説明

オペレータ管理装置,オペレータ管理プログラム

【課題】POS端末の電子ジャーナルデータを用いて、各オペレータの作業状況の妥当性をチェックできるようにする。
【解決手段】オペレータ管理装置は、ネットワークを介して接続されるPOS端末から、当該POS端末の操作履歴を示す電子ジャーナルデータを収集する。そして、収集された電子ジャーナルデータから、オペレータの操作時刻を特定可能なデータを抽出する。オペレータ管理装置は、抽出されたデータに基づいて、オペレータの作業に関わる所要時間を算出する。そして、算出された所要時間を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、POS(Point Of Sales)端末で記録される電子ジャーナルデータを用いて、POS端末を操作するオペレータの作業状況を管理するオペレータ管理装置及びコンピュータを前記オペレータ管理装置として機能させるためのオペレータ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
HDD(Hard Disk Drive)等の大容量の記憶媒体を備えたPOS端末は、その記憶媒体に電子ジャーナル記録領域を確保する。そして、当該POS端末の操作履歴に対応したジャーナルデータを、この領域に記録する。このため、この領域に記録された電子ジャーナルデータを解析することによって、POS端末を操作するオペレータの操作の妥当性をチェックすることは可能である。
【0003】
ところで、電子ジャーナルデータには、当該POS端末の電源がオンまたはオフされた時刻や、オペレータによってサインオンまたはサインオフされた時刻等も含まれる。そこで、これらの時刻データを用いて、各オペレータの作業状況の妥当性をチェックしたいという要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−241337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、POS端末の電子ジャーナルデータを用いて、各オペレータの作業状況の妥当性をチェックできるオペレータ管理装置及びオペレータ管理プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、オペレータ管理装置は、ジャーナル収集手段と、データ抽出手段と、所要時間算出手段と、結果出力手段とを備える。ジャーナル収集手段は、ネットワークを介して接続されるPOS端末から、当該POS端末の操作履歴を示す電子ジャーナルデータを収集する。データ抽出手段は、電子ジャーナルデータからオペレータの操作時刻を特定可能なデータを抽出する。所要時間算出手段は、データ抽出手段により抽出されたデータに基づいて、オペレータの作業に関わる所要時間を算出する。結果出力手段は、所要時間算出手段により算出された所要時間を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一実施形態である店舗システムの概略構成図。
【図2】同店舗システムにおいて、POS端末から送信される電子ジャーナルファイルのデータ構造を示す模式図。
【図3】同店舗システムにおいて、タイムレコーダから送信される電子出退勤ファイルのデータ構造を示す模式図。
【図4】同店舗システムにおけるキャッシャ管理サーバの要部構成を示すブロック図。
【図5】同店舗システムのキャッシャ管理サーバが有するキャッシャ管理テーブルの一例を示す図。
【図6】同店舗システムのキャッシャ管理サーバにおいてオペレータ管理プログラムが起動した際のCPUの主要な処理手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、オペレータ管理装置の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は、商品または役務を提供する店舗に構築される店舗システムのキャッシャ管理サーバにオペレータ管理装置としての機能を適用した場合である。
【0009】
図1は、前記店舗システムの概略構成図である。店舗システムは、複数台のPOS端末1を、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク2で接続する。そして、このネットワーク2に、キャッシャ管理サーバ3、プリンタサーバ4、クライアントPC(Personal Computer)5、タイムレコーダ6等を接続して、店舗システムを構築する。プリンタサーバ4には、レーザプリンタ等のプリンタ7が接続されている。
【0010】
各POS端末1は、電源が投入されると、オペレータによるサインオン操作を待機する。サインオン操作が実行されると、POS端末1は、業務のデータ処理が可能となる。業務には、客に提供する商品または役務の販売データやその客との会計データ等を記憶部に登録する登録業務、記憶部に登録されたデータを集計して精算レポートを出力した後、記憶部のデータをクリアする精算業務等がある。業務のデータ処理は、サインオフ操作が行われるまで実行可能である。
【0011】
このため、POS端末1のオペレータいわゆるキャッシャは、POS端末1を使用する際には先ず、自らを特定するためのキャッシャIDを入力して、サインオン操作を行う。その後、登録業務または精算業務などを実行する。そして、他のキャッシャと交替する場合または精算業務を終了した場合には、サインオフ操作を行う。
【0012】
このようなPOS端末1は、大容量記憶媒体として例えばHDDを実装しており、この記憶媒体に電子ジャーナル記録領域を確保する。そして、当該POS端末1の操作履歴に対応したジャーナルデータを、この領域に記録する。また、POS端末1は、電源オン後に実行する立上処理において、前日の営業日に電子ジャーナル記録領域に記録された全てのジャーナルデータを電子ファイル化する。そして、この電子ジャーナルファイル8を、ネットワーク2を通じてキャッシャ管理サーバ3に送信する。
【0013】
上記電子ジャーナルファイル8のデータ構造を図2に示す。図示するように、電子ジャーナルファイル8は、ヘッダデータHD1とジャーナルデータJDとからなる。ヘッダデータHD1は、対応するジャーナルデータJDが記録された日付である営業年月日と、当該POS端末1が設置されている店舗を識別するための店舗コード及び店舗名と、当該POS端末1固有のPOSNo.とを含む。
【0014】
ジャーナルデータJDは、電源オンレコードR1、サインオンレコードR2,サインオフレコードR3、精算レコードR4、電源オフレコードR5を含む。そして、サインオンレコードR2とサインオフレコードR3との間には、登録業務などの業務処理に係る操作履歴レコードが含まれる。
【0015】
電源オンレコードR1は、電源オンを特定するステータス(電源オン)に、操作時刻(電源オン時刻)が付加される。サインオンレコードR2は、サインオンを特定するステータス(サインオン)に、操作時刻(サインオン時刻)とキャッシャIDとが付加される。サインオフレコードR3は、サインオフを特定するステータス(サインオフ)に、操作時刻(サインオフ時刻)とキャッシャIDとが付加される。精算レコードR4は、精算業務を特定するステータス(精算)に、操作時刻(精算時刻)とキャッシャIDとが付加される。電源オフレコードR5は、電源オフを特定するステータス(電源オフ)に、操作時刻(電源オフ時刻)が付加される。
【0016】
サインオンレコードR2に付加されるキャッシャIDは、そのサインオン操作の際に入力されたキャッシャIDである。サインオフレコードR3及び精算レコードR4に付加されるキャッシャIDは、その前の最新のサインオン操作で入力されたキャッシャIDである。
【0017】
タイムレコーダ6は、各キャッシャがそれぞれ携帯するICカードからそのキャッシャ固有のキャッシャIDを読み取るためのICカードリーダ9を備える。タイムレコーダ6は、少なくとも出勤モードと退勤モードとを切替可能である。そして、出勤モードにおいて、ICカードリーダ9でキャッシャIDが読み取られると、その時点の時刻を当該キャッシャIDで識別されるキャッシャの出勤時刻として記録する。同じく、退勤モードにおいて、ICカードリーダ9でキャッシャIDが読み取られると、その時点の時刻を当該キャッシャIDで識別されるキャッシャの退勤時刻として記録する。ここに、タイムレコーダ6とICカードリーダ9とは、出退勤管理装置として機能する。
【0018】
タイムレコーダ6は、営業日が翌日に更新される時刻になると、前日の営業日に記録した全ての出退勤データを電子ファイル化する。そして、この電子出退勤ファイル10を、ネットワーク2を通じてキャッシャ管理サーバ3に送信する。
【0019】
上記電子出退勤ファイル10のデータ構造を図3に示す。図示するように、電子出退勤ファイル10は、ヘッダデータHD2と出退勤データTDとからなる。ヘッダデータHD2は、対応する出退勤データTDが記録された日付である営業年月日と、当該タイムレコーダ6が設置されている店舗を識別するための店舗コード及び店舗名とを含む。
【0020】
出退勤データTDは、出勤レコードR6と退勤レコードR7とを含む。出勤レコードR6は、出勤を特定するステータス(出勤)に、キャッシャIDと出勤時刻とが付加される。退勤レコードR7は、退勤を特定するステータス(退勤)に、キャッシャIDと退勤時刻とが付加される。
【0021】
キャッシャ管理サーバ3は、ジャーナルデータベース11と出退勤データベース12とを有する。そして、各POS端末1から電子ジャーナルファイル8を受信すると、この電子ジャーナルファイル8のデータをジャーナルデータベース11に蓄積する(ジャーナル収集手段)。同じく、タイムレコーダ6から電子出退勤ファイル10を受信すると、この電子出退勤ファイル10のデータを出退勤データベース12に蓄積する(出退勤収集手段)。
【0022】
図4は、キャッシャ管理サーバ3の要部構成を示すブロック図である。キャッシャ管理サーバ3は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)31を搭載している。また、プログラム等の固定的データが予め格納されるROM(Read Only Memory)32、可変的なデータを記憶するための種々のメモリエリアを有するRAM(Random Access Memory)33、大容量記憶媒体であるHDD(Hard Disk Drive)34、及び、前記ネットワーク2を介して接続される各機器とのデータ通信を司る通信インターフェース35を備える。そしてCPU31と、ROM32,RAM33,HDD34及び通信インターフェース35とを、アドレスバス,データバス等のバスライン36で接続して、キャッシャ管理サーバ3を構成する。
【0023】
かかる構成のキャッシャ管理サーバ3は、HDD34に前記ジャーナルデータベース11と出退勤データベース12とを保存する。また、このHDD34に、図5に示すデータ構造のキャッシャ管理テーブル40を保存する。
【0024】
キャッシャ管理テーブル40は、管理項目欄41と、開始時刻欄42と、終了時刻欄43と、警告時間欄44とからなる。管理項目欄41には、キャッシャの作業状況管理項目として、「出勤管理」、「退勤管理」、「開店管理」、「閉店管理」、「登録業務管理」、「精算業務管理」、「休憩管理」等が記述される。
【0025】
項目「出勤管理」は、キャッシャが出勤をしてから最初の業務に就くまでの所要時間を管理する。この所要時間が警告時間T1を越えると、警告を行う。このため、対応する開始時刻欄42には「出勤時刻」が記述され、終了時刻欄43には「初回サインオン時刻」が記述され、警告時間欄44には、警告時間T1が記述される。
【0026】
項目「退勤管理」は、キャッシャが最後の業務を終えてから退勤をするまでの所要時間を管理する。この所要時間が警告時間T2を越えると、警告を行う。このため、対応する開始時刻欄42には「最終サインオフ時刻」が記述され、終了時刻欄43には「退勤時刻」が記述され、警告時間欄44には、警告時間T2が記述される。
【0027】
項目「開店管理」は、POS端末1の開店処理に要する時間を管理する。この所要時間が警告時間T3を越えると、警告を行う。このため、対応する開始時刻欄42には「電源オン時刻」が記述され、終了時刻欄43には「先頭サインオン時刻」が記述され、警告時間欄44には、警告時間T3が記述される。
【0028】
項目「閉店管理」は、POS端末1の閉店処理に要する時間を管理する。この所要時間が警告時間T4を越えると、警告を行う。このため、対応する開始時刻欄42には「最後サインオフ時刻」が記述され、終了時刻欄43には「電源オフ時刻」が記述され、警告時間欄44には、警告時間T4が記述される。
【0029】
項目「登録業務管理」は、POS端末1での1人キャッシャによる登録業務に要する時間を管理する。この所要時間が警告時間T5を越えると、警告を行う。このため、対応する開始時刻欄42には「サインオン時刻」が記述され、終了時刻欄43には「サインオフ時刻」が記述され、警告時間欄44には、警告時間T5が記述される。
【0030】
項目「精算業務管理」は、POS端末1の精算業務に要する時間を管理する。この所要時間が警告時間T6を越えると、警告を行う。このため、対応する開始時刻欄42には「精算時刻」が記述され、終了時刻欄43には「最後サインオフ時刻」が記述され、警告時間欄44には、警告時間T6が記述される。
【0031】
項目「休憩管理」は、POS端末1での業務を終了したキャッシャが次の業務に移るまでの時間を管理する。この所要時間が警告時間T7を越えると、警告を行う。このため、対応する開始時刻欄42には「サインオフ時刻」が記述され、終了時刻欄43には「サインオン時刻」が記述され、警告時間欄44には、警告時間T7が記述される。
【0032】
また、キャッシャ管理サーバ3は、オペレータ管理プログラムをROM32に記憶する。そして、クライアントPC5からオペレータ管理業務の実行コマンドを受信すると、オペレータ管理プログラムを起動させる。オペレータ管理プログラムが起動すると、CPU31は、図6の流れ図に示す手順のデータ処理を実行する。
【0033】
先ず、CPU31は、クライアントPC5に管理項目選択画面のデータを送信する(ST1)。管理項目選択画面は、キャッシャ管理テーブル40の管理項目欄41に記述されている各管理項目の中からいずれか1つの項目の選択を促す。また、管理対象期間の開始日と終了日の入力も受付ける。
【0034】
この画面データを受信したクライアントPC5においては、ディスプレイに管理項目選択画面が表示されるので、クライアントPC5のオペレータは、その画面を用いて所望の管理項目を選択する。また、管理対象期間の開始日と終了日を入力する。管理項目選択画面にて選択された管理項目と管理対象期間のデータは、ネットワーク2を通じてキャッシャ管理サーバ3に伝送される。
【0035】
管理項目選択画面のデータを送信したCPU31は、選択管理項目と管理対象期間のデータを待機する(ST2)。クライアントPC5から選択管理項目と管理対象期間のデータを受信すると(ST2のYES)、CPU31は、キャッシャ管理テーブル40を検索して、選択管理項目に対応する開始時刻、終了時刻及び警告時間Txの各データを検出する(ST3)。
【0036】
次に、CPU31は、選択管理項目に対応する開始時刻が、ジャーナルデータに含まれる時刻なのか出退勤データに含まれる時刻なのかを判別する(ST4)。キャッシャ管理テーブル40に記述されている時刻の項目のうち、サインオン時刻、サインオフ時刻及び精算時刻はジャーナルデータに含まれる。出勤時刻と退勤時刻は、出退勤データに含まれる。
【0037】
そこで、例えば各時刻の項目に対応して、その項目がジャーナルデータに含まれる時刻なのか出退勤データに含まれる時刻なのかを識別するためのフラグを記憶したテーブルを予め作成し、HDD34で保存する。そしてCPU31が、このテーブルを参照して、ジャーナルデータに含まれる時刻なのか出退勤データに含まれる時刻なのかを判別する。
【0038】
ジャーナルデータに含まれる場合(ST4のYES)、CPU31は、ジャーナルデータベース11から、営業年月日が管理対象期間内の電子ジャーナルファイル8のデータを全て取得する。そして、この取得した電子ジャーナルファイル8のデータから、選択管理項目に対応する開始時刻のステータスを含むレコードを抽出する(ST5:データ抽出手段)。
【0039】
例えば、開始時刻が「電源オン時刻」の場合には、電子ジャーナルファイル8のデータの中でステータスが「電源オン」のレコードを抽出する。開始時刻が「サインオン時刻」の場合には、ステータスが「サインオン」のレコードを全て抽出する。開始時刻が「サインオフ時刻」または「最終サインオフ時刻」の場合には、ステータスが「サインオフ」のレコードを全て抽出する。開始時刻が「最後サインオフ時刻」の場合には、ステータスが「サインオフ」のレコードのうち、最も時刻の遅いレコードを抽出する。開始時刻が「精算」の場合には、ステータスが「精算」のレコードを抽出する。
【0040】
これに対し、出退勤データに含まれる場合には(ST4のNO)、CPU31は、出退勤データベース12から、営業年月日が管理対象期間内の出退勤ファイル10のデータを全て取得する。そして、この取得した出退勤ファイル10のデータから、選択管理項目に対応する開始時刻のステータスを含むレコードを抽出する(ST6)。
例えば、開始時刻が「出勤時刻」の場合には、出退勤ファイル10のデータの中でステータスが「出勤」のレコードを全て抽出する。
【0041】
次に、CPU31は、選択管理項目に対応する終了時刻が、ジャーナルデータに含まれる時刻なのか出退勤データに含まれる時刻なのかを、前記ステップST4と同様にして判別する(ST7)。そして、ジャーナルデータに含まれる場合には(ST7のYES)、CPU31は、前記ステップST5と同様にして、管理対象期間内の電子ジャーナルファイル8のデータから選択管理項目に対応する終了時刻のステータスを含むレコードを抽出する(ST8:データ抽出手段)。
【0042】
例えば、終了時刻が「電源オフ時刻」の場合には、電子ジャーナルファイル8のデータの中でステータスが「電源オフ」のレコードを抽出する。終了時刻が「サインオン時刻」または「初回サインオン時刻」の場合には、電子ジャーナルファイル8のデータの中でステータスが「サインオン」のレコードを全て抽出する。同様に、開始時刻が「サインオフ時刻」の場合には、電子ジャーナルファイル8のデータの中でステータスが「サインオフ」のレコードを全て抽出する。また、開始時刻が「先頭サインオン時刻」の場合には、電子ジャーナルファイル8のデータの中でステータスが「サインオン」のレコードのうち、最も時刻の早いレコードを抽出する。
【0043】
これに対し、出退勤データに含まれる場合には(ST7のNO)、CPU31は、前記ステップST6と同様にして、管理対象期間内の出退勤ファイル10から選択管理項目に対応する終了時刻のステータスを含むレコードを抽出する(ST9)。
例えば、終了時刻が「退勤時刻」の場合には、出退勤ファイル10のデータの中でステータスが「退勤」のレコードを全て抽出する。
【0044】
次に、CPU31は、前記ステップST5またはST6の処理で抽出した開始時刻tsのレコードと、前記ステップST8またはST9の処理で抽出した終了時刻teのレコードとを照合して、開始時刻tsから終了時刻teに至るまでの所要時間Δt(Δt=te−ts)を算出する(ST10:所要時間算出手段)
例えば、選択管理項目が「出勤管理」の場合には、開始時刻tsとして出退勤データベース12から営業日別にその日に出勤した全キャッシャの出勤レコードR6が抽出されており、終了時刻teとしてジャーナルデータベース11から営業日別にその日に出勤した全キャッシャの初回のサインオンレコードR2が抽出されている。そこで、CPU31は、同一営業日でキャッシャIDが重複する出勤レコードR6の出勤時刻tsとサインオンレコードR2のサインオン時刻teとから、所要時間Δtを算出する。そして、キャッシャID,開始時刻(出勤時刻)ts、終了時刻(サインオン時刻)te及び所要時間Δtからなる抽出結果レコードを作成する。
【0045】
また、選択管理項目が「退勤管理」の場合には、開始時刻tsとしてジャーナルデータベース11から営業日別にその日に出勤した全キャッシャの最終のサインオフレコードR3が抽出されており、終了時刻teとして出退勤データベース12から営業日別にその日に出勤した全キャッシャの退勤レコードR7が抽出されている。そこで、CPU31は、同一営業日でキャッシャIDが重複するサインオフレコードR3のサインオフ時刻tsと退勤レコードR7の退勤時刻teとから、所要時間Δtを算出する。そして、キャッシャID,開始時刻(サインオフ時刻)ts、終了時刻(退勤時刻)te及び所要時間Δtからなる抽出結果レコードを作成する。
【0046】
また、選択管理項目が「開店管理」の場合には、開始時刻tsとしてジャーナルデータベース11から営業日別に電源オンレコードR1が抽出されており、終了時刻teとしてジャーナルデータベース11から営業日別に最初のサインオンレコードR2が抽出されている。そこで、CPU31は、同一営業日の電源オンレコードR1の電源オン時刻tsとサインオンレコードR2のサインオン時刻teとから、所要時間Δtを算出する。そして、キャッシャID,開始時刻(電源オン時刻)ts、終了時刻(サインオン時刻)te及び所要時間Δtからなる抽出結果レコードを作成する。
【0047】
また、選択管理項目が「閉店管理」の場合には、開始時刻tsとしてジャーナルデータベース11から営業日別に最後のサインオフレコードR3が抽出されており、終了時刻teとしてジャーナルデータベース11から営業日別に電源オフレコードR5が抽出されている。そこで、CPU31は、同一営業日のサインオフレコードR3のサインオフ時刻tsと電源オフレコードR5の電源オフ時刻teとから、所要時間Δtを算出する。そして、キャッシャID,開始時刻(サインオフ時刻)ts、終了時刻(電源オフ時刻)te及び所要時間Δtからなる抽出結果レコードを作成する。
【0048】
また、選択管理項目が「登録業務管理」の場合には、開始時刻tsとしてジャーナルデータベース11から営業日別に全てのサインオンレコードR2が抽出されており、終了時刻teとしてジャーナルデータベース11から営業日別に全てのサインオフレコードR3が抽出されている。そこで、CPU31は、同一営業日でキャッシャIDが同一のサインオンレコードR2のサインオン時刻tsと、サインオフレコードR3のサインオフ時刻teとから、所要時間Δtを算出する。なお、同一営業日でキャッシャIDが同一のサインオンレコードR2が複数あった場合には、時系列の順にサインオンレコードR2とサインオフレコードR3とを交互に抽出して所要時間Δtを算出する。そして、キャッシャID,開始時刻(サインオン時刻)ts、終了時刻(サインオフ時刻)te及び所要時間Δtからなる抽出結果レコードを作成する。
【0049】
また、選択管理項目が「精算業務管理」の場合には、開始時刻tsとしてジャーナルデータベース11から営業日別に精算レコードR4が抽出されており、終了時刻teとしてジャーナルデータベース11から営業日別に最後のサインオフレコードR3が抽出されている。そこで、CPU31は、同一営業日の精算レコードR4の精算時刻tsとサインオフレコードR3のサインオフ時刻teとから、所要時間Δtを算出する。そして、キャッシャID,開始時刻(精算時刻)ts、終了時刻(サインオフ時刻)te及び所要時間Δtからなる抽出結果レコードを作成する。
【0050】
また、選択管理項目が「休憩管理」の場合には、開始時刻tsとしてジャーナルデータベース11から営業日別に全てのサインオフレコードR3が抽出されており、終了時刻teとしてジャーナルデータベース11から営業日別に全てのサインオンレコードR2が抽出されている。そこで、CPU31は、同一営業日でキャッシャIDが同一のサインオフレコードR3のサインオン時刻tsと、このサインオン時刻tsよりも後の時刻でかつ最も早い時刻のサインオンレコードR2のサインオン時刻teとから、所要時間Δtを算出する。そして、キャッシャID,開始時刻(サインオフ時刻)ts、終了時刻(サインオン時刻)te及び所要時間Δtからなる抽出結果レコードを作成する。
【0051】
こうして、選択管理項目に応じた抽出結果レコードを作成したならば、CPU31は、その抽出結果レコードの所要時間Δtと、ステップST3の処理で検出した選択管理項目に対応する警告時間Txとを比較する。そして、所要時間Δtが警告時間Txを上回る抽出結果レコードに警告フラグをセットする(ST11)。
【0052】
次に、CPU31は、ステップST10及びST11の処理で作成した抽出結果レコードのデータに基づいて、選択管理項目の抽出結果画面を編集する。このとき、警告フラグがセットされている抽出結果レコードに対しては、所定の警告マークを付す(ST12:警告手段)。
【0053】
しかる後、CPU31は、ステップST12の処理で作成した抽出結果画面のデータを、ネットワークを介してクライアントPC5に送信する(ST13;結果出力手段)。
【0054】
かくして、クライアントPC5のディスプレイには、選択管理項目に対応した抽出結果画面が表示される。
【0055】
例えば、クライアントPC5のオペレータが、選択管理項目として「出勤管理」を選択した場合、キャッシャ別に出勤時刻と初回のサインオン時刻とその所要時間とが一覧となった抽出結果画面が表示される。このとき、所要時間が警告時間T1を越えたキャッシャに対しては、警告マークが表示される。したがって、前記オペレータは、キャッシャ毎に、出勤してから最初にPOS端末1での業務に就くまでの所要時間を容易に把握できる。また、この所要時間が警告時間T1よりも長いキャッシャを容易に特定することができる。
【0056】
また、「退勤管理」を選択した場合には、キャッシャ別に最後のサインオフ時刻と退勤時刻とその所要時間とが一覧となった抽出結果画面が表示される。このとき、所要時間が警告時間T2を越えたキャッシャに対しては、警告マークが表示される。したがって、前記オペレータは、キャッシャ毎に、POS端末1での業務を終えてから退勤するまでの所要時間を容易に把握できる。また、この所要時間が警告時間T2よりも長いキャッシャを容易に特定することができる。
【0057】
その他の管理項目「開店管理」、「閉店管理」、「登録業務管理」、「精算業務管理」及び「休憩管理」を選択した場合も同様である。すなわち、「開店管理」を選択した場合には、POS端末1の電源がオンされてから最初にサインオンされるまでの所要時間を容易に把握できる。また、その所要時間が警告時間T3より長いか否かを容易に確認できる。「閉店管理」を選択した場合には、POS端末1にて最後のサインオフがされてから電源がオフされるまでの所要時間を容易に把握できる。また、その所要時間が警告時間T4より長いか否かを容易に確認できる。
【0058】
「登録業務管理」を選択した場合には、1人のキャッシャによる登録業務の処理時間を容易に把握できる。また、この処理時間が警告時間T5よりも長いか否かを容易に把握できる。「精算業務管理」を選択した場合には、精算業務を実行してからサインオフがなされるまでの所要時間を容易に管理できる。また、この所要時間が警告時間T6より長いか否かを容易に確認できる。
【0059】
「休憩管理」を選択した場合には、キャッシャ毎に、あるPOS端末1での業務を終了してから次の業務に移るまでの所要時間を容易に把握できる。また、その所要時間が警告時間T7より長いキャッシャの有無を容易に確認できる。
【0060】
このように本実施形態によれば、POS端末1の電子ジャーナルデータを用いて、各オペレータ(キャッシャ)の作業状況の妥当性を容易にチェックすることができる。
【0061】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、管理項目として図5のキャッシャ管理テーブル40に示す7項目を例示したが、管理項目がこれら7項目に限定されないのはいうまでもないことである。
【0062】
また、前記実施形態では、オペレータ管理プログラムの起動をクライアントPC5が行ったが、いずれかのPOS端末1から行い、このPOS端末1のディスプレイに抽出結果画面を表示させるようにしてもよい。あるいは、抽出結果画面の内容を、プリンタサーバ4に伝送し、プリンタ7によって記録紙にプリントアウトしてもよい。
【0063】
また、ジャーナルデータベース11と出退勤データベース12の保存先は、キャッシャ管理サーバ3のHDD34でなく、当該サーバ3によってアクセスが可能な外付けの補助記憶装置であってもよい。
【0064】
さらに、前記実施形態は、装置内部のプログラム記憶部であるROM32に発明の機能を実現させるオペレータ管理プログラムが予め記録されているものとした。しかしこれに限らず、同様のプログラムがネットワークから装置にダウンロードされてもよい。あるいは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、装置にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0065】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1…POS端末、3…キャッシャ管理サーバ、5…クライアントPC、6…タイムレコーダ、8…電子ジャーナルファイル、10…電子出退勤ファイル、11…ジャーナルデータベース、12…出退勤データベース、40…キャッシャ管理テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されるPOS端末から、当該POS端末の操作履歴を示す電子ジャーナルデータを収集するジャーナル収集手段と、
前記電子ジャーナルデータからオペレータの操作時刻を特定可能なデータを抽出するデータ抽出手段と、
このデータ抽出手段により抽出されたデータに基づいて、オペレータの作業に関わる所要時間を算出する所要時間算出手段と、
この所要時間算出手段により算出された所要時間を出力する結果出力手段と、
を具備したことを特徴とするオペレータ管理装置。
【請求項2】
前記所要時間算出手段は、前記POS端末の操作終了を宣言するサインオンの時刻データと前記POS端末の操作終了を宣言するサインオフの時刻データとから、オペレータ別に、サインオフの時刻から次のサインオンの時刻までの所要時間を算出することを特徴とする請求項1記載のオペレータ管理装置。
【請求項3】
ネットワークを介して接続される出退勤管理装置から、当該出退勤管理装置によって管理されるオペレータの出退勤データを収集する出退勤収集手段、をさらに具備し、
前記所要時間算出手段は、前記出退勤管理装置によって管理されるオペレータの出勤時刻データと前記データ抽出手段により抽出された同一オペレータのデータとに基づいて、そのオペレータが出勤してから作業を開始するまでの所要時間を算出することを特徴とする請求項1記載のオペレータ管理装置。
【請求項4】
前記所要時間算出手段は、前記出退勤管理装置によって管理されるオペレータの退勤時刻データと前記データ抽出手段により抽出された同一オペレータのデータとに基づいて、そのオペレータが作業を終えてから退勤するまでの所要時間を算出することを特徴とする請求項3記載のオペレータ管理装置。
【請求項5】
前記所要時間算出手段により算出される所要時間が予め設定されている警告時間を経過していると警告する警告手段、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1に記載のオペレータ管理装置。
【請求項6】
コンピュータに、
ネットワークを介して接続されるPOS端末から、当該POS端末の操作履歴を示す電子ジャーナルデータを収集させるジャーナル収集機能と、
前記電子ジャーナルデータからオペレータの操作時刻を特定可能なデータを抽出させるデータ抽出機能と、
このデータ抽出機能により抽出されたデータに基づいて、オペレータの作業に関わる所要時間を算出させる所要時間算出機能と、
この所要時間算出機能により算出された所要時間を出力させる結果出力機能と、
を実現させるためのオペレータ管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−30058(P2013−30058A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166738(P2011−166738)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】