説明

オンデマンド箔印刷装置

【課題】ホットスタンプ用箔の印刷をオンデマンドで行う事は、非常に難しく、限定された被受像体のみに対応するプリンター(サーマル転写プリンター)はあるが、印字スピードは、非常に遅く業務用に耐えられない現状にある。業務用として箔対応プリンターの商品化は望まれている。
【解決手段】PC等からの印字指示データを使用し、そのデータに従い、サーマルヘッドの印加を制御して、所定の印字を行うサーマルプリンター。サーマルヘッドブロックを2個以上持ち、第一のヘッドで、転写したいパターンを印字し、第二のヘッド以降のヘッドで、さらに、同じパターンを印字するもの。または、第二のヘッドで、印字エリアを全部印字するもの。第一のヘッドに使用する転写用リボンは、受像体の表面に箔が、印刷されやすくする材質をもったもので、第二のヘッドに使用する転写リボンは、箔リボンとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサーマル転写プリンターにかかるもので、とくにホットプレート用箔を印字するサーマル転写プリンターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来箔を印刷する方法は、ホットプレートで行っていた。図1)にホットプレート印刷機の形状、
図2)にホットプレートの方式、図3)にホットプレート用箔の構造を示す。
ホットプレート方式の最大の問題は、印字する型を作成するものである。大量に同じ内容を印刷する場合には、問題は少ないが、昨今の要求としての少量ロット、多種の箔印刷には、型作成の費用、期間等問題が大きい。その解決として、サーマルプリンターを利用した、ダイレクト箔印刷のためのサーマルプリンターは、すでに市販されている。図4)に市販されているダイレクト箔プリンターの外観を示す。
しかし、その印刷方法では、
・クリアファイル等の受像体の表面が平滑度のあるものに対して印字は可能であるが、印字処理スピードが非常に遅く(印字速度が15mm/Sec)業務用には厳しいものである。又、
・転写しにくい材質(金属、不繊布、和紙、ガラス、ポリオレフイン、ポリプロピレン等)、又は表面が粗い受像体、に対しては、印字が鮮明にできない欠点があり、非常に限定されたところでしか採用されてないのが現状である。
これは、ホットプレート方式では、数百ミリセックの間、熱いプレートで、箔を受像体に押し当てて転写しているものを、サーマルプリンター方式では、数ミリセックしか熱を加えることができないためである。サーマルヘッドで、長く同じ場所を印字することは、印字スピードが遅いことであり、現状では、印字スピード、印字できる受像体が限定されていることはいたし方ないものである。新しいテクノロジーが求められている。
【発明の開示】

【発明・考察が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上のような箔印字の現状を踏まえ、オンデマンドで(型作成しないで、PC等からのデータから直接箔印刷を、高速にかつ、従来のホットスタンプで印字できた受像体に、印字品質に問題ない)印刷を行う装置を提供するものである。、
【課題を解決するための手段】
【0004】
サーマル転写プリンターを使用して箔を高速印字できてないのが現状である。
その理由は、
・ホットスタンプの印刷との違いに原因がある。ホットスタンプの場合には、印字すべきところの箔にかかる、高温(180度以上)の時間は、数百ミリセックという長い時間かかりっぱなしになっている。又、受像体への押し圧はサーマルプリンターでの押し圧の数十倍の押し圧で押されて転写されている。サーマルプリンターでは、箔にかかっている時間はせいぜい数ミリセックであり、押し圧もホットスタンプの1/10以下である。本来ホットスタンプ用に設計製造されているホットスタンプ用箔リボンをサーマルプリンターで印字(転写)することは非常に難しい事である。
本案は、まったく新しい観点からこの課題を解決するものである。
つまり、受像体の表面にあらかじめ、ホットスタンプ箔が転写しやすい(のりやすい、くっつきやすい)物質を載せて(印刷して。今後プレプリントと言う)、その上にホットスタンプ箔を印刷(転写)するものである。
この解決策の難しいところは、受像体が多種多様な材質からできていること、そのほとんどがサーマルプリンターでの転写の実績のない、非常に転写しにくい材質であること。そして、表面が、粗いものがほとんどである事である。
サーマルプリンターにとって平滑度がないものへの印字は難問である。
しかし本案で、この2点を解決し、ホットスタンプ箔印刷を可能とした。また、この方式を具体化する装置を発明した。
【発明・考察の効果】
【0005】
オンデマンドで、ホットプレート用箔を印刷することが可能な装置の実現で、現状ホットプレートで、印刷されている受像体に対して、対応が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
実施例1
【0006】
つぎに本発明の実施の形態によるサーマルプリンターを
図5)箔プリンター構造体および図6)印字方式にもとづき説明する。図5)は、オンデマンド箔プリンターの構造体の概略図である。
[1]プレプリント用サーマルヘッドブロック
サーマルヘッドは、印字品質、ヘッド押し圧の面から、エッジタイプのサーマルヘッドを採用。サーマルヘッドブロックは印字時以外はヘッドアップ可能にし、リボンの無駄使いを防止し、かつ、リボン交換時の容易さを確保した。
サーマルヘッドには、通常のサーマルプリンターと同じ機能を持ち、温度制御のための、温度センサー、熱履歴制御を持ち、印字品質確保を行っている。
[2]ホットスタンプ用箔印字用サーマルヘッドブロック
構造、機能は、[1]のヘッドブロックと同じ。
[3]プレプリント用リボン巻取り機構
標準的な、サーマル転写プリンターのリボン巻きとり機構である。
[4]プレプリント用リボン送り機構
標準的な、サーマル転写プリンターのリボン送り機構である。
[5]、[6]は、[3]、[4]と同じ機構である。なお、[3]〜[6]までの機構には、回転角速度センサーがつけられており、リボンの巻き取り状況に応じてテンショントルクをかけられるようにななっている。本件の場合、特に、箔リボンが、サーマルヘッドにステッキング(熱的にくっつく)する可能性が高く、その防止、検知からも本センサーは必須である。なぜ、ホットスタンプ箔リボンがステッキングを起こすかといえば、リボンの背面には、熱転写リボンでは、当たり前になっている背面コート材がホットスタンプ箔には使われていないためである。サーマル転写プリンター用では、ステッキング防止用に使用されているものである。
[5]ホットスタンプ用箔リボン巻取り機構
[6]ホットスタンプ用リボン送り機構
[7]受像体(手帳、クリアファイル、本、etc)
受像体は、クリアファイルの様な0.3mm程度の厚さから、本の表紙の5cm程度のものまである。これはサーマルヘッドと受像体表面の距離が多々あることで、その調整が大きな課題である。
[8]受像体搬送機構
受像体の厚さは、0.3mmから数cmまである。それらに対応するために本搬送装置は、受像体の印字面が、サーマルヘッドに対して相対的に垂直的定位置に設定できるようになっている。
本実施案では、マニュアルで、上下可能な装置になっているが、自動調整装置の可能であるものである。ここで、相対的定位置のための装置を説明する。
図6)の<ヘッドアップダウン説明図>に記載している内容である。
ヘッドと受像体の垂直距離は、ある一定の範囲内に入れる。
この意味は、待機状態では、受像体表面とサーマルヘッドの垂直距離を一定範囲に収める事である。
方法は、「搬送用装置」の上面に載せた受像体の上面とヘッドの垂直位置がある範囲(本件では、10mm+/−2mm)になるよう「搬送装置」の厚さを調整する。この場合、薄い層を複数にして、調整も可能であるし、又、手動で、上下する装置でもよい。
・ヘッドブロックは、通常はヘッドアップ状態で待機。
上記での受像体表面とサーマルヘッドの垂直距離は10mm+/−2mmの位置で停止している。
・印字開始で、ヘッドを「ヘッド位置調整装置」で、ヘッドを下に移動させ印字に最適な位置でとめて、印字を始める。
本装置は、モーターを使用して、ヘッドブロックを垂直方向に上下調整可能なものである。
・最適位置検出は、「圧力センサー」で検知する。
・サーマルヘッドブロックが
受像体にあたり、加重がかかり、その値がある値に至ってとめる。
このしくみにより、表面の粗いもの、弾力性あるもの等にも均等なヘッド押し圧をかけることができ、印字品質を確保できるものである。
本搬送装置は、受像体を載せて印字時は前方向にフィード、印字終了すれば、バックフィードし、所定の位置に止まるようにしている。
又、受像体が、余分な動き、ずれがないように、粘着性のもので、表面をカバーするものである。または、受像体を固定する装置を具備できるようになっている。ポリオレフィン材、ポリエステル材等のプラスチック材では伸縮するため、両端(印字の上下、または左右方向)を引っ張る装置を具備できるようにすることも可能である。
クリアファイル等の薄い受像体では、本搬送機構の表面材を滑らないような材質にすることで効果がある。
プリンターを制御する制御装置は、サーマル転写プリンターのものとほぼ同じもので対応可能である。又、PC側での作図等は従来のプリンター用のアプリで対応できるのは、前提で、ユーザは、1ヘッドのサーマル転写プリンターを使用するのと同じ条件で、本プリンターが使えるものである。つまり、作図は、印字したいもののみ作図するのみで、プレ印字、箔印字は顧客は意識しないものである。
本実施では、サーマルブロック部の印字部が固定で、受像体が搬送装置で移動するものであるが、反対に、受像体が固定で、印字部が、移動する機構でもよい。
[9]転写された箔の定着をチャントするための、定着用ローラーである。
本件の場合、受像体表面に、まず、中間層(箔が転写しやすくするための層を転写し、その上に箔を転写するため、耐スクラッチ性、耐擦過性が悪くなる傾向にある。本装置はその対策のためのもので、転写された箔をキチンと定着させるためのものである。金属ローラーまたは、高硬度ゴムローラー等を使用。
又、熱を持たせることも効果アップにつながるものである。
図6に2ヘッドの印字方法を示す。
第一のプレプリント用の印字は、ほしい印字内容を転写する。
第二の箔印字用のヘッドブロックでの印字は、受像体により、変わってくる。
・ダイレクトにサーマル転写で箔を印字してもほとんど、又はまったくできないものに対しては、(PET材、クリアファイル材、etc)
印字したいエリアを包含する、正方形、長方形の印字を行う。
結果として、第一のヘッドで印字したところのみ綺麗に箔がのっている。
(印字されている)。本来は第二のサーマルヘッドでも、第一のヘッドと同じ印字をするのが筋であるが、2個のサーマルヘッドでの印字では、色ずれ等発生する可能性がある。それをなくすためにこの方法をとっている。
・ダイレクトにサーマル転写で箔を印字してかすかに印字する受像体の場合には、(手帳、本の表紙、etc)第一のヘッドで印字したのとまったく同じ印字を第二のヘッドブロックで印字することで、最適な品質を確保する。
ただし、メカ精度上、全く同じ位置に2ヘッドとも印字できるわけではないので、多少印字が、エッジ部で不鮮明になる可能性はある。
・課題である、プレプリントインク材であるが、受像体の材質により、変える必要がある。対策の考え方として、
▲1▼受像体の材質との接着性を考慮すること。例えば、同じ材質をプレプリントリボンの接着層に使用する事等々。
▲2▼プレプリントリボンの転写される層を可能な限り厚くする事である。
これは、図8)に示すプレプリントリボンの接着層を厚くする事である。
受像体の表面の粗さを補間するには、厚い接着層で、谷にも接着させる必要があるためである。
・又印字方式として、図7)プレプリント方式で示すような2方式が考えられる。
▲1▼橋渡し方式は、表受像体表面が粗い場合、底になっているところに橋を架けるようなプレプリント印字を行い、その上に箔を印字する。これは熱時剥離タイプのリボンで可能である。サーマル転写リボンの1形態である。
▲2▼他方のしみこみ方式は、ワックス系の熱で溶融しやすい材料で可能である。
本件の場合、上に印刷される箔のスクラッチ性、耐こすれ性を考慮した場合、上記▲1▼の橋渡し方法が最適である。
図8)のプレプリントリボンの構造に関して述べる。
・プレプリントリボンは基材側から、離型層、中間層および接着層の順に積層された三層構成のものである。基材としては、従来より熱転写リボン用基材として用いられている種々の基材が使用できるが、耐久性、熱伝達性、コストの点から検討されなければならない。本件の場合、3層すべてに関して、受像体の表面材質、粗さ、転写印刷される箔の耐擦過性から最適な材質、厚さを考慮する必要があり、それらを考慮された受像体に最適なプレプリントリボンを提供するものである。
下記に、参考として、従来の構造を記す。基本的なものとして
・厚さ2〜6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム等がよく使用されている
・基材の裏面にはスティック防止層を施す。
・離型層は、ワックスを主成分とする熱溶融性材料からなる層であり、必要により熱溶融性樹脂を配合する。離型層の塗布厚さは0.25μm以下である。
・中間層において主成分として用いる溶融粘度が10cps/160℃以上の材料としては、たとえばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類の重合体または共重合体、メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル酸エステル類の重合体または共重合体、等があげられる。
中間層に高溶融粘度の材料を用いているので、箔インクの重ね転写においても、表面平滑性の劣る被転写体へのブリッジ効果の低下が生ぜず、高品質の箔重ね転写が可能となる。
主成分としての溶融粘度が10cps/160℃以上の材料はその合計量が中間層の50重量%以上が一般的に考えられる。
中間層の塗布厚さは、所期の目的を良好に達成し、熱転写感度を損なわない観点から決定されなければならない。一般的には0.1〜1.0μmの範囲である。
中間層の厚さが薄くなるとブリッジ効果が発揮されがたく、厚いとと転写性がわるくなる傾向がある。
・接着層において主成分として用いる溶融粘度が中間層より低い材料としては、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などのオレフィン系共重合体、ポリアミド樹脂、等があげられる。
・主成分の溶融粘度が低くなると被転写体に対して接着力不足となる。一方溶融粘度が高くなると被転写体の凸凹にたいし、追従性がなく目止めが十分でなくなる。
・接着層の塗布厚さは、通常のサーマル転写プリンターの厚さより十分厚いものになる。薄いと、被転写体の凹凸に対する目止め効果が低下する。厚すぎると、接着性、耐擦過性から問題が発生する可能性ある。
・本件の場合、中間層、接着層の(材質+溶融粘度+厚さ)は、各受像体の材質、粗さ、箔の対擦過性から最適なものを決定されなめればならない。つまり、各受像体毎の最適値が違う事もありえる。
印字された箔の耐スクラッチ性、耐擦過性向上は必須である。そのためには、サーマルヘッドでの印字時のニップ圧を高めることは必定であるが、おのずと限界がある。その補完という事で、2ヘッドで印字後、ローラー(熱ローラーでも可能)で印字面に強いニップ圧(プレス圧)をかけ、印字された箔に、受像体面に強い接着性を持たせる事も印字品質策である。
耐スクラッチ性と考えると、上記のプレプリントリボンの各層は薄い方が望ましい。
この点も考慮し、プレプリントリボンの決定が必要である。
・又、熱硬化性の材質、又はUV硬化性物質性を中間層に持たせ、印字後熱、UV(紫外線)で、完全に固める事で、接着性を高めることも可能である。
図9に制御装置を示す。
本案は、通常のサーマル転写プリンター(2ヘッドプリンター)と同じ構造の制御回路である。
・PCから印字データ、発行コマンドがUSB−I/F経由できたら、プリンター側は、メモリーに印字データをサーマルヘッドに送付しやすいように記憶する。
・データ設定が終了すれば、プリンターは、印字開始する。本案の場合は、受像体を載せた搬送ブロックが、定速(1″/S等)で、移動する。
・ヘッドブロック1は、印字すべきところに受像体がきたら、サーマルヘッドブロックを下げて、受像体を圧接し、リボンを駆動し、印字を開始する。
ヘッドブロック1は、1枚の印字を完了するまで、ある一定の間隔で、印字を継続していく。終了したら、ヘッドブロックを上げ、リボン駆動をstopする。
・ヘッドブロック2は、ヘッドブロック1からの距離分 受像体が搬送されてきた時点でヘッドブロック1と同じ動作を行い、箔印字を実施する。
・印字が終了した時点で、搬送系は、元の位置に戻る動作を行い、次の印字に備える。
終了ステータスをPC側に送付し、次の発行データの送付をPC側に促す。
【産業上の利用可能性】
【0007】
オンデマンド印刷装置として、民生用としては
・クリアファイルへのロゴ、会社名を金箔で印字。
・贈答の手帳に、送り策様の氏名を金箔で印字。
・結婚式会場で、和紙に金箔で、花婿・花嫁名記載
産業用としては
・RFIDのアンテナをオンデマンドで印刷(銅箔、AL箔使用)
・ポリオレフィン、ポリプロピレン等の産業用素材に直接印刷。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1:市販品ホットスタンプ外形図である。
【図2】ホットプレートの方式 □ 箔押(はくおし)は別名ホットスタンプとも言われ、図のように熱と圧で、フィルムにコーティングされた色彩を素材に熱圧着する方法です。(このフィルムが箔です)箔押の最大の特徴は、一般の印刷と違い、メタリック感(金属光沢)を素材に表現できる事と、溶剤等を使わないドライメソッドのメリットがある事です。その用途はパッケージ、製本、文具、カードや電器製品。そのほかお酒のラベル、Tシャツの模様、食品の「賞味期限」の数字まで。世の中を見渡すと「ここにもか」というぐらい使われています。箔押される箔はベースフィルムを残し、離型層から接着層までが転写される
【図3】ホットプレート用箔構造 1.ベースフィルム ポリエステル(PET)の12マイクロメートル〜16マイクロメートル厚のものが多く使用される。2〜5のキャリーするための基材となる。2.離型層 3〜5の各層をベースフィルムから離れやすくするためにある層で、箔押時の熱により活性化する極めて薄い層 3.着色層 着色層は色を表現。ゴールド色の場合は黄色のコーティングを。第3工程の蒸着層はシルバーメタリック色であり、この黄色コーティングと重なりあってゴールド色に見える。この着色層の強さが、箔押後の性質(耐摩耗、耐熱など)を決定する。4.蒸着層 真空蒸着機を用いて作る。真空蒸着機は高真空機の中に巻取装置、金属溶解ルツボ、熱源を備えており、0.0001〜0.0005m/m水銀柱(真空の単位:大気圧760m/m水銀柱)という高真空の中でアルミニウムを溶解し蒸発させ1〜3までのフィルムの上にアルミニウムを付着させる。高真空中ではアルミニウムは分子状で飛んでフィルムの上に薄い膜を均一に作る。膜の厚さは、0.03〜0.05マイクロメートル(300〜500オングストローム)といわれている。この蒸着層がメタリック感を表現する。5.接着層 蒸着層の下に接着剤を塗布。接着剤は被転写物によって選ぶ。紙には紙によくつく接着剤、プラスチックにはその樹脂によくつく接着剤という様に、また表面加工の状態によっても接着剤の種類はかわる。接着剤は熱と圧力によって非転写物に接着する。接着剤の種類によって使用する際の温度と圧力を変えるのは、その接着剤のもつ性質に適した温度と圧力を選ぶためである。
【図4】市販されているダイレクト箔印刷機 市販されている印刷機で、サーマルヘッド1個のもので、受像体に直接箔を印刷している。本装置の場合、サーマルヘッドブロックが、印字とともに移動する装置である。
【図5】箔プリンター構造図、ヘッド位置調整装置 実施例の説明内で詳細説明済み
【図6】ホットスタンプ箔プリンターの印字方法 実施例の説明内で詳細説明済み
【図7】プレプリント印字方法 実施例の説明内で詳細説明済み
【図8】プレプリントリボン構造 実施例の説明内で詳細説明済み
【図9】制御構成 実施例の説明内で詳細説明済み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個以上のサーマルヘッド、転写リボン駆動装置を持ち、印字媒体(受像体)を相対移動させる装置をもったプリンターであって、この印字媒体にホットスタンプ用箔を印字するサーマルプリンター。
【請求項2】
前記プリンターの第一のサーマルヘッドで印字媒体(受像体)と箔の接着をよくする物質を転写し、第二のサーマルヘッドで、箔を第一のヘッドで印字した場所に印刷するもの。
【請求項3】
請求項目2の第一のサーマルヘッド部で、印字(転写)する転写リボンの構造は、基材側から離型層、中間層および接着層の順(基材層の背面にはステッキング防止用コート層を具備)に積層された構成のものであり、離型層の厚さ、中間層の厚さ、接着層の厚さ並び各材質、溶融粘度に関しては、印字媒体(受像体)の材質、表面粗さ、印刷される箔の耐擦過性によって選択可能なもの。
【請求項4】
請求項2で、第二のサーマルヘッドで、箔を印字するが、その印字パターンは、箔印字品質確保のため、受像体の材質、表面粗さにより、変更可変なもの。
【請求項5】
受像体の厚さは0.1mm程度から、数cmまである。これらに対し印字する場合に、均等な、又ある範囲内のサーマルヘッドの押し圧を確保するための装置を具備した請求項1のプリンター
【請求項6】
上記請求項5で、サーマルヘッドブロック自体を、上下駆動可能とし、受像体を上から押さえて、自動的に、押し圧調整可能としたプリンター
【請求項7】
上記請求項5で、受像体の厚さの調整を受像体搬送装置側で概略調整し、微調整をサーマルヘッドブロックで可能としたプリンター[要求項7]上記請求項6で、サーマルヘッドの押し圧を一定にするため、圧力センサーを使用した装置。
【請求項8】
受像体を保持、搬送する装置において、受像体が印字時安定して保持されるための装置を具備したもの
【請求項9】
上記請求項8で、搬送装置で受像体を載せる台の表面に滑り止め加工を施したもの。
【請求項10】
請求項1のプリンターであって、2ヘッドでの印字後、箔印字の耐擦過性、耐スクラッチ性を向上するために、印字面に対して、ローラー等で圧接し、受像体面に強く印刷されることを目的としたもの。
【請求項11】
請求項2の第一のヘッドで印字、転写する部材として、熱硬化性、またはUV硬化性物質を使用したもの。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−195051(P2008−195051A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60894(P2007−60894)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(506235074)
【Fターム(参考)】