説明

オゾン水生成装置

【課題】アルコールを用いることなく、低コストで、かつ、皮膚の荒れを抑制しながらアルコールによる殺菌処理と同等の殺菌処理が行えるようにする。
【解決手段】オゾン水生成装置1は、オゾンを発生するオゾン発生器2と、オゾン発生器2で発生したオゾンと水とを混合させる混合槽4と、水のクラスターを分解する水クラスター分解装置5とを備えている。水クラスター分解装置5により水のクラスターを小さくすることで、クラスター間にオゾンを存在させ易くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水にオゾンを混合したオゾン水を生成するオゾン水生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、病院や介護施設等では様々な場面で殺菌が行われている。特に、医者や看護師等の医療従事者は、病室や診察室等に入るときに、手指の殺菌処理が必須であり、各部屋にはアルコールが常備されている場合が多い(例えば、特許文献1参照)。このアルコールを手指に付着させた状態で手指を擦り合わせることで殺菌処理を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−215291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アルコールは高価であるため、施設の規模が大きく部屋数が多い場合には、アルコールを各部屋に設置するのに膨大なコストがかかる。
【0005】
また、特許文献1のようなアルコールを用いて手指の殺菌処理を行うと、アルコールには脱脂作用があるので手指の油分が失われて皮膚が荒れるといった問題がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、アルコールを用いることなく、低コストで、かつ、アルコールによる殺菌処理と同等の殺菌処理が皮膚の荒れを抑制しながら行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、オゾン水に殺菌作用があることに着目し、殺菌に有効な濃度のオゾン水を生成して、その濃度を長時間維持できるようにした。
【0008】
第1の発明は、オゾンを発生するオゾン発生器と、上記オゾン発生器で発生したオゾンと水とを混合させるための混合槽と、水のクラスターを分解するための水クラスター分解装置とを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
この構成によれば、オゾンと水とを混合槽で混合させることで、オゾンが水に混合したオゾン水が得られる。また、水のクラスターは、複数の水分子が水素結合してなるものであるが、このクラスターが、水クラスター分解装置により分解されると小さなクラスターあるいは1つの水分子となる。これにより、クラスターとクラスターとの間、クラスターと1つの水分子との間にオゾンが容易に入り込んで単位水量当たりのオゾン含有量を多くして、所望濃度のオゾン水が得られる。さらに、一旦クラスターの間に存在したオゾンはクラスターの間から抜け出にくくなるので、オゾン水の濃度が低下し難くなる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、水クラスター分解装置は、水路内に磁力を発生させる磁力発生部を備えていることを特徴とするものである。
【0011】
この構成によれば、磁力により水分子同士の水素結合が切断されてクラスターが小さくなる。
【0012】
第3の発明は、第2の発明において、混合槽には、オゾン水を吐出する管が設けられ、上記管には、磁力発生部が設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
この構成によれば、オゾン水を混合槽から吐出する際に水のクラスターが分解される。これにより、オゾン水の吐出直前にオゾンをクラスター間に確実に存在させて所望濃度のオゾン水が得られるようになる。
【0014】
第4の発明は、第2の発明において、混合槽には、水を該混合槽内へ導入する管が設けられ、上記管には、磁力発生部が設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
この構成によれば、クラスターの小さい水が混合槽に導入されるので、混合槽内でオゾンを十分に混合させることが可能になる。
【0016】
第5の発明は、第3または4の発明において、水クラスター分解装置は、磁力発生部を管の軸周りに回転駆動する駆動機構を備えていることを特徴とするものである。
【0017】
この構成によれば、水路内において磁力線の方向が変化するので、水路内を流れる水に対し磁力を様々な方向から作用させて水のクラスターをより一層小さくすることが可能になる。
【0018】
第6の発明は、第5の発明において、水クラスター分解装置は、管の軸方向の一部を構成し、該管に対し軸線周りに回転可能に支持された回転管を備え、上記回転管に磁力発生部が設けられ、駆動機構は、上記回転管を駆動するように構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
この構成によれば、回転管を回転させることで、回転管の内部を流れる水の流れを乱すことが可能になるので、水のクラスターに対し様々な方向から磁力を作用させて水のクラスターをより一層小さくすることが可能になる。
【0020】
第7の発明によれば、第1から6のいずれか1つの発明において、磁力発生部は、複数の磁石を備えており、磁石のN極とS極とが水流方向に交互に配置されていることを特徴とするものである。
【0021】
この構成によれば、水路を流れている水が該水路を流れる過程で受ける磁力の方向及び大きさが変化する。これにより、水路内の水に対し様々な方向から磁力を作用させて水のクラスターをより一層小さくすることが可能になる。
【発明の効果】
【0022】
第1の発明によれば、水のクラスターを小さくすることで、オゾンを水に容易に混合させることができ、殺菌に有効な濃度のオゾン水を生成して、その濃度を長時間維持できる。これにより、医療機関等でアルコールを用いることなく、低コストで、かつ、皮膚の荒れを抑制しながらアルコールと同等の殺菌処理を行うことができる。
【0023】
第2の発明によれば、取扱いの容易な磁力を利用して水のクラスターを小さくできる。
【0024】
第3の発明によれば、オゾン水の吐出直前にオゾンをクラスター間に確実に存在させて所望濃度のオゾン水を得ることができ、オゾン水の使用時に殺菌効果を十分に得ることができる。
【0025】
第4の発明によれば、クラスターの小さい水が混合槽に導入されるので、混合槽内でオゾンを十分に混合させることができ、オゾン水の使用時に殺菌効果を十分に得ることができる。
【0026】
第5の発明によれば、水路内の水に対し磁力を様々な方向から作用させて水のクラスターをより一層小さくできるので、オゾンが水に混合し易くなる。
【0027】
第6の発明によれば、回転管を回転させることで、回転管の内部で水の流れを乱すことができる。これにより、水のクラスターに対し様々な方向から磁力を作用させてクラスターをより一層小さくすることができ、オゾンが水に混合し易くなる。
【0028】
第7の発明によれば、第5の発明と同様に、オゾンが水に混合し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態に係るオゾン水生成装置の構造を説明する概略図である。
【図2】水クラスター分解装置の拡大図である。
【図3】回転管の構造を説明する部分断面図である。
【図4】オゾン水を入れる容器の側面図である。
【図5】実施形態の変形例1に係る図1相当図である。
【図6】実施形態の変形例2に係る水導入管及び水クラスター分解装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係るオゾン水生成装置1を示すものである。このオゾン水生成装置1は、オゾンを供給するオゾン供給器2と、水を供給する水供給器3と、オゾンと水とを混合させる混合槽4と、水のクラスターを分解する水クラスター分解装置5と、オゾン供給器2、水供給器3及び水クラスター分解装置5を制御する制御装置6とを備えている。
【0032】
混合槽4の上側には、オゾン及び水が別々に導入される気液導入空間S1を構成する導入部10が設けられている。混合槽4の下側には、オゾン及び水を主に混合させる混合空間S2を構成する混合部11が設けられている。
【0033】
導入部10は、上下方向に延びる円筒状に形成され、上端部は閉塞されている。導入部10の下端部は開放されている。導入部10の周壁の上側には、オゾンを導入するためのオゾン導入管12が気液導入空間S1に連通するように設けられている。導入部10の周壁におけるオゾン導入管12よりも下側には、水を導入するための水導入管13が気液導入空間S1に連通するように設けられている。オゾン導入管12及び水導入管13の軸線は、導入部10の軸線に対し略直交するようになっている。
【0034】
混合部11は、上下方向に延びる円筒状に形成されおり、導入部10よりも大きな直径を有している。混合部11は、導入部10と同軸上に配置され、混合部11の上壁に導入部10の下端部が取り付けられている。混合部11の上壁の中心部には、混合空間S2を気液導入空間S1に連通させるための連通孔11aが貫通形成されている。
【0035】
混合部11の下壁には、オゾン水を混合空間S2から吐出させるための吐出管15が混合空間S2に連通するように設けられている。この吐出管15は、混合部11と同軸上に配置され、下方へ延びている。
【0036】
オゾン供給器2は、オゾンを発生させるオゾン発生装置20と、オゾン発生装置20で発生したオゾンを圧送する送給装置21とを備えている。オゾン発生装置20は、例えば、プラズマ放電法、光化学的作用法(UVランプ法)、無声放電法(コロナ放電法)等のうち、いずれかの方法を利用してオゾンを発生させるように構成された周知のものである。無声放電法の場合は、図示しないが、2つの電極板の間に誘導体を介して交流高電圧を印加し、その間隙におこる放電現象を利用するものであり、放電現象が起こっている状態で、電極間に一定量の酸素を流すとオゾンが生成される。電極間の間隙は数mmが好ましく、また、電圧は8,000〜12,000Vが好ましい。オゾン発生装置20は、制御装置6で制御される。
【0037】
オゾン供給器2には、オゾンの原料となる酸素を供給するための酸素供給管22が設けられている。この酸素供給管22は、医療施設に一般に設けられている酸素配管(図示せず)に接続されるようになっている。尚、酸素供給管22を酸素ボンベに接続するようにしてもよい。
【0038】
送給装置21は、オゾン発生装置20で発生したオゾンの圧力をポンプ機構等により高め、オゾンを圧送するように構成されており、オゾンの送給量を調節する流量制御弁(図示せず)を備えている。この流量制御弁は、流量を0にすることもできる。流量制御弁は、制御装置6で制御される。
【0039】
水供給器3は、医療施設の水道配管(図示せず)に接続されている。水供給器3は、図示しないが、水圧を調節する圧調整器及び水の供給量を調節する流量制御弁を備えている。この流量制御弁は、流量を0にすることもできる。
【0040】
水クラスター分解装置5は、混合槽4の下部に設けられており、吐出管15から吐出する水のクラスターを分解して小さくするためのものである。図2及び図3に示すように、水クラスター分解装置5は、吐出管15の軸方向の一部に設けられた回転管30と、回転管30の外周面に設けられた多数の磁石(磁力発生部)31,31,…と、回転管30をその軸周りに回転駆動する駆動機構40とを備えている。駆動機構40は、従動及び駆動プーリ36,38と、モーター32と、伝動ベルト33とを備えている。
【0041】
吐出管15の軸方向中途部は、切除されており、この切除された部分に回転管30が設けられている。回転管30は、吐出管15と同軸上に配置されている。回転管30の内部は水路Rを構成している。 図3の白抜きの矢印は水の流れ方向を示している。尚、回転管30の内径は、1mm以上40mm以下に設定するのが好ましい。
【0042】
回転管30の上端部は、回転管30よりも上方に位置する吐出管15の一部に対し、周知のシール構造を有する軸受35を介して回転可能に支持されている。回転管30の下端部は、回転管30よりも下方に位置する吐出管15の一部に対し、同様にシール構造を有する軸受35を介して支持されている。
【0043】
回転管30の外周面には、磁石31が配設される凹部30aが全周に連続して形成されている。凹部30aには、磁石31が螺旋状に3周並ぶように配置され、磁石31は凹部30aの内面に固定されている。また、磁石31は、回転管30の外部から見たときに、周方向に隣り合うもの同士の磁極が反対になるように配置されている。さらに、軸方向に隣り合う磁石31の磁極も、回転管30の外部から見たときに反対となっている。つまり、磁石31は、N極とS極が回転管30の周方向に交互に並ぶとともに、軸方向(水流方向)にも交互に並んでいる。
【0044】
尚、磁石31は、螺旋状に1周又は2周並ぶように配置してもよいし、4周以上並ぶように配置してもよい。また、磁石31は全て同じ形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。さらに、全ての磁石31の磁力を同じにしてもよいし、異ならせてもよい。
【0045】
磁石31の種類としては、ネオジウム磁石等の永久磁石が好ましいが、電磁石を用いることも可能である。磁力は、回転管30内において300ガウス以上12000ガウス以下が好ましい。磁力が300ガウス以上であれば、水のクラスターを分解するだけの強さは確保できる。
【0046】
また、従動プーリ36は、回転管30の下端部に固定されている。
【0047】
図2に示すように、モーター32は、混合槽4の下壁部にブラケット37を介して取り付けられている。モーター32の出力軸32aは、回転管30の軸線と平行となるように配置されて下方へ突出している。駆動プーリ38は、出力軸32aに固定されている。伝動ベルト33は、駆動プーリ38と従動プーリ36に巻き掛けられている。
【0048】
また、モーター32の回転速度及び回転方向は、制御装置6により任意に設定できるようになっている。
【0049】
次に、上記のように構成されたオゾン生成装置1を用いてオゾン水を生成する場合について説明する。制御装置6は、まず、オゾン発生装置20を作動させて酸素を原料にオゾンを発生させるとともに、オゾン供給器2の流量制御弁を開き、さらに、送給装置21を作動させてオゾンをオゾン導入管12に圧送する。また、制御装置6は、水供給器3の流量制御弁を開いて水を水導入管13に流す。さらに、制御装置6は、モーター32を回転させる。
【0050】
オゾン導入管12を流れたオゾンは、気液導入空間S1の上側に流入する。気液導入空間S1を形成する導入部10は円筒状で下端が混合空間S2に連通しているので、気液導入空間S1に流入したオゾンは、図1に矢印で示すような旋回流を形成して下方へ流れていく。
【0051】
また、水導入管13を流れた水は、気液導入空間S1の下側に流入し、旋回流を形成して下方へ流れていく。気液導入空間S1では、オゾンの一部が水に混合する。
【0052】
気液導入空間S1のオゾン及び水は、連通孔11aを通って混合空間S2に流入する。混合空間S2を形成する混合部11は円筒状で、かつ、下端が吐出管15に連通しているので、混合空間S2に流入したオゾン及び水は下方へ流れていく。この混合部11の内径は導入部10の内径よりも大きいので、混合空間S2に流入したオゾン及び水は旋回流を維持しながら、その流れが混合空間S2内に拡がっていき、やがて乱れ、これにより、オゾンが水に混合してオゾン水となり、吐出管15から吐出される。
【0053】
このとき、モーター32の回転力は伝動ベルト33により従動プーリ36に伝達されて回転管30が回転する。回転管30の回転により、磁石31が回転管30の軸線周りに回転し、これにより、回転管30内を流れる水に作用する磁力の向き及び大きさが変化する。
【0054】
オゾン水が回転管30の水路Rを流れる際、水のクラスターは磁石31の磁力を受ける。この磁力により水分子の水素結合が切断されて小さなクラスターや1つの水分子となる。このとき、多数の磁石31が回転していて水路R内の磁力の向き及び大きさが常に変化しているので、水のクラスターに対して様々な方向から様々な大きさの磁力が作用することになる。また、回転管30が回転することにより、回転管30の水路Rを流れる水の流れが乱され、このことによっても、水のクタスターに対して様々な方向から様々な大きさの磁力が作用することになる。
【0055】
これらのことにより、オゾン水の流量が多くても、水のクラスターを小さくすることが可能になる。回転管30の回転数としては、50回転/分以上1000回転/分以下が好ましく、より好ましくは、500回転/分以上600回転/分以下である。回転管30の回転数は、水の流速に応じて変更するようにしてもよい。例えば、水の流速が早くなるほど、回転管30の回転数を高くする。
【0056】
これにより、クラスターとクラスターとの間、クラスターと1つの水分子との間にオゾンが容易に入り込んで単位水量当たりのオゾン含有量を多くして、所望濃度のオゾン水が得られる。さらに、一旦クラスターの間に存在したオゾンはクラスターの間から抜け出にくくなるので、オゾン水の濃度が低下し難くなる。
【0057】
オゾン水の濃度は、オゾンの供給量及び水の供給量により調節することができ、この実施形態では、1ppm以上5ppm以下とされている。この値は、手指の殺菌を、従来のアルコールと同等に行うことができる程度の値である。
【0058】
上記のようにして生成されたオゾン水は、図4に示すような容器50に注入されて病室や診察室まで運ばれる。容器50の蓋50aには、ポンプ機構51が設けられている。このポンプ機構51は、操作部51aとノズル51bとを有している。操作部51aを上下に動かすことで容器50内のオゾン水を汲み上げてノズル51bから吐出するように構成されている。ポンプ機構51aは、周知の構造のものである。
【0059】
容器50の一部には、オゾン水の残量を確認するための残量確認窓50bが設けられている。残量確認窓50bは透明であり、残量の目安となる目盛を有している。
【0060】
以上説明したように、この実施形態に係るオゾン生成装置1によれば、水のクラスターを小さくすることで、オゾンを水に容易に混合させることができ、殺菌に有効な濃度のオゾン水を生成して、その濃度を長時間維持できる。これにより、医療機関等でアルコールを用いることなく、低コストで、かつ、皮膚の荒れを抑制しながらアルコールと同等の殺菌処理を行うことができる。
【0061】
また、水クラスター分解装置5をオゾン水の吐出側に設けたので、オゾン水の吐出直前にオゾンをクラスター間に確実に存在させて所望濃度のオゾン水を得ることができ、オゾン水の使用時に殺菌効果を十分に得ることができる。
【0062】
また、水を流しながら、連続してオゾン水を生成できる。
【0063】
尚、上記実施形態では、水クラスター分解装置5をオゾン水の吐出側に設けているが、これに限らず、例えば、図5に示す変形例1のように、水の供給側に設けてもよい。この変形例1では、水供給管3の中途部に回転管30を設けている。これにより、混合槽4に流入する前の水のクラスターが分解されるので、混合槽4内でオゾンを水に対し十分に混合させることができる。
【0064】
また、水クラスター分解装置5は、オゾン水の吐出側と、水の供給側の両方に設けてもよい。
【0065】
また、図6に示す変形例2のように、水導入管13を螺旋状に形成してもよい。この変形例2では、水導入管13を挟むようにして磁石31,31が配設されており、これら磁石31,31により水クラスター分解装置5が構成されている。この場合、磁石31は動かないが、水導入管13が螺旋状であることから水導入管13を流れる水に対しては、磁力の方向及び大きさが変化することになる。これにより、水分子同士の水素結合を切断でき、水のクラスターが小さくなる。
【0066】
また、上記実施形態では、水のクラスターを磁力により小さくするようにしているが、これに限らず、例えば、水を硬質物に対して高圧噴射することによって水のクラスターを小さくするようにしてもよい。この場合、水を高圧噴射するためのポンプ及びノズルをオゾン水生成装置1に設ける。
【0067】
また、オゾン水生成装置1には、水を冷却する冷却装置を設けてもよい。これにより、オゾンを混合させる際に水の温度を低下させておくことが可能になり、単位水量当たりのオゾン含有量を多くすることができる。冷却装置としては、例えば冷凍サイクルを利用した装置が好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上説明したように、本発明にかかるオゾン水生成装置は、例えば、病院等の医療施設で使用することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 オゾン水生成装置
2 オゾン供給器
3 水供給器
4 混合槽
5 水クラスター分解装置
12 オゾン導入管
13 水導入管
30 回転管
31 磁石(磁力発生部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾンを発生するオゾン発生器と、
上記オゾン発生器で発生したオゾンと水とを混合させるための混合槽と、
水のクラスターを分解するための水クラスター分解装置とを備えていることを特徴とするオゾン水生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載のオゾン水生成装置において、
水クラスター分解装置は、水路内に磁力を発生させる磁力発生部を備えていることを特徴とするオゾン水生成装置。
【請求項3】
請求項2に記載のオゾン水生成装置において、
混合槽には、オゾン水を吐出する管が設けられ、
上記管には、磁力発生部が設けられていることを特徴とするオゾン水生成装置。
【請求項4】
請求項2に記載のオゾン水生成装置において、
混合槽には、水を該混合槽内へ導入する管が設けられ、
上記管には、磁力発生部が設けられていることを特徴とするオゾン水生成装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載のオゾン水生成装置において、
水クラスター分解装置は、磁力発生部を管の軸周りに回転駆動する駆動機構を備えていることを特徴とするオゾン水生成装置。
【請求項6】
請求項5に記載のオゾン水生成装置において、
水クラスター分解装置は、管の軸方向の一部を構成し、該管に対し軸線周りに回転可能に支持された回転管を備え、
上記回転管に磁力発生部が設けられ、
駆動機構は、上記回転管を駆動するように構成されていることを特徴とするオゾン水生成装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載のオゾン水生成装置において、
磁力発生部は、複数の磁石を備えており、
磁石のN極とS極とが水流方向に交互に配置されていることを特徴とするオゾン水生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−98274(P2011−98274A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254132(P2009−254132)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(508214271)合同会社ジャパン・メディカル・クリエーティブ (4)
【出願人】(596060103)エクセル株式会社 (6)
【Fターム(参考)】