説明

オペレータ教育支援プログラム、オペレータ教育支援方法及びオペレータ教育支援装置

【課題】コールセンタの各オペレータの不得意な応対に特化した教材を提供することで、オペレータ教育支援を行う。
【解決手段】オペレータが応対を行ったときに応対記録部10Aによりオペレータ識別子、問合せ内容及び応対内容を記憶装置に格納する。また、問合せパターン抽出部10Bにより問合せ内容から問合せパターンを抽出する。更に、問合せパターンごとに、評価部10Cにより各オペレータの応対を評価し、模範応対内容抽出部10Eにより評価が最も高いオペレータの応対内容を模範応対内容として抽出する。次に、不得意度算出部10Fにより教育対象オペレータの応対内容及び模範応対内容を所定のフェーズに分割し、両者の対応するフェーズ同士を比較し、教育対象オペレータの各フェーズの不得意度を算出する。また、教材生成部10Gにより模範応対内容から不得意度が高いフェーズを含む所定時間の内容を特定し、その内容で教材を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータを用いて、コールセンタのオペレータの教育を行うための教材を生成し、オペレータ教育の支援を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のコールセンタでは、離職率の高さを背景として、オペレータの人材の入れ替わりが頻繁に生じている。このため、熟練度の高いオペレータを低コストで効率良く育成したいという要望がある。そこで、特開平11−239220号公報では、予め応対の熟練度が高いオペレータと熟練度が低いオペレータとが使用する端末が夫々特定され、顧客からの電話を熟練度が高いオペレータが使用する端末に着信させるとともに、熟練度が低いオペレータが使用する端末において、その通話内容を聴取できるようにした技術が提案されている。この提案技術により、顧客に対してオペレータによる応対サービスを提供しながら、同時に熟練度の低いオペレータの教育を行うことが可能となっている。
【特許文献1】特開平11−239220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来提案の技術では、教育対象となる熟練度が低いオペレータは、自分の得意な応対内容と不得意な応対内容とに関係なく、熟練度が高いオペレータの応対を聞かなければならなかった。このため、夫々のオペレータが不得意とする応対部分について、重点的に教育することができず、教育効率が悪かった。
【0004】
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、各オペレータが不得意とする内容の応対について重点的に教育することが可能な教材を提供することで、オペレータを効率良く教育できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、本発明においては、コールセンタにおいてオペレータが応対を行ったときに、オペレータ識別子、問合せ内容及び応対内容を関連付けて記憶装置に順次格納する。また、問合せ内容から抽出した問合せパターンごとに、オペレータ識別子及び応対内容に基づいて、各オペレータの応対を評価し、その評価が最も高いオペレータの応対内容を模範応対内容として抽出する。次に、問合せパターンごとに、模範応対内容及び教育対象オペレータの応対内容を所定のフェーズに分割し、これらの対応するフェーズ同士を比較し、教育対象オペレータの各フェーズにおける不得意度を算出する。そして、問合せパターンごとに、模範応対内容から、不得意度が高いフェーズの少なくとも一部を含む所定時間の内容を特定し、その内容を用いて教育対象オペレータを教育するための教材を生成する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、問合せパターンごとに、模範応対内容として応対の評価が最も高いオペレータの応対内容が抽出される。また、問合せパターンごとに、模範応対内容と教育対象オペレータの応対内容とがフェーズ分割され、夫々対応するフェーズ同士を比較することで教育対象オペレータの不得意なフェーズが特定される。更に、模範応対内容からその不得意なフェーズの少なくとも一部を含んだ所定時間の内容が特定され、その内容を用いて教育対象オペレータを教育するための教材が生成される。このため、問合せパターンごとに、教育対象オペレータが不得意とする内容に特化した教材が、その教育対象オペレータのために生成されることで、教育対象オペレータの不得意内容について重点的に個別教育をすることができるようになる。従って、オペレータの教育効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、添付された図面を参照し、本発明を詳述する。
【0008】
図1は、本発明に係るオペレータ教育支援装置の第1実施形態を示す。
【0009】
オペレータ教育支援装置10は、コールセンタにおいて応対を行うオペレータの教育支援を行うものであり、少なくとも中央処理装置(CPU)とメモリとを備えたコンピュータ上に構築される。また、そのメモリにロードされたオペレータ教育支援プログラムを実行することで、応対記録部10Aと、問合せパターン抽出部10Bと、評価部10Cと、代表応対内容抽出部10Dと、模範応対内容抽出部10Eと、不得意度算出部10Fと、教材生成部10Gと、が夫々実現される。更に、オペレータ教育支援装置10は、応対データベース(DB)10Hと、問合せパターンDB10Iと、問合せパターン別応対DB10Jと、評価表DB10Kと、代表応対DB10Lと、教育対象応対DB10Mと、模範応対DB10Nと、キーワードDB10Oと、ルールDB10Pと、不得意度付き模範応対DB10Qと、教材DB10Rと、を含んで構成される。そして、通信手段であるネットワーク20を介してオペレータが操作するコンピュータ端末であるオペレータ端末30と相互に接続され、データの送受信を行う。また、オペレータ教育支援装置10は、コールセンタにおける着信呼を各オペレータ端末30に分配する自動着信呼配分装置(ACD:Automatic Call Distributer)(図示せず)と接続され、ACDから各オペレータの着信状況や稼働率を取得する。なお、このように電話等とコンピュータとを統合した構成は、CTI(Computer Telephony Integration)の技術を用いて実現される。
【0010】
応対記録部10Aは、記憶装置に順次格納するステップ及び記憶装置に順次格納する手段として機能し、オペレータが応対を行ったときに、応対を行ったオペレータを識別するオペレータ識別子、問合せ内容及び応対内容と応対内容を示す音声及び映像並びにオペレータ端末30のキー操作及び画面遷移が記録されたログとを関連付けて記憶装置に格納する。問合せパターン抽出部10Bは、問合せパターンを抽出するステップ及び問合せパターンを抽出する手段として機能し、問合せ内容に基づいて問合せパターンを抽出する。評価部10Cは、応対を評価するステップ及び応対を評価する手段として機能し、問合せパターンごとに、各オペレータの応対の評価を行う。代表応対抽出部10Dは、問合せパターンごとに、各オペレータの応対内容のうち、各オペレータの平均応対時間に最も近い応対時間を有する応対内容を代表応対内容として抽出する。模範応対内容抽出部10Eは、模範応対内容として抽出するステップ及び模範応対内容として抽出する手段として機能し、問合せパターンごとに、評価が最も高いオペレータの代表応対内容を模範応対内容として抽出する。また、不得意度算出部10Fは、不得意度を算出するステップ及び不得意度を算出する手段として機能し、問合せパターンごとに、教育対象オペレータの各フェーズの不得意度を算出する。教材生成部10Gは、内容を特定するステップ、内容を特定する手段、教材を生成するステップ及び教材を生成する手段として機能し、模範応対内容から教育対象オペレータが不得意とするフェーズの少なくとも一部を含む所定時間の内容を特定し、その内容を用いて教育対象オペレータを教育するための教材を生成する。
【0011】
応対データベース(DB)10Hは、オペレータが応対を行うごとに、応対を行ったオペレータを識別するオペレータ識別子としてのオペレータID、問合せ内容及び応対内容が、応対内容を示す音声及び映像並びにオペレータ端末30のキー操作及び画面遷移が記録されたログと関連付けて格納されるもので、図2に示すように、各応対を識別する応対ID、オペレータID、問合せパターンを特定する問合せ内容としての顧客性別、顧客年齢、問合せ対象物及び問題点、応対時間、応対音声並びに応対映像を含んで構成される。問合せパターンDB10Hは、問合せパターンが定義されるもので、図3に示すように、問合せパターンを識別する問合せパターンID及び問合せパターンを特定する問合せ内容を含んで構成される。問合せパターン別応対DB10Jは、問合せパターンごとに、各オペレータの平均応対時間が格納されるもので、図4に示すように、オペレータID、問合せパターンID、平均応対時間及び平均応対時間を算出するのに用いた応対の件数を含んで構成される。評価表DB10Kは、問合せパターンごとに各オペレータの応対の評価を示す評価値が格納されるもので、図5に示すように、オペレータID及び各問合せパターンにおける評価値を含んで構成される。代表応対DB10Lは、問合せパターンごとに各オペレータの代表応対内容が格納されるもので、図6に示すように、オペレータID及び各問合せパターンの代表応対内容の応対IDを含んで構成される。教育対象応対DB10Mは、問合せパターンごとに、各教育対象オペレータの代表応対内容が格納されるもので、図7に示すように、教育対象オペレータのオペレータIDを示す教育対象オペレータID、問合せパターンID及び代表応対内容の応対IDを含んで構成される。模範応対DB10Nは、問合せパターンごとに、模範応対内容が各教育対象オペレータに関連付けて格納されるもので、図8に示すように、教育対象オペレータID、問合せパターンID及び模範応対内容の応対IDを含んで構成される。キーワードDB10Oは、応対内容を示す音声から音声認識のワードスポッティング法により、発話が属する所定のフェーズを特定するための基準となるキーワード及びそのキーワードがどのフェーズに含まれる可能性が高いかを示す確率が格納されるもので、図9に示すように、話者、キーワード及び各フェーズの確率が格納される。なお、本実施形態においては、所定のフェーズは、「聞き出し」、「切り分け」、「検索」及び「返答」の4種類を想定しているが、この限りでない。ルールDB10Pは、ヒューリスティックに基づく応対内容の特徴(ルール)及びその特徴がどのフェーズに含まれる可能性が高いかを示す確率が格納されるもので、図10に示すように、ルール及び各フェーズの確率が格納される。不得意度付き模範応対DB10Qは、模範応対DB10Nに格納された模範応対内容から、教育対象オペレータが不得意とする内容を抽出するために必要な情報が格納されるもので、図11に示すように、教育対象オペレータID、問合せパターンID、模範応対音声、模範応対映像及び不得意度情報を含んで構成される。なお、不得意度情報とは、模範応対内容におけるフェーズとその不得意度が格納されたテキストファイルを示すものである。教材DB10Rは、教育先オペレータのフェーズごとの不得意度に基づいて、模範応対内容を用いて生成された教材が格納されるもので、図12に示すように、教育対象オペレータID、問合せパターンID、平均不得意度、教材の内容を示すテロップ、教材音声及び教材映像を含んで構成される。なお、平均不得意度とは、教材として用いられた模範応対内容の所定時間の内容におけるフェーズの不得意度の平均値である。
【0012】
図13は、オペレータ教育装置10の問合せパターン抽出部10B、評価部10C、代表応対内容抽出部10D、模範応対内容抽出部10E、不得意度算出部10F及び教材生成部10Gにより実行される教材生成処理を示す。なお、この処理は、所定時間経過ごとに実行される。
【0013】
ステップ1(図では「S1」と略記する。以下同様)では、応対DB10Hを参照し、問合せ内容に基づいて、問合せパターンを抽出する。また、問合せパターンDB10Iを参照し、抽出した問合せパターンが問合せパターンDB10Iに存在していなければ、問合せパターンIDを割り振って問合せパターンDB10Iに格納する。問合せパターンDB10Iを参照し、抽出した問合せパターンが問合せパターンDB10Iに存在していれば、問合せIDを抽出する。なお、ステップ1の処理が、問合せパターンを抽出するステップ及び問合せパターンを抽出する手段に相当する。
【0014】
ステップ2では、応対DB10Hの応対時間を参照し、問合せパターンごとに各オペレータの平均応対時間を算出する。また、算出した平均応対時間及びその平均応対時間を算出するのに用いた応対の件数を、問合せパターン別応対DB10Jに格納する。更に、問合せパターンごとに、オペレータ全員の平均応対時間も併せて算出する。
【0015】
ステップ3では、問合せパターンごとに、各オペレータの評価値を算出する。算出方法としては例えば、パターン別応対DB10Jから各オペレータの平均応対時間を抽出し、オペレータ全員の平均応対時間から各オペレータの平均応対時間を減算した値を、オペレータ全員の平均応対時間の分散で除算して算出する方法がある。更に、この評価値を、評価表DB10Kに格納する。なお、ステップ3の処理が、応対を評価するステップ及び応対を評価する手段に相当する。
【0016】
ステップ4では、問合せパターンごとに、パターン別応対DB10Jから各オペレータの平均応対時間を抽出する。また、応対DB10Hから、各オペレータの応対内容のなかで平均応対時間に最も近い応対時間を有する応対内容を、各オペレータの代表応対内容として抽出する。更に、その代表応対内容の応対IDを、代表応対DB10Lに格納する。ここで、応対時間が最も平均応対時間に近い応対内容が複数ある場合には、応対時間が短い方又は長い方のいずれかを特定するなど、予め決められたルールに従って1つの応対内容を特定すれば良い。
【0017】
ステップ5では、問合せパターンごとに、評価表DB10Kを参照し、評価値が最も高いオペレータを特定する。そして、代表応対DB10Lから、そのオペレータの代表応対内容を模範応対内容として抽出する。
【0018】
また、問合せパターンごとに、代表応対DB10Lから、教育対象オペレータの代表応対内容として全ての代表応対内容の応対IDを抽出し、その応対IDを教育対象応対DB10Mに格納する。更に、模範応対内容を、教育対象応対DB10Mの教育対象オペレータに対応させて模範応対DB10Nに格納する。なお、ステップ5の処理が、模範応対内容として抽出するステップ及び模範応対内容として抽出する手段に相当する。
【0019】
ステップ6では、模範応対内容及び教育対象オペレータの代表応対内容を所定のフェーズに分割し、教育対象オペレータの各フェーズにおける不得意度を算出し、模範応対内容の各フェーズとその不得意度とが関連付けられた不得意度情報を生成して、不得意度付き模範応対DB10Qに格納する不得意度算出処理のサブルーチンをコールする。
【0020】
ステップ7では、不得意度算出処理により不得意度付き模範応対DB10Qに格納された教育対象オペレータの不得意度情報に基づいて、模範応対内容から、不得意度が高いフェーズの少なくとも一部を含む所定時間の内容を特定する。具体的には、模範応対内容の初めから所定時間の内容を抽出し、下記式を用いて、その所定時間の内容における平均不得意度を算出する。
【0021】
【数1】

【0022】
更に、模範応対内容から、抽出する所定時間の内容の範囲を1分ずつ後ろにずらし、各範囲について平均不得意度を算出する。そして、模範応対内容全体のなかで最も平均不得意度が高い範囲の内容を特定する。なお、最も平均不得意度が高い範囲が複数ある場合には、最も前の範囲又は最も後の範囲にするなど、予め決められたルールに従って1つの範囲を特定すれば良い。
【0023】
ここで、平均不得意度の算出について、図14を用いて説明する。例えば、所定時間が8分と設定されている場合に、抽出した8分の模範応対内容に含まれるフェーズのうち、初めの5分が「聞き出し」、次の2分が「切り分け」、次の1分が「聞き出し」であったとする。そして、不得意度情報を参照した結果、教育対象オペレータの「聞き出し」の不得意度が「1.35」、「切り分け」の不得意度が「0.95」であるとする。この場合、平均不得意度は、以下のように算出される。
【0024】
((5+1)×1.35+2×0.95)/(5+2+1)=1.25
なお、ステップ7の処理が、内容を特定するステップ及び内容を特定する手段に相当する。
【0025】
ステップ8では、教材を生成する。具体的には、問合せパターンごとに、問合せパターンDB10Hを参照し、その問合せパターンの問合せ内容が示されたテロップを生成する。また、不得意度付き模範応対DB10Qから、教育対象オペレータの平均不得意度が最も高い範囲の模範応対内容の音声及び映像情報を抽出し、これらとテロップとで教材を生成する。更に、教育対象オペレータID、問合せパターン及び模範応対内容から特定した所定時間の内容における教育対象オペレータの平均不得意度及び教材を関連付けて、教材DB10Nに格納する。なお、ステップ8の処理が、教材を生成するステップ及び教材を生成する手段に相当する。
【0026】
なお、かかる教材生成処理は、各教育対象オペレータが応対を終了したときに実行されても良い。この場合には、終了した応対における問合せパターンのみを対象として処理が行われることが望ましい。また、この処理は、コマンド入力などにより実行されても良い。
【0027】
図15は、不得意度算出処理のサブルーチンの処理内容を示す。なお、この処理は、教育対象応対DB10M及び模範応対DB10Nに格納された教育対象オペレータごと且つ問合せパターンごとに実行する。
【0028】
ステップ11では、教育対象応対DB10Mの代表応対内容及び模範応対DB10Nの模範応対内容を夫々所定のフェーズに分割するフェーズ分割処理のサブルーチンをコールする。なお、フェーズ分割処理が、所定のフェーズに分割するステップ及び所定のフェーズに分割する手段に相当する。
【0029】
ステップ12では、フェーズ分割された教育対象応対DB10Mの代表応対内容及び模範応対DB10Nの模範応対内容の対応するフェーズ同士を比較し、教育対象オペレータの各フェーズの不得意度を算出する。この不得意度は、教育対象応対DB10Mの代表応対内容における各フェーズの応対時間を、模範応対DB10Nの模範応対内容における対応するフェーズの応対時間で除算することで算出される。
【0030】
ここで、この不得意度の算出方法について、図16を用いて詳述する。例えば、模範応対DB10Nの模範応対内容における「聞き出し」のフェーズの時間が5分であり、教育対象応対DB10Mの代表応対内容における「聞き出し」のフェーズの時間が6.75分であった場合、この教育対象オペレータのこのフェーズにおける不得意度は、6.75分を5分で除算した1.35となる。また、同様に「切り分け」のフェーズの不得意度を計算すると、4分を4.2分で除算した0.95となる。
【0031】
また、不得意度の他の算出方法として、教育対象応対DB10Mの代表応対内容及び模範応対DB10Nの模範応対内容について、各フェーズにおける言いよどみの割合を数値で表した言いよどみ率を音声認識により算出し、教育対象応対DB10Mの代表応対内容における各フェーズの言いよどみ率を、模範応対DB10Nの模範応対内容における対応するフェーズの言いよどみ率で除算する方法もある。更に、問合せをした顧客の発話に対するオペレータの応答までの時間や、顧客とオペレータとの夫々の発話時間の割合などに着目して、教育対象応対DB10Mの代表応対内容及び模範応対DB10Nの模範応対内容の対応するフェーズ同士を比較しても良い。なお、ステップ12の処理が、不得意度を算出するステップ及び不得意度を算出する手段に相当する。
【0032】
ステップ13では、模範応対DB10Nの模範応対内容における各フェーズ及び教育対象オペレータの各フェーズの不得意度を関連づけた不得意度情報を、XML(eXtensible Markup Language)などのテキスト形式で生成する。そして、応対DB10Hから模範応対内容の応対音声及び応対映像を抽出し、不得意度情報とともに、不得意度情報付き模範応対DB10Qに格納する。なお、不得意度情報はこのようなテキスト形式に限らなくても良い。
【0033】
次に、フェーズ分割処理のサブルーチンの処理内容を示す。なお、このフェーズ分割処理には、応対内容を示す音声に基づいてフェーズ分割を行う第1分割処理と、オペレータ端末30のキー操作及び画面遷移が記録されたログに基づいてフェーズ分割を行う第2分割処理との2種類がある。なお、音声及びログの両方に基づいてフェーズ分割を行っても良い。
【0034】
図17は、第1分割処理の処理内容を示す。
【0035】
ステップ21では、応対内容に関連付けて格納された音声に基づいて音声認識を行い、応対における発話区間を推定する。具体的には、まず、発話がなされていない空白部分のうち、所定値よりも短い空白部分の中間時点を発話区間の区切りと推定し、その前半部分はその空白部分の前の発話、後半部分は後ろの発話として発話区間を推定する。また、話者認識により話者を特定し、話者が変わっている箇所においても、発話区間の区切りとして発話区間を推定する。なお、所定値よりも長い空白は、オペレータ端末の操作が行われているものとして推定する。
【0036】
ステップ22では、各区間における発話の文末表現を、音声認識におけるワードスポッティング法を用いて抽出する。また、キーワードDB10Oを参照し、発話の話者とキーワードDB10Oの話者とが一致し、且つ抽出した文末表現とキーワードDB10Oに格納されたキーワードとが一致しているものがあれば、その話者及びキーワードに対応する各フェーズの確率を第1確率として抽出する。
【0037】
ステップ23では、ルールDB10Pを参照し、各発話区間の特徴とルールDB10Pのルールとが一致しているものがあれば、そのルールに対応する各フェーズの確率を第2確率として抽出する。
【0038】
ステップ24では、第1確率及び第2確率に基づいて、各フェーズのうち、各発話区間が属する確率が最も高いフェーズを特定し、発話区間がそのフェーズに属しているものと推定する。なお、キーワードDB10O及びルールDB10Pのいずれにも該当するデータがない発話区間や、所定値以上長い空白部分の発話区間などについては、その前後の発話区間について推定されたフェーズに基づいてフェーズを推定すれば良い。例えば、通常の応対においては、フェーズの順番は「聞き出し」、「切り分け」、「検索」及び「返答」の順番で行われることが多いので、ある発話区間の直前の区間のフェーズが「切り分け」で、直後のフェーズが「返答」であれば、その発話区間は「検索」のフェーズであると推定できる。
【0039】
図18は、第2分割処理の処理内容を示す。
【0040】
ステップ31では、応対内容に関連付けて格納された、オペレータ端末30のキー操作及び画面遷移が記録されたログに基づいて、応対における発話区間を推定する。具体的には、オペレータによるキー入力が終わった時点や、画面が遷移した時点を発話区間の区切りとして発話区間を推定する。
【0041】
ステップ32では、ログから、各発話区間におけるオペレータ端末30のキー操作により入力された内容及び画面内容に基づいて、予め決められた所定のルールに従い、各発話区間が属するフェーズを推定する。ここで、所定のルールとは、例えば、問合せ対象物の機種入力画面において商品型番がキー操作により入力されていれば、その区間は「聞き出し」のフェーズであると推定する、といったように、各フェーズと、キー操作内容及び画面内容の少なくともいずれか一方と、が関連付けられたものである。
【0042】
かかるオペレータ教育支援装置によれば、応対における問合せ内容に基づいて問合せパターンが抽出される。また、この問合せパターンごとに、各オペレータの応対が評価される。更に、評価が最も高いオペレータの応対内容が模範応対内容として抽出される。そして、模範応対内容及び教育対象オペレータの応対内容が、所定のフェーズに分割される。また、両者で対応するフェーズ同士が比較され、教育対象オペレータの各フェーズの不得意度が算出される。更に、その不得意度に基づいて模範応対内容の所定時間の内容における教育対象オペレータの平均不得意度が算出され、その平均不得意度が最も高い所定時間の内容を用いて教材が生成される。
【0043】
このため、問合せパターンごとに、教育対象オペレータが不得意とする内容に特化した教材が、その教育対象オペレータのために生成されることで、教育対象オペレータの不得意な内容について重点的に個別教育をすることができるようになる。従って、オペレータの教育効率が向上する。
【0044】
また、問合せパターンごとに、各オペレータの平均応対時間に最も近い応対時間を有する応対が、そのオペレータの代表応対内容として抽出され、模範応対内容を抽出するときに、代表応対内容が模範応対内容として抽出される。更に、教育対象オペレータの各フェーズの不得意度を算出するときに、模範応対内容と各教育対象オペレータの代表応対内容とが比較される。このように代表応対内容を用いることで、同じオペレータにおける応対ごとの出来具合の差による影響を少なくした状態で、教育対象オペレータの各フェーズの不得意度を算出することができ、不得意度が信頼性の高い値となる。
【0045】
更に、評価が最も高いオペレータの応対内容を模範応対内容として教材に用いることで、教材を作るコストを下げることができる。
【0046】
図19は、本発明に係るオペレータ教育支援装置の第2実施形態を示す。
【0047】
第2実施形態においては、第1実施形態の構成に、教育効果推定部10T、教材出力部10U、稼働率DB10V、過去評価表DB10W、教育実績DB10X及び教育効果DB10Yが付加される。
【0048】
教育効果推定部10Tは、教育効果を推定するステップ及び教育効果を推定する手段として機能し、教育対象オペレータへの教材出力回数及びその評価の変化に応じた成長率並びに最新の評価に基づいて、その教育対象オペレータに対する教育効果を推定する。教材出力部10Uは、出力するステップ及び出力する手段として機能し、教育対象オペレータのオペレータ端末30に教材を出力する。
【0049】
稼働率DB10Vは、四季や月、曜日などの稼働率と相関がありそうな時期・期間に関するまとまり(下記では曜日を例として説明を行う)ごと且つ所定規則で区切られた時間帯ごとに教育対象オペレータの稼働率が格納されるもので、図20に示すように、教育対象オペレータID、曜日、時間帯及び稼働率を含んで構成される。過去評価表DB10Wは、問合せパターンごとに、教育対象オペレータの評価の変化を把握するために、最新の評価以外の過去の評価を格納しておくもので、図21に示すように、教育対象オペレータID及び各問合せパターンにおける評価値を含んで構成される。教育実績DB10Xは、問合せパターンごとに、教育対象オペレータへの教材出力回数を格納するもので、図22に示すように、教育対象オペレータID、教材出力回数を含んで構成される。教育効果DB10Yは、問合せパターンごとに、教育対象オペレータへ教材を出力することによる教育効果を格納するもので、図23に示すように、教育対象オペレータID、教育効果を含んで構成される。
【0050】
図24は、オペレータ教育装置10の問合せパターン抽出部10B、評価部10C、代表応対内容抽出部10D、模範応対内容抽出部10E、不得意度算出部10F、教材生成部10G、教育効果推定部10T及び教材出力部10Uにおいて実行される処理内容を示す。なお、ステップ41〜46の処理は、夫々第1実施形態のステップ1〜6の処理と同じであるため、ここでは説明を省略し、ステップ47以降について説明する。
【0051】
ステップ47では、教育対象オペレータに下記で作成する教材を流す際の応対と応対との合間の空き時間(下記では次の空き時間を例として説明を行う)を算出する空き時間算出処理のサブルーチンをコールする。
【0052】
ステップ48では、問合せパターンごとに、教育対象オペレータの不得意度情報に基づいて、模範応対内容から不得意度が高いフェーズの少なくとも一部を含む所定時間の内容を特定する。なお、その特定処理は第1実施形態のステップ7の処理と同じであるが、第2実施形態では、所定時間を、空き時間算出処理により算出された空き時間とする。
【0053】
ステップ49では、問合せパターンごとに教材を生成する。なお、その生成処理はステップ8の処理と同じである。
【0054】
ステップ50では、教育対象オペレータへの教育効果を推定して教育効果DB10Yに格納する教育効果推定処理のサブルーチンをコールする。なお、教育効果推定処理が、教育効果を推定するステップ及び教育効果を推定する手段に相当する。
【0055】
ステップ51では、各教育対象オペレータについて、教材DB10Nに格納された各問合せパターンの教材の中から、教育効果推定処理により教育効果DB10Yに格納された各問合せパターンにおける教育効果に平均不得意度を乗算した値が最も高い教材を、教育対象オペレータが使用する端末へ優先的に出力する。ここで、値が最も高い教材が複数ある場合には、いずれか1つを出力すれば良い。なお、ステップ51の処理が、出力するステップ及び出力する手段に相当する。
【0056】
ステップ52では、問合せパターンごとに、教育実績DB10Xの各教育対象オペレータへの教材出力回数をインクリメントして更新する。
【0057】
ステップ53では、問合せパターンごとに、教育実績DB10Xの各教育対象オペレータへの教材出力回数が所定値を超えたか否かを判定する。所定値を超えたときにはステップ54へ進み(Yes)、所定値を超えないときには処理を終了する(No)。
【0058】
ステップ54では、問合せパターンごとに、過去評価値DB10Wの各教育対象オペレータの評価値を、最新の評価値で更新する。
【0059】
図25は、空き時間算出処理のサブルーチンの処理内容を示す。なお、この処理は、教育対象オペレータごとに実行する。
【0060】
ステップ61では、稼働率DB10Vを参照し、現在と同じ曜日及び所定規則で区切られた同じ時間帯における教育対象オペレータの過去の稼働率を抽出する。
【0061】
ステップ62では、稼働率DB10Vを参照し、教育対象オペレータにおいて次に空き時間が発生すると予想されるタイミングにおける同じ曜日及び同じ時間帯における過去の稼働率を抽出する。なお、次に空き時間が発生すると予想されるタイミングは、予め、現在から所定時間経過後と設定しておいても良いし、ACDから取得できる現在の稼働率などに応じて算出しても良い。
【0062】
ステップ63では、ACDにより、教育対象オペレータの現在の稼働率を取得する。
【0063】
ステップ64では、教育対象オペレータにおいて次に空き時間が発生すると予想されるタイミングにおける稼働率を算出する。この稼働率は、次に空き時間が発生すると予測されるタイミングと同じ曜日及び同じ時間帯の過去の稼働率を、現在と同じ曜日及び同じ時間帯の過去の稼働率で除算した値に、現在の稼働率を乗算することで算出する。
【0064】
ステップ65では、教育対象オペレータにおける次の空き時間を、下記式で算出する。
【0065】
【数2】

【0066】
なお、上記式における単位時間とは、所定規則で区切られた時間間隔である。
【0067】
図26は、教育効果推定処理のサブルーチンの処理内容を詳述する。なお、この処理は、問合せパターンごと且つ教育対象オペレータごとに実行する。
【0068】
ステップ71では、教育実績DB10Xを参照し、教材出力回数を抽出する。
【0069】
ステップ72では、過去評価表DB10Wを参照し、過去の評価値を抽出する。
【0070】
ステップ73では、評価表DB10Kを参照し、最新の評価値を取得する。
【0071】
ステップ74では、教材出力回数、過去の評価値及び最新の評価値に基づいて、教育対象オペレータの成長率を算出する。成長率は、現在の評価値から過去の評価値を減算した値を、教材出力回数で除算することで算出できる。但し、教材出力回数が0の場合及び最新の評価値が過去の評価値よりも低い場合には、成長率は決められた定数(例えば0や1)とする。
【0072】
ステップ75では、成長率及び最新の評価値に基づいて、教材を出力することによる教育対象オペレータへの教育効果を算出する。教育効果は、例えば、成長率から最新の評価値に調整変数を乗算した値を減算することで算出できる。更に、算出した教育効果を、教育効果DB10Yに格納する。
【0073】
かかるオペレータ教育支援装置によれば、教育対象オペレータの稼動率に基づいて、各時間帯に応じた教育対象オペレータの空き時間が推定される。また、その空き時間と同じ長さの教材が生成され、教育対象オペレータの応対が終了したときに、その教材が、教育対象オペレータのオペレータ端末30へ出力される。このため、教育対象オペレータに、空き時間を使って不得意な部分の模範応対内容を視聴させることができることで、教育のための時間をわざわざ設ける必要なく、効率的に教育対象オペレータの教育を行うことができる。
【0074】
また、問合せパターンごとに、教育対象オペレータへの教材出力回数及びその評価の変化に基づいて成長率が算出され、その成長率と最新の評価とに基づいて、教育効果が推定される。そして、複数の教材から、教育効果と教材の平均不得意度との積が高い教材が優先的に出力される。このため、教育効果が高く、且つ教育対象オペレータが不得意とする教材が出力されることで、限られた教育時間の中で、教育対象オペレータにとって最も必要であり効果的であると推定される教材を集中的に用いて教育を行うことができる。従って、教育効率を更に向上させることができる。
【0075】
なお、教育対象オペレータとして、オペレータ全員を対象としても良いし、必要に応じて特定のオペレータのみを対象としても良い。
【0076】
(付記1)コールセンタにおいてオペレータが応対を行ったときに、オペレータ識別子、問合せ内容及び応対内容を関連付けて記憶装置に順次格納するステップと、前記問合せ内容から、問合せパターンを抽出するステップと、前記問合せパターンごとに、前記オペレータ識別子及び前記応対内容に基づいて、各オペレータの応対を評価するステップと、前記問合せパターンごとに、前記評価が最も高いオペレータの前記応対内容を模範応対内容として抽出するステップと、前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容を所定のフェーズに分割するステップと、前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容の対応するフェーズ同士を比較し、教育対象オペレータの各フェーズにおける不得意度を算出するステップと、前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容から、前記不得意度が高いフェーズの少なくとも一部を含む所定時間の内容を特定するステップと、前記問合せパターンごとに、前記所定時間の内容を用いて、教育対象オペレータを教育するための教材を生成するステップと、をコンピュータに実現させるためのオペレータ教育支援プログラム。
【0077】
(付記2)前記フェーズに分割するステップは、前記応対内容を示す音声情報に基づいて、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容を分割することを特徴とする付記1記載のオペレータ教育支援プログラム。
【0078】
(付記3)前記フェーズに分割するステップは、前記応対内容を示すコンピュータ端末のキー操作及び画面遷移が記録されたログ情報に基づいて、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容を分割することを特徴とする付記1又は付記2に記載のオペレータ教育支援プログラム。
【0079】
(付記4)教育対象オペレータが使用する端末に、前記教材を出力するステップを備えたことを特徴とする付記1〜付記3のいずれか1つに記載のオペレータ教育支援プログラム。
【0080】
(付記5)前記問合せパターンごとに、教育対象オペレータへの教材出力回数及びその評価の変化に応じた成長率並びに最新の評価に基づいて、その教育対象オペレータに対する教育効果を推定するステップを備え、前記教材を出力するステップは、前記複数の教材の中から、教育対象オペレータが不得意とし且つ前記教育効果が高いものを優先的に出力することを特徴とする付記4記載のオペレータ教育支援プログラム。
【0081】
(付記6)前記内容を特定するステップは、所定規則で区切られた各時間帯におけるオペレータの稼働率から空き時間を推定し、その空き時間を所定時間とする一方、
前記教材を出力するステップは、教育対象オペレータの応対が終了したときに、その時間帯に対応して生成された教材を出力することを特徴とする付記4又は付記5に記載のオペレータ教育支援プログラム。
【0082】
(付記7)前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容は、各問合せパターンに属する複数の前記応対内容のうち、各オペレータの平均応対時間に最も近い応対時間を有するものであることを特徴とする付記1〜付記6のいずれか1つに記載のオペレータ教育支援プログラム。
【0083】
(付記8)前記応対を評価するステップは、オペレータ全員の平均応対時間から、各オペレータの応対時間を減算し、その減算値を平均応対時間の分散で除算した値に基づいて、各オペレータの応対を評価することを特徴とする付記1〜付記7のいずれか1つに記載のオペレータ教育支援プログラム。
【0084】
(付記9)前記応対時間は、各オペレータの平均応対時間であることを特徴とする付記8記載のオペレータ教育支援プログラム。
【0085】
(付記10)コールセンタにおいてオペレータが応対を行ったときに、オペレータ識別子、問合せ内容及び応対内容を関連付けて記憶装置に順次格納するステップと、前記問合せ内容から、問合せパターンを抽出するステップと、前記問合せパターンごとに、前記オペレータ識別子及び前記応対内容に基づいて、各オペレータの応対を評価するステップと、前記問合せパターンごとに、前記評価が最も高いオペレータの前記応対内容を模範応対内容として抽出するステップと、前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容を所定のフェーズに分割するステップと、前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容の対応するフェーズ同士を比較し、教育対象オペレータの各フェーズにおける不得意度を算出するステップと、前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容から、前記不得意度が高いフェーズの少なくとも一部を含む所定時間の内容を特定するステップと、前記問合せパターンごとに、前記所定時間の内容を用いて、教育対象オペレータを教育するための教材を生成するステップと、を順次コンピュータに実行させることを特徴とするオペレータ教育支援方法。
【0086】
(付記11)コールセンタにおいてオペレータにより応対が行われたときに、オペレータ識別子、問合せ内容及び応対内容を関連付けて順次格納する手段と、前記問合せ内容から、問合せパターンを抽出する手段と、前記問合せパターンごとに、前記オペレータ識別子及び前記応対内容に基づいて、各オペレータの応対を評価する手段と、前記問合せパターンごとに、前記評価が最も高いオペレータの前記応対内容を模範応対内容として抽出する手段と、前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容を所定のフェーズに分割する手段と、前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容の対応するフェーズ同士を比較し、教育対象オペレータの各フェーズにおける不得意度を算出する手段と、前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容から、前記不得意度が高いフェーズの少なくとも一部を含む所定時間の内容を特定する手段と、前記問合せパターンごとに、前記所定時間の内容を用いて、教育対象オペレータを教育するための教材を生成する手段と、を含んで構成されたことを特徴とするオペレータ教育支援装置。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明を具現化した第1実施形態のオペレータ教育支援装置の全体構成図
【図2】応対DBの説明図
【図3】問合せパターンDBの説明図
【図4】問合せパターン別応対DBの説明図
【図5】評価表DBの説明図
【図6】代表応対DBの説明図
【図7】教育対象応対DBの説明図
【図8】模範応対DBの説明図
【図9】キーワードDBの説明図
【図10】ルールDBの説明図
【図11】不得意度付き模範応対DBの説明図
【図12】教材DBの説明図
【図13】第1実施形態の教材生成処理のフローチャート
【図14】模範応対内容における各フェーズの不得意度の説明図
【図15】不得意度算出処理のフローチャート
【図16】不得意度算出方法の説明図
【図17】フェーズ分割処理の第1処理のフローチャート
【図18】フェーズ分割処理の第2処理のフローチャート
【図19】本発明を具現化した第2実施形態のオペレータ教育支援装置の全体構成図
【図20】稼働率DBの説明図
【図21】過去評価値DBの説明図
【図22】教育実績DBの説明図
【図23】教育効果DBの説明図
【図24】第2実施形態の教材生成出力処理のフローチャート
【図25】空き時間算出処理のフローチャート
【図26】教育効果推定処理のフローチャート
【符号の説明】
【0088】
10 オペレータ教育支援装置
20 ネットワーク
30 オペレータ端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コールセンタにおいてオペレータが応対を行ったときに、オペレータ識別子、問合せ内容及び応対内容を関連付けて記憶装置に順次格納するステップと、
前記問合せ内容から、問合せパターンを抽出するステップと、
前記問合せパターンごとに、前記オペレータ識別子及び前記応対内容に基づいて、各オペレータの応対を評価するステップと、
前記問合せパターンごとに、前記評価が最も高いオペレータの前記応対内容を模範応対内容として抽出するステップと、
前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容を所定のフェーズに分割するステップと、
前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容の対応するフェーズ同士を比較し、教育対象オペレータの各フェーズにおける不得意度を算出するステップと、
前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容から、前記不得意度が高いフェーズの少なくとも一部を含む所定時間の内容を特定するステップと、
前記問合せパターンごとに、前記所定時間の内容を用いて、教育対象オペレータを教育するための教材を生成するステップと、
をコンピュータに実現させるためのオペレータ教育支援プログラム。
【請求項2】
前記フェーズに分割するステップは、前記応対内容を示す音声情報に基づいて、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容を分割することを特徴とする請求項1記載のオペレータ教育支援プログラム。
【請求項3】
前記フェーズに分割するステップは、前記応対内容を示すコンピュータ端末のキー操作及び画面遷移が記録されたログ情報に基づいて、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容を分割することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオペレータ教育支援プログラム。
【請求項4】
コールセンタにおいてオペレータが応対を行ったときに、オペレータ識別子、問合せ内容及び応対内容を関連付けて記憶装置に順次格納するステップと、
前記問合せ内容から、問合せパターンを抽出するステップと、
前記問合せパターンごとに、前記オペレータ識別子及び前記応対内容に基づいて、各オペレータの応対を評価するステップと、
前記問合せパターンごとに、前記評価が最も高いオペレータの前記応対内容を模範応対内容として抽出するステップと、
前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容を所定のフェーズに分割するステップと、
前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容の対応するフェーズ同士を比較し、教育対象オペレータの各フェーズにおける不得意度を算出するステップと、
前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容から、前記不得意度が高いフェーズの少なくとも一部を含む所定時間の内容を特定するステップと、
前記問合せパターンごとに、前記所定時間の内容を用いて、教育対象オペレータを教育するための教材を生成するステップと、
を順次コンピュータに実行させることを特徴とするオペレータ教育支援方法。
【請求項5】
コールセンタにおいてオペレータにより応対が行われたときに、オペレータ識別子、問合せ内容及び応対内容を関連付けて順次格納する手段と、
前記問合せ内容から、問合せパターンを抽出する手段と、
前記問合せパターンごとに、前記オペレータ識別子及び前記応対内容に基づいて、各オペレータの応対を評価する手段と、
前記問合せパターンごとに、前記評価が最も高いオペレータの前記応対内容を模範応対内容として抽出する手段と、
前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容を所定のフェーズに分割する手段と、
前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容及び教育対象オペレータの前記応対内容の対応するフェーズ同士を比較し、教育対象オペレータの各フェーズにおける不得意度を算出する手段と、
前記問合せパターンごとに、前記模範応対内容から、前記不得意度が高いフェーズの少なくとも一部を含む所定時間の内容を特定する手段と、
前記問合せパターンごとに、前記所定時間の内容を用いて、教育対象オペレータを教育するための教材を生成する手段と、
を含んで構成されたことを特徴とするオペレータ教育支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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