説明

オンラインRPGシステム

【課題】ゲームのプレイヤー自らがものを創り出し創り手としての喜びを味わえるようにすることを目的とする。
【解決手段】複数プレイヤー参加型のオンラインRPGシステムであって、プレイヤーによるシナリオの選択に関するシナリオ選択情報に基づいて、物語を作成する物語作成手段と、物語作成手段で作成された物語に沿ってプレイヤーがオンラインRPGをプレイした場合、プレイヤーのプレイをプレイ情報として記憶装置に保存するプレイ情報保存手段と、プレイヤーによる物語に関する本の表示要求に基づいて、記憶装置に記憶されているプレイ情報の中から、プレイヤーのプレイ情報を取得するプレイ情報取得手段と、プレイ情報取得手段で取得したプレイ情報を用いて物語に関する本を作成し、表示する本表示手段と、プレイヤーによる出版要求に基づいて、オンデマンドで、本の出版を要求するオンデマンド出版要求手段と、を有することによって課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンラインRPGシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインゲームの一種にMORPG(Multi−player Online Role−Playing Game)がある。
【0003】
【特許文献1】特開2002−239250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のMORPG等は、プレイヤーは与えられたシナリオに沿ってプレイするだけで、自らがものを創り出すことはできなかった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、ゲームのプレイヤー自らがものを創り出し、創り手としての喜びを味わえるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は、複数プレイヤー参加型のオンラインRPGシステムであって、プレイヤーによるシナリオの選択に関するシナリオ選択情報に基づいて、物語を作成する物語作成手段と、前記物語作成手段で作成された物語に沿ってプレイヤーがオンラインRPGをプレイした場合、プレイヤーのプレイをプレイ情報として記憶装置に保存するプレイ情報保存手段と、プレイヤーによる前記物語に関する本の表示要求に基づいて、前記記憶装置に記憶されているプレイ情報の中から、前記プレイヤーのプレイ情報を取得するプレイ情報取得手段と、前記プレイ情報取得手段で取得したプレイ情報を用いて前記物語に関する本を作成し、表示する本表示手段と、プレイヤーによる出版要求に基づいて、オンデマンドで、前記本の出版を要求するオンデマンド出版要求手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
係る構成とすることにより、プレイヤーのシナリオの選択に基づいて、物語を作成する。そして、作成した物語に沿ってプレイヤーがオンラインRPGをプレイした場合、プレイヤーのプレイをプレイ情報として保存する。そして、プレイヤーによる物語に関する本の表示要求に基づいて前記プレイヤーのプレイ情報を取得し、物語に関する本を作成する。そして、プレイヤーによる出版要求に基づいて作成した本をオンデマンドで出版要求する。よって、ゲームのプレイヤー自らがもの(物語や本等)を創り出し、ゲームをプレイする喜びと共に、創り手としての喜びを味わえるようにすることすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ゲームのプレイヤー自らがものを創り出し、創り手としての喜びを味わえるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、オンラインRPGシステムの一例を示す図である。図1に示されるように、オンラインRPGシステムは、サーバ装置(コンピュータ)1と、サーバ装置1とネットワーク4等を介して通信可能な複数の携帯電話装置(以下、携帯電話という)と、を含む。なお、図1では、複数の携帯電話の一例として、携帯電話2と、携帯電話3と、を示している。プレイヤーは、携帯電話を介して、サーバ装置1にアクセスし、RPGをプレイする。なお、図1では、サーバ装置1は、1台のみであるが、処理の分担等のため、複数のサーバ装置で構成されていてもよい。
【0011】
図2は、サーバ装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、サーバ装置1は、ハードウェア構成として、CPU11、ROM12、RAM13、入力装置14、表示装置15、通信装置16、HDD17を有する。
【0012】
CPU11は、サーバ装置1全体の制御を司る。ROM12は、読み出し専用記憶装置であり、CPU11によって実行される電源投入時に最初に読み込まれるプログラム等が記憶されている。RAM13は、CPU11がプログラムを実行するためのワークエリアとして使用される。入力装置14は、各種データ及びコマンドの入力を行う。なお、入力装置14の一例としては、例えば、マウスやキーボード等である。
【0013】
表示装置15は、各種データ等の表示及び入力装置14の操作に対応するカーソルを表示する。通信装置16は、外部端末装置(例えば携帯電話2や携帯電話3等)からデータを取得したり、外部端末装置にデータを送信したりする。
【0014】
HDD17は、プレイ情報又は後述するデータベース等を記憶するエリアとして使用される。また、HDD17には、例えば本実施形態におけるサーバ装置1が行う処理に関するプログラムが記憶されている。なお、本実施形態では、データベースは、サーバ装置1のHDD17内に記憶されるものとして説明を行うが、サーバ装置1と接続されたデータベースサーバ装置等に記憶されていてもよい。
【0015】
CPU11が、HDD17に記憶されているプログラムをRAM13上に読み出して、このプログラムに基づいて、処理を実行することにより、後述するサーバ装置1の機能等を実現する。なお、入力装置14及び表示装置15は、サーバ装置1の必須のハードウェア構成ではない。
【0016】
なお、携帯電話のハードウェア構成も、サーバ装置1のハードウェア構成とほぼ同様であり、携帯電話のCPUが携帯電話のROM、又はRAM等に記憶されているプログラムに基づいて、処理を実行することにより、後述する携帯電話の機能等を実現する。
【0017】
図3は、オンラインRPGシステムにおけるプレイヤーが行う動作の概要を説明するための図である。
まず、ステップS10において、プレイヤーは、RPGの中の物語や、その物語の舞台となる世界を創る。
次に、ステップS11において、プレイヤーは、自身が作った世界において物語に沿って遊ぶ(プレイする)。プレイヤーは、例えば、RPGの中で生活をしたり、冒険をしたり、他のプレイヤーである友達と遊んだりすることができる。
次に、ステップS12において、プレイヤーは、自身が創った世界において物語を1章以上クリアすると、RPG内のストーリー(出来事)を一冊の本にすることができる。
【0018】
図4は、オンラインRPGシステムの機能構成の一例を示す図である。
図4に示されるように、オンラインRPGシステムは、機能構成として、物語作成部21と、プレイ情報保存部22と、プレイ情報取得部23と、本表示部24と、編集部25と、オンデマンド出版要求部26と、を含む。
【0019】
物語作成部21は、プレイヤーのタイトルや、原因、結果等の選択操作に応じて、物語(ストーリ)を作成する。そして、物語作成部21は、物語に沿ったプレイのプレイ情報を格納するためのプレイテーブルをプレイヤー毎にデータベースに生成する。なお、物語作成部21は、例えばサーバ装置1に実装される。
【0020】
プレイ情報保存部22は、プレイヤーが、自身が作成した物語に沿ってプレイしたプレイに関するプレイ情報を物語作成部21が作成したプレイテーブルに保存(格納)する。ここで、プレイ情報としては、例えば、行動ログ(いつ、何処から、何処へ移動したか、誰と何をしたか、等の情報)や、そのとき装備していた武器や、服等の情報がある。また、例えば、プレイヤーがドラゴン等を倒した場合、プレイ情報保存部22は、倒したドラゴンの種類や画像等もプレイ情報として保存する。
なお、プレイヤーがRPGにおいて仲間と共に行動していた場合、プレイ情報保存部22は、その仲間のプレイ情報も物語の登場人物の情報として、前記プレイヤーのプレイテーブルに保存する。
このようにすることによって、このプレイヤーが本を作成することを選択した際等に、このプレイヤーの情報だけでなく、仲間の情報(仲間の画像や仲間がとった行動等の情報)も取得し、本の内容に含めることができる。
なお、プレイ情報保存部22は、例えばサーバ装置1に実装される。
【0021】
プレイ情報取得部23は、プレイヤーによる物語に関する本の表示要求に基づいて、前プレイテーブルに記憶(保存)されているプレイ情報の中から、前記プレイヤーのプレイ情報を取得する。なお、上述したように、このプレイ情報の中には、前記プレイヤーと共に物語又は物語を構成する章に沿ってRPGをプレイした仲間のプレイヤーのプレイ情報も含まれる。なお、プレイ情報取得部23は、例えばサーバ装置1及び携帯電話に実装される。
【0022】
本表示部24は、プレイヤーによる本の表示要求等に基づいて、プレイ情報取得部23が取得したプレイ情報を用いて物語に関する本を作成し、携帯電話のディスプレイに表示する。なお、本表示部24は、例えば携帯電話に実装される。
【0023】
編集部25は、プレイヤーによる編集操作等に基づいて、本表示部24で表示された物語に関する本を編集する。例えば、編集部25は、プレイヤーによる編集操作等に基づいて、本の内容を一部削除したり、接続詞を挿入したりする。
【0024】
オンデマンド出版要求部26は、プレイヤーによる出版要求に基づいて、オンデマンドで、本の出版を出版社等に要求する。
【0025】
図5は、オンラインRPGシステムにおける処理の一例を示す図である。
ステップS20において、携帯電話は、プレイヤーの選択操作に応じて、分岐する複数のシナリオの選択に関する情報(シナリオ選択情報)をサーバ装置1に送信する。ここで、図6は、プレイヤーの携帯電話に表示される選択画面の一例を示す図である。
プレイヤーは、まず90パターンあるタイトルの中から1つのタイトルを選択する。
次に、プレイヤーは、タイトル毎に3パターンある原因から1つの原因を選択する。
次に、プレイヤーは、タイトル毎に3パターンある結果から1つの結果を選択する。
このようにして、プレイヤーが、タイトルの選択、原因の選択、結果の選択等の選択操作を行うと、携帯電話は、これらの選択情報であるシナリオ選択情報をサーバ装置1に送信する。なお、図6に示されるような画面は、サーバ装置1が制御し、携帯電話に表示させている。よって、サーバ装置1が、シナリオ選択情報を取得すると言い換えることもできる。
【0026】
ステップS21において、サーバ装置1は、受信した(又は取得した)シナリオ選択情報に基づいて、物語を作成し、登録する。物語としては、例えば
・プレイヤーがヒーローとなって街を救う物語
・囚われの姫を救い出す勇者の物語
・迷宮の謎を解き明かす冒険者の物語
・伝説の山に住むドラゴンを倒す勇者の物語
・荒地を開拓し、新たな街を興す開拓者の物語
等である。
また、サーバ装置1は、物語に沿ったプレイのプレイ情報を格納するためのプレイテーブルをプレイヤー毎にデータベースに生成する。
【0027】
次にステップS22において、プレイヤーは、携帯電話で、自身が作成した物語に沿ってRPGをプレイする。すると、ステップS23において、サーバ装置1は、プレイヤーのプレイ情報をプレイテーブルに保存する。なお、プレイヤーが他のプレイヤーと一緒にRPGをプレイした場合、上述したように、サーバ装置1は、その他のプレイヤーのプレイ情報も物語の登場人物の情報として、前記プレイテーブルに保存する。
【0028】
プレイヤーは、物語又は物語を構成する章を1つ以上、クリアすると、クリアした物語又はシナリオを本として表示するよう携帯電話を用いて操作する。すると、ステップS24において、携帯電話は、プレイヤーを識別する識別情報を含む本の表示要求をサーバ装置1に送信する。次に、ステップS25において、サーバ装置1は、本の表示要求に含まれるプレイヤーの識別情報に基づいて、該当するプレイテーブルよりプレイ情報を取得し、要求元の携帯電話に提供する。また、サーバ装置1は、このプレイヤーが作成した物語に応じた、画像(例えば、背景画像)や、プレイ情報に応じた画像(救い出した姫に応じた画像、又は倒したドラゴンに応じた画像等)を取得し、要求元の携帯電話に提供する
【0029】
サーバ装置1よりプレイ情報及び画像を取得すると、携帯電話は、ステップS26において、プレイ情報及び画像を組み合わせて本を生成し、表示する。ここで、プレイヤーが本の編集を選択し、編集操作を行うと、ステップS27において、携帯電話は、生成した本を編集する。例えば、携帯電話は、ユーザーによる編集操作等に基づいて、本の内容を一部削除したり、接続詞を挿入したりする。
【0030】
編集作業が終わり、ユーザーが、出版を要求する操作を行うと、ステップS28において、携帯電話は、編集された本のデータと、予め登録されているユーザーの氏名、電話番号、住所等の情報(データ)を、印刷会社へ送信し、出版を要求する。すると、本のデータ等が印刷会社へ送られ、印刷、製本がなされ、前記住所に本が届く。なお、ユーザーの情報が予め登録されていない場合等、携帯電話は、印刷会社に送信する情報を、ユーザーに入力させるようにしてもよい。
図7は、製本がなされた本のイメージ図である。
【0031】
以上、上述したオンラインRPGシステムによれば、プレイヤーは、あたかも小説家になったように、物語を創ることができる。また、プレイヤーは、創った物語に沿ってプレイすることもできると共に、他のユーザーもその物語に参加させ、共にプレイすることができる。また、プレイの内容を本(絵本)にすることもできる。
よって、上述した実施形態によれば、ゲームのプレイヤー自らがものを創り出し、創り手としての喜びを味わえるようにすることができる。
【0032】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0033】
例えば、上述した実施形態では、プレイヤーは、携帯電話を介して、サーバ装置1にアクセスし、RPGをプレイするものとして説明を行った。しかしながら、ネットワークを介してサーバ装置1にアクセス可能な装置であれば、携帯電話に限定されるものではない。例えば、通信機能を有する携帯ゲーム機や、PC等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】オンラインRPGシステムの一例を示す図である。
【図2】サーバ装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】オンラインRPGシステムにおけるプレイヤーが行う動作の概要を説明するための図である。
【図4】オンラインRPGシステムの機能構成の一例を示す図である。
【図5】オンラインRPGシステムにおける処理の一例を示す図である。
【図6】プレイヤーの携帯電話に表示される選択画面の一例を示す図である。
【図7】製本がなされた本のイメージ図である。
【符号の説明】
【0035】
1 サーバ装置
2 携帯電話
3 携帯電話
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 入力装置
15 表示装置
16 通信装置
17 HDD
21 物語作成部
22 プレイ情報保存部
23 プレイ情報取得部
24 本表示部
25 編集部
26 オンデマンド出版要求部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数プレイヤー参加型のオンラインRPGシステムであって、
プレイヤーによるシナリオの選択に関するシナリオ選択情報に基づいて、物語を作成する物語作成手段と、
前記物語作成手段で作成された物語に沿ってプレイヤーがオンラインRPGをプレイした場合、プレイヤーのプレイをプレイ情報として記憶装置に保存するプレイ情報保存手段と、
プレイヤーによる前記物語に関する本の表示要求に基づいて、前記記憶装置に記憶されているプレイ情報の中から、前記プレイヤーのプレイ情報を取得するプレイ情報取得手段と、
前記プレイ情報取得手段で取得したプレイ情報を用いて前記物語に関する本を作成し、表示する本表示手段と、
プレイヤーによる出版要求に基づいて、オンデマンドで、前記本の出版を要求するオンデマンド出版要求手段と、
を有することを特徴とするオンラインRPGシステム。
【請求項2】
前記本表示手段で表示された、前記物語に関する本を編集する編集手段を更に有し、
前記オンデマンド出版要求手段は、プレイヤーによる出版要求に基づいて、オンデマンドで、前記編集手段で編集された本の出版を要求することを特徴とする請求項1に記載のオンラインRPGシステム。
【請求項3】
前記プレイ情報保存手段は、前記プレイヤーと共にオンラインRPGをプレイした他のプレイヤーのプレイ情報も物語の登場人物の情報として前記プレイヤーのプレイ情報として前記記憶装置に保存することを特徴とする請求項1又は2に記載のオンラインRPGシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate