説明

オンライン位相較正用システム及び方法

【課題】 オンライン相対位相較正用システム(10)を提供する。
【解決手段】 システム(10)は、複数の励振信号を発生させる1以上の励振源(12)を含む。本システムは、伝送線(18)を介した1以上の励振源(12)の各々に結合された2以上のセンサーも備えており、2つのセンサーは各励振信号(14)を受信する。本システムは、伝送線(18)を介して2つのセンサーから2以上の反射信号(22)を受信する2以上の位相検出器(50,52)も備えており、2つの位相検出器(50,52)は、各反射信号(22)と各励振信号(14)の位相差を表す各電圧を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広義には位相較正システム及び方法に関するものであり、具体的には、クリアランス測定に用いられるセンサーシステムの位相較正に関する。
【0002】
2つの物体間の距離の測定には、様々な種類のセンサーシステムが用いられている。かかるセンサーシステムの一つとして、2つの物体間の距離の測定に静電容量プローブを用いるものがある。プローブは一方の物体に配置され、もう一方の物体に対する静電容量を測定して2つの物体間のクリアランスを推計する。残念なことに、一つの目標物に単針プローブを用いる既存の直接測定法は、測定時に目標物の形状が変化する場合には比較的不正確となるおそれがある。例えば、タービン動翼のような回転部品では、動翼の形状及び位置は様々な条件に応じて変化する。そうした変化はプローブの較正においてドリフトを生じかねない。
【0003】
現在、センサーシステムの位相較正に用いられている技術は幾つか存在する。慣用されている技術は「工場較正」法である。工場較正は、部材間のバラツキの測定及び制御に用いられる。幾つかの較正技術では、既知の位相基準の注入と、位相検出器の電圧変換に対する位相に基づくシステムの較正とを含む。しかし、位相基準は、例えば0.1度程度の非常に高い精度が要求されるシステムでは問題となる。さらに、工場較正技術は、センサーシステムの実装前に用いられ、オンライン較正には適合しない。
【0004】
クリアランスセンサーシステムにおける位相検出器の較正に慣用される他の技術としては、センサーを制御されたクリアランス変化に付して、クリアランス変化に対する応答としてシステムのゲインを測定するものがある。しかし、この技術は精緻な較正工程を要する。さらに、この技術では、システムが工場を出た後に起こる変動は考慮されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、上述の1以上の問題を解決する改良位相較正法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態では、オンライン相対位相較正用システムを提供する。本システムは、複数の励振信号を発生させるように構成された1以上の励振源を備える。本システムは、上記1以上の励振源のそれぞれと伝送線を介して結合した2以上のセンサーも備えており、各センサーは上記励振信号のそれぞれを受信するように構成されている。本システムは、伝送線を介して上記2つのセンサーから2以上の入射信号及び2つの反射信号を受信するように構成された2以上の位相検出器も備えており、各位相検出器はそれぞれの反射信号と励振信号との位相差を示す電圧をそれぞれ出力するように構成されている。本システムは、センサー及び位相検出器に結合したスイッチも備えており、スイッチは所定の切替間隔で又は較正要求信号に応答してセンサー間で位相検出器を交換するように構成されている。本システムは、位相検出器に結合した較正モジュールも備えており、較正モジュールは、上記2以上の位相検出器からそれぞれの電圧を受信しかつ処理して較正電圧信号を発生させるように構成されているとともに、位相検出器の較正電圧信号を一致させるように構成されている。
【0007】
本発明の別の実施形態では、オンライン絶対位相較正用システムを提供する。本システムは、複数の周波数で複数の励振信号を発生させるように構成された励振源を備える。本システムは、励振源に結合される位相シフターも備えており、位相シフターは、複数の位相シフト励振信号を発生させるため上記励振信号のそれぞれに異なる位相シフトを導入するように構成されている。本システムは、上記励振信号及び各位相シフト励振信号を受信し、上記異なる位相シフトを表す複数の電圧を出力するように構成された位相検出器も備えている。本システムは、上記電圧及び上記異なる位相シフトに基づいて位相検出器に対する位相−電圧伝達関数を決定するように構成されたプロセッサも備えている。
【0008】
本発明の別の実施形態では、オンライン絶対位相較正用システムを提供する。本システムは、各周波数で複数の励振信号を発生させるように構成された励振源を備える。本システムは、上記励振源に伝送線を介して結合したセンサーも備えており、センサーは励振信号を受信するように構成されている。本システムは、上記センサーに結合した位相検出器も備えており、位相検出器は、上記センサーから各励振信号に対応する複数の反射信号を受信するとともに、それぞれの反射信号と励振信号との位相差を表す電圧を出力するように構成されている。本システムは、各周波数及び伝送線の長さに基づいて位相差を計算するとともに、算出した位相差及び電圧出力に基づいて位相検出器に対する位相−電圧伝達関数を決定するように構成されたプロセッサも備えている。
【0009】
本発明の別の実施形態では、オンライン相対位相較正のための方法を提供する。本方法は、複数の励振信号を発生させることを含む。本方法は、各励振信号を2以上のセンサーに送信することも含む。本方法は、センサーから各励振信号を反射させることも含む。本方法は、2以上の位相検出器によって、反射励振信号と送信励振信号との位相差を各々表す複数の電圧を発生させる複数の位相測定を実行することも含む。本方法は、所定の切替間隔で位相検出器間で各センサーの結合を切り替えることも含む。本方法は、位相検出器を較正するため各センサーについて位相検出器で得られた電圧を整合させることも含む。
【0010】
本発明の別の実施形態では、オンライン絶対位相較正のための方法を提供する。本方法は、各周波数で複数の励振信号を発生させることを含む。本方法は、励振信号を伝送線を介して送信することも含む。本方法は、センサーで励振信号を受信するとともに反射させることも含む。本方法は、位相検出器によって、各周波数での反射励振信号と送信励振信号との位相差を各々表す複数の電圧を発生させる複数の位相測定を実行することも含む。本方法は、周波数及び伝送線の長さに基づいて位相差を計算することも含む。本方法は、算出した位相差及び電圧出力に基づいて位相検出器に対する位相−電圧伝達関数を決定することも含む。
【0011】
本発明の上記その他の特徴、態様及び効果に関しては、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって理解を深めることができよう。なお、図面を通して、類似の部材には類似の符号を付した。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る較正モジュールを備えるオンライン相対位相較正用システムの概略図である。
【図2】図1の較正モジュールの概略図である。
【図3】本発明の実施形態に係るオンライン絶対位相較正システムの概略図である。
【図4】本発明の実施形態に係る別の例示的なオンライン絶対位相較正システムの概略図である。
【図5】本発明の実施形態に係る例示的なオンライン相対位相較正方法の工程を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る例示的なオンライン絶対位相較正方法の工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下で詳しく説明する通り、本発明の実施形態としては、位相検出器の位相較正用システム及び方法がある。本明細書で用いる「位相較正」という用語は、特に限定されないが、クリアランス測定(例えばタービン動翼のクリアランス測定)などの用途に用いられる位相検出器の較正をいう。具体的には、相対較正技術及び絶対位相較正技術について開示する。絶対位相技術では「位相−電圧」伝達関数を求めるが、相対較正技術では「位相−電圧」伝達関数を求める必要はない。「位相−電圧伝達関数」とは、電圧を回路における対応位相差に関連付ける関数をいう。位相検出器には、特に限定されないが、位相検出器は電流及び電圧などの電気出力を含む。
【0014】
図1は、オンライン相対位相較正用のシステム10の概略図である。システム10は、励振信号14を発生させる1以上の励振源12を含む。励振源12としては、特に限定されないが、電圧制御発振器、非制御発振器又は高周波(RF)励振源などが挙げられる。図示した実施形態では、励振源12は電圧制御発振器を備える。励振信号14は、符号20で示す長さの伝送線18を介して負荷16に入射する。特定の実施形態では、負荷16は容量性プローブのようなセンサーである。励振信号14は入射信号14と呼ぶこともできる。負荷16は、負荷16のインピーダンスと伝送線18の特性インピーダンスとのインピーダンス不整合のため励振信号14の一部を反射する。その結果、反射信号22が発生する。反射信号22は、伝送線18の特性インピーダンスと負荷16のインピーダンスの不整合との関数として定義される反射係数の関数である。反射係数は次の式で表される。
【0015】
【数1】

式中、Z1は負荷16のインピーダンスであり、Z0は伝送線18の特性インピーダンスである。反射係数は反射信号22の位相を変調させる。反射信号22は、伝送線18の長さによる位相遅延も起こす。これは操作中に測定される総位相差を生じる。
【0016】
図示した例では、位相検出器24は、双方向性結合器26を通過した後の反射信号22を受信する。双方向性結合器26によって、入射信号14と反射信号22の独立したサンプリングが可能となる。位相検出器24は入射信号14及び反射信号22を受信して、反射信号22と入射信号14との位相差を表す電圧を出力する。較正モジュール28は、このような2以上の負荷16から得られた測定値を較正するため位相検出器24に結合される。
【0017】
図2は、図1の例示的なオンライン相対位相較正システム40における較正モジュール28の概略図である。第一センサー又は負荷(図1)から得られた測定値を表す順方向チャネル46から出力された信号42、及び第二センサー又は負荷(図1)から得られた測定値を表す逆方向チャネル48から出力された信号44は、第一位相検出器50及び第二位相検出器52に伝送される。図示した例では、順方向チャネル46及び逆方向チャネル48に結合したスイッチ53は、所定の切替間隔で或いは較正要求信号に応答して、信号42及び44を切り替える。一実施形態では、スイッチ53は、所望の範囲で複数の高周波信号を伝送する高周波スイッチである。第一位相検出器50及び第二位相検出器52からそれぞれ出力された信号54及び56は較正モジュール28を通過する。図示した例に関して、較正モジュール28は、較正条件下で同じ値の出力電圧を得るために、位相検出器50及び52に結合した2以上の較正回路58及び59をそれぞれ備えており、位相検出器50及び52を較正する。なお、2つの較正回路を図示したが、較正モジュール28が他の数の較正回路を含んでいてもよいことは明らかであろう。図示した例に関して、各較正回路58は、それぞれ信号54及び56から直流成分を減じて信号62を生じるレベルシフター60を備える。増幅器64は信号62を増幅して信号66を出力し、信号66は次いでアナログ・デジタルコンバータ(ADC)68に入力され、ADCで信号66をデジタル較正信号70に変換する。ADC68は較正電圧70を信号レベルアナライザー72へ出力する。信号レベルアナライザー72から出力された電圧信号74は、さらに、スイッチ53と結合したコントローラ76に送られる。コントローラ76は、電圧信号74に基づいて第一位相検出器50と第二位相検出器52の間での信号42及び44の切替を制御する。2つの位相検出器50及び52の一方から得られた電圧信号74に不一致がある場合には、ゲインはそれぞれの電圧信号74に一致するように調整される。特定の実施形態では、ゲインはデジタル乗算器によって調整される。
【0018】
図3は、位相シフター92を備えるオンライン絶対位相較正システム90の配置図である。システム90は、複数の周波数で複数の励振信号96を発生する励振源94を備える。励振源12としては、特に限定されないが、電圧制御発振器、非制御発振器又は高周波(RF)励振源などが挙げられる。図示した実施形態では、励振源は、複数のステップの周波数で制御された電圧制御発振器(VOC)94を備える。信号96は、各信号96に異なる位相シフトを導入して複数の位相シフト励振信号98を発生させる位相シフター92を通過する。電圧制御発振器からの信号96及び位相シフト信号98は位相検出器100に入力される。位相検出器100は、導入された異なる位相シフトを表す電圧102を出力する。プロセッサ104が位相検出器100に結合していて、測定された電圧及び異なる位相シフトに基づいて位相検出器100に対する位相−電圧伝達関数を決定する。
【0019】
なお、本発明は、本発明の処理タスクを実行するためのいかなる特定のプロセッサにも限定されない。本明細書で用いる「プロセッサ」という用語は、本発明のタスクの実施に必要な演算又は計算を実施できるあらゆる機械を意味する。「プロセッサ」という用語は、構造化入力を受け入れ、所定の規則にしたがって入力を処理して出力を生成することのできるあらゆる機械を意味するものである。また。本明細書で用いる「構成」という表現は、当業者には明らかであろうが、プロセッサが本発明のタスクの実行のためのハードウェアとソフトウェアの組合せを備えていることを意味する。
【0020】
特定の実施形態では、コントローラ106は、較正測定を所定の位相差設定点で行えるように、複数の電気部品、リード及び回路内の伝送線の少なくともいずれかによって導入される遅延に起因する位相のシフトを修正するための位相シフター92に結合している。コントローラ106は、位相シフター92の特性の調整に用いられる制御電圧源であってもよい。
【0021】
特定の実施形態では、コントローラ106は、位相のシフトに変化を導入するための位相シフター92に結合される。これによって可変位相シフトを適用することができるとともに、得られる位相出力を位相差の関数として測定し、位相−電圧伝達関数を計算される。コントローラ106は矩形波源のような可変電圧源でもよく、その場合、矩形波レベルは位相シフター92で異なる位相シフトを生じる。
【0022】
図4はオンライン絶対位相較正のための別の例示的なシステム120の概略図である。システム120は、特に限定されないが、各周波数で複数の励振信号124を発生させる電圧制御発振器122のような励振源を含む。励振信号124は、符号130で示す長さの伝送線128を介して負荷126に入射する。特定の実施形態では、負荷126は容量性プローブのようなセンサーである。励振信号124は入射信号124と呼ぶこともできる。負荷126は、負荷126のインピーダンスと伝送線128の特性インピーダンスとのインピーダンス不整合のため励振信号124の一部を反射する。その結果、反射信号132が発生する。双方向性結合器136によって、入射信号138と反射信号132の独立したサンプリングが可能となる。位相検出器134は入射信号138及び反射信号132を受信して、反射信号132と入射信号138の位相差を表す電圧を出力する。プロセッサ138が位相検出器134と結合していて、各周波数及び伝送線128の長さに基づいて位相差を数学的に計算する。さらに、算出された位相差及び測定電圧に基づいて位相検出器134に対する位相−電圧伝達関数が求められる。この位相−電圧伝達関数は、可変位相差の関数としての位相検出器134のゲインを表すので、位相−電圧変換プロセスの全ゲインだけでなく、応答の非線形性についても補正できる。補正にはデジタル信号乗算器を使用し得る。
【0023】
図5はオンライン相対位相較正のための例示的な方法150の諸工程を示すフローチャートである。方法150はステップ152における複数の励振信号の発生を含む。特定の実施形態では、励振信号は高周波励振信号である。各励振信号はステップ154で2以上のセンサーに送信される。さらに、各励振信号はステップ156でセンサーから反射される。ステップ158において、2以上の位相検出器によって各々反射励振信号と送信励振信号との位相差を表す複数の電圧を発生させることによって、複数の位相測定を実施する。ステップ160で、所定の切替間隔で各センサーの結合を位相検出器間で切り替える。ステップ154、156及び158を順次繰り返して、それぞれステップ162、164及び166を構成する。ステップ168において、ステップ158及び166で得られた電圧を位相検出器の各センサーで一致させて、位相検出器を較正する。一実施形態では、電圧が一致するように各位相検出器でゲインを調整する。別の実施形態では、切替えを1以上の高周波で実施する。
【0024】
図6は、オンライン絶対位相修正のための例示的な方法180の諸工程を示すフローチャートである。方法180はステップ182における複数の励振信号の発生を含む。特定の実施形態では、励振信号は高周波励振信号である。図示した実施形態では、ステップ184において励振信号は伝送線を介して送信される。さらに、励振信号はステップ186においてセンサーで受信され反射される。ステップ188において、複数の位相測定が実施され、位相検出器によって、各周波数での反射励振信号と送信励振信号との位相差を各々表す複数の電圧を発生させる。位相検出器で測定された位相差は、伝送線での信号伝搬の時間遅延に起因する位相差と、伝送線の終端でみられる終端インピーダンスによる反射係数との組合せである。終端インピーダンスが変化しないときに時間を選択することによって、特に限定されないが、ケーブル長さ及び周波数のような他の要因に起因する位相差を単離することができる。ステップ190において、周波数及び伝送線の長さと基づいて理論位相差が計算される。ステップ192において、算出された位相差及び位相検出器で発生した電圧に基づいて位相検出器に対する位相−電圧間伝達関数が求められる。位相−電圧伝達関数は、可変位相差の関数としての位相検出器のゲインを表すので、位相−電圧変換プロセスの全ゲインだけでなく、応答の非線形性についても補正できる。
【0025】
上述のオンライン位相較正のためのシステム及び方法の様々な実施形態は、運転中の電子機器の正確な較正法を提供する。この技術及びシステムは、絶対位相基準を使用せずにオンライン位相較正を可能にする。さらに、本技術は、部品の老化、温度その他の環境作用によるドリフトを受けずに、正確な出力を与えることができる。
【0026】
いうまでもなく、実施形態によっては上述の目的又は効果が必ずしもすべて達成されなくてもよい。例えば、当業者には明らかであろうが、本明細書で説明したシステム及び技術は、本明細書で教示した1以上の効果が達成又は最適化されるように具体化又は実施することができ、本明細書で教示又は示唆された他の目的又は効果が必ずしも達成されなくてもよい。
【0027】
さらに、異なる実施形態から様々な特徴を互換的に用いることができることも当業者には明らかであろう。例えば、ある実施形態に関して説明した高周波スイッチを、別の実施形態に関して説明した4つの較正回路を含む較正モジュールで使用するために適合させてもよい。同様に、本明細書に記載した様々な特徴並びに各特徴の公知の均等物を、本発明の原理に則して追加のシステム及び技術を構築するため、種々組み合わせてもよい。
【0028】
本明細書では、本発明の幾つかの特徴のみを例示し説明してきたが、その他数多くの修正及び変更は当業者には自明であろう。かかる修正及び変更はすべて本発明の技術的範囲に属する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンライン相対位相較正用システム(10)であって、
複数の励振信号を発生させる1以上の励振源(12)と、
上記1以上の励振源(12)のそれぞれと伝送線(18)を介して結合した2以上のセンサーであって、上記励振信号(14)のそれぞれを受信する2以上のセンサーと、
上記2つのセンサーから伝送線(18)を介して2以上の入射信号及び2つの反射信号(22)を受信する2以上の位相検出器(50,52)であって、各々、反射信号(22)と励振信号(14)との位相差を表す電圧をそれぞれ出力する位相検出器(50,52)と、
センサー及び位相検出器に結合したスイッチ(53)であって、所定の切替間隔で又は較正要求信号に応答してセンサー間で位相検出器を交換するスイッチ(53)と、
上記位相検出器に結合し、上記2以上の位相検出器(50,52)からそれぞれの電圧を受信しかつ処理して較正電圧信号を発生させる較正モジュール(22)であって、各位相検出器(50,52)の較正電圧信号を一致させるように構成されている較正モジュール(28)
を備えるシステム(10)。
【請求項2】
前記較正モジュール(28)が2以上の較正回路を含んでおり、各較正回路が、それぞれの位相検出器からの電圧出力(入力信号)を受信して該入力信号から直流信号を減じるレベルシフターを備える、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項3】
前記センサーが容量性プローブを含む、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項4】
オンライン絶対位相較正用システム(10)であって、
複数の周波数で複数の励振信号(98)を発生させる励振源(94)と、
上記励振源(94)に結合した位相シフター(94)であって、複数の位相シフト励振信号を発生させるため上記励振信号のそれぞれに異なる位相シフトを導入する位相シフター(94)と、
励振信号(98)及びそれぞれの位相シフト励振信号を受信し、上記異なる位相シフトを表す複数の電圧を出力する位相検出器(100)と、
上記電圧及び上記異なる位相シフトに基づいて位相検出器(100)に対する位相−電圧伝達関数を決定するプロセッサ(104)と
を備えるシステム(10)。
【請求項5】
前記位相シフター(92)に結合したコントローラ(106)であって、複数の電気部品、リード及び伝送線の少なくとも一つによって導入される遅延に応じて、前記位相シフターにおける位相のシフトを修正するように構成されたコントローラ(106)をさらに含む、請求項4記載のシステム(90)。
【請求項6】
オンライン絶対位相較正用システム(120)であって、
それぞれの周波数で複数の励振信号(124)を発生させる励振源(122)と、
上記励振源(124)に伝送線(128)を介して結合したセンサ(122)であって、上記励振信号(124)を受信するセンサー(122)と、
上記センサーに結合した位相検出器(134)であって、上記センサーからそれぞれの励振信号(124)に対応する複数の反射信号(132)を受信し、それぞれの反射信号(132)と励振信号(124)との位相差を表す電圧を出力する位相検出器(134)と、
各周波数及び伝送線(128)の長さに基づいて位相差を計算し、算出した位相差及び電圧出力に基づいて位相検出器(134)に対する位相−電圧伝達関数を決定するプロセッサ(104)と
を備えるシステム(120)。
【請求項7】
前記周波数が伝送線の長さの範囲内で波長の整数倍に対応し、位相差の反復値をもたらす、請求項6記載のシステム(120)。
【請求項8】
オンライン相対位相較正のための方法(150)であって、
複数の励振信号を発生させ(152)、
各励振信号を2以上のセンサーへ送信し(154)、
上記センサーから各励振信号を反射させ(156)、
2以上の位相検出器によって、反射励振信号と送信励振信号との位相差を各々表す複数の電圧を発生させる複数の位相測定を実行し(158)、
所定の切替間隔で位相検出器間で各センサーの結合を切り替え(160)、
位相検出器を較正するため各センサーについて位相検出器で得られた電圧を整合させる(168)
ことを含んでなる方法(150)。
【請求項9】
オンライン絶対位相較正のための方法(180)であって、
それぞれの周波数で複数の励振信号を発生させ(182)、
励振信号を伝送線を介して送信し(184)、
センサーで励振信号を受信するとともに反射させ(186)、
位相検出器によって、各周波数での反射励振信号と送信励振信号との位相差を各々表す複数の電圧を発生させる複数の位相測定を実行し(188)、
周波数及び伝送線の長さに基づいて理論位相差を計算し(190)、
理論位相差及び電圧出力に基づいて位相検出器に対する位相−電圧伝達関数を決定する(192)
ことを含んでなる方法(180)。
【請求項10】
前記励振信号が高周波励振信号からなる、請求項9記載の方法(180)。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−238226(P2009−238226A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73085(P2009−73085)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】