説明

オートフィード装置

【課題】本発明は取込カセット、フィード経路、ロールセット、取出カセット、光発射装置、光受信装置及び判断ユニットを含むオートフィード装置を提供する。
【解決手段】
前記光受信装置はフィードされた文書を透過する複数の異なる強度の光ビームに基いて複数の電圧信号を出力し、判断ユニットが前記複数の電圧信号に基いてフィードされた文書の種類を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオートフィード装置に関し、特に文書の種類が判断可能なオートフィード装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に散見される文書の種類は薄い物から厚い物として、映写機フィルム、ペーパー及び写真台紙であるが、オートフィード装置は前記文書の種類の違いを識別できない。使用の利便性から市場では既に文書の種類が識別可能なオートフィード装置が開発されている。
【0003】
図1は従来のオートフィード装置の概略図である。オートフィード装置4には取込カセット5が具備され、取込カセット5にはホール5aが設けられている。文書Pは取込カセット5上に置かれる。取込カセット5の片側には取出ロール6とパーティション構造8が取り付けられており、またホール5aの片側には光発射装置13が取り付けられ、ホールのもう一方の側には光受信装置14が取り付けられ、光受信装置14は制御装置50と電気接続している。
【0004】
一般のオートフィード装置全てに設置されている取込カセット5は文書Pを置くためのもので、取出ロール6は文書Pをフィードチャネル(図未提示)にフィードさせ、パーティション構造8は毎回フィードチャネルに進入する文書数量を1枚のみ確保する。このほか、ホール5a、光発射装置13、光受信装置14及び制御装置50は文書Pを判断するためのもので、また光発射装置13は複数の強度の光ビームを発射することができる。
【0005】
オートフィード装置4が文書Pに対してスキャンを実行する前に、光発射装置13は単一の高強度の光ビームを取込カセット5上に置かれている文書Pに発射し、高強度の光ビームは文書Pを透過して光発射装置13が狙いを定めたホール5aを通過し、高強度の光ビームは光受信装置14に受信される。高強度の光ビームが文書Pを透過すると、高強度の光ビームエネルギーの一部は文書Pに吸収され、高強度の光ビームの別の一部分は反射されるので、光受信装置14が受信する高強度の光ビームエネルギーは元々光発射装置13から発射された高強度の光ビームより弱まり、また文書Pが厚いほど、光受信装置14が受信する光ビームエネルギーは少なくなる。その後制御装置50が光受信装置14が受信した光ビームエネルギーを分析して文書Pの種類が何であるかを判断し、光ビームエネルギーは電圧値で表示される。
【0006】
制御装置50に文書Pの種類を判断させるために、制御装置50に電圧基準表を内蔵し、映写機フィルム、ペーパー及び写真台紙の三種類の文書を例に取り、受信した光ビームの電圧値が第一電圧値乃至第二電圧値の範囲内だと検知された文書Pは映写機フィルムであると定義し、その電圧値が第二電圧値乃至第三電圧値の範囲内だと検知された文書Pはペーパーであると定義し、その電圧値が第三電圧値乃至第四電圧値の範囲内だと検知された文書Pは写真台紙であると定義する。
【0007】
光発射装置13が複数強度の光ビームを使用する原因は、映写機フィルムのようにある文書は非常に薄く、高強度の光ビームが前記の薄い文書を照射すると、前記の薄い文書を透過した高強度の光ビームエネルギーが吸収される量は少なく、光受信装置14が受信する光ビームエネルギーと元々光発射装置13から発射された高強度の光ビームエネルギーとがかなり接近していることから、制御装置50はその文書の種類を定義することができない。こうした状況が発生した場合、光発射装置13は前記の薄い文書に低強度の光ビームを発射させることで、制御装置50に光ビームエネルギーを分析させて文書の種類を判断させることができる。
【0008】
従来のオートフィード装置4は文書の種類を判断することができるものの、光ビームエネルギーを分析するための制御装置50の電気回路が相当複雑で且つコストが高くつくため、低コストの文書種類の識別可能なオートフィード装置が必要なのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的はオートフィード装置を提供することにあり、特に複数の強度の異なる光ビームを使用し、順番に同一の文書に照射して文書の種類を判断するオートフィード装置である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
最適な実施例において、本発明は文書をフィードするためのオートフィード装置を提示し、オートフィード装置は、文書を置くための取込カセットと、文書に進行経路を提供するためのフィード経路と、文書をフィードし、文書をフィード経路の中を進行させるためのロールセットと、フィード経路を通過した文書を置くための取出カセットと、順番に複数の光ビームを文書に発射するための光発射装置であって、複数の光ビームは異なる光強度を有することと、光発射装置に電気接続して、文書を透過した複数の光ビームを受信すると共にそれに対応する複数の電圧値を出力するための光受信装置と、光受信装置に電気接続し、文書種類対照表を予め設け、複数の電圧値と文書種類対照表に基いて文書の種類を決定する判断ユニットであって、判断ユニットには高電圧参考値と低電圧参考値を内蔵し、また複数の電圧値は第一電圧値と第二電圧値を含み、複数の電圧値中の第一電圧値は高電圧参考値よりも大きく、複数の電圧値中の第二電圧値は第二電圧値よりも小さい場合、判断ユニットは文書を第一種類文書と判断し、複数の電圧値中の第一電圧値と第二電圧値が共に高電圧参考値よりも大きい場合、判断ユニットは文書を第二種類文書と判断し、さらに複数の電圧値中の第一電圧値と第二電圧値が共に低電圧参考値よりも小さい場合、判断ユニットは文書を第三種類文書と判断することを含む。
【0011】
最適な実施例において、第一種類文書はペーパー、第二種類文書は映写機フィルム、そして第三種類文書は写真台紙である。
【0012】
最適な実施例において、光発射装置は発光ダイオード若しくは赤外線発光体である。
【0013】
最適な実施例において、光受信装置は感光トランジスターである。
【0014】
最適な実施例において、本発明はまた文書をフィードするためのオートフィード装置を提示し、オートフィード装置は、文書を置くための取込カセットと、文書に進行経路を提供するためのフィード経路と、文書をフィードし、文書をフィード経路の中を進行させるためのロールセットと、フィード経路を通過した文書を置くための取出カセットと、順番に複数の光ビームを文書に発射するための光発射装置であって、複数の光ビームは異なる光強度を有することと、光発射装置に電気接続して文書を透過した複数の光ビームを受信するための光受信装置と、光受信装置と電気接続して、光受信装置が受信する複数の光ビームに基いて複数のロジックレベル信号を出力する比較器と、比較器と電気接続して、文書種類対照表を予め設け、前記複数のロジックレベル信号及び文書種類対照表に基いて文書の種類を決定する判断ユニットであって、複数のロジックレベル信号は第一ロジックレベル信号と第二ロジックレベル信号を含み、複数のロジックレベル信号中の第一ロジックレベル信号が高ロジックレベルであって、複数のロジックレベル信号中の第二ロジックレベル信号が低ロジックレベルである場合、判断ユニットは文書を第一種類文書と判断し、第一ロジックレベル信号と第二ロジックレベル信号が高ロジックレベルである場合、判断ユニットは文書を第二種類文書と判断し、さらに第一ロジックレベル信号と第二ロジックレベル信号が共に低ロジックレベルである場合、判断ユニットは前記文書を第三種類文書と判断することを含む。
【0015】
最適な実施例において、第一種類文書はペーパー、第二種類文書は映写機フィルム、そして第三種類文書は写真台紙である。
【0016】
最適な実施例において、光発射装置は発光ダイオード若しくは赤外線発光体である。
【0017】
最適な実施例において、光受信装置は感光トランジスターである。
【0018】
最適な実施例において、本発明はまたオートフィード装置の中で文書の種類を判断するための文書種類を識別する方法を提示し、前記方法は、複数強度の複数の光ビームを使用して順番に文書に照射し、複数の光ビームが文書を透過するか否かに基いて文書の種類を判断し、複数の光ビーム中の第一強度の光ビームが文書を透過して第二強度の光ビームが文書を透過しない場合、文書は第一種類文書であると判断し、第一強度の光ビームと第二強度の光ビームが共に文書を透過する場合、文書は第二種類文書であると判断し、さらに第一強度の光ビームと第二強度の光ビームが共に文書を透過しない場合、文書は第三種類文書であると判断することを含む。
【0019】
最適な実施例において、第一種類文書はペーパー、第二種類文書は映写機フィルム、そして第三種類文書は写真台紙である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を次に図面により詳細に説明する。
【実施例】
【0021】
図2は本発明のオートフィード装置の第一実施例の概略図である。本実施例中のオートフィード装置100は、取込カセット110、取出カセット120、フィード経路130、ロールセット140、光発射装置150、光受信装置160及び判断ユニット180を含み、ロールセット140は取込ロール、パーティションロール、フィードロール及び取出ロール等を含み、また判断ユニット180に高電圧参考値と低電圧参考値を内蔵する。なお、本箇所が指す文書とはフィード装置によって伝送され得る薄いシートを指し、それにはぺーパー、写真及び映写機フィルム等を含むことを特に説明しておく。
【0022】
フィード経路130の入口と取込カセット110の箇所には光発射装置150と光受信装置160を設置し、ロールセット140が取込カセット110上に置かれた文書Pをフィード経路130にフィードする際、光発射装置150は光ビームBを文書P上に発射して、光ビームBを文書Pに透過させて光受信装置160によって受信され若しくは光ビームBは文書Pを透過することができずに光受信装置160に受信されない。光受信装置160が光ビームBを受信するか否かに拘わらず、何れも電圧値Vを判断ユニット180に出力する。光受信装置160が光ビームBを受信して電圧値Vを判断ユニット180に出力すると、出力した電圧値Vは高電圧参考値よりも大きくなり、これと反対に、光受信装置160が光ビームBを受信せずに電圧値Vを判断ユニット180に出力すると、出力した電圧値Vは低電圧参考値よりも小さくなる。判断ユニット180中に別途予め文書種類対照表を設け、文書種類対照表に複数の文書の種類と各種文書に対応する電圧値の大きさとの関係の内容を記録し、判断ユニット180は文書種類対照表に基いて検知される文書Pがどの文書の種類であるかを決定する。以下は表1で、本発明第一実施例の文書種類対照表である。
【0023】
【表1】

【0024】
第一実施例において、光発射装置150が高強度の光ビームと低強度の光ビームを発射できるように設定する。光発射装置150が二種類の強度の光ビームを具備するのに対して、光受信装置160はそれに対応する第一電圧値と第二電圧値を出力し、判断ユニット180も高電圧参考値と低電圧参考値及び文書種類対照表を内蔵する。判断ユニット180が予め設定した文書種類対照表に三種類の文書の種類を記録し、表1で示すように、第一文書の種類はペーパー、第二文書の種類は映写機フィルム、そして第三文書の種類は写真台紙である。文書Pが光発射装置150が光ビームを発射する範囲内に進入すると、光発射装置150は高強度の光ビームを文書Pに発射し、前記高強度の光ビームは前記文書Pを透過して光受信装置160に受信され、続いて光受信装置160は第一電圧値を判断ユニット180に出力する。このとき判断ユニット180は第一電圧値を内蔵された高電圧参考値及び低電圧参考値と比較して第一電圧値が高電圧参考値より大きいことを導き出す。続いて第二種強度の光ビームを発射し、即ち光発射装置150が低強度の光ビームを前記文書Pに発射し、低強度の光ビームが文書Pを透過できない場合、光受信装置160は第二電圧値を判断ユニット180に出力する。このとき判断ユニット180は第二電圧値を内蔵された高電圧参考値及び低電圧参考値と比較して第二電圧値が低電圧参考値より小さいことを導き出す。判断ユニット180はこうした状況と表1とを対照させて、文書Pが第一文書の種類、即ちペーパーであると判断することができる。また、高強度の光ビームが文書Pを透過した後、低強度の光ビームも文書Pを透過した場合、光ビームエネルギーを受信した光受信装置160は高電圧参考値より大きい第二電圧値を判断ユニット180に出力する。このとき判断ユニット180は表1から分かるように、文書Pは第二文書の種類、即ち映写機フィルムである。このほかに、高強度の光ビームと低強度の光ビームのどちらも文書Pを透過できない場合、比較器170が出力する第一及び第二電圧値は共に低電圧参考値よりも小さく、このとき判断ユニット180は文書Pが写真台紙であると判断する。
【0025】
図3は本発明のオートフィード装置の第一実施例の電気回路概略図である。図3で光発射装置150に接続した2個の互いに並列接続する抵抗器は二種類の強度の光ビームを発することができ、抵抗器R1に電流I1を通すと、光発射装置150に第一種強度の光ビームを発射させることができ、また電流I2が抵抗器R2を通ると、光発射装置150に第二種強度の光ビームを発射させることができ、異なる抵抗値により発射される光ビームの強度を調整する。勿論、並列接続した抵抗器の数を増やして異なる強度の光ビームを増やすこともでき、詳細に述べると、光発射装置150をN種強度の光ビームを発することができるように変更し、これに対応してN個の電圧値を出力すると、予め文書種類対照表に設けた文書の種類はN+1種類となる。また、発射した光ビームは光受信装置160に受信されて、さらに光受信装置160が電圧値Vを判断ユニット180に出力し、判断ユニット180に文書の種類が何であるかを判断させる。
【0026】
ここに別の実施例を提示して充実したオートフィード装置について説明する。前記オートフィード装置は四種類の文書の種類を識別することができる。図4は本発明のオートフィード装置の第二実施例の電気回路概略図である。図4のオートフィード装置200には抵抗器R3、抵抗器R4、抵抗器R5を含む三組の抵抗器を設置し、電流I3を抵抗器R3に通すと、光発射装置250に第三強度の光ビームを発射させることができ、同じ理屈で電流I4が抵抗器R4を通ると、光発射装置250に第四強度の光ビームを発射させることができ、さらに電流I5が抵抗器R5を通ると、光発射装置250に第五強度の光ビームを発射させることができる。三種類の強度の光ビームの中で、強度の大きいものから小さいものの順に第三強度の光ビーム、第四強度の光ビーム及び第五強度の光ビームとなり、これに対応する出力電圧値はそれぞれ第三電圧値、第四電圧値及び第五電圧値となる。表2は本発明第二実施例の文書種類対照表であり、そのうち文書の種類の厚みは厚いものから薄いものの順に第一文書種類、第二文書種類、第三文書種類及び第四文書種類となる。三種類の強度の光ビームの何れもが文書を透過できず光受信装置260に受信されない場合、出力する第三電圧値、第四電圧値及び第五電圧値は皆低電圧参考値よりも小さくなり、判断ユニット280は表2から前記文書が第一文書種類であると判断することができる。第三強度の光ビームが文書を透過することができ、且つ第四及び第五強度の光ビームが文書を透過できない場合、このとき第三電圧値は高電圧参考値よりも大きくなり、また第四電圧値及び第五電圧値は共に低電圧参考値よりも小さくなり、表2から文書が第二文書種類であると判断することができ、表2のその他の状況はこれを以って類推する。図4と表2とを合せて説明することで本発明のオートフィード装置の充実した概念が充分に理解される。
【0027】
【表2】

【0028】
再度図3を参照する。本発明の第一実施例は光ビームを分析する複雑な電気回路を使用する必要なくして文書の種類を判断することができ、従来の技術と比較しても多額のコスト削減となるが、本実施例において、判断の根拠が高電圧参考値及び低電圧参考値の出力電圧値の大きさとの関係にあり、判断ユニットには電圧値が高電圧参考値より大きいか若しくは電圧値が低電圧参考値より小さいかのこの二種類の状況だけしかないため、第一種強度の光ビームと第二種強度の光ビームの強度を精確なレベルまで調整する、つまり光発射装置に接続する抵抗値を出力する電圧値を高電圧参考値より大きいか、低電圧参考値より小さいかのレベルまで調整させなければならない。当然ながら、その他の方法によっても、判断ユニットは同様の目的を達成することができる。
【0029】
図5は本発明のオートフィード装置の第三実施例の概略図である。本実施例中のオートフィード装置300は、取込カセット310、取出カセット320、フィード経路330、ロールセット340、光発射装置350、光受信装置360、比較器370及び判断ユニット380を含み、ロールセット340は取込ロール、パーティションロール、フィードロール及び取出ロール等を含む。前記二つの実施例と異なる所は、本実施例では比較器370を加え、文書を透過する光線が生じる電圧値はまず高/低レベルのロジック信号に転換され、これら高/低レベルのロジック信号は判断ユニットの判断根拠となる。
【0030】
図5のフィード経路330に接近した入口と取込カセット310の箇所に光発射装置350と光受信装置360を設置し、ロールセット340が取込カセット310上に置かれた文書Pをフィード経路330にフィードする際、光発射装置350は光ビームBを文書P上に発射して、光ビームBを文書Pに透過させて光受信装置360によって受信され若しくは光ビームBは文書Pを透過することができずに光受信装置360に受信されない。光受信装置360が光ビームBを受信しなければ、光受信装置360に電気接続する比較器370に信号を出力しない。光受信装置360が光ビームBを受信すると、光受信装置360は光信号LSを光受信装置360に電気接続する比較器370に伝送し、光受信装置360が光信号LSを比較器370に伝送するか否かに拘わらず、比較器370はロジックレベル信号DSを判断ユニット380に出力する。光受信装置360が光ビームBを受信して、光信号LSを比較器370に伝送すると、比較器370が出力するロジックレベル信号DSは高ロジックレベル信号(ロジック1)であり、これと逆に光受信装置360が光信号LSを比較器370に伝送しなければ、比較器370が出力するロジックレベル信号DSは低ロジックレベル信号(ロジック0)である。判断ユニット380には予め文書種類対照表が設定されており、文書種類対照表には複数の文書種類及び各種文書に対応するロジックレベル信号の内容が記録されており、判断ユニット380は文書種類対照表に基いて検知された文書Pがどの種類の文書種類であるかを決定する。以下は表3で、本発明の第三実施例の文書種類対照表である。
【0031】
【表3】

【0032】
本実施例において、光発射装置350が高強度の光ビームと低強度の光ビームを発射できるように設定する。光発射装置350が二種類の強度の光ビームを具備するのに対して、比較器370のロジックレベル信号DSも第一ロジックレベル信号及び第二ロジックレベル信号を有する。判断ユニット380が予め設定した文書種類対照表に三種類の文書種類を記録し、そのうち、表一で示すように、第一文書の種類はペーパー、第二文書の種類は映写機フィルム、そして第三文書の種類は写真台紙である。文書Pが光発射装置350が光ビームを発射する範囲内に進入すると、光発射装置350は高強度の光ビームを文書Pに発射し、前記高強度の光ビームは前記文書Pを透過して光受信装置360に受信され、続いて光受信装置360は光信号LSを比較器370に伝送して、比較器370に第一ロジックレベル信号を判断ユニット380に発射させる。このとき、第一ロジックレベル信号は高ロジックレベル信号(ロジック1)であり、続いて光発射装置350は低強度の光ビームを前記文書Pに発射させ、低強度の光ビームが文書Pを透過できない場合、光受信装置360は光信号LSを比較器370に伝送せず、比較器370に第二ロジックレベル信号を判断ユニット380に発射させる。このときの第二ロジックレベル信号は低ロジックレベル信号(ロジック0)である。判断ユニット380はこうした状況と表3とを対照させて、文書Pが第一文書の種類、即ちペーパーであると判断することができる。また、低強度の光ビームが文書Pを透過した場合、光ビームエネルギーを受信した光受信装置360は光信号LSを比較器370に伝送して、比較器370に第二ロジックレベル信号を判断ユニット380に発射させる。このときの第二ロジックレベル信号は高ロジックレベル信号(ロジック1)であり、判断ユニット380は表3から、文書Pは第二文書種類、即ち映写機フィルムであることが分かる。このほかに、高強度の光ビームと低強度の光ビームのどちらも文書Pを透過できない場合、比較器370が出力する第一ロジックレベル信号と第二ロジックレベル信号は共に低ロジックレベル信号(ロジック0)であり、このとき判断ユニット380は文書Pが写真台紙であると判断する。
【0033】
続いて、本発明の第三実施例の電気回路の作動状況を説明する。図6は本発明のオートフィード装置の第三実施例の電気回路概略図である。図3のバイアス回路390は比較器370の「−」端にバイアスを提供するのに用いられ、前記バイアスは駆動電圧VCC、抵抗器RA及び抵抗器RBに制御される。バイアス回路390の片側に設置されたコンデンサーCにはフィルター機能を具備し、ノイズの影響を防ぐことができる。光発射装置350に接続する2つの抵抗器が並列接続すると光発射装置350に二種類の強度の光ビームを発射させ、抵抗器R6に電流I6を通すと、光発射装置350に第六強度の光ビームを発射させることができ、また、電流I7が抵抗器R7を通ると、光発射装置350に第七強度の光ビームを発射させることができ、異なる抵抗値でもって発射される光ビームの強度を調整する。当然ながら、本実施例もまた第二実施例のように、並列接続した抵抗器の数を増やして異なる強度のビームを増やすことで、更に多くの文書の種類を識別することができる。
【0034】
本発明と従来の技術の差異は、従来の技術は複数の強度の光ビームを有するものの、毎回識別する文書の種類において、第一強度の光ビームを発射し、その後さらに光受信装置14(図1参照)が受信した光ビームエネルギーを分析するが、スムースに分析すれば識別が終了するが、分析識別できなかった場合、第二種強度の光ビーム或いはその他の更に多種類の強度の光ビームを使用して文書Pをスムースに分析できる強度の光ビームを探しあてるまで行うため、このように正確性を欠いた実施方法ではユーザーのニーズを満たすことができない。本発明には複数の強度の光ビームを具備し、第三実施例を例にとると、文書の種類を識別する過程において、光発射装置340(図5参照)は各種の強度の光ビームを順番に同一の入力文書上に発射して複数の異なる電圧値の電圧信号を発生させ、異なる電圧値の電圧信号が出す高/低ロジックレベルの組合せにより文書の種類を判断する。換言すると、本発明はロジックレベルの高/低を識別するだけに留まり、従来の技術における制御装置50の複雑な電気回路を使用する必要なくして文書の種類を識別する効果を達成したことで従来の技術の欠点を間違いなく改善することができたのである。
【0035】
上記内容は本発明の最適な実施例に過ぎず、本発明の特許申請範囲を限定するものではないため、本発明で開示した趣旨を逸脱しないで完成された等価変更若しくは補正は、全て本案における特許申請の範囲内に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】従来のオートフィード装置の概略図である。
【図2】本発明のオートフィード装置の第一実施例の概略図である。
【図3】本発明のオートフィード装置の第一実施例の電気回路概略図である。
【図4】本発明のオートフィード装置の第二実施例の電気回路概略図である。
【図5】本発明のオートフィード装置の第三実施例の概略図である。
【図6】本発明のオートフィード装置の第三実施例の電気回路概略図である。
【符号の説明】
【0037】
4、100、200、300 オートフィード装置
5 取込カセット
5a 貫通孔
6 取出ロール
8 パーティション構造
13 光発射装置
14 光受信装置
50 制御装置
110、210、310 取込カセット
120、220、320 取出カセット
130、230、330 フィード経路
140、240、340 ロールセット
150、250、350 光発射装置
160、260、360 光受信装置
180、280、380 判断ユニット
370 比較器
390 バイアス回路
B 光ビーム
C コンデンサー
DS ロジックレベル信号
I 電流
LS 光信号
P 文書
R 抵抗器
V 電圧値
VCC 駆動電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書をフィードするためのオートフィード装置であって、
前記文書を置くための取込カセットと、
前記文書に進行経路を提供するためのフィード経路と、
前記文書をフィードし、前記文書を前記フィード経路の中を進行させるためのロールセットと、
前記フィード経路を通過した前記文書を置くための取出カセットと、
順番に複数の光ビームを前記文書に発射するための光発射装置であって、前記複数の光ビームは異なる光強度を有することと、
前記光発射装置に電気接続して前記文書を透過した前記複数の光ビームを受信すると共にそれに対応する複数の電圧値を出力するための光受信装置と、
前記光受信装置と電気接続して、文書種類対照表を予め設け、前記複数の電圧値と前記文書種類対照表が文書の種類を決定する判断ユニットとを含み、
前記判断ユニットには高電圧参考値と低電圧参考値を内蔵し、また前記複数の電圧値は第一電圧値と第二電圧値を含み、前記複数の電圧値中の前記第一電圧値は前記高電圧参考値よりも大きく、前記複数の電圧値中の前記第二電圧値は前記第二電圧値よりも小さい場合、前記判断ユニットは前記文書を第一種類文書と判断し、前記複数の電圧値中の前記第一電圧値と前記第二電圧値が共に前記高電圧参考値よりも大きい場合、前記判断ユニットは前記文書を第二種類文書と判断し、さらに前記複数の電圧値中の前記第一電圧値と前記第二電圧値が共に前記低電圧参考値よりも小さい場合、前記判断ユニットは前記文書を第三種類文書と判断することを特徴とするオートフィード装置。
【請求項2】
前記第一種類文書はペーパー、前記第二種類文書は映写機フィルム、そして前記第三種類文書は写真台紙であることを特徴とする請求項1に記載するオートフィード装置。
【請求項3】
前記光発射装置は発光ダイオード若しくは赤外線発光体であることを特徴とする請求項1に記載するオートフィード装置。
【請求項4】
前記光受信装置は感光トランジスターであることを特徴とする請求項1に記載するオートフィード装置。
【請求項5】
文書をフィードするためのオートフィード装置であって、
前記文書を置くための取込カセットと、
前記文書に進行経路を提供するためのフィード経路と、
前記文書をフィードし、前記文書を前記フィード経路の中を進行させるためのロールセットと、
前記フィード経路を通過した前記文書を置くための取出カセットと、
順番に複数の光ビームを前記文書に発射するための光発射装置であって、前記複数の光ビームは異なる光強度を有することと、
前記光発射装置に電気接続して前記文書を透過した前記複数の光ビームを受信するための光受信装置と、
前記光受信装置と電気接続して、前記光受信装置が受信する前記複数の光ビームに基いて複数のロジックレベル信号を出力する比較器と、
前記比較器と電気接続して、文書種類対照表を予め設け、前記複数のロジックレベル信号及び前記文書種類対照表に基いて前記文書の種類を決定する判断ユニットを含み、
前記複数のロジックレベル信号は第一ロジックレベル信号と第二ロジックレベル信号を含み、前記複数のロジックレベル信号中の第一ロジックレベル信号が高ロジックレベルであって、前記複数のロジックレベル信号中の第二ロジックレベル信号が低ロジックレベルである場合、前記判断ユニットは前記文書を第一種類文書と判断し、前記第一ロジックレベル信号と前記第二ロジックレベル信号が高ロジックレベルである場合、前記判断ユニットは前記文書を第二種類文書と判断し、さらに前記第一ロジックレベル信号と前記第二ロジックレベル信号が共に低ロジックレベルである場合、前記判断ユニットは前記文書を第三種類文書と判断することを特徴とするオートフィード装置。
【請求項6】
前記第一種類文書はペーパー、前記第二種類文書は映写機フィルム、そして前記第三種類文書は写真台紙であることを特徴とする請求項5に記載するオートフィード装置。
【請求項7】
前記光発射装置は発光ダイオード若しくは赤外線発光体であることを特徴とする請求項5に記載するオートフィード装置。
【請求項8】
前記光受信装置は感光トランジスターであることを特徴とする請求項5に記載するオートフィード装置。
【請求項9】
オートフィード装置の中で文書の種類を判断するための文書種類を識別する方法であって、複数強度の複数の光ビームが順番に前記文書に照射され、複数の光ビームが前記文書を透過するか否かに基いて前記文書の種類を判断する方法を含み、
前記複数の光ビーム中の第一強度の光ビームが前記文書を透過して第二強度の光ビームが前記文書を透過しない場合、前記文書は第一種類文書であると判断し、前記第一強度の光ビームと前記第二強度の光ビームが共に前記文書を透過する場合、前記文書は第二種類文書であると判断し、さらに前記第一強度の光ビームと前記第二強度の光ビームが共に前記文書を透過しない場合、前記文書は第三種類文書であると判断することを特徴とするオートフィード装置。
【請求項10】
前記第一種類文書はペーパー、前記第二種類文書は映写機フィルム、そして前記第三種類文書は写真台紙であることを特徴とする請求項9に記載するオートフィード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−266013(P2008−266013A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158911(P2007−158911)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(501280046)致伸科技股▲ふん▼有限公司 (104)
【Fターム(参考)】