説明

オイルチェックセンサ

【課題】ハウジングに対してセンサ本体を着脱した際に、センサ部によるオイルの検知精度が変化しないようにする。
【解決手段】筒状を成すハウジング1をオイル容器2に固定し、そのハウジング1内にセンサ本体10を挿入する。前記センサ本体10はセンサ部11を有して、そのセンサ部11が前記オイル容器2内のオイル又は前記オイル容器2から前記ハウジング1内に入り込んだオイルに触れる位置に固定される。前記センサ本体10と前記ハウジング1には、前記センサ部11の前記ハウジング1に対する筒軸周りの向きが確認可能な位置合わせ手段20を備えている。位置合わせ手段20は、前記センサ本体10と前記ハウジング1とに設けられた位置合わせマーク21,22の周方向の相対位置により、前記筒軸周りの向きが確認可能である。また、前記センサ本体10と前記ハウジング1との一方に設けられたピン25が他方に設けられた孔26に嵌ることにより、前記筒軸周りの向きが確認可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車のトランスミッションやエンジンのオイル容器に装着されるオイルチェックセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のトランスミッションのケースや、エンジンのオイルパン等の各オイル容器には、オイルチェックセンサが取付けられる場合がある。
【0003】
オイルチェックセンサは、各オイル容器内のオイルの劣化をチェックしたり、異物(鉄粉等)の混入の有無やその量により、潤滑される機械部品の摩耗程度をチェックできる機能を有する。
【0004】
オイルチェックセンサの固定構造としては、例えば、図4に示すように、筒状を成すハウジング1が用いられる。ハウジング1はその前端部1aがオイル容器2に設けた貫通穴3に入り込むように固定される。ハウジング1内の空間とオイル容器2内の空間とは、連通した状態となっている。
【0005】
そのハウジング1内に、その前端部にセンサ部11を有するセンサ本体10が固定される。
センサ部11は、前記オイル容器2内のオイル、又は前記オイル容器2から前記ハウジング1内に入り込んだオイルに触れる位置に固定されているので、そのセンサ部11に触れるオイルの状態をチェックすることができる。
【0006】
センサ本体10の詳細としては、例えば、磁気ギャップ式の前記センサ部11を用いたものがある。
その構成は、図5に示すように、導電性を有する金属からなる軸部材12と、その軸部材12の外側に絶縁部材15を介して一体化される導電性を有する金属からなる筒状部材13とを有している。
【0007】
軸部材12の前端部12aは、筒状部材13の前端部13aからさらにオイル容器2側に突出した状態となっている。
その突出した前端部12aに前記センサ部11が設けられている。センサ部11は、図5に示すように、軸部材12の前端部12aの外周に、円筒状の永久磁石14が固定されており、その永久磁石14のさらに外周に筒状の絶縁部材15が固定されている。
【0008】
また、その絶縁部材15の外側に、筒軸方向に所定の隙間wをあけて、対の電極(磁性体カバー)16,17が固定されている。
【0009】
センサ部11がオイル容器2のオイルに触れると、オイル中に含まれる鉄粉等の磁性体からなる異物が永久磁石14に吸引され、前記対の電極16,17間の隙間wに溜まる。異物が溜まると、対の電極16,17間が電気的に導通した状態になるので、その導通を検知することにより、オイル容器2内のオイルの劣化や、このオイルによって潤滑される機械部品の摩耗程度をチェックすることができる。
【0010】
導通の検知は、前記対の電極16,17間の隙間wに鉄粉等の異物が溜まった状態において、例えば、図5に示すように、筒状部材13、電極16,17、軸部材12の順に示す経路で環状の電気回路が構成されるようにし、その回路の途中にランプ等の表示手段Rを設けることによって、その表示手段Rの点灯の有無により、導通を検知することができる。
【0011】
また、図4に示すように、センサ本体10をハウジング1から抜き出し、前記対の電極16,17間の隙間wに付着した異物の量を目視で確認することによって、そのオイルの劣化等をチェックすることもできる(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
さらに、前記対の電極16,17を、センサ本体10の前記筒軸周りに複数組設けるとともに、その各電極16,17を前記筒軸周りに円弧状に拡げた構成、あるいは、その先端を尖った形状にする技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0013】
また、前記対の電極16,17を、センサ本体10の前記筒軸周りに複数組設けるとともに、その対の電極16,17間に鉄粉等の磁性体からなる異物が付着した際に、その付着によって短絡する前記対の電極16,17の個数に基づいて、オイルに含まれる異物の量を検出するようにした技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0014】
【特許文献1】特開2001−124764号公報
【特許文献2】特開2006−300608号公報(第6頁第2図、第7頁第4図)
【特許文献3】特開2005−331324号公報(第6頁第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従来のオイルチェックセンサによると、ハウジングに挿入されたセンサ本体は、そのハウジングに対して筒軸周りに自由に回転できる状態である。
【0016】
例えば、図4及び図5に示す例では、センサ本体10は、ハウジング1の前端部1aに設けた弾性部材19によって後端部1b側に向かって付勢されているとともに、その後端部1bに設けた着脱操作部材18で、ハウジング1に対してその筒軸方向移動が規制された状態で固定されている。
しかし、その固定に際し、センサ本体10をハウジング1に対して筒軸周りいかなる方位とするかは、特に規制されていない。
【0017】
このため、センサ本体10をハウジング1から取り外した後、再度、ハウジング1にセンサ本体10を組み込む場合、そのセンサ本体10の筒軸周りの方位がハウジング1に対して一定しないという問題がある。
【0018】
センサ本体10の方位が一定でないと、オイル容器2内で、ある方向のオイルの対流が起こっている場合、そのオイルの対流方向に対するセンサ部11の向きが、前記センサ本体10の着脱の前後で変化してしまう。
このため、センサ部11の出力信号の傾向が変わってしまうこととなる。センサ部11による出力信号の傾向、すなわち検知精度は、機器のメンテナンス上、一定であることが望ましい。
【0019】
そこで、この発明は、ハウジングに対してセンサ本体を着脱した際に、センサ部によるオイルの検知精度が変化しないようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の課題を解決するために、この発明は、筒状を成すハウジングをオイル容器に固定し、そのハウジング内にセンサ本体を挿入し、前記センサ本体はセンサ部を有して、そのセンサ部が前記オイル容器内のオイル又は前記オイル容器から前記ハウジング内に入り込んだオイルに触れる位置に、前記センサ本体を前記ハウジングに固定するオイルチェックセンサにおいて、前記センサ本体を前記ハウジングに固定する際に、前記センサ部の前記ハウジングに対する筒軸周りの向きが確認可能な位置合わせ手段を、前記センサ本体と前記ハウジングとに備えた構成を採用した。
【0021】
位置合わせ手段によって、センサ部のハウジングに対する筒軸周りの向きが確認可能であるから、センサ部の向きを一定に保つことができる。このため、そのセンサ部の出力信号の傾向が変わらないようにすることができ、検知精度を一定に保つことができる。
【0022】
また、前記位置合わせ手段は、前記センサ本体と前記ハウジングとに設けられた位置合わせマークであり、その位置合わせマーク同士の周方向の相対位置により、前記筒軸周りの向きが確認可能である構成を採用することができる。
【0023】
また、前記位置合わせ手段の他の構成として、前記センサ本体と前記ハウジングとの一方に設けられた凸部と他方に設けられた凹部であり、その凸部が凹部に嵌ることにより、前記筒軸周りの向きが確認可能である構成、あるいは、前記センサ本体と前記ハウジングとの一方に設けられたピンと他方に設けられた孔であり、そのピンが孔に嵌ることにより、前記筒軸周りの向きが確認可能である構成とすることができる。
【0024】
これらの各構成において、前記センサ部は、前記センサ本体に対して前記筒軸周りの所定の方位に設けられ、前記位置合わせ手段は、前記センサ部と同一の方位に設けられるものとすれば、その位置合わせ手段の位置によって、センサ部の前記筒軸周りの向きを把握することができる。
位置合わせ手段の位置によってセンサ部の方位を確認することができれば、特に、センサ本体に大量の異物が付着して電極を視認できない場合などにおいても、センサ部の位置、方位を特定しやすく、センサ部における汚れを分析する上で便利である。また、センサ本体の取付けの際にも、センサ部の位置、方位が把握しやすく便利である。
【0025】
なお、前記センサ部は、前記オイル容器内においてオイルの流れに対面する向きに設けられていることが望ましい。オイルの劣化や汚れを、いち早く検知できるからである。
【0026】
また、前記センサ部が前記筒軸周りに沿って複数箇所設けられている場合において、前記位置合わせ手段は、その各センサ部と同一の方位にそれぞれ設けられる構成とすることができる。
【0027】
さらに、前記センサ部は前記筒軸周りに沿って複数箇所設けられ、前記位置合わせ手段は、その各センサ部と同一の方位にそれぞれ設けられている場合において、前記オイルの流れに対面する向きに設けられたセンサ部に対応する前記位置合わせ手段は、他のセンサ部に対応する位置合わせ手段に対して識別可能である構成とすることができる。センサ本体に大量の異物が付着している際などにおいて、最も異物が付着しやすいセンサ部の位置を、容易に特定できるからである。
【0028】
なお、それらの位置合わせ手段は、前記センサ本体又は前記ハウジングに対して着脱可能である構成を採用することができる。
位置合わせ手段が着脱可能であれば、センサ部と位置合わせ手段との相対的な位置関係(筒軸周り方位)を変更することができる。
【0029】
このため、例えば、特に、センサ部を複数設けた構成においては、オイルの流れに対面する主となるセンサ部にのみ、そのセンサ部に対応する位置合わせ手段をそのセンサ位置と同一の方位に設け、主となるセンサ部を変更する場合は、その変更に応じて位置合わせ手段も変更後のセンサ位置と同一の方位に変更する、などの措置を取ることができる。
【発明の効果】
【0030】
この発明は、位置合わせ手段によって、センサ部のハウジングに対する筒軸周りの向きが確認可能としたので、センサ部の向きを一定に保つことができる。このため、そのセンサ部の出力信号の傾向が変わらないようにすることができ、検知精度を一定に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。オイル容器2へのハウジング1の固定、及び、そのハウジング1へのセンサ本体10の基本的な固定構造は、従来例と同様である。
【0032】
すなわち、センサ本体10は、図1に示すように、その前端部10aにセンサ部11を備えたものである。センサ部11によるオイル劣化の検知機能は、周知の手法を採用することができ、例えば、従来例で説明した磁気ギャップ式のものを採用することができる(従来例の図4及び図5参照)。
【0033】
そのセンサ本体10は、オイル容器2に固定したハウジング1の前端部1aに設けた弾性部材19によって、そのハウジング1の後端部1b側に向かって付勢されている。また、センサ本体10は、そのハウジング1の後端部1bに設けた着脱操作部材18で、ハウジング1に対して、前記付勢力に抗して、その筒軸方向移動が規制された状態で固定されている(同じく、図4及び図5参照)。
【0034】
なお、着脱操作部材18は、図3(a)に示すように、ハウジング1の後端部1bにおいて、筒軸方向へ移動可能に装着された環状部材である。この着脱操作部材18は、ハウジング1に対して弾性部材31によって後端部1b側に付勢されている。
【0035】
着脱操作部材18は、その内周部における筒軸方向中央部に、円筒面状の押圧面18aを備えている。また、その押圧面18aの前端側に段部18bを、後端側にテーパ部18cをそれぞれ備えている。テーパ部18cは、後端に向かうにつれて徐々に拡径する形状となっている。
【0036】
この着脱操作部材18が、弾性部材31によって後方に付勢されているので、テーパ部18cがハウジング1の後端部1bに設けられたストッパ32に当接する。着脱操作部材18は、前記付勢力によって、そのストッパ32に当接した位置に保持される。
【0037】
また、前記押圧面18aと対向するハウジング1の外周面には、内径側に向かうにつれて徐々に縮径する円錐状の貫通穴33が形成されている。なお、センサ本体10側に設けた係止溝35の側壁も、内径側に向かうにつれて徐々に縮径する円錐状となっている。
【0038】
その貫通穴33に、ロック手段としてのボール34が、前記押圧面18aからの押圧力を受けて嵌り込んでいる。また、そのボール34は、センサ本体10の外周に設けた係止溝35に入り込み、センサ本体10とハウジング1とが筒軸方向に固定された状態となっている。
【0039】
この固定状態において、前記センサ部11の前記ハウジング1に対する筒軸周りの向きが確認可能な位置合わせ手段20が、前記センサ本体10と前記ハウジング1とに備えられている。
【0040】
すなわち、その位置合わせ手段20の一つは、図1に示すように、前記センサ本体10と前記ハウジング1とに設けられた位置合わせマーク21,22である。
その位置合わせマーク21,22同士の周方向の相対位置により、前記筒軸周りの向きが確認可能となっている。この実施形態では、両位置合わせマーク21,22が向かい合う位置となることで、センサ本体10がハウジング1に対して筒軸周り所定の方位になっていることを確認できる。
【0041】
もう一つの位置合わせ手段20は、前記センサ本体10と前記ハウジング1との一方に設けられたピン25と他方に設けられた孔26である。
図3(a)に示すようにピン25が孔26に嵌ることで、センサ本体10がハウジング1に対して筒軸周り所定の方位になっていることを確認できる。この実施形態では、ハウジング1にピン25が、センサ本体10に孔26が設けられているが、逆に、ハウジング1に孔26を、センサ本体10にピン25を設けてもよい。
【0042】
この固定状態から、図3(b)に矢印で示すように、着脱操作部材18を弾性部材31の弾性力に抗して前端側へ押圧して移動させると、その着脱操作部材18の前記テーパ部18cが、前記貫通穴33の側方へ移動してくる。この状態で、センサ本体10が後方へ僅かに移動すると、ボール34がテーパ部18c側に移動し、そのボール34はセンサ本体10の係止溝35から外れる。
ボール34が係止溝35から外れれば、センサ本体10のハウジング1に対する固定が解除される。固定の解除により、センサ本体10をハウジング1から抜き出すことが可能となる。
【0043】
このとき、センサ本体10は、弾性部材19によって後端側へ付勢されているので、前記テーパ部18cが貫通穴33の側方に移動した時点で、センサ本体10は前記付勢力によって、ハウジング1の後端部1bから自動的に飛び出す。このため、センサ本体10のハウジング1からの取り外しが容易である。
【0044】
また、センサ本体10の固定が解除されると、弾性部材19の後端側に設けたシール部材36が、その弾性部材19の付勢力によって後方へ移動してストッパー面37に当接する。このため、ハウジング1からセンサ本体10を抜き出しても、オイル容器2内のオイルが外部に漏れ出ないようになっている(同じく、図4及び図5参照)。
【0045】
一方、再度、センサ本体10をハウジング1に挿入する作業は、前記着脱操作部材18を前端側へ押圧して移動させ、前記ボール34をテーパ部18c側に対面させた状態とする。
【0046】
そして、センサ本体10の前端部10aをボール34の内側に挿入し、そのボール34が筒状部材13の外周に乗り移った時点で着脱操作部材18の押圧をやめる。
このとき、ボール34がテーパ部18cに係合しているので、着脱操作部材18から手を放しても、着脱操作部材18は、弾性部材31の付勢力に抗して前端側の位置に維持されている。
【0047】
この状態で、センサ本体10を、さらにハウジング1の前端側に押し込んでいくと、センサ本体10の前端部10aがシール部材36に当接し、弾性部材19が圧縮されながらそのシール部材36が前方へ移動する。
【0048】
センサ部11が、ハウジング1の前端部1aに設けたオイル出入窓1c付近にくると、センサ本体10の係止溝35が、ハウジング1の貫通穴33に対面する位置となった際に、ボール34が係止溝35に入り込む。
これにより、着脱操作部材18が弾性部材31の付勢力により、後端側の元の位置に復帰し、センサ本体10のハウジング1に対する筒軸方向移動が規制された状態となる。すなわち、センサ本体10とハウジング1とが固定される。
【0049】
このとき、前記位置合わせ手段20の両位置合わせマーク21,22を向かい合う位置とすることで、センサ本体10がハウジング1に対して筒軸周り所定の方位、すなわち、取り外し前と同一の方位になっていることを確認できる。
【0050】
また、もう一つの位置合わせ手段20に関しても、ハウジング1に設けたピン25がセンサ本体10に設けた孔26に嵌ることで、センサ本体10がハウジング1に対して筒軸周り所定の方位になっていることを確認できる。このため、センサ部11によるオイルの検知精度が、センサ本体10の着脱前後で変化しない。
【0051】
他の実施形態を、図2に示す。この実施形態では、前記センサ部11を構成する電極16は、センサ本体10の前記筒軸周りに沿って複数箇所設けられている。電極17は、全周に亘って連続的に設けられている。
【0052】
また、前記位置合わせ手段20である位置合わせマーク22は、その各センサ部11と同一の方位にそれぞれ設けられている。すなわち、電極16と同一の方位になるよう、前記位置合わせマーク22が設けられている。
なお、図示省略しているが、ハウジング1側にも前記センサ本体10側の位置合わせマーク22に対応する方位に、同様の位置合わせマーク21が設けられている。
【0053】
このうち、前記オイルの流れに対面する向きに設けられたセンサ部11に対応する前記位置合わせマーク21,22は、他のセンサ部11に対応する位置合わせマーク21,22に対して外観上識別可能となっている。
【0054】
この外観上の識別機能は、例えば、図2に示すように、オイルの流れに対面する向きに設けられたセンサ部11に対応する前記位置合わせマーク21,22のみ白色とし、他の位置合わせマーク21,22を黒色とするなど、両者の色を違えてもよいし、あるいは、それらの位置合わせマーク21,22の形状を違えても良い。
【0055】
このようにすれば、センサ本体10の前端部10aに大量の異物が付着している際などにおいて、前記オイルの流れに対面する向きに設けられたセンサ部11、すなわち、最も異物が付着しやすいセンサ部11の位置を、容易に特定できるようになる。
【0056】
また、前記位置合わせマーク21,22は、例えば、前記センサ本体10又は前記ハウジング1に対して塗料を直接塗布したり、あるいは、凹部や凸部を設けることで表示することができる。また、その位置合わせマーク21,22は、着脱可能とすることができる。その着脱は、接着、嵌め込み等の周知の手段を採用することができる。
【0057】
位置合わせマーク21,22がハウジング1又はセンサ本体10に着脱可能であれば、例えば、前記オイルの流れに対面する向きに設けられたセンサ部11にのみ、そのセンサ部11に対応する位置合わせマーク21,22をそのセンサ位置と同一の方位に取付け、前記オイルの流れに対面するセンサ部11を変更する場合は、その変更に応じて、位置合わせマーク21,22も変更後のセンサ位置と同一の方位に、その取付け位置を変更することができる。
【0058】
さらに他の実施形態として、前記位置合わせ手段20として、前記ピン25と前記孔26とを採用する場合において、前記オイルの流れに対面する向きに設けられたセンサ部11に対応するピン25と孔26の形状と、他のセンサ部11に対応するピン25と孔26との形状とを異ならせ、その形状の差異に基づき、ピン25は対応する孔26にのみ嵌め込み可能とした構成を採用することができる。
センサ部11は、前記筒軸周り等分方位に設けられており、その各センサ部11に、前記位置合わせ手段20としての前記ピン25と前記孔26がそれぞれ設けられている。
【0059】
センサ本体10をハウジング1内に差し入れる際、そのセンサ本体10の向きが、ピン25が向かい合う孔26に嵌め込み可能であれば、そのピン25が孔26に嵌ることで、センサ本体10がハウジング1に対して前記筒軸周り所定の方位になっていることを確認できる。仮に、センサ本体10が所定の方位になっていなければ、ピン25が孔26に嵌らないからである。
【0060】
さらに、前記位置合わせ手段20の構成としては、前述の実施形態に示す以外に、センサ本体10と前記ハウジング1との一方に設けられた凸部と他方に設けられた凹部とすることができる。
その凸部が凹部に嵌ることにより、センサ本体10がハウジング1に対して筒軸周り所定の方位になっていることを確認できる。
【0061】
なお、これらの実施形態では、センサ本体10をハウジング1に固定する際、着脱操作部材18等を用いたが、センサ本体10とハウジング1との固定構造は、これらの実施形態以外の他の形態であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】一実施形態の全体図
【図2】他の実施形態の斜視図
【図3】(a)(b)は、ハウジングとセンサ本体との着脱作業を示す要部拡大断面図
【図4】従来例の全体図
【図5】従来例の要部拡大図
【符号の説明】
【0063】
1 ハウジング
1a,10a,12a,13a 前端部
1b,10b 後端部
2 オイル容器
3 貫通穴
10 センサ本体
11 センサ部
12 軸部材
13 筒状部材
14 永久磁石
15 絶縁部材
16,17 電極(磁性体カバー)
18 着脱操作部材
18a 押圧面
18b 段部
18c テーパ部
19,31 弾性部材
20 位置合わせ手段
21,22 位置合わせマーク
25 ピン
26 孔
32 ストッパ
33 貫通穴
34 ボール
35 係止溝
36 シール部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状を成すハウジング(1)をオイル容器(2)に固定し、そのハウジング(1)内にセンサ本体(10)を挿入し、前記センサ本体(10)はセンサ部(11)を有して、そのセンサ部(11)が前記オイル容器(2)内のオイル又は前記オイル容器(2)から前記ハウジング(1)内に入り込んだオイルに触れる位置に、前記センサ本体(10)を前記ハウジング(1)に固定するオイルチェックセンサにおいて、
前記センサ本体(10)を前記ハウジング(1)に固定する際に、前記センサ部(11)の前記ハウジング(1)に対する筒軸周りの向きが確認可能な位置合わせ手段(20)を、前記センサ本体(10)と前記ハウジング(1)とに備えたことを特徴とするオイルチェックセンサ。
【請求項2】
前記位置合わせ手段(20)は、前記センサ本体(10)と前記ハウジング(1)とに設けられた位置合わせマーク(21,22)であり、その位置合わせマーク(21,22)同士の周方向の相対位置により、前記筒軸周りの向きが確認可能であることを特徴とする請求項1に記載のオイルチェックセンサ。
【請求項3】
前記位置合わせ手段(20)は、前記センサ本体(10)と前記ハウジング(1)との一方に設けられた凸部と他方に設けられた凹部であり、その凸部が凹部に嵌ることにより、前記筒軸周りの向きが確認可能であることを特徴とする請求項1に記載のオイルチェックセンサ。
【請求項4】
前記位置合わせ手段(20)は、前記センサ本体(10)と前記ハウジング(1)との一方に設けられたピン(25)と他方に設けられた孔(26)であり、そのピン(25)が孔(26)に嵌ることにより、前記筒軸周りの向きが確認可能であることを特徴とする請求項1に記載のオイルチェックセンサ。
【請求項5】
前記センサ部(11)は、前記センサ本体(10)に対して前記筒軸周りの所定の方位に設けられ、前記位置合わせ手段(20)は、前記センサ部(11)と同一の方位に設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のオイルチェックセンサ。
【請求項6】
前記センサ部(11)は、前記オイル容器(2)内においてオイルの流れに対面する向きに設けられていることを特徴とする請求項5に記載のオイルチェックセンサ。
【請求項7】
前記センサ部(11)は前記筒軸周りに沿って複数箇所設けられ、前記位置合わせ手段(20)は、その各センサ部(11)と同一の方位にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項5に記載のオイルチェックセンサ。
【請求項8】
前記センサ部(11)は前記筒軸周りに沿って複数箇所設けられ、前記位置合わせ手段(20)は、その各センサ部(11)と同一の方位にそれぞれ設けられ、前記オイルの流れに対面する向きに設けられたセンサ部(11)に対応する前記位置合わせ手段(20)は、他のセンサ部(11)に対応する位置合わせ手段(20)に対して識別可能であることを特徴とする請求項6に記載のオイルチェックセンサ。
【請求項9】
前記位置合わせ手段(20)は、前記センサ本体(10)又は前記ハウジング(1)に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のオイルチェックセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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