のエンボス加工方法は原紙の全面に亘ってエンボスを形成する際に利用することが好ましい。原紙の全面に亘ってエンボスを形成する場合には発生する紙粉が多いため、本発明の効果を十分に享受することができるからである。例えば、マイクロエンボスやデザインエンボスを原紙の全面に亘って形成するような場合に有効であると言える。
【0052】
エンボスを形成する際には、図1に示すように各々単層の状態の原紙14,16にエンボスを形成してもよいし、図2に示すように原紙14,16を積層させた複層の状態でエンボスを形成してもよい。また、3枚以上の原紙を積層させた複層の状態でエンボスを形成することもできる。
【0053】
[2]エンボス加工装置:
本発明のエンボス加工装置は、図1に示すエンボス加工装置1Aのように、ロール外周面にエンボスパターンを構成する溝2a,4aが刻設されたエンボスロール2,4と、ロール外周面にラバー層6a,8aを有しエンボスロール2,4に押圧されるラバーロール6,8と、を備え、エンボスロール2,4を回転駆動させつつエンボスロール2,4とラバーロール6,8の間に原紙14,16を通すことにより、エンボスパターンに対応する形状のエンボスを原紙14,16に形成する装置である。
【0054】
そして、ロール外周面側に繊維状材料からなるブラシ10a,12aを有しエンボスロール2,4に押圧されるブラシロール10,12と、エンボスロール2,4とは周速差をつけてブラシロール10,12を回転駆動させる駆動手段と、を更に備えたものである。本発明のエンボス加工装置は、本発明のエンボス加工方法の実施に好適に用いることができる。
【0055】
図1に示すエンボス加工装置1Aは、図示されない駆動手段(例えばモーター等)によって、エンボスロール2,4及びブラシロール10,12が回転駆動される。駆動手段は、エンボスロール2,4とブラシロール10,12とを周速差をつけて回転駆動させることが可能な手段であればよい。例えば、単一の駆動手段を用いて、エンボスロールとブラシロールとを連動して回転駆動させるようにしてもよく、エンボスロールとブラシロールとを専用の駆動手段を用いて別個独立に回転駆動させるようにしてもよい。一方、ラバーロール6,8は固有の回転駆動手段を持たず、エンボスロール2,4の回転に追従して回転する。
【0056】
エンボス加工方法の項において、本発明のエンボス加工装置のうち、1)特徴部分であるブラシロールの構造、2)ブラシロールがエンボスロールに対する押圧力を調整する押圧力調整機構を備えたものであることが好ましい点、3)ブラシロールのブラシの高さが、エンボスロールのエンボスパターンを構成する溝の深さより大きく構成されたものが好ましい点、4)ブラシが、ブラシロールのロール本体に着脱可能に取り付けられていることが好ましい点、について既に説明した。以下、本発明のエンボス加工装置の他の構成について図面を参照しながら更に具体的に説明する。
【0057】
[2−1]第1の実施形態:
図1に示すエンボス加工装置1Aは、単層の原紙14,16の各々に別個にエンボスを形成し、そのエンボスが形成された原紙14,16をプライボンディングして2プライの衛生用紙を得るエンボス加工装置に、本発明を適用した例である(以下、前記のようなエンボスを「ダブルエンボス」と称する。)。
【0058】
ダブルエンボス用のエンボス加工装置は、エンボスを形成する原紙の枚数(2枚)に対応して2系統のエンボス形成ラインを備えている。図1に示すエンボス加工装置1Aでは、1)エンボスロール2、ラバーロール6及びブラシロール10のラインと、2)エンボスロール4、ラバーロール8及びブラシロール12のラインである。
【0059】
エンボスロール及びラバーロールについては、従来ラバーエンボス法で用いられてきたものをそのまま用いることができる。
【0060】
エンボスロールは、図1に示すようにロール外周面にエンボスパターンを構成する溝2a,4aが形成されたロールである(エンボスロール2,4)。
【0061】
エンボスロールの幅(軸方向の長さ)は特に限定されず、衛生用紙の形状及び製法により適宜定めることができる。例えばロール状衛生用紙の場合、ロール状トイレットペーパーは幅105〜114mm、ロール状キッチンタオルは幅210〜228mmとすることが一般的である。そして、その製品幅の10〜30倍幅の原紙を製品長さ分だけ巻き取って幅広のロール状衛生用紙(ログ)とし、製品幅にカットする製法を採ることが多い。このような場合、エンボスロールはログに対応する幅のものを用いればよい。
【0062】
エンボスロールの外径も特に限定されない。例えば外径300〜600mmφのものを用いることができる。
【0063】
マイクロエンボスを形成する場合のエンボスパターンは、原紙に形成されるドットエンボス1個当たり頂面部面積が0.01〜2mm(より好ましくは0.01〜1mm)となるように、当該ドットエンボスと相補的な形状のエンボスパターンとすることが好ましい。この際、エンボスパターン頂面部の形状が真円形状又は楕円形状のものを用いると、滑らかで肌触りが良好なマイクロエンボスを形成することができるため好ましい。
【0064】
また、マイクロエンボスに関しては、強度を十分に確保しつつ柔軟性を向上するという観点より、エンボス密度が51〜100個/cmである他、エンボス深さが0.5〜2.0mm、原紙面積に対する各エンボスの頂面部合計面積の比率(面積占有率)が0.15〜30%であることが好ましいとされている。従って、マイクロエンボスを形成する場合のエンボスパターンは、そのようなエンボスと相補的な形状のエンボスパターンとすることが好ましい。なお、ここにいう「エンボス密度」とは、エンボスの平均密度であり、単位面積当たりのドットエンボスの個数を意味するものとする。
【0065】
一方、デザインエンボスを形成する場合のエンボスパターンは、原紙の紙面の面積に対するデザインエンボスのエンボス頂面部面積の比率(面積占有率)を0.1〜20%となるように、ロール外周面の面積に対するエンボスパターンの頂面部面積の比率(面積占有率)を設定することが好ましい。
【0066】
ラバーロールは、図1に示すようにロール外周面を覆うラバー層6a,8aを有するロールであり(ラバーロール6,8)、ラバー層6a,8aがエンボスロール2,4の外周面に当接し得るように対向配置されている。
【0067】
エンボスロールとラバーロールの一方又は双方に、他方のロールとの位置を調整する位置調整機構を備えることが好ましい。これにより、原紙14,16をエンボスロール2,4とラバーロール6,8との間に通して、原紙14,16にエンボスパターンに対応する形状のエンボスを形成することが可能となる。この位置調整機構としては、ブラシロールの項で例示したものを好適に用いることができる。
【0068】
図1に示すエンボス加工装置1Aでは、ガイドロール22,24を経てラバーロール6,8に送られた原紙14,16がラバーロール6,8とエンボスロール2,4の間を通過する際にエンボスを形成することができるようになっている。
【0069】
ブラシロールは、図1に示すようにロール外周面側に繊維状材料からなるブラシ10a,12aを有するロールであり(ブラシロール10,12)、エンボスロール2,4の外周面に当接し得るように対向配置されている。このブラシロール10,12はロール外周面を覆うようにフェルト材が巻き付けられ、フェルト材からなるブラシ10a,12aが設置された構造のものである。このフェルト材からなるブラシ10a,12aはブラシロール10,12のロール本体から着脱可能に構成されている。
【0070】
図1に示すエンボス加工装置1Aにおいては、ブラシロール10,12の下側に紙粉18,20を受けるトレイ26,28が設置されている。ブラシロール10,12によって掻き出された紙粉18,20をトレイ26,28に捕集することにより、紙粉18,20が周囲に飛散し難くなる。トレイ26,28の形状はブラシロール10,12の幅、外径に応じて適宜決定すればよい。また、トレイ26,28はブラシロール10,12とエンボスロール2,4の当接部の下側をカバーするように配置することが好ましい。
【0071】
図1に示すエンボス加工装置1Aにおいては、エッジエンボスホイール32と受けロール34が設置されている。エンボスが形成された原紙14,16は、エンボスロール2,4からガイドロール30に送り出され、ガイドロール30で2プライの積層体36とされる。この積層体36がエッジエンボスホイール32と受けロール34の間を通ることによって、製品の側縁部に対応する部分にプライ剥がれ防止のエッジエンボスが形成される。
【0072】
エッジエンボスホイール及び受けロールの形状は特に限定されないが、従来公知のエッジエンボスホイール及び受けロールを好適に用いることができる。
【0073】
エッジエンボスホイールは製品の側縁部に対応する部分に形成するエッジエンボスと相補的な形状の押圧面が形成されたホイールである。
【0074】
図1Aに示すエンボス加工装置1Aでは、エッジエンボスホイールとして、二条の押圧面が製品の幅毎に間欠的に形成されたものが用いられている。このようなエッジエンボスホイールによれば製品の両側縁部に対応する部分に間欠的に二条のエッジエンボスを形成することができる。この二条のエッジエンボスの間隙部をスリッターで切断することで、各側縁部に一条のエッジエンボスが形成された衛生用紙を得ることができる。
【0075】
エッジエンボスの形状は特に限定されないが、真円形、楕円形、菱型等の形状が原紙の長手方向に向かって連続的ないし間欠的に配置され、全体として帯状を呈するように配置されたパターンのものが好ましい。
【0076】
受けロールはエッジエンボスホイールの押圧面に当接し得るように対向配置されたロールである。エッジエンボスホイールの押圧面と受けロールの外周面との間に原紙を通すことで原紙にエッジエンボスが形成される。
【0077】
受けロールの種類は特に限定されず、金属製で外周面に凹凸がないプレーンロールでもよいし、金属製で外周面にエッジエンボスホイールの押圧面と相補的な凹部が形成された凹ロールでもよいし、ラバーロールでもよい。図1Aに示すエンボス加工装置1Aは、受けロール34として、ラバーロールを用いた例である。
【0078】
図1に示すエンボス加工装置1Aは、エッジエンボスホイール32及び受けロール34を設置しているが、本発明のエンボス加工装置においては、これらに代えて、クリンパーを設置してもよい。
【0079】
[2−2]第2の実施形態:
図2に示すエンボス加工装置1Bは、単層の原紙14,16を2プライの積層体36とした後にエンボスを形成し、そのエンボスが形成された積層体36をプライボンディングして2プライの衛生用紙を得るエンボス加工装置に、本発明を適用した例である(以下、前記のようなエンボスを「2プライエンボス」と称する。)。
【0080】
図2に示すエンボス加工装置1Bは、原紙14,16を2プライの積層体36とした後にエンボスを形成する。従って、図1に示すエンボス加工装置1Aとは異なり、1系統のエンボス形成ラインのみを備えている。即ち、エンボスロール2、ラバーロール6及びブラシロール10のラインである。
【0081】
図2に示すエンボス加工装置1Bにおいては、原紙14,16がガイドロール38,40を経てガイドロール42,44に送られ、原紙14,16がガイドロール42,44の間を通ることで2プライの積層体36とされる。この積層体36はエンボスロール2及びラバーロール6に送り込まれる。積層体36がエンボスロール2とラバーロール6の間を通ることでエンボスが形成される。積層体36はエッジエンボスホイール32と受けロール34の間を通ることによってエッジエンボスが形成される。
【0082】
図2に示すエンボス加工装置1Bにおいてはブラシロール10の下側に紙粉18を受けるトレイ26が設置されている。このトレイ26の構成は、図1に示すエンボス加工装置1Aと同様である。また、エッジエンボスホイール32と受けロール34の構成も、図1に示すエンボス加工装置1Aと同様である。
【0083】
[2−3]第3の実施形態:
図3に示すエンボス加工装置1Cは、単層の原紙14を1プライのままエンボスを形成し、1プライの衛生用紙を得るエンボス加工装置に、本発明を適用した例である(以下、前記のようなエンボスを「1プライエンボス」と称する。)。
【0084】
図3に示すエンボス加工装置1Cは、図2に示すエンボス加工装置1Bから、ガイドロール38,40、エッジエンボスホイール32及び受けロール34を除外した構成となっている。1プライであるため、2系統の原紙を各々支持するガイドロール38,40、プライボンディングのためのエッジエンボスホイール32、受けロール34は不要である。
【0085】
なお、上記第1〜第3の実施形態では、ブラシロールをエンボスロールの回転方向と逆方向に回転駆動させた例を示したが、これに限らず、ブラシロールをエンボスロールの回転方向と同方向に回転駆動させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明に係るエンボス加工方法及びエンボス加工装置は、ティシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンタオル等の家庭用衛生用紙の製造に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0087】
1A,1B,1C:エンボス加工装置、2,4:エンボスロール、2a,4a:溝、6,8:ラバーロール、6a,8a:ラバー層、10,12:ブラシロール、10a,12a:ブラシ、14,16:原紙、18,20:紙粉、22,24:ガイドロール、26,28:トレイ、30:ガイドロール、32:エッジエンボスホイール、34:受けロール、36:積層体、38,40:ガイドロール、42,44:ガイドロール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール外周面にエンボスパターンを構成する溝が刻設されたエンボスロールと、ロール外周面にラバー層を有し前記エンボスロールに押圧されるラバーロールとを用い、前記エンボスロールを回転駆動させつつ前記エンボスロールと前記ラバーロールの間に原紙を通すことにより、前記エンボスパターンに対応する形状のエンボスを前記原紙に形成するエンボス加工方法において、
ロール外周面側に繊維状材料からなるブラシを有するブラシロールを、前記エンボスロールに押圧した状態で、前記エンボスロールとは周速差をつけて回転駆動させるエンボス加工方法。
【請求項2】
ロール外周面にエンボスパターンを構成する溝が刻設されたエンボスロールと、ロール外周面にラバー層を有し前記エンボスロールに押圧されるラバーロールと、を備え、前記エンボスロールを回転駆動させつつ前記エンボスロールと前記ラバーロールの間に原紙を通すことにより、前記エンボスパターンに対応する形状のエンボスを前記原紙に形成するエンボス加工装置において、
ロール外周面側に繊維状材料からなるブラシを有し前記エンボスロールに押圧されるブラシロールと、前記ブラシロールを前記エンボスロールとは周速差をつけて回転駆動させる駆動手段と、を更に備えたエンボス加工装置。
【請求項3】
前記エンボスロールのロール外周面に対する前記ブラシロールの押圧力を調整する押圧力調整機構を備えた請求項2に記載のエンボス加工装置。
【請求項4】
前記ブラシロールにおける前記ブラシの高さが、前記エンボスロールの前記溝の深さよりも大きく構成されている請求項2又は3に記載のエンボス加工装置。
【請求項5】
前記ブラシが、前記ブラシロールのロール本体に着脱可能に取り付けられている請求項2〜4のいずれか一項に記載のエンボス加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−212866(P2011−212866A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80907(P2010−80907)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】