説明

オメガ3脂肪酸を含む組成物、ならびに末梢動脈障害および間欠性跛行を処置するためのそれらの使用

間欠性跛行を処置し、そのさらなる進行を予防し、そしてIC症候を引き起こすPADなどの潜在的な状態を処置するのに有用な、オメガ3脂肪酸を含む組成物、該組成物を作製する方法、間欠性跛行を処置するために該組成物を使用する方法、および間欠性跛行を引き起こす様々な潜在的な状態のいずれかを処置するために該組成物を使用する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願データ)
本出願は、2006年7月21日に出願された米国仮出願番号第60/832,135号(その内容は出典明示により本明細書の一部とされる)に基づく優先権を主張する。
【0002】
(発明の背景)
1.発明の分野
本発明は、概して、末梢動脈障害および/または間欠性跛行を処置するのに有用なオメガ3脂肪酸を含む組成物に関する。本発明は、該組成物から作製される医薬組成物、該組成物を作製する方法、末梢動脈障害および/または間欠性跛行を処置するための該製剤の使用方法、ならびに末梢動脈障害を含む、間欠性跛行を引き起こす様々な潜在的な状態のいずれかを処置するための該製剤の使用方法も含む。
【背景技術】
【0003】
2.関連分野の記載
ヒトにおいて、コレステロールおよびトリグリセリドは、血流中のリポ蛋白質複合体の一部であり、超遠心分離法を介して高密度リポ蛋白質(HDL)、中間密度リポ蛋白質(IDL)、低密度リポ蛋白質(LDL)および超低密度リポ蛋白質(VLDL)画分に分離され得る。コレステロールおよびトリグリセリドは、肝臓で合成され、VLDLに組み込まれ、そして血漿中に放出される。高レベルの総コレステロール(トータル−C)、LDL−Cおよびアポリポ蛋白質B(LDL−Cの膜複合体)は、ヒトアテローム性動脈硬化症を促進し、アテローム性動脈硬化症の発症と関係する低レベルのHDL−Cおよびその輸送複合体、アポリポ蛋白質Aを促進する。さらに、ヒトにおける心臓血管罹患率および死亡率は、トータル−CおよびLDL−Cのレベルに比例して変化し、HDL−Cのレベルとは反比例して変化する。
【0004】
オメガ3脂肪酸は、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)を阻害することによって、そしてペルオキソームとミトコンドアのベータ酸化を刺激することによって、血清トリグリセリドを低下させることが知られている。一般に魚油と呼ばれる魚の油は、2種のオメガ3脂肪酸、エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)の優れた供給源であり、それらは、脂肪酸代謝を調節することが知られている。オメガ3脂肪酸は、心臓血管疾患、特に、軽度高血圧症、高トリグリセリド血症の危険因子において、および凝固因子VIIリン脂質複合体活性において有益な効果を有することが見いだされた。オメガ3脂肪酸は、血清トリグリセリドを低下させ、血清HDLコレステロールを増加させ、収縮期血圧および拡張期血圧ならびに脈拍数を低下させ、そして血液凝固因子VIIリン脂質複合体の活性を低下させる。さらに、オメガ3脂肪酸は、他に重篤な副作用を引き起こすことなく、よく許容されるようである。
【0005】
オメガ3脂肪酸の1つの形態は、商標「Lovaza」(登録商標)のもとで販売される、DHAおよびEPAを含む魚油由来のオメガ3、長鎖、多価不飽和脂肪酸の濃縮物である。このような形態のオメガ3脂肪酸は、例えば、米国特許番号第5,502,077号、第5,656,667号および第5,698,594号(出典明示により本明細書の一部とされる)に記載されている。
【0006】
間欠性跛行(IC)は、運動中、特に歩行中に生じる疼痛である。ICでは、血流は、休息している患者の必要量を満たすのには十分である。しかしながら、患者が運動する場合には、血管は閉塞され、血液の自由な流れが制限される。そして、酸素供給は、運動する筋肉の要求を満たせない。この高い要求に応答して、体は血管を開く化学物質(例えば、硝酸オキシド)を低下させ、そして血管を狭める化学物質(トロンボキサン、セロトニン、アンギオテンシンII、エンドセリン、ノルエピネフリン)を増加させる。血球が、異常になり、凝血塊を形成しやすくなり得るとういう証拠がいくつかある。これらの問題の結果が、運動中の疼痛であり、休息によるだけで和らぐこととなる。この疼痛はふくらはぎで頻繁に生じるが、脚の他の筋肉においても、あるいは腕においてでさえも生じることがある。この脚の疼痛は、患者の40%においては片脚に、そして患者の60%に両脚に生じる。ICにおいて最も高頻度に影響を受ける動脈は、膝窩動脈であり、それは、大腿部の主要な動脈(大体動脈と呼ばれる)から始まり膝の下に続き、そこで枝分かれし、ふくらはぎおよび足の筋肉に血液を運ぶ。
【0007】
ICは、神経障害、炎症性疾患および循環障害を含む多くの異なる状態により生じ得る症状であるが、それは、ほとんどの場合末梢動脈疾患(PAD)の症状である。ICは、PAD患者の3分の1から半分の間で生じる。一般に、四肢における不十分な血流が、2つの形態の疼痛、間欠性跛行(これは運動時に、特に脚に生じる疼痛である)および虚血性安静時痛(これは、患者が安静にしていても生じ、PADのより進行した状態を示す)を引き起こし得る。ICが虚血性安静時痛に進行する場合、動脈は塞がれるようになり潰瘍や壊死を発症し得るので、重症例では切断術を必要とする。虚血性安静時痛の他の症状は、弱ったふくらはぎの筋肉、足指から脚にかけての脱毛、厚い足指の爪、光沢のある堅い皮膚、苦痛な足指の潰瘍、そして場合によっては、脚の動脈中での凝血塊の形成を含み得る。
【0008】
末梢動脈障害(PAD)は、アテローム性動脈硬化症(一般には、動脈硬化と呼ばれる)が、動脈を遮断し、酸素に富む血流を妨げることにより、四肢に影響を及ぼす場合に生じる。それは、心臓および脳に至る動脈にて発生しうる同じ型のプラーク蓄積により惹起されることが多い。さらに、PAD患者は、心疾患の徴候が明らかでないとしても、顕性の心疾患を有する患者と同じ心臓事象および脳卒中の危険性を有する。PAD関連の症状、例えば、ICは、日々身体機能を有意に損ない得る。ICの痛みは、肉体活動を大きく制限する。ICはまた、PADの痛烈さとは関係なく、通常、不安定さのために落下の危険性が増す。ICおよびPADはまた、精神的な衰退とも関係し、それは、個人の年齢に4歳または5歳加えたように見せる。一般的に、脚の状態が悪くなればなるほど、PAD患者の全体的な健康はより損なわれる。
【0009】
現在利用可能なICの薬物療法のほとんどは、疼痛を和らげて、機能を改善し、そして壊死および切断術に至り得る進行を予防することを目的とする。これは、通常、血管を開くまたは凝血塊を予防する薬物を用いて行われる。抗血小板薬は、これらの目的を達成するのに重要な薬物であるが、その他のものもまた研究されている。ICの原因がPADの場合、喫煙中断治療と同様に、食事制限と運動を通じた処置が推奨される。処置は、様々な医薬品を用いて補われ得る。アスピリンは、少なくとも強力な抗血小板薬であり、中程度のPADに用いられる。クロピドグレル(プラヴィックス(登録商標))は、特にICに対して認可されており、他に心臓の保護機能を有する。PADがより重篤である場合には、バルーン血管形成またはバイパス手術が推奨されるであろう。
【0010】
動脈損傷の軽減のため、心疾患および脳卒中の予防がICの重要な処置目標である。これらの目的は、しばしば、コレステロールおよび脂質濃度を改善する薬物を用いることによって処理される。
【0011】
改善したコレステロールおよび脂質濃度はまた、間欠性跛行がPADの症状である場合に非常に重要である。専門家は、PAD患者が、脂質降下剤、アンギオテンシン転換酵素(ACE)阻害剤、スタチン(新たな血管の成長を促進し、それによって、間欠性跛行を予防する助けになり得る)、フィブラート、ニコチン酸、強力なインスリン調節(糖尿病患者において)および抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレル(プラヴィックス)およびチクロピジン(Ticlid)を含み得る)を含む、間欠性跛行の処置と同様に、どのような心臓の危険因子でも管理するのに最適な処置が与えられるよう勧める。
【0012】
様々な研究が、ICおよびPVDとPADを含むその原因における魚油などの産物を用いた食事補助の効果を決定するために、行われている。
【0013】
Carrero, J.ら、「Daily Supplementation with (n-3) PUFAs, Oleic Acid, Folic Acid, and Vitamins B-6 and E Increases Pain-Free Walking Distance and Improves Risk Factors in Men with Peripheral Vascular Disease 」J. Nutrition, Vol. 135, Issue 6 (June 2005)は、末梢血管疾患および間欠性跛行(PVD−IC)をわずう患者において、0.2gエイコサペンタエン酸(EPA)、0.13gドコサヘキサエン酸(DHA)、5.12gオレイン酸、150g葉酸、ビタミンA、1.5mgビタミンB−6、ビタミンD、およびビタミンEを含む栄養価を高めた乳製品500mlを用いた日々の栄養補助食品の効果に関する研究を記載する。全ての患者は、抗血小板薬トリフルサルおよびヘモレオロジー試薬(hemorrheologic agent)ペントキシフィリンが投与され、その患者の半分はさらに栄養価を高めた乳製品を受けた。この研究は、栄養価を高めた乳製品も受けた患者が、それを受けていない患者と比較して、痛みなく歩行する距離および足首−上腕血圧における改善を示すことを見いだした。
【0014】
様々な研究は、(n−3)PUFA(Somerfield, T.およびHiatt, W.R.「Omega-3 fatty acids for intermittent claudication [Cochrane review]」The Cochrane Library, Issue 3 (2004))、オリーブ油(Ramirez-Tortosa, M.C.ら、「Extra-virgin olive oil increases the resistance of LDL to oxidation more than refined olive oil in free-living men with peripheral vascular disease」J. Nutrition, Vol. 129: 2177-83 (1999))、ひまわり油(Aguilera, C.M.ら、「Sunflower oil does not protect against LDL oxidation as virgin olive oil does in patients with peripheral vascular disease」Clin. Nutr., Vol. 23: 673-81)、ビタミンE(Kleijnen, J.およびMackerras, D.「Vitamin E for intermittent claudication [Cochrane review]」The Cochrane Library, Issue 3 (2004))、または葉酸とビタミンB−6(Robinson, K.ら、「Low circulating folate and vitamin B-6 concentrations: risk factors for stroke, peripheral vascular disease, and coronary artery disease」European COMAC Group, Circulation 97: 437-43 (1998))を含む栄養補助食品が、間欠性跛行を示す患者に有益な効果を与えるが、特定の栄養補助食品指針に帰着しないことを見いだした。
【0015】
世界保健機構(WHO)研究班議会(Study Group Diet)(2003)、技術報告シリーズ(Technical Report Series)第916号は、概して、飽和脂肪を制限することと、適切な水準の抗酸化剤および葉酸塩を得るために果実および野菜の消費を増加させることに加え、毎週適当に200mg〜500mgのEPAおよびDHAを供給するために魚の規則的な消費を推奨している。
【0016】
Pittler, M.H.およびErnst, E.の「Complementary therapies for peripheral arterial disease: Systematic review」Atherosclerosis, Vol. 181: 1-7 (March 2005)は、PAD治療としての、刺鍼術、生体自己制御、キレート療法、CO適用法(CO2-applications)、ニンニク、イチョウ、オメガ3脂肪酸、パドマ28(padma 28)およびビタミンEの使用に関する研究を論評し、その論評された研究は1つではなく全てがフォンテイン・ステージ(Fontaine stage)II(間欠性跛行)のPADをわずう患者のみを含んだ。オメガ3脂肪酸に関しては、患者の痛みの無い最大の歩行距離に有意な変化をもたらさなかったこと、および間欠性跛行をわずらう患者に改善された臨床的結果の証拠がないことを明らかにした。
【0017】
Leng, G.C.ら、「Randomized controlled trial of gamma-linoleic acid and eicosapentaenoic acid in peripheral arterial disease」Clin. Nutr., 17(6): 265-71 (1998)は、脂肪酸(280mgのガンマ−リノレン酸(18:3n−6)および45mgのエイコサペンタエン酸(20:5n−3)を含むカプセル剤)、対するプラセボ(versus placebo)(500mgのひまわり油を含むカプセル剤)を、安定な間欠性跛行をわずう患者に2年の期間にわたって投与することの効果を研究した。それは、脂肪酸群で致死性ではない冠動脈事象の小さな軽減があったが、痛みなく歩行する距離における違いはなかったことを見出し、そして、著者等は、短期間の同様の研究が一致する結果をもたらすことについて言及した。
【0018】
カナダ特許番号第2,291,959号は、冠性心疾患、脳血管疾患(該患者は少なくとも1つの卒中を患っているところの)、および末梢血管疾患(該患者は間欠性跛行を患っているところの)をわずらっている患者の処置に有益な化合物を含む、血管閉塞性疾患の処置に使用するための栄養機能組成物(nutraceutical composition)に関する。該組成物は、代謝増強物質、L−カルニチンおよび補酵素Q;ホモシステイン低下性ビタミン、葉酸、B6およびB12;LDLコレステロール低下性量のニコチン酸もしくはその持続放出型;抗酸化剤、ビタミンC、ビタミンEおよびセレニウム;ならびにオメガ3多価不飽和脂肪酸を含む。
【0019】
公開されたPCT出願第WO01/084961号は、3つの画分を含む、血管障害を予防および/または処置するのに使用するための調製物に関する。第1の画分は、長鎖多価不飽和脂肪酸を含む。第2の画分は、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルコリンおよびホスファチジルエタノールアミンからなる群より選択される少なくとも2つを含有するリン脂質を含む。第3の画分は、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6、マグネシウムおよび亜鉛からなる群より選択される少なくとも1つを含有するメチオニン代謝における因子である化合物を含む。この適用は、主として、認知症の症状を引き起こす血管の問題の処置に関して指示されるが、しかしながら、他の問題には閉塞性血栓血管炎およびアテローム性動脈硬化症が含まれる。
【0020】
公開された米国特許出願第2002/0055539号は、オメガ脂肪酸の血管内投与により心血管状態を処置もしくは予防する組成物および方法に関する。心血管状態は、末梢血管疾患であってよい。該組成物は、1つまたは複数のオメガ3脂肪酸、1つまたは複数のオメガ6脂肪酸、または1つまたは複数のオメガ3脂肪酸およびオメガ6脂肪酸の混合物を含んでいてよい。処置方法に関して、該組成物が、処置されるべき部位近傍で好ましくは血管内投与される。
【0021】
したがって、上記技術的アプローチのいずれも、オメガ3脂肪酸を含み、そして随意に1つまたは複数の付加的な化合物を含有する、本発明の組成物を投与することによる、ICを緩和するための組成物および方法、そしてICを引き起こす潜在的な状態(例えば、PAD)を処置するための組成物および方法を提供しない。
【0022】
ICおよびその潜在的な原因(例えば、PAD)を処置するのに有用な組成物、およびそれを作製する方法に関して、当分野には大きな必要性が明確にある。その製剤を用いて間欠性跛行を処置する方法もまた必要とされる。ICと関連する初期の状態、PADを緩和する付加的な処置効果に関して、当分野に特に大きな必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】米国特許第5,502,077号
【特許文献2】米国特許第5,656,667号
【特許文献3】米国特許第5,698,594号
【特許文献4】カナダ特許番号第2,291,959
【特許文献5】WO01/084961号
【特許文献6】米国特許出願第2002/0055539号
【非特許文献】
【0024】
【非特許文献1】Carrero, J.ら、「Daily Supplementation with (n-3) PUFAs, Oleic Acid, Folic Acid, and Vitamins B-6 and E Increases Pain-Free Walking Distance and Improves Risk Factors in Men with Peripheral Vascular Disease 」J. Nutrition, Vol. 135, Issue 6 (June 2005)
【非特許文献2】Somerfield, T.およびHiatt, W.R.「Omega-3 fatty acids for intermittent claudication [Cochrane review]」The Cochrane Library, Issue 3 (2004)
【非特許文献3】Ramirez-Tortosa, M.C.ら、「Extra-virgin olive oil increases the resistance of LDL to oxidation more than refined olive oil in free-living men with peripheral vascular disease」J. Nutrition, Vol. 129: 2177-83 (1999)
【非特許文献4】Aguilera, C.M.ら、「Sunflower oil does not protect against LDL oxidation as virgin olive oil does in patients with peripheral vascular disease」Clin. Nutr., Vol. 23: 673-81
【非特許文献5】Kleijnen, J.およびMackerras, D.「Vitamin E for intermittent claudication [Cochrane review]」The Cochrane Library, Issue 3 (2004)
【非特許文献6】Robinson, K.ら、「Low circulating folate and vitamin B-6 concentrations: risk factors for stroke, peripheral vascular disease, and coronary artery disease」European COMAC Group, Circulation 97: 437-43 (1998)
【非特許文献7】世界保健機構(WHO)研究班議会(Study Group Diet)(2003)、技術報告シリーズ(Technical Report Series)第916号
【非特許文献8】Pittler, M.H.およびErnst, E.の「Complementary therapies for peripheral arterial disease: Systematic review」Atherosclerosis, Vol. 181: 1-7 (March 2005)
【非特許文献9】Leng, G.C.ら、「Randomized controlled trial of gamma-linoleic acid and eicosapentaenoic acid in peripheral arterial disease」Clin. Nutr., 17(6): 265-71 (1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
(発明の要約)
IC、およびICを引き起こす要因となる潜在的な状態、例えばPADを処置するための、高濃度レベルのエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含む、オメガ3脂肪酸の混合物、好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸を用いる、組成物および方法に関して、当分野にはいまだに対処されていない必要性がある。
【0026】
さらに、高濃度量のオメガ3脂肪酸(例えば、Lovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸)およびICを引き起こす要因となる潜在的な状態、例えばPADを処置するのに有用な1つまたは複数の化合物を随意に含む単回投与を提供する組み合わせ品に関して、いまだに対処されていない必要性がある。そのような組み合わせ品は、例えば、単位投薬で提供されてよい。また、単回投与または単位投薬製品の投与方法に関して、当分野にはいまだに対処されていない必要性がある。さらに、ICを引き起こす要因となる潜在的な状態、例えば、PADを処置するのに有用な1つまたは複数の化合物、およびLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸を含む組成物であって、該1つまたは複数の化合物は、Lovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸と組み合わされて特定の治療特徴を提供するところの組成物に関して、当分野にはいまだに対処されていない必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、ICおよびPADそして症状としてICを生じ得る様々な潜在的な状態のいずれかに対する有効な処置を提供し得る、高濃度レベルのEPAおよびDHAを含むオメガ3脂肪酸、好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸を含有する組成物を提供することにより、当分野のいまだに対処されていない必要性ならびに他の必要性を満たすものである。これらのさらなる潜在的な状態は、限定するものではないが、シャルコー・マリー・ツース症候群、閉塞性血栓血管炎(フォン・ヴィーニヴァルター・ビュルガー病)、閉塞性動脈硬化症および/または末梢血管疾患を含む。特定の好ましい実施形態に関して、潜在的な状態はPADである。さらなる実施形態に関し、オメガ3脂肪酸は、ICを引き起こす要因となる潜在的な状態を処置するのに有用な1つまたは複数の化合物との同時投与のために、または単位投薬として、提供される。
【0028】
本発明はまた、望ましくない副作用を最小限にしつつ、間欠性跛行に有効な医薬的処置を提供するための、天然のもしくは合成のオメガ3脂肪酸、および/またはそれらの医薬上許容されるエステル、誘導剤、抱合体、前駆体もしくは塩、またはそれらの混合物を含む組成物を利用する方法を提供する。
【0029】
本発明の他の実施形態は、間欠性跛行を経験する対象の処置における、天然のもしくは合成のオメガ3脂肪酸、および/またはそれらの医薬上許容されるエステル、誘導剤、抱合体、前駆体もしくは塩、またはそれらの混合物を提供する。
【0030】
本発明の他の実施形態は、天然のもしくは合成のオメガ3脂肪酸、および/またはそれらの医薬上許容されるエステル、誘導剤、抱合体、前駆体もしくは塩、またはそれらの混合物の経口製剤である。実施形態の他の態様において、該製剤は、間欠性跛行をわずらう対象の処置に使用される。
【0031】
本発明の他の対象は、天然のもしくは合成のオメガ3脂肪酸、またはそれらの医薬上許容されるエステル、誘導剤、抱合体、前駆体もしくは塩、またはそれらの混合物を含む組成物を提供し、次いで、該組成物を間欠性跛行に苦しむ患者に投与することにより、それに苦しむ患者における間欠性跛行を和らげる方法である。
【0032】
本発明の他の対象は、天然のもしくは合成のオメガ3脂肪酸、またはそれらの医薬上許容されるエステル、誘導剤、抱合体、前駆体もしくは塩、またはそれらの混合物の、間欠性跛行を処置するために医薬製造のための、使用である。
【0033】
本発明の組成物および方法は、シャルコー・マリー・ツース症候群、閉塞性血栓血管炎(フォン・ヴィーニヴァルター・ビュルガー病)、閉塞性動脈硬化症、末梢血管疾患および/または末梢動脈疾患の1つまたは複数の処置に有用な1つまたは複数の付加的な化合物の同時投与をさらに含んでいてもよい。特定の好ましい実施形態に関し、本発明の組成物および方法は、PADの処置に有用である。オメガ3脂肪酸および塩、1つまたは複数の付加的な化合物を含む単位投与剤形、その必要のある患者にそれを投与する方法もまた含まれる。
【0034】
これらの付加的な化合物は、ペントキシフィリン、アンギオテンシン転換酵素(ACE)阻害剤、異脂肪血症薬(dyslipidemic agent)、ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬、抗不整脈剤、アゼチジノンに基づくコレステロール吸収阻害剤、ナイアシンおよび誘導体、PDE III阻害剤、例えば、シロスタゾール、PPARアゴニスト/アンタゴニスト、胆汁酸隔離剤、抗血小板薬およびその医薬上許容されるエステル、誘導体、抱合体、前駆体または塩、およびそれらの混合物からなる群より選択されてよい。
【0035】
好ましい実施形態において、本医薬組成物は、米国特許第5,502,077号、第5,656,667号および第5,698,594号に記載される、Lovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸を含む。他の好ましい実施形態において、本医薬組成物は、該組成物の総脂肪酸量に対して、重量あたり約40%の濃度で存在するオメガ3脂肪酸を含む。さらに他の好ましい実施形態において、オメガ3脂肪酸は、組成物の総脂肪酸量に対して、EPAおよびDHAの重量あたり少なくとも50%を含み、EPAおよびDHAは、EPA:DHAの重量比で99:1〜1:99、好ましくは1:4〜4:1、より好ましくは1:3〜3:1、最も好ましくは1:2〜2:1である。
【0036】
本発明の他の新しい特徴および効果は、以下の試験により、または本発明の実施により理解することにより、当業者には認められよう。
【発明を実施するための形態】
【0037】
(発明の詳細な記載)
本発明は、オメガ3脂肪酸を含む組成物、それを作製する方法、ならびに間欠性跛行(IC)の緩和における使用および症状としてICを生じ得る潜在的な状態の処置におけるそれらの使用に関する。ICを処置するのに、またはIC症状を引き起こす要因となる潜在的な状態を処置するのに有用な付加的な化合物もまた、本発明の組成物および医薬製剤と同時投与することも有益であり得るし、またはそれらを含む単回用量剤形で提供されてもよい。ICを引き起こす潜在的な状態には、限定するものではないが、シャルコー・マリー・ツース症候群、閉塞性血栓血管炎(フォン・ヴィーニヴァルター・ビュルガー病)、閉塞性動脈硬化症、末梢血管疾患(PVD)、および/または末梢動脈疾患(PAD)が挙げられる。特に好ましい実施形態に関し、本発明の組成物および方法は、PADを処置するのに有用である。
【0038】
1.オメガ3脂肪酸を含む組成物
好ましい実施形態において、本発明の組成物は、ICおよびその潜在的な原因(群)を処置するのに有用である。これらの発明組成物は、米国特許第5,502,077号、第5,656,667号および第5,698,594号に記載のように、Lovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸を含む。他の好ましい実施形態において、該組成物は、組成物の総脂肪酸量に対し、重量につき少なくとも40%の濃度で存在するオメガ3脂肪酸を含む。さらに他の好ましい実施形態において、オメガ3脂肪酸は、組成物の総脂肪酸量に対し、EPAおよびDHAの重量あたり少なくとも50%を含み、そしてEPAおよびDHAは、EPA:DHAの重量比で、99:1〜1:99、好ましくは1:4〜4:1、より好ましくは1:3〜3:1、最も好ましくは1:2〜2:1である。オメガ3脂肪酸は、純粋なEPAまたは純粋なDHAを含んでいてもよい。
【0039】
本明細書で用いられる用語「オメガ3脂肪酸」は、天然のもしくは合成のオメガ3脂肪酸またはその医薬上許容されるエステル、誘導体、抱合体(例えば、Zalogaら、米国特許出願公報第2004/0254357号、Horrobinら、米国特許6,245,811号(出典明示により本明細書の一部とされる)を参照のこと)、前駆体または塩を含む。オメガ3脂肪酸油状物の例は、限定するものではないが、オメガ3多価不飽和、長鎖脂肪酸、例えば、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、およびα−リノレン酸;グリセロール、例えばモノ−、ジ−およびトリグリセリドとオメガ3脂肪酸とのエステル;およびオメガ3脂肪酸と1級、2級もしくは3級アルコールとのエステル、例えば脂肪酸メチルエステルおよび脂肪酸エチルエステルを含む。好ましいオメガ3脂肪酸油状物は、長鎖脂肪酸、例えばEPAまたはDHA、そのトリグリセリド、そのエチルエステルおよびそれらの混合物である。オメガ3脂肪酸またはそれらのエステル、誘導体、抱合体、前駆体、塩およびそれらの混合物は、純粋な形態で、または魚油などの油の成分としてのいずれでも用いることができるが、このましくは精製された魚油濃縮物である。本発明の使用に適したオメガ3脂肪酸の商業例としては、インクロメガ(Incromega)F2250、F2628、E2251、F2573、TG2162、TG2779、TG2928、TG3525およびE5015(Croda International PLC、ヨークシア、イングランド)およびEPAX6000FA、EPAX5000TG、EPAX4510TG、EPAX2050TG、K85TG、K85EE、K80EEおよびEPAX7010EE(Pronova Biocare a.s.、1327 Lysaker、ノルウェー)が挙げられる。
【0040】
他の好ましい組成物は、重量あたり少なくとも40%、好ましくは重量あたり少なくとも50%、より好ましくは重量あたり少なくとも60%、さらにより好ましくは重量あたり少なくとも70%、最も好ましくは重量あたり少なくとも80%、さらに重量あたり少なくとも90%の濃度で存在するオメガ3脂肪酸を含む。好ましくは、オメガ3脂肪酸は、EPAおよびDHAの重量あたり少なくとも50%、より好ましくは重量あたり少なくとも60%、さらに好ましくは重量あたり少なくとも70%、最も好ましくは重量あたり少なくとも80%、例えば少なくとも84%を含む。好ましくは、オメガ3脂肪酸は、重量あたり5%〜約100%、より好ましくは重量あたり約25%〜約75%、さらにより好ましくは重量あたり約40%〜約55%、最も好ましくはEPAの重量あたり約46%を含む。好ましくは、オメガ3脂肪酸は、重量あたり約5%〜100%、より好ましくは重量あたり約25%〜約75%、よりさらに好ましくは重量あたり30%〜約60%、最も好ましくはDHAの重量あたり約38%を含む。上記のパーセンテージの全ては、特に示さない限り、組成物中の総脂肪酸量と比較しての重量あたりである。
【0041】
オメガ3脂肪酸は、約350mg〜約10g、より好ましくは約500mg〜約6g、および最も好ましくは約750mg〜約4gの量で存在し得る。この量は、1つまたは複数の投与剤形で存在してもよいし、好ましくは1つの投与剤形である。オメガ3脂肪酸組成物は、化学的な抗酸化剤、例えばアルファトコフェロール、油、例えば大豆油および部分的な硬化油、および潤滑剤、例えば、ヤシ油、レシチンおよびその混合物を含んでいてよい。
【0042】
最も好ましい形態のオメガ3脂肪酸は、Lovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸(K85EE, Pronova Biocare A.S., Lysaker, ノルウェー)であり、好ましくは以下の特徴(剤形前に)を含んでいる。
【表1】

【0043】
本発明の活性成分、オメガ3脂肪酸は、1つまたは複数の不活性な医薬上の成分(一般には「賦形剤」として知られている)と組み合わせて投与されてもよい。非活性成分は、例えば、可溶性、分散性、厚み、希釈、乳化、安定性、保存性、保護、着色、香味および形成性を活性成分に与え、安全で、便利で、あるいは使用に適合した、適切で効果的な調製物とする。かくして、非活性成分は、コロイド状二酸化ケイ素、クロスポビドン、ラクトース一水和物、レシチン、微結晶性セルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、二酸化チタンおよびキサタンガムを含んでいてよい。
【0044】
賦形剤は、界面活性剤、例えば、モノカプリル酸プロピレングリコール、グリセロールと長鎖脂肪酸のポリエチレングリコールエステルの混合物、ポリオキシエチレンヒマシ油、グリセロールエステル、オレオイルマクロゴールグリセリド、モノラウリン酸プロピレングリコール、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、ポリエチレン−ポリプロピレングリコール共重合体、およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、共溶媒、例えば、エタノール、グリセロール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコール、油、例えば、ココナッツ、オリーブまたはベニバナ油を含む。界面活性剤、共溶媒、油またはそれらの組み合わせの使用は、一般に医薬品分野で知られており、そして、当業者には理解されるように、いずれかの適切な界面活性剤を本発明およびその実施形態と組み合わせて用いることができる。
【0045】
好ましくは、活性成分は、大量の界面活性剤の使用を伴わずに投与される。好ましい実施形態において、存在する場合には、界面活性剤は、剤形(群)の溶媒系の総重量に基づいて50%未満の量で、より好ましくは40%未満、さらにより好ましくは30%未満、最も好ましくは20%未満で存在する。1つの実施形態において、溶媒形は、界面活性剤を含まない。
【0046】
本明細書で用いられる「溶媒系」は、オメガ3脂肪酸を含む。他の実施形態において、オメガ3脂肪酸の界面活性剤に対する重量比は、少なくとも0.5対1、より好ましくは少なくとも0.7対1、さらにより好ましくは少なくとも0.9対1、最も好ましくは1対1である。さらに他の好ましい実施形態において、存在する場合には、溶媒系に用いられる親水性溶媒の量は、投与剤形(群)の溶媒系の総重量に基づいて20%w/w未満、より好ましくは15%未満である。特定の実施形態において、溶媒系に用いられる親水性溶媒の量は、10%から20%w/wの間である。他の好ましい実施形態において、存在する場合には、溶媒系に用いられる親水性溶媒の量は、投与剤形(群)の溶媒系の総重量に基づいて10%w/w未満、より好ましくは5%未満である。特定の実施形態において、溶媒系に用いられる親水性溶媒の量は、5%から10%w/wである。
【0047】
本発明の活性成分、オメガ3脂肪酸は、1つまたは複数の付加的な化合物とともに同時に投与されてもよく、1つまたは複数の付加的な化合物を含む単位投薬の医薬製剤で提供されてよく、その付加的な化合物は、ICを和らげるのに有用であり、ICが虚血性安静時痛に進行することを予防するのに有用であり、または結果としてICに至るいずれかの潜在的な状態を処置するのに効果的なものである。これらの潜在的な状態は、PAD、PVD、閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎(フォン・ヴィーニヴァルター・ビュルガー病)、またはシャルコー・マリー・ツース症候群を含み得る。特定の好ましい実施形態に従って、本発明の活性成分は、PADを処置するのに有用である。
【0048】
本発明に従う付加的な化合物は、アンギオテンシン転換酵素(ACE)阻害剤;異脂肪血症薬(好ましくは、限定するものではないが、HMG CoA還元酵素阻害剤(スタチン)、例えば、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、ロバスタチン、およびフルバスタチンを含む);ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬(好ましくは、限定するものではないが、Bay K 8644、アムロジピン(例えば、Norvasc(登録商標))、フェロジピン(例えば、Plendil(登録商標))、ラシジピン(例えば、Lacipil(登録商標))、レルカニジピン(例えば、Zanidip(登録商標))、ニカルジピン(例えば、Cardene(登録商標))、ニフェジピン(例えば、Adalat(登録商標)、Procardia(登録商標))、ニモジピン(例えば、Nimotop(登録商標))、ニソルジピン(例えば、Sular(登録商標))、ニトレンジピンおよびイスラジピン(例えば、DynaCirc(登録商標))を含む);抗不整脈剤(好ましくは、限定するものではないが、キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、リドカイン、メキシレチン、トカイニド、フェニトイン、エンカイニド、フレカイニド、モリシジン、プロパフェノン、エスモロール、プロプラノロール、アセブトロール、メトプロロール、アミオダロン、アジミリド、ブレチリウム、クロフィリウム、ドフェチリド、イブチリド、セマチリド、ソタロール、ベラパミル、メベフラドフィル(mebefradfil)、ジルチアゼムアデノシンおよびジゴキシンを含む);アゼチジノンに基づくコレステロール吸収阻害剤(好ましくは、限定するものではないが、エゼチミブ、MD−0727およびSCH60663を含む);ナイアシンおよび誘導体(好ましくは、限定するものではないが、ニコチンアミドを含む);PPARアゴニスト/アンタゴニスト(好ましくは、限定するものではないが、フェノフィブラート、テサグリタザル、ナビグリチザル(naviglitizar)、ミバグリタザル(mivaglitazar)、プログリタゾン(proglitazone)およびロシグリタゾンを含む);胆汁酸隔離剤(好ましくは、限定するものではないが、コレスチラミン、コレスチポールおよびコレセベラムを含む);抗血小板薬(限定するものではないが、アスピリン、クロピドグレルおよびチクロピジンを含む);およびその医薬上許容されるエステル、誘導剤、抱合体、前駆体、または塩、およびそれらの混合物からなる群より選択されてよい。
【0049】
本発明のオメガ3脂肪酸と組み合わせて用いられてもよい他の付加的な化合物は、入手可能なものであり、またはICを和らげる使用について研究下にあるものである。これらは、ペントキシフィリン(トレンタール(Trental))、シロスタゾール(プレタール(Pletal))、プロスタグランジン(プロスタグランジンE1およびベラプロストを含む)、組み換え繊維芽細胞増殖因子−2(FGF−2)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、ナフチドロフリル(ナフロニル(Nafronyl))、レボカルニチン(L−カルニチン)およびその誘導体プロピオニルレボカルニチン、E2Fデコイ(decoy)、メソグリカンおよび6種のステロイドホルモン(テストステロンを含む)を含む。
【0050】
上記の化合物と類似の化合物もまた本発明に関して想定され、それらは、将来開示されるものであってもよいし、あるいは既に存在する化合物で将来的に新たな使用が認められるものであってもよい。さらに、循環系の疾患に寄与することが知られている、高血圧および糖尿病などの状態の処置に有用な付加的な化合物の随意の含有も想定される。
【0051】
提供される場合、これらの随意の付加的な成分は、ICまたは、症状としてICを引き起こすいずれかの潜在的な状態もしくは疾患の処置に有用である。これらは、限定するものではないが、シャルコー・マリー・ツース症候群、閉塞性血栓血管炎(フォン・ヴィーニヴァルター・ビュルガー病)、閉塞性動脈硬化症、末梢血管疾患、および/または末梢動脈疾患を含む。
【0052】
以下により詳細に記載されるであろうが、随意の付加的な成分は、提供される場合、IC症状の緩和を提供するのに、および/または患者をICに罹患させる潜在的な状態を処置するのに十分な量で含む。この随意の付加的な成分は、一般に安全と認められ、およびICを緩和し、そしてその潜在的な原因を処置するのに効果的な量で提供される。
【0053】
濃オメガ3脂肪酸を含む組成物は、カプセル剤、例えば、硬ゼラチンカプセル剤;錠剤;飲み物中に分散され得る粉剤;液剤;または軟ゲルカプセル剤の形態で調製され得る。組成物はまた、注射または注入に適した液体中に含まれてよい。しかしながら、投与のための本発明組成物を調製する方法は、いずれかの特定の投与剤形に限定されない。むしろ、これらは、他の固体経口投与剤形、他の液体経口投与剤形、およびいずれかの他の適当な投与剤形を含む、いずれかの医薬上許容される投与剤形として調製され得る。提供される場合、1つまたは複数の随意の付加的な成分もまた、一般的な単位投薬剤形を作り出すために、オメガ3脂肪酸を含む投与剤形で提供され得る。
【0054】
幾つかの実施形態において、本発明の単位投薬製剤は、先行技術の製剤と比較して、一方もしくは両方が従来の完全な効力を示す用量で投与された状態で、各活性成分の改善された効果を可能にする。他の実施形態において、本発明の製剤は、各活性成分の有効性をいまだ維持しまたはさらに向上させつつ、先行技術の製剤と比較して、随意の付加的成分の減少した投薬を可能にし得る。
【0055】
濃オメガ3脂肪酸と、上記列記したものから選ばれる1つまたは複数の付加的な成分の本組み合わせは、化合物単独で期待されるいずれかの組み合わせの効果もしくは付加的な効果よりも大きな効果を可能にし得る。かくして、活性成分を用いた組み合わせ療法は、別々にまたは本発明の新しい組み合わせ品を通じて、活性成分の効能における予期しない増強を引きこし得る。これは、活性成分の標準的な投薬量を用いた場合の増大した効果または減少した投薬量を用いた場合の維持された効果を可能にする。実地では、薬物または他の活性成分の改善した生物学的利用能または効果が、1日投与量における適当な減少を可能にすることは広く認められる。望ましくないいずれかの副作用もまた、低投薬量および賦形剤(例えば、界面活性剤)の使用の低下の結果として軽減され得る。
【0056】
ICおよびPADを処置する方法
上記の濃オメガ3脂肪酸を含む組成物は、PADに罹患した患者および/またはICの症状に苦しむ患者に対し、約0.1g〜約10g、より好ましくは約1g〜約6g、最も好ましくは約2g〜約4gの日用量で投与されてよい。濃オメガ3脂肪酸の1日投与量は、1回〜10回の投薬、好ましくは1日に1回〜4回の投薬回数で、最も好ましくは1日に1回〜2回で投与されてよい。濃オメガ3脂肪酸の単回投薬を提供する他の投与形態が用いられてもよいが、投与は好ましくは経口投与である。調剤の投与は、好ましくは、ICに苦しむ患者のICを緩和するのに有効であり、および/またはICを引き起こす要因となる潜在的な状態(群)、特にPADを処置するのに有効である。
【0057】
オメガ3脂肪酸を含む組成物は、ICを緩和するのに有効な、またはそれを引き起こす潜在的な状態(群)を処置するのに有効な1つまたは複数の付加的な化合物を同時に投与してもよい。これらの潜在的な原因には、限定するものではないが、シャルコー・マリー・ツース症候群、閉塞性血栓血管炎(フォン・ヴィーニヴァルター・ビュルガー病)、閉塞性動脈硬化症、末梢血管疾患および/または末梢動脈疾患が含まれる。オメガ3脂肪酸および1つまたは複数の付加的な化合物の単位投薬剤形の投与はまた、本発明に関して想定される。
【0058】
1つまたは複数の随意の付加的な化合物は、ペントキシフィリン、アンギオテンシン転換酵素(ACE)阻害剤、異脂肪血症薬、ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬、抗不整脈剤、アゼチジノンに基づくコレステロール吸収阻害剤、ナイアシンおよび誘導体、PDE III阻害剤、例えば、シロスタゾール、PPARアゴニスト/アンタゴニスト、胆汁酸隔離剤、抗血小板薬およびその医薬上許容されるエステル、誘導体、抱合体、前駆体または塩、およびそれらの混合物から有利に選択されるが、高血圧、糖尿病または循環系の疾患に寄与する他の状態を処置するのに用いられる他の化合物との組み合わせは、本発明に関連して想定される。
【0059】
本発明の濃オメガ3脂肪酸と上記の1つまたは複数の付加的な化合物との同時投与は、製薬および医薬分野に非常に有利なおよび有益な結果を達成する。この組み合わせ療法および組み合わせ品の増大した効能は、ICおよびその潜在的な原因(例えばPAD)に対する新たなおよびより効果的な医薬的な処置を可能にする。
【0060】
本発明に関する処置方法は、ICおよびその潜在的な原因、特にPADが、LovazaとPPARアゴニスト/アンタゴニスト(特に、フェノフィブラート)との治療上有効な組み合わせ、またはLovazaと異脂肪血症薬(特に、スタチン)との治療上有効な組み合わせ、またはLovazaとステロール/スタノールとの治療上有効な組み合わせ、またはLovazaとカルシウムチャンネル遮断薬との治療上有効な組み合わせ、またはLovazaとコレステロール吸収阻害剤との治療上有効な組み合わせ、またはLovazaと抗不整脈薬との治療上有効な組み合わせを投与することにより処置されるところの、好ましい実施形態を含む。これらの方法は、以下にさらに詳細に記載されよう。
【0061】
a.Lovaza(ロバザ)およびPPARアゴニスト/アンタゴニスト
本発明は、オメガ3脂肪酸(好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸)とPPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストを投与することを含む、PDAおよび/またはICに罹患した対象の新たな処置方法であって、該オメガ3脂肪酸がPPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストの投与前、同時または投与後に投与されるところの、方法を提供する。オメガ3脂肪酸とPPARアゴニスト/アンタゴニストの両方を含む単位用量剤形が、本発明方法に関する使用に特に想定される。
【0062】
上記のように、両方の活性成分を用いた対象の処置は、各薬物の典型的な投薬量よりもより有効な処置を可能にし、または有効な処置を維持しつつ、各薬物の投薬量を減少させる選択肢を可能にする。投与は好ましくは経口投与である。
【0063】
本発明は、一般に安全と認められる量で、現在知られているもしくは将来知られるPPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストを含んでいてもよい。用語「PPARアゴニストおよび/またはアンタゴニスト」は、限定されるものではないが、PPAR−アルファ、PPAR−ガンマ、PPAR−デルタ、PPAR−アルファ/ガンマ、PPAR−ガンマ/デルタ、PPAR−アルファ/デルタ、およびPPAR−アルファ/ガンマ/デルタアゴニストおよびアンタゴニスト、ならびに部分アゴニストおよび/またはアンタゴニストを含む。具体的な化合物は、限定するものではないが、フィブラート、チアゾリジンジオン、非チアゾリジンジオンおよびメタグリダセン(metaglidasen)を含む。好ましくは、化合物は、フィブラート、例えば、フェノフィブラート、ベザフィブレート、クロフィブレートおよびゲムフィブロジル、最も好ましくはフェノフィブラートを含む。
【0064】
PPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストと濃オメガ3脂肪酸の組み合わせ品は、当分野で既知のように、カプセル剤、錠剤、飲み物中に分散され得る粉剤、または他の固体の経口投与剤形、液剤、軟ゲルカプセル剤、またはカプセル中の経口液剤などの他の標準的な投与剤形で投与されてもよい。幾つかの実施形態において、カプセル剤は、硬ゼラチンを含む。組み合わせ品もまた、注射または注入に適した液体に含まれ得る。
【0065】
一般に、PPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストの効果は、用量依存的であり、すなわち、より高い用量は、より良い治療効果を及ぼす。しかしながら、各PPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストの効果は異なっており、従って、PPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストの治療効果のレベルは、他のPPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストの治療効果のレベルと必ずしも直接的に相関する必要はないであろう。しかしながら、当業者であれば、経験や状態の重篤度に応じて、特定の対象に与えられるべき正確な投薬量を理解するであろう。
【0066】
濃オメガ3脂肪酸は、約0.1g〜約10g、より好ましくは約0.5g〜約8g、最も好ましくは約0.75g〜約4gの日用量で投与されてよい。好ましい実施形態に従い、PPARアゴニストはフェノフィブラートであり、300mgもしくはそれ未満のフェノフィブラート、好ましくは200mgもしくはそれ未満、より好ましくは160mgもしくはそれ未満、さらにより好ましくは140mgもしくはそれ未満、最も好ましくは130mgもしくはそれ未満の日用量で投与されてよい。
【0067】
PPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストと濃オメガ3脂肪酸の1日投薬は、1回〜10回の投薬で、好ましくは1日に1回〜4回の投薬回数で、最も好ましくは1日に1回〜2回で投与されてよい。PPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストと濃オメガ3脂肪酸の単回投薬量を提供する他の投与形態が用いられてもよいが、投与は好ましくは経口投与である。
【0068】
他の実施形態において、本発明の製剤は、先行技術の製剤と比較して、一方もしくは両方が従来の完全な効力を示す用量で投与された状態で、各活性成分の改善された効果を可能にする。他の実施形態において、本発明の製剤は、各活性成分の有効性を維持しまたはさらに向上させつつ、先行技術の製剤と比較して、PPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストおよび/またはオメガ3脂肪酸の減少した投薬を可能にし得る。
【0069】
PPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストとオメガ3脂肪酸の組み合わせは、2つの薬物を組み合わせた場合に期待される付加的な効果よりも大きな効果を可能にする。したがって、この2つの活性成分の組み合わせ処置は、別々にまたは本発明の新たな組み合わせ品を通じて、標準的な投薬量を用いた場合の効力における増加、またはこの2つの活性成分の減少した投薬量を用いた場合に維持された効力を引き起こす。かくして、この2つの活性成分の改善された生物学的利用能または効力は、1日投薬量における減少を可能にする。副作用もまた、低投薬用量の結果として潜在的に軽減されるであろう。
【0070】
本発明方法に関して使用される場合、PPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストは、単回の投与製品としての一般的な完全な効力を示す用量を超える量、等しい量、または未満の量で投与されてよい。例えば、PPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストは、単回の投与製品としての一般的な完全な効力を示す用量の、10%〜100%、好ましくは約25%〜100%、最も好ましくは約50%〜80%で投与されてよい。
【0071】
したがって、PPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストと濃オメガ3脂肪酸の組み合わせの投与は、ICの処置において非常に有利なおよび有益な結果を達成する。組み合わせ療法および組み合わせ品の可能な増加した効力は、ICおよびPADを含むICを引き起こす潜在的な状態の新たなおよびより効果的な医薬的な処置を可能にし得る。
【0072】
b.Lovazaと異脂肪血症薬
他の好ましい実施形態において、本発明は、好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸の剤形におけるオメガ3脂肪酸と異脂肪血症薬の投与であって、該オメガ3脂肪酸が、異脂肪血症薬の投与と同時に、例えば、単一の安定した投薬医薬組成物として、または同時に投与される別々の組成物として投与されるところの投与に関する。好ましくは、異脂肪血症薬とオメガ3脂肪酸の投与は、ICおよび/またはその潜在的な原因のいずれか、例えばPADの処置に効果的である。
【0073】
異脂肪血症薬は、好ましくは、限定するものではないが、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、ロバスタチンおよびフルバスタチンを含むスタチンである。特に好ましい実施形態において、オメガ3脂肪酸との組み合わせて用いられるスタチンは、シンバスタチンである。
【0074】
他の好ましい実施形態において、投与は、オメガ3脂肪酸と異脂肪血症薬を含み、ここで、該オメガ3脂肪酸は、併用療法処置計画を除き、異脂肪血症薬の投与とは別に投与される。例えば、異脂肪血症薬は、日摂取量のオメガ3脂肪酸と共に毎週投与されてよい。本開示内容の利益を受ける当業者であれば、オメガ3脂肪酸と異脂肪血症薬の投与についての正確な投薬および計画は、様々な要因、例えば、投与経路および状態の重篤度などに応じて変わり得ることは理解しよう。
【0075】
本発明は、安全と一般に認められる量の、現在知られているもしくは将来知られる異脂肪血症薬を含有してよい。好ましい異脂肪血症薬は、HMG CoA阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、ナイアシンおよび誘導体、例えばニコチンアミド、フィブラートおよび胆汁酸隔離剤を含む。現在のところ、広く利用可能な6種のスタチン:アトルバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチンおよびシンバスタチンがある。第7のスタチン、セリバスタチンは、この執筆中に米国の市場から消えた。しかしながら、当業者には、セリバスタチンが安全かつ効果的であると最終的に決定された場合には、本発明の幾つかの実施形態と組み合わせて使用されてよいことは想定可能である。
【0076】
一般に、異脂肪血症薬の効果は、用量依存性があり、すなわち、より多い用量では、より高い治療効果となる。しかしながら、各異脂肪血症薬の効果は、異なっており、したがって、ある異脂肪血症薬の治療効果のレベルは、必ずしも他の異脂肪血症薬の治療効果のレベルと直接相関する必要はない。しかしながら、当業者であれば、経験と状態の重篤度に応じて、特定の対象に与えられるべき正確な投薬量を理解するであろう。
【0077】
本発明の1つの実施形態において、スタチンは、一般的には、オメガ3脂肪酸のグラムあたり、約0.5mg〜80mg、より好ましくは約1mg〜約40mg、最も好ましくは約5mg〜約20mgの量で存在してよい。日用量は、約2mg〜約320mg、好ましくは約4mg〜約160mgの範囲であろう。
【0078】
異脂肪血症薬と濃オメガ3脂肪酸の1日投薬は、1日に1回〜10回で共に投与されてよく、好ましい投薬の回数は1日に1回〜4回、最も好ましくは1日に1回〜2回であろう。異脂肪血症薬と濃オメガ3脂肪酸の単位投薬を提供する投与の他の剤形が用いられてもよいが、投与は好ましくは経口投与である。
【0079】
異脂肪血症薬と濃オメガ3脂肪酸の組み合わせ品は、当分野で既知のように、カプセル剤、錠剤、液体中に分散され得る粉剤、または他の固体の経口投与剤形、液剤、軟ゲルカプセル剤あるいは他の一般的な投与剤形、例えば、カプセル剤中の経口の液剤で投与されてよい。幾つかの実施形態において、カプセル剤は、硬ゼラチンを含む。組み合わせ品はまた、注射または注入に適した液剤中に含まれてもよい。
【0080】
幾つかの実施形態において、本発明の製剤は、先行技術の製剤と比較して、一方もしくは両方が従来の完全な効力を示す用量で投与された状態で、各活性成分の改善された効果を可能にする。他の実施形態において、本発明の製剤は、各活性成分の有効性を維持しまたはさらに向上させつつ、先行技術の製剤と比較して、異脂肪血症薬および/またはオメガ3脂肪酸の減少した投薬を可能にし得る。
【0081】
異脂肪血症薬と濃オメガ3脂肪酸の本組み合わせは、2つの薬物単独で期待される何らかの組み合わせの効果または付加的な効果よりも大きな効果を可能にし得る。かくして、2つの活性成分の組み合わせ処置は、別々にまたは本発明の新しい組み合わせ品を通じて、2つの活性成分の標準的な投薬を用いた場合の増大した効果または減少した投薬を用いた場合の維持された効果を可能にする、活性成分の効能における予期しない増強を引きこし得る。実地では、薬物または他の活性成分の改善した生物学的利用能または効果が、1日投薬量における適当な減少を可能にすることは広く認められる。望ましくないいずれかの副作用もまた、低投薬量および賦形剤(例えば、界面活性剤)の減少の結果として軽減され得る。
【0082】
したがって、異脂肪血症薬は、単回投与製品として、一般的に完全な効力を示す用量と等しい量またはそれ未満の量で投与され得る。例えば、異脂肪血症薬は、単回投与製品として一般的に完全な効力を示す用量の、10%〜100%の量で、好ましくは約25%〜100%、最も好ましくは約50%〜80%の量で投与されてよい。
【0083】
異脂肪血症薬と濃オメガ3脂肪酸(例えば、Lovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸)との組み合わせの投与は、ICの処置において非常に有利なおよび有益な結果を達成する。組み合わせ療法および組み合わせ品のこの可能な増加した効力は、IC、および限定されるものではないがPADを含むICを引き起こす潜在的な状態の新たなおよびより効果的な医薬的な処置を可能にし得る。
【0084】
c.Lovazaとステロール/スタノール
本発明の他の実施形態に従い、ステロールおよび/またはスタノールを、患者におけるICおよびIC症状を引き起こす要因となる潜在的な状態、例えばPADの処置のために、オメガ3脂肪酸、好ましくは高濃度オメガ3脂肪酸、最も好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸の形態のものを組み合わせて使用する。したがって、1つまたは複数のステロールおよび/またはスタノールと1つまたは複数のオメガ3脂肪酸とを含む組み合わせ品または単回用量が、本発明の実施形態に関連して提供される。さらに好ましい実施形態において、Lovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸は、ステロールまたはスタノールの投与と同時に投与される。
【0085】
本発明は、一般に安全と認められる量で、現在知られているもしくは将来知られるステロールおよび/またはスタノールを含んでいてよい。例えば、本発明の幾つかの実施形態において、ステロールは、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、アベナステロール(avenasterol)、ブラジカステロール、エルゴステロール、およびラノステロールを含む。本発明の他の実施形態において、スタノールは、コレスタノール、シトスタノール、カンペスタノール、スチグマススタノール、アベナスタノール(avenastanol)、ブラジカスタノール、エルゴスタノールおよびラノスタノールを含む。ステロールおよび/またはスタノールは、未修飾、または好ましくは修飾された形態、例えばモノ−、ジ−およびトリグリセリドなどのグリセロールを含むエステルの形態、または脂肪酸メチルエステルおよび脂肪酸エチルエステルなどの1級アルコールの形態であってよい。好ましくは、ステロールおよび/またはスタノールは、脂肪酸エステル(別には、単純に、「ステロールエステル」または「スタノールエステル」として知られる)の形態である。特に好ましい実施形態において、ステロールはシトステロールである。本発明の他の特に好ましい実施形態において、スタノールはシトスタノールである。
【0086】
高濃度オメガ3脂肪酸、好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸は、約0.1g〜約10g、より好ましくは約1g〜約6g、最も好ましくは約2g〜約4gの量で存在してよい。未修飾または修飾されたいずれかのスタノールおよび/またはステノールは、約0.1g〜約10g、より好ましくは約0.5g〜約4g、最も好ましくは約1g〜約3gの量(これは、スタノールおよび/またはステノール単独の重量であり、他の修飾物質、例えば脂肪酸エステル部分の重量を含まない)で存在してよい。
【0087】
ステロールおよび/またはスタノールと高濃度オメガ3脂肪酸、好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸の1日投与は、1回〜10回投与、好ましい投与回数は1日につき1回〜4回、最も好ましくは1日につき1回〜2回で一緒に投与されてよい。ステロールおよび/またはスタノールと高濃度オメガ3脂肪酸の単回投与を提供する他の投与形態が用いられてもよいが、投与は好ましくは経口投与である。
【0088】
幾つかの実施形態において、本発明の製剤は、一方もしくは両方が従来の完全な効力を示す用量で投与された状態で、各活性成分の改善された効果を可能にし得る。他の実施形態において、本発明の製剤は、各活性成分の効果をいまだ維持しもしくはさらに向上させつつ、先行技術の製剤と比較して、ステロールおよび/またはスタノールおよび/またはオメガ3脂肪酸の減少した投薬を可能にし得る。
【0089】
ステロールおよび/またはスタノールと濃オメガ3脂肪酸(例えば、Lovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸)の本組み合わせは、2つの薬物単独で期待される組み合わせの効果または付加的な効果のいずれよりも大きな効果を示し得る。かくして、この2つの活性成分の組み合わせ療法は、別々にまたは本発明の新しい組み合わせ品を通じて、標準的な投薬での増大された効果またはその2つの活性成分の減少した投薬での維持された効果を可能にする、活性成分の効果における予期しない増大を引き起こし得る。薬物または他の活性成分の改善した生物学的利用能または効果が、1日投薬量における適当な減少を可能にすることは広く認められる。
【0090】
ステロールおよび/またはスタノールと濃オメガ3脂肪酸(例えば、Lovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸)の組み合わせの投与は、ICの処置において非常に有利なおよび有益な結果を達成する。組み合わせ療法および組み合わせ品のこの可能な増加した効力は、ICおよびICを引き起こす潜在的な状態の新たなおよびより効果的な医薬的処置を可能にし得る。そのような潜在的な状態は、限定されるものではないが、望ましくはPADを含む
【0091】
Lovazaとカルシウムチャンネル遮断薬
さらに好ましい他の実施形態において、本発明は、オメガ3脂肪酸、好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸の形態のものとジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬との投与を通じた、PADおよび/またはIC、あるいは、症状としてICを引き起こすいずれかの他の潜在的な状態の処置に関する。
【0092】
第1の好ましい実施形態に関し、Lovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸は、ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬の投与とは別に投与される。例えば、イスラジピンは(例えば、イスラジピンパッチを通じて)、オメガ3脂肪酸(例えば、Lovaza(登録商標)カプセル剤)の毎日の摂取に加え、週一回投与されてもよい。この開示内容により利益を受ける当業者は、Lovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸とジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬の正確な投薬および投与計画は、例えば、投与経路およびICや潜在的な状態(症状)の重篤度などの多くの要因に応じて変化しようことは理解されよう。
【0093】
第2の好ましい実施形態に関し、Lovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸は、ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬の投与と組み合わせて投与され、単位投与剤形で投与されてもよい。幾つかの実施形態において、1つまたは複数のジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬は、オメガ3脂肪酸の量と組み合わされる。
【0094】
本発明は、安全と一般に認められる量で、現在知られているもしくは将来知られるジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬を組み入れてもよい。例えば、ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬は、Bay K 8644、アムロジピン、フェロジピン、ラシジピン、レルカニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピンおよびイスラジピンを含む。好ましい実施形態において、ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬は、イスラジピンである。
【0095】
高濃度のオメガ3脂肪酸、好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸は、約0.1g〜約10g、より好ましくは約1g〜約6g、最も好ましくは約2g〜約4gの量で存在してもよい。本発明に関連して用いられる場合、ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬は、一般には、約0.5g〜100mgの量で存在してもよい。
【0096】
ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬(類)と高濃度オメガ3脂肪酸、好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸との組み合わせ品は、当分野で既知のように、カプセル剤、錠剤、飲み物中に分散され得る粉剤、液剤、軟ゲルカプセル剤、またはカプセル中の経口液剤などの他の標準的な投与剤形で投与されてもよい。幾つかの実施形態において、カプセル剤は、硬ゼラチンからなる。
【0097】
ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬と高濃度オメガ3脂肪酸の1日投与は、1回〜10回の投薬、好ましい投薬回数は1日1回〜4回、最も好ましい投薬回数は1日1回〜2回で一緒に投与されてもよい。ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬および高濃度オメガ3脂肪酸の単回投薬を提供する他の投与形態が用いられてもよいが、投与は好ましくは経口投与である。
【0098】
幾つかの実施形態において、本発明の製剤は、一方もしくは両方が従来の完全な効力を示す用量で投与された状態で、各活性成分の向上した効果を可能にする。他の実施形態において、本発明の製剤は、各活性成分の効果をいまだ維持しまたはさらに向上させつつ、先行技術の製剤と比較して、ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬および/またはオメガ3脂肪酸の減少した投薬を可能し得る。
【0099】
ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬と濃オメガ3脂肪酸の本組み合わせは、単独で用いた場合に期待される化合物の組み合わせの効果もしくは付加的な効果よりも大きな効果を可能にし得る。かくして、各活性成分の組み合わせ療法は、別々にまたは本発明の新しい組み合わせ品を通じて、2つの活性成分の標準的な投薬量を用いた場合の増大した効果、または減少した投薬量を用いた場合の維持された効果を可能にする。実地では、薬物または他の活性成分の改善された生物学的利用能または効力が、1日投薬量の適当な減少を可能にすることは広く認められる。
【0100】
ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬と濃オメガ3脂肪酸の組み合わせの投与は、IC処置における非常に有利なおよび有益な結果を達成する。この組み合わせ療法および組み合わせ品の増大した効能は、ICに対する新たなおよびより効果的な医薬的処置、ならびにPAD、PVD、高トリグリセリド血症、高血圧、アンギナ、心不全、アテローム性動脈硬化症および関連状態を含み得るICを引き起こす潜在的な状態の向上した処置を可能にする。特定の好ましい実施形態に関し、その潜在的な状態は、PADである。本発明の組成物および方法はまた、心臓血管および血管事象の発生を有利に予防もしくは低下させる。
【0101】
e.Lovazaとコレステロール吸収阻害剤
本発明のさらなる実施形態に関し、オメガ3脂肪酸は、ICおよびそれらの原因の処置のため、アゼチジノンに基づくコレステロール吸収阻害剤、好ましくはエゼチミブと組み合わせて投与され、高濃度レベルのエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ3脂肪酸の混合物、好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸と共に投与される。本発明はまた、アゼチジノンに基づくコレステロール吸収阻害剤、好ましくはエゼチミブを含む、高濃度レベルのエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ3脂肪酸の混合物、好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸との組み合わせ品または単回投薬もまた想定される。好ましい実施形態は、ICを緩和する方法、およびICを引き起こす潜在的な状態、例えば、PADを処置する方法を含む。
【0102】
本発明の組成物および方法での使用に特に好ましいアゼチジノンに基づく化合物は、エゼチミブまたはそれらの立体異性体の混合物、ジアステレオマー的に富む、ジアステレオマー的に純粋な、エナンチオマー的に富む、またはエナンチオマー的に純粋なそれらの異性体、または該化合物のプロドラッグ、それらの混合物もしくはアイソマー、あるいは該化合物、混合物、アイソマーもしくはプロドラッグの医薬上許容される塩である。他の好ましいアゼチジノンに基づくコレステロール吸収阻害剤は、エゼチミブのフェノールグルクロニドまたはそれらの立体異性体の混合物、ジアステレオマー的に富む、ジアステレオマー的に純粋な、エナンチオマー的に富む、エナンチオマー的に純粋なそれらのアイソマー、または該化合物のプロドラッグ、それらの混合物もしくはアイソマー、あるいは該化合物、混合物、アイソマーもしくはプロドラッグの医薬上許容される塩である。本発明の組成物および方法の使用に関する、2つの異なるエゼチミブ関連の類似物およびコレステロール吸収阻害剤は、文献の1)SCH58053または(+)−7−(4−クロロフェニル)−2−(4−フルオロフェニル)−7−ヒドロキシ−3R−(4−ヒドロキシフェニル)−2−アザスピロ[3,5]ノナン−1−オン)(J. Lipid Res. 43:1864-1873(2002)を参照のこと)および2)SCH48461または(3R)−3フェニルプロピル)−1,(4S)−ビス(4−メトキシフェニル)−2−アゼチジノン(J. Med. Chem., 41:973-980 (1998)を参照のこと)において参酌される。
【0103】
エゼチミブの作用様式は、コレステロール吸収および腸管での再吸収の阻害に関係する。この作用機序はまた、排泄物中のコレステロールおよび腸内で作られたその中間体の増加した排出に関係する。このエゼチミブの効果は、体内コレステロールレベルの低下、コレステロール合成の増加およびトリグリセリド合成の減少をもたらす。コレステロール合成の増加は、最初、循環系内のコレステロールレベルの維持をもたらし、コレステロール吸収および再吸収の阻害が続くため、該レベルは最終的に穏やかに減退する。薬物作用の全体的な効果は、体の循環系および組織内のコレステロールレベルの低下である。
【0104】
高濃度のオメガ3脂肪酸、好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸は、約0.1g〜約10g、より好ましくは約1g〜約6g、そして最も好ましくは約2g〜約4gの量で存在してよい。本発明の1つの実施形態において、アゼチジノンに基づくコレステロール吸収阻害剤、好ましくはエゼチミブは、約2mg〜約150mg、より好ましくは約5mg〜約100mg、さらにより好ましくは約10mg〜約50mgの量で一般に存在してもてよい。
【0105】
高濃度レベルのエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ3脂肪酸の混合物との、アゼチジノンに基づくコレステロール吸収阻害剤の投薬は、1回〜10回の投薬、好ましくは1日1回〜4回の投薬回数で、最も好ましくは1日1回〜2回の投薬回数で一緒に投与されてよい。
【0106】
アゼチジノンに基づくコレステロール吸収阻害剤、好ましくはエゼチミブと、高濃度レベルのエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ3脂肪酸の混合物、好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸との組み合わせ品は、当分野で既知のように、カプセル剤、錠剤、飲み物中に分散され得る粉剤、液剤、軟ゲルカプセル剤、またはカプセル中の経口液剤などの他の標準的な投与剤形で投与されてもよい。幾つかの実施形態において、カプセル剤は、硬ゼラチンを含む。
【0107】
幾つかの実施形態において、本発明の組み合わせは、先行技術の製剤と比較して、一方もしくは両方が従来の完全な効力を示す用量で投与された状態で、各活性成分の改善された効果を可能にする。他の実施形態において、本発明の製剤は、各活性成分の有効性を維持しまたはさらに向上させつつ、先行技術の製剤と比較して、アゼチジノンに基づくコレステロール吸収阻害剤および/またはオメガ3脂肪酸の減少した投薬を可能にし得る。
【0108】
アゼチジノンに基づくコレステロール吸収阻害剤と、高濃度レベルのエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ3脂肪酸の混合物との本組み合わせは、2つの薬物単独で期待されるいずれかの組み合わせの効果または付加的な効果よりも大きな効果を可能にし得る。かくして、2つの活性成分の組み合わせ療法は、別々にまたは本発明の新しい組み合わせ品を通じて、2つの活性成分の標準的な投薬量を用いた場合の増大した効果、または減少した投薬量を用いた場合の維持された効果を可能にする、活性成分の効能における予期しない増強を引きこし得る。実地では、薬物または他の活性成分の改善した生物学的利用能または効果が、1日投与量における適当な減少を可能にし得ることは広く認められる。望ましくないいずれかの副作用もまた、低投薬量および賦形剤(例えば、界面活性剤)の減少の結果として軽減され得る。
【0109】
アゼチジノンに基づくコレステロール吸収阻害剤と濃オメガ3脂肪酸の組み合わせの投与は、IC処置における非常に有利なおよび有益な結果を達成する。この組み合わせ療法および組み合わせ品の増大した効能は、ICに対する新たなおよびより効果的な医薬的な処置、およびPAD、PVD、高トリグリセリド血症、高血圧、アンギナ、心不全、アテローム性動脈硬化症および関連状態を含み得るICを引き起こす潜在的な状態の向上した処置を可能にする。特定の好ましい実施形態に関し、その潜在的な状態は、PADである。本発明の組成物および方法はまた、心臓血管および血管事象の発生を有利に予防もしくは低下させる。
【0110】
f.Lovazaと抗不整脈薬
本発明のさらなる変法において、抗不整脈薬とオメガ3脂肪酸(例えば、Lovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸)との投与が考えられる。この組み合わせは、以下:キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、リドカイン、メキシレチン、トカイニド、フェニトイン、エンカイニド、フレカイニド、モリシジン、プロパフェノン、エスモロール、プロプラノロール、アセブトロール、メトプロロール、アミオダロン、アジミリド、ブレチリウム、クロフィリウム、ドフェチリド、イブチリド、セマチリド、ソタロール、ベラパミル、メベフラドフィル(mebefradfil)、ジルチアゼムアデノシンまたはジゴキシンから選択される抗不整脈薬を含む単回投与または単位投与剤形として提供されてもよい。好ましい実施形態において、抗不整脈薬はプロパフェノンである。さらに好ましい実施形態において、抗不整脈薬は、Rhythmol(登録商標)である。本発明は、安全と一般に認められている量で、現在知られているもしくは将来知られる抗不整脈剤を含んでいてよい。
【0111】
抗不整脈薬と高濃度オメガ3脂肪酸、好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸の組み合わせ品は、カプセル剤、錠剤、飲み物中に分散され得る粉剤、液剤、軟ゲルカプセル剤、またはカプセル中の経口液剤などの他の標準的な投与剤形で投与されてもよい。幾つかの実施形態において、カプセル剤は、硬ゼラチンからなる。
【0112】
抗不整脈薬、好ましくはRhythmol(登録商標)としてのプロパフェノンおよび高濃度オメガ3脂肪酸、好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸の1日投与は、1回〜10回の投薬、好ましい投薬回数は1日1回〜4回、最も好ましい投薬回数は1日1回〜2回で一緒に投与されてよい。抗不整脈薬、好ましくはRhythmol(登録商標)としてのプロパフェノンおよび高濃度オメガ3脂肪酸、好ましくはLovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸の単位投薬を提供する他の投与形態が用いられてもよいが、投与は好ましくは経口投与である。
【0113】
幾つかの実施形態において、本発明の製剤は、一方もしくは両方が従来の完全な効力を示す用量で投与された状態で、各活性成分の改善された効果を可能にする。他の実施形態において、本発明の製剤は、各活性成分の有効性を維持しまたはさらに向上させつつ、先行技術の製剤と比較して、抗不整脈薬および/またはオメガ3脂肪酸の減少した投薬を可能にし得る。
【0114】
抗不整脈薬(例えば、Rhythmol(登録商標)としてのプロパフェノン)と高濃度オメガ3脂肪酸(例えば、Lovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸)の本組み合わせは、2つの薬物単独で期待されるいずれかの組み合わせの効果または付加的な効果よりも大きな効果を可能にし得る。かくして、2つの活性成分の組み合わせ療法は、別々にまたは本発明の新しい組み合わせ品を通じて、2つの活性成分の標準的な投薬量を用いた場合の増大した効果、または減少した投薬量を用いた場合の維持された効果を可能にする、活性成分の効能における予期しない増強を引きこし得る。実地では、薬物または他の活性成分の改善した生物学的利用能または効果が、1日投薬量における適当な減少を可能にし得ることは広く認められる。
【0115】
抗不整脈薬(例えば、Rhythmol(登録商標)としてのプロパフェノン)および高濃度オメガ3脂肪酸(例えば、Lovaza(登録商標)オメガ3脂肪酸)の本組み合わせの投与は、IC処置における非常に有利なおよび有益な結果を達成する。この組み合わせ療法および組み合わせ品の増大した効能は、ICおよびPADなどの潜在的な状態に対する新たなおよびより効果的な医薬的な処置を可能にする。
【0116】
3.別の実施形態
間欠性跛行およびその原因の処置以外の本発明の組成物および方法の付加的な使用もまた想定される。例えば、限定するものでないが、本発明の組成物はまた、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型脂質異常症、血管疾患、アテローム性動脈硬化症および関連状態を処置するのに、および心臓血管および血管事象を予防もしくは低下させるのに有用であり得る。本組成物はまた、これらの状態および他の状態の処置に使用するための調製物に有利に組み込むこともできる。
【0117】
上記記載はほんの一例として与えられること、および細部における改変が本発明の範囲内で行われ得ることは、もちろん理解されよう。
【0118】
本出願中のいたるところで、様々な特許および刊行物が引用されている。それらの特許および刊行物の開示内容は、その完全な形で、本発明が関係する技術分野をより完全に記載するため、出典明示により本出願の一部とされる。
【0119】
本発明は、この開示内容の利益を有する当業者に想起されるように、形式および機能において多くの改変、変更および均等物が可能である。
【0120】
本発明は、現在考えられる好ましい実施形態について記載されるが、本発明はそれに限定されない。反対に、本発明は、上記の詳細な記載の精神および目的の範囲内に含まれる様々な改変および均等置換に及ぶものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
末梢動脈障害(PAD)に罹患した患者におけるPADを処置する方法であって、
1つまたは複数のオメガ3脂肪酸を含む組成物を準備し;
PADを処置するのに有効な量で、該患者に該組成物を投与することを含む、方法。
【請求項2】
間欠性跛行(IC)に罹患した患者におけるICを処置する方法であって、
1つまたは複数のオメガ3脂肪酸を含む組成物を準備し;
ICを処置するのに有効な量で、該患者に該組成物を投与することを含む、方法。
【請求項3】
ICの潜在的な状態または危険因子に対する効果的な処置を提供するところの、請求項2記載の方法。
【請求項4】
ICの潜在的な状態または危険因子が、PAD、シャルコー・マリー・ツース症候群、閉塞性血栓血管炎(フォン・ヴィーニヴァルター・ビュルガー病)、閉塞性動脈硬化症および末梢血管疾患からなる群より選択されるところの、請求項3記載の方法。
【請求項5】
ICを処置するためのおよび/または1つまたは複数のICの潜在的な状態もしくは危険因子を処置するための医薬の製造のための、1つまたは複数のオメガ3脂肪酸の使用。
【請求項6】
1つまたは複数のICの潜在的な状態もしくは危険因子が、PAD、シャルコー・マリー・ツース症候群、閉塞性血栓血管炎(フォン・ヴィーニヴァルター・ビュルガー病)、閉塞性動脈硬化症および末梢血管疾患からなる群より選択されるところの、請求項5記載の使用。
【請求項7】
1つまたは複数のオメガ3脂肪酸が、EPAおよびDHAを含むところの、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法または使用。
【請求項8】
1つまたは複数のオメガ3脂肪酸が、該組成物の総脂肪酸内容物と比較して、重量あたり少なくとも40%の濃度で存在するところの、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法または使用。
【請求項9】
1つまたは複数のオメガ3脂肪酸が、該組成物の総脂肪酸内容物と比較して、重量あたり少なくとも80%の濃度で存在するところの、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法または使用。
【請求項10】
1つまたは複数のオメガ3脂肪酸が、該組成物の総脂肪酸内容物と比較して、重量あたり少なくとも50%のEPAおよびDHAを含むところの、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法または使用。
【請求項11】
1つまたは複数のオメガ3脂肪酸が、該組成物の総脂肪酸内容物と比較して、重量あたり少なくとも80%のEPAおよびDHAを含むところの、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法または使用。
【請求項12】
1つまたは複数のオメガ3脂肪酸が、該組成物の総脂肪酸内容物と比較して、重量あたり約40%〜約50%のEPAを含むところの、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法または使用。
【請求項13】
1つまたは複数のオメガ3脂肪酸が、該組成物の総脂肪酸内容物と比較して、重量あたり約30%〜約60%のDHAを含むところの、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法または使用。
【請求項14】
1つまたは複数のオメガ3脂肪酸が、オメガ3多価不飽和、長鎖脂肪酸;オメガ3脂肪酸とグリセロールのエステル;オメガ3脂肪酸と、1級、2級もしくは3級アルコールのエステル;およびそれらの混合物からなる群より選択されるところの、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法または使用。
【請求項15】
EPAとDHAが、1:2〜2:1のEPA:DHAの重量比であるところの、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法または使用。
【請求項16】
1つまたは複数のオメガ3脂肪酸が、ペントキシフィリン、アンギオテンシン転換酵素(ACE)阻害剤、異脂肪血症薬、ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬、抗不整脈剤、アゼチジノンに基づくコレステロール吸収阻害剤、ナイアシンおよび誘導体、PDE III阻害剤、PPARアゴニスト/アンタゴニスト、胆汁酸隔離剤、および抗血小板薬からなる群よりそれぞれ選択される、1つまたは複数の付加的な化合物との同時投与に提供されるところの、請求項1〜15のいずれか一項記載の方法または使用。

【公表番号】特表2009−544701(P2009−544701A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521785(P2009−521785)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/016526
【国際公開番号】WO2008/011178
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(506219731)リライアント・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】RELIANT PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】