説明

オリゴヌクレオチドの合成

【課題】本発明の目的は、先行技術の欠点の少なくとも一部を克服するオリゴヌクレオチドを調製するための方法を提供することである。
【解決手段】オリゴヌクレオチドを調製するための方法であって、a)式(A)を有するヒドロキシル基含有化合物を提供する工程、b)式Iを有する活性体(活性体I)の存在下で前記化合物をリン酸化剤と反応させてリン酸化化合物を調製する工程、c)活性体Iとは異なる活性体IIの存在下で、単離していない前記リン酸化化合物を式(A)を有する第二の化合物と反応させる工程を含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オリゴヌクレオチドを調製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オリゴヌクレオチドは、種々の分野に重要な役割を有する生命科学における主要な化合物である。それらは例えば、遺伝子発現分析の分野におけるプローブとして、PCRにおけるプライマーとして、又はDNA配列決定のために用いられている。
さらに、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含む多くの見込みのある治療用途もある。
より多くの用途はより多くの量のオリゴヌクレオチドを必要とするため、改善された合成方法を開発することが継続して必要である。
一般的な概要としては、例えば“Antisense - From Technology to Therapy” Blackwell Science (Oxford, 1997)を参照されたい。
【0003】
オリゴヌクレオチドの合成における一つの突出したタイプの構成ブロックは、ホスホラミダイトである;例えば、S.L. Beaucage, M. H. Caruthers, Tetrahedron Letters 1859 (1981) 22を参照されたい。ヌクレオシド、デオキシリボヌクレオシド及びこれらの誘導体のホスホラミダイトは、市場で入手可能である。通常の固相合成では3´-O-ホスホラミダイトが用いられるが、他の合成手順では5´-O及び2´-O-ホスホラミダイトも用いられる。これらのヌクレオシドホスホラミダイトの調製における一つの工程は、(保護)ヌクレオシドのリン酸化である。リン酸化後、調製したアミダイトは、通常はコストの大きい分離方法、例えばクロマトグラフィーによって単離される。単離後、敏感なアミダイトは特別な条件(例えば、低温、無水)下で保存しなければならない。保存中、アミダイトの質はある程度の分解及び加水分解によって減少し得る。両副反応が出現し得、その結果が検出可能である。最も一般的には、ヌクレオシドに存在するヒドロキシル基及びアミノ基及び他の官能基が、残った3´-、5´-又は2´-Oヒドロキシル基をリン酸化するより前に保護される。
【0004】
続いて、これらのホスホラミダイトをヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドのヒドロキシル基にカップリングさせる。単離したアミダイトの使用はまた、アミダイトカップリング中の部分的加水分解を生じ得る。
ホスホラミダイトは高価な化合物である。デオキシアミダイトの典型的な値段は、1g当たり40,00ユーロの範囲である。対応するRNA構成ブロックはさらに高価である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、先行技術の欠点の少なくとも一部を克服するオリゴヌクレオチドを調製するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施態様では、本発明は、
a)以下の式を有するヒドロキシル基含有化合物を提供する工程:
【化1】

(式中、
Bは複素環塩基であり、
及び
i)R2は、H、保護2'-ヒドロキシル基、F、保護アミノ基、O-アルキル基、O-置換アルキル、置換アルキルアミノ又はC4'-O2'メチレン結合であり、
R3は、OR'3、NHR''3、NR''3R'''3であり、R'3はヒドロキシル保護基、保護ヌクレオチド又は保護オリゴヌクレオチドであり、R''3、R'''3は独立にアミン保護基であり、及び
R5はOHであるか、
又は
ii)R2は、H、保護2'-ヒドロキシル基、F、保護アミノ基、O-アルキル基、O-置換アルキル、置換アルキルアミノ又はC4'-O2'メチレン結合であり、
R3はOHであり、及び
R5はOR'5であり、R'5はヒドロキシル保護基、保護ヌクレオチド又は保護オリゴヌクレオチドであるか、
又は
iii)R2はOHであり、
R3はOR'3、NHR''3、NR''3R'''3であり、R'3はヒドロキシル保護基、保護ヌクレオチド又は保護オリゴヌクレオチドであり、R''3、R'''3は独立にアミン保護基であり、及び
R5はOR'5であり、R'5はヒドロキシル保護基、保護ヌクレオチド又は保護オリゴヌクレオチドである)
b)式Iを有する活性体(活性体I)の存在下で前記化合物をリン酸化剤と反応させてリン酸化化合物を調製する工程、
【化2】

(式中、
R=アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、
R1、R2=H又は5〜6員環を共に形成する
X1、X2=独立にN又はCH
Y=H又はSi(R4)3、R4=アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、
B-=脱プロトン化酸)
c)テトラゾール、テトラゾールの誘導体、4,5-ジシアノイミダゾール、ピリジウム-トリフルオロアセテート及びそれらの混合物からなる群から選択される活性体IIの存在下で、単離していない前記リン酸化化合物を以下の式を有する第二の化合物と反応させる工程、
【化3】

(式中、R5、R3、R2、Bは独立に選択されるが、上記と同様の定義を有する)
を含む、オリゴヌクレオチドを調製するための方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の反応スキーム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明では、リン酸化化合物は、好ましくはイミダゾールの誘導体である式Iを有する活性体を用いて、ヌクレオシド、ヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドのヒドロキシル基をリン酸化することによって調製される。
精製又は単離をすることなく、調製した敏感なホスホラミダイトは、活性体Iとは異なる活性体IIの存在下でヌクレオシド、ヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドのヒドロキシル基にカップリングされる。調製したホスホラミダイトの単離、該アミダイトの活性体Iからの分離は必要ない。好ましくは、該反応は同一の反応容器で続けられる。活性体IIは活性体Iの存在下で用いられる。
アミダイトカップリングのための先行技術の活性体は、アミダイト官能基の活性化に高い反応性を有する。リン酸化にそのような活性体を用いると、ある程度の“過反応”(例えば、3'-3'副生成物)も製造される。この問題及び他の問題を克服するために、該活性体の反応性が調節される。この場合、該反応は、副生成物、例えば3'-3'-副生成物を実質的に含まないアミダイト濃度で選択的に停止する。唯一のこの結果(アミダイトの現場生成)が、アミダイトカップリングから出発することによる全アプローチを続けることを可能にする。
【0009】
活性体IIは、カップリング工程を誘導する能力を有する。活性体IIの添加後、アミダイトはアミダイトカップリングを開始する。
活性体IIとして、調製したアミダイトを活性化して工程c)のヒドロキシル基含有化合物と反応することのできる全ての活性体(活性体Iとは異なる);すなわち、テトラゾール及びテトラゾール誘導体を用いることができる。テトラゾールの好ましい誘導体は、ベンジルメルカプトテトラゾール及びエチルチオテトラゾール(ETT)である。好適な化合物は、非プロトン化形態の酸性水素を有する窒素含有複素環、ピリジン、ピリジン塩及びそれらの混合物からなる群から選択される。窒素含有複素環はN0-H結合を有し、すなわちNがプロトン化されていない。これらの化合物は、酸H+B-(式中、B-は請求項に定義されているのと同一の意味を有する)などの酸と組み合わせることによって塩として用いてよい。さらなる好適な活性体IIはピリジンであり、好ましくはピリジニウムトリフルオロアセテートである。
【0010】
好ましい化合物は、テトラゾール、テトラゾールの誘導体、4,5-ジシアノイミダゾール、ピリジウムトリフルオロアセテート及びそれらの混合物からなる群から選択される。
カップリング後に、典型的には酸化(PO形成)又は硫化(PS形成)が用いられる。PO形成には、ペルオキシドアプローチが好ましい。この反応は抽出工程を用いずに行うことができる(ヨウ素酸化は数段階の抽出工程を必要とする)。
硫化の場合、全ての公知な硫化用試薬(すなわち、PADS、S-Tetra、beaucage)を用いることができる。PS形成に好ましい試薬は硫黄である。生産コストの差では、硫黄の使用が支持される。
一つの実施態様では、反応はアセトンの存在下でよい。
【0011】
リン酸化剤は、ヒドロキシル基含有化合物のヒドロキシル基と比較して多かれ少なかれ当モル比で用いることができる。
さらなる実施態様では、ヒドロキシル基含有化合物において過剰量、例えば3〜5mol/molのヒドロキシル基を用いることができる。
一つのさらなる好ましい実施態様では、ポリマーアルコールを請求項1の工程b)の後に加える。好適なポリマーアルコールは、DarmstadtのMerckからPVA 145000として市場で入手可能なポリビニルアルコール(PVA)を含む。好ましくは、>120μm(80%)の粒子サイズを有する多孔性PVAである。また、ヒドロキシル基を有する膜又はエノールを形成することのできる他の化合物も好適である。
活性体Iは、化学量論的に、触媒的に(3〜50モル%、好ましくは10〜30モル%)、又は過剰に用いることができる。
【0012】
好ましい実施態様では、活性体Iが以下からなる群から選択される式を有する。
【化4】

YはH又はSi(R4)3であり、R4=アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、
B=脱プロトン化酸、
Rはメチル、フェニル又はベンジルである。
【0013】
これらの活性体の調製は、例えばHayakawa et al, J. Am. Chem. Soc. 123 (2001) 8165-8176に記載されている。
一つの実施態様では、該活性体が添加剤と組み合わされて用いられる。添加剤は、式Iを有する化合物及び他の複素環塩基、例えばピリジンの非プロトン化形態から選択することができる。活性体及び添加剤の間の好適な比は1:1〜1:10である。
一つの好ましい実施態様では、活性体は“現場の”手順に従って調製することができる。この場合、活性体は単離されず、反応の改善された結果が得られる。標的分子の加水分解及び崩壊が抑制される。
オリゴヌクレオチド(二量体、三量体、四量体、五量体、六量体、七量体及び八量体)の3'-及び/又は5'-位における高い収量のリン酸化のためには、活性体の現場調製及び添加剤の組み合わせが好ましい。
【0014】
上記のように、リン酸化は、オリゴヌクレオチド及び構成ブロックホスホラミダイトの合成に特に有用である。従って、好ましい実施態様では、ヒドロキシル基含有化合物が、例えばヌクレオシド又はオリゴマーを誘導する糖部分を含む。そのようなヌクレオシドは、例えばアデノシン、シトシン、グアノシン及びウラシル、デソキシアデノシン、デソキシグアノシン、デソキシチミジン、デソキシシトシン及びそれらの誘導体であり、これらは任意に保護基を含む。
通常は、それらは、リン酸化されるべきものを除き、それらの複素環官能基及びそれらのヒドロキシル支持基が好適に保護される。典型的には、ジメトキシトリチル、モノメトキシトリチル又はt-ブチルジメチル-シリル(TBDMS)が、5'OH-基のための保護基として用いられ、3'-OH基のリン酸化を可能にする。さらなる可能な基は、ホスファテスター及びH-ホスホネートであり、例えば以下である。
【化5】

【0015】
ホスフェートエステル及びホスホジエステルでは、Rは、アルキル、アリール、アルキルアリールから選択することができる。フェニルが好ましい。
5'、3'及び2'にさらなるヒドロキシル保護基は当技術分野でよく知られており、例えばTBDMSである。
一般的には、リン酸化剤は、リン酸化反応において用いる1-H-テトラゾールと同一にすることができる。
【0016】
好ましい実施態様では、以下の式を有する。
【化6】

式中、Zは脱離基を意味し、例えば-CH2CH2CN、-CH2CH=CHCH2CN、パラ-CH2C6H4CH2CN、-(CH2)2-5N(H)COCF3、-CH2CH2Si(C6H5)2CH3、又は-CH2CH2N(CH3)COCF3であり、R1及びR2は独立に第二級アミノ基N(R3)2であり、R3は、約1〜6個の炭素を有するアルキルであるか;又はR3は、4〜7個の原子を含有し、窒素、硫黄、及び酸素から選択される3個以下のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルケニル環である。
【0017】
典型的なリン酸化剤は、2-シアノエチル-N,N,N',N'-テトライソプロピルホスホロジアミダイトである。
他の好ましいリン酸化剤は、参照として組み込まれるN. Ok et al., J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 8307 to 8317に記載のようなオキサザホスホリジン誘導体である。このリン酸化剤はオリゴヌクレオチドの合成を可能にし、内部ヌクレオチド結合を立体選択的様式でホスホチオエートに転化することができる。そのようなジアステレオ選択的に合成された内部ヌクレオチドホスホチオエート結合は、アンチセンスドラッグ又は免疫賦活性ドラッグとしてとしてのホスホチオエートの使用に有望な影響を有する。
図1は、本発明の反応スキームを示す。
【0018】
脱プロトン化酸B-の好適な例は、トリフルオロアセテート、トリフレート、ジクロロアセテート、メシル、トシル、o-クロロフェノラートである。4.5以下のpKaを有する酸が好ましい。好ましくは、それらは低い求核性を有する。
一つの実施態様では、反応が、反応媒体を乾燥させるためのモルキュラーシーブの存在下で行われる。一般的には、水は排除するか、又は反応中は媒体を乾燥させることによって固定すべきである。
本発明の活性体Iをリン酸化剤と組み合わせ、ヒドロキシル基成分を後で加えることもできる。また、活性体Iをヒドロキシル基含有化合物と組み合わせ、その後にリン酸化剤を加えることもできる。
添加剤を用いる場合では、リン酸化剤を加える前に活性体をヒドロキシル基成分と混合する。
活性体の“現場”生成のためには、選択された酸が、好ましくは制御された反応温度下における添加剤の添加後に加えられる。
【0019】
リン酸化剤は、選択された酸の添加前又はその後に加えることができる。
酸及びリン酸化剤の添加に関連して、ヌクレオシド成分を最後又は最初に加えることができる。
好ましい実施態様では、活性体、ヒドロキシル基含有化合物、及びリン酸化剤の対応する塩基を組み合わせ、酸を加えて反応を開始させる。
続いて、リン酸化化合物(ホスホラミダイト)を、活性体IIの存在下でヌクレオシド、ヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドのヒドロキシル基にカップリングさせる。
上記のように化合物を反応させた後、調製したトリエステルを酸化する。酸化を用いて、例えば安定なホスフェート又はチオホスフェート結合を調製してよい。
【0020】
ここで用いられているように、オリゴヌクレオチドは、RNA及びDNAの形態のオリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド類似体、修飾オリゴヌクレオチド、ヌクレオチドミメティックなども含む。一般的に、これらの化合物は、結合された単量体サブユニットのバックボーンを含み、各結合された単量体サブユニットは複素環塩基部分に直接的又は関節的に付着している。単量体サブユニットを連結する結合、単量体サブユニット及び複素環塩基部分は、得られた化合物のために多くの動機を生じさせる構造で変化することができる。
【0021】
本発明は、式Xnを有するオリゴヌクレオチドの合成に特に有用であり、式中、各Xは、A、dA、C、dC、G、dG、U、dT、n=2〜30、好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜8又は2〜6、及び保護基を含むそれらの誘導体から選択される。当技術分野で公知の修飾は複素環塩基、糖又は単量体サブユニットを連結する結合の修飾である。内部ヌクレオチド結合の変形は、例えばWO 2004/011474の11頁下部に記載されており、参照としてここに組み込む。
典型的な誘導体は、ホスホチオエート、ホスホロジチオエート、メチル及びアルキルホスホネート及びホスホノアセト誘導体である。
さらなる典型的な修飾は、糖部分における。リボースを異なる糖で置換するか、又は1つ以上の位置をF、O-アルキル、S-アルキル、N-アルキルなどの他の基で置換する。好ましい実施態様は、2'-メチル及び2'-メトキシエトキシである。全てのこれらの修飾が当技術分野で知られている。
【0022】
複素環塩基部分に関しては、当技術分野で用いられているいくつかの他の合成塩基があり、例えば、5-メチル-シトシン、5-ヒドロキシ-メチル-シトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6-又は2-アルキル誘導体、2-チオウラシルである。そのような修飾は、WO 2004/011474の21頁からにも記載されている。
合成に用いられるとき、これらの塩基は通常は保護基を有し、例えば、N-6-ベンジルアデニン、N-4-ベンジルシトシン又はN-2-イソブチリルグアニンである。一般的に、さらなる反応で反応することが意図されない全ての反応基、特に糖のヒドロキシル基は保護される必要がある。
オリゴヌクレオチドの合成に関連する実施態様では、反応媒体又は他の溶媒のための共溶媒のいずれかとして用いることのできるアルデヒド又はケトンの存在下で反応行うのが有用である。
【0023】
好適な化合物はエノールを形成し得るものである。典型的な化合物は式R1R2C=Oを有し、式中、R1及びR2は独立にHであるか、又は単独で環構造を形成し得る1〜20個の炭素原子からなるか、又はR1及びR2は一緒に環系を形成し、この場合はR1及びR2は両方がHではない。非常に好ましいケトンはアセトンである。アセトンの存在はいかなる量のアミン、例えばジイソプロピルアミン(DIPA)の活性もクエンチし、これはリン酸化方法中に遊離される。これはより短い及びより長いオリゴヌクレオチドのリン酸化に用いることができ、同様の結果を与える(分解無し)。式Rx-C(=O)-Ryを有する他のケトン化合物(式中、Rx及びRyは独立にC1-C6アルキルであるか、又は一緒にシクロアルキルを形成する)はまた、それらが例えばα-位にCH2基を有するアミンの存在下でエノラートを形成することができる限り用いることができる。
本発明は、以下の非限定例によってさらに説明される。
【実施例】
【0024】
実施例1
メチル-イミダゾリウム-トリフルオロアセテート(MIT)を用いる5'-O-DMTr-T-3'-O-ホスホラミダイトの現場調製による5'-O-DMTr-T-T-3'-O-Levシアノエチルホスフェートトリエステルの合成
5.0gの5'-O-DMTr-T-3'-OH(9.2mmol、1.0当量)及び2.34gのMIT(11.9mmol、1.3当量)を100mLのジクロロメタンに溶解し、3gのモルキュラーシーブ3Å(0.3nm)を加えて該混合物を10分間攪拌した。3.8mLの2-シアノエチルN,N,N',N'-テトライソプロピルホスホジアミダイト(11.9mmol、1.3当量)を加えた。5'-O-DMTr-T-3'-O-ホスホラミダイトの形成は2時間後に完了した。3.28gの5'-OH-T-3'-O-Lev(9.64mmol、1.05当量)及び51mLのテトラゾール溶液(0.45M、22.95mmol、2.5当量)を加え、終夜攪拌した。得られた亜リン酸トリエステルを、4.57gのI2、140mLのTHF、35mLのピリジン及び4mLのH2Oの添加により酸化させた。反応は10分後に完了した。反応混合物を蒸発させ、300mLのジクロロメタンに溶解させ、200mLの飽和チオ硫酸ナトリウム溶液で抽出し、続いて200mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液で抽出した。混合した水層を30mLのジクロロメタンで抽出し、混合した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。収量9.0g(無色発泡体):98%;純度(HPLCで測定):84%。
【0025】
実施例2
メチルイミダゾリウム-トリフルオロアセテート(MIT)を用いる5'-O-DMTr-dCBz-3'-O-ホスホラミダイトの現場調製による5'-O-DMTr-dCBz-T-3'-O-Levシアノエチルリン酸トリエステルの合成
108mgのMIT(0.56mmol、1.5当量)及び224mgの5'-O-DMTr-dCBz-3'-OH(0.37mmol、1.0当量)を9mLのジクロロメタンに溶解させ、300mgのモルキュラーシーブ3Å(0.3nm)を加えた。140μLの2-シアノエチルN,N,N',N'-テトライソプロピルホスホジアミダイト(0.44mmol、1.2当量)を攪拌した溶液に加えた。5'-O-DMTr-dCBz-3'-O-ホスホラミダイトの形成は、30分後に完了した。混合物を濾過し、125mgの5'-OH-T-3'-O-Lev(0.37mmol、1.0当量)及び2mLのテトラゾール溶液(0.45M、0.9mmol、2.4当量)を加え、終夜攪拌した。得られた亜リン酸トリエステルを、10mLの酸化用溶液(254mgのI2、7.8mLのTHF、1.9mLのピリジン及び222μLのH2O)の添加によって酸化した。反応は30分後に完了した。収率(HPLCで測定):66%。
【0026】
実施例3
メチルイミダゾリウム-トリフルオロアセテート(MIT)を用いる5'-O-DMTr-dCBz-3'-O-ホスホラミダイトの現場調製による5'-O-DMTr-dCBz-dGiBu-3'-O-Levシアノエチルホスホロチオエートトリエステルの合成
2.57gの5'-O-DMTr-dCBz-3'-OH(6.0mmol、1.0当量)及び1.76gのMIT(9.0mmol、1.5当量)を6mLのアセトンに溶解させ、6mLのアセトニトリル及び3.0gのモルキュラーシーブ3Å(0.3nm)を加えた。2.46mLの2-シアノエチルN,N,N',N'-テトライソプロピルホスホジアミダイト(7.74mmol、1.3当量)を攪拌した溶液に加えた。5'-O-DMTr-dCBz-3'-O-ホスホラミダイトの形成は、30分後に完了した。この溶液を濾過し、20mLのジクロロメタン及び20mLのアセトニトリルにおける2.48gの5'-OH-GiBu-3'-O-Lev(5.7mmol、0.95当量)及び2.3gのベンジルメルカプトテトラゾール(12.0mmol、2.0当量)の溶液に加え、30分間攪拌した。得られた亜リン酸トリエステルを含有する溶液を濾過し、14gのポリマー-結合テトラチオネートチオネート(25.2mmol、4.2当量)の添加によって硫化した。反応は16時間後に完了した。収率(HPLCで測定):84%。
【0027】
実施例4
メチルイミダゾリウム-トリフルオロアセテート(MIT)を用いる5'-O-DMTr-dCBz-3'-O-ホスホラミダイトの現場調製による5'-O-DMTr-dCBz-dCBz-3'-O-Levシアノエチルホスホチオエートトリエステルの合成
10gの5'-O-DMTr-dCBz-3'-OH(15.8mmol、1.0当量)及び7.75gのMIT(39.5mmol、2.5当量)を30mLのジクロロメタン及び30mLのアセトニトリルに溶解させ、10gのモルキュラーシーブ3Å(0.3nm)を加えて、該混合物を30分間攪拌した。9.0mLの2-シアノエチルN,N,N',N'-テトライソプロピルホスホジアミダイト(28.4mmol、1.8当量)を、15mLのジクロロメタン及び15mLのアセトニトリルに溶解させた。5'-O-DMTr-dCBz-3'-OH及びMITの溶液を、2-シアノエチルN,N,N',N'-テトライソプロピルホスホジアミダイトの攪拌した溶液に液滴で加えた。5'-O-DMTr-dCBz-3'-O-ホスホラミダイトの形成は、30分後に完了した。この溶液を濾過し、90mLのジメチルホルムアミド及び450mLのアセトニトリルにおける5.43gの5'-OH-CBz-3'-O-Lev(12.6mmol、0.8当量)及び7.6gのベンジルメルカプトテトラゾール(39.5mmol、2.5当量)の溶液に加え、10分間攪拌した。得られた亜リン酸トリエステルを含有する溶液を濾過し、50gのポリマー-結合テトラチオネート(90mmol、5.7当量)の添加により硫化した。反応は16時間後に完了した。収率(HPLCで測定):80%。
【0028】
実施例5
メチルイミダゾリウム-トリフルオロアセテート(MIT)を用いる5'-O-DMTr-dABz-3'-O-ホスホラミダイトの現場調製による5'-O-DMTr-dABz-dGiBu-3'-O-Levシアノエチルホスホロチオエートトリエステルの合成
5.0gの5'-O-DMTr-dABz-3'-OH(5.8mmol、1.0当量)及び1.8gのMIT(9.2mmol、1.6当量)を50mLのアセトン及び50mLのアセトニトリルに溶解させ、2.5gのモルキュラーシーブ3Å(0.3nm)を加えて該混合物を15分間攪拌した。3.0mLの2-シアノエチルN,N,N',N'-テトライソプロピルホスホジアミダイト(9.5mmol、1.6当量)を攪拌した溶液に加えた。5'-O-DMTr-dABz-3'-O-ホスホラミダイトの形成は1時間後に完了した。この溶液を濾過し、25mLのジクロロメタン及び25mLのアセトニトリルにおける2.22gの5'-OH-GiBu-3'-O-Lev(5.1mmol、0.94当量)及び2.9gのベンジルメルカプトテトラゾール(15.1mmol、2.6当量)の溶液に加え、40分間攪拌した。得られた亜リン酸トリエステルを含有する溶液を濾過し、2gのポリマー-結合テトラチオネート(3.6mmol、3.9当量)の添加により硫化した。反応は16時間後に完了した。収率(HPLCで測定):71%。
【0029】
実施例6
メチルイミダゾリウム-トリフルオロアセテート(MIT)を用いる5'-O-DMTr-T-3'-O-ホスホラミダイトの現場調製による5'-O-DMTr-T-dGiBu-3'-O-Levシアノエチルホスホロチオエートトリエステルの合成
5.0gの5'-O-DMTr-T-3'-OH(9.2mmol、1.0当量)及び2.7gのMIT(13.5mmol、1.5当量)を50mLのアセトン及び50mLのアセトニトリルに溶解し、2.5gのモルキュラーシーブ3Å(0.3nm)を加えて該混合物を15分間攪拌した。3.0mLの2-シアノエチルN,N,N',N'-テトライソプロピルホスホジアミダイト(9.5mmol、1.03当量)を攪拌した溶液に加えた。5'-O-DMTr-T-3'-O-ホスホラミダイトの形成は1時間後に完了した。この溶液を濾過し、50mLのジクロロメタン及び50mLのアセトニトリルにおける4.44gの5'-OH-GiBu-3'-O-Lev(10.2mmol、1.1当量)及び5.3gのベンジルメルカプトテトラゾール(27.6mmol、1.6当量)の溶液に加え、2時間攪拌した。得られた亜リン酸トリエステルを含有する溶液を濾過し、30gのポリマー-結合テトラチオネート(54mmol、5.9当量)の添加により硫化した。反応は16時間後に完了した。収率(HPLCで測定):90%。
【0030】
実施例7
メチルイミダゾリウム-トリフルオロアセテート(MIT)を用いる5'-O-DMTr-T-P(S)-dCBz-3'-O-ホスホラミダイトの現場調製による5'-O-DMTr-T-dCBz-dCBz-dCBz-3'-O-Levシアノエチルホスホロチオエートトリエステルの合成
100mgの5'-O-DMTr-T-P(S)-dCBz-3'-OH(0.10mmol、1.0当量)及び24.4mgのMIT(0.11mmol、1.1当量)を10mLのジクロロメタンに溶解し、200mgのモルキュラーシーブ4Å(0.4nm)を加えた。32μLの2-シアノエチルN,N,N',N'-テトライソプロピルホスホジアミダイト(0.10mmol、1.0当量)を攪拌した溶液に加えた。5'-O-DMTr-T-P(S)-dCBz-3'-O-ホスホラミダイトの形成は、24時間後に完了した。82mgの5'-OH-dCBz-3'-P(S)-dCBz-3'-O-Lev(0.09mmol、0.9当量)及び366μLのテトラゾール溶液(0.45M、0.16mmol、1.6当量)を加え、45時間攪拌した。得られた亜リン酸トリエステルを、72時間以内に400mgのポリマー-結合テトラチオネートを加えることにより硫化した。収率(HPLCで測定):58%。
【0031】
実施例8
メチルイミダゾリウム-トリフルオロアセテート(MIT)を用いる5'-O-DMTr-dCBz-P(S)-dGiBu-3'-O-ホスホラミダイトの現場調製による5'-O-DMTr-dCBz-dGiBu-dCBz-dCBz-3'-O-Levシアノエチルホスホロチオエートトリエステルの合成
100mgの5'-O-DMTr-dCBz-P(S)-dGiBu-3'-OH(0.09mmol、1.0当量)及び17.8mgのMIT(0.09mmol、1.0当量)を10mLのジクロロメタンに溶解させ、200mgのモルキュラーシーブ4Å(0.4nm)を加えた。28μLの2-シアノエチルN,N,N',N'-テトライソプロピルホスホジアミダイト(0.09mmol、1.0当量)を攪拌した溶液に加えた。5'-O-DMTr-dCBz-P(S)-dGiBu-3'-O-ホスホラミダイトの形成は、3時間後に完了した。40mgの5'-OH-dCBz-3'-P(S)-dCBz-3'-O-Lev(0.04mmol、0.5当量)及び0.9mLのエチルチオテトラゾール溶液(0.25M、0.23mmol、2.5当量)を加え、2時間攪拌した。得られた亜リン酸トリエステルを、72時間以内に200mgのポリマー-結合テトラチオネートを添加することにより硫化した。収量30mg(14.1μmol、白色結晶):16%;純度(HPLCで測定):67%。
【0032】
実施例9
ベンジル-イミダゾリウム-トリフルオロアセテート(BIT)を用いる5'-O-DMTr-dCBz-P(S)-dCBz-3'-O-ホスホラミダイトの現場調製による5'-O-DMTr-dCBz-dCBz-dABz-T-3'-O-Levシアノエチルホスホロチオエートトリエステルの合成
100mgの5'-O-DMTr-dCBz-P(S)-dCBz-3'-OH(0.09mmol、1.0当量)及び46mgのBIT(0.17mmol、1.9当量)を5mLのアセトン及び5mLのアセトニトリルに溶解し、500mgのモルキュラーシーブ3Å(0.3nm)を加えた。58μLの2-シアノエチルN,N,N',N'-テトライソプロピルホスホジアミダイト(0.14mmol、1.5当量)を攪拌した溶液に加えた。5'-O-DMTr-dCBz-P(S)-dCBz-3'-O-ホスホラミダイトの形成は、1時間後に完了した。41.3mgの5'-OH-dABz-3'-P(S)-T-3'-O-Lev(0.05mmol、0.55当量)及び43.7mgのベンジルメルカプトテトラゾール(0.23mmol、2.5当量)を加え、1.5時間攪拌した。得られた亜リン酸トリエステルを、72時間以内に500mgのポリマー-結合テトラチオネートを加えることにより硫化した。収率(HPLCで測定):70%。
【0033】
実施例10
メチルイミダゾリウム-トリフルオロアセテート(MIT)を用いる5'-O-DMTr-dGiBu-P(O)-dGiBu-3'-O-ホスホラミダイトの現場調製による5'-O-DMTr-dGiBu-dGiBu-dGiBu-T-dGiBu-dGiBu-3'-O-Levシアノエチルホスフェートトリエステルの合成
200mgの5'-O-DMTr-dGiBu-P(O)-dGiBu-3'-OH(0.18mmol、1.0当量)及び56mgのMIT(0.27mmol、1.5当量)を5mLのアセトンに溶解し、300mgのモルキュラーシーブを加えた。128μLの2-シアノエチルN,N,N',N'-テトライソプロピルホスホジアミダイト(BisPhos)(0.4mmol、2.2当量)を攪拌した溶液に加えた。5'-O-DMTr-dGiBu-3'-P(O)-dGiBu-3'-O-ホスホラミダイトの形成は、15分後に完了した。156mgの5'-OH-dGiBu-T-dGiBu-dGiBu-3'-O-Lev(0.09mmol、1.0当量)及び87mgのベンジルメルカプトテトラゾール(0.46mmol、5.0当量)を加え、20分間攪拌した。得られた亜リン酸トリエステルを、3.7mLの酸化性溶液(94mgのI2、2.9mLのTHF、0.7mLのピリジン及び82μLのH2O)の添加により酸化した。反応は30分後に完了した。収率(HPLCで測定):51%。
【0034】
実施例11
5'-O-DMTr-dGiBu-T-3'-O-Levシアノエチルホスフェートトリエステルの合成
200g(312mmol)のDMTr-dGiBu-3'-OH及び80g(408mmol)のMITを、400mLのジクロロメタン及び400mLのアセトンに溶解した。200gのモルキュラーシーブ及び89mL(1.25mol)のNMI(N-メチル-イミダゾール)を加えた。15℃で109mL(344mmol)のBisPhosを攪拌した溶液に加えた。5'-O-DMTr-dGiBu-3'-O-ホスホラミダイトの形成は10分後に完了し、該溶液をさらに30分間攪拌した。88.4g(260mmol)の5'-OH-T-3'-O-Lev及び83,4g(624mmol)のETTを、600mLのアセトン及び600mLのジクロロメタンで溶解した。100gのモルキュラーシーブ及び86mL(1.08mol)のNMIを加えた。この攪拌した溶液に、800mLのホスホラミダイト溶液を加えた。反応は10分後に完了し、46mLのブタノンペルオキシド溶液(Curox M400)を冷却した(氷浴)混合物に加えた。反応は5分後に完了した。転化率(HPLCで測定):100%。
【0035】
実施例12
5'-O-DMTr-dGiBu-T-3'-O-Levシアノエチルホスホロチオエートトリエステルの合成
1.0g(1.56mmol)のDMTr-dGiBu-3'-OH及び368mg(1.88mmol)のMITを、3mLのジクロロメタン及び3mLのアセトンに溶解させた。1gのモルキュラーシーブ及び154μL(1.25mol)のNMIを加えた。15℃で594μL(1.87mmol)のBisPhosを攪拌した溶液に加えた。5'-O-DMTr-dGiBu-3'-O-ホスホラミダイトの形成は10分後に完了し、該溶液をさらに30分間攪拌した。438mg(1.29mmol)の5'-OH-T-3'-O-Lev及び396mg(3.07mmol)のETTを、5mLのアセトン及び5mLのジクロロメタンで溶解した。1gのモルキュラーシーブ及び248mL(3.61mol)のNMIを加えた。この攪拌した溶液に、5.5mLのホスホラミダイト溶液を加えた。反応は20分後に完了し、
A)25mg(7.8mmol)の硫黄(S8)及び2.5mgのNa2Sx9H2Oを加えた。反応は10分後に完了した。転化率(HPLCで測定):100%
B)25mg(7.8mmol)の硫黄(S8)を加えた。反応は3時間後に完了した。転化率99%。
【0036】
実施例13
5'-O-DMTr-T-dCBz-dGiBu-T-T-dGiBu-3'-O-Levシアノエチルホスホロチオエートトリエステルの合成
5.0g(4.9mmol)のDMTr-T-dCBz-3'-OH及び2.4g(12.3mmol)のMITを、10mLのジクロロメタン及び10mLのアセトンに溶解した。8gのモルキュラーシーブ及び980μL(12.3mol)のNMIを加えた。15℃で3.13mL(9.85mmol)のBisPhosを攪拌した溶液に加えた。5'-O-DMTr- T-dCBz -3'-O-ホスホラミダイトの形成は10分後に完了し、該溶液をさらに30分間攪拌した。100mLのヘプタンを加え、デカントし、10mLのジクロロメタン及び10mLのアセトンを得られた残渣に加えた。4.44g(2.79mmol)の5'-OH- dGiBu-T-T-dGiBu-3'-O-Lev及び1.05g(8.06mmol)のETTを15mLのアセトン及び15mLのジクロロメタンで溶解した。5gのモルキュラーシーブ及び640μL(8.06mol)のNMIを加えた。この攪拌した溶液に、20mLのホスホラミダイト溶液を加えた。反応は10分後に完了し、930mg(3.09mmol)のPADSを加えた。反応は10分後に完了した。転化率(HPLCで測定)92%。
【0037】
実施例14
5'-O-DMTr-dCBz-dABz- dCBz-dABz-dCBz-dABz- dCBz-dABz-3'-O-Levシアノエチルホスフェートトリエステルの合成
860mg(0.45mmol)の5'-O-DMTr-dCBz-dABz- dCBz-dABz-3'-OH及び133mg(0.67mmol)のMITを、3mLのジクロロメタン及び3mLのアセトンに溶解した。800mgのモルキュラーシーブ及び55μL(69mol)のNMIを加えた。214μL(0.65mmol)のBisPhosを攪拌した溶液に加えた。5'-O-DMTr-dCBz-dABz- dCBz-dABz-3'-3'-O-ホスホラミダイトの形成は10分後に完了し、該溶液をさらに20分間攪拌した。30mLのヘプタンを加え、デカントし、5mLのジクロロメタン及び5mLのアセトンを得られた残渣に加えた。545mg(0.3mmol)の5'-OH-dGiBu-T-T-dGiBu-3'-O-Lev及び117mg(0.9mmol)のETTを、3mLのアセトン、3mLのジクロロメタン及び0.3mLのDMFで溶解した。1gのモルキュラーシーブ及び70μL(0.9mmol)のNMIを加えた。この攪拌した溶液に、8mLのホスホラミダイト溶液を加えた。反応は30分後に完了し、70μLのブタノンペルオキシド溶液(Curox M400)を該混合物に加えた。反応は10分後に完了した。転化率(HPLCで測定):80%。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリゴヌクレオチドを調製するための方法であって、
a)以下の式を有するヒドロキシル基含有化合物を提供する工程:
【化1】

(式中、
Bは複素環塩基であり、
及び
i)R2は、H、保護2'-ヒドロキシル基、F、保護アミノ基、O-アルキル基、O-置換アルキル、置換アルキルアミノ又はC4'-O2'メチレン結合であり、
R3は、OR'3、NHR''3、NR''3R'''3であり、R'3はヒドロキシル保護基、保護ヌクレオチド又は保護オリゴヌクレオチドであり、R''3、R'''3は独立にアミン保護基であり、及び R5はOHであるか、
又は
ii)R2は、H、保護2'-ヒドロキシル基、F、保護アミノ基、O-アルキル基、O-置換アルキル、置換アルキルアミノ又はC4'-O2'メチレン結合であり、
R3はOHであり、及び
R5はOR'5であり、R'5はヒドロキシル保護基、保護ヌクレオチド又は保護オリゴヌクレオチドであるか、
又は
iii)R2はOHであり、
R3はOR'3、NHR''3、NR''3R'''3であり、R'3はヒドロキシル保護基、保護ヌクレオチド又は保護オリゴヌクレオチドであり、R''3、R'''3は独立にアミン保護基であり、及び
R5はOR'5であり、R'5はヒドロキシル保護基、保護ヌクレオチド又は保護オリゴヌクレオチドである)
b)式Iを有する活性体(活性体I)の存在下で前記化合物をリン酸化剤と反応させてリン酸化化合物を調製する工程、
【化2】

(式中、
R=アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、
R1、R2=H又は5〜6員環を共に形成する
X1、X2=独立にN又はCH
Y=H又はSi(R4)3、R4=アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、
B-=脱プロトン化酸)
c)活性体Iとは異なる活性体IIの存在下で、単離していない前記リン酸化化合物を以下の式を有する第二の化合物と反応させる工程、
【化3】

(式中、R5、R3、R2、Bは独立に選択されるが、上記と同様の定義を有する)
を含む、方法。
【請求項2】
式Iの活性体が、以下からなる群から選択される式を有する、請求項1記載の方法。
【化4】

(式中、
Yは請求項1記載の定義であり、
Rは、メチル、フェニル又はベンジルである)
【請求項3】
リン酸化剤が式IIを有する、請求項1又は2記載の方法。
【化5】

(式中、Zは脱離基を意味し、R1及びR2は独立に第二級アミノ基である)
【請求項4】
リン酸化剤が、2-シアノエチル-N,N,N',N'-テトライソプロピルホスホロジアミダイトである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
脱プロトン化酸が、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、o-クロロフェノラートからなる群から生じる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
反応がアセトンの存在下で行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
リン酸化剤が、ヒドロキシル基含有化合物におけるヒドロキシル基の1.0〜1.2mol/molの量で用いられる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
リン酸化剤が、ヒドロキシル基含有化合物におけるヒドロキシル基の3〜5mol/molの量で用いられる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
高分子アルコールが、請求項1の工程b)の後に加えられる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
高分子アルコールがポリビニルアルコールである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
脱プロトン化酸が、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸(トリフレート)、o-クロロフェノラート及びそれらの混合物からなる群から生じる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
反応がアセトンの存在下で行われる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
反応媒体の少なくとも95%(w/w)がアセトンである、請求項11記載の方法。
【請求項14】
オリゴヌクレオチドの合成における反応媒体又は共溶媒としての、式Rx-C(=O)-Ry(式中、Rx及びRyは独立にC1-C6アルキルであるか、又は一緒にシクロアルキルを形成する)を有するケトンの使用。
【請求項15】
ケトンが、アセトン、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン、又はそれらの混合物である、請求項14記載の使用。

【図1】
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【公開番号】特開2013−56939(P2013−56939A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−278535(P2012−278535)
【出願日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【分割の表示】特願2007−557523(P2007−557523)の分割
【原出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(507200813)ギリンデュス アクチェンゲゼルシャフト (6)
【Fターム(参考)】