説明

オフセット印刷機および印刷方法

【課題】ウェブの刷出し時にコンペンセータローラのプリセットを行う必要がなくなるため作業員の負担を軽減することができ、また損紙の発生量を減らすことができるオフセット印刷機および印刷方法を提供する。
【解決手段】一のウェブWに対する印刷動作を終了する際に、ウェブWの搬送速度が一定となっている状態でカットオフコントローラ30の動作をオフとし、その後、他のウェブWに対する印刷動作を開始する際に、ウェブWの搬送速度が一定となっている状態でカットオフコントローラ30の動作をオンとする。また、一のウェブWに対する印刷動作を終了する際にカットオフコントローラ30の動作をオフにしたときのウェブWの搬送速度と、他のウェブWに対する印刷動作を開始する際にカットオフコントローラ30の動作をオンにしたときのウェブWの搬送速度とを一致させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に搬送される細長いウェブに対して印刷を行うオフセット印刷機および印刷方法に関し、とりわけ、ウェブの刷出し時にコンペンセータローラのプリセットを行う必要がなくなるため作業員の負担を軽減することができ、また損紙の発生量を減らすことができるオフセット印刷機および印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
連続的に搬送される細長いウェブに対して印刷を行うオフセット印刷機(輪転機)として様々なタイプのものが知られている。このようなオフセット印刷機では、ウェブの刷出し時に色調の調整と折位置の調整を行うようになっている。より具体的には、色調は色調見本に合うようにインキ供給量を調整し、折位置については印刷機に連結されている折機から排出される刷本を作業員が目視にて確認することにより折位置の調整を行うようになっている。そして、色調および折位置が所望の状態となったときに、製品としての生産を開始するようになっている。
【0003】
従来から、このような色調および折位置の調整にかかる時間および紙(損紙)が問題となっており、刷出し時に発生する損紙の削減を削減することが求められている。特に色調については、版面をスキャニングして画線率を算出することにより、絵柄の部位毎にインキ消費量を予測し、インキ供給装置のプリセットを行う等の技術が開発されている。とりわけ、現在ではCTPの普及に伴い、絵柄データから面積率を直接算出し、インキ供給量のプリセットを実施するシステムが確立されている。結果として、現在では刷出し時に色調はほぼ見本に近い状態にて刷出しを行うことができるようになっている。
【0004】
これに対し、折機によるウェブの折り動作として、大きくフォーマ折り、平行折り、チョッパー折りという3つの種類のものがあり、それぞれ折位置調整を行う必要がある。フォーマ折りについては、ウェブの折機進入前に設置されているウェブガイドシステム(例えば、CPC等)により、ウェブのセンターと機械(三角板)のセンターとを合わせることにより、人による調整はほぼ必要ない状態となっている。また、チョッパー折りについては、紙幅変更時や刷本にラップを設ける場合などに三角板を移動することにより調整が必要となるが、幾何学的な計算値により三角板の位置をプリセットすることにより、印刷開始後に調整を行う必要はほとんどない。これに対し、平行折りにおける折り位置(断裁位置(カットオフ位置))については、折仕様の変更等に伴うウェブパス経路の変更はもちろん、他の様々な要因(品目により用紙の種類が変わる等)による紙伸び量の変化により、刷出し毎に変化してしまうという問題がある。
【0005】
平行折りについては、今現在では、例えば特許文献1等に開示されるように、刷出し時に作業員によるコンペンセータローラの位置調整を行うことにより、平行折位置(断裁位置(カットオフ位置))の調整を行った後、ウェブのパス長を所望の大きさに維持するカットオフコントローラを用いて、調整された後の平行折位置を維持する方法が用いられている。しかしながら、このような方法では、プリセットによる調整を省略することはできないという問題がある。また、印刷終了時のウェブの速度が減速することにより紙伸び量が変化する際に、カットオフコントローラが紙伸び量の変化に追従してしまい、コンペンセータローラの位置が生産時の良好な位置からずれてしまうという問題がある。
【0006】
また、平行折りについて、同一用紙のコンペンセータローラの位置データを収集し、そのデータに基づいてコンペンセータローラの位置のプリセットを行う等の対策を行ってきたが、今までは十分な効果を得ることができなかった。なぜならば、平行折位置のずれの大きな原因の一つである紙伸び量は、オフセット印刷機が設置された雰囲気の温度や湿度、ドライヤーの温度や風量、ウェブの引率、ユニットの湿し水量等、多岐にわたる影響を受けるため、同一の用紙であっても過去のデータでは紙伸び量が大きく異なるからである。
【0007】
このように、平行折りにおいては、折位置の調整にかかる時間が長くなってしまい、また、刷出し損紙が発生してしまうため歩留まりが低下してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭62−101442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
印刷工場では、地域ごとのチラシや、雑誌のページ違い等、同一用紙の仕事が立て続けに同じ機械に割り当てられる場合が多い。このような場合には、生産終了時においてカットオフコントローラの動作をオフとした後にウェブの搬送を停止させ、品目を切り換えた後、ウェブの搬送速度が品質確認速度に到達した時点で、カットオフコントローラの動作をオンにする。このことにより、生産終了時の減速による紙伸び量の変化に応じたコンペンセータローラの移動がなくなり、刷出しが終わった後にウェブの搬送速度が生産速度に達した時点で、品目の切り換え前の紙伸び量と一致するため、ウェブの断裁位置が元の位置となる。この場合には、コンペンセータローラのプリセット等を行う必要はなく、コンペンセータローラの位置を調整しなくてもウェブに対する断裁位置が一致するようになる。
【0010】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、ウェブの搬送速度が一定となっている状態でカットオフコントローラのオン/オフを切り換えるとともに、一のウェブに対する印刷動作を終了する際にカットオフコントローラの動作をオフにしたときのウェブの搬送速度と、その後に他のウェブに対する印刷動作を開始する際にカットオフコントローラの動作をオンにしたときのウェブの搬送速度とを一致させることにより、ウェブの刷出し時にコンペンセータローラのプリセットを行う必要がなくなるため作業員の負担を軽減することができ、また損紙の発生量を減らすことができるオフセット印刷機および印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のオフセット印刷機は、連続的に搬送される細長いウェブに対して印刷を行うオフセット印刷機であって、巻回状のウェブが送出される送出部と、前記送出部から送出されたウェブを搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送されるウェブに対して印刷を行う印刷部と、前記搬送部により搬送され前記印刷部により印刷が行われたウェブを断裁する断裁部と、前記印刷部と前記断裁部との間におけるウェブのパス長を調整するカットオフコントローラと、前記搬送部および前記カットオフコントローラを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、一のウェブに対する印刷動作を終了する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が一定となっている状態で前記カットオフコントローラの動作をオフとすることにより前記カットオフコントローラによるウェブのパス長の調整を停止させ、その後、一のウェブに対する印刷動作が終了して他のウェブに対する印刷動作を開始する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が一定となっている状態で前記カットオフコントローラの動作をオンとすることにより前記カットオフコントローラによるウェブのパス長の調整を再開させるよう前記搬送部および前記カットオフコントローラを制御し、一のウェブに対する印刷動作を終了する際に前記カットオフコントローラの動作をオフにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度と、他のウェブに対する印刷動作を開始する際に前記カットオフコントローラの動作をオンにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度とが一致するようになっていることを特徴とする。
【0012】
このようなオフセット印刷機によれば、一のウェブに対する印刷動作を終了する際に、ウェブの搬送速度が一定となっている状態でカットオフコントローラの動作をオフとすることにより当該カットオフコントローラによるウェブのパス長の調整を停止させ、その後、一のウェブに対する印刷動作が終了して他のウェブに対する印刷動作を開始する際に、ウェブの搬送速度が一定となっている状態でカットオフコントローラの動作をオンとすることによりカットオフコントローラによるウェブのパス長の調整を再開させるようになっている。このことにより、ウェブの刷出し時にコンペンセータローラのプリセットを行う必要がなくなるため作業員の負担を軽減することができる。また、一のウェブに対する印刷動作を終了する際にカットオフコントローラの動作をオフにしたときのウェブの搬送速度と、他のウェブに対する印刷動作を開始する際にカットオフコントローラの動作をオンにしたときのウェブの搬送速度とが一致するようになっているため、印刷品目の切り換えの前後においてウェブの伸び量が一致するようになるため、印刷品目の切り換え後における印刷動作でも、ウェブの断裁位置は印刷品目の切り換え前における印刷動作と同じ位置となる。このため、ウェブの刷出し時にウェブの断裁位置の調整を行う必要がなくなり、損紙の発生量を減らすことができる。
【0013】
本発明のオフセット印刷機においては、前記制御部は、一のウェブに対する印刷動作が終了して他のウェブに対する印刷動作を開始する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が、ウェブに対して通常の印刷を行う際の通常印刷速度よりも小さい一定の品質確認速度となるよう前記搬送部を制御し、一のウェブに対する印刷動作を終了する際に前記カットオフコントローラの動作をオフにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度、および他のウェブに対する印刷動作を開始する際に前記カットオフコントローラの動作をオンにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度はそれぞれ前記品質確認速度であることが好ましい。
【0014】
本発明のオフセット印刷機においては、前記搬送部により搬送されるウェブの張力を検出する張力検出部を更に備え、前記制御部は、一のウェブに対する印刷動作を終了する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が一定となっている状態で、前記張力検出部により検出されるウェブの張力が一定の大きさとなったときに、前記カットオフコントローラの動作をオフとすることにより前記カットオフコントローラによるウェブのパス長の調整を停止させ、その後、一のウェブに対する印刷動作が終了して他のウェブに対する印刷動作を開始する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が一定となっている状態で、前記張力検出部により検出されるウェブの張力が一定の大きさとなったときに、前記カットオフコントローラの動作をオンとすることにより前記カットオフコントローラによるウェブのパス長の調整を再開させるよう前記搬送部および前記カットオフコントローラを制御することが好ましい。
【0015】
本発明のオフセット印刷機においては、前記カットオフコントローラは、前記印刷部および前記断裁部との間に設けられ、前記搬送部により搬送されるウェブが巻かれるコンペンセータローラと、前記コンペンセータローラを移動させるコンペンセータローラ駆動部と、前記搬送部により搬送されるウェブに付された見当マークを検出する見当マーク検出センサを有し、前記カットオフコントローラは、当該カットオフコントローラの動作がオンとなっているときには、前記見当マーク検出センサにより検出された見当マークに基づいて、前記コンペンセータローラ駆動部を制御して前記コンペンセータローラの位置を調整することにより前記印刷部と前記断裁部との間におけるウェブのパス長を調整し、一方、当該カットオフコントローラの動作がオフとなっているときには、前記コンペンセータローラの位置を固定するようになっていることが好ましい。
【0016】
本発明の印刷方法は、連続的に搬送される細長いウェブに対して印刷を行うオフセット印刷機であって、巻回状のウェブが送出される送出部と、前記送出部から送出されたウェブを搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送されるウェブに対して印刷を行う印刷部と、前記搬送部により搬送され前記印刷部により印刷が行われたウェブを断裁する断裁部と、前記印刷部と前記断裁部との間におけるウェブのパス長を調整するカットオフコントローラと、を有するオフセット印刷機によりウェブに対して印刷を行う印刷方法であって、一のウェブに対する印刷動作を終了する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が一定となっている状態で前記カットオフコントローラの動作をオフとすることにより前記カットオフコントローラによる前記印刷部と前記断裁部との間におけるウェブのパス長の調整を停止させる工程と、一のウェブに対する印刷動作が終了して他のウェブに対する印刷動作を開始する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が一定となっている状態で前記カットオフコントローラの動作をオンとすることにより前記カットオフコントローラによる前記印刷部と前記断裁部との間におけるウェブのパス長の調整を再開させる工程と、を備え、一のウェブに対する印刷動作を終了する際に前記カットオフコントローラの動作をオフにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度と、他のウェブに対する印刷動作を開始する際に前記カットオフコントローラの動作をオンにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度とが一致するようになっていることを特徴とする。
【0017】
このような印刷方法によれば、一のウェブに対する印刷動作を終了する際に、ウェブの搬送速度が一定となっている状態でカットオフコントローラの動作をオフとすることにより当該カットオフコントローラによるウェブのパス長の調整を停止させ、その後、一のウェブに対する印刷動作が終了して他のウェブに対する印刷動作を開始する際に、ウェブの搬送速度が一定となっている状態でカットオフコントローラの動作をオンとすることによりカットオフコントローラによるウェブのパス長の調整を再開させるようになっている。このことにより、ウェブの刷出し時にコンペンセータローラのプリセットを行う必要がなくなるため作業員の負担を軽減することができる。また、一のウェブに対する印刷動作を終了する際にカットオフコントローラの動作をオフにしたときのウェブの搬送速度と、他のウェブに対する印刷動作を開始する際にカットオフコントローラの動作をオンにしたときのウェブの搬送速度とが一致するようになっているため、印刷品目の切り換えの前後においてウェブの伸び量が一致するようになるため、印刷品目の切り換え後における印刷動作でも、ウェブの断裁位置は印刷品目の切り換え前における印刷動作と同じ位置となる。このため、ウェブの刷出し時にウェブの断裁位置の調整を行う必要がなくなり、損紙の発生量を減らすことができる。
【0018】
本発明の印刷方法においては、一のウェブに対する印刷動作が終了して他のウェブに対する印刷動作を開始する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が、ウェブに対して通常の印刷を行う際の通常印刷速度よりも小さい一定の品質確認速度となるようウェブを搬送するようになっており、一のウェブに対する印刷動作を終了する際に前記カットオフコントローラの動作をオフにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度、および他のウェブに対する印刷動作を開始する際に前記カットオフコントローラの動作をオンにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度はそれぞれ前記品質確認速度であることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のオフセット印刷機および印刷方法によれば、ウェブの刷出し時にコンペンセータローラのプリセットを行う必要がなくなるため作業員の負担を軽減することができ、また損紙の発生量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態におけるオフセット印刷機の構成を示す側面図である。
【図2】図1に示すオフセット印刷機におけるウェブの搬送速度およびカットオフコントローラのオン/オフの推移を示すグラフである。
【図3】比較例としての、従来のオフセット印刷機におけるウェブの搬送速度およびカットオフコントローラのオン/オフの推移を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1および図2は、本実施の形態によるオフセット印刷機および印刷方法を示す図である。
【0022】
本実施の形態によるオフセット印刷機は、連続的に搬送される細長いウェブWに対して印刷を行うようになっている。図1に示すように、本実施の形態によるオフセット印刷機は、ウェブWが巻回されるとともに巻回状のウェブWが送出される送出ロール10と、送出ロール10から送出されたウェブWに対して印刷を行う印刷部12と、印刷部12により印刷が行われたウェブWを断裁する断裁部14と、を備えている。また、印刷部12と断裁部14との間には、これらの印刷部12と断裁部14との間におけるウェブWのパス長を調整するカットオフコントローラ30が設けられている。また、本実施の形態によるオフセット印刷機には、印刷部12と断裁部14との間におけるウェブWの張力を検出する張力検出部40が設けられている。
【0023】
以下、このようなオフセット印刷機の各構成要素について詳述する。
【0024】
印刷部12は、一対のローラ12a、12bから構成されており、一方のローラ12aが他方のローラ12bに対して押圧されることによりこれらのローラ12a、12bの間にニップ部が形成されるようになっている。そして、送出ロール10から送出されたウェブWは、ローラ12a、12bの間に形成されたニップ部を通過するようになっている。一方のローラ12aには版面が設けられており、ウェブWがニップ部を通過する際に、図示しないインキ供給部からこのローラ12aの版面に転移されたインキがローラ12aからウェブWに転移されるようになっている。また、他方のローラ12bにはローラ駆動部16が接続されており、このローラ駆動部16により他方のローラ12bが回転駆動されるようになっている。
【0025】
カットオフコントローラ30は、印刷部12と断裁部14との間に設けられ、送出ロール10から送出されたウェブWが巻かれるコンペンセータローラ32と、コンペンセータローラ32を図1における上下方向に案内する案内ガイド34と、案内ガイド34に沿ってコンペンセータローラ32を移動させるコンペンセータローラ駆動部36と、を有している。また、カットオフコントローラ30には、ウェブWの搬送方向におけるコンペンセータローラ32の下流側において、ウェブWに付された見当マークを検出する見当マーク検出センサ38が設けられている。
【0026】
カットオフコントローラ30は、当該カットオフコントローラ30の動作がオンとなっているときには、見当マーク検出センサ38により検出されたウェブW上の見当マークに基づいて、コンペンセータローラ駆動部36を制御してコンペンセータローラ32を案内ガイド34に沿って図1における上下方向に移動させ、このコンペンセータローラ32の位置を調整する。このことにより、カットオフコントローラ30は、印刷部12と断裁部14との間におけるウェブWのパス長を所望の大きさとなるよう調整する。一方、カットオフコントローラ30の動作がオフとなっているときには、コンペンセータローラ駆動部36はコンペンセータローラ32を移動させることはない。このため、コンペンセータローラ32の位置が固定される。
【0027】
張力検出部40は、ウェブWが巻かれる張力検出ローラ42と、ウェブWにより張力検出ローラ42にかかる力を検出するロードセル44と、を有している。張力検出部40は、ロードセル44により検出された、ウェブWにより張力検出ローラ42に加えられる力に基づいて、ウェブWの張力を検出するようになっている。
【0028】
断裁部14は、一対のローラ14a、14bから構成されており、一方のローラ14aが他方のローラ14bに対して押圧されることによりこれらのローラ14a、14bの間にニップ部が形成されるようになっている。そして、ウェブWは、ローラ14a、14bの間に形成されたニップ部を通過するようになっている。一方のローラ14aの外周面にはブレード14cが設けられており、ウェブWがニップ部を通過する際に、このブレード14cによりウェブWが断裁されるようになっている。また、他方のローラ14bにはローラ駆動部16が接続されており、このローラ駆動部16により他方のローラ14bが回転駆動されるようになっている。
【0029】
前述したように、ローラ駆動部16は印刷部12のローラ12bおよび断裁部14のローラ14bをそれぞれ回転駆動させるようになっている。このようなローラ駆動部16により、ウェブWを連続的に搬送する搬送部が構成されている。
【0030】
また、本実施の形態のオフセット印刷機には、ローラ駆動部16やカットオフコントローラ30等、オフセット印刷機の各構成要素の制御を行う制御部50が設けられている。制御部50は、ローラ駆動部16を制御することにより、ウェブWの搬送速度を調整するようになっている。また、制御部50は、カットオフコントローラ30のオン/オフの切り換えを行うことができるようになっている。このような制御部50によるオフセット印刷機の各構成要素の制御方法については後述する。
【0031】
次に、このようなオフセット印刷機による印刷動作について、図2に示すグラフを用いて説明する。より詳細には、一の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を終了し、ウェブWの品目を切り換えた後、他の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を開始する際の動作について説明する。なお、以下に示す動作は、制御部50がローラ駆動部16やカットオフコントローラ30等、オフセット印刷機の各構成要素の制御を行うことにより行われる。
【0032】
一の印刷品目におけるウェブWに対して印刷動作を行う際に、ウェブWは一定の通常印刷速度で印刷されるようになっている(図2のグラフにおける状態A参照)。このときのウェブWの通常印刷速度は、送出ロール10が例えば900〜950rpmの回転速度で回転するような速度となっている。また、この際に、カットオフコントローラ30の動作はオンとなっており、印刷部12と断裁部14との間におけるウェブWのパス長はカットオフコントローラ30により常に所望の大きさに調整されるようになっている。
【0033】
そして、生産数量の9割程度の生産(印刷)が終了した段階で、オフセット印刷機に設けられた制御盤のタッチパネル等により、作業員が減速開始の指令を制御部50に入力すると、ウェブWの搬送速度が通常印刷速度から減速し始める(図2のグラフにおける状態B参照)。そして、ウェブWの搬送速度が減少し、通常印刷速度の1/4〜3/4の範囲内の所定の大きさとなると、ウェブWの搬送速度はこの所定の大きさで一定となる(図2のグラフにおける状態C参照)。この際に、ウェブWの搬送速度は、後述する品質確認速度と一致するようになる。そして、ウェブWの搬送速度が一定となっている状態で、張力検出部40により検出されるウェブWの張力が一定の大きさになると、ウェブWの張力が安定したと判断され、カットオフコントローラ30の動作が自動的にオフに切り換えられる(図2のグラフにおける状態D参照)。このことにより、カットオフコントローラ30によるウェブWのパス長の調整は停止されるようになる。また、カットオフコントローラ30の動作がオフに切り換えられると、ウェブWの搬送速度が再び減少し始め、最終的にウェブWは停止される(図2のグラフにおける状態E参照)。なお、図2における参照符号Mで示す範囲内において、制御部50による自動運転が行われるようになっている。
【0034】
そして、ウェブWの品目を切り換えた後、他の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を開始する際には、作業員が運転開始の指令を制御部50に入力する。このことにより、ウェブWの搬送速度が0から加速し始める(図2のグラフにおける状態F参照)。そして、ウェブWの搬送速度が品質確認速度となると、ウェブWの搬送速度はこの品質確認速度で一定となる(図2のグラフにおける状態G参照)このときのウェブWの品質確認速度は、送出ロール10が例えば400〜450rpmの回転速度で回転するような速度となっている。そして、ウェブWの搬送速度が一定となっている状態で、張力検出部40により検出されるウェブWの張力が一定の大きさになると、ウェブWの張力が安定したと判断され、カットオフコントローラ30の動作が自動的にオンに切り換えられる(図2のグラフにおける状態H参照)。このことにより、カットオフコントローラ30によるウェブWのパス長の調整が再開されるようになる。その後、作業員がウェブWの色調や折位置等の刷出し状態を確認し、ウェブWの刷出し状態が問題ないと判断して生産開始の指令を制御部50に入力すると(図2のグラフにおける状態I参照)、ウェブWの搬送速度が再び増加し始め、最終的にウェブWは通常印刷速度で搬送されるようになる(図2のグラフにおける状態J参照)。その後、他の印刷品目における印刷動作が行われるようになる。なお、図2における参照符号Nで示す範囲内において、制御部50による自動運転が行われるようになっている。
【0035】
本実施の形態では、図2に示すように、一の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を終了する際にカットオフコントローラ30の動作をオフにしたときのウェブWの搬送速度と、他の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を開始する際にカットオフコントローラ30の動作をオンにしたときのウェブWの搬送速度とが一致するようになっている。もし仮に両者のウェブWの搬送速度が異なった場合には、印刷品目の切り換えの前後においてウェブWの伸び量も異なるようになってしまうので、断裁部14によるウェブWの断裁位置が異なるようになってしまうという問題がある。これに対し、両者のウェブWの搬送速度が一致する場合には、印刷品目の切り換えの前後においてウェブWの伸び量が一致するようになるため、印刷品目の切り換え後における印刷動作でも、ウェブWの断裁位置は印刷品目の切り換え前における印刷動作と同じ位置となる。
【0036】
以上のように本実施の形態のオフセット印刷機および印刷動作によれば、一の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を終了する際に、ウェブWの搬送速度が一定となっている状態でカットオフコントローラ30の動作をオフとすることにより当該カットオフコントローラ30によるウェブWのパス長の調整を停止させ、その後、一の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作が終了して他の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を開始する際に、ウェブWの搬送速度が一定となっている状態でカットオフコントローラ30の動作をオンとすることによりカットオフコントローラ30によるウェブWのパス長の調整を再開させるようになっている。このことにより、ウェブWの刷出し時にコンペンセータローラ32のプリセットを行う必要がなくなるため作業員の負担を軽減することができる。また、一の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を終了する際にカットオフコントローラ30の動作をオフにしたときのウェブWの搬送速度と、他の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を開始する際にカットオフコントローラ30の動作をオンにしたときのウェブWの搬送速度とが一致するようになっているため、印刷品目の切り換えの前後においてウェブWの伸び量が一致するようになるため、印刷品目の切り換え後における印刷動作でも、ウェブWの断裁位置は印刷品目の切り換え前における印刷動作と同じ位置となる。このため、ウェブWの刷出し時にウェブWの断裁位置の調整を行う必要がなくなり、損紙の発生量を減らすことができる。
【0037】
また、本実施の形態のオフセット印刷機および印刷動作においては、上述したように、一の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作が終了して他の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を開始する際に、ウェブWの搬送速度が、ウェブWに対して通常の印刷を行う際の通常印刷速度よりも小さい一定の品質確認速度となるようウェブWが搬送される。そして、図2のグラフに示すように、一の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を終了する際にカットオフコントローラ30の動作をオフにしたときのウェブWの搬送速度、および他の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を開始する際にカットオフコントローラ30の動作をオンにしたときのウェブWの搬送速度はそれぞれ品質確認速度と一致するようになっている。
【0038】
なお、本発明によるオフセット印刷機および印刷動作では、このような態様に限定されることはない。一の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を終了する際にカットオフコントローラ30の動作をオフにしたときのウェブWの搬送速度と、他の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を開始する際にカットオフコントローラ30の動作をオンにしたときのウェブWの搬送速度とが一致しさえすれば、このときのウェブWの搬送速度は必ずしも品質確認速度と一致する必要はない。また、本発明の他の態様として、一の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を終了する際に、通常印刷速度でカットオフコントローラ30の動作をオフにし、その後に他の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を開始する際に、通常印刷速度でカットオフコントローラ30の動作をオンにするようにしてもよい。
【0039】
また、本実施の形態のオフセット印刷機および印刷動作においては、上述したように、一の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を終了する際に、ウェブの搬送速度が一定となっている状態で、張力検出部40により検出されるウェブの張力が一定の大きさとなったときに、カットオフコントローラ30の動作をオフとするようになっている。また、一の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作が終了して他の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を開始する際に、ウェブWの搬送速度が一定となっている状態で、張力検出部40により検出されるウェブWの張力が一定の大きさとなったときに、カットオフコントローラ30の動作をオンとするようになっている。このことにより、ウェブWの張力が安定した後に、カットオフコントローラ30の動作のオン/オフを切り換えることができるようになる。
【0040】
なお、本発明によるオフセット印刷機では、このような態様に限定されることはない。本発明の他の態様として、張力検出部40により検出されるウェブの張力が一定の大きさとなっていなくとも、カットオフコントローラ30の動作のオン/オフを切り換えるようになっていてもよい。また、本発明の更に他の態様におけるオフセット印刷機において、張力検出部40の設置が省略されていてもよい。
【0041】
また、本実施の形態においては、上述したように、カットオフコントローラ30は、印刷部12および断裁部14との間に設けられ、ウェブWが巻かれるコンペンセータローラ32と、コンペンセータローラ32を移動させるコンペンセータローラ駆動部36と、搬送されるウェブWに付された見当マークを検出する見当マーク検出センサ38を有している。そして、カットオフコントローラ30は、当該カットオフコントローラ30の動作がオンとなっているときには、見当マーク検出センサ38により検出された見当マークに基づいて、コンペンセータローラ駆動部36を制御してコンペンセータローラ32の位置を調整することにより印刷部12と断裁部14との間におけるウェブWのパス長を調整し、一方、当該カットオフコントローラ30の動作がオフとなっているときには、コンペンセータローラ32の位置を固定するようになっている。なお、本発明によるオフセット印刷機では、カットオフコントローラの構成はこのような態様に限定されることはない。カットオフコントローラとして、印刷部12と断裁部14との間におけるウェブWのパス長を調整することができるものであれば、上述した構成以外のものを用いてもよい。
【0042】
次に、比較例として、従来のオフセット印刷機におけるウェブの搬送速度およびカットオフコントローラのオン/オフの推移を図3に示す。
【0043】
図3に示すグラフでは、従来のオフセット印刷機により、一の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を終了し、ウェブWの品目を切り換えた後、他の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を開始する際の動作が示されている。
【0044】
従来のオフセット印刷機により、一の印刷品目におけるウェブWに対して印刷動作を行う際に、ウェブWは一定の通常印刷速度で印刷されるようになっている(図3のグラフにおける状態A参照)。この際に、カットオフコントローラ30の動作はオンとなっており、印刷部12と断裁部14との間におけるウェブWのパス長はカットオフコントローラ30により常に所望の大きさに調整されるようになっている。
【0045】
そして、生産数量の9割程度の生産(印刷)が終了した段階で、オフセット印刷機に設けられた制御盤のタッチパネル等により、作業員が減速開始の指令を制御部50に入力すると、ウェブWの搬送速度が通常印刷速度から減速し始める(図3のグラフにおける状態B参照)。そして、ウェブWの搬送速度は0まで減少するようになる(図3のグラフにおける状態C参照)。この際に、カットオフコントローラ30の動作はオンに維持されたままとなる。また、ウェブWが停止された後も、カットオフコントローラ30の動作はオンに維持されたままとなる。
【0046】
そして、ウェブWの品目を切り換えた後、他の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を開始する際には、作業員が運転開始の指令を制御部50に入力する。このことにより、ウェブWの搬送速度が0から加速し始める(図3のグラフにおける状態D参照)。そして、ウェブWの搬送速度が品質確認速度となると、ウェブWの搬送速度はこの品質確認速度で一定となる(図3のグラフにおける状態E参照)。この際に、カットオフコントローラ30の動作はオンに維持されたままとなる。しかしながら、この際に、作業員はカットオフコントローラ30におけるコンペンセータローラ32の位置を調整する必要がある。なぜならば、カットオフコントローラ30の動作をずっとオンに維持しているため、一の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を停止する際に、ウェブWの減速に伴ってコンペンセータローラ32の位置が追従してしまうからである。
【0047】
その後、作業員がウェブWの色調や折位置等の刷出し状態を確認し、ウェブWの刷出し状態が問題ないと判断して生産開始の指令を制御部50に入力すると(図3のグラフにおける状態F参照)、ウェブWの搬送速度が増加し、最終的にウェブWは通常印刷速度で搬送されるようになる(図3のグラフにおける状態G参照)。その後、他の印刷品目における印刷動作が行われるようになる。
【0048】
このように、図3のグラフに示すような比較例におけるオフセット印刷機では、刷出し時にカットオフコントローラ30におけるコンペンセータローラ32の位置を調整する必要があるため、作業員にとって負担になるという問題がある。また、比較例に係るオフセット印刷機において、一の印刷品目におけるウェブWに対する印刷動作を停止する際に、ウェブWの減速中において当該ウェブWの搬送速度が所定の大きさまで減速したときにカットオフコントローラ30の動作を自動的にオフにする方法も考えられるが、ウェブWの搬送速度が一定ではないときにカットオフコントローラ30の動作のオン/オフを切り換えるのは、コンペンセータローラ32の位置が安定しないので好ましくないと考えられる。このように、従来のオフセット印刷機では、本願発明のオフセット印刷機と比較して様々な問題が生じるようになる。
【符号の説明】
【0049】
10 送出ロール
12 印刷部
12a、12b 一対のローラ
14 断裁部
14a、14b 一対のローラ
14c ブレード
16 ローラ駆動部
30 カットオフコントローラ
32 コンペンセータローラ
34 案内ガイド
36 コンペンセータローラ駆動部
38 見当マーク検出センサ
40 張力検出部
42 張力検出ローラ
44 ロードセル
50 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に搬送される細長いウェブに対して印刷を行うオフセット印刷機であって、
巻回状のウェブが送出される送出部と、
前記送出部から送出されたウェブを搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送されるウェブに対して印刷を行う印刷部と、
前記搬送部により搬送され前記印刷部により印刷が行われたウェブを断裁する断裁部と、
前記印刷部と前記断裁部との間におけるウェブのパス長を調整するカットオフコントローラと、
前記搬送部および前記カットオフコントローラを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、一のウェブに対する印刷動作を終了する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が一定となっている状態で前記カットオフコントローラの動作をオフとすることにより前記カットオフコントローラによるウェブのパス長の調整を停止させ、その後、一のウェブに対する印刷動作が終了して他のウェブに対する印刷動作を開始する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が一定となっている状態で前記カットオフコントローラの動作をオンとすることにより前記カットオフコントローラによるウェブのパス長の調整を再開させるよう前記搬送部および前記カットオフコントローラを制御し、
一のウェブに対する印刷動作を終了する際に前記カットオフコントローラの動作をオフにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度と、他のウェブに対する印刷動作を開始する際に前記カットオフコントローラの動作をオンにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度とが一致するようになっていることを特徴とするオフセット印刷機。
【請求項2】
前記制御部は、一のウェブに対する印刷動作が終了して他のウェブに対する印刷動作を開始する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が、ウェブに対して通常の印刷を行う際の通常印刷速度よりも小さい一定の品質確認速度となるよう前記搬送部を制御し、
一のウェブに対する印刷動作を終了する際に前記カットオフコントローラの動作をオフにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度、および他のウェブに対する印刷動作を開始する際に前記カットオフコントローラの動作をオンにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度はそれぞれ前記品質確認速度であることを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷機。
【請求項3】
前記搬送部により搬送されるウェブの張力を検出する張力検出部を更に備え、
前記制御部は、一のウェブに対する印刷動作を終了する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が一定となっている状態で、前記張力検出部により検出されるウェブの張力が一定の大きさとなったときに、前記カットオフコントローラの動作をオフとすることにより前記カットオフコントローラによるウェブのパス長の調整を停止させ、その後、一のウェブに対する印刷動作が終了して他のウェブに対する印刷動作を開始する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が一定となっている状態で、前記張力検出部により検出されるウェブの張力が一定の大きさとなったときに、前記カットオフコントローラの動作をオンとすることにより前記カットオフコントローラによるウェブのパス長の調整を再開させるよう前記搬送部および前記カットオフコントローラを制御することを特徴とする請求項1または2記載のオフセット印刷機。
【請求項4】
前記カットオフコントローラは、前記印刷部および前記断裁部との間に設けられ、前記搬送部により搬送されるウェブが巻かれるコンペンセータローラと、前記コンペンセータローラを移動させるコンペンセータローラ駆動部と、前記搬送部により搬送されるウェブに付された見当マークを検出する見当マーク検出センサを有し、
前記カットオフコントローラは、当該カットオフコントローラの動作がオンとなっているときには、前記見当マーク検出センサにより検出された見当マークに基づいて、前記コンペンセータローラ駆動部を制御して前記コンペンセータローラの位置を調整することにより前記印刷部と前記断裁部との間におけるウェブのパス長を調整し、一方、当該カットオフコントローラの動作がオフとなっているときには、前記コンペンセータローラの位置を固定するようになっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のオフセット印刷機。
【請求項5】
連続的に搬送される細長いウェブに対して印刷を行うオフセット印刷機であって、巻回状のウェブが送出される送出部と、前記送出部から送出されたウェブを搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送されるウェブに対して印刷を行う印刷部と、前記搬送部により搬送され前記印刷部により印刷が行われたウェブを断裁する断裁部と、前記印刷部と前記断裁部との間におけるウェブのパス長を調整するカットオフコントローラと、を有するオフセット印刷機によりウェブに対して印刷を行う印刷方法であって、
一のウェブに対する印刷動作を終了する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が一定となっている状態で前記カットオフコントローラの動作をオフとすることにより前記カットオフコントローラによる前記印刷部と前記断裁部との間におけるウェブのパス長の調整を停止させる工程と、
一のウェブに対する印刷動作が終了して他のウェブに対する印刷動作を開始する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が一定となっている状態で前記カットオフコントローラの動作をオンとすることにより前記カットオフコントローラによる前記印刷部と前記断裁部との間におけるウェブのパス長の調整を再開させる工程と、
を備え、
一のウェブに対する印刷動作を終了する際に前記カットオフコントローラの動作をオフにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度と、他のウェブに対する印刷動作を開始する際に前記カットオフコントローラの動作をオンにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度とが一致するようになっていることを特徴とする印刷方法。
【請求項6】
一のウェブに対する印刷動作が終了して他のウェブに対する印刷動作を開始する際に、前記搬送部によるウェブの搬送速度が、ウェブに対して通常の印刷を行う際の通常印刷速度よりも小さい一定の品質確認速度となるようウェブを搬送するようになっており、
一のウェブに対する印刷動作を終了する際に前記カットオフコントローラの動作をオフにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度、および他のウェブに対する印刷動作を開始する際に前記カットオフコントローラの動作をオンにしたときの前記搬送部によるウェブの搬送速度はそれぞれ前記品質確認速度であることを特徴とする請求項5記載の印刷方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−67086(P2013−67086A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207625(P2011−207625)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】