説明

オルガノポリシロキサン組成物の連続的な製造法

【課題】従来技術を改善し、かつ、前疎水化された酸化物系補強充填剤及びオルガノポリシロキサンからなる、500000mPasを下回る粘度を有するベース材料を製造するための連続的な方法を提供する。
【解決手段】本発明は、500000mPasを下回る粘度を有するシリコーン組成物のためのベース材料の連続的な製造法に関し、その際、第一の方法工程において、オルガノポリシロキサン(A)と、前疎水化された酸化物系補強充填剤(B)とを、隣り合って配置された混練室(2)を有する連続的な混練カスケード(1)中で、均質に混合及び混練する。第二の後接続された方法工程において、第一の方法工程により製造された材料を撹拌装置(8)中で後処理に供し、その際、材料を剪断力を与える撹拌工程に供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯蔵後の粘度上昇、SiH分解、反応性の変化並びに添加物分解に対して改善された安定性を有する付加架橋性又は縮合架橋性シリコーン組成物のためのベース材料の連続的な製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
充填剤含有シリコーン組成物、例えば、RTV−2(=室温硬化性2成分)シリコーンゴムの大部分がベース材料から構成されていることは、シリコーンエラストマー分野の当業者には公知である。RTV−2−シリコーンゴムの製造のために、ベース材料と、加硫剤、並びに、加硫後に得られるシリコーンエラストマーの所定の最終特性の調節に役立つ付加架橋性又は縮合架橋性シリコーン組成物の他の典型的な成分とが、均質に混合される。
【0003】
従来技術によれば、ベース材料の製造の際には前疎水化された充填剤が使用され、該充填剤は、相応するオルガノポリシロキサンと均質に混合され、かつ混練される。ベース材料の製造のもう1つの方法は、親水性充填剤を使用し、これをいわゆる配合過程の間に好適な処理剤の使用下にin situで疎水化することである。どちらの場合にも、混入プロセスは連続的又は非連続的な製造法により行われる。非連続的なバッチ法、特にここでin situ法は、不利な空時収率、高いエネルギー消費、及び、爆発性混合物の形成の危険性に基づく保護ガスの使用の必要性が顕著であり、更に、極めて資本−及び作業集約的である。バッチ式混練機において、高い貯蔵安定性を有するオルガノポリシロキサン及び前疎水化された酸化物系補強充填剤からなるベース材料からのシリコーン組成物を製造することができ、その際、前記ベース材料をベースとして製造されたシリコーンエラストマーは、極めて均衡のとれた機械的特性プロフィールが顕著である。
【0004】
従来技術において、シリコーン組成物を連続的な方法工程で製造するための多数の技術が公知である。この場合、連続的な方法工程は、ベース材料の連続的な製造のみならず、完成シリコーン組成物の連続的な製造にも関連し、その際、後者は大抵の場合1又は少なくとも2の成分からなる。
【0005】
連続的に製造されたベース材料から構成されており、かつ、前疎水化された充填材が使用されているシリコーン組成物は、通常、非連続的に製造されたベース材料を含有するシリコーン組成物と比較して安定性が低い。
【0006】
従来技術により連続的に製造されたベース材料から製造されたシリコーン組成物のこのような低い安定性は、例えば、貯蔵後のシリコーン組成物の粘度の上昇という形で明らかになり、その際、これは特に、シリコーン組成物の輸送の際など、高められた温度で生じる。
【0007】
ベース材料の連続的な製造法におけるオルガノポリシロキサン及び充填剤の比較的わずかな滞留時間に基づき、これは、充填剤表面の不十分な不活性化をも招くことがあり、それにより、完成シリコーン組成物における不所望な反応の可能性が生じ得る。更に、不十分に不活性化された充填剤表面は、自己付着性シリコーン組成物において、充填剤表面の反応性基と、添加剤、例えば定着剤との不所望な反応を招くことがあり、これは必然的に、付着特性の悪化を招く。
【0008】
EP 0807509A1には、特別な混練機カスケードを使用した、貯蔵安定性の付加架橋性液体シリコーンゴムの連続的な製造が開示されている。この場合、混練機を用いて製造されたベース材料の脱気は、単純な脱気容器を介して行われる。このベース材料から製造されたシリコーン組成物は、すでに、貯蔵の際の粘度上昇に関する十分な安定性が顕著である。しかしながら、前記方法の本質的な欠点は、500000mPa・sを上回る粘度範囲にある貯蔵安定性のベース材料しか連続的に製造することができないという点である。500000mPa・sを下回る粘度を有するオルガノポリシロキサン材料をそのような方法で安定に製造することは不可能である。EP 0807509A1に記載された方法のもう1つの欠点は、この連続的な方法の場合、最大300kg/hの体積流量が実現され得るという点である。流量が比較的高い場合、すでに、ベース材料の安定性の明らかな低下が認められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】EP 0807509A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って本発明は、従来技術を改善し、かつ、前疎水化された酸化物系補強充填剤及びオルガノポリシロキサンからなる、500000mPa・sを下回る粘度を有するベース材料を製造するための連続的な方法を提供することを課題としていた。
【0011】
さらに、そのように製造されたオルガノシリコーン組成物は、以下の要求を満たすことが望ましい:
− 貯蔵の際に、特に高められた温度で、粘度上昇に対して高い安定性を示すこと、
− 反応性損失に対して高い安定性を示すこと、すなわち、貯蔵の際の架橋特性の変化が出来る限りないか、又は極めてわずかであること、
− 添加剤、例えば、定着剤又は安定剤との不所望な反応に対して高い安定性を示すこと、
− 加硫の直後に、特に金属性加硫金型から容易に離型可能であること、
− 使用特性、例えば、機械的特性プロフィール、例えば特に破断抵抗、破断強さ及び破断伸び及び透明性が高いレベルであること。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従って、本発明の対象は、25℃及び剪断速度1s-1で測定して500000mPasを下回る粘度を有するベース材料の製造法において、
脂肪族不飽和炭素−炭素−多重結合又はヒドロキシル基又は水素原子又はこれらからの組み合わせを有する基を1分子当たり平均で少なくとも1.5含む群から選択された少なくとも1のオルガノポリシロキサン(A)
と、
前疎水化されたか又はin situで疎水化された少なくとも1の酸化物系補強充填剤(B)
とを、
第一の方法工程において、一列に隣り合って配置された少なくとも2の混練室(2)を有する混練カスケード(1)中で、均質に混合及び混練し、
ここで、前記混練室(2)は、それぞれ2つの軸平行の同一方向に又は反対方向に動く混練工具(3)を含んでおり、かつ、前記混練工具(3)の軸(4)に対して横方向に導通可能な開口部(5)が相互に連結されており、その際、少なくとも第一の混練室は装入開口部(6)を有しており、かつ最後の混練室は排出開口部(7)を有しているものとし、
かつ、そのようにして得られた材料を、第二の後接続された後処理の方法工程において、撹拌装置(8)に投入し、
ここで、前記撹拌装置(8)は装入開口部(9)を有しており、前記装入開口部(9)を介して、第一の方法工程により製造された材料を、所定の体積流量Xで撹拌装置(8)に供給し、回転式混合工具(10)又は分散工具(19)又はスクレーパー(20)又はその組み合わせを使用して剪断力を与えて表面(14)を絶えず更新し、脱気し、かつ、排出開口部(11)を介して体積流量Yで第二の方法工程から排出する
ことを特徴とする方法である。
【0013】
有利な一実施態様において、本発明により製造されたベース材料は、25℃及び剪断速度1s-1で測定して、400000mPasを下回る、特に有利に300000mPasを下回る粘度を有する。
【0014】
有利な一実施態様において、(A)は、一般式(I)
1a2bSiO(4-a-b)/2 (I)
[式中、
1は、脂肪族炭素−炭素−多重結合を有しない、ハロゲン原子で置換されているか又は置換されていない一価のC1〜C10−炭化水素基を表し、
2は、水素原子、ヒドロキシル基、又は、基1つ当たり2〜8個の炭素原子を有する脂肪族炭素−炭素−多重結合を有する一価の炭化水素基を表し、
aは、0、1、2又は3の値を表し、かつ、
bは、0、1又は2の値を表す]
の単位からの直鎖又は分枝鎖オルガノポリシロキサンに相当する。
【0015】
オルガノポリシロキサン(A)は、有利に、25℃で、少なくとも10、特に少なくとも100mPasでかつ、有利に最高で106、特に最高で105mPasの平均粘度を有する。
【0016】
非置換の炭化水素基R1の例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソ−ペンチル基、ネオ−ペンチル基、t−ペンチル基;ヘキシル基、例えば、n−ヘキシル基、及びシクロヘキシル基;ヘプチル基、例えば、n−ヘプチル基;オクチル基、例えば、n−オクチル基、及び、イソ−オクチル基、例えば、2,2,4−トリメチルペンチル基;ノニル基、例えば、n−ノニル基;デシル基、例えば、n−デシル基;シクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基であり;ハロゲン原子で置換された炭化水素基R1の例は、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基、2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、3−クロロ−n−プロピル基、2−エチルブロミド基、及び、3−プロピルブロミド基である。有利に、R1は、C1〜C6−炭化水素基、特に、メチル基、エチル基及びフェニル基を表す。
【0017】
基R21つ当たり2〜8個の炭素原子を有する脂肪族炭素−炭素−多重結合を有する一価の炭化水素基R2の例は、アルケニル基、例えば、ビニル基、5−ヘキセニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、及び、1−ペンテニル基;及び、アルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基及び1−プロピニル基である。
【0018】
有利に、オルガノポリシロキサン(A)は、一般式(I)(式中、a+bの総和は2である)の単位を少なくとも90、特に少なくとも95モル%有する。
【0019】
有利に、オルガノポリシロキサン(A)は、一般式(I)(式中、bが0の値を有する)の単位を少なくとも60、特に少なくとも80、特に少なくとも95モル%有する。
【0020】
一般式(I)のオルガノポリシロキサン(A)は、単峰性又は多峰性の分子量分布を有するオルガノポリシロキサンか、又は、単峰性又は多峰性の分子量分布を有する種々のオルガノポリシロキサンからの混合物であってよい。
【0021】
一般式(I)のオルガノポリシロキサン(A)は、有利に1〜15、特に有利に1〜10、特に1〜4の基R2を有する。
【0022】
一般式(I)のオルガノポリシロキサン(A)の例は、直鎖、分枝鎖及び環式オルガノポリシロキサンであり、その際、前記オルガノポリシロキサンは、式
【化1】

の単位又はこれらの混合物からなる。
【0023】
脂肪族炭素−炭素−多重結合を有するオルガノポリシロキサン(A)の有利な実施態様は、以下の通りである:
(H2C=CH)(CH3)SiO2/2単位及び(CH32SiO2/2単位を有し、(CH33SiO1/2末端基を有するコポリマー、
(CH32SiO2/2単位を有し、(H2C=CH)(CH32SiO1/2末端基を有するコポリマー、
(H2C=CH)(CH3)SiO2/2単位及び(CH32SiO2/2単位を有し、(H2C=CH)(CH32SiO1/2末端基を有するコポリマー、
(CH32SiO2/2単位を有し、(CH33SiO1/2末端基を有するコポリマー、
(Ph)2SiO2/2単位及び(H2C=CH)(CH3)SiO2/2単位を有し、(CH33SiO1/2末端基を有するコポリマー、
(Ph)2SiO2/2単位、(CH32SiO2/2単位及び(H2C=CH)(CH3)SiO2/2単位を有し、(CH33SiO1/2末端基を有するコポリマー、
(Ph)2SiO2/2単位及び(H2C=CH)(CH3)SiO2/2単位を有し、(H2C=CH)(CH32SiO2/2末端基を有するコポリマー、
(Ph)2SiO2/2単位、(CH32SiO2/2単位及び(H2C=CH)(CH3)SiO2/2単位を有し、(H2C=CH)(CH32SiO1/2末端基を有するコポリマー、
(Ph)(CH3)SiO2/2単位、(CH32SiO2/2単位及び(H2C=CH)(CH3)Si2/2単位を有し、(CH33SiO1/2末端基を有するコポリマー、
(Ph)(CH3)SiO2/2単位、(CH32SiO2/2単位及び(H2C=CH)(CH3)Si2/2単位を有し、(H2C=CH)(CH32SiO1/2末端基を有するコポリマー、
(Ph)(CH3)SiO2/2単位及び(H2C=CH)(CH3)Si2/2単位を有し、(CH33SiO1/2末端基を有するコポリマー。
【0024】
脂肪族炭素−炭素−多重結合を有するオルガノポリシロキサン(A)の特に有利な実施態様は、以下の通りである:
(H2C=CH)(CH3)SiO2/2単位及び(CH32SiO2/2単位を有し、(CH33SiO1/2末端基を有するコポリマー、
(CH32SiO2/2単位を有し、(H2C=CH)(CH32SiO1/2末端基を有するコポリマー、
(H2C=CH)(CH3)SiO2/2単位及び(CH32SiO2/2単位を有し、(H2C=CH)(CH32SiO1/2末端基を有するコポリマー、
(CH32SiO2/2単位を有し、(CH33SiO1/2末端基を有するコポリマー。
【0025】
脂肪族炭素−炭素−多重結合を有するオルガノポリシロキサン(A)の上記の例は、水素原子ないしヒドロキシル基としてのR2を有するオルガノポリシロキサン(A)についても同様に当てはまる。この場合、(H2C=CH)基を−OHないし−Hに代替することができる。
【0026】
他の実施態様において、R2=(H2C=CH)−又は−OH又は−Hである上記例の組み合わせからのオルガノポリシロキサン(A)を含有するコポリマーも可能である。
【0027】
補強充填剤(B)は、有利に前疎水化されている。前疎水化された補強充填剤(B)は、有利に、それぞれ酸化物系の前疎水化された粉末状充填剤、例えば、熱分解により製造されたシリカ、沈降シリカ、及び、ケイ素−アルミニウム−混合酸化物、又は、繊維状充填剤、例えばアスベストである。前記補強充填剤(B)は、1種類の充填剤であってよいが、少なくとも2の充填剤の混合物を使用することもできる。疎水化により得られた充填剤(B)の炭素含分は、有利に、少なくとも0.5質量%、有利にせいぜい6質量%である。充填剤の炭素含分を測定する場合、乾燥を少なくとも200℃で少なくとも2時間行うことによって、測定される炭素含分が充填剤(B)の疎水性層に関するものであることが保証される。
【0028】
補強充填剤(B)として特に有利なものは、熱分解により製造されたシリカ及び沈降シリカである。有利に、補強充填剤(B)のBET表面積は少なくとも50m2/g、特に少なくとも80m2/g、特に少なくとも120m2/gである。
【0029】
補強充填剤(B)は、例えば、オルガノシラン、オルガノシラザン、ないしオルガノシロキサンでの処理により、又は、ヒドロキシル基からアルコキシ基へのエーテル化によって疎水化されている。有利な疎水化法は、US5,057,151に記載されている。
【0030】
有利に、オルガノポリシロキサン(A)100質量部に対して、少なくとも5、有利に少なくとも10、特に少なくとも20質量部で、かつ最高で200、有利に最高で150、特に最高で100質量部の補強充填剤(B)が使用される。
【0031】
もう1つの実施態様において、水を、0.01質量%〜2.0質量%、有利に0.03〜1.5質量%、特に有利に0.05質量%〜1.0質量%の量で、第一の方法工程において添加することができる。
【0032】
本発明による方法により製造されたベース材料は、選択的に、成分として、他の添加剤(H)を、有利に70質量%まで、有利に0.0001〜40質量%の割合で含有することができる。この場合、添加剤(H)は、第一の方法工程において、第二の方法工程において、並びに、本発明による方法の前または後で添加することができる。この添加剤は、例えば、安定剤、顔料、又は、加工ないしオルガノポリシロキサンでの使用充填剤の湿潤を容易にするか、又は、加硫後に得られるシリコーンエラストマーの所定の最終特性の調節に役立つ、他の添加剤であってよい。この添加剤は、例えば、不活性充填剤、例えば、石英、タルク、樹脂状ポリオルガノシロキサン、分散助剤、溶剤、定着剤、顔料、着色剤、可塑剤、有機ポリマー、熱安定剤等であってよい。これには、活性炭、石英粉、珪藻土、粘土、チョーク、リトポン、カーボンブラック、グラファイト、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、カルボン酸の金属塩、金属ダスト、繊維、例えば、ガラス繊維、プラスチック繊維、プラスチック粉末、着色剤、顔料等のような添加剤が含まれる。
【0033】
本発明による方法により製造されたベース材料は、有利に、RTV−2−シリコーンゴムの製造に使用される。
【0034】
驚異的にも、シリコーン組成物ないしベース材料を、第一の方法工程がEP 0807509A1により従来公知である方法に相当し、かつ第二の工程が第一の方法工程から得られた材料の上記の撹拌装置(8)を介した連続的な後処理に相当する、上記の本発明による二工程のプロセスによる本発明による方法から製造することができることが判明し、その際、前記方法は、以下の利点を有する:
− 貯蔵の際に、特に高められた温度で、粘度上昇に対して改善された安定性を示すこと、
− 反応性損失に対して改善された安定性を示すこと、すなわち、貯蔵の際の架橋特性の変化がわずかであること、
− 添加剤、例えば、定着剤又は安定剤との不所望な反応に対して改善された安定性を示すこと。
【0035】
さらに、本発明により製造されたベース材料を含有するシリコーン組成物からの架橋により製造されるシリコーンエラストマーは、加硫の直後に特に金属性加硫金型から容易に離型可能であり、使用特性、例えば、透明性、及び、機械的特性プロフィール、例えば特に破断抵抗、破断強さ及び破断伸びが高いレベルである。
【0036】
有利な一実施態様において、該方法は、第一の方法工程において付加的に、少なくとも1の脱気装置、例えば脱気ドームを備えており、その際、真空が適用される。特に有利な一実施態様において、真空が剛性段階で適用される。
【0037】
本発明による方法の有利な一実施態様において、第二の方法工程において、ベース材料の平均滞留時間は、第一の方法工程における平均滞留時間よりも長い。
【0038】
第二の方法工程において製造されたベース材料のための滞留時間は、ベース材料が占める装置体積を、流出する体積流量Yで除した商として定義されている。この場合、滞留時間は、0.1〜15h、有利に0.1〜10h、特に有利に0.1〜5hの範囲内である。
【0039】
第二の方法工程は、有利に混合要素(10)又は分散要素(19)又はスクレーパー(20)を含む連続運転式撹拌装置(8)に関連する。特に有利な一実施態様において、第二の方法工程における撹拌装置(8)は、混合要素(10)、分散要素(19)及びスクレーパー(20)を含む。装置の設計に応じて、すなわち、ベース材料が第二の方法工程の撹拌装置(8)中で占める、連続運転で調節される体積、及び、体積流量X及びYに応じて、連続運転式撹拌装置(8)を用いて多様な滞留時間を設定することができる。
【0040】
有利な一実施態様において、第二の方法工程の撹拌装置(8)は、ベース材料が、前記撹拌装置の内部で十分に大きなガス空間(13)と接するように運転される。特に有利な一実施態様において、第二の方法工程の撹拌装置(8)は、ベース材料が前記撹拌装置(8)の全体積に対して20〜90%、特に30〜80%含まれるように運転される。
【0041】
本発明による方法のもう1つの有利な実施態様において、第二の方法工程において、第一の方法工程により製造された材料が、高められた温度で真空処理に供される。この場合、前記温度は80〜250℃、有利に100〜250℃、特に有利に120〜230℃の範囲内である。この場合、圧力は、0.1〜900ミリバール、有利に1〜300ミリバール、特に有利に1〜150ミリバールの範囲内である。
【0042】
本発明による方法のもう1つの有利な実施態様において、第二の方法工程において、表面積−体積比は、第一の方法工程の表面積−体積比よりも大きい。
【0043】
表面積−体積比とは、本発明において、ベース材料が撹拌装置(8)中で占める体積(15)に対する、真空(13)又はガス空間(13)に接しているベース材料の表面積(14)の比であると解釈される。この場合、表面積−体積比は、0.1〜10、有利に0.25〜10、特に有利に0.5〜8の範囲内であることが望ましい。
【0044】
本発明による方法のもう1つの有利な実施態様において、第二の方法工程において、それぞれスクレーパー(20)を有するか又は有しない、遊星式撹拌工具又は二軸遊星式撹拌工具、クロスアーム式撹拌工具、螺旋式撹拌工具、プロペラ式撹拌工具、鋤刃式工具を含む群から選択された混合工具(10)が使用される。分散工具(19)は、例えば、溶解機ディスク、フライス工具並びにロータ・ステータ原理による全てのホモジナイザーである。この場合、上記の工具(10)、(19)及び(20)からの組み合わせを使用することもできる。特に有利に、第二の方法工程において、遊星式撹拌工具、又は、二軸遊星式撹拌工具、クロスアーム式撹拌工具、鋤刃式工具、溶解機ディスク、フライス工具並びにロータ・ステータ原理による全てのホモジナイザー、スクレーパー又はこれらからの組み合わせからなる群から選択された混合工具(10)及び分散工具(19)及びスクレーパー(20)を使用することができる。
【0045】
本発明による方法のもう1つの有利な実施態様において、第二の方法工程において、相互に独立して作動する駆動装置(12)を介して作動する複数の混合工具(10)及び/又は分散工具(19)が使用される。この場合、この混合工具(10)及び/又は分散工具(19)は、同一方向に又は反対方向に作動することができる。
【0046】
有利な一実施態様において、第二の方法工程は加熱装置/冷却装置を備えており、該装置を用いて、材料を、250℃、有利に200℃までの温度に調温することができる。このことは、例えば、撹拌装置の外部壁に取り付けられた少なくとも1の加熱ジャケット/冷却ジャケットを介して実現することができる。
【0047】
本発明による方法の一実施態様において、第二の方法工程の撹拌装置(8)において、体積流量Xは、体積流量Yに対する比で、0.5〜1.5の範囲内に調節される。
【0048】
本発明のもう1つの有利な実施態様において、第二の方法工程の撹拌装置(8)における材料の脱気は、真空(13)中で連続的又は非連続的なガス流(16)を用いて行われ、その際、撹拌装置中に導入されるいわゆるエントレイナーガスが、揮発性成分のより良好な除去に役立つ。特に有利な一実施態様において、不活性ガス、特に窒素がエントレイナーガスとして使用される。
【0049】
有利な一実施態様において、第一の方法工程は第二の方法工程と直接連結されている。これは有利に、第一の方法工程において製造された材料が、管系を介して、場合により、搬送装置(17)、例えばポンプを用いて、第二の方法工程に直接連結されているという様式で行われる。このことは、本発明による方法を用いた完全に連続的なベース材料の製造を保証する。
【0050】
本発明により使用される第二の方法工程は、連続的な運転において、常に十分な量の材料が撹拌装置(8)中に含まれるように制御される。このことは、主に、体積流量X及びYの調節により実現される。更に、混合工具(10)及び/又は分散工具(19)の回転数及び回転方向の制御によって、剪断力導入並びに混合強度を意図的に調節することができる。有利な一実施態様において、混合工具(10)(スクレーパー(20)を含む)の回転数は、0.1〜200s-1の範囲内、特に有利に1〜150s-1の範囲内である。これは、0.1〜20m/s、有利に0.5〜10m/sの周速に相当する。もう1つの実施態様において、分散工具/ホモジナイザー(19)の回転数は、50〜5000s-1の範囲内、特に有利に200〜4000s-1の範囲内であり、これは1〜100m/s、有利に4〜80m/sの周速に相当する。
【0051】
第二の方法工程の有利な一実施態様において、混合工具(10)及び/又は分散工具(19)は、ベース材料が排出開口部(11)へと搬送されるように設計されている。ベース材料を、搬送装置(17)、例えばポンプを用いて排出開口部へと搬送することもできる。この場合、この搬送装置は、例えばロータ・ステータ原理により作動する搬送作用を有するホモジナイザーであってもよい。
【0052】
有利に、第二の方法工程の撹拌装置(8)において、第一の方法工程からのベース材料のための装入開口部(9)の隣に、例えば加工助剤、他のオルガノポリシロキサン又は添加剤の連続的な供給を可能にする他の装入開口部(18)が存在している。
【0053】
有利に、撹拌装置(8)は、排出すべき体積流量Yの0〜1の任意の比を撹拌装置(8)へと返送し、かつ再度処理することを可能にするバイパス循環を含むこともできる。
【0054】
第一及び第二の方法工程の多数の実施態様のうちの可能な一実施態様を、図1に断面図として示す。図1では、同一の要素は同一の符号で示されている。混練カスケード(1)は、図1において、一列に隣り合って配置された4つの混練室(2)を有する。図1は、本発明による方法のために使用することのできる装置の可能な一実施態様を示すものに過ぎず、本発明による方法はこの装置に限定されるものではない。
【0055】
装入開口部(6)は混練室(2)へと直接導かれているか、又は、2つの混練室(2)の間に配置されていてよい。
【0056】
本発明の第一の方法工程の混練カスケード(1)の有利な一実施態様において、最後の混練室は、生成物排出を改善するためのポンプ翼を有する。装入物質、例えば、オルガノポリシロキサン(A)、充填剤(B)及び場合により他の添加剤のベース材料への供給及び混和は、任意の順序であってよく、例えば、充填剤(B)の供給を、混練カスケード(1)の1以上の混練室(2)へと行うこともできる。オルガノポリシロキサン(A)の供給は、第一の混練室(2)中で行うことも、(少なくとも部分的に)1以上の後接続された混練室(2)中で行うこともでき、その結果、例えば、材料の粘度が低下する。全ての混練室(2)において必要な充填剤(B)を供給することができるが、有利に、最後の室(2)には充填剤(B)は供給されない。この場合、必要な全ての充填剤量を、例えば、第一の室(2)の1つ/2つ/3つ又は4つにのみ供給することができるが、全てへの割合に応じた充填剤の分配も同様に可能である。
【0057】
図1に可能な実施態様として示されている第二の方法工程の撹拌装置(8)は、有利に金属容器からなり、前記金属容器は装入開口部(9)を有しており、前記装入開口部(9)を介して、第一の方法工程からの材料が体積流量Xで供給される。混合工具(10)及び/又は分散工具(19)は場合によりスクレーパー(20)により補われてもよい。これらを、駆動装置(12)、例えば電気モーターを用いて、又は液圧式装置を介して回転させ、かつ、例えば、トルク調節装置を介して相互に独立して制御することができる。撹拌装置(8)は、ガス流入部及びガス排出部(16)を有しており、その際、ガス流入部を介して有利にエントレイナーガスが導入され、かつガス排出部で有利に真空が適用される。第二の方法工程の排出開口部(11)を介して、ベース材料の排出が体積流量Yで行われる。
【0058】
撹拌装置(8)は、垂直型混合機として、又は水平型混合機として構成されていてよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明による方法の一実施態様を示す図。
【実施例】
【0060】
以下の実施例により本発明を説明するが、これに限定されるものではない。
【0061】
以下に示す実施例において、他に記載がない場合、全ての量及びパーセントの表記は質量に関するものであり、かつ全ての圧力は0.10MPa(絶対)である。
【0062】
以下に、概略図1と同様の本発明による方法による低粘度のオルガノポリシロキサン−ベース材料の連続的な製造のための本発明による実施例を、単工程の方法と比較して記載する。
【0063】
実施例1(本発明によらない)
連続的な混練機において、粘度約1000mPasのα,ω−ジビニル−オルガノポリシロキサン30kg/h中に、Wacker Chemie AG社製のHDK(R) SKS 130型の処理されたシリカ25kg/hを混入し、その際、温度を180℃に上昇させる。混練機の端部で、粘度約1000mPasのα,ω−ジビニル−オルガノポリシロキサン20kg/hを用いて、所望の最終粘度となるまで希釈する。そのようにして得られたオルガノポリシロキサンベース材料を冷却した後に、ブルックフィールド粘度計を用いて23℃で粘度を測定する。粘度は測定不可能であり、材料は不動であり、かつ流動性でない。流動性の完成材料への更なる加工は不可能である。
【0064】
実施例2(本発明による)
連続的な混練機において、粘度約1000mPasのα,ω−ジビニル−オルガノポリシロキサン30kg/h中に、Wacker Chemie AG社製のHDK(R) SKS 130型の処理されたシリカ25kg/hを混入し、その際、温度を180℃に上昇させる。混練機の端部で、粘度約1000mPasのα,ω−ジビニル−オルガノポリシロキサン20kg/hを用いて、所望の最終粘度となるまで希釈する。材料流を連続的な混合機へと更に送り、そこで180℃でかつ100ミリバール絶対の真空で混合し、かつ、2つの溶解機ディスクを用いて1300rpmで剪断する。ここで、工程1からの流量及び体積から平均滞留時間が2hとなるように、連続的に材料を取り出す。
【0065】
そのようにして得られたオルガノポリシロキサンベース材料を冷却した後に、ブルックフィールド粘度計を用いて23℃で粘度を測定する。粘度は80000mPasで測定可能であり、材料は極めて十分に流動性である。流動性の完成材料への更なる加工は問題なく可能である。
【0066】
以下に示す第1表に、第二のプロセス工程なしの参照(実施例1)と比較した、製造t=0d(=日)後、及び貯蔵時間t=28d後の実施例2からの材料の粘度挙動を示す。
【0067】
【表1】

【0068】
実施例3(本発明によらない)
連続的な混練機において、粘度約1000mPasのα,ω−ジビニル−オルガノポリシロキサン25kg/h中に、Wacker Chemie AG社製のHDK(R) SKS 130型の処理されたシリカ25kg/hを混入し、その際、温度を180℃に上昇させる。混練機の端部で、粘度約1000mPasのα,ω−二水素オルガノポリシロキサン25kg/hを用いて、所望の最終粘度となるまで希釈する。そのようにして得られたオルガノポリシロキサンベース材料を冷却した後、ブルックフィールド粘度計を用いて23℃で粘度を測定する。粘度は測定不可能であり、材料は不動であり、かつ流動性でない。流動性の完成材料への更なる加工は不可能である。
【0069】
実施例4(本発明による)
連続的な混練機において、粘度約1000mPasのα,ω−ジビニル−オルガノポリシロキサン25kg/h中に、Wacker Chemie AG社製のHDK(R) SKS 130型の処理されたシリカ25kg/hを混入し、その際、温度を180℃に上昇させる。混練機の端部で、粘度約1000mPasのα,ω−二水素−オルガノポリシロキサン25kg/hを用いて、所望の最終粘度となるまで希釈する。材料流を連続的な混合機へと更に送り、そこで180℃でかつ100ミリバール絶対の真空で混合し、かつ、2つの溶解機ディスクを用いて1300rpmで剪断する。ここで、工程1からの流量及び体積から平均滞留時間が2hとなるように、連続的に材料を取り出す。
【0070】
そのようにして得られたオルガノポリシロキサンベース材料を冷却した後に、ブルックフィールド粘度計を用いて23℃で粘度を測定する。粘度は50000mPasで測定可能であり、材料は極めて十分に流動性である。流動性の完成材料への更なる加工は問題なく可能である。
【0071】
以下に示す第2表に、第二のプロセス工程なしの参照(実施例3)と比較した、製造t=0d後、及び貯蔵時間t=28d後の実施例4からの材料の粘度挙動を示す。
【0072】
【表2】

【0073】
実施例5(本発明によらない)
連続的な混練機において、粘度約1000mPasのα,ω−ジビニル−オルガノポリシロキサン25kg/h中に、脱塩水0.1kg/h、Wacker Chemie AG社製のHDK(R) SKS 130型の処理されたシリカ25kg/hを混入し、その際、温度を180℃に上昇させる。混練機の端部で、粘度約1000mPasのα,ω−二水素オルガノポリシロキサン25kg/hを用いて、所望の最終粘度となるまで希釈する。そのようにして得られたオルガノポリシロキサンベース材料を冷却した後、ブルックフィールド粘度計を用いて23℃で粘度を測定する。粘度は測定不可能であり、材料は不動であり、かつ流動性でない。流動性の完成材料への更なる加工は不可能である。
【0074】
実施例6(本発明による)
連続的な混練機において、粘度約1000mPasのα,ω−ジビニル−オルガノポリシロキサン25kg/h中に、脱塩水0.1kg/h、Wacker Chemie AG社製のHDK(R) SKS 130型の処理されたシリカ25kg/hを混入し、その際、温度を180℃に上昇させる。混練機の端部で、粘度約1000mPasのα,ω−二水素−オルガノポリシロキサン25kg/hを用いて、所望の最終粘度となるまで希釈する。材料流を連続的な混合機へと更に送り、そこで180℃でかつ100ミリバール絶対の真空で混合し、かつ、2つの溶解機ディスクを用いて1300rpmで剪断する。ここで、工程1からの流量及び体積から平均滞留時間が2hとなるように、連続的に材料を取り出す。
【0075】
そのようにして得られたオルガノポリシロキサンベース材料を冷却した後に、ブルックフィールド粘度計を用いて23℃で粘度を測定する。粘度は40000mPasで測定可能であり、材料は極めて十分に流動性である。流動性の完成材料への更なる加工は問題なく可能である。
【0076】
以下に示す第3表に、第二のプロセス工程なしの参照(実施例5)と比較した、製造t=0d後、及び貯蔵時間t=28d後の実施例6からの材料の粘度挙動を示す。
【0077】
【表3】

【0078】
実施例7(本発明によらない)
連続的な混練機において、粘度約20000mPasのα,ω−ジヒドロキシ−オルガノポリシロキサン35kg/h中に、Wacker Chemie AG社製のHDK(R) SKS 130型の処理されたシリカ21kg/hを混入し、その際、温度を160℃に上昇させる。混練機の端部で、粘度約75000mPasのα,ω−ジヒドロキシ−オルガノポリシロキサン31kg/h、及び、粘度約20000mPasのα,ω−ジヒドロキシ−オルガノポリシロキサン7kg/hを用いて、所望の最終粘度となるまで希釈する。そのようにして得られたオルガノポリシロキサンベース材料を冷却した後、ブルックフィールド粘度計を用いて23℃で粘度を測定する。粘度は測定不可能であり、材料は不動であり、かつ流動性でない。流動性の完成材料への更なる加工は不可能である。
【0079】
実施例8(本発明による)
連続的な混練機において、粘度約20000mPasのα,ω−ジヒドロキシ−オルガノポリシロキサン35kg/h中に、Wacker Chemie AG社製のHDK(R) SKS 130型の処理されたシリカ21kg/hを混入し、その際、温度を160℃に上昇させる。混練機の端部で、粘度約75000mPasのα,ω−ジヒドロキシ−オルガノポリシロキサン31kg/h、及び、粘度約20000mPasのα,ω−ジヒドロキシ−オルガノポリシロキサン7kg/hを用いて、所望の最終粘度となるまで希釈する。材料流を連続的な混合機へと更に送り、そこで180℃でかつ100ミリバール絶対の真空で混合し、かつ、2つの溶解機ディスクを用いて1300rpmで剪断する。ここで、工程1からの流量及び体積から平均滞留時間が2hとなるように、連続的に材料を取り出す。
【0080】
そのようにして得られたオルガノポリシロキサンベース材料を冷却した後に、ブルックフィールド粘度計を用いて23℃で粘度を測定する。粘度は250000mPasで測定可能であり、材料は極めて十分に流動性である。流動性の完成材料への更なる加工は問題なく可能である。
【0081】
以下に示す第4表に、第二のプロセス工程なしの参照(実施例7)と比較した、製造t=0d後、及び貯蔵時間t=28d後の実施例8からの材料の粘度挙動を示す。
【0082】
【表4】

【0083】
上記の全ての実施例から、本発明による上記の二工程の方法を用いて初めて、RTV−2最終製品において使用するための低粘度の貯蔵安定性のオルガノポリシロキサン材料を連続的に製造することが可能となることが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
25℃及び剪断速度1s-1で測定して500000mPasを下回る粘度を有するベース材料の製造法において、
脂肪族不飽和炭素−炭素−多重結合又はヒドロキシル基又は水素原子又はこれらからの組み合わせを有する基を1分子当たり平均で少なくとも1.5含む群から選択された少なくとも1のオルガノポリシロキサン(A)
と、
疎水化により得られた炭素含分を少なくとも0.5質量%有する少なくとも1の前疎水化された酸化物系補強充填剤(B)
とを、
第一の方法工程において、一列に隣り合って配置された少なくとも2の混練室(2)を有する混練カスケード(1)中で、均質に混合及び混練し、
ここで、前記混練室(2)は、それぞれ2つの軸平行の同一方向に又は反対方向に動く混練工具(3)を含んでおり、かつ、前記混練工具(3)の軸(4)に対して横方向に導通可能な開口部(5)が相互に連結されており、その際、少なくとも第一の混練室は装入開口部(6)を有しており、かつ最後の混練室は排出開口部(7)を有しているものとし、
かつ、そのようにして得られた材料を、第二の後接続された後処理の方法工程において、撹拌装置(8)に投入し、
ここで、前記撹拌装置(8)は装入開口部(9)を有しており、前記装入開口部(9)を介して、第一の方法工程により製造された材料を、所定の体積流量Xで撹拌装置(8)に供給し、回転式混合工具(10)又は分散工具(19)又はスクレーパー(20)又はその組み合わせを使用して剪断力を与えて表面(14)を絶えず更新し、脱気し、かつ、排出開口部(11)を介して体積流量Yで第二の方法工程から排出する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
付加的に、水を0.01質量%〜2.0質量%の量で、第一の方法工程において添加する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
オルガノポリシロキサン(A)が、一般式(I)
1a2bSiO(4-a-b)/2 (I)
[式中、
1は、脂肪族炭素−炭素−多重結合を有しない、ハロゲン原子で置換されているか又は置換されていない一価のC1〜C10−炭化水素基を表し、
2は、水素原子、ヒドロキシル基、又は、基1つ当たり2〜8個の炭素原子を有する脂肪族炭素−炭素−多重結合を有する一価の炭化水素基を表し、
aは、0、1、2又は3の値を表し、かつ、
bは、0、1又は2の値を表す]
の単位からなる、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
第二の方法工程において、ベース材料の平均滞留時間が、第一の方法工程におけるベース材料の平均滞留時間よりも長い、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
第二の方法工程において、表面積−体積比が、第一の方法工程の表面積−体積比よりも大きい、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
第二の方法工程において、第一の方法工程により製造された材料を、80〜250℃の温度で真空処理する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
第二の方法工程の滞留時間が、0.1〜15hの範囲内である、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
第二の方法工程において、混合工具(10)、分散工具(19)及びスクレーパー(20)からの組み合わせを使用する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−144172(P2010−144172A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286003(P2009−286003)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】