説明

オプトエレクトロニクス素子およびオプトエレクトロニクス素子の製造方法

【課題】波長変換層を有している、放射放出型の層列を備えたオプトエレクトロニクス素子を提供する。
【解決手段】オプトエレクトロニクス素子が基板と、基板上に配置されている第1の電極と、駆動時に電磁的な1次放射を放出する活性領域を備えた放射放出型の層列と、放射放出型の層列上に配置されている、1次放射に対して透過性である第2の電極と、第2の電極上に析出されているカプセル化装置とを有し、カプセル化装置は、少なくとも1つの第1のバリア層と、1次放射を少なくとも部分的に電磁的な2次放射に変換する少なくとも1つの第1の波長変換層とを備えた積層体を有し、カプセル化装置は少なくとも部分的に1次放射および/または2次放射に対して透過性である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オプトエレクトロニクス素子およびオプトエレクトロニクス素子の製造方法に関する。
【0002】
本明細書は、ドイツ連邦共和国特許明細書第10 2007 044 865.3号およびドイツ連邦共和国特許明細書第10 2007 052 181.4号の優先権を主張するものであり、それらの開示内容は参照により本願に含まれるものとする。
【0003】
以下では、放射放出型の層列、すなわち放射を発する層列を備えたオプトエレクトロニクス素子およびオプトエレクトロニクス素子の製造方法を説明する。
【背景技術】
【0004】
放射放出型の層列を備えたオプトエレクトロニクス素子は電磁放射を放出することができ、この電磁放射は観察者のもとで色印象を与えることができる。放射放出型の層列のこの色印象を少なくとも部分的にルミネセンス変換により変更することは努力に値する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、波長変換層を有している、放射放出型の層列を備えたオプトエレクトロニクス素子を提供することである。さらに、オプトエレクトロニクス素子の製造方法を提供することも本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
オプトエレクトロニクス素子に関する課題は、オプトエレクトロニクス素子が基板と、基板上に配置されている第1の電極と、駆動時に電磁的な1次放射を放出する活性領域を備えた放射放出型の層列と、放射放出型の層列上に配置されている、1次放射に対して透過性である第2の電極と、第2の電極上に析出されているカプセル化装置とを有し、カプセル化装置は、少なくとも1つの第1のバリア層と、1次放射を少なくとも部分的に電磁的な2次放射に変換する少なくとも1つの第1の波長変換層とを備えた積層体を有し、カプセル化装置は少なくとも部分的に1次放射および/または2次放射に対して透過性であることによって解決される。
【0007】
オプトエレクトロニクス素子の製造方法に関する課題は、方法が、第1の電極と、第1の電極上に設けられている放射放出側の層列と、放射放出型の層列上に設けられている第2の電極とを有する基板を準備するステップと、少なくとも1つの第1のバリア層および少なくとも1つの第1の波長変換層からなる積層体を有するカプセル化装置を放射放出型の層列上に被着させるステップとを有することによって解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
1つの実施例によるオプトエレクトロニクス素子は殊に、
基板と、
基板上に配置されている第1の電極と、
駆動時に電磁的な1次放射を放出する活性領域を備えた放射放出型の層列と、
放射放出型の層列上に配置されている、1次放射に対して透過性である第2の電極と、
第2の電極上に析出されているカプセル化装置とを有し、
カプセル化装置が、少なくとも1つの第1のバリア層と、1次放射を少なくとも部分的に電磁的な2次放射に変換する少なくとも1つの第1の波長変換層とを備えた積層体を有し、
カプセル化装置は少なくとも部分的に1次放射および/または2次放射に対して透過性である。
【0009】
ここで、また以下の記載において、層または構成要素が別の層または別の構成要素の「上」または「上方」に配置または被着されているということは、それらの層または構成要素が直に別の層または別の構成要素上において直接的に機械的および/または電気的に接触して配置されていることを意味する。さらにこれは、層または構成要素が間接的に別の層または別の構成要素の上にないし上方に配置されていることを意味していても良い。別の層および/または構成要素が一方の層と他方の層との間に配置されていても良い。
【0010】
カプセル化装置は電極および放射放出型の層列を湿気および/または酸化物質、例えば酸素から保護することに適している。同時に、このカプセル化装置はオプトエレクトロニクス素子によって観察者に与えることができる光印象を波長変換層の適切な選択および配置構成によって調整することができる。したがってカプセル化装置内の第1のバリア層と第1の波長変換層の組み合わせによって、小型のオプトエレクトロニクス素子を実現することができ、さらにこのオプトエレクトロニクス素子を技術的に簡単に制御可能で廉価な製造プロセスにより製造することができる。
【0011】
シールモールドまたはカバーの形の従来のカプセル化はしたがって必要ない。例えば、混色光を生成するために複数の異なる活性領域を使用する場合に生じる可能性がある、特異な色劣化を回避するために、カプセル化装置における波長変換層の使用は有利である。他方では、オプトエレクトロニクス素子の光印象の色位置を、放射放出型の層列の電子的な特性に依存せずに最適化することができる。
【0012】
殊に、オプトエレクトロニクス素子が1次放射と2次放射とを重畳した放射を放出することができる。1次放射の一部を変換せずに波長変換層および第1のバリア層を通過させ、カプセル化装置から放出させることができる。さらに、電磁的な2次放射もカプセル化装置から出て、このカプセル化装置から放出させることができる。したがって電磁的な1次放射と電磁的な2次放射を重畳させることによって外部の観察者に対して混色の光印象を与えることができる。混色の光印象を1次放射と2次放射の相対的な割合に依存させることができる。1次放射および2次放射は相互に異なる波長領域を有することができる。これによって、例えば電磁放射の異なる色の混色を形成することができ、この混色により所望の結果の色を有する全体の放射が生じる。
【0013】
第1のバリア層は、電極および半導体層列を環境の損害的な影響、すなわち例えば酸素および/または湿気から保護することに適している。殊に、バリア層は酸素および/または湿気に対して非透過性であるか、それらを殆ど通過させない。例えば、バリア層は酸化物、窒化物または窒素酸化物を有することができる。例えば酸化物、窒化物または窒素酸化物はさらにアルミニウム、ケイ素、スズまたは亜鉛を含有していてもよい。バリア層が誘電性または導電性の特性を有していてもよく、例えば酸化ケイ素、例えばSiO2、窒化ケイ素、例えばSi23、酸窒化ケイ素(SiOxy)、酸化アルミニウム、例えばAl23、窒化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化亜鉛または酸化アルミニウム亜鉛を有することができる。択一的または付加的に、バリア層は酸素および/または湿気と結合し、これによりバリア層の通過を阻止することに適している材料を有することができる。このために適切な材料は例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属である。
【0014】
第1のバリア層を例えば、蒸着方法または析出方法などの被着方法によって製造することができる。その種の被着方法は例えば化学気相成長法(CVD:chemical vapor deposition CVD)または物理気相成長法(PVD:physical vapor deposition)、もしくはその種の方法の組み合わせでよい。その種の被着方法の例として熱的な蒸着、電子ビーム蒸着、レーザ蒸着、アーク蒸着、分子ビーム蒸着、スパッタリング、イオン注入およびプラズマ支援式の化学気相析出が挙げられる。
【0015】
さらに第1の波長変換層は、電磁的な1次放射を少なくとも部分的に吸収し、この1次放射とは少なくとも部分的に異なる波長領域を有する2次放射として放出することに適している1つまたは複数の波長変換材料を有することができる。電磁的な1次放射および電磁的な2次放射は、赤外線から紫外線までの波長領域、殊に可視の波長領域にある1つまたは複数の波長および/または波長領域を有することができる。1次放射のスペクトルおよび/または2次放射のスペクトルは狭帯域でよい。すなわち1次放射および/または2次放射は単色またはほぼ単色の波長領域を有することができる。1次放射のスペクトルおよび/または2次放射のスペクトルは択一的に広帯域でもよい。すなわち、1次放射および/または2次放射は混色の波長領域を有することができ、この混色の波長領域は連続的なスペクトルまたは、異なる波長を有する複数の離散的なスペクトル成分を有することができる。例えば、電磁的な1次放射は紫外線から緑色の波長領域からなる波長領域を有することができ、電磁的な2次放射は青色から赤外線の波長領域からなる波長領域を有することができる。殊に有利には、1次放射および2次放射を重畳させ白色の光印象を与えることができる。このために、1次放射は有利には青色の光印象を与えることができ、2次放射は黄色の光印象を与えることができ、これを黄色の波長領域にある2次放射のスペクトル成分および/または緑色および赤色の波長領域にあるスペクトル成分によって生じさせることができる。
【0016】
波長変換材料は以下に挙げる材料のうちの1つまたは複数を有することができる:希土類のガーネットおよびアルカリ土類金属のガーネット、例えばYAG:Ce3+、窒化物、ニトリドシリケート、サイオン、サイアロン、アルミン酸塩、酸化物、ハロホスフェート、オルトシリケート、硫化物、バナジウム酸塩およびクロロシリケート。さらに波長変換材料は付加的または択一的に有機材料を含有することができ、この有機材料をペリレン、ベンゾピレン、クマリン、ローダミンおよびアゾ系色素からなるグループから選択することができる。別の例および実施形態は、ドイツ連邦共和国特許出願第102007049005.6号に記載されており、その開示内容は参照により本願に取り入れられる。波長変換層は適切な混合物および/または前述の波長変換材料の組み合わせを有することができる。これによって、例えば上述したように、波長変換層は青色の第1の波長領域において吸収し、緑色および赤色の波長および/または黄色の波長領域を有する第2の波長領域において放射することも可能となる。
【0017】
さらに、波長変換層は透明なマトリクス材料を含有することができ、このマトリクス材料は1つまたは複数の波長変換材料を包含または含有するか、1つまたは複数の波長変換材料と結合されている。透明なマトリクス材料は例えばシロキサン、エポキシド、アクリラート、メタクリル酸メチル、イミド、カーボネート、オレフィン、スチレン、ウレタンまたは、モノマー、オリゴマーまたはポリマーの形のそれらの誘導体、またさらにそれらとの混合物、コポリマーまたは化合物を有することができる。例えばマトリクス材料はエポキシ樹脂、ポリメチルメタクリラート(PMMA)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリル、ポリウレタンまたはシリコーン樹脂、例えばポリシロキサンまたはそれらの混合物でよい、もしくはそれらを含有することができる。
【0018】
1つまたは複数の波長変換材料を均一にマトリクス材料内に分散させることができる。さらに、波長変換層は複数の波長変換材料を有することができ、これらの波長変換材料は波長変換層における異なる層内に配置されている。殊に、1つまたは複数の波長変換材料を波長変換層の被着前には液相で存在しているマトリクス材料内に含有させることができる。1つまたは複数の波長変換材料を有する液状のマトリクス材料を第2の電極の上方に被着させることができ、また乾燥処理および/または架橋処理によって層状に波長変換層として形成することができる。択一的に、波長変換材料を有するマトリクス材料を蒸着させることもできる。さらに、波長変換材料を有するマトリクス材料をその後の架橋反応によって硬化させることができる。
【0019】
1つまたは複数の波長変換材料は、2μm〜10μmの大きさを有することができる粒子の形で成形されていても良い。さらに、粒子は少なくとも部分的に1次放射および/または2次放射を散乱させることができる。したがって波長変換材料を同時に、1次放射の放射を少なくとも吸収し、且つ2次放射を放出する発光中心として、また1次放射および/または2次放射に対する散乱中心として構成することができる。したがって波長変換材料のこの種の散乱特性により放射の出力結合を改善することができる。散乱効果により例えば波長変換層における1次放射の吸収の確率を高めることができ、これによって波長変換層に必要とされる層の厚さを薄くすることができる。
【0020】
カプセル化装置を、第1のバリア層が第2の電極上に配置されており、且つ第1の波長変換層が第1のバリア層上に配置されているように第2の電極上に被着させることができる。さらに、第2の電極上に第1のバリア層を被着する前に、例えば上記においてマトリクス材料と関連させて挙げた材料からなる平坦化層を被着させることができる。これによって、第2の電極上の一貫したバリア層を実現することができる。平坦化層は、その下に位置する層、例えば第2の電極の起伏部の厚みよりも厚くてもよい。
【0021】
さらに、第1の波長変換層を第2の電極上に被着し、第1のバリア層を第1の波長変換層上に被着することができる。これによって、第1の波長変換層は付加的に上述の平坦化層の機能を担うことができる。
【0022】
付加的に、カプセル化装置は第2のバリア層を有することができる。第2のバリア層は上記において第1のバリア層と関連させて説明したような材料を含有することができる。第2のバリア層は第1のバリア層と同じ材料またはそれとは異なる材料を含有することができる。さらに、第2のバリア層は第1のバリア層と同一の材料を有することができるが、別のマイクロ構造および/または変性を有するように構成されていてもよい。つまり第1のバリア層は例えばα酸化アルミニウムとして存在していても良く、他方第2のバリア層はγ酸化アルミニウムとして存在していても良い。これによって、一方のバリア層から他方のバリア層に延びる可能性がある一貫したマイクロチャネル、いわゆる「ピンホール」の形成を回避することができる。
【0023】
第1の波長変換層をさらに第1のバリア層と第2のバリア層との間に配置することができる。その種の配置構成もバリア層における一貫した「ピンホール」の形成を回避することができ、これによって酸素および/または湿気に対するカプセル化装置の浸透性を回避することができる。
【0024】
カプセル化装置は複数のバリア層および複数の波長変換層を有することができる。ここで、また以下の記載において「複数の層」とは少なくとも2つ以上の層を意味する。この複数のバリア層のうちの幾つかのバリア層は上述したように同一の材料もしくは異なる材料を有することができ、また同一の材料変性またはマイクロ構造もしくは異なる材料変性またはマイクロ構造を有することができる。複数のバリア層の各バリア層ないし複数の波長変換層の各層は上述の第1のバリア層ないし第1の波長変換層に関する特徴を有することができる。
【0025】
殊に、複数のバリア層および/または波長変換層が配置されている場合には、個々の層は例えばバリア層ないし波長変換層がただ1つしか設けられていない場合よりも薄い厚さをそれぞれ有することができ、この際にカプセル化装置のバリア特性ないし波長変換特性が低減されることはない。それぞれが薄い厚さを有する複数のバリア層および/または波長変換層を使用することによって、カプセル化装置の光学的な特性、例えば出力結合効率および1次放射および/または2次放射の考察角度に依存しない放出を改善することができる。個々のバリア層および/または波長変換層のそれぞれの厚さが薄くなればなるほど、例えば個々の層の導波特性を低減させることができる。このために例えば少なくとも、第1のバリア層または複数のバリア層のうちの幾つかまたは全てのバリア層が、1次放射および/または2次放射の特性波長以下の厚さを有することができる。さらに厚さは1次放射および/または2次放射の特性波長の半分または1/4以下でよい。またさらに厚さは1次放射および/または2次放射の特性波長の1/10以上または1/8以上でもよい。
【0026】
特性波長は1次放射ないし2次波長のスペクトルの最も強い強度の波長を表す。択一的に、特性波長は1次放射ないし2次波長が存在するスペクトル領域の中間波長を表していても良い。さらに特性波長は、個々のスペクトル強度を介して重み付けられた、1次放射ないし2次波長のスペクトルの平均波長を表していても良い。1次放射はこの意味において第1の特性波長を有することができ、また2次放射は第2の特性波長を有することができる。
【0027】
さらにカプセル化装置は、放射放出型の層列とは反対側の表面、例えばオプトエレクトロニクス素子の放射出力結合面で良い表面上に表面構造化部を有することができる。その種の表面構造化部は粗面化部、溝、プリズム、レンズまたは円錐断端形状部またはそれらの組み合わせを有することができ、これらは例えば1次放射および2次放射のカプセル化装置からの放射出力結合を高め、また改善することができる。表面構造化部をカプセル化装置の構成に応じてバリア層または波長変換層内に形成することができる。択一的または付加的に、カプセル化装置は第1のバリア層上および第1の波長変換層上に、または複数のバリア層上および複数の波長変換層上に外部層を有することができ、この外部層内に表面構造化部が形成されている。外部層は例えば、上記においてマトリクス材料との関連において説明した材料、例えばポリマー材料を有することができる。
【0028】
カプセル化装置は電極を有する全体の放射放出型の層列を覆うことができる。さらに、カプセル化装置は基板の表面の少なくとも一部を覆うことができ、この基板上には第1の電極および第2の電極を有する放射放出型の層列が配置されている。付加的に、カプセル化装置は基板全体を囲むことができる。択一的に、基板はカプセル化装置と共に電極および放射放出型の層列のためのカプセル化部を形成することができる。カプセル化装置は別の層、例えば平坦化層、バリア層、水および/または酸素を吸収する層、結合層またはそれらの組み合わせを有することができる。択一的または付加的に、カプセル化装置は少なくとも1つのバリア層および/または少なくとも1つの波長変換層を備えた別の層列を放射放出型の層列とは反対側の基板表面上に有することができる。
【0029】
第2の電極が1次放射に対して透過性であることによって、またカプセル化装置が少なくとも部分的に1次放射および/または2次放射に対して透過性であることによって、オプトエレクトロニクス素子をいわゆる「トップエミッタ」として実施することができ、1次放射および/または2次放射をカプセル化装置から放出することができる。これによって例えば基板材料をその光学特性に依存せずに選択することができる。
【0030】
基板はガラス、水晶、プラスチック、ポリマーシート、金属、金属シート、シリコンウェハ、または任意の他の適切な基板材料を含むことができ、また剛性またはフレキシブルに実施することができる。付加的に、オプトエレクトロニクス素子をいわゆる「ボトムエミッタ」として実施することができる場合、すなわち活性領域において生成される放射が基板を介して放出される場合、基板は活性領域において生成される電磁的な1次放射の少なくとも一部に対して透過性でよい。オプトエレクトロニクス素子を「ボトムエミッタ」と「トップエミッタ」の組み合わせとしても実施することができる。オプトエレクトロニクス素子はオフの状態において可視光または可視光の少なくとも一部に対して少なくとも部分的に透過性でよい。
【0031】
オプトエレクトロニクス素子は放射放出型の素子として半導体層列を有することができる。
【0032】
殊に有利には、オプトエレクトロニクス素子を有機発光ダイオード(OLED)として実施することができる。OLEDは例えば第1の電極を基板上に有することができる。第1の電極上には有機材料からなる1つまたは複数の機能層を備えた機能領域を被着させることができる。機能層を例えば電子輸送層、エレクトロルミネセンス層及び/又は正孔輸送層として構成することができる。機能層上に第2の電極を被着させることができる。機能層においては電子および正孔の注入と再結合によって個々の波長または複数の波長領域を有する電磁的な放射を生成することができる。上述したように、観察者には狭帯域または広帯域の1次放射の放出によって、この1次放射の単一色、複数色および/または混色の色印象を与えることができる。
【0033】
機能層は有機ポリマー、有機オリゴマー、有機モノマー、有機の小さな非ポリマー分子(小分子)またはそれらの組み合わせを有することができる。機能層のための適切な材料ならびにこの材料の適切な配置および構造化は当業者には公知であるので、ここでは詳細には説明しない。
【0034】
殊に、第1の電極および/または第2の電極を殊に有利には平面状に実施することができるか、択一的に第1の電極部分領域ないし第2の電極部分領域に構造化して実施することもできる。例えば第1の電極を相互に平行に並んで配置されている第1の電極ストライプの形で実施することができ、また第2の電極をそれに対して垂直に延在して、平行に並んで配置されている第2の電極ストライプの形で実施することができる。したがって第1の電極ストライプと第2の電極ストライプの重畳を別個に制御可能な発光領域として実施することができる。またさらに、第1の電極のみまたは第2の電極のみを構造化することができる。殊に有利には第1の電極および/または第2の電極または電極部分領域が第1の導体路と導電的に接続されている。電極または電極部分領域を例えば第1の導体路内へ移行させることができるか、第1の導体路とは別個に実施し、第1の導体路と導電的に接続させることができる。
【0035】
例えばアノードとして実施することができ、したがって正孔注入材料として使用することができる第1の電極は例えば透過性の導電性酸化物を有することができるか、透過性の導電性酸化物から構成することができる。透過性の導電性酸化物(透明導電性酸化物、略して「TCO」)は、透過性の導電性材料、通常の場合は酸化亜鉛、酸化スズ、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化インジウムまたは殊に有利には酸化インジウムスズ(ITO)のような金属酸化物である。例えばZnO、SnO2またはIn23のような二元金属酸素化合物の他に、例えばZn2SnO4、CdSnO3、ZnSnO3、MgIn24、GaInO3、Zn2In25またはIn4Sn312のような三元金属酸素化合物または種々の透明な導電性酸化物の混合物もTCOのグループに属する。さらに、TCOは必ずしも化学量論的な組成に対応していなければならいのではなく、pドープまたはnドープされていてもよい。第1の電極を有利には基板上に配置することができ、また例えば金属および/または金属合金および/または層列を有することができるか、材料Ag、Al、Cr、MoおよびAuの内の少なくとも1つを含有するものから構成することができる。
【0036】
第2の電極をカソードとして実施し、電子注入材料として使用することができる。カソード材料としては殊にアルミニウム、バリウム、インジウム、銀、金、マグネシウム、カルシウムまたはリチウム並びにそれらの化合物、組み合わせ、合金が有利であることが判明している。第2の電極は1nm以上且つ50nm以下の厚さ、殊に10nm以上且つ30nm以下の厚さを有することができ、したがって1次放射に対して透過性である。
【0037】
さらに第2の電極は上述のTCOのうちの1つを有することができるか、その種のものから構成することができる。第2の電極を例えば、上記において第1のバリア層と関連させて説明したCVD法またはPVD法を用いて被着させることができる。
【0038】
択一的に、上述の材料またはそれらの組み合わせを用いることにより、第1の電極をカソードとして形成し、また第2の電極をアノードとして構成することができる。さらに電極は導電性または半導体性の有機材料を有することができる。
【0039】
さらに放射放出型の層列はエピタキシ層列、すなわちエピタキシャル成長された無機の半導体層列として実施することもできる。半導体層列を、例えばInGaAlNのような無機材料をベースとして、例えばGaN薄膜半導体層列として実施することができる。InGaAlNベースの半導体層列には殊に、通常の場合は異なる単一層から成る層列を有するエピタキシャル製造された半導体層列が、InxAlyGa1-x-yN(但し0≦x≦1、0≦y≦1およびx+y≦1)のIII‐V族化合物半導体材料系からなる材料を有する少なくとも1つの単一層を有する半導体層列が含まれる。
【0040】
択一的または付加的に、半導体層列はInGaAlPをベースとしていてもよく、すなわち半導体層列は異なる単一層を有することができ、そのうち少なくとも1つの単一層はInxAlyGa1-x-yP(但し0≦x≦1、0≦y≦1およびx+y≦1)のIII‐V族化合物半導体材料系からなる材料を有する。択一的または付加的に、半導体層列は他のIII‐V族化合物半導体材料系、例えばAlGaAsベースの材料またはII‐VI族化合物半導体材料系を有することができる。
【0041】
少なくとも1つの別の実施形態によるオプトエレクトロニクス素子の製造方法は殊に以下のステップを有する:
A)第1の電極と、第1の電極上に設けられている放射放出側の層列と、放射放出型の層列上に設けられている第2の電極とを有する基板を準備するステップ、
B)少なくとも1つの第1のバリア層および少なくとも1つの第1の波長変換層からなる積層体を有するカプセル化装置を被着させるステップ。
【0042】
オプトエレクトロニクス素子は1つまたは複数の上述した特徴を有することができる。
【0043】
さらに、ステップBにおいては少なくとも1つの第1のバリア層を上述したような蒸着法または成長法を用いて被着させることができる。
【0044】
殊に本方法はステップBにおいて以下の部分ステップを有することができる:
B1)第1のバリア層を第2の電極上に被着させるステップ、
B2)第1の波長変換層を第1のバリア層上に被着させるステップ。
【0045】
択一的に、本方法はステップBにおいて以下の部分ステップを有することができる:
B1’)波長変換層を第2の電極上に被着させるステップ、
B2’)第1のバリア層を波長変換層上に被着させるステップ。
【0046】
別の部分ステップB3においては、第1のバリア層および第1の波長変換層上に第2のバリア層を被着させることができる。
【0047】
さらに、ステップBにおいて複数のバリア層および複数の波長変換層を交互に被着させることができる。
【0048】
別のステップCにおいては、上述したように表面構造化部を放射放出型の層列とは反対側のカプセル化装置の表面上に被着させることができる。ステップCにおいては、表面構造化部を型押し、エッチング、粗面化、レーザ除去またはそれらの組み合わせによって形成することができる。
【0049】
以下では、本発明のさらなる利点、有利な実施形態および発展形態を図1Aから6Eに示された実施形態を参照しながら説明する。
【実施例】
【0050】
実施例および図面において、同一の構成素子または同様に作用する構成素子にはそれぞれ同一の参照符号を付してある。図示されている構成要素およびそれらの相互のサイズ比は、基本的に縮尺通りに示されたものではなく、むしろ個々の構成要素、例えば層、構成部分、素子および領域はより見やすくするため、および/または、より良い理解のために過度に厚くまたは大きく描かれている場合もある。
【0051】
図1Aから1Cには、有機オプトエレクトロニクス素子100の製造方法が示されている。
【0052】
図1Aによる第1のステップAにおいては基板1、例えばガラス基板が準備される。択一的または付加的に、基板1は例えば金属シートまたはプラスチックシートも有することができる、もしくは金属シートまたはプラスチックシートでもよい。基板1上には第1の電極2が被着される。第1の電極2上には放射放出型の層列3が配置されており、この放射放出型の層列3は機能層31および32ならびに活性領域30を有する。図示されている実施例において、オプトエレクトロニクス素子は有機発光ダイオード(OLED)として実施されている。したがって放射放出型の層列3は、上記において説明したような有機機能層を有する。放射放出型の層列3上には第2の電極4が配置されている。
【0053】
活性領域30は、第1の電極2および第2の電極4に電流が印加された際に、青色の波長領域にある電磁的な1次放射を放出することに適している。第2の電極4は金属またはTCOを有し、また1次放射に対して透過性である。
【0054】
さらなるステップBにおいては、図1Bおよび図1Cに示されているように、カプセル化装置10が第2の電極上に被着される。第1の部分ステップB1では、図1Bに示されているように、液相からなるマトリクス材料502内に埋込まれている波長変換材料501を有する波長変換層5が被着される。マトリクス材料は透明なプラスチック、図示されている実施例においてはシリコーンを有する。マトリクス材料502を架橋することによって、波長変換層5が硬化される。
【0055】
波長変換材料501は、青色の1次放射を部分的に吸収し、黄色の2次放射を放出することに適している。1次放射と2次放射を重畳させることにより、オプトエレクトロニクス素子100は駆動時に白色の光印象を観察者に与えることができる。
【0056】
さらなる部分ステップB2においては、図1Cに示されているように、波長変換層5上にバリア層6が被着される。バリア層6はCVD法により被着され、電極2,4および放射放出型の層列3を酸素および/または湿気による損傷から保護する。バリア層6は酸化アルミニウムを有する。択一的または付加的に、上記において説明した材料の中から別の材料も被着させることができる。波長変換層5のマトリクス材料502によって、波長変換層5は同時に第2の電極4上の平坦化層としても使用され、この波長変換層5上にバリア層6を同質且つ一様に被着させることができる。
【0057】
波長変換層5およびバリア層6を有する積層体を包含するカプセル化装置10は基板1と共に放射放出型の層列3および電極2,4を包囲する。
【0058】
オプトエレクトロニクス素子100では変換コンセプトの利点を利用することができる。すなわち、活性領域30の特異な色劣化の回避、ならびに認識可能な色位置と放射放出型の層列3の電子的な特性の別個の最適化を利用することができる。さらに「トップエミッタ」コンセプトの利点を利用することができる。すなわち、光学的な特性に依存せずに基板1を選択する可能性、ならびにカプセル化装置10からの放射の出力結合、ならびに廉価で技術的に簡単に製造可能なカプセル化部の利点を利用することができる。
【0059】
後続の図面には、図1Aから図1Cに示した実施例のヴァリエーションを表す別の実施例が示されている。したがって、以下では主としてそれらの前述の実施例との相違点を説明する。
【0060】
図2には、オプトエレクトロニクス素子200の実施例が示されている。オプトエレクトロニクス素子200はカプセル化装置10を有し、このカプセル化装置10はバリア層6を第2の電極4上に有する。第1の部分ステップB1’において第2の電極4上に被着されているバリア層6上には、第2のステップB2’において波長変換層5が被着されている。カプセル化装置10はさらに第2の電極4とバリア層6との間に平坦化層を有していてもよい(図示せず)。
【0061】
図3には、オプトエレクトロニクス素子300の実施例が示されており、この実施例においては図1Aから図1Cのオプトエレクトロニクス素子100の実施例と同様にカプセル化装置10はバリア層6を波長変換層5上に有している。バリア層6は付加的に基板1も包囲しているので、バリア層6によって、したがってカプセル化装置10によって基板1は電極2,4および放射放出型の層列3と一緒にカプセル化されている。このためにカプセル化装置10は基板上に別の層、例えば平坦化層または別のバリア層を有していてもよい(図示せず)。
【0062】
図4から図7は別の実施例によるオプトエレクトロニクス素子の断面図を示す。図4には、積層体を備えたカプセル化装置10を有するオプトエレクトロニクス素子400が示されており、このオプトエレクトロニクス素子400は第2の電極4上に第1のバリア層61を有する。この第1のバリア層61上には波長変換層5が被着されており、この波長変換層5上には第2のバリア層62が配置されている。したがって第1のバリア層61および第2のバリア層62は波長変換層5によって相互に隔てられている。これによって、例えば第1のバリア層61内に生じる可能性があり、また酸素および/または湿気の透過経路を表す可能性があるマイクロチャネルが後続の第2のバリア層62の成長の際にこの第2のバリア層62まで続かないことを達成することができる。何故ならば、第1のバリア層61と第2のバリア層62は波長変換層5によって相互に隔てられているからである。したがって、カプセル化効果の改善をカプセル化装置10の浸透性の低下によって達成することができる。これによって、例えばバリア層61および62の全体の層厚を前述の実施例のバリア層6の層厚と比べて薄くすることができる。
【0063】
図5にはオプトエレクトロニクス素子500の実施例が示されており、このオプトエレクトロニクス素子500は第2の電極4上にある第1の波長変換層51を備えたカプセル化装置10を有する。第1の波長変換層51上には第1のバリア層6が被着されており、この第1のバリア層6上には第2の波長変換層52が配置されている。2つの波長変換層51,52は相互に同一のもので良い、もしくは相互に異なるものでも良い。図示されている実施例におけるカプセル化装置10によって、例えばオプトエレクトロニクス素子500から放射される重畳された1次放射および2次放射の角度依存性を低減し、出力結合効率を高めることができる。
【0064】
図6にはオプトエレクトロニクス素子600の実施例が示されており、このオプトエレクトロニクス素子600においては前述の2つの実施例の利点が組み合わされている。オプトエレクトロニクス素子600のカプセル化装置10は複数のバリア層61,62,63および複数の波長変換層51,52を備えた積層体を有し、これらの層は交互に重なって配置されている。バリア層と波長変換層のそれぞれの数は単に例に過ぎず、図示されている実施例とは異なっていても良い。複数のバリア層61,62,63と波長変換層51,52を交互に配置することによって、カプセル化装置10を通過するマイクロチャネルの形成を効果的に回避することができる。バリア層が複数設けられていることによって個々のバリア層61,62,63の厚さを例えば1次放射または2次放射の特性波長の約1/4に選択することができ、これによってバリア層、したがってカプセル化装置10における波長の導波効率を低減することができる。それと同時に、複数の波長変換層51,52が設けられていることによってオプトエレクトロニクス素子が与える光印象の色位置を容易に最適化することができる。これによってカプセル化装置10は効果的なカプセル化効果を提供するのと同時に、放出される電磁放射の出力結合効率も上昇させる。
【0065】
図7における実施例のオプトエレクトロニクス素子700は、カプセル化装置10の放射放出型の層列3側とは反対側の表面に表面構造化部70を有し、この表面構造化部70によって放出される電磁放射に関する出力結合効率をさらに上昇させることができる。図示されている実施例においては、表面構造化部70が、付加的なポリマー層によって形成されている外側の層7に形成されている。これに択一的に、図示されている実施例においてはマイクロプリズムとして実施されているその種の表面構造化部70を前述の実施例のバリア層または波長変換層に形成することもできる。
【0066】
本発明は実施例に基づく上記の説明によってそれらの実施例に限定されるものではない。むしろ本発明はあらゆる新規の特徴ならびにそれらの特徴のあらゆる組み合わせを含むものであり、これには殊に特許請求の範囲に記載した特徴の組み合わせ各々が含まれ、このことはそのような組み合わせ自体が特許請求の範囲あるいは実施例に明示的には記載されていないにしてもあてはまる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1A】1つの実施例によるオプトエレクトロニクス素子の製造方法の概略図を示す。
【図1B】1つの実施例によるオプトエレクトロニクス素子の製造方法の概略図を示す。
【図1C】1つの実施例によるオプトエレクトロニクス素子の製造方法の概略図を示す。
【図2】別の実施例によるオプトエレクトロニクス素子の概略図を示す。
【図3】別の実施例によるオプトエレクトロニクス素子の概略図を示す。
【図4】別の実施例によるオプトエレクトロニクス素子の概略図を示す。
【図5】別の実施例によるオプトエレクトロニクス素子の概略図を示す。
【図6】別の実施例によるオプトエレクトロニクス素子の概略図を示す。
【図7】別の実施例によるオプトエレクトロニクス素子の概略図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプトエレクトロニクス素子において、
基板(1)と、
前記基板(1)上に配置されている第1の電極(2)と、
駆動時に電磁的な1次放射を放出する活性領域(30)を備えた放射放出型の層列(3)と、
前記放射放出型の層列(3)上に配置されている、前記1次放射に対して透過性である第2の電極(4)と、
前記第2の電極(4)上に析出されているカプセル化装置(10)とを有し、
前記カプセル化装置(10)は、少なくとも1つの第1のバリア層(6)と、前記1次放射を少なくとも部分的に電磁的な2次放射に変換する少なくとも1つの第1の波長変換層(5)とを備えた積層体を有し、
前記カプセル化装置(10)は少なくとも部分的に前記1次放射および/または前記2次放射に対して透過性であることを特徴とする、オプトエレクトロニクス素子。
【請求項2】
前記第1のバリア層(6)は酸化物または窒化物または窒素酸化物を含有する、請求項1記載のオプトエレクトロニクス素子。
【請求項3】
前記の酸化物または窒化物または窒素酸化物はアルミニウムまたはケイ素またはスズまたは亜鉛を有する、請求項2記載のオプトエレクトロニクス素子。
【請求項4】
前記第1のバリア層(6)は蒸着法または成長法によって被着される、請求項1から3までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス素子。
【請求項5】
前記第1のバリア層(6)は前記第2の電極(4)上に配置されており、前記第1の波長変換層(5)は前記第1のバリア層(6)上に配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス素子。
【請求項6】
前記第1の波長変換層(5)は前記第2の電極(4)上に配置されており、前記第1のバリア層(6)は前記第1のバリア層(5)上に配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス素子。
【請求項7】
前記カプセル化装置(10)は第2のバリア層(62)を有し、
前記第1の波長変換層(5)は前記第1のバリア層(61)と前記第2のバリア層(62)との間に配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス素子。
【請求項8】
前記第1のバリア層(61)内に前記第2のバリア層(62)へと向かうマイクロチャネルが存在し、前記波長変換層(5)は前記第1のバリア層(61)と前記第2のバリア層(62)との間の一貫したマイクロチャネルを阻止する、請求項1から7までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス素子。
【請求項9】
前記カプセル化装置(10)は複数のバリア層(61,62,63)および/または複数の波長変換層(51,52)を有し、該複数のバリア層(61,62,63)と該複数の波長変換層(51,52)は交互に重なって配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス素子。
【請求項10】
前記1次放射は第1の特性波長を有し、
前記2次放射は第2の特性波長を有し、
前記バリア層(6)は前記第1の特性波長および/または前記第2の特性波長以下且つ前記第1の特性波長および/または前記第2の特性波長の1/10以上の厚さを有する、請求項1から9までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス素子。
【請求項11】
前記波長変換層(5)は波長変換材料(501)をマトリクス材料(502)内に有し、該マトリクス材料(502)は、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリル、ポリメチルメタクリラート、エポキシ、ポリシロキサン、ポリウレタンおよびポリマー、コポリマーおよびそれらの混合物によって形成されるグループの内の少なくとも1つを含有する、請求項1から10までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス素子。
【請求項12】
前記波長変換材料(501)は、希土類のガーネットおよびアルカリ土類金属のガーネット、窒化物、ニトリドシリケート、サイオン、サイアロン、アルミン酸塩、酸化物、ハロホスフェート、オルトシリケート、硫化物、バナジウム酸塩およびクロロシリケート、ペリレン、ベンゾピレン、クマリン、ローダミンおよびアゾ系色素によって形成されるグループの内の少なくとも1つの材料を含有する、請求項1から11までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス素子。
【請求項13】
前記カプセル化装置(10)は前記放射放出型の層列(3)とは反対側の表面上に表面構造化部(70)を有する、請求項1から12までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス素子。
【請求項14】
前記表面構造化部(70)は粗面化部、溝、プリズム、レンズまたは円錐断端形状部の内の少なくとも1つを有する、請求項1から13までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス素子。
【請求項15】
前記カプセル化装置(10)は外部層(7)を有し、該外部層(7)上に前記表面構造化部(70)が設けられている、請求項13または14記載のオプトエレクトロニクス素子。
【請求項16】
前記カプセル化装置(10)は少なくとも1つのバリア層および少なくとも1つの波長変換層を備えた別の層列を、前記基板(1)の有機半導体層列側とは反対側の表面上に有する、請求項1から15までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス素子。
【請求項17】
オプトエレクトロニクス素子を製造する方法において、
A)第1の電極(1)と、該第1の電極上(1)に設けられている放射放出側の層列(3)と、該放射放出型の層列(3)上に設けられている第2の電極(4)とを有する基板(1)を準備するステップと、
B)少なくとも1つの第1のバリア層(6)および少なくとも1つの第1の波長変換層(5)からなる積層体を有するカプセル化装置(10)を前記放射放出型の層列(3)上に被着させるステップとを有することを特徴とする、オプトエレクトロニクス素子を製造する方法。
【請求項18】
前記ステップB)において少なくとも1つの前記第1のバリア層(6)を蒸着法または成長法により被着させる、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記ステップB)は以下の部分ステップ、
B1)前記第1のバリア層(6)を前記第2の電極(4)上に被着させるステップと、
B2)前記第1の波長変換層(5)を前記第1のバリア層(6)上に被着させるステップとを有する、請求項17または18記載の方法。
【請求項20】
前記ステップB)は以下の部分ステップ、
B1’)前記第1の波長変換層(5)を前記第2の電極(4)上に被着させるステップと、
B2’)前記第1のバリア層(6)を前記第1の波長変換層(5)上に被着させるステップとを有する、請求項17または18記載の方法。
【請求項21】
前記ステップB)は以下の別の部分ステップ、
B3)第2のバリア層(62)を前記第1のバリア層(61)および前記第1の波長変換層(5)上に被着させるステップを有する、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記ステップB)において、複数のバリア層(61,62,63)および複数の波長変換層(51,52)を交互に被着させる、請求項17から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
C)表面構造化部(70)を、前記カプセル化装置(10)の前記放射放出型の層列(3)側とは反対側の表面上に被着させる、請求項17から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
前記ステップC)において、前記表面構造化部(70)を型押し、エッチング、粗面化またはレーザ除去の内の少なくとも1つによって形成する、請求項23記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−76911(P2009−76911A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−239744(P2008−239744)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】