オンデマンド・コンテンツのローカルな格納を管理するためのシステムおよび方法
【課題】オンデマンド・コンテンツのローカルな格納を管理するためのシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するためのオンデマンドのシステムおよび方法が提供される。レンタル条件、動的要因および鍵を含むことができる制約基準を基にして、ユーザ機器がローカルな記憶装置からのオンデマンド・コンテンツの消去および/またはオンデマンド・コンテンツへのアクセスを制御する。さらに、本発明は、オンデマンド・クライアントが実装されるユーザ機器を提供し、このユーザ機器は、オンデマンド・コンテンツの少なくとも一部分および処理回路を格納するように構成される。
【解決手段】ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するためのオンデマンドのシステムおよび方法が提供される。レンタル条件、動的要因および鍵を含むことができる制約基準を基にして、ユーザ機器がローカルな記憶装置からのオンデマンド・コンテンツの消去および/またはオンデマンド・コンテンツへのアクセスを制御する。さらに、本発明は、オンデマンド・クライアントが実装されるユーザ機器を提供し、このユーザ機器は、オンデマンド・コンテンツの少なくとも一部分および処理回路を格納するように構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオンデマンド・システムに関する。より詳細には、本発明はオンデマンド・システムにおけるオンデマンド・コンテンツのローカルな記憶装置の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
オンデマンド・システム(例えば、ビデオ・オンデマンド・(VOD)システム)は発展してきて、ユーザは、自分の機器による再生(または、アプリケーションの場合は実行)のために、オンデマンド・サーバが供給するコンテンツ(例えば、ビデオ・プログラム)を注文することが出来るようになった。一部のアプローチにおいては、VODプログラムと関連付けられているレンタル期間が、ユーザがコンテンツにアクセスできる期間を規定する。レンタル期間は料金に基づくものであったり、料金に基づくものではなかったりし得る。
【0003】
例えば、VODシステムで、ユーザ機器にVODプログラムまたはVODプログラムの一部分を格納し、例えば、VCRのようにローカルに再生制御(playback control)が出来ることが望ましい。ユーザが、適用可能なレンタル期間を過ぎてもローカルに格納されたVODプログラムにアクセス出来る場合に、そのユーザは、VODプロバイダの視聴規定および料金体系に違反してVODプログラムを見ることができる場合があり得る。従って、適用可能なレンタル期間の終了後に、ユーザがローカルに格納されたVODプログラムを取出すことを防いだり、あるいはユーザのアクセスを制御したりすることが好ましい。より一般的に言えば、コンテンツのプロバイダにより定められた適用可能な使用期間が過ぎても、ローカルにキャッシュされたオンデマンド・コンテンツに対するユーザのアクセスを制御することが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(発明の概要)
本発明の目的はローカルな記憶装置内にオンデマンド・コンテンツを格納し、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツの使用を管理するためのシステムおよび方法を提供することである。本明細書で使用される「オンデマンド・コンテンツ」は、オンデマンド・プログラム(および/またはデータおよび/またはオーディオ)、オンデマンド・アプリケーション(例えば、ゲームおよび対話型ミニ・ガイド)、ならびに1つ以上のオンデマンド・プログラムに関連するコンテンツを含み、例えば、オンデマンド・プログラムに関連する特別な特徴、オンデマンド・プログラムの予告編、関連のあるオンデマンド・プログラム、オンデマンド関連アプリケーション(例えば、結合型または非結合型のオープン・ケーブル・アプリケーション・プラットフォーム(OCAP)アプリケーション)、またはパッケージの部分として提供されるそのようなコンテンツの組み合わせ等である。限定する目的ではなく、明確にするために、ここでは折に触れて本発明がローカルにキャッシュされたオンデマンド・ビデオ・プログラム・コンテンツの再生の管理に関連して議論されるが、本発明の原理は他の適切なオンデマンド・コンテンツの管理に適用されてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
オンデマンド・サーバからのオンデマンド・コンテンツの再生に対するユーザの要求に応えて、オンデマンド・サーバはユーザ機器に実装されているオンデマンド・クライアントへオンデマンド・コンテンツのコンテンツ・ストリームを送る。オンデマンド・クライアントはローカルな再生が出来るようにローカルな記憶装置にコンテンツのストリーム(または、その一部分)を格納する。オンデマンド・クライアントはローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツの消去および/またはオンデマンド・コンテンツへのアクセスを制御するための制約基準(constraint criterion)を使用する。制約基準はオンデマンド・レンタル条件、動的要因および/または鍵を含み、その制約基準は1つ以上のオンデマンド・コンテンツもしくはオンデマンド・コンテンツの分類に関連している。ある実施形態では、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツへのアクセスを制御するために使用される制約基準はローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツの消去の制御に使用される制約基準とは異なることもある。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
オンデマンド・サーバおよびオンデマンド・クライアントを含むオンデマンド・システムにおける、該オンデマンド・サーバにより提供されるオンデマンド・コンテンツの少なくとも一部分を管理する方法であって、該オンデマンド・コンテンツの少なくとも一部分は、該オンデマンド・クライアントに対してはローカルである記憶装置内に格納され、
オンデマンド・プロバイダのレンタル方針にしたがって、該記憶装置上の該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制約するオンデマンドのレンタル条件を受取ることと、
該オンデマンドのレンタル条件に応じて、該記憶装置上の該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制御することと
を包含する、方法。
(項目2)
上記オンデマンドのレンタル条件は、上記オンデマンド・サーバおよび第三者権利管理サーバの少なくとも1つから受取られる、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記オンデマンドのレンタル条件は、
少なくとも1つの期間と、
少なくとも1つの使用制限と、
上記記憶装置に格納されている他のオンデマンド・コンテンツの特性と
のうちの少なくとも1つを規定する、項目1に記載の方法。
(項目4)
上記オンデマンドのレンタル条件は、オンデマンド・コンテンツのレーティングに応じ、
該レーティングに応じた最大の回数と、
該レーティングに応じた累積期間と
のうちの少なくとも1つを規定する、項目1に記載の方法。
(項目5)
上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分の復号を可能にする鍵を受取ることと、
該鍵に応じて、該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を復号することと、
該オンデマンド・コンテンツの該復号された少なくとも一部分を再生することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
動的要因を受け取ることであって、該動的要因は、上記オンデマンド・クライアントが実装される機器の状態に基づいて、上記記憶装置に格納された上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制約する、ことと、
該動的要因に応じて、該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制御することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
上記ユーザが上記オンデマンド・コンテンツを見ているかどうかを判断することと、
上記記憶装置が利用可能であるかどうかを判断することと、
該オンデマンド・コンテンツの少なくとも一部分が保存基準を満たすかどうかを判断することと
のうち少なくとも1つを上記動的要因が規定する、項目6に記載の方法。
(項目8)
上記記憶装置上の上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分の上記消去および/またはアクセスを制御することは、
上記オンデマンド・クライアントのユーザが該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分をアクティブに見ていないことを判断することと、
該判断に応じて該記憶装置から該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を消去することと
を含む、項目6に記載の方法。
(項目9)
上記記憶装置の上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制御することは、
上記オンデマンド・クライアントのユーザが、該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を見ていないこと、および該記憶装置のスペースが他のシステムの活動にとって必要であることを判断することと、
該判断に応じて、該記憶装置から該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を消去することと
を含む、項目6に記載の方法。
(項目10)
上記記憶装置の上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制御することは、
上記オンデマンド・クライアントの上記ユーザは該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を見ていないこと、該記憶装置上のスペースが他のシステムの活動のために必要であること、および該記憶装置上の該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分によって用いられるスペース、は規定された最小の保存閾値よりも小さいこと、を判断することと、
該判断に応じて、該記憶装置からの該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を消去することと
を含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
オンデマンド・クライアントが実装されるユーザ機器であって、該ユーザ機器はオンデマンド・コンテンツの少なくとも一部分および処理回路を格納するように構成された記憶装置を備え、該処理回路は、
該オンデマンド・コンテンツの少なくとも一部分を格納するように該記憶装置に命令することと、
オンデマンド・プロバイダのレンタル方針にしたがって、該記憶装置の該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制約するオンデマンドのレンタル方針を受取ることと、
該オンデマンドのレンタル条件に応じて、該記憶装置の該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分の消去および/またはアクセスの制御をすることと
のために適合されている、ユーザ機器。
(項目12)
オンデマンド・サーバおよび第三者権利管理サーバのうちの少なくとも1つから、上記オンデマンドのレンタル条件が、処理回路によって受取られる、項目11に記載のユーザ機器。
(項目13)
上記オンデマンドのレンタル条件は、
少なくとも1つの期間と、
少なくとも1つの使用制限と、
上記記憶装置の他のオンデマンド・コンテンツの特性と
のうちの少なくとも1つを規定する、項目11に記載のユーザ機器。
(項目14)
上記オンデマンドのレンタル条件は、上記オンデマンド・コンテンツの上記レーティングに応じ、
該レーティングに応じた最大の回数と、
該レーティング応じた累積期間と
のうちの少なくとも1つを規定する、項目11に記載のユーザ機器。
(項目15)
上記処理回路は、
上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分の復号を可能にする鍵を受取り、
該鍵に応じて、該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を復号することと、
上記記憶装置の該オンデマンド・コンテンツの該復号された少なくとも一部分を再生することと
のためにさらに構成されている、項目11に記載のユーザ機器。
(項目16)
上記処理回路は、
上記ユーザ機器の状態に基づいて、上記記憶装置上の上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制約する動的要因を受取ることと、
該動的要因に応じて、該記憶装置の該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分の消去および/またはアクセスをさらに制御することと
のためにさらに構成されている、項目11に記載のユーザ機器。
(項目17)
上記動的要因は、
上記ユーザが上記オンデマンド・コンテンツを見ているかどうかを判断することと、
上記記憶装置が利用可能であるかどうかを判断することと、
該オンデマンド・コンテンツの少なくとも一部分が保存基準を満たすかどうかを判断することと
のうち少なくとも1つを規定する、項目16に記載のユーザ機器。
(項目18)
上記処理回路は、
上記オンデマンド・クライアントのユーザが上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分をアクティブに見ていないことを判断することと、
該判断に応じて、該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を消去するよう上記記憶装置に命令することと
のためにさらに構成されている、項目16に記載のユーザ機器。
(項目19)
上記処理回路は、
上記オンデマンド・クライアントのユーザが上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分を見ていないこと、および上記記憶装置が該ユーザ機器の中のリソースの他への使用のために必要であることを判断することと、
該判断に応じて、該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を消去するよう該記憶装置に命令することと
のためにさらに構成されている、項目16に記載のユーザ機器。
(項目20)
上記処理回路は、
上記オンデマンド・クライアントの上記ユーザが上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分を見ていないこと、上記記憶装置上のスペースが該ユーザ機器の中のリソースの他への使用のために必要であること、および該記憶装置上の該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分により使用される該スペースは規定された最小の保存閾値よりも小さいこと、を判断することと、
該判断に応じて、該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を消去するよう該記憶装置に命令することと
のためにさらに構成されている、項目11に記載のユーザ機器。
(項目21)
上記処理回路は、衛星経路、光ファイバ経路、およびケーブル経路のうちの少なくとも1つを含む通信経路を経由してオンデマンド・サーバに結合される、項目11に記載のユーザ機器。
(項目22)
上記処理回路は、テレビジョン、セット・トップ・ボックス、および記録装置のうちの少なくとも1つの部分である、項目11に記載のユーザ機器。
(項目23)
オンデマンド・サーバおよびオンデマンド・クライアントを備えるオンデマンド・システムの中で動作するように適合されたオンデマンド・サーバであって、
オンデマンド・コンテンツおよびオンデマンドのレンタル条件を格納するように構成された記憶装置であって、該オンデマンドのレンタル条件は、オンデマンド・プロバイダのレンタル方針にしたがって、該オンデマンド・クライアントに格納される該オンデマンド・コンテンツの部分の消去および/またはアクセスを制約する、記憶装置と、
処理回路であって、
該オンデマンド・クライアントから該オンデマンド・コンテンツの再生の指令を受取ることと
少なくとも該オンデマンド・コンテンツの一部分および該オンデマンドのレンタル条件を該オンデマンド・クライアントへストリーミング配信することと
のために適合された処理回路と
を備える、オンデマンド・サーバ。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は本発明の一実施形態によるオンデマンド・システムのブロック図である。
【図2】図2は本発明の一実施形態によるローカルな記憶装置からオンデマンド・コンテンツを取出し、表示するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図3】図3および図4は本発明の一実施形態によるローカルな記憶装置内における利用の可能性に影響を与える動的要因に応じて、ローカルな記憶装置内のオンデマンド・コンテンツを管理するための2つの例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図4】図3および図4は本発明の一実施形態によるローカルな記憶装置内における利用の可能性に影響を与える動的要因に応じて、ローカルな記憶装置内のオンデマンド・コンテンツを管理するための2つの例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図5】図5は本発明の一実施形態による、動的要因およびオンデマンドのレンタル条件に応じて、ローカルな記憶装置内のオンデマンド・コンテンツを消去するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図6】図6は本発明の一実施形態による、動的要因およびオンデマンドのレンタル条件に応じて、ローカルな記憶装置からオンデマンド・コンテンツを消去するための別の例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図7】図7は本発明の一実施形態による鍵および他の制約基準に応じて、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図8】図8は本発明の一実施形態による期間に応じて、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図9】図9は本発明の別の実施形態によるオンデマンド・コンテンツの最長視聴時間に応じてローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図10】図10は本発明の一実施形態によるオンデマンド・コンテンツの最大視聴回数に応じてローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図11】図11は本発明の一実施形態による、ローカルな記憶装置内に同時に格納されることが出来るオンデマンド・コンテンツの最大数に応じて、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図12】図12は本発明の一実施形態によるフラグを使用したローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の上記および他の目的並びに効果は添付の図面と共に以下の詳細な説明を考慮すれば明白であろう。尚、全体を通して類似の部分を特定するために参照数字を同じにしている。
【0008】
(発明の詳細な説明)
図1は本発明によるオンデマンド・システム100の一実施形態の単純化した構成図である。オンデマンド・システム100はユーザ機器110および遠隔オンデマンド・サーバ150を含む。ある実施形態では、オンデマンド・コンテンツはヘッド・エンドまたは遠隔サイト(図示せず)から遠隔オンデマンド・サーバ150へ供給され、格納される。図1は明確にするために1台の遠隔オンデマンド・サーバ150だけを示しているが、オンデマンド・システム100はユーザ機器110とインターフェースで接続する2台以上の遠隔オンデマンド・サーバ150および/または付加的な形式のサーバを含むこともある。
【0009】
遠隔オンデマンド・サーバ150は、記憶装置および処理回路を含み、通信経路136を通じてユーザ機器110と通信をする。通信経路136は衛星通信経路、光ファイバ経路、ケーブル経路、インターネット・プロトコル(IP)経路または任意の他の適切な有線または無線経路でよい。データ(例えば、オンデマンド・コンテンツのストリーム、オンデマンド制約基準、オンデマンド関係メッセージ等)は同期伝送メカニズム(例えば、混成ファイバの同軸ケーブル・ネットワークを通じたMPEG−2伝送)、非同期伝送メカニズム(例えば、格納・転送(store−and−forward)、最善努力(best−effort)、またはインターネット・プロトコル(IP))または同期伝送メカニズムと非同期伝送メカニズムとの組合せを使用して、通信経路136を経由して送られるかまたは交換される。通信経路136は明確にするために1本の経路として示されているが、通信経路136は複数の経路(例えば、ユーザ機器110と複数の分散型遠隔オンデマンド・サーバ150との間の複数のIP経路)を含んで良い。
【0010】
実際のところ、ユーザ機器110については多くの装置があるかもしれないが、複雑すぎる図面になることを避けるよう1台だけを示した。ユーザ機器110はオンデマンドの機能性を提供するのに適するものであれば家庭用のどのような機器でもよく、例えば、適切に設けられたテレビジョン、セット・トップ・ボックス、デジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)、パーソナル・ビデオ・レコーダ(PVR)またはPCTVであり得る。どのような機器が選ばれたとしても、ユーザ機器110は少なくともユーザの入力装置120、処理回路130、記憶装置134およびディスプレイ装置140を含めばよい。ユーザの入力装置120は、例えば、遠隔制御器、キー・ボード、マウス、タッチ・パッド、タッチ・スクリーン、または音声認識インターフェースを含む任意の適切な装置または入力装置の組合せであっても良い。ディスプレイ装置140は、テレビジョン、プラズマ・ディスプレイ,LCDまたはコンピュータ・モニタなどのビデオおよびオーディオの出力部として提供するよう適切に設定されていればどのような装置でも良い。
【0011】
処理回路130はマイクロプロセッサなどの演算処理装置、およびオンデマンド関係の機能性を提供する、例えば、キャッシング回路、ビデオ・デコーディング回路、直接メモリ・アクセス回路、入力・出力回路(通信経路136を通じて遠隔オンデマンド・サーバ150と通信をするための通信回路を含む)、復号回路およびトランスクリプション(transcription)回路などを含む任意の他の適切な回路を含んで良い。
【0012】
記憶装置134は、オンデマンド・クライアント・プログラム論理、データおよび例えばRAM、フラッシュ・メモリ、1つ以上のハード・ディスク駆動装置、リムーバブル記憶媒体、1つ以上のCD−ROM駆動装置並びに1つ以上の家庭用娯楽ネット・ワーク駆動装置を含むオンデマンド・コンテンツを記憶するための任意の適切な記憶装置または一連の記憶装置の組合せであり得る。
【0013】
処理回路130はオンデマンド・クライアントが以下を含む多重機能を果たすよう実行する。即ち、(1)通信経路122を通じてユーザの入力装置120からコマンドを受け、遠隔オンデマンド・サーバ150へコマンドを送るかまたはローカルにコマンドを処理する。(2)記憶装置134および/または遠隔オンデマンド・サーバ150が供給するオンデマンド・コンテンツを再生する。(3)オンデマンド・コンテンツを記憶装置134に格納する。(4)制約基準に応じて記憶装置134に格納されたオンデマンド・コンテンツの消去および/またはオンデマンド・コンテンツへのアクセスを制御する。ある実施形態では、オンデマンド・クライアントは対話型テレビジョン・プログラム・ガイドなどの対話型テレビジョン・アプリケーションの部分であり、または対話型テレビジョン・アプリケーションと通信をする。
【0014】
通信経路138は、例えば、デジタル・ビジュアル・インタフェース(DVI)またはファイヤ・ワイヤ・インタフェース(IEEE1394)などの任意の適切なディスプレイ・インタフェースでも良い。通信経路122は任意の適切な有線経路または無線経路(例えば、赤外線経路)でも良い。
【0015】
典型的な使用方法を想定すると、オンデマンド・システム100のユーザはユーザ入力装置120を使用して再生するコンテンツを選ぶ。ユーザ入力装置120はオンデマンド・クライアントへ信号を送り、それに応えてオンデマンド・クライアントはオンデマンド・サーバ150が供給する選ばれたオンデマンド・コンテンツを要求する。オンデマンド・サーバ150はオンデマンド・コンテンツを取出しデジタル・ストリーム(例えば,MPEG・ストリーム)としてそのコンテンツをユーザ機器110へ伝送する。オンデマンド・クライアントはそのストリームを記憶装置134に格納し、全部のストリームが受け取られる前に(例えば、コンテンツの一部分だけが格納された時)記憶装置134からのコンテンツの再生を始めても良いし、あるやり方では、コンテンツを再生する前に全コンテンツのストリームを格納することも出来る。さらに他のやり方では、全オンデマンド・コンテンツはローカルに格納されず、環状キャッシュが任意の時点でコンテンツの一部分だけを格納またはバッファするために使用される。
【0016】
遠隔オンデマンド・サーバ150とユーザ機器110との間に通信リンクを確立するために既に要求されたオーバーヘッドが与えられると、全オンデマンド・コンテンツを格納するために必要な付加的なオーバーヘッドは、オンデマンド・コンテンツの一部分を格納することと比べればごく小さくすることが出来る。したがって、ある実施形態では、オンデマンド・クライアントはユーザが実際に全オンデマンド・コンテンツを見ているかどうかとは無関係に全オンデマンド・コンテンツを格納する。このような実施形態では、オンデマンド・コンテンツの全体を記録することが他のシステムからの要求の結果として望ましくない場合、またはプログラムに対するアクセスが以下に述べるような制約基準に違反する場合に、オンデマンド・クライアントは、例えば、チューナまたは利用できなくなりつつある通信経路に応じて、オンデマンド・コンテンツの全体の格納を止めることが出来る。
【0017】
ある実施形態では、遠隔オンデマンド・サーバ150はユーザ機器110に伝送する前にコンテンツのストリームを符号化および圧縮することができる。このような実施形態では、オンデマンド・クライアントは符号化および圧縮したコンテンツのストリームを記憶装置134に格納する。オンデマンド・クライアントは記憶装置134から先入れ先出し方式(FIFO)でコンテンツのストリームを取出し、ディスプレイ装置140へ出力するために復号および圧縮の復元をして直ちにオンデマンド・コンテンツの再生を始めることが出来る。オンデマンド・クライアントはその後(例えば、ユーザにローカルな再生制御を提供するために、または再生される前に全ストリームが格納される時)にストリームにアクセスすることもできる。
【0018】
従来の技術では、記憶装置134に格納されたオンデマンド・コンテンツは、消去されるまでオンデマンド・サービス・プロバイダのレンタル期間の期限が過ぎてもユーザがアクセスできるままであり得る(そのレンタル期間は所望の導入内容に基づいて有料であるかもしれないし、そうでないかもしれない)。これはオンデマンド・プロバイダにとってユーザがオンデマンド・コンテンツに対して行うことについて統制を失うことになり望ましくないことがあり得る。例えば、ユーザは望む限り長く記憶装置134にオンデマンド・コンテンツを格納したり(ユーザが記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去するまで)、またはユーザは望む限り多くの回数だけオンデマンド・コンテンツを見ることができたりし得る。
【0019】
このような望ましくない結果を避けるために、オンデマンド・クライアントは記憶装置134に格納されたオンデマンド・コンテンツ(またはオンデマンド・コンテンツの部分)の消去および/またはオンデマンド・コンテンツへのアクセスを、それぞれのコンテンツまたはコンテンツのグループ(例えば、特定のジャンルのオンデマンド・コンテンツ、類似の料金がかかるコンテンツ、または任意の他の適切なグループ)と関連する制約基準に応じて制御する。オンデマンド・クライアントはコンテンツに対するアクセスを制御するのに用いられる制約基準と同じ基準または異なる基準で、記憶装置134に格納されたオンデマンド・コンテンツの消去を制御できる。本明細書で使用されるように、「アクセスの制御」は、例えば、(a)記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツの取出し、(b)符号化したコンテンツのストリームの復号、(c)符号化(もしくはトランスクリプション)したコンテンツのストリームの復号(もしくはトランスクリプション)、を制御すること、またはローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツをアクセスするときにユーザが行うかもしれない任意の他の行動を制御すること、を含むことが出来る。
【0020】
ある実施形態では、遠隔オンデマンド・サーバ150は制約基準をユーザ機器110に伝送する。他の実施形態では、別の適切なサーバ、例えば、異なる遠隔オンデマンド・サーバ150(例えば、格納されたオンデマンド・コンテンツを提供したオンデマンド・サーバ以外のオンデマンド・サーバ)、対話型プログラム・ガイド・サーバ、デジタル著作権管理サーバ、または認証サーバ(例えば、RADIUSサーバ)が制約基準を伝送する。処理回路130は制約基準を記憶装置134に格納する。
【0021】
遠隔オンデマンド・サーバ150、または別の適切なサーバは、コンテンツのストリームの一部分として、またはコンテンツのストリームとは独立した(同じ通信経路136に沿った、または別の通信経路136に沿った明確なメタデータ・ストリームの部分など)制約基準を伝送する事ができる。制約基準はコンテンツのストリームの伝送の前に、またはそれと同時に、またはその後に伝送されても良い(但し、一般的にはレンタル画面が終了する前)。例えば、制約基準は、(1)オンデマンド・サービスに登録する時に、(2)ユーザが遠隔オンデマンド・サーバ150から任意のオンデマンド・コンテンツの再生を要求する初めての時に、(3)ユーザが遠隔オンデマンド・サーバ150から任意のオンデマンド・コンテンツの再生を要求するたびに、(4)記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツを消去しおよび/またはユーザのオンデマンド・コンテンツへのアクセスを防止するかどうかをオンデマンド・クライアントが判断する時点の直前に(但し、レンタル画面が終了する前に)、または(5)任意の他の適切な時に、ユーザに応えてある回数で(例えば、毎日、毎週、毎月、または制約基準が変わるたびに)伝送されることが出来る。
【0022】
ある実施形態では、制約基準は当初、処理回路130、記憶装置134またはユーザ機器110内の他の回路に格納され得る。さらに他の実施形態では、制約基準の一部分は遠隔オンデマンド・サーバ150または別の適切なサーバにより供給され、一部分は当初ユーザ機器110に格納される。
【0023】
制約基準はオンデマンド・レンタル条件を含んでも良い。これらはシステム・プロバイダのレンタル方針に関係する条件である(有料であったり、有料でなかったりし得る)。オンデマンド・レンタル条件は、例えば1つ以上のその他の期間、使用制限、またはこれらの組合せ、あるいは他の適切なレンタル条件を、オンデマンド・レンタル画面に明記することができる。レンタル条件は、例えば、コンテンツまたはレンタル条件に関連するコンテンツと共に、記憶装置134に格納が許されているかまたは禁止されている他のオンデマンド・コンテンツの特性を規定することができる。このような特性は、例えば、利用の可能性、サイズ、持続期間、価格、販売手段、共通のシリーズの一部かどうか、共通の販売促進用パッケージの一部かどうか、および他のオンデマンド・コンテンツに関係する他の適切な要因を含み得る。
【0024】
レンタル条件の期間は任意の適切な方法で規定しても良い。ある実施形態では、期間はオンデマンド・コンテンツが記憶装置134に当初格納された期間に基づいたものである。例えば、オンデマンド・クライアントは、この期間に応じて、オンデマンド・コンテンツが記憶装置134に格納された24時間後に、記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去することができ、またはユーザのオンデマンド・コンテンツへのアクセスを防止することができる。
【0025】
期間は、例えば、オンデマンド・コンテンツが遠隔オンデマンド・サーバ150から当初利用できるようになった時点に基づき得(その時点は、オンデマンド・コンテンツが注文された(例えば、ユーザにより)実際の時点および/またはオンデマンド・コンテンツがローカルに格納される時点、とは独立したものである)。例えば、オンデマンド・クライアントは、期間に応じて、オンデマンド・コンテンツが遠隔オンデマンド・サーバ150から当初利用できるようにされた7日後に記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去し、またはユーザのオンデマンド・コンテンツへのアクセスを防止できる。
【0026】
別の例として、期間はオンデマンド・コンテンツが遠隔オンデマンド・サーバ150から移されるときの時刻を基にすることができる。例えば、オンデマンド・クライアントは、期間に応じて、オンデマンド・コンテンツが遠隔オンデマンド・サーバ150から移された時と同時刻、またはある期間後に、記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去し、またはユーザがオンデマンド・コンテンツへアクセスすることを防止することができる。
【0027】
さらに別の例では、期間はユーザが記憶装置134からオンデマンド・コンテンツの再生を最初に要求した時の時刻を基にすることができる。例えば、オンデマンド・クライアントは、期間に応じて、ユーザが記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツの再生を当初に要求したあと12時間後に、記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去し、またはユーザのオンデマンド・コンテンツへのアクセスを防止できる。ユーザがオンデマンド・コンテンツの再生を要求した時と同時刻に、または先立って、ユーザはオンデマンド・コンテンツを注文ずみ(例えば、購入ずみ)にすることができる。
【0028】
最後の例として、期間は現在の日時に基づき得る。例えば、オンデマンド・クライアントは、期間に応じて、毎日曜日の午前零時に記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去することができる。
【0029】
レンタル条件の使用制限も任意の適切な方法で規定ができる。使用制限はユーザが記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツの再生を要求する許容回数であり得る。例えば、オンデマンド・クライアントは、このレンタル条件に応じて、ユーザが記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを3回要求して見た後に、記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去することによって、オンデマンド・コンテンツに対しユーザがアクセスすることを防止できる。
【0030】
使用制限は、ユーザが記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツを見るために使うことができる時間の累積であり得る。例えば、オンデマンド・クライアントは、このレンタル条件に応じて、ユーザがオンデマンド・コンテンツの全体、または種々の部分を見て合計18時間を費やした後に、記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去することによって、オンデマンド・コンテンツに対してユーザがアクセスすることを防止できる。
【0031】
使用制限は、ユーザが記憶装置134からの特定のレーティング(または、1セットのレーティングを超えるオンデマンド・コンテンツの組合せ)を超えるオンデマンド・コンテンツを要求および/または見る事ができる回数および/または累積時間を制限するペアレンタルコントロール(parental control)であり得る。
【0032】
使用制限は現在格納されているオンデマンド・コンテンツの許容数であり得る。例えば、オンデマンド・クライアントは、任意の時間において、ユーザが記憶装置134に最大4個のオンデマンド・コンテンツを格納することを許容することができる。ユーザの第5のオンデマンド・コンテンツへの要求に応えて、オンデマンド・クライアントは記憶装置134に現在格納されているオンデマンド・コンテンツの1つを消去したり、かつ/またはオンデマンド・コンテンツの1つに対するアクセスを防止したりすることができる。この最大値は記憶装置134に現在格納されている1つ以上の分類(例えば、封切り(first−run)、クラシック、アクション、コメディ、特定の俳優が主演する映画、特定のシリーズの映画、等)のオンデマンド・コンテンツの数を基にしても良い。例えばオンデマンド・クライアントはユーザが最大5本の封切り映画および/または10本のクラシックを同時に格納することを許容できる。ユーザの第6の封切り映画(または第11のクラシック)への要求に応えて、オンデマンド・クライアントは記憶装置134に現在格納している封切り映画の1本を消去し、および/または封切り映画1本に対するアクセスを防止することができる。
【0033】
ある実施形態では、制約基準はユーザ機器の状態を規定する動的要因を含み得る。このような要因は例えば、ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ているかどうか、ローカルな記憶装置における利用可能性に関する動的要因(例えば、その他のシステム活動が、ローカルな記憶装置またはその他のコンフリクトの使用を要求するかどうか)、ローカルな記憶装置内に格納されているオンデマンド・コンテンツの一部分が「保存(keep)」基準(例えば、ユーザ機器がローカルな記憶装置からのオンデマンド・コンテンツを消去する状況下でローカルな記憶装置内に格納される必要が有るオンデマンド・コンテンツの閾値数量)またはそのような要因の組合せを満たすかどうか、を含み得る。
【0034】
ある実施形態では、オンデマンド・クライアントは暗号手法(例えば、符号化/復号およびトランスクリプション)を採用することがある。このような実施形態では、制約基準は鍵を含むことがある。オンデマンド・クライアントは、ユーザに対する表示のために、制約基準からの鍵を使用して、コンテンツのストリームを処理する(例えば、復号化、トランスクリプションを行う)。遠隔オンデマンド・サーバ150は符号化した(またはトランスクリプションした)コンテンツのストリーム、またはコンテンツのストリームの一部分をユーザ機器110へ送ることができる。オンデマンド・クライアントは記憶装置134にコンテンツのストリームを格納するのに先立って、または後に、鍵を使ってコンテンツのストリームを復号(またはトランスクリプション)することができる。所望されれば、鍵および他の機密的な情報は機密保護記憶装置に格納するか、さもなければ機密保護方式で扱われることができる。
【0035】
制約基準に応じて記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツを消去したり、かつ/またはユーザのオンデマンド・コンテンツへのアクセスを防止したりするのに先立って、オンデマンド・クライアントはユーザにオンデマンド・コンテンツの画面の視聴時間を延長する選択肢を与えるか、さもなければオンデマンド・コンテンツに関連する制約基準を緩和する。ユーザがそのような選択肢を受け入れない時は、オンデマンド・クライアントは次に記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツを消去および/またはユーザのオンデマンド・コンテンツへのアクセスを防止できる。ユーザがその選択肢を受け入れるときは、ユーザは料金を請求されるか(例えば、元の料金で、または値引き料金で)、もしくはオンデマンド・コンテンツに関係する特別な上映作品またはオンデマンド・コンテンツに関係する予告編などのインセンティブを受けることもある。この延長された視聴時間の画面は、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツのための元の制約基準と同じ(または異なる)制約基準を有し得る。
【0036】
図2は本発明の実施形態によるローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを取出し、表示するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。この実施形態では、オンデマンド・クライアントは記憶装置134に全コンテンツを格納するに先立って再生を始めても良い。
【0037】
プロセス200は、オンデマンド・クライアントがオンデマンド・コンテンツ(例えば、ローカルなユーザから)のセグメント(例えば、少なくとも一部分)に対する要求を受けるステップ202からスタートする。ステップ204で、オンデマンド・クライアントは全オンデマンド・コンテンツがローカルに格納(例えば、記憶装置134に)されているかどうか判断する。全オンデマンド・コンテンツがローカルに格納されていない場合は、プロセス200はステップ206に進み、遠隔オンデマンド・サーバ150からオンデマンド・コンテンツの取出しが進行中かどうかをオンデマンド・クライアントが判断する。取出しが進行中でない場合に、プロセス200は次にステップ208へ移り、オンデマンド・クライアントが遠隔オンデマンド・サーバ150からオンデマンド・コンテンツの取出しを開始する。ステップ206で、オンデマンド・クライアントがオンデマンド・コンテンツの取出しを既に開始したと判断する場合に、またはステップ208の後に、プロセス200は次にステップ210に移る。状況によっては、ステップ208は省略されることがある。例えば、必要なリソースが利用できないときに、ユーザが単一チューナ・システムにおいてオンデマンド・コンテンツからチューニングする時などに、全てのオンデマンド・コンテンツを取り出そうと試みるのは望ましくないことがある。故に、このような状況では、プロセス200は直接ステップ210に移ることがある。
【0038】
ステップ210では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツの要求されたセグメントがローカルな記憶装置134で利用できるかどうかを判断する。要求されたセグメントが利用できない場合は、プロセス200はステップ212へ移り、オンデマンド・クライアントが時間切れ(例えば、エラーの状態、またはチューナのリソース又はIP接続での例外的な遅れ)のリソースがあるかどうか判断する。時間切れのリソースが検出された場合は、次のステップ214で、オンデマンド・クライアントはユーザまたは問題のあるシステムへ通知する。プロセス200は次にステップ220で終了する。時間切れのリソースがステップ212で検出されない場合はプロセス200はステップ210へ戻る。
【0039】
要求されたセグメントがステップ210またはステップ204で利用可能である場合は、プロセス200はステップ216へ移り、要求されたセグメントがローカルな記憶装置134から取り出される。次にステップ218では、オンデマンド・クライアントが要求されたセグメントを復号し表示する。プロセス200はステップ220で終了する。
【0040】
図3から図11は、制約基準の種々の組合せに応じてローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツの消去および/またはオンデマンド・コンテンツへのアクセスの制御を、オンデマンド・クライアントが実行できる例示的なプロセスのフロー・チャートである。オンデマンド・クライアントは、例えば、きっかけとなるイベントまたは計時装置に応えてこれらのプロセスを開始することができる。ある実施形態では、オンデマンド・クライアントは1つ以上のこれらのプロセスを定期的にまたは連続して(ラウンドロビンにおけるように)実行することができる。他の実施形態が図3から図11までのプロセスにおける制約基準を任意の適切な組合せで結びつけることができ、図示していない他の形式の制約基準を使用する事ができるので、これらのプロセスは単に例示的なものである。
【0041】
図3および図4はローカルな記憶装置での利用の可能性に影響を及ぼす動的要因に応じて、ローカルな記憶装置でのオンデマンド・コンテンツを管理するための2つの例示的なプロセスのフロー・チャートである。これらの例では、制約基準により規定された動的要因は、ユーザがプログラムを見ているかどうかを判断すること、および記憶装置が他のシステムの活動に必要とされているかどうかを判断すること(図3および図4)、並びに「保存」基準が満たされているかどうかを判断することを含む(図4)。これらの例はレンタル期間がまだ終了していない初期の状態として想定している(レンタル期間が終了していないかどうかの判断については図示されていない)。図3のプロセス300はステップ302から始まる。ステップ304でオンデマンド・クライアントはユーザがローカルな記憶装置134(図1)に格納されているオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ているかどうかを判断する。ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ている場合は、ユーザがオンデマンド・コンテンツを見なくなるまでプロセスはステップ304を繰り返す。
【0042】
ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ていない場合、またはひとたびユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブにはもう見ていない場合は、プロセス300はステップ306へ移り、オンデマンド・コンテンツを格納するローカルな記憶装置134の一部分が他の活動(新しいオンデマンド・コンテンツの格納など)のためにシステムに必要とされるかどうかをオンデマンド・クライアントが判断する。ローカルな記憶装置134のスペースが他のシステムの活動にとって現在必要ない場合は、プロセス300はステップ304にもどる。ローカルな記憶装置134のスペースが他のシステムの活動に必要な場合は、オンデマンド・クライアントはローカルな記憶装置134の部分を他のシステムの活動(ステップ308)が利用できるようにして、オンデマンド・コンテンツを消去する。本明細書で説明したように、オンデマンド・コンテンツの消去はオンデマンド・コンテンツの一部分の消去またはローカルな記憶装置134に格納されるオンデマンド・コンテンツ全体の消去を含む。オンデマンド・コンテンツの一部分だけがローカルな記憶装置134に格納される時、またはローカルな記憶装置134に格納される全オンデマンド・コンテンツのために使用されるよりもより少ないディスク・スペースが必要とされる時は、オンデマンド・コンテンツの一部分だけを消去することができる。プロセス300は次にステップ310で終了する。
【0043】
図4のプロセス400はステップ402から始まる。ステップ404でオンデマンド・クライアントはユーザがローカルな記憶装置134に格納されているオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ているかどうかを判断する。ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ている場合は、プロセスはユーザがオンデマンド・コンテンツを見なくなるまでステップ404を繰り返す。
【0044】
ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ていない場合、またはユーザがオンデマンド・コンテンツをもはやアクティブには見ていない場合には、プロセス400はステップ406に移り、オンデマンド・コンテンツを格納するローカルな記憶装置134の一部分が他の活動のためにシステムにより必要とされるかどうかをオンデマンド・クライアントが判断する。ローカルな記憶装置134の一部分が他のシステムの活動のために現在必要でない場合は、プロセス400はステップ408に移り、格納されたオンデマンド・コンテンツの一部分が「保存」基準を満たすかどうかをオンデマンド・クライアントが判断する。例えば、全オンデマンド・コンテンツのサイズおよび/またはローカルな記憶装置で利用可能なスペースに関連して、限界数量のプログラムが格納されている場合は、オンデマンド・コンテンツは「保存」されることができる。保存の基準が満たされる場合は、プロセス400はステップ404に戻る。ローカルな記憶装置134がステップ406で他のシステムの活動に必要とされる場合、または保存基準がステップ408で満たされない場合は、プロセス400はステップ410へ移り、記憶装置134の部分が他のシステムの活動にとって利用可能であるようにして、オンデマンド・クライアントがオンデマンド・コンテンツを消去する。プロセス400は次にステップ412で終了する。
【0045】
プロセス300およびプロセス400の1つ以上変形例では、プロセス300の検証ステップ306および/またはプロセス400の検証ステップ406は優先度判断により更に条件整備される。言い換えれば、検証は「格納は他の『より優先度の高い』システムの活動に必要とされるか」と読み替えられる。
【0046】
図5は、本発明の実施形態の1つによる、動的要因に応じてローカルな記憶装置でのオンデマンド・コンテンツを(この例では、ユーザがオンデマンド・コンテンツを見ているかどうか)、およびオンデマンドのレンタル条件を、消去するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。この例示的なプロセスで、オンデマンドのレンタル条件はローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを消去すべきかどうか判断するための消去基準としてオンデマンド・クライアントにより使用される。このようなやり方では、他のレンタル条件を使用し、プログラムに対するアクセスを別の方法で制御する。
【0047】
プロセス500はステップ502より始まる。ステップ504で、オンデマンド・クライアントはローカルな記憶装置134に格納されたオンデマンド・コンテンツをユーザがアクティブに見ているかどうかを判断する。ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ている場合は、プロセスはユーザがオンデマンド・コンテンツを見なくなるまでステップ504を繰り返す。ある実施形態では、あるオンデマンドのレンタル条件を基にして(例えば、ユーザの口座での期限の過ぎた未払い)、ユーザがプログラムを見ることに没頭しているときでさえも、オンデマンド・クライアントはローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを消去し、ユーザがローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを見ることを防止する。この点については、図面を複雑にし過ぎることを避けるためプロセス500に図示していない。
【0048】
ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ていない場合は、またはユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブにもう見ていない場合は、プロセス500はステップ506に移り、オンデマンド・コンテンツがオンデマンドのレンタル条件を満たすかどうか、および従ってこの環境下でオンデマンド・コンテンツがローカルな記憶装置134から消去されるべきかどうか、をオンデマンド・クライアントが判断する。オンデマンド・コンテンツがオンデマンドのレンタル条件の消去基準を満たさない場合は、プロセス500はステップ504へ戻る。オンデマンド・コンテンツがオンデマンドのレンタル条件の消去基準を満たす場合は、次にステップ508で、オンデマンド・クライアントは、ローカルな記憶装置134の一部分を他のシステムの活動のために利用できるようにして、オンデマンド・コンテンツを消去する。プロセス500は次にステップ510で終了する。
【0049】
図6は、本発明の一実施形態による、動的要因(この例では、ユーザがローカルに格納したオンデマンド・コンテンツを見ているかどうか)に応じてローカルな記憶装置からのオンデマンド・コンテンツを消去し、オンデマンド・コンテンツが安全に削除される必要があるかどうかを含んだオンデマンドのレンタル条件を消去するための、例示的なプロセスのフロー・チャートである。この例示的なプロセスでは、オンデマンドのレンタル条件は、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを消去するべきかどうかを判断するための消去基準としてオンデマンド・クライアントにより使用される。このようなやり方では、他のレンタル条件を使用し、プログラムに対するアクセスを別な方法で制御する。
【0050】
一般に、コンピュータ・システムで記憶装置に記憶空間を確保することは必ずしもデータを取り除くわけではない(したがってアクセスができるようにデータを残す)ことに留意されたい。例えば、ユニックス・ベースのコンピュータ・システムでは、システムの関数であるfree( )が格納データに対するポインタを除去するだけであり、あらかじめ空けておいた記憶装置の部分と重複する新しくmalloc( )されたブロックに書き込む別のプロセスにより当該スペースが後に上書きされるまでは、データをそのまま残す。
【0051】
プロセス600はステップ602から始まる。ステップ604で、ユーザがローカルな記憶装置内に格納されているオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ているかどうかオンデマンド・クライアントが判断する。ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ている場合は、ユーザがオンデマンド・コンテンツを見なくなるまでプロセスはステップ604を繰り返す。ある実施形態では、オンデマンド・クライアントはあるオンデマンドのレンタル条件(例えば、ユーザの口座での期限を過ぎた未払い)に基づいて、ユーザがプログラムを見るのに没頭している時でさえも、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを消去し、またはユーザがローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを見ることを防止する。これは図面を複雑にし過ぎることを避けるためにプロセス600には図示されていない。
【0052】
ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ていない場合、またはユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブにもう見ていない場合は、プロセス600はステップ606に移り、オンデマンド・コンテンツがこの環境でローカルな記憶装置134から消去されるべきかどうかを示し得るオンデマンドのレンタル条件をオンデマンド・コンテンツが満たすかどうかをオンデマンド・クライアントが判断する。オンデマンド・コンテンツがオンデマンドのレンタル条件の消去基準を満たさない場合は、プロセス600はステップ604に戻る。オンデマンド・コンテンツがオンデマンドのレンタル条件の消去基準を満たす場合は、次にステップ608で、オンデマンド・コンテンツが配給制御されているかどうかを(例えば、著作権のある資料が配給制限を受けているかどうか)オンデマンド・クライアントが判断する。
【0053】
オンデマンド・コンテンツが配給制御されている場合は、プロセス600はステップ610へ移り、オンデマンド・クライアントがローカルな記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを安全に削除する。これは、オンデマンド・コンテンツを上書きするか(例えば、コンテンツの回復の可能性を減らすために種々のパターンが多数通過する状態を書き込み)、またはオンデマンド・コンテンツの再生がさらに難しくなるようにオンデマンド・コンテンツの重要な部分を破損することにより(例えば、量子化マトリックス、巡回冗長検査(CRC checks)、ヘッダ(headers)を使用して)、発生させることができる。コンテンツがもはや配給されることがないことを示すために安全に削除することは、オンデマンド・コンテンツに「ブロードキャスト」のフラグを設定するのと同じくらい単純な技術でもある。代替案としてIEEE 1394 5Cなどのデジタル版権管理プロトコルの中に、「コピー厳禁」(「never copy」)のフラグを設定できるし、または「一回再生」(「play once」)のフラグを再設定できる。IEEE 1394 5Cのより詳細な情報は「Digital Transmission Content Protection Specification Revision 1.4(Informational Version)」、2005年2月28日、DTLA,www.dtcp.comに見出すことができ、その全内容は参照により本明細書に援用される。
【0054】
オンデマンド・コンテンツが配給制御されない場合、またはステップ610の後に、プロセス600はステップ612へ移り、オンデマンド・クライアントが、オンデマンド・コンテンツをローカルな記憶装置から消去し、ローカルな記憶装置の部分を他のシステムの活動のために利用できるようにする。プロセス600は次にステップ614で終了する。
【0055】
図7は本発明の一実施形態による、鍵及び他の制約基準に応じてローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。プロセス700はステップ702から始まる。ステップ704で、オンデマンド・クライアントは遠隔オンデマンド・サーバ150に対しオンデマンド・コンテンツの再生の要求を送る。ステップ706でオンデマンド・クライアントは遠隔オンデマンド・サーバ150からオンデマンド・コンテンツおよびオンデマンド・コンテンツ向けの制約基準の符号化されたコンテンツのストリームを受取る。制約基準は1つ以上の鍵およびオンデマンド・コンテンツ向けの他の制約基準を含む(例えば、レンタル条件または動的要因)。ステップ708で、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツ向けの符号化されたコンテンツのストリームを記憶装置134に格納する。ステップ710で、オンデマンド・クライアントはユーザの入力装置120経由で記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツの再生を始めるよう要求を受ける。尚、この要求はステップ704の要求に潜在的に含まれていてもよいし、ステップ704の要求に先行していてもよい。
【0056】
ステップ712で、オンデマンド・クライアントは保護鍵の規定の制約基準以外の基準に基づいてオンデマンド・コンテンツの再生を防止するかどうかを判断する。オンデマンド・コンテンツの再生が防止される場合、プロセス700はステップ714へ移り、制約の性質(例えば、請求書への未払い、レンタル期間の終了、オンデマンド・コンテンツの使用が不可能)についてプロセス回路がユーザに適切な表示によって知らせるプロセスはステップ726で終了する。ユーザはまた、オンデマンド・コンテンツを再生できる機会(例えば、クレジット・カードにより未払い請求書に対し支払うこと、レンタル期間の延長を購入すること)を与えられ得る。図に示してはいないが、ユーザがオンデマンド・コンテンツの再生ができない場合は、プロセス700は次にステップ716に移る。
【0057】
オンデマンド・コンテンツの再生がステップ712で防止されない場合は、次にステップ716で、オンデマンド・クライアントは記憶装置134からオンデマンド・コンテンツ向けの符号化されたコンテンツのストリームを取出す。ステップ718で、オンデマンド・クライアントは制約基準からの鍵に基づいて符号化されたコンテンツのストリームを復号する。ステップ720で、オンデマンド・クライアントは復号したコンテンツをディスプレイ装置140で表示する。
【0058】
ステップ722では、オンデマンド・クライアントは保護鍵の規定の制約基準以外の基準を再度点検し、記憶装置134からのコンテンツのストリームを消去および/またはコンテンツのストリームへのアクセスを防止するかどうか判断する。ステップ722でコンテンツのストリームが記憶装置134から消去されるべきであると、および/または記憶装置134へのアクセスが阻止されるべきであるとなった場合は、オンデマンド・クライアントは記憶装置134(ステップ724)のコンテンツのストリームを破損するかまたは上書きし、プロセス700はステップ726で終了する。ステップ722でコンテンツのストリームが記憶装置134に維持されるべきであり、記憶装置134から取出し可能であるとなった場合は、プロセス700はステップ726で終了する。
【0059】
図8は、本発明の実施形態の1つによる、期間に応じてローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。プロセス800はステップ802から始まる。ステップ804で、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツの再生の要求を遠隔オンデマンド・サーバ150へ送る。ステップ806で、オンデマンド・クライアントは遠隔オンデマンド・サーバ150から、オンデマンド・コンテンツのためのコンテンツのストリームと、レンタル条件としてプログラムを消去しおよび/またはプログラムに対するアクセスを制御するための期間とを受け取る。ステップ808では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツおよび期間のためのコンテンツのストリームを記憶装置134に格納する。ステップ810では、規定の期間の後、記憶装置134からのコンテンツのストリームを自動的に消去しおよび/またはコンテンツのストリームに対するアクセスを防止する。プロセスはステップ812で終了する。
【0060】
図9は本発明の一実施形態による、オンデマンド・コンテンツの最長視聴時間に応じて、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。プロセス900はステップ902から始まる。ステップ904で、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツの再生の要求を遠隔オンデマンド・サーバ150へ送る。ステップ906では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツおよびオンデマンド・コンテンツの総視聴時間を規定するレンタル条件のためのコンテンツのストリームを遠隔オンデマンド・サーバ150から受取る。ステップ908では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツおよび条件のためのコンテンツのストリームを記憶装置134に格納する。ステップ910では、オンデマンド・クライアントはユーザの入力装置120経由で記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツの再生を開始するよう要求を受ける。尚、この要求はステップ904の要求に潜在的に含まれていてもよいし、ステップ904の要求に先行していてもよい。ステップ912では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツのためのコンテンツのストリームを記憶装置134から取出す。ステップ913では、オンデマンド・クライアントは表示するためにディスプレイ装置140へコンテンツのストリームを伝送する。
【0061】
ステップ916では、オンデマンド・クライアントは、レンタル条件に規定された視聴時間に応じて、オンデマンド・コンテンツを視聴するのに費やされた総時間が最大視聴時間T(例えば、Tは4時間または別の適切な時間)以上の長さであるかどうかを判断する。視聴時間が最大視聴時間より短い場合は、プロセス900はステップ918へ移り、オンデマンド・クライアントがオンデマンド・コンテンツの再生は終了しているかどうかを判断する。コンテンツの再生が終了していない場合は、プロセス900はステップ913に戻る。図には示していないが、オンデマンド・クライアントがステップ916およびステップ918を実行している間、オンデマンド・コンテンツの再生が終了していない場合は、オンデマンド・クライアントは表示のためにディスプレイ装置140へコンテンツのストリームを送り続ける。コンテンツの再生がステップ918で終了している場合、プロセス900はステップ910に戻り、オンデマンド・クライアントがコンテンツの再生を開始するための次の要求を受ける。
【0062】
ステップ916で視聴時間が最大視聴時間より長いかまたは等しい場合は、プロセス900はステップ920へ移り、オンデマンド・クライアントが記憶装置134からのコンテンツのストリームを自動的に消去しおよび/またはコンテンツのストリームに対するアクセスを防止する。プロセスはステップ922で終了する。
【0063】
図10は、本発明の一実施形態による、オンデマンド・コンテンツの最大視聴数に応じてローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。プロセス1000はステップ1002から始まる。ステップ1004では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツの再生の要求を遠隔オンデマンド・サーバ150へ送る。ステップ1006では、オンデマンド・クライアントは遠隔オンデマンド・サーバ150からオンデマンド・コンテンツおよびオンデマンド・コンテンツへの最大視聴数を規定するレンタル条件のためのコンテンツのストリームを受取る。ステップ1008では、オンデマンド・クライアントがオンデマンド・コンテンツおよびレンタル条件のためのコンテンツのストリームを記憶装置134に格納する。ステップ1010では、オンデマンド・クライアントはユーザの入力装置120経由で記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツの再生を開始するよう要求を受ける。尚、この要求はステップ1004よりも前から来ていてもよい。ステップ1012では、オンデマンド・クライアントは記憶装置134からオンデマンド・コンテンツのためのコンテンツのストリームを取出す。ステップ1014では、オンデマンド・クライアントはコンテンツのストリームを表示するためにディスプレイ装置140へ送る。尚、ここでは、さらに、関係する実施形態では、ステップ1014はディスプレイにオンデマンド・コンテンツの一部分だけを送ることを含んでも良い。
【0064】
ステップ1016では、オンデマンド・クライアントがオンデマンド・コンテンツの視聴数がレンタル条件で規定された最大視聴数Nに等しいかどうかを判断する。視聴数が最大視聴数より少ない場合は、プロセス1000はステップ1010に戻り、オンデマンド・クライアントはコンテンツの再生を開始するように次の要求を受ける。視聴数が最大視聴数に等しい場合は、プロセス1000はステップ1018に移り、オンデマンド・クライアントが記憶装置134からのコンテンツのストリームを自動的に消去しおよび/またはコンテンツに対するアクセスを防止する。プロセスはステップ1020で終了する。
【0065】
図11は本発明の実施形態の1つによる、ローカルな記憶装置内に同時に格納することが許されるオンデマンド・コンテンツの最大数に応じてローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。プロセス1100は1102から始まる。ステップ1104では、オンデマンド・クライアントは、ユーザの入力装置120から受けたオンデマンド・コンテンツの再生の要求を遠隔オンデマンド・サーバ150へ送る。ステップ1106では、オンデマンド・クライアントは記憶装置134で格納されることのできるコンテンツCの最大数Sを示すレンタル条件を遠隔オンデマンド・サーバ150から受取る。ステップ1108では、オンデマンド・クライアントが記憶装置134で格納されるオンデマンド・コンテンツCの数がオンデマンド・コンテンツSの最大数(例えば、4)に等しいかどうかを判断する。
【0066】
この実施形態では、オンデマンド・クライアントは記憶装置134に現在格納されているオンデマンド・コンテンツの数を示す計数器Cを維持する。記憶装置134に格納されるオンデマンド・コンテンツの数がオンデマンド・コンテンツの最大数に等しい場合は、プロセス1100はステップ1110へ移り、オンデマンド・クライアントはユーザに適切な表示を通して最大数のオンデマンド・コンテンツが記憶装置134に格納されていることを知らせ、記憶装置134に現在格納されているオンデマンド・コンテンツの1つを消去するために選択する選択肢をユーザに与える。ステップ1112では、オンデマンド・クライアントは記憶装置134から選んだオンデマンド・コンテンツを消去し、計数器Cから1を引く(図11では以下のプログラム言語のコード・シンタックス:「C−−」で表す)。別の実施形態では、ステップ1110において、記憶装置134に現在格納されている2つ以上のオンデマンド・コンテンツを除去するために選択する選択肢をユーザは得ることができる。このような実施形態では、計数器Cは記憶装置134から除去されたオンデマンド・コンテンツの数を反映するように数が減らされる。更に別の実施形態では、オンデマンド・クライアントは記憶装置134に格納されたオンデマンド・コンテンツの1つを自動的に消去できる。ステップ1112の後、プロセス1100はステップ1108へ戻る。
【0067】
ステップ1108で記憶装置134に格納されているオンデマンド・コンテンツCの数がオンデマンド・コンテンツSの最大数より少ない場合は、プロセス1100はステップ1114に移り、オンデマンド・クライアントが遠隔オンデマンド・サーバ150からオンデマンド・コンテンツのためのコンテンツのストリームを受取る。ステップ1116では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツのためのコンテンツのストリームを記憶装置134に格納し、計数器Cで1を増やす(図11で次のプログラム言語のコード・シンタックス:「C++」で表す)。ステップ1118では、オンデマンド・クライアントはユーザの入力装置120を経由して記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツの再生を開始するよう要求を受ける。この要求はステップ1104の一部分であってもよいしステップ1104の要求に先行していてもよい。ステップ1120では、オンデマンド・クライアントは記憶装置134からオンデマンド・コンテンツのためのコンテンツのストリームを取出す。ステップ1122では、オンデマンド・クライアントは表示するためにディスプレイ装置140へコンテンツのストリームを送る。プロセス1200は次にステップ1124で終了する。
【0068】
ある実施形態では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツの消去および/またはオンデマンド・コンテンツへのアクセスを制御するためにローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツにフラグを関連付けることができる。これらのフラグは、例えば、記憶装置134の中の表またはディレクトリに格納することができる。消去フラグ、アクセス制御フラグまたは所定のオンデマンド・コンテンツの消去およびアクセス制御のための1つのフラグ、があってもよい。オンデマンド・クライアントは、例えば、オンデマンドのレンタル条件、鍵、または動的要因を含む制約基準に応じてフラグを設定できる。
【0069】
例えば、オンデマンド・コンテンツがコンテンツ保護されていたり(例えば、単一ユーザによって購入されている、著作権保護されている、または販売制限されている)、プログラムへのアクセスができないことや鍵によってだけアクセスできることを示す制約基準が満たされたりしたときに、オンデマンド・クライアントはアクセス制御フラグを設定できる。ユーザがオンデマンドのレンタル期間を過ぎてもビデオを見ることを防ぐために、オンデマンド・クライアントはアクセス制御のフラグが設定されるという判断に応じて、記憶装置134に格納されたコンテンツのストリームのビット表示を変更する(例えば、破損する)ことができる。格納したビデオの通常のインターバルに空白のパケットを挿入し、量子化マトリックスをゼロビットに置き換え、格納したビデオの種々のパケットを追加注文し、または任意の他の適切な変更をして、格納したビデオの種々のパケットに於ける巡回冗長検査(CRC)のビットを無作為に変更することによって、オンデマンド・クライアントはビデオのビット表示を変更することができる。オンデマンド・コンテンツを再生しようとするとき、または再生しようとしている間、オンデマンド・クライアントはアクセス制御のフラグを調べ、フラグが設定されることがわかれば、フラグがプログラムを復号するための適切な鍵かどうかを判断する。鍵が適切でない場合は、オンデマンド・クライアントはユーザにプログラムは受け入れられないこと、またはユーザは料金を支払った後にだけアクセス権を得られることを示すことができる。
【0070】
フラグの使われ方の別の例として、オンデマンド・クライアントは、オンデマンド・コンテンツが記憶装置134から消去されるべきであるということを示すフラグを設定できる。別のオンデマンド・コンテンツが記録されるときには(または記憶装置134のスペースが必要であり得るときには)、オンデマンド・クライアントは消去フラグを調べ、消去のフラグが設定されているかどうかを判断し新しいプログラムを上書きする。
【0071】
図12は本発明の一実施形態によるフラグを使用したローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。プロセス1200はステップ1202から始まる。ステップ1204では、オンデマンド・コンテンツに関連付けられたアクセス制御フラグ(フラグA)が設定(例えば、2進法の「1」)されているかどうかを判断することにより、オンデマンド・クライアントはユーザが記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツへアクセスすることを阻止すべきかどうかを判断する。アクセス制御フラグが設定されていない場合、プロセス1200はステップ1206へ移る。
【0072】
アクセス制御のフラグが設定されている場合、プロセス1200はステップ1208へ移り、ユーザが記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツへアクセスすることをオンデマンド・クライアントが阻止する(例えば、オンデマンド・コンテンツのビット表示を変えることにより)。ステップ1210で、オンデマンド・クライアントはアクセス制御フラグをリセットする(例えば、2進法の「0」)。この2番目のフラグは、後で記憶装置134に格納される別のオンデマンド・コンテンツに関連し、後に使用される。プロセス1200は次にステップ1216で終了する。
【0073】
ステップ1206で、オンデマンド・コンテンツに関連する消去フラグ(フラグB)が設定されているかどうかを判断することにより、オンデマンド・クライアントは記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去するかどうかを判断する。消去フラグが設定されていない場合は、プロセス1200はステップ1204に戻る。消去フラグが設定されている場合は、プロセス1200はステップ1212へ移り、例えば、オンデマンド・コンテンツを他のコンテンツに取り替えることにより、オンデマンド・クライアントは記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツを消去する。ステップ1214では、オンデマンド・クライアントは2番目のフラグをリセットする。
【0074】
ある実施形態では、オンデマンド・クライアントがステップ1208でユーザが記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツにアクセスすることを阻止し、ステップ1210でアクセス制御フラグをリセットした後は、記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツを消去するために消去フラグが設定されるまで、オンデマンド・クライアントは消去フラグ(ステップ1206で)をチェックし続け得る。
【0075】
図には示さないが、プロセス1200の間に、オンデマンド・クライアントはそれぞれのローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツに関連するオンデマンドのレンタル条件を絶えず監視する。オンデマンド・コンテンツのいずれかがオンデマンドのレンタル条件を満たすと、それに応答して、当該オンデマンド・コンテンツに対応するフラグが適宜設定される。
【0076】
図3から図12までに示したプロセスは例示的なものである。ステップが別の順番で実行されてもよく、ステップが省略されてもよく、またはステップが適切に追加されてもよい。
【0077】
このように、ある種のオンデマンドの制約基準に応じてローカルな記憶装置内にオンデマンド・コンテンツを格納し、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するためのシステムおよび方法が提供されたことが理解されよう。当業者には明らかなことであるが本発明は記載の実施形態以外の方法で実施されることが可能であり、記載の実施形態は例示のために提示されたものでこれに限定しようとするものではなく、本発明は添付の請求項によってのみ限定される。
【技術分野】
【0001】
本発明はオンデマンド・システムに関する。より詳細には、本発明はオンデマンド・システムにおけるオンデマンド・コンテンツのローカルな記憶装置の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
オンデマンド・システム(例えば、ビデオ・オンデマンド・(VOD)システム)は発展してきて、ユーザは、自分の機器による再生(または、アプリケーションの場合は実行)のために、オンデマンド・サーバが供給するコンテンツ(例えば、ビデオ・プログラム)を注文することが出来るようになった。一部のアプローチにおいては、VODプログラムと関連付けられているレンタル期間が、ユーザがコンテンツにアクセスできる期間を規定する。レンタル期間は料金に基づくものであったり、料金に基づくものではなかったりし得る。
【0003】
例えば、VODシステムで、ユーザ機器にVODプログラムまたはVODプログラムの一部分を格納し、例えば、VCRのようにローカルに再生制御(playback control)が出来ることが望ましい。ユーザが、適用可能なレンタル期間を過ぎてもローカルに格納されたVODプログラムにアクセス出来る場合に、そのユーザは、VODプロバイダの視聴規定および料金体系に違反してVODプログラムを見ることができる場合があり得る。従って、適用可能なレンタル期間の終了後に、ユーザがローカルに格納されたVODプログラムを取出すことを防いだり、あるいはユーザのアクセスを制御したりすることが好ましい。より一般的に言えば、コンテンツのプロバイダにより定められた適用可能な使用期間が過ぎても、ローカルにキャッシュされたオンデマンド・コンテンツに対するユーザのアクセスを制御することが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(発明の概要)
本発明の目的はローカルな記憶装置内にオンデマンド・コンテンツを格納し、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツの使用を管理するためのシステムおよび方法を提供することである。本明細書で使用される「オンデマンド・コンテンツ」は、オンデマンド・プログラム(および/またはデータおよび/またはオーディオ)、オンデマンド・アプリケーション(例えば、ゲームおよび対話型ミニ・ガイド)、ならびに1つ以上のオンデマンド・プログラムに関連するコンテンツを含み、例えば、オンデマンド・プログラムに関連する特別な特徴、オンデマンド・プログラムの予告編、関連のあるオンデマンド・プログラム、オンデマンド関連アプリケーション(例えば、結合型または非結合型のオープン・ケーブル・アプリケーション・プラットフォーム(OCAP)アプリケーション)、またはパッケージの部分として提供されるそのようなコンテンツの組み合わせ等である。限定する目的ではなく、明確にするために、ここでは折に触れて本発明がローカルにキャッシュされたオンデマンド・ビデオ・プログラム・コンテンツの再生の管理に関連して議論されるが、本発明の原理は他の適切なオンデマンド・コンテンツの管理に適用されてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
オンデマンド・サーバからのオンデマンド・コンテンツの再生に対するユーザの要求に応えて、オンデマンド・サーバはユーザ機器に実装されているオンデマンド・クライアントへオンデマンド・コンテンツのコンテンツ・ストリームを送る。オンデマンド・クライアントはローカルな再生が出来るようにローカルな記憶装置にコンテンツのストリーム(または、その一部分)を格納する。オンデマンド・クライアントはローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツの消去および/またはオンデマンド・コンテンツへのアクセスを制御するための制約基準(constraint criterion)を使用する。制約基準はオンデマンド・レンタル条件、動的要因および/または鍵を含み、その制約基準は1つ以上のオンデマンド・コンテンツもしくはオンデマンド・コンテンツの分類に関連している。ある実施形態では、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツへのアクセスを制御するために使用される制約基準はローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツの消去の制御に使用される制約基準とは異なることもある。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
オンデマンド・サーバおよびオンデマンド・クライアントを含むオンデマンド・システムにおける、該オンデマンド・サーバにより提供されるオンデマンド・コンテンツの少なくとも一部分を管理する方法であって、該オンデマンド・コンテンツの少なくとも一部分は、該オンデマンド・クライアントに対してはローカルである記憶装置内に格納され、
オンデマンド・プロバイダのレンタル方針にしたがって、該記憶装置上の該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制約するオンデマンドのレンタル条件を受取ることと、
該オンデマンドのレンタル条件に応じて、該記憶装置上の該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制御することと
を包含する、方法。
(項目2)
上記オンデマンドのレンタル条件は、上記オンデマンド・サーバおよび第三者権利管理サーバの少なくとも1つから受取られる、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記オンデマンドのレンタル条件は、
少なくとも1つの期間と、
少なくとも1つの使用制限と、
上記記憶装置に格納されている他のオンデマンド・コンテンツの特性と
のうちの少なくとも1つを規定する、項目1に記載の方法。
(項目4)
上記オンデマンドのレンタル条件は、オンデマンド・コンテンツのレーティングに応じ、
該レーティングに応じた最大の回数と、
該レーティングに応じた累積期間と
のうちの少なくとも1つを規定する、項目1に記載の方法。
(項目5)
上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分の復号を可能にする鍵を受取ることと、
該鍵に応じて、該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を復号することと、
該オンデマンド・コンテンツの該復号された少なくとも一部分を再生することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
動的要因を受け取ることであって、該動的要因は、上記オンデマンド・クライアントが実装される機器の状態に基づいて、上記記憶装置に格納された上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制約する、ことと、
該動的要因に応じて、該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制御することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
上記ユーザが上記オンデマンド・コンテンツを見ているかどうかを判断することと、
上記記憶装置が利用可能であるかどうかを判断することと、
該オンデマンド・コンテンツの少なくとも一部分が保存基準を満たすかどうかを判断することと
のうち少なくとも1つを上記動的要因が規定する、項目6に記載の方法。
(項目8)
上記記憶装置上の上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分の上記消去および/またはアクセスを制御することは、
上記オンデマンド・クライアントのユーザが該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分をアクティブに見ていないことを判断することと、
該判断に応じて該記憶装置から該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を消去することと
を含む、項目6に記載の方法。
(項目9)
上記記憶装置の上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制御することは、
上記オンデマンド・クライアントのユーザが、該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を見ていないこと、および該記憶装置のスペースが他のシステムの活動にとって必要であることを判断することと、
該判断に応じて、該記憶装置から該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を消去することと
を含む、項目6に記載の方法。
(項目10)
上記記憶装置の上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制御することは、
上記オンデマンド・クライアントの上記ユーザは該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を見ていないこと、該記憶装置上のスペースが他のシステムの活動のために必要であること、および該記憶装置上の該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分によって用いられるスペース、は規定された最小の保存閾値よりも小さいこと、を判断することと、
該判断に応じて、該記憶装置からの該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を消去することと
を含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
オンデマンド・クライアントが実装されるユーザ機器であって、該ユーザ機器はオンデマンド・コンテンツの少なくとも一部分および処理回路を格納するように構成された記憶装置を備え、該処理回路は、
該オンデマンド・コンテンツの少なくとも一部分を格納するように該記憶装置に命令することと、
オンデマンド・プロバイダのレンタル方針にしたがって、該記憶装置の該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制約するオンデマンドのレンタル方針を受取ることと、
該オンデマンドのレンタル条件に応じて、該記憶装置の該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分の消去および/またはアクセスの制御をすることと
のために適合されている、ユーザ機器。
(項目12)
オンデマンド・サーバおよび第三者権利管理サーバのうちの少なくとも1つから、上記オンデマンドのレンタル条件が、処理回路によって受取られる、項目11に記載のユーザ機器。
(項目13)
上記オンデマンドのレンタル条件は、
少なくとも1つの期間と、
少なくとも1つの使用制限と、
上記記憶装置の他のオンデマンド・コンテンツの特性と
のうちの少なくとも1つを規定する、項目11に記載のユーザ機器。
(項目14)
上記オンデマンドのレンタル条件は、上記オンデマンド・コンテンツの上記レーティングに応じ、
該レーティングに応じた最大の回数と、
該レーティング応じた累積期間と
のうちの少なくとも1つを規定する、項目11に記載のユーザ機器。
(項目15)
上記処理回路は、
上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分の復号を可能にする鍵を受取り、
該鍵に応じて、該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を復号することと、
上記記憶装置の該オンデマンド・コンテンツの該復号された少なくとも一部分を再生することと
のためにさらに構成されている、項目11に記載のユーザ機器。
(項目16)
上記処理回路は、
上記ユーザ機器の状態に基づいて、上記記憶装置上の上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分の消去および/またはアクセスを制約する動的要因を受取ることと、
該動的要因に応じて、該記憶装置の該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分の消去および/またはアクセスをさらに制御することと
のためにさらに構成されている、項目11に記載のユーザ機器。
(項目17)
上記動的要因は、
上記ユーザが上記オンデマンド・コンテンツを見ているかどうかを判断することと、
上記記憶装置が利用可能であるかどうかを判断することと、
該オンデマンド・コンテンツの少なくとも一部分が保存基準を満たすかどうかを判断することと
のうち少なくとも1つを規定する、項目16に記載のユーザ機器。
(項目18)
上記処理回路は、
上記オンデマンド・クライアントのユーザが上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分をアクティブに見ていないことを判断することと、
該判断に応じて、該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を消去するよう上記記憶装置に命令することと
のためにさらに構成されている、項目16に記載のユーザ機器。
(項目19)
上記処理回路は、
上記オンデマンド・クライアントのユーザが上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分を見ていないこと、および上記記憶装置が該ユーザ機器の中のリソースの他への使用のために必要であることを判断することと、
該判断に応じて、該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を消去するよう該記憶装置に命令することと
のためにさらに構成されている、項目16に記載のユーザ機器。
(項目20)
上記処理回路は、
上記オンデマンド・クライアントの上記ユーザが上記オンデマンド・コンテンツの上記少なくとも一部分を見ていないこと、上記記憶装置上のスペースが該ユーザ機器の中のリソースの他への使用のために必要であること、および該記憶装置上の該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分により使用される該スペースは規定された最小の保存閾値よりも小さいこと、を判断することと、
該判断に応じて、該オンデマンド・コンテンツの該少なくとも一部分を消去するよう該記憶装置に命令することと
のためにさらに構成されている、項目11に記載のユーザ機器。
(項目21)
上記処理回路は、衛星経路、光ファイバ経路、およびケーブル経路のうちの少なくとも1つを含む通信経路を経由してオンデマンド・サーバに結合される、項目11に記載のユーザ機器。
(項目22)
上記処理回路は、テレビジョン、セット・トップ・ボックス、および記録装置のうちの少なくとも1つの部分である、項目11に記載のユーザ機器。
(項目23)
オンデマンド・サーバおよびオンデマンド・クライアントを備えるオンデマンド・システムの中で動作するように適合されたオンデマンド・サーバであって、
オンデマンド・コンテンツおよびオンデマンドのレンタル条件を格納するように構成された記憶装置であって、該オンデマンドのレンタル条件は、オンデマンド・プロバイダのレンタル方針にしたがって、該オンデマンド・クライアントに格納される該オンデマンド・コンテンツの部分の消去および/またはアクセスを制約する、記憶装置と、
処理回路であって、
該オンデマンド・クライアントから該オンデマンド・コンテンツの再生の指令を受取ることと
少なくとも該オンデマンド・コンテンツの一部分および該オンデマンドのレンタル条件を該オンデマンド・クライアントへストリーミング配信することと
のために適合された処理回路と
を備える、オンデマンド・サーバ。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は本発明の一実施形態によるオンデマンド・システムのブロック図である。
【図2】図2は本発明の一実施形態によるローカルな記憶装置からオンデマンド・コンテンツを取出し、表示するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図3】図3および図4は本発明の一実施形態によるローカルな記憶装置内における利用の可能性に影響を与える動的要因に応じて、ローカルな記憶装置内のオンデマンド・コンテンツを管理するための2つの例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図4】図3および図4は本発明の一実施形態によるローカルな記憶装置内における利用の可能性に影響を与える動的要因に応じて、ローカルな記憶装置内のオンデマンド・コンテンツを管理するための2つの例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図5】図5は本発明の一実施形態による、動的要因およびオンデマンドのレンタル条件に応じて、ローカルな記憶装置内のオンデマンド・コンテンツを消去するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図6】図6は本発明の一実施形態による、動的要因およびオンデマンドのレンタル条件に応じて、ローカルな記憶装置からオンデマンド・コンテンツを消去するための別の例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図7】図7は本発明の一実施形態による鍵および他の制約基準に応じて、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図8】図8は本発明の一実施形態による期間に応じて、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図9】図9は本発明の別の実施形態によるオンデマンド・コンテンツの最長視聴時間に応じてローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図10】図10は本発明の一実施形態によるオンデマンド・コンテンツの最大視聴回数に応じてローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図11】図11は本発明の一実施形態による、ローカルな記憶装置内に同時に格納されることが出来るオンデマンド・コンテンツの最大数に応じて、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【図12】図12は本発明の一実施形態によるフラグを使用したローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の上記および他の目的並びに効果は添付の図面と共に以下の詳細な説明を考慮すれば明白であろう。尚、全体を通して類似の部分を特定するために参照数字を同じにしている。
【0008】
(発明の詳細な説明)
図1は本発明によるオンデマンド・システム100の一実施形態の単純化した構成図である。オンデマンド・システム100はユーザ機器110および遠隔オンデマンド・サーバ150を含む。ある実施形態では、オンデマンド・コンテンツはヘッド・エンドまたは遠隔サイト(図示せず)から遠隔オンデマンド・サーバ150へ供給され、格納される。図1は明確にするために1台の遠隔オンデマンド・サーバ150だけを示しているが、オンデマンド・システム100はユーザ機器110とインターフェースで接続する2台以上の遠隔オンデマンド・サーバ150および/または付加的な形式のサーバを含むこともある。
【0009】
遠隔オンデマンド・サーバ150は、記憶装置および処理回路を含み、通信経路136を通じてユーザ機器110と通信をする。通信経路136は衛星通信経路、光ファイバ経路、ケーブル経路、インターネット・プロトコル(IP)経路または任意の他の適切な有線または無線経路でよい。データ(例えば、オンデマンド・コンテンツのストリーム、オンデマンド制約基準、オンデマンド関係メッセージ等)は同期伝送メカニズム(例えば、混成ファイバの同軸ケーブル・ネットワークを通じたMPEG−2伝送)、非同期伝送メカニズム(例えば、格納・転送(store−and−forward)、最善努力(best−effort)、またはインターネット・プロトコル(IP))または同期伝送メカニズムと非同期伝送メカニズムとの組合せを使用して、通信経路136を経由して送られるかまたは交換される。通信経路136は明確にするために1本の経路として示されているが、通信経路136は複数の経路(例えば、ユーザ機器110と複数の分散型遠隔オンデマンド・サーバ150との間の複数のIP経路)を含んで良い。
【0010】
実際のところ、ユーザ機器110については多くの装置があるかもしれないが、複雑すぎる図面になることを避けるよう1台だけを示した。ユーザ機器110はオンデマンドの機能性を提供するのに適するものであれば家庭用のどのような機器でもよく、例えば、適切に設けられたテレビジョン、セット・トップ・ボックス、デジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)、パーソナル・ビデオ・レコーダ(PVR)またはPCTVであり得る。どのような機器が選ばれたとしても、ユーザ機器110は少なくともユーザの入力装置120、処理回路130、記憶装置134およびディスプレイ装置140を含めばよい。ユーザの入力装置120は、例えば、遠隔制御器、キー・ボード、マウス、タッチ・パッド、タッチ・スクリーン、または音声認識インターフェースを含む任意の適切な装置または入力装置の組合せであっても良い。ディスプレイ装置140は、テレビジョン、プラズマ・ディスプレイ,LCDまたはコンピュータ・モニタなどのビデオおよびオーディオの出力部として提供するよう適切に設定されていればどのような装置でも良い。
【0011】
処理回路130はマイクロプロセッサなどの演算処理装置、およびオンデマンド関係の機能性を提供する、例えば、キャッシング回路、ビデオ・デコーディング回路、直接メモリ・アクセス回路、入力・出力回路(通信経路136を通じて遠隔オンデマンド・サーバ150と通信をするための通信回路を含む)、復号回路およびトランスクリプション(transcription)回路などを含む任意の他の適切な回路を含んで良い。
【0012】
記憶装置134は、オンデマンド・クライアント・プログラム論理、データおよび例えばRAM、フラッシュ・メモリ、1つ以上のハード・ディスク駆動装置、リムーバブル記憶媒体、1つ以上のCD−ROM駆動装置並びに1つ以上の家庭用娯楽ネット・ワーク駆動装置を含むオンデマンド・コンテンツを記憶するための任意の適切な記憶装置または一連の記憶装置の組合せであり得る。
【0013】
処理回路130はオンデマンド・クライアントが以下を含む多重機能を果たすよう実行する。即ち、(1)通信経路122を通じてユーザの入力装置120からコマンドを受け、遠隔オンデマンド・サーバ150へコマンドを送るかまたはローカルにコマンドを処理する。(2)記憶装置134および/または遠隔オンデマンド・サーバ150が供給するオンデマンド・コンテンツを再生する。(3)オンデマンド・コンテンツを記憶装置134に格納する。(4)制約基準に応じて記憶装置134に格納されたオンデマンド・コンテンツの消去および/またはオンデマンド・コンテンツへのアクセスを制御する。ある実施形態では、オンデマンド・クライアントは対話型テレビジョン・プログラム・ガイドなどの対話型テレビジョン・アプリケーションの部分であり、または対話型テレビジョン・アプリケーションと通信をする。
【0014】
通信経路138は、例えば、デジタル・ビジュアル・インタフェース(DVI)またはファイヤ・ワイヤ・インタフェース(IEEE1394)などの任意の適切なディスプレイ・インタフェースでも良い。通信経路122は任意の適切な有線経路または無線経路(例えば、赤外線経路)でも良い。
【0015】
典型的な使用方法を想定すると、オンデマンド・システム100のユーザはユーザ入力装置120を使用して再生するコンテンツを選ぶ。ユーザ入力装置120はオンデマンド・クライアントへ信号を送り、それに応えてオンデマンド・クライアントはオンデマンド・サーバ150が供給する選ばれたオンデマンド・コンテンツを要求する。オンデマンド・サーバ150はオンデマンド・コンテンツを取出しデジタル・ストリーム(例えば,MPEG・ストリーム)としてそのコンテンツをユーザ機器110へ伝送する。オンデマンド・クライアントはそのストリームを記憶装置134に格納し、全部のストリームが受け取られる前に(例えば、コンテンツの一部分だけが格納された時)記憶装置134からのコンテンツの再生を始めても良いし、あるやり方では、コンテンツを再生する前に全コンテンツのストリームを格納することも出来る。さらに他のやり方では、全オンデマンド・コンテンツはローカルに格納されず、環状キャッシュが任意の時点でコンテンツの一部分だけを格納またはバッファするために使用される。
【0016】
遠隔オンデマンド・サーバ150とユーザ機器110との間に通信リンクを確立するために既に要求されたオーバーヘッドが与えられると、全オンデマンド・コンテンツを格納するために必要な付加的なオーバーヘッドは、オンデマンド・コンテンツの一部分を格納することと比べればごく小さくすることが出来る。したがって、ある実施形態では、オンデマンド・クライアントはユーザが実際に全オンデマンド・コンテンツを見ているかどうかとは無関係に全オンデマンド・コンテンツを格納する。このような実施形態では、オンデマンド・コンテンツの全体を記録することが他のシステムからの要求の結果として望ましくない場合、またはプログラムに対するアクセスが以下に述べるような制約基準に違反する場合に、オンデマンド・クライアントは、例えば、チューナまたは利用できなくなりつつある通信経路に応じて、オンデマンド・コンテンツの全体の格納を止めることが出来る。
【0017】
ある実施形態では、遠隔オンデマンド・サーバ150はユーザ機器110に伝送する前にコンテンツのストリームを符号化および圧縮することができる。このような実施形態では、オンデマンド・クライアントは符号化および圧縮したコンテンツのストリームを記憶装置134に格納する。オンデマンド・クライアントは記憶装置134から先入れ先出し方式(FIFO)でコンテンツのストリームを取出し、ディスプレイ装置140へ出力するために復号および圧縮の復元をして直ちにオンデマンド・コンテンツの再生を始めることが出来る。オンデマンド・クライアントはその後(例えば、ユーザにローカルな再生制御を提供するために、または再生される前に全ストリームが格納される時)にストリームにアクセスすることもできる。
【0018】
従来の技術では、記憶装置134に格納されたオンデマンド・コンテンツは、消去されるまでオンデマンド・サービス・プロバイダのレンタル期間の期限が過ぎてもユーザがアクセスできるままであり得る(そのレンタル期間は所望の導入内容に基づいて有料であるかもしれないし、そうでないかもしれない)。これはオンデマンド・プロバイダにとってユーザがオンデマンド・コンテンツに対して行うことについて統制を失うことになり望ましくないことがあり得る。例えば、ユーザは望む限り長く記憶装置134にオンデマンド・コンテンツを格納したり(ユーザが記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去するまで)、またはユーザは望む限り多くの回数だけオンデマンド・コンテンツを見ることができたりし得る。
【0019】
このような望ましくない結果を避けるために、オンデマンド・クライアントは記憶装置134に格納されたオンデマンド・コンテンツ(またはオンデマンド・コンテンツの部分)の消去および/またはオンデマンド・コンテンツへのアクセスを、それぞれのコンテンツまたはコンテンツのグループ(例えば、特定のジャンルのオンデマンド・コンテンツ、類似の料金がかかるコンテンツ、または任意の他の適切なグループ)と関連する制約基準に応じて制御する。オンデマンド・クライアントはコンテンツに対するアクセスを制御するのに用いられる制約基準と同じ基準または異なる基準で、記憶装置134に格納されたオンデマンド・コンテンツの消去を制御できる。本明細書で使用されるように、「アクセスの制御」は、例えば、(a)記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツの取出し、(b)符号化したコンテンツのストリームの復号、(c)符号化(もしくはトランスクリプション)したコンテンツのストリームの復号(もしくはトランスクリプション)、を制御すること、またはローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツをアクセスするときにユーザが行うかもしれない任意の他の行動を制御すること、を含むことが出来る。
【0020】
ある実施形態では、遠隔オンデマンド・サーバ150は制約基準をユーザ機器110に伝送する。他の実施形態では、別の適切なサーバ、例えば、異なる遠隔オンデマンド・サーバ150(例えば、格納されたオンデマンド・コンテンツを提供したオンデマンド・サーバ以外のオンデマンド・サーバ)、対話型プログラム・ガイド・サーバ、デジタル著作権管理サーバ、または認証サーバ(例えば、RADIUSサーバ)が制約基準を伝送する。処理回路130は制約基準を記憶装置134に格納する。
【0021】
遠隔オンデマンド・サーバ150、または別の適切なサーバは、コンテンツのストリームの一部分として、またはコンテンツのストリームとは独立した(同じ通信経路136に沿った、または別の通信経路136に沿った明確なメタデータ・ストリームの部分など)制約基準を伝送する事ができる。制約基準はコンテンツのストリームの伝送の前に、またはそれと同時に、またはその後に伝送されても良い(但し、一般的にはレンタル画面が終了する前)。例えば、制約基準は、(1)オンデマンド・サービスに登録する時に、(2)ユーザが遠隔オンデマンド・サーバ150から任意のオンデマンド・コンテンツの再生を要求する初めての時に、(3)ユーザが遠隔オンデマンド・サーバ150から任意のオンデマンド・コンテンツの再生を要求するたびに、(4)記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツを消去しおよび/またはユーザのオンデマンド・コンテンツへのアクセスを防止するかどうかをオンデマンド・クライアントが判断する時点の直前に(但し、レンタル画面が終了する前に)、または(5)任意の他の適切な時に、ユーザに応えてある回数で(例えば、毎日、毎週、毎月、または制約基準が変わるたびに)伝送されることが出来る。
【0022】
ある実施形態では、制約基準は当初、処理回路130、記憶装置134またはユーザ機器110内の他の回路に格納され得る。さらに他の実施形態では、制約基準の一部分は遠隔オンデマンド・サーバ150または別の適切なサーバにより供給され、一部分は当初ユーザ機器110に格納される。
【0023】
制約基準はオンデマンド・レンタル条件を含んでも良い。これらはシステム・プロバイダのレンタル方針に関係する条件である(有料であったり、有料でなかったりし得る)。オンデマンド・レンタル条件は、例えば1つ以上のその他の期間、使用制限、またはこれらの組合せ、あるいは他の適切なレンタル条件を、オンデマンド・レンタル画面に明記することができる。レンタル条件は、例えば、コンテンツまたはレンタル条件に関連するコンテンツと共に、記憶装置134に格納が許されているかまたは禁止されている他のオンデマンド・コンテンツの特性を規定することができる。このような特性は、例えば、利用の可能性、サイズ、持続期間、価格、販売手段、共通のシリーズの一部かどうか、共通の販売促進用パッケージの一部かどうか、および他のオンデマンド・コンテンツに関係する他の適切な要因を含み得る。
【0024】
レンタル条件の期間は任意の適切な方法で規定しても良い。ある実施形態では、期間はオンデマンド・コンテンツが記憶装置134に当初格納された期間に基づいたものである。例えば、オンデマンド・クライアントは、この期間に応じて、オンデマンド・コンテンツが記憶装置134に格納された24時間後に、記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去することができ、またはユーザのオンデマンド・コンテンツへのアクセスを防止することができる。
【0025】
期間は、例えば、オンデマンド・コンテンツが遠隔オンデマンド・サーバ150から当初利用できるようになった時点に基づき得(その時点は、オンデマンド・コンテンツが注文された(例えば、ユーザにより)実際の時点および/またはオンデマンド・コンテンツがローカルに格納される時点、とは独立したものである)。例えば、オンデマンド・クライアントは、期間に応じて、オンデマンド・コンテンツが遠隔オンデマンド・サーバ150から当初利用できるようにされた7日後に記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去し、またはユーザのオンデマンド・コンテンツへのアクセスを防止できる。
【0026】
別の例として、期間はオンデマンド・コンテンツが遠隔オンデマンド・サーバ150から移されるときの時刻を基にすることができる。例えば、オンデマンド・クライアントは、期間に応じて、オンデマンド・コンテンツが遠隔オンデマンド・サーバ150から移された時と同時刻、またはある期間後に、記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去し、またはユーザがオンデマンド・コンテンツへアクセスすることを防止することができる。
【0027】
さらに別の例では、期間はユーザが記憶装置134からオンデマンド・コンテンツの再生を最初に要求した時の時刻を基にすることができる。例えば、オンデマンド・クライアントは、期間に応じて、ユーザが記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツの再生を当初に要求したあと12時間後に、記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去し、またはユーザのオンデマンド・コンテンツへのアクセスを防止できる。ユーザがオンデマンド・コンテンツの再生を要求した時と同時刻に、または先立って、ユーザはオンデマンド・コンテンツを注文ずみ(例えば、購入ずみ)にすることができる。
【0028】
最後の例として、期間は現在の日時に基づき得る。例えば、オンデマンド・クライアントは、期間に応じて、毎日曜日の午前零時に記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去することができる。
【0029】
レンタル条件の使用制限も任意の適切な方法で規定ができる。使用制限はユーザが記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツの再生を要求する許容回数であり得る。例えば、オンデマンド・クライアントは、このレンタル条件に応じて、ユーザが記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを3回要求して見た後に、記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去することによって、オンデマンド・コンテンツに対しユーザがアクセスすることを防止できる。
【0030】
使用制限は、ユーザが記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツを見るために使うことができる時間の累積であり得る。例えば、オンデマンド・クライアントは、このレンタル条件に応じて、ユーザがオンデマンド・コンテンツの全体、または種々の部分を見て合計18時間を費やした後に、記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去することによって、オンデマンド・コンテンツに対してユーザがアクセスすることを防止できる。
【0031】
使用制限は、ユーザが記憶装置134からの特定のレーティング(または、1セットのレーティングを超えるオンデマンド・コンテンツの組合せ)を超えるオンデマンド・コンテンツを要求および/または見る事ができる回数および/または累積時間を制限するペアレンタルコントロール(parental control)であり得る。
【0032】
使用制限は現在格納されているオンデマンド・コンテンツの許容数であり得る。例えば、オンデマンド・クライアントは、任意の時間において、ユーザが記憶装置134に最大4個のオンデマンド・コンテンツを格納することを許容することができる。ユーザの第5のオンデマンド・コンテンツへの要求に応えて、オンデマンド・クライアントは記憶装置134に現在格納されているオンデマンド・コンテンツの1つを消去したり、かつ/またはオンデマンド・コンテンツの1つに対するアクセスを防止したりすることができる。この最大値は記憶装置134に現在格納されている1つ以上の分類(例えば、封切り(first−run)、クラシック、アクション、コメディ、特定の俳優が主演する映画、特定のシリーズの映画、等)のオンデマンド・コンテンツの数を基にしても良い。例えばオンデマンド・クライアントはユーザが最大5本の封切り映画および/または10本のクラシックを同時に格納することを許容できる。ユーザの第6の封切り映画(または第11のクラシック)への要求に応えて、オンデマンド・クライアントは記憶装置134に現在格納している封切り映画の1本を消去し、および/または封切り映画1本に対するアクセスを防止することができる。
【0033】
ある実施形態では、制約基準はユーザ機器の状態を規定する動的要因を含み得る。このような要因は例えば、ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ているかどうか、ローカルな記憶装置における利用可能性に関する動的要因(例えば、その他のシステム活動が、ローカルな記憶装置またはその他のコンフリクトの使用を要求するかどうか)、ローカルな記憶装置内に格納されているオンデマンド・コンテンツの一部分が「保存(keep)」基準(例えば、ユーザ機器がローカルな記憶装置からのオンデマンド・コンテンツを消去する状況下でローカルな記憶装置内に格納される必要が有るオンデマンド・コンテンツの閾値数量)またはそのような要因の組合せを満たすかどうか、を含み得る。
【0034】
ある実施形態では、オンデマンド・クライアントは暗号手法(例えば、符号化/復号およびトランスクリプション)を採用することがある。このような実施形態では、制約基準は鍵を含むことがある。オンデマンド・クライアントは、ユーザに対する表示のために、制約基準からの鍵を使用して、コンテンツのストリームを処理する(例えば、復号化、トランスクリプションを行う)。遠隔オンデマンド・サーバ150は符号化した(またはトランスクリプションした)コンテンツのストリーム、またはコンテンツのストリームの一部分をユーザ機器110へ送ることができる。オンデマンド・クライアントは記憶装置134にコンテンツのストリームを格納するのに先立って、または後に、鍵を使ってコンテンツのストリームを復号(またはトランスクリプション)することができる。所望されれば、鍵および他の機密的な情報は機密保護記憶装置に格納するか、さもなければ機密保護方式で扱われることができる。
【0035】
制約基準に応じて記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツを消去したり、かつ/またはユーザのオンデマンド・コンテンツへのアクセスを防止したりするのに先立って、オンデマンド・クライアントはユーザにオンデマンド・コンテンツの画面の視聴時間を延長する選択肢を与えるか、さもなければオンデマンド・コンテンツに関連する制約基準を緩和する。ユーザがそのような選択肢を受け入れない時は、オンデマンド・クライアントは次に記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツを消去および/またはユーザのオンデマンド・コンテンツへのアクセスを防止できる。ユーザがその選択肢を受け入れるときは、ユーザは料金を請求されるか(例えば、元の料金で、または値引き料金で)、もしくはオンデマンド・コンテンツに関係する特別な上映作品またはオンデマンド・コンテンツに関係する予告編などのインセンティブを受けることもある。この延長された視聴時間の画面は、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツのための元の制約基準と同じ(または異なる)制約基準を有し得る。
【0036】
図2は本発明の実施形態によるローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを取出し、表示するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。この実施形態では、オンデマンド・クライアントは記憶装置134に全コンテンツを格納するに先立って再生を始めても良い。
【0037】
プロセス200は、オンデマンド・クライアントがオンデマンド・コンテンツ(例えば、ローカルなユーザから)のセグメント(例えば、少なくとも一部分)に対する要求を受けるステップ202からスタートする。ステップ204で、オンデマンド・クライアントは全オンデマンド・コンテンツがローカルに格納(例えば、記憶装置134に)されているかどうか判断する。全オンデマンド・コンテンツがローカルに格納されていない場合は、プロセス200はステップ206に進み、遠隔オンデマンド・サーバ150からオンデマンド・コンテンツの取出しが進行中かどうかをオンデマンド・クライアントが判断する。取出しが進行中でない場合に、プロセス200は次にステップ208へ移り、オンデマンド・クライアントが遠隔オンデマンド・サーバ150からオンデマンド・コンテンツの取出しを開始する。ステップ206で、オンデマンド・クライアントがオンデマンド・コンテンツの取出しを既に開始したと判断する場合に、またはステップ208の後に、プロセス200は次にステップ210に移る。状況によっては、ステップ208は省略されることがある。例えば、必要なリソースが利用できないときに、ユーザが単一チューナ・システムにおいてオンデマンド・コンテンツからチューニングする時などに、全てのオンデマンド・コンテンツを取り出そうと試みるのは望ましくないことがある。故に、このような状況では、プロセス200は直接ステップ210に移ることがある。
【0038】
ステップ210では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツの要求されたセグメントがローカルな記憶装置134で利用できるかどうかを判断する。要求されたセグメントが利用できない場合は、プロセス200はステップ212へ移り、オンデマンド・クライアントが時間切れ(例えば、エラーの状態、またはチューナのリソース又はIP接続での例外的な遅れ)のリソースがあるかどうか判断する。時間切れのリソースが検出された場合は、次のステップ214で、オンデマンド・クライアントはユーザまたは問題のあるシステムへ通知する。プロセス200は次にステップ220で終了する。時間切れのリソースがステップ212で検出されない場合はプロセス200はステップ210へ戻る。
【0039】
要求されたセグメントがステップ210またはステップ204で利用可能である場合は、プロセス200はステップ216へ移り、要求されたセグメントがローカルな記憶装置134から取り出される。次にステップ218では、オンデマンド・クライアントが要求されたセグメントを復号し表示する。プロセス200はステップ220で終了する。
【0040】
図3から図11は、制約基準の種々の組合せに応じてローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツの消去および/またはオンデマンド・コンテンツへのアクセスの制御を、オンデマンド・クライアントが実行できる例示的なプロセスのフロー・チャートである。オンデマンド・クライアントは、例えば、きっかけとなるイベントまたは計時装置に応えてこれらのプロセスを開始することができる。ある実施形態では、オンデマンド・クライアントは1つ以上のこれらのプロセスを定期的にまたは連続して(ラウンドロビンにおけるように)実行することができる。他の実施形態が図3から図11までのプロセスにおける制約基準を任意の適切な組合せで結びつけることができ、図示していない他の形式の制約基準を使用する事ができるので、これらのプロセスは単に例示的なものである。
【0041】
図3および図4はローカルな記憶装置での利用の可能性に影響を及ぼす動的要因に応じて、ローカルな記憶装置でのオンデマンド・コンテンツを管理するための2つの例示的なプロセスのフロー・チャートである。これらの例では、制約基準により規定された動的要因は、ユーザがプログラムを見ているかどうかを判断すること、および記憶装置が他のシステムの活動に必要とされているかどうかを判断すること(図3および図4)、並びに「保存」基準が満たされているかどうかを判断することを含む(図4)。これらの例はレンタル期間がまだ終了していない初期の状態として想定している(レンタル期間が終了していないかどうかの判断については図示されていない)。図3のプロセス300はステップ302から始まる。ステップ304でオンデマンド・クライアントはユーザがローカルな記憶装置134(図1)に格納されているオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ているかどうかを判断する。ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ている場合は、ユーザがオンデマンド・コンテンツを見なくなるまでプロセスはステップ304を繰り返す。
【0042】
ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ていない場合、またはひとたびユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブにはもう見ていない場合は、プロセス300はステップ306へ移り、オンデマンド・コンテンツを格納するローカルな記憶装置134の一部分が他の活動(新しいオンデマンド・コンテンツの格納など)のためにシステムに必要とされるかどうかをオンデマンド・クライアントが判断する。ローカルな記憶装置134のスペースが他のシステムの活動にとって現在必要ない場合は、プロセス300はステップ304にもどる。ローカルな記憶装置134のスペースが他のシステムの活動に必要な場合は、オンデマンド・クライアントはローカルな記憶装置134の部分を他のシステムの活動(ステップ308)が利用できるようにして、オンデマンド・コンテンツを消去する。本明細書で説明したように、オンデマンド・コンテンツの消去はオンデマンド・コンテンツの一部分の消去またはローカルな記憶装置134に格納されるオンデマンド・コンテンツ全体の消去を含む。オンデマンド・コンテンツの一部分だけがローカルな記憶装置134に格納される時、またはローカルな記憶装置134に格納される全オンデマンド・コンテンツのために使用されるよりもより少ないディスク・スペースが必要とされる時は、オンデマンド・コンテンツの一部分だけを消去することができる。プロセス300は次にステップ310で終了する。
【0043】
図4のプロセス400はステップ402から始まる。ステップ404でオンデマンド・クライアントはユーザがローカルな記憶装置134に格納されているオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ているかどうかを判断する。ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ている場合は、プロセスはユーザがオンデマンド・コンテンツを見なくなるまでステップ404を繰り返す。
【0044】
ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ていない場合、またはユーザがオンデマンド・コンテンツをもはやアクティブには見ていない場合には、プロセス400はステップ406に移り、オンデマンド・コンテンツを格納するローカルな記憶装置134の一部分が他の活動のためにシステムにより必要とされるかどうかをオンデマンド・クライアントが判断する。ローカルな記憶装置134の一部分が他のシステムの活動のために現在必要でない場合は、プロセス400はステップ408に移り、格納されたオンデマンド・コンテンツの一部分が「保存」基準を満たすかどうかをオンデマンド・クライアントが判断する。例えば、全オンデマンド・コンテンツのサイズおよび/またはローカルな記憶装置で利用可能なスペースに関連して、限界数量のプログラムが格納されている場合は、オンデマンド・コンテンツは「保存」されることができる。保存の基準が満たされる場合は、プロセス400はステップ404に戻る。ローカルな記憶装置134がステップ406で他のシステムの活動に必要とされる場合、または保存基準がステップ408で満たされない場合は、プロセス400はステップ410へ移り、記憶装置134の部分が他のシステムの活動にとって利用可能であるようにして、オンデマンド・クライアントがオンデマンド・コンテンツを消去する。プロセス400は次にステップ412で終了する。
【0045】
プロセス300およびプロセス400の1つ以上変形例では、プロセス300の検証ステップ306および/またはプロセス400の検証ステップ406は優先度判断により更に条件整備される。言い換えれば、検証は「格納は他の『より優先度の高い』システムの活動に必要とされるか」と読み替えられる。
【0046】
図5は、本発明の実施形態の1つによる、動的要因に応じてローカルな記憶装置でのオンデマンド・コンテンツを(この例では、ユーザがオンデマンド・コンテンツを見ているかどうか)、およびオンデマンドのレンタル条件を、消去するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。この例示的なプロセスで、オンデマンドのレンタル条件はローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを消去すべきかどうか判断するための消去基準としてオンデマンド・クライアントにより使用される。このようなやり方では、他のレンタル条件を使用し、プログラムに対するアクセスを別の方法で制御する。
【0047】
プロセス500はステップ502より始まる。ステップ504で、オンデマンド・クライアントはローカルな記憶装置134に格納されたオンデマンド・コンテンツをユーザがアクティブに見ているかどうかを判断する。ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ている場合は、プロセスはユーザがオンデマンド・コンテンツを見なくなるまでステップ504を繰り返す。ある実施形態では、あるオンデマンドのレンタル条件を基にして(例えば、ユーザの口座での期限の過ぎた未払い)、ユーザがプログラムを見ることに没頭しているときでさえも、オンデマンド・クライアントはローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを消去し、ユーザがローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを見ることを防止する。この点については、図面を複雑にし過ぎることを避けるためプロセス500に図示していない。
【0048】
ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ていない場合は、またはユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブにもう見ていない場合は、プロセス500はステップ506に移り、オンデマンド・コンテンツがオンデマンドのレンタル条件を満たすかどうか、および従ってこの環境下でオンデマンド・コンテンツがローカルな記憶装置134から消去されるべきかどうか、をオンデマンド・クライアントが判断する。オンデマンド・コンテンツがオンデマンドのレンタル条件の消去基準を満たさない場合は、プロセス500はステップ504へ戻る。オンデマンド・コンテンツがオンデマンドのレンタル条件の消去基準を満たす場合は、次にステップ508で、オンデマンド・クライアントは、ローカルな記憶装置134の一部分を他のシステムの活動のために利用できるようにして、オンデマンド・コンテンツを消去する。プロセス500は次にステップ510で終了する。
【0049】
図6は、本発明の一実施形態による、動的要因(この例では、ユーザがローカルに格納したオンデマンド・コンテンツを見ているかどうか)に応じてローカルな記憶装置からのオンデマンド・コンテンツを消去し、オンデマンド・コンテンツが安全に削除される必要があるかどうかを含んだオンデマンドのレンタル条件を消去するための、例示的なプロセスのフロー・チャートである。この例示的なプロセスでは、オンデマンドのレンタル条件は、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを消去するべきかどうかを判断するための消去基準としてオンデマンド・クライアントにより使用される。このようなやり方では、他のレンタル条件を使用し、プログラムに対するアクセスを別な方法で制御する。
【0050】
一般に、コンピュータ・システムで記憶装置に記憶空間を確保することは必ずしもデータを取り除くわけではない(したがってアクセスができるようにデータを残す)ことに留意されたい。例えば、ユニックス・ベースのコンピュータ・システムでは、システムの関数であるfree( )が格納データに対するポインタを除去するだけであり、あらかじめ空けておいた記憶装置の部分と重複する新しくmalloc( )されたブロックに書き込む別のプロセスにより当該スペースが後に上書きされるまでは、データをそのまま残す。
【0051】
プロセス600はステップ602から始まる。ステップ604で、ユーザがローカルな記憶装置内に格納されているオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ているかどうかオンデマンド・クライアントが判断する。ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ている場合は、ユーザがオンデマンド・コンテンツを見なくなるまでプロセスはステップ604を繰り返す。ある実施形態では、オンデマンド・クライアントはあるオンデマンドのレンタル条件(例えば、ユーザの口座での期限を過ぎた未払い)に基づいて、ユーザがプログラムを見るのに没頭している時でさえも、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを消去し、またはユーザがローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを見ることを防止する。これは図面を複雑にし過ぎることを避けるためにプロセス600には図示されていない。
【0052】
ユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブに見ていない場合、またはユーザがオンデマンド・コンテンツをアクティブにもう見ていない場合は、プロセス600はステップ606に移り、オンデマンド・コンテンツがこの環境でローカルな記憶装置134から消去されるべきかどうかを示し得るオンデマンドのレンタル条件をオンデマンド・コンテンツが満たすかどうかをオンデマンド・クライアントが判断する。オンデマンド・コンテンツがオンデマンドのレンタル条件の消去基準を満たさない場合は、プロセス600はステップ604に戻る。オンデマンド・コンテンツがオンデマンドのレンタル条件の消去基準を満たす場合は、次にステップ608で、オンデマンド・コンテンツが配給制御されているかどうかを(例えば、著作権のある資料が配給制限を受けているかどうか)オンデマンド・クライアントが判断する。
【0053】
オンデマンド・コンテンツが配給制御されている場合は、プロセス600はステップ610へ移り、オンデマンド・クライアントがローカルな記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを安全に削除する。これは、オンデマンド・コンテンツを上書きするか(例えば、コンテンツの回復の可能性を減らすために種々のパターンが多数通過する状態を書き込み)、またはオンデマンド・コンテンツの再生がさらに難しくなるようにオンデマンド・コンテンツの重要な部分を破損することにより(例えば、量子化マトリックス、巡回冗長検査(CRC checks)、ヘッダ(headers)を使用して)、発生させることができる。コンテンツがもはや配給されることがないことを示すために安全に削除することは、オンデマンド・コンテンツに「ブロードキャスト」のフラグを設定するのと同じくらい単純な技術でもある。代替案としてIEEE 1394 5Cなどのデジタル版権管理プロトコルの中に、「コピー厳禁」(「never copy」)のフラグを設定できるし、または「一回再生」(「play once」)のフラグを再設定できる。IEEE 1394 5Cのより詳細な情報は「Digital Transmission Content Protection Specification Revision 1.4(Informational Version)」、2005年2月28日、DTLA,www.dtcp.comに見出すことができ、その全内容は参照により本明細書に援用される。
【0054】
オンデマンド・コンテンツが配給制御されない場合、またはステップ610の後に、プロセス600はステップ612へ移り、オンデマンド・クライアントが、オンデマンド・コンテンツをローカルな記憶装置から消去し、ローカルな記憶装置の部分を他のシステムの活動のために利用できるようにする。プロセス600は次にステップ614で終了する。
【0055】
図7は本発明の一実施形態による、鍵及び他の制約基準に応じてローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。プロセス700はステップ702から始まる。ステップ704で、オンデマンド・クライアントは遠隔オンデマンド・サーバ150に対しオンデマンド・コンテンツの再生の要求を送る。ステップ706でオンデマンド・クライアントは遠隔オンデマンド・サーバ150からオンデマンド・コンテンツおよびオンデマンド・コンテンツ向けの制約基準の符号化されたコンテンツのストリームを受取る。制約基準は1つ以上の鍵およびオンデマンド・コンテンツ向けの他の制約基準を含む(例えば、レンタル条件または動的要因)。ステップ708で、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツ向けの符号化されたコンテンツのストリームを記憶装置134に格納する。ステップ710で、オンデマンド・クライアントはユーザの入力装置120経由で記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツの再生を始めるよう要求を受ける。尚、この要求はステップ704の要求に潜在的に含まれていてもよいし、ステップ704の要求に先行していてもよい。
【0056】
ステップ712で、オンデマンド・クライアントは保護鍵の規定の制約基準以外の基準に基づいてオンデマンド・コンテンツの再生を防止するかどうかを判断する。オンデマンド・コンテンツの再生が防止される場合、プロセス700はステップ714へ移り、制約の性質(例えば、請求書への未払い、レンタル期間の終了、オンデマンド・コンテンツの使用が不可能)についてプロセス回路がユーザに適切な表示によって知らせるプロセスはステップ726で終了する。ユーザはまた、オンデマンド・コンテンツを再生できる機会(例えば、クレジット・カードにより未払い請求書に対し支払うこと、レンタル期間の延長を購入すること)を与えられ得る。図に示してはいないが、ユーザがオンデマンド・コンテンツの再生ができない場合は、プロセス700は次にステップ716に移る。
【0057】
オンデマンド・コンテンツの再生がステップ712で防止されない場合は、次にステップ716で、オンデマンド・クライアントは記憶装置134からオンデマンド・コンテンツ向けの符号化されたコンテンツのストリームを取出す。ステップ718で、オンデマンド・クライアントは制約基準からの鍵に基づいて符号化されたコンテンツのストリームを復号する。ステップ720で、オンデマンド・クライアントは復号したコンテンツをディスプレイ装置140で表示する。
【0058】
ステップ722では、オンデマンド・クライアントは保護鍵の規定の制約基準以外の基準を再度点検し、記憶装置134からのコンテンツのストリームを消去および/またはコンテンツのストリームへのアクセスを防止するかどうか判断する。ステップ722でコンテンツのストリームが記憶装置134から消去されるべきであると、および/または記憶装置134へのアクセスが阻止されるべきであるとなった場合は、オンデマンド・クライアントは記憶装置134(ステップ724)のコンテンツのストリームを破損するかまたは上書きし、プロセス700はステップ726で終了する。ステップ722でコンテンツのストリームが記憶装置134に維持されるべきであり、記憶装置134から取出し可能であるとなった場合は、プロセス700はステップ726で終了する。
【0059】
図8は、本発明の実施形態の1つによる、期間に応じてローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。プロセス800はステップ802から始まる。ステップ804で、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツの再生の要求を遠隔オンデマンド・サーバ150へ送る。ステップ806で、オンデマンド・クライアントは遠隔オンデマンド・サーバ150から、オンデマンド・コンテンツのためのコンテンツのストリームと、レンタル条件としてプログラムを消去しおよび/またはプログラムに対するアクセスを制御するための期間とを受け取る。ステップ808では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツおよび期間のためのコンテンツのストリームを記憶装置134に格納する。ステップ810では、規定の期間の後、記憶装置134からのコンテンツのストリームを自動的に消去しおよび/またはコンテンツのストリームに対するアクセスを防止する。プロセスはステップ812で終了する。
【0060】
図9は本発明の一実施形態による、オンデマンド・コンテンツの最長視聴時間に応じて、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。プロセス900はステップ902から始まる。ステップ904で、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツの再生の要求を遠隔オンデマンド・サーバ150へ送る。ステップ906では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツおよびオンデマンド・コンテンツの総視聴時間を規定するレンタル条件のためのコンテンツのストリームを遠隔オンデマンド・サーバ150から受取る。ステップ908では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツおよび条件のためのコンテンツのストリームを記憶装置134に格納する。ステップ910では、オンデマンド・クライアントはユーザの入力装置120経由で記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツの再生を開始するよう要求を受ける。尚、この要求はステップ904の要求に潜在的に含まれていてもよいし、ステップ904の要求に先行していてもよい。ステップ912では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツのためのコンテンツのストリームを記憶装置134から取出す。ステップ913では、オンデマンド・クライアントは表示するためにディスプレイ装置140へコンテンツのストリームを伝送する。
【0061】
ステップ916では、オンデマンド・クライアントは、レンタル条件に規定された視聴時間に応じて、オンデマンド・コンテンツを視聴するのに費やされた総時間が最大視聴時間T(例えば、Tは4時間または別の適切な時間)以上の長さであるかどうかを判断する。視聴時間が最大視聴時間より短い場合は、プロセス900はステップ918へ移り、オンデマンド・クライアントがオンデマンド・コンテンツの再生は終了しているかどうかを判断する。コンテンツの再生が終了していない場合は、プロセス900はステップ913に戻る。図には示していないが、オンデマンド・クライアントがステップ916およびステップ918を実行している間、オンデマンド・コンテンツの再生が終了していない場合は、オンデマンド・クライアントは表示のためにディスプレイ装置140へコンテンツのストリームを送り続ける。コンテンツの再生がステップ918で終了している場合、プロセス900はステップ910に戻り、オンデマンド・クライアントがコンテンツの再生を開始するための次の要求を受ける。
【0062】
ステップ916で視聴時間が最大視聴時間より長いかまたは等しい場合は、プロセス900はステップ920へ移り、オンデマンド・クライアントが記憶装置134からのコンテンツのストリームを自動的に消去しおよび/またはコンテンツのストリームに対するアクセスを防止する。プロセスはステップ922で終了する。
【0063】
図10は、本発明の一実施形態による、オンデマンド・コンテンツの最大視聴数に応じてローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。プロセス1000はステップ1002から始まる。ステップ1004では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツの再生の要求を遠隔オンデマンド・サーバ150へ送る。ステップ1006では、オンデマンド・クライアントは遠隔オンデマンド・サーバ150からオンデマンド・コンテンツおよびオンデマンド・コンテンツへの最大視聴数を規定するレンタル条件のためのコンテンツのストリームを受取る。ステップ1008では、オンデマンド・クライアントがオンデマンド・コンテンツおよびレンタル条件のためのコンテンツのストリームを記憶装置134に格納する。ステップ1010では、オンデマンド・クライアントはユーザの入力装置120経由で記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツの再生を開始するよう要求を受ける。尚、この要求はステップ1004よりも前から来ていてもよい。ステップ1012では、オンデマンド・クライアントは記憶装置134からオンデマンド・コンテンツのためのコンテンツのストリームを取出す。ステップ1014では、オンデマンド・クライアントはコンテンツのストリームを表示するためにディスプレイ装置140へ送る。尚、ここでは、さらに、関係する実施形態では、ステップ1014はディスプレイにオンデマンド・コンテンツの一部分だけを送ることを含んでも良い。
【0064】
ステップ1016では、オンデマンド・クライアントがオンデマンド・コンテンツの視聴数がレンタル条件で規定された最大視聴数Nに等しいかどうかを判断する。視聴数が最大視聴数より少ない場合は、プロセス1000はステップ1010に戻り、オンデマンド・クライアントはコンテンツの再生を開始するように次の要求を受ける。視聴数が最大視聴数に等しい場合は、プロセス1000はステップ1018に移り、オンデマンド・クライアントが記憶装置134からのコンテンツのストリームを自動的に消去しおよび/またはコンテンツに対するアクセスを防止する。プロセスはステップ1020で終了する。
【0065】
図11は本発明の実施形態の1つによる、ローカルな記憶装置内に同時に格納することが許されるオンデマンド・コンテンツの最大数に応じてローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。プロセス1100は1102から始まる。ステップ1104では、オンデマンド・クライアントは、ユーザの入力装置120から受けたオンデマンド・コンテンツの再生の要求を遠隔オンデマンド・サーバ150へ送る。ステップ1106では、オンデマンド・クライアントは記憶装置134で格納されることのできるコンテンツCの最大数Sを示すレンタル条件を遠隔オンデマンド・サーバ150から受取る。ステップ1108では、オンデマンド・クライアントが記憶装置134で格納されるオンデマンド・コンテンツCの数がオンデマンド・コンテンツSの最大数(例えば、4)に等しいかどうかを判断する。
【0066】
この実施形態では、オンデマンド・クライアントは記憶装置134に現在格納されているオンデマンド・コンテンツの数を示す計数器Cを維持する。記憶装置134に格納されるオンデマンド・コンテンツの数がオンデマンド・コンテンツの最大数に等しい場合は、プロセス1100はステップ1110へ移り、オンデマンド・クライアントはユーザに適切な表示を通して最大数のオンデマンド・コンテンツが記憶装置134に格納されていることを知らせ、記憶装置134に現在格納されているオンデマンド・コンテンツの1つを消去するために選択する選択肢をユーザに与える。ステップ1112では、オンデマンド・クライアントは記憶装置134から選んだオンデマンド・コンテンツを消去し、計数器Cから1を引く(図11では以下のプログラム言語のコード・シンタックス:「C−−」で表す)。別の実施形態では、ステップ1110において、記憶装置134に現在格納されている2つ以上のオンデマンド・コンテンツを除去するために選択する選択肢をユーザは得ることができる。このような実施形態では、計数器Cは記憶装置134から除去されたオンデマンド・コンテンツの数を反映するように数が減らされる。更に別の実施形態では、オンデマンド・クライアントは記憶装置134に格納されたオンデマンド・コンテンツの1つを自動的に消去できる。ステップ1112の後、プロセス1100はステップ1108へ戻る。
【0067】
ステップ1108で記憶装置134に格納されているオンデマンド・コンテンツCの数がオンデマンド・コンテンツSの最大数より少ない場合は、プロセス1100はステップ1114に移り、オンデマンド・クライアントが遠隔オンデマンド・サーバ150からオンデマンド・コンテンツのためのコンテンツのストリームを受取る。ステップ1116では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツのためのコンテンツのストリームを記憶装置134に格納し、計数器Cで1を増やす(図11で次のプログラム言語のコード・シンタックス:「C++」で表す)。ステップ1118では、オンデマンド・クライアントはユーザの入力装置120を経由して記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツの再生を開始するよう要求を受ける。この要求はステップ1104の一部分であってもよいしステップ1104の要求に先行していてもよい。ステップ1120では、オンデマンド・クライアントは記憶装置134からオンデマンド・コンテンツのためのコンテンツのストリームを取出す。ステップ1122では、オンデマンド・クライアントは表示するためにディスプレイ装置140へコンテンツのストリームを送る。プロセス1200は次にステップ1124で終了する。
【0068】
ある実施形態では、オンデマンド・クライアントはオンデマンド・コンテンツの消去および/またはオンデマンド・コンテンツへのアクセスを制御するためにローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツにフラグを関連付けることができる。これらのフラグは、例えば、記憶装置134の中の表またはディレクトリに格納することができる。消去フラグ、アクセス制御フラグまたは所定のオンデマンド・コンテンツの消去およびアクセス制御のための1つのフラグ、があってもよい。オンデマンド・クライアントは、例えば、オンデマンドのレンタル条件、鍵、または動的要因を含む制約基準に応じてフラグを設定できる。
【0069】
例えば、オンデマンド・コンテンツがコンテンツ保護されていたり(例えば、単一ユーザによって購入されている、著作権保護されている、または販売制限されている)、プログラムへのアクセスができないことや鍵によってだけアクセスできることを示す制約基準が満たされたりしたときに、オンデマンド・クライアントはアクセス制御フラグを設定できる。ユーザがオンデマンドのレンタル期間を過ぎてもビデオを見ることを防ぐために、オンデマンド・クライアントはアクセス制御のフラグが設定されるという判断に応じて、記憶装置134に格納されたコンテンツのストリームのビット表示を変更する(例えば、破損する)ことができる。格納したビデオの通常のインターバルに空白のパケットを挿入し、量子化マトリックスをゼロビットに置き換え、格納したビデオの種々のパケットを追加注文し、または任意の他の適切な変更をして、格納したビデオの種々のパケットに於ける巡回冗長検査(CRC)のビットを無作為に変更することによって、オンデマンド・クライアントはビデオのビット表示を変更することができる。オンデマンド・コンテンツを再生しようとするとき、または再生しようとしている間、オンデマンド・クライアントはアクセス制御のフラグを調べ、フラグが設定されることがわかれば、フラグがプログラムを復号するための適切な鍵かどうかを判断する。鍵が適切でない場合は、オンデマンド・クライアントはユーザにプログラムは受け入れられないこと、またはユーザは料金を支払った後にだけアクセス権を得られることを示すことができる。
【0070】
フラグの使われ方の別の例として、オンデマンド・クライアントは、オンデマンド・コンテンツが記憶装置134から消去されるべきであるということを示すフラグを設定できる。別のオンデマンド・コンテンツが記録されるときには(または記憶装置134のスペースが必要であり得るときには)、オンデマンド・クライアントは消去フラグを調べ、消去のフラグが設定されているかどうかを判断し新しいプログラムを上書きする。
【0071】
図12は本発明の一実施形態によるフラグを使用したローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するための例示的なプロセスのフロー・チャートである。プロセス1200はステップ1202から始まる。ステップ1204では、オンデマンド・コンテンツに関連付けられたアクセス制御フラグ(フラグA)が設定(例えば、2進法の「1」)されているかどうかを判断することにより、オンデマンド・クライアントはユーザが記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツへアクセスすることを阻止すべきかどうかを判断する。アクセス制御フラグが設定されていない場合、プロセス1200はステップ1206へ移る。
【0072】
アクセス制御のフラグが設定されている場合、プロセス1200はステップ1208へ移り、ユーザが記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツへアクセスすることをオンデマンド・クライアントが阻止する(例えば、オンデマンド・コンテンツのビット表示を変えることにより)。ステップ1210で、オンデマンド・クライアントはアクセス制御フラグをリセットする(例えば、2進法の「0」)。この2番目のフラグは、後で記憶装置134に格納される別のオンデマンド・コンテンツに関連し、後に使用される。プロセス1200は次にステップ1216で終了する。
【0073】
ステップ1206で、オンデマンド・コンテンツに関連する消去フラグ(フラグB)が設定されているかどうかを判断することにより、オンデマンド・クライアントは記憶装置134からオンデマンド・コンテンツを消去するかどうかを判断する。消去フラグが設定されていない場合は、プロセス1200はステップ1204に戻る。消去フラグが設定されている場合は、プロセス1200はステップ1212へ移り、例えば、オンデマンド・コンテンツを他のコンテンツに取り替えることにより、オンデマンド・クライアントは記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツを消去する。ステップ1214では、オンデマンド・クライアントは2番目のフラグをリセットする。
【0074】
ある実施形態では、オンデマンド・クライアントがステップ1208でユーザが記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツにアクセスすることを阻止し、ステップ1210でアクセス制御フラグをリセットした後は、記憶装置134からのオンデマンド・コンテンツを消去するために消去フラグが設定されるまで、オンデマンド・クライアントは消去フラグ(ステップ1206で)をチェックし続け得る。
【0075】
図には示さないが、プロセス1200の間に、オンデマンド・クライアントはそれぞれのローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツに関連するオンデマンドのレンタル条件を絶えず監視する。オンデマンド・コンテンツのいずれかがオンデマンドのレンタル条件を満たすと、それに応答して、当該オンデマンド・コンテンツに対応するフラグが適宜設定される。
【0076】
図3から図12までに示したプロセスは例示的なものである。ステップが別の順番で実行されてもよく、ステップが省略されてもよく、またはステップが適切に追加されてもよい。
【0077】
このように、ある種のオンデマンドの制約基準に応じてローカルな記憶装置内にオンデマンド・コンテンツを格納し、ローカルに格納されたオンデマンド・コンテンツを管理するためのシステムおよび方法が提供されたことが理解されよう。当業者には明らかなことであるが本発明は記載の実施形態以外の方法で実施されることが可能であり、記載の実施形態は例示のために提示されたものでこれに限定しようとするものではなく、本発明は添付の請求項によってのみ限定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載のシステム。
【請求項1】
本願明細書に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−135049(P2012−135049A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−74497(P2012−74497)
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【分割の表示】特願2012−24624(P2012−24624)の分割
【原出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(507325220)ユナイテッド ビデオ プロパティーズ, インコーポレイテッド (44)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−74497(P2012−74497)
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【分割の表示】特願2012−24624(P2012−24624)の分割
【原出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(507325220)ユナイテッド ビデオ プロパティーズ, インコーポレイテッド (44)
【Fターム(参考)】
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