説明

オブジェクト制御装置、オブジェクト制御方法、及びオブジェクト制御プログラム

【課題】 二次元の配置を含む情報を扱うための基本となるオブジェクトを備えたGUI環境を提供する。
【解決手段】 表示画面上に表示されるオブジェクトの外観情報S1、前記オブジェクトの位置情報、前記オブジェクトを選択するための選択領域M1、及び、前記オブジェクトに他のオブジェクトを関連付けるための一つまたはそれ以上の周辺領域R1(R11〜R18)を有するオブジェクトを生成し、前記オブジェクトを管理するオブジェクト管理手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GUI(Graphical User Interface)に関し、より詳細には、表示画面上に表示されるオブジェクトを制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多く利用されているGUIにおける主な構成要素は、ウィンドウ、アイコン、メニュー、及びポインタを基本としていた。一方、テキスト入力などの情報入力において利用される装置は、GUIの発明以前から利用されているキーボードであることが主であり、例えば数式のような、二次元の配置を含む情報の入力を行なうための標準的な手段は提供されていなかった。
【0003】
そのため、数式の入力においては専用のソフトウェア(例えば、MathType(非特許文献1)、Mathematica(非特許文献2)、Scientific WorkPlace(非特許文献3))が使用されている。
【0004】
【非特許文献1】Design Science: MathType Home Page、[2007年9月5日検索]、インターネット<URL: http://www.dessci.com/jp/>
【非特許文献2】Wolfram Mathematica: Home Page、[2007年9月5日検索]、インターネット<URL: http://www.wolfram.co.jp/products/mathematica/index.html>
【非特許文献3】高品位統合数式ワープロ Scientific WorkPlace、[2007年9月5日検索]、インターネット<URL: http://www.lightstone.co.jp/products/swp/swp.htm>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
GUIにおいて、二次元の配置を含む情報を扱うための標準的な技術が提供されていなかったため、上記のような従来のソフトウェアでは、それぞれ独自の方法によって二次元の配置を含む情報を扱うよう設計されているが、テキスト処理をベースとして設計されており、キーボードの利用が前提とされていた。そのため、ポインティングデバイスを主に利用するようには設計されておらず、GUIを有効に活用しているとは言えなかった。
【0006】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、二次元の配置を含む情報を扱うための基本となるオブジェクトを備えたGUI環境を提供することを目的の一つとする。
【0007】
本発明の他の一つの目的は、ポインティングデバイス操作を主に用いてオブジェクトを制御することによって、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置することを可能にするGUI環境を提供することにある。
【0008】
本発明の他の一つの目的は、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置する際に、オブジェクトとオブジェクトの関係において、定められた位置にオブジェクトを配置することを可能にするGUI環境を提供することにある。
【0009】
本発明の他の一つの目的は、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置する際に、配置された位置によって、オブジェクトの性質を変更することを可能にするGUI環境を提供することにある。
【0010】
本発明の他の一つの目的は、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置する際に、オブジェクトを互いに関連付け、それらの関連付けられたオブジェクトを木構造で管理することを可能にするGUI環境を提供することにある。
【0011】
本発明の他の一つの目的は、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置し、互いに関連付ける際に、関連付けられる位置の、木構造における根からの相対的な位置関係によって、オブジェクトの表示形態を変更することを可能にするGUI環境を提供することにある。
【0012】
本発明の他の一つの目的は、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置し、互いに関連付ける際に、関連付けられたオブジェクトを一体として扱うことを可能にするGUI環境を提供することにある。
【0013】
本発明の他の一つの目的は、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置し、互いに関連付ける際に、関連付けられたオブジェクトの関連付けを解除することを可能にするGUI環境を提供することにある。
【0014】
本発明の他の一つの目的は、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置し、互いに関連付ける際に、関連付けられた複数のオブジェクトを、単一の別のオブジェクトで代替することを可能にするGUI環境を提供することにある。
【0015】
本発明の他の一つの目的は、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置する際に、操作の基準となる領域の表示を変化させることにより、オペレータの操作を助けることを可能にするGUI環境を提供することにある。
【0016】
本発明の他の一つの目的は、表示される外観に関する情報以外に、オブジェクトの性質を説明するような情報をオブジェクトに付与することを可能にするGUI環境を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によって、表示画面上に表示されるオブジェクトの制御装置であって、前記オブジェクトの外観情報、前記オブジェクトの位置情報、前記オブジェクトを選択するための選択領域、及び、前記オブジェクトに他のオブジェクトを関連付けるための一つまたはそれ以上の周辺領域を、前記オブジェクトに付与する生成手段と、前記オブジェクトを管理するオブジェクト管理手段とを備えることを特徴とするオブジェクト制御装置が提供される。
上記のようなオブジェクト制御装置では、表示画面上に表示される外観情報、表示画面上で選択される際に利用される選択領域、及び表示画面上における位置情報を持つオブジェクトが生成されるが、さらに、そのオブジェクトと他のオブジェクトを二次元関係の位置関係を持って配置する際に利用される周辺領域が付与されるため、生成されるオブジェクトは二次元の配置を含む情報を扱うための基本となるオブジェクトとなる。
【0018】
また、上記オブジェクト制御装置は、前記表示画面上の領域が選択されたか否かを判定する領域判定手段と、前記領域判定手段による前記選択領域についての判定が真である場合には当該選択領域を備えるオブジェクトを選択するオブジェクト選択手段と、前記領域判定手段による前記周辺領域についての判定が真である場合には当該周辺領域を選択する周辺領域選択手段と、前記オブジェクトを前記表示画面上に配置する配置手段とを備えたものであってもよく、前記配置手段は、前記オブジェクト選択手段によって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択手段によって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には、前記第1のオブジェクトを前記第2のオブジェクトの近傍に配置するものであってもよい。
この場合、領域判定手段によって、ポインティングデバイスから得られた情報に基づく座標が領域に含まれるか否かの判定が可能となり、ポインティングデバイスによってオブジェクトの選択領域が示されたと判定された場合には、当該オブジェクトの選択を行ない、ポインティングデバイスによってオブジェクトの周辺領域が示されたと判定された場合には、当該周辺領域の選択を行なうことが可能となる。そして、第1のオブジェクトが選択され、第2のオブジェクトの周辺領域が選択された際には、第1のオブジェクトを第2のオブジェクトの近くに配置することによって、それらの二つのオブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置することが可能となる。
【0019】
また、上記オブジェクト制御装置において、前記生成手段は、前記周辺領域に対応して他のオブジェクトを配置する際の位置決定情報を前記オブジェクトに更に付与し、前記配置手段は、前記オブジェクト選択手段によって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択手段によって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には、当該周辺領域に対応した前記位置決定情報に基づいて、前記第1のオブジェクトを前記第2のオブジェクトの近傍に配置するものであってもよい。
この場合、第1のオブジェクトが選択され、第2のオブジェクトの周辺領域が選択された際には、第1のオブジェクトが第2のオブジェクトの近くに、二次元の位置関係を持つように配置されるが、位置決定情報に基づいて定められた位置に配置されるため、オブジェクトとオブジェクトの関係において、定められた位置にオブジェクトを配置することが可能となる。
【0020】
また、上記オブジェクト制御装置において、前記配置手段は更に、前記第1のオブジェクトが配置された位置に応じて、前記第2のオブジェクトにおける、前記外観情報、前記選択領域、前記周辺領域、及び前記位置決定情報のうち少なくとも一つを変更するものであってもよい。
この場合、第1のオブジェクトが選択され、第2のオブジェクトの周辺領域が選択された際には、第1のオブジェクトが第2のオブジェクトの近くに、二次元の位置関係を持つように配置されるが、第1のオブジェクトが配置された位置に応じて、第2のオブジェクトの性質を変更することが可能となり、分母や分子の大きさに合わせて分数線の長さを調節したり、指数の位置にある数の大きさにあわせて右に接続される記号の位置を調整したりということが可能となる。
【0021】
また、上記オブジェクト制御装置において、前記オブジェクト選択手段によって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択手段によって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には、前記第1のオブジェクトを、前記第2のオブジェクトの前記周辺領域に対応した子ノードとして関連付け、また、前記第2のオブジェクトを、前記第1のオブジェクトの親ノードとして関連付ける関連付け手段を備え、前記オブジェクト管理手段は更に、関連付けられた複数個のオブジェクトを木構造として扱うものであってもよい。
この場合、二次元の位置関係を持つように配置されるオブジェクトは、木構造における、親ノードと子ノードとして関連付けられ、関連付けられたオブジェクトを木構造で管理することが可能となり、木構造の解析による意味の解釈などが可能となる。
【0022】
また、上記オブジェクト制御装置において、前記生成手段は、前記周辺領域のうち一つを関連付けの方向として示す方向情報、前記木構造における深さを示す深度情報、及び、前記周辺領域に対応して前記深度情報を決定するための深度決定情報を、前記オブジェクトに更に付与し、前記オブジェクト管理手段は、前記オブジェクト選択手段によって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択手段によって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には更に、当該周辺領域に対応した前記深度決定情報と、前記第2のオブジェクトの前記深度情報とに基づいて前記第1のオブジェクトの前記深度情報を決定し、前記配置手段は、前記第1のオブジェクトを前記深度情報に応じた表示形態で配置するものであってもよい。
この場合、二次元の位置関係を持つようにオブジェクトどうしが配置され、互いに関連付けられる際に、関連付けられる位置の、木構造における根からの相対的な位置関係によって、オブジェクトの表示形態を変更することが可能となり、入れ子構造における適切な表示などが可能となる。
【0023】
また、上記オブジェクト制御装置において、前記オブジェクト選択手段は、前記木構造として関連付けられた複数個のオブジェクトのうち少なくとも一つが選択された場合に、前記木構造の根であるオブジェクトを前記第1のオブジェクトとして選択するものであってもよい。
この場合、二次元の位置関係を持つようにオブジェクトどうしが配置され、木構造として関連付けられる際に、木構造の選択を根ノードの選択として行なうことが可能となり、関連付けられたオブジェクトを一体として扱うことが可能となる。
【0024】
また、上記オブジェクト制御装置において、前記オブジェクト管理手段は、前記オブジェクト選択手段によって選択された第1のオブジェクトに、前記木構造における親ノードである親オブジェクトが存在する場合は、前記第1のオブジェクトと、前記親オブジェクトとの親子関係を解除するものであってもよい。
この場合、二次元の位置関係を持つようにオブジェクトどうしが配置され、木構造として関連付けられる際に、関連付けられたオブジェクトの関連付けを解除することが可能となり、関連付けとその解除の両方を提供することが可能となる。
【0025】
また、上記オブジェクト制御装置において、前記オブジェクト生成手段は、関連付けられた複数個のオブジェクトがなす外観と同じ外観を持つ新たな単一のオブジェクトを生成するものであってもよい。
この場合、二次元の位置関係を持つようにオブジェクトどうしが配置され、互いに関連付けられる際に、関連付けられて一体となった複数のオブジェクトの外観をあわせた外観情報を持つような、別のオブジェクトを生成することが可能となり、関連付けられた複数のオブジェクトを、単一の別のオブジェクトで代替することが可能となる。
【0026】
また、上記オブジェクト制御装置において、前記生成手段は、前記選択領域を前記表示画面上に表示するか否かを示す選択領域表示フラグと、前記周辺領域を前記表示画面上に表示するか否かを示す周辺領域表示フラグとのうち、いずれか一方又は両方を前記オブジェクトに更に付与するものであってもよい。
この場合、二次元の位置関係を持つようにオブジェクトどうしが配置される際に、操作の基準となる領域の表示を変化させることにより、フィードバックをオペレータに与え、オペレータの操作を助けることが可能となる。
【0027】
また、上記オブジェクト制御装置において、前記オブジェクト生成手段は、オブジェクトの説明情報を前記オブジェクトに更に付与するものであってもよい。
この場合、表示される外観に関する情報以外に、オブジェクトの性質を説明するような情報をオブジェクトに付与することが可能となり、外観が少しだけ違う記号の区別や、新たに作った記号の利用などが可能となる。
【0028】
また、本発明によって、表示画面上に表示されるオブジェクトの制御方法において、前記オブジェクトの外観情報、前記オブジェクトの位置情報、前記オブジェクトを選択するための選択領域、及び、前記オブジェクトに他のオブジェクトを関連付けるための一つまたはそれ以上の周辺領域を、前記オブジェクトに付与する生成ステップと、前記オブジェクトを管理するオブジェクト管理ステップとを含むことを特徴とするオブジェクト制御方法が提供される。
上記のようなオブジェクト制御方法では、表示画面上に表示される外観情報、表示画面上で選択される際に利用される選択領域、及び表示画面上における位置情報を持つオブジェクトが生成されるが、さらに、そのオブジェクトと他のオブジェクトを二次元関係の位置関係を持って配置する際に利用される周辺領域が付与されるため、生成されるオブジェクトは二次元の配置を含む情報を扱うための基本となるオブジェクトとなる。
【0029】
また、上記オブジェクト制御方法は、前記表示画面上の領域が選択されたか否かを判定する領域判定ステップと、前記領域判定ステップによる前記選択領域についての判定が真である場合には当該選択領域を備えるオブジェクトを選択するオブジェクト選択ステップと、前記領域判定ステップによる前記周辺領域についての判定が真である場合には当該周辺領域を選択する周辺領域選択ステップと、前記オブジェクトを前記表示画面上に配置する配置ステップとを含むものであってもよく、前記配置ステップは、前記オブジェクト選択ステップによって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択ステップによって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には、前記第1のオブジェクトを前記第2のオブジェクトの近傍に配置するステップを含むものであってもよい。
この場合、領域判定ステップによって、ポインティングデバイスから得られた情報に基づく座標が領域に含まれるか否かの判定が可能となり、ポインティングデバイスによってオブジェクトの選択領域が示されたと判定された場合には、当該オブジェクトの選択を行ない、ポインティングデバイスによってオブジェクトの周辺領域が示されたと判定された場合には、当該周辺領域の選択を行なうことが可能となる。そして、第1のオブジェクトが選択され、第2のオブジェクトの周辺領域が選択された際には、第1のオブジェクトを第2のオブジェクトの近くに配置することによって、それらの二つのオブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置することが可能となる。
【0030】
また、上記オブジェクト制御方法において、前記生成ステップは、前記周辺領域に対応して他のオブジェクトを配置する際の位置決定情報を前記オブジェクトに付与するステップを含み、前記配置ステップは、前記オブジェクト選択ステップによって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択ステップによって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には、当該周辺領域に対応した前記位置決定情報に基づいて、前記第1のオブジェクトを前記第2のオブジェクトの近傍に配置するステップを含むものであってもよい。
この場合、第1のオブジェクトが選択され、第2のオブジェクトの周辺領域が選択された際には、第1のオブジェクトが第2のオブジェクトの近くに、二次元の位置関係を持つように配置されるが、位置決定情報に基づいて定められた位置に配置されるため、オブジェクトとオブジェクトの関係において、定められた位置にオブジェクトを配置することが可能となる。
【0031】
また、上記オブジェクト制御方法において、前記配置ステップは、前記第1のオブジェクトが配置された位置に応じて、前記第2のオブジェクトにおける、前記外観情報、前記選択領域、前記周辺領域、及び前記位置決定情報のうち少なくとも一つを変更するステップを含むものであってもよい。
この場合、第1のオブジェクトが選択され、第2のオブジェクトの周辺領域が選択された際には、第1のオブジェクトが第2のオブジェクトの近くに、二次元の位置関係を持つように配置されるが、第1のオブジェクトが配置された位置に応じて、第2のオブジェクトの性質を変更することが可能となり、分母や分子の大きさに合わせて分数線の長さを調節したり、指数の位置にある数の大きさにあわせて右に接続される記号の位置を調整したりということが可能となる。
【0032】
また、上記オブジェクト制御方法において、前記オブジェクト選択ステップによって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択ステップによって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には、前記第1のオブジェクトを、前記第2のオブジェクトの前記周辺領域に対応した子ノードとして関連付け、また、前記第2のオブジェクトを、前記第1のオブジェクトの親ノードとして関連付ける関連付けステップを含み、前記オブジェクト管理ステップは、関連付けられた複数個のオブジェクトを木構造として扱うステップを含むものであってもよい。
この場合、二次元の位置関係を持つように配置されるオブジェクトは、木構造における、親ノードと子ノードとして関連付けられ、関連付けられたオブジェクトを木構造で管理することが可能となり、木構造の解析による意味の解釈などが可能となる。
【0033】
また、上記オブジェクト制御方法において、前記生成ステップは、前記周辺領域のうち一つを関連付けの方向として示す方向情報、前記木構造における深さを示す深度情報、及び、前記周辺領域に対応して前記深度情報を決定するための深度決定情報を、前記オブジェクトに付与するステップを含み、前記オブジェクト管理ステップは、前記オブジェクト選択ステップによって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択ステップによって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には、当該周辺領域に対応した前記深度決定情報と、前記第2のオブジェクトの前記深度情報とに基づいて前記第1のオブジェクトの前記深度情報を決定するステップを含み、前記配置ステップは、前記第1のオブジェクトを前記深度情報に応じた表示形態で配置するステップを含むものであってもよい。
この場合、二次元の位置関係を持つようにオブジェクトどうしが配置され、互いに関連付けられる際に、関連付けられる位置の、木構造における根からの相対的な位置関係によって、オブジェクトの表示形態を変更することが可能となり、入れ子構造における適切な表示などが可能となる。
【0034】
また、上記オブジェクト制御方法において、前記オブジェクト選択ステップは、前記木構造として関連付けられた複数個のオブジェクトのうち少なくとも一つが選択された場合に、前記木構造の根であるオブジェクトを前記第1のオブジェクトとして選択するステップを含むものであってもよい。
この場合、二次元の位置関係を持つようにオブジェクトどうしが配置され、木構造として関連付けられる際に、木構造の選択を根ノードの選択として行なうことが可能となり、関連付けられたオブジェクトを一体として扱うことが可能となる。
【0035】
また、上記オブジェクト制御方法において、前記オブジェクト管理ステップは、前記オブジェクト選択ステップによって選択された第1のオブジェクトに、前記木構造における親ノードである親オブジェクトが存在する場合は、前記第1のオブジェクトと、前記親オブジェクトとの親子関係を解除するステップを含むものであってもよい。
この場合、二次元の位置関係を持つようにオブジェクトどうしが配置され、木構造として関連付けられる際に、関連付けられたオブジェクトの関連付けを解除することが可能となり、関連付けとその解除の両方を提供することが可能となる。
【0036】
また、上記オブジェクト制御方法において、前記オブジェクト生成ステップは、関連付けられた複数個のオブジェクトがなす外観と同じ外観を持つ新たな単一のオブジェクトを生成するステップを含むものであってもよい。
この場合、二次元の位置関係を持つようにオブジェクトどうしが配置され、互いに関連付けられる際に、関連付けられて一体となった複数のオブジェクトの外観をあわせた外観情報を持つような、別のオブジェクトを生成することが可能となり、関連付けられた複数のオブジェクトを、単一の別のオブジェクトで代替することが可能となる。
【0037】
また、上記オブジェクト制御方法において、前記生成ステップは、前記選択領域を前記表示画面上に表示するか否かを示す選択領域表示フラグと、前記周辺領域を前記表示画面上に表示するか否かを示す周辺領域表示フラグとのうち、いずれか一方又は両方を前記オブジェクトに付与するステップを含むものであってもよい。
この場合、二次元の位置関係を持つようにオブジェクトどうしが配置される際に、操作の基準となる領域の表示を変化させることにより、フィードバックをオペレータに与え、オペレータの操作を助けることが可能となる。
【0038】
また、上記オブジェクト制御方法において、前記オブジェクト生成ステップは、オブジェクトの説明情報を前記オブジェクトに付与するステップを含むものであってもよい。
この場合、表示される外観に関する情報以外に、オブジェクトの性質を説明するような情報をオブジェクトに付与することが可能となり、外観が少しだけ違う記号の区別や、新たに作った記号の利用などが可能となる。
【0039】
また、本発明によって、表示画面上に表示されるオブジェクトの制御プログラムであって、コンピュータを請求項1から11のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御装置として機能させるオブジェクト制御プログラムが提供される。
上記のようなオブジェクト制御プログラムでは、コンピュータを請求項1から11のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御装置として機能させることが可能となる。
【0040】
また、本発明によって、表示画面上に表示されるオブジェクトの制御プログラムであって、請求項12から22のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御方法をコンピュータに実行させるオブジェクト制御プログラムが提供される。
上記のようなオブジェクト制御プログラムでは、請求項12から22のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御方法をコンピュータに実行させることが可能となる。
【発明の効果】
【0041】
請求項1又は12に記載の発明によれば、二次元の配置を含む情報を扱うための基本となるオブジェクトを備えたGUI環境が提供される。
【0042】
また、請求項2又は13に記載の発明によれば、ポインティングデバイス操作を主に用いてオブジェクトを制御することによって、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置することを可能にするGUI環境が提供される。
【0043】
また、請求項3又は14に記載の発明によれば、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置する際に、オブジェクトとオブジェクトの関係において、定められた位置にオブジェクトを配置することを可能にするGUI環境が提供される。
【0044】
また、請求項4又は15に記載の発明によれば、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置する際に、配置された位置によって、オブジェクトの性質を変更することを可能にするGUI環境が提供される。
【0045】
また、請求項5又は16に記載の発明によれば、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置する際に、オブジェクトを互いに関連付け、それらの関連付けられたオブジェクトを木構造で管理することを可能にするGUI環境が提供される。
【0046】
また、請求項6又は17に記載の発明によれば、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置し、互いに関連付ける際に、関連付けられる位置の、木構造における根からの相対的な位置関係によって、オブジェクトの表示形態を変更することを可能にするGUI環境が提供される。
【0047】
また、請求項7又は18に記載の発明によれば、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置し、互いに関連付ける際に、関連付けられたオブジェクトを一体として扱うことを可能にするGUI環境が提供される。
【0048】
また、請求項8又は19に記載の発明によれば、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置し、互いに関連付ける際に、関連付けられたオブジェクトの関連付けを解除することを可能にするGUI環境が提供される。
【0049】
また、請求項9又は20に記載の発明によれば、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置し、互いに関連付ける際に、関連付けられた複数のオブジェクトを、単一の別のオブジェクトで代替することを可能にするGUI環境が提供される。
【0050】
また、請求項10又は21に記載の発明によれば、オブジェクトどうしが二次元の位置関係を持つようにオブジェクトを配置する際に、操作の基準となる領域の表示を変化させることにより、オペレータの操作を助けることを可能にするGUI環境が提供される。
【0051】
また、請求項11又は22に記載の発明によれば、表示される外観に関する情報以外に、オブジェクトの性質を説明するような情報をオブジェクトに付与することを可能にするGUI環境が提供される。
【0052】
また、請求項23又は24に記載の発明によれば、コンピュータが上記に記載された発明として機能するか又は上記に記載された発明がコンピュータにより実行される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明におけるオブジェクト制御装置の構成を示すブロック図である。当該装置は、パソコン等のコンピュータ100、入力装置200及びディスプレイ300によって構成されている。コンピュータ100は、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、ポケットコンピュータ、及び電子手帳など、様々な形をとり得る。入力装置200は、キーボード201及びポインティングデバイス202によって構成されている。ポインティングデバイス202は、例えば、マウス、トラックボール、トラックパッド、タッチパネル、及びタブレット装置など、様々な形をとり得る。当業者には明白であるように、キーボード201とポインティングデバイス202とは常に両方が必要であるわけではなく、どちらか一方のみであってもよく、一方が他方の代替として機能することもある。ディスプレイ300は、表示画面301を備えており、CRT、LCD、及びプラズマディスプレイなど、様々な形をとり得る。また、ポインティングデバイス202とディスプレイ300とは、一体となっていることもある。
【0054】
コンピュータ100は、内蔵するCPU、メモリ、補助記憶装置等のハードウェアを、入力装置200からの操作入力に応じて、各種のステップを実行させるオブジェクト制御プログラムを搭載することができる。また、コンピュータ100は、内蔵するCPU、メモリ、補助記憶装置等のハードウェアを、入力装置200からの操作入力に応じて、各種の手段として機能させるオブジェクト制御プログラムを搭載することができる。記憶手段101には、オブジェクトを生成するための各種データが記憶されている。当業者には明白であるように、記憶手段101はメモリや補助記憶装置等のハードウェア以外にも、ネットワーク回線によって接続された別のコンピュータの制御する記憶手段等様々な外部記憶装置や、コンピュータ可読媒体などである場合がある。また、各種データは複数の記憶手段に分散して記憶されていることもある。
【0055】
入力手段200によって発生したイベントはイベント判定手段102で判定される。イベントがポインティングデバイスによる選択操作である場合は、オブジェクト管理手段110は、領域判定手段116による判定と記憶手段101に記憶された情報に基づいて、オブジェクト生成手段111、オブジェクト選択手段112、周辺領域選択手段113、配置手段114、及び関連付け手段115のいずれかによってオブジェクトを制御する。オブジェクト管理手段110は、オブジェクトの外観情報を、表示画面制御手段103に提供する。表示画面制御手段103は得られた情報に基づいて表示画面301の表示を更新する。
【0056】
図2は表示画面301上の表示の一例である。表示画面の一部又は全体に表示される内容を表しており、GUIウィンドウ上に表示されることもあり得る。402はオブジェクトを生成するための領域であり、401は生成されたオブジェクトが配置される領域である。402中の420は、オブジェクトの外観情報に基づいて、生成されるオブジェクトの外観がプレビュー表示されている。420中に並ぶ各記号もそれ自身がオブジェクトとして生成されている。オペレータは420中の任意のオブジェクトの上にポインタを移動させて、ドラッグ&ドロップ又はポイント&クリックによって、401にオブジェクトを生成させることが可能である。また、420中のオブジェクトのクリックによって401にオブジェクトを生成させることも可能である。領域402を利用する以外には、手書き文字認識による入力、ジェスチャによるコマンド入力、及びキーボードによる入力を利用可能とするように拡張可能であることは、当業者には明白のことである。また、コピー、切り取り、削除などのコマンドを受け付ける領域を設定可能であることも、当業者には明白なことである。401と402の位置関係は必ずしも401の下に402が位置する必要はなく、402は表示画面上の任意の場所に表示可能である。402を公知の技術によってフローティングパレットのように利用することも可能である。
【0057】
また、図2の411〜413と415は、すでに生成されたオブジェクトが関連付けられたものである。411〜413と415のそれぞれは、関連付けられており一体として扱うことができる。例えば、414を選択し、413中の「Σ」の上側に存在する周辺領域を選択すると、414は413中の「Σ」の上に関連付けられて配置される。同様に、415を413中の「Σ」の下側に配置し、その後、413を412中の「=」の右側に配置したオブジェクトは、411と同じ表示形態となる。
【0058】
次に、周辺領域について図面を参照して説明する。図3は外観情報S0と選択領域M0のみを持つオブジェクトである。この状態は、一般的なアイコンと同様の構成である。図4(a)は図3のオブジェクトのうち選択領域M0のみを図示している。図4(b)は選択領域M0の境界線を拡張する形で周辺領域R0を設定した様子を示している。図4(c)は選択領域M0を非表示とし、周辺領域R0を分割してR01〜R08としたものである。以上の流れのように、周辺領域とは、選択領域に対する相対的な位置を示すために、選択領域の境界線を拡張した領域を、さらに分割したものが起源となっている。当業者には明白なように、選択領域又は選択領域中の一点からの距離と方向によって示される座標とその座標の周囲である領域、選択領域を分割した領域、及び選択領域に隣接した領域など、周辺領域の設定には様々な方法が応用され得る。
【0059】
また、図2の430のように、オブジェクトとは離れた位置に周辺領域を生成し、操作対象となるオブジェクトに関連付けるという方法による、周辺領域の付与も可能である。他にも、操作対象のオブジェクトが選択された後に、そのオブジェクトに重なるように430のような形状の周辺領域を表示させるという方法による、周辺領域の付与も可能である。オブジェクトの生成にあわせて周辺領域が生成されることもあれば、既に生成されている周辺領域が付与されることもある。これらの方法においては、オブジェクトを中心とした相対的な位置関係が、周辺領域の選択によって指定可能となる。
【0060】
図5はポインティングデバイス202又はキーボード201などの操作によって移動するポインタPDの位置によって、周辺領域が選択される様子を示している。図5(a)はポインタPDによって周辺領域R04が選択され、図5(b)はポインタPDによって周辺領域R01が選択され、図5(c)はポインタPDによって周辺領域R02が選択されている。
【0061】
次に、オブジェクトを生成するための情報について図面を参照して説明する。図6はオブジェクトを生成するための情報の一例である。当業者には明白であるように、オブジェクトによって使用される情報には違いがあり、全ての情報が必要であるとは限らない。位置情報501は表示画面上でオブジェクトが表示される位置を示す。X1とY1は、それぞれ表示画面上におけるx座標とy座標を保持している。外観情報502は表示画面上に表示されるオブジェクトの外観のための情報である。S1は図7の情報を参照している。選択領域503はオブジェクトを選択するための領域である。M1は図8の情報を参照している。周辺領域504は他のオブジェクトを関連付ける際などに利用される領域である。R1は図9の情報を参照している。方向情報505は、どの周辺領域が標準的な方向であるのかを示すための情報であり、この情報を利用することにより縦書き、横書き(左から右)、及び横書き(右から左)など、様々な種類の文字をオブジェクトとして設定可能となっている。深度情報506は木構造における深さを表しており、例えば、根を「0」として深くなるほどに「1」、「2」、「3」と増加していくような情報である。説明情報507は、オブジェクトを説明するための補助的な情報であり、この情報を利用することで、例えば外観情報としては「Σ」の形状を持ち、説明情報では「\sum」という文字列を持つなどすることにより、情報としての扱いが容易になる。また、説明情報に、起動されるアプリケーションの情報を記述すること、利用されるファイルの情報を記述すること、利用されるプリンタの情報を記述すること、及び利用される記憶装置の情報を記述することなどによって、オブジェクトをアイコンのように利用することも可能である。その際、外観情報にグラフィックス情報を備えたオブジェクトであれば、見た目はアイコンのように見えるが、周辺領域を備えているなど、アイコンにはない機能を備えているため、拡張されたアイコンとして利用することも可能である。親ノード情報508は、オブジェクトが関連付けられて木構造を構成する際に利用される。木構造の根であるオブジェクトの場合は、親ノードは存在しない。被選択フラグ509はオブジェクトが選択されているかどうかを示す情報である。
【0062】
図7は外観情報として、文字コードで表現可能な記号が利用される場合の例を示している。当業者には明白であるように、オブジェクトによって使用される情報には違いがあり、全ての情報が必要であるとは限らない。位置情報511は記号を配置する位置を示し、S1xとS1yは、オブジェクトの位置情報501からの相対的な位置を示す情報となる。フォント情報512は、使用されるフォントの種類やスタイルなどを示す情報である。内容情報513は文字コードで表現可能な記号の情報であり、例えば図3のオブジェクトの場合は「a」の文字コードが利用される。線分情報514は、例えば分数線や「√」の上側の線など、子オブジェクトによって長さが変更されるような外観を持つオブジェクトにおいて利用される。追加外観情報515は、例えば「()」のように複数の外観情報を組み合わせる場合に利用される。また、複数のオブジェクトの代替として生成される新規オブジェクトは、代替される複数のオブジェクトの外観情報を足し合わせた情報を、外観情報として持つことになる。当業者には明白なように、外観情報として利用可能であるのはフォント関連の情報に限らず、表示画面上に表示可能である各種の情報(例えば、カラー情報を含む、ビットマップ情報、曲線情報、及びポリゴン情報などのグラフィックス情報)である。
【0063】
図8は選択領域として矩形を構成する場合の例を示している。領域情報521は矩形を構成するための情報であり、オブジェクトの位置情報501に対して相対的な情報であるM1xとM1y、そして、矩形の幅と高さの情報であるM1wとM1hを持つ。オブジェクト選択手段112によってオブジェクトが選択されるかどうかを、領域判定手段116によって判定する際には、この矩形に座標が含まれるか否かが調べられる。選択領域表示フラグ522は選択領域が表示画面上に表示されるかどうかを示すフラグであり、フラグがオンである場合はオブジェクト管理手段110によって当該選択領域が表示されるように設定される。当業者には明白であるように、選択領域として利用可能であるのは矩形に限らず、太さを持つ線、円形、扇形、曲線によって囲まれた領域、及び多角形など様々な領域が利用可能である。
【0064】
図9は周辺領域として矩形を構成する場合の例を示している。周辺領域は複数に分割されており、図9(a)における周辺領域の情報530は、周辺領域R1は周辺領域R11〜R18から成るという情報である。図9(b)は周辺領域R11についての情報であるが、同様の情報をR12〜R18のそれぞれが備えている。領域情報531は矩形を構成するための情報であり、オブジェクトの位置情報501に対して相対的な情報であるR11xとR11y、そして、矩形の幅と高さの情報であるR11wとR11hを持つ。周辺領域選択手段113によって周辺領域が選択されるかどうかを、領域判定手段116によって判定する際には、この矩形に座標が含まれるか否かが調べられる。位置決定情報532は他のオブジェクトが周辺領域に対応して配置される際に利用される情報である。深度決定情報533は周辺領域に対応して配置される他のオブジェクトの深度を決定するための情報である。「−1」や「0」、あるいは「+1」など値を持つ。子ノード情報534は当該周辺領域R11に対応した子ノードが存在する場合に、子ノードを指す情報である。周辺領域表示フラグ535は当該周辺領域が表示画面上に表示されるかどうかを示すフラグであり、フラグがオンである場合はオブジェクト管理手段によって当該周辺領域が表示されるように設定される。被選択フラグ536は当該周辺領域が選択されているかどうかを示す情報である。当業者には明白であるように、周辺領域として利用可能であるのは矩形に限らず、太さを持つ線、円形、扇形、曲線によって囲まれた領域、及び多角形など様々な領域が利用可能である。図9(c)は位置決定情報として接続基点と接続対象情報を利用する場合の例を示している。接続基点537は他のオブジェクトが配置される際の基準となる点で、ポインタの座標が当該周辺領域内である場合に利用される情報であり、オブジェクトの位置情報501に対して相対的な情報であるB11xとB11yを持つ。接続対象情報538は接続基点に対して接続される点を示す情報であり、配置されるオブジェクトにとっての相対的な位置を示す情報であり、図12に図示されるような情報である。当業者には明白であるように、位置決定情報は、従来のGUIにおいて文字列表示の際に設定する標準的な情報や、従来のGUIにおいて図形表示の際に設定する標準的な情報で代替可能である。
【0065】
次に、具体的なオブジェクトの例に基づいて図面を参照して説明する。図10は、「ボールド」で「イタリック」のスタイルを持つ「Times New Roman」フォントをフォント情報512として持ち、内容情報513として「x」を示すための文字コードを持つような外観情報を備えるオブジェクト「x」である。図10(a)は、外観情報S1、選択領域M1、及び周辺領域R1(R11〜R18)を重ね合わせた状態の図である。図10(b)は、説明のために、外観情報S1、選択領域M1、及び周辺領域R1の重ね合わせ状態を立体的に示した図である。周辺領域R1が選択領域M1よりも上に位置しているのは、領域判定手段116において判定する際に、周辺領域R1と選択領域M1の両方が有効であれば、周辺領域R1のほうが先に判定されるということを意味している。
【0066】
図11は、オブジェクト「x」について外観情報S1と位置決定情報532のうち接続基点B11〜B18を示した図である。説明のために図10と図11とに分けているが、オブジェクト「x」は外観情報S1、選択領域M1、周辺領域R1(R11〜R18)、及び接続基点B11〜B18を全て備えている。また、接続基点B11〜B18はそれぞれ周辺領域R11〜R18に対応して用意されている。
ただし、周辺領域がオブジェクトとは離れた場所に表示される場合や、オブジェクト選択後に表示される場合は、R1(R11〜R18)のように表示されるとは限らず、図4(c)のR0のように表示されることもあり、方向を指示するための領域として適するのであれば、太さ1ドットの線から多角形まで、さまざまな形状をとり得る。
【0067】
図12は、位置決定情報532のうち接続対象情報538として利用される、相対的な位置情報を示している。点線による矩形領域として現されているRは、あるオブジェクトの周辺領域に外接する領域である。この例では、周辺領域に外接する領域Rをオブジェクトの占める領域であるとして、その領域における相対的な位置をG901〜G912で示している。例えば、「TOP」、「MIDDLE」、「BASELINE」、「BOTTOM」、「LEFT」、「CENTER」、及び「RIGHT」の組み合わせによって定数を設定しておき、G901は「TOP_LEFT」、G906は「MIDDLE_RIGHT」、G908は「BASELINE_CENTER」、G910は「BOTTOM_LEFT」となるように設定されている。当業者には明白であるように、これらの情報は定数として設定する他に、座標として設定することも可能であり、また位置も「TOP」、「MIDDLE」、「BASELINE」、「BOTTOM」、「LEFT」、「CENTER」、及び「RIGHT」以外にも様々な位置を設定可能である。
【0068】
図13は、外観情報において線分情報514としてL4を持つ分数線オブジェクトである。図13(a)は、外観情報S4としての線分情報L4、選択領域M4、周辺領域R4(R41〜R44)、及び接続基点B41〜B44を重ね合わせた状態の図である。図13(b)は、説明のために、外観情報S4としての線分情報L4、選択領域M4、及び周辺領域R4の重ね合わせ状態を立体的に示した図である。周辺領域R4が選択領域M4よりも上に位置しているのは、領域判定手段116において判定する際に、周辺領域R4と選択領域M4の両方が有効であれば、周辺領域R4のほうが先に判定されるということを意味している。
【0069】
図14は、「プレーン」のスタイルを持つ「cmex10」フォントをフォント情報512として持ち、内容情報513として「√」を示すための文字コードと、線分情報514としてL5を持つような外観情報を備えるオブジェクト「√」である。図14(a)は、外観情報S5、外観情報の一部としての線分情報L5、選択領域M5、周辺領域R5(R51〜R54)、及び接続基点B51〜B54を重ね合わせた状態の図である。図14(b)は、説明のために、外観情報S5、外観情報の一部としての線分情報L5、選択領域M5、及び周辺領域R5の重ね合わせ状態を立体的に示した図である。周辺領域R5が選択領域M5よりも上に位置しているのは、領域判定手段116において判定する際に、周辺領域R5と選択領域M5の両方が有効であれば、周辺領域R5のほうが先に判定されるということを意味している。
【0070】
図15は、内容情報513として「(」を示すための文字コードを持ち、追加外観情報515として「)」を示すための文字コードを持つような外観情報を備えるオブジェクト「()」である。図15(a)は、外観情報S6、外観情報S6の一部としての追加外観情報A6、選択領域M6、周辺領域R6(R61〜R63)、及び接続基点B61〜B63を重ね合わせた状態の図である。図15(b)は、説明のために、外観情報S6、外観情報S6の一部としての追加外観情報A6、選択領域M6、及び周辺領域R6の重ね合わせ状態を立体的に示した図である。周辺領域R6が選択領域M6よりも上に位置しているのは、領域判定手段116において判定する際に、周辺領域R6と選択領域M6の両方が有効であれば、周辺領域R6のほうが先に判定されるということを意味している。
【0071】
図16は、内容情報513として「[」を示すための文字コードを持ち、追加外観情報515として「]」を示すための文字コードを持つような外観情報を備えるオブジェクト「[]」である。図16(a)は、外観情報S7、外観情報S7の一部としての追加外観情報A7、選択領域M7、及び周辺領域R7(R71〜R76)、及び接続基点B71〜B76を重ね合わせた状態の図である。図16(b)は、説明のために、外観情報S7、外観情報S7の一部としての追加外観情報A7、選択領域M7、及び周辺領域R7の重ね合わせ状態を立体的に示した図である。周辺領域R7が選択領域M7よりも上に位置しているのは、領域判定手段116において判定する際に、周辺領域R7と選択領域M7の両方が有効であれば、周辺領域R7のほうが先に判定されるということを意味している。
【0072】
図17は、オブジェクト「x」にオブジェクト「y」が関連付けられて「x」という外観に変化し、一体となったオブジェクト「x」の右に更にオブジェクト「z」が関連付けられて「xz」という外観に変化する様子を示している。図17(a)は、オブジェクト「x」とオブジェクト「y」が関連付けられていない状態を示している。
【0073】
図17(b)は、オブジェクト「x」にオブジェクト「y」が関連付けられた状態を示している。オブジェクト「y」が選択され、オブジェクト「x」の周辺領域であるR11が選択された場合には、周辺領域R11に対応した位置決定情報である接続基点B11と接続対象情報G907に基づいて、オブジェクト「y」におけるG907と同じ位置を示すB26が、接続基点B11に重なるようにオブジェクト「y」が配置される。この時、周辺領域R11に対応した深度決定情報である「+1」に基づいて、オブジェクト「y」の深度がオブジェクト「x」の深度よりも一つ深くなり、深度情報に基づいてオブジェクト「y」はオブジェクト「x」よりも小さく表示されることになる。深度情報と表示される大きさとの関係は、例えば、深度「0」では100%、深度「1」では60%、深度「2」以上は40%のように設定されており、ある一定の深度以上では大きさは変化しないように設定されている。当業者には明白なように、例えば深度が深くなるにつれて50%ずつ縮小する、などのように縮小し続けるようにも設定は可能である。
【0074】
また、図17(b)では、オブジェクト「y」が関連付けられたことによってオブジェクト「x」の周辺領域R12が拡張されている。図17(c)は「x」の右に更に「z」が関連付けられた状態を示す。オブジェクト「z」が選択され、オブジェクト「x」の周辺領域であるR12が選択された場合には、周辺領域R12に対応した位置決定情報である接続基点B12と接続対象情報G907に基づいて、オブジェクト「z」におけるG907と同じ位置を示すB36が、接続基点B12に重なるようにオブジェクト「z」が配置される。この時、周辺領域R12に対応した深度決定情報である「0」に基づいて、オブジェクト「z」の深度がオブジェクト「x」の深度と等しくなり、深度情報に基づいてオブジェクト「z」はオブジェクト「x」と同じ倍率で表示されることになる。
【0075】
図18は、周辺領域と選択領域が表示画面上に表示される際の例を示している。図では領域がグレーで塗りつぶされているが、領域の境界線を描画したり、領域に対応した別の領域について描画を行なうなどの応用は、当業者にとっては明白なことである。図18(a)は周辺領域を表示した状態である。図では周辺領域が全て着色されているが、図5のように選択された周辺領域だけを表示するようにも設定可能である。図18(b)は選択領域が表示された状態である。M1〜M3の全てが着色されているが、選択された領域のみ表示するようにも設定可能である。
【0076】
また、図18は、周辺領域と選択領域の比較として参照することもできる。図18(a)で着色されているのは、周辺領域を選択しようとする際の判定に利用される領域である。図18(b)で着色されているのは、選択領域を選択しようとする際の判定に利用される領域である。なお、周辺領域と選択領域では、周辺領域のほうに高い優先順位を与えているため、選択領域と周辺領域の両方が有効である場合には、選択領域のうち周辺領域と重なる部分については周辺領域であると判定される。従来のGUIにおけるオブジェクトとは異なり、オブジェクトに対して、図18(a)と図18(b)のように、場合によって異なる領域を利用するようにしたことで、二次元の配置を容易に行なうことが可能となっている。
【0077】
図19は、木構造におけるノード600と、子オブジェクトが接続される方向別のリンク601〜608を示している。601〜608は、それぞれ図4(c)におけるR01〜R08に対応するなど、表示画面上における位置関係を元に定められている。この図の場合は、方向情報505で指定された方向は602であり、区別のために太い矢印となっている。方向情報505で示された標準的な方向とは逆の方向、この場合だと606、は親ノードへの方向と一致することがある。親ノードへの方向と同じ方向に子ノードを追加する場合は、子ノードとして追加するのではなく親ノードとして追加するという例外処理が発生する。例えば、ノードAをノードBの606方向に接続する場合は、ノードAをノードBの子ノードとして接続するのではなく、ノードBをノードAの602方向への子ノードとして接続するように処理を変更する。もし、ノードBにすでに親ノードCが接続されていた場合は、ノードCの602方向の子ノードにノードAが新たに接続された上で、ノードBをノードAの602方向への子ノードとして接続することになる。
【0078】
図20は、木構造における子ノードと親ノードの関係を示している。矢印は親ノード611から、子ノード612と子ノード613の方向へ向かっている。613へ向かう矢印が太いのは、この方向が標準的な方向であることを表わしている。
【0079】
図21は、木構造の一例620と630を示している。図21(a)は、木構造620における根621を示している。根621には親ノードがないため、他のどのノードからも矢印で指されていない。
図21(b)は、
【数1】

を構成するオブジェクトの木構造630を示した図である。木構造としての形は620と同じであるため、根となるノードは外観情報が「Σ」であるオブジェクトであることが分かる。
【0080】
図19の情報を利用して、図17(c)のオブジェクトの関係を説明すると、オブジェクト「x」から見た601方向にオブジェクト「y」が子ノードとして接続され、オブジェクト「x」から見た602方向にオブジェクト「z」が子ノードとして接続されている。また、図20の情報を利用すると、オブジェクト「y」は子ノード612、オブジェクト「z」は子ノード613となり、親ノード612はオブジェクト「x」となる。図21における根621と同様に、親ノードを持たないオブジェクト「x」は、木構造における根のノードとなる。
【0081】
本発明において、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトの周辺領域が選択される場合の選択の順番はどちらが先であってもよく、また、同時であってもよい。2つの領域を順に選択する操作は、例えばドラッグ操作の開始位置と終了位置を利用する操作、ポイント&クリックの繰り返しによる操作などがある。それら領域の選択の際の領域判定に利用されるのは、ポインティングデバイスから得られる座標情報そのものである場合もあれば、ポインティングデバイスから得られる座標情報にオフセット値を加えて得られる座標情報である場合もある。また、キーボード操作によってポインティングデバイス操作を代替することも公知の技術によって可能である。
【0082】
本発明における生成ステップ、オブジェクト管理ステップ、領域判定ステップ、オブジェクト選択ステップ、周辺領域選択ステップ、配置ステップ、及び関連付けステップは、それぞれ生成手段、オブジェクト管理手段、領域判定手段、オブジェクト選択手段、周辺領域選択手段、配置手段、及び関連付け手段を実現するための方法として対応している。また、イベント判定手段、記憶手段、及び表示画面制御手段を実現するためのステップが存在することも、当業者にとっては明らかである。
【0083】
本発明を、その具体的な実施例を参照して具体的に示し、説明してきたが、当業者には明白であるように、特許請求の範囲に含まれる本発明の精神および範囲から離れることなく、形および詳細にさまざまな変更、修飾、変形、あるいは応用を行なうことが可能であり、それらは請求の範囲によってのみ制限される本発明に含まれるとみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、コンピュータの表示画面上において二次元構造を持つ情報、例えば数式や化学式など、に利用可能であるだけでなく、従来は一次元表記で記述されていたもの、例えばプログラミング言語やXMLなど、に二次元構造を導入する際に利用可能である。つまり、テキスト情報を二次元に拡張する場面において、拡張されたテキスト情報を扱う際の基礎的な技術として、幅広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】オブジェクト制御装置の構成を示すブロック図。
【図2】表示画面上の表示の一例を示す図。
【図3】外観情報と選択領域の一例を示す図。
【図4】周辺領域の概念の基礎を示す図。
【図5】分割された周辺領域が選択される様子を説明する図。
【図6】オブジェクトのためのデータテーブルの一例を示す図。
【図7】外観情報のためのデータテーブルの一例を示す図。
【図8】選択領域のためのデータテーブルの一例を示す図。
【図9】周辺領域と位置決定情報のためのデータテーブルの一例を示す図。
【図10】オブジェクトの構成の一例を示す図。
【図11】位置決定情報の接続基点の一例を示す図。
【図12】位置決定情報の接続対象情報の一例を示す図。
【図13】オブジェクトの構成の一例を示す図。
【図14】オブジェクトの構成の一例を示す図。
【図15】オブジェクトの構成の一例を示す図。
【図16】オブジェクトの構成の一例を示す図。
【図17】オブジェクトが他のオブジェクトに関連付けられる様子を説明する図。
【図18】関連付けられたオブジェクトにおける周辺領域と選択領域の一例を示す図。
【図19】木構造を構成するノードと接続方向の一例を示す図。
【図20】木構造における親ノードと子ノードの一例を示す図。
【図21】木構造における根ノードと数式を表わす木構造の一例を示す図。
【符号の説明】
【0086】
301 表示画面
411〜415、420 オブジェクト
502、S0、S1 外観情報
501 位置情報
503、M0、M1 選択領域
504、R0、R01〜R08、R1、R11〜R18 周辺領域
111 生成手段
110 オブジェクト管理手段
116 領域判定手段
112 オブジェクト選択手段
113 周辺領域選択手段
114 配置手段
532 位置決定情報
534、612、613 子ノード
508、611 親ノード
115 関連付け手段
610、620、630 木構造
505 方向情報
506 深度情報
533 深度決定情報
621 根
522 選択領域表示フラグ
535 周辺領域表示フラグ
507 説明情報
100 コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面上に表示されるオブジェクトの制御装置であって、
前記オブジェクトの外観情報、前記オブジェクトの位置情報、前記オブジェクトを選択するための選択領域、及び、前記オブジェクトに他のオブジェクトを関連付けるための一つまたはそれ以上の周辺領域を、前記オブジェクトに付与する生成手段と、
前記オブジェクトを管理するオブジェクト管理手段と
を備えることを特徴とするオブジェクト制御装置。
【請求項2】
請求項1記載のオブジェクト制御装置であって、
前記表示画面上の領域が選択されたか否かを判定する領域判定手段と、
前記領域判定手段による前記選択領域についての判定が真である場合には当該選択領域を備えるオブジェクトを選択するオブジェクト選択手段と、
前記領域判定手段による前記周辺領域についての判定が真である場合には当該周辺領域を選択する周辺領域選択手段と、
前記オブジェクトを前記表示画面上に配置する配置手段とを備え、
前記配置手段は、前記オブジェクト選択手段によって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択手段によって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には、前記第1のオブジェクトを前記第2のオブジェクトの近傍に配置するオブジェクト制御装置。
【請求項3】
請求項2記載のオブジェクト制御装置であって、
前記生成手段は、前記周辺領域に対応して他のオブジェクトを配置する際の位置決定情報を前記オブジェクトに更に付与し、
前記配置手段は、前記オブジェクト選択手段によって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択手段によって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には、当該周辺領域に対応した前記位置決定情報に基づいて、前記第1のオブジェクトを前記第2のオブジェクトの近傍に配置するオブジェクト制御装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載のオブジェクト制御装置であって、
前記配置手段は更に、前記第1のオブジェクトが配置された位置に応じて、前記第2のオブジェクトにおける、前記外観情報、前記選択領域、前記周辺領域、及び前記位置決定情報のうち少なくとも一つを変更するオブジェクト制御装置。
【請求項5】
請求項2から4のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御装置であって、
前記オブジェクト選択手段によって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択手段によって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には、前記第1のオブジェクトを、前記第2のオブジェクトの前記周辺領域に対応した子ノードとして関連付け、また、前記第2のオブジェクトを、前記第1のオブジェクトの親ノードとして関連付ける関連付け手段を備え、
前記オブジェクト管理手段は更に、関連付けられた複数個のオブジェクトを木構造として扱うオブジェクト制御装置。
【請求項6】
請求項5記載のオブジェクト制御装置であって、
前記生成手段は、前記周辺領域のうち一つを関連付けの方向として示す方向情報、前記木構造における深さを示す深度情報、及び、前記周辺領域に対応して前記深度情報を決定するための深度決定情報を、前記オブジェクトに更に付与し、
前記オブジェクト管理手段は、前記オブジェクト選択手段によって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択手段によって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には更に、当該周辺領域に対応した前記深度決定情報と、前記第2のオブジェクトの前記深度情報とに基づいて前記第1のオブジェクトの前記深度情報を決定し、
前記配置手段は、前記第1のオブジェクトを前記深度情報に応じた表示形態で配置するオブジェクト制御装置。
【請求項7】
請求項5又は6記載のオブジェクト制御装置であって、
前記オブジェクト選択手段は、前記木構造として関連付けられた複数個のオブジェクトのうち少なくとも一つが選択された場合に、前記木構造の根であるオブジェクトを前記第1のオブジェクトとして選択するオブジェクト制御装置。
【請求項8】
請求項5から7のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御装置であって、
前記オブジェクト管理手段は、前記オブジェクト選択手段によって選択された第1のオブジェクトに、前記木構造における親ノードである親オブジェクトが存在する場合は、前記第1のオブジェクトと、前記親オブジェクトとの親子関係を解除するオブジェクト制御装置。
【請求項9】
請求項5から8のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御装置であって、
前記オブジェクト生成手段は、関連付けられた複数個のオブジェクトがなす外観と同じ外観を持つ新たな単一のオブジェクトを生成するオブジェクト制御装置。
【請求項10】
請求項1から9のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御装置であって、
前記生成手段は、前記選択領域を前記表示画面上に表示するか否かを示す選択領域表示フラグと、前記周辺領域を前記表示画面上に表示するか否かを示す周辺領域表示フラグとのうち、いずれか一方又は両方
を前記オブジェクトに更に付与するオブジェクト制御装置。
【請求項11】
請求項1から10のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御装置であって、
前記オブジェクト生成手段は、オブジェクトの説明情報を前記オブジェクトに更に付与するオブジェクト制御装置。
【請求項12】
表示画面上に表示されるオブジェクトの制御方法であって、
前記オブジェクトの外観情報、前記オブジェクトの位置情報、前記オブジェクトを選択するための選択領域、及び、前記オブジェクトに他のオブジェクトを関連付けるための一つまたはそれ以上の周辺領域を、前記オブジェクトに付与する生成ステップと、
前記オブジェクトを管理するオブジェクト管理ステップと
を含むことを特徴とするオブジェクト制御方法。
【請求項13】
請求項12記載のオブジェクト制御方法であって、
前記表示画面上の領域が選択されたか否かを判定する領域判定ステップと、
前記領域判定ステップによる前記選択領域についての判定が真である場合には当該選択領域を備えるオブジェクトを選択するオブジェクト選択ステップと、
前記領域判定ステップによる前記周辺領域についての判定が真である場合には当該周辺領域を選択する周辺領域選択ステップと、
前記オブジェクトを前記表示画面上に配置する配置ステップとを含み、
前記配置ステップは、前記オブジェクト選択ステップによって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択ステップによって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には、前記第1のオブジェクトを前記第2のオブジェクトの近傍に配置するステップを含む、オブジェクト制御方法。
【請求項14】
請求項13記載のオブジェクト制御方法であって、
前記生成ステップは、前記周辺領域に対応して他のオブジェクトを配置する際の位置決定情報を前記オブジェクトに付与するステップを含み、
前記配置ステップは、前記オブジェクト選択ステップによって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択ステップによって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には、当該周辺領域に対応した前記位置決定情報に基づいて、前記第1のオブジェクトを前記第2のオブジェクトの近傍に配置するステップを含む、オブジェクト制御方法。
【請求項15】
請求項13又は14記載のオブジェクト制御方法であって、
前記配置ステップは、前記第1のオブジェクトが配置された位置に応じて、前記第2のオブジェクトにおける、前記外観情報、前記選択領域、前記周辺領域、及び前記位置決定情報のうち少なくとも一つを変更するステップを含む、オブジェクト制御方法。
【請求項16】
請求項13から15のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御方法であって、
前記オブジェクト選択ステップによって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択ステップによって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には、前記第1のオブジェクトを、前記第2のオブジェクトの前記周辺領域に対応した子ノードとして関連付け、また、前記第2のオブジェクトを、前記第1のオブジェクトの親ノードとして関連付ける関連付けステップを含み、
前記オブジェクト管理ステップは、関連付けられた複数個のオブジェクトを木構造として扱うステップを含む、オブジェクト制御方法。
【請求項17】
請求項16記載のオブジェクト制御方法であって、
前記生成ステップは、前記周辺領域のうち一つを関連付けの方向として示す方向情報、前記木構造における深さを示す深度情報、及び、前記周辺領域に対応して前記深度情報を決定するための深度決定情報を、前記オブジェクトに付与するステップを含み、
前記オブジェクト管理ステップは、前記オブジェクト選択ステップによって第1のオブジェクトが選択され、前記周辺領域選択ステップによって第2のオブジェクトの周辺領域が選択された場合には、当該周辺領域に対応した前記深度決定情報と、前記第2のオブジェクトの前記深度情報とに基づいて前記第1のオブジェクトの前記深度情報を決定するステップを含み、
前記配置ステップは、前記第1のオブジェクトを前記深度情報に応じた表示形態で配置するステップを含む、オブジェクト制御方法。
【請求項18】
請求項16又は17記載のオブジェクト制御方法であって、
前記オブジェクト選択ステップは、前記木構造として関連付けられた複数個のオブジェクトのうち少なくとも一つが選択された場合に、前記木構造の根であるオブジェクトを前記第1のオブジェクトとして選択するステップを含む、オブジェクト制御方法。
【請求項19】
請求項16から18のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御方法であって、
前記オブジェクト管理ステップは、前記オブジェクト選択ステップによって選択された第1のオブジェクトに、前記木構造における親ノードである親オブジェクトが存在する場合は、前記第1のオブジェクトと、前記親オブジェクトとの親子関係を解除するステップを含む、オブジェクト制御方法。
【請求項20】
請求項16から19のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御方法であって、
前記オブジェクト生成ステップは、関連付けられた複数個のオブジェクトがなす外観と同じ外観を持つ新たな単一のオブジェクトを生成するステップを含む、オブジェクト制御方法。
【請求項21】
請求項12から20のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御方法であって、
前記生成ステップは、前記選択領域を前記表示画面上に表示するか否かを示す選択領域表示フラグと、前記周辺領域を前記表示画面上に表示するか否かを示す周辺領域表示フラグとのうち、いずれか一方又は両方
を前記オブジェクトに付与するステップを含む、オブジェクト制御方法。
【請求項22】
請求項12から21のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御方法であって、
前記オブジェクト生成ステップは、オブジェクトの説明情報を前記オブジェクトに付与するステップを含む、オブジェクト制御方法。
【請求項23】
表示画面上に表示されるオブジェクトの制御プログラムであって、
コンピュータを請求項1から11のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御装置として機能させるオブジェクト制御プログラム。
【請求項24】
表示画面上に表示されるオブジェクトの制御プログラムであって、
請求項12から22のうちいずれか一項記載のオブジェクト制御方法をコンピュータに実行させるオブジェクト制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−90835(P2008−90835A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231634(P2007−231634)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(505068239)
【Fターム(参考)】