説明

オーニング装置兼用開閉装置

【課題】オーニング装置の機能を発揮できるオーニング装置兼用開閉装置を提供する。
【解決手段】オーニング装置兼用開閉装置1は、開閉体4と、日除け体6と、これら開閉体4および日除け体6を同時に収納可能な収納手段8とを備える。収納手段8内には、左右1対の支持手段20が位置する。両支持手段20の後側間には、開閉体4を巻き戻し可能に巻き取る開閉体巻取体13を回転可能に架設する。両支持手段20の前側間には、日除け体6を巻き戻し可能に巻き取る日除け体巻取体14を回転可能に架設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーニング装置の機能を発揮できるオーニング装置兼用開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されたシャッタ装置等の開閉装置が知られている。
【0003】
この開閉装置は、例えば住宅等の建物の開口部を開閉する開閉体と、開口部の開口時に開閉体が収納される収納体と、開閉体の開閉動作時にこの開閉体を案内する左右1対の案内体とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−193769号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、最近のエコブームにより、例えば太陽光(日光)の室内への入り込みを防止して省エネ化を図ることができるオーニング装置に人気がある。このため、近年、オーニング装置の機能を発揮できるオーニング装置兼用開閉装置が求められていた。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、オーニング装置の機能を発揮できるオーニング装置兼用開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載のオーニング装置兼用開閉装置は、開口部を開閉する開閉体と、被閉鎖部を開閉する日除け体と、前記開閉体および前記日除け体をともに収納可能な収納手段とを備えるものである。
【0008】
請求項2記載のオーニング装置兼用開閉装置は、請求項1記載のオーニング装置兼用開閉装置において、建物の躯体に取り付けられ、収納手段にて覆われる左右対をなす支持手段と、これら両支持手段の後側間に回転可能に架設され、開閉体を巻き戻し可能に巻き取る開閉体巻取体と、前記両支持手段の前側間に回転可能に架設され、日除け体を巻き戻し可能に巻き取る日除け体巻取体とを備えるものである。
【0009】
請求項3記載のオーニング装置兼用開閉装置は、請求項2記載のオーニング装置兼用開閉装置において、支持手段は、建物の躯体に取り付けられ、開閉体巻取体を支持する第1支持体と、この第1支持体の外面側に取り付けられ、日除け体巻取体を支持する第2支持体とを有するものである。
【0010】
請求項4記載のオーニング装置兼用開閉装置は、請求項3記載のオーニング装置兼用開閉装置において、前後動可能なアーム体と、このアーム体の前端部に取り付けられ、日除け体の前端部を支持する前枠体とを備え、第2支持体は、第1支持体の外面側に取り付けられた取付部材と、この取付部材に対して左右位置調整可能となっており、日除け体巻取体および前記アーム体を支持する支持部材とを有するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、開口部を開閉する開閉体と、被閉鎖部を開閉する日除け体と、開閉体および日除け体をともに収納可能な収納手段とを備える構成であるから、オーニング装置の機能を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係るオーニング装置兼用開閉装置の斜視図である。
【図2】同上オーニング装置兼用開閉装置の縦断面図である。
【図3】同上オーニング装置兼用開閉装置の横断面図である。
【図4】同上オーニング装置兼用開閉装置の収納手段を外した状態の斜視図である。
【図5】同上オーニング装置兼用開閉装置の第2支持体の分解斜視図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係るオーニング装置兼用開閉装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1ないし図3において、1はオーニング装置兼用開閉装置で、このオーニング装置兼用開閉装置1は、日除け装置であるオーニング装置の機能と、窓シャッタ装置等のシャッタ装置である開閉装置の機能とを兼ね備えている。
【0015】
オーニング装置兼用開閉装置1は、例えば住宅等の建物2の窓開口部等の開口部3を開閉する上下方向に移動可能なシャッタカーテン状の開閉体4と、開口部3の前方部上方に位置する被閉鎖部5を開閉する前後方向に移動可能なシート状の日除け体6とを備えている。なお、オーニング装置兼用開閉装置1の前後方向とは、室外内方向を意味する。つまり、前方向とは室外方向を意味し、後方向とは室内方向を意味する。
【0016】
また、オーニング装置兼用開閉装置1は、開口部3の開口時に開閉体4が内部後側に収納されかつ被閉鎖部5の開口時に日除け体6が内部前側に収納される箱状の収納手段8を備えている。
【0017】
収納手段8は、開閉体4および日除け体6の両方をともに同時に収納可能なもので、例えばこれら開閉体4および日除け体6を直接覆う1つの箱状の共通収納体(一体ボックス)11にて構成されている。この共通収納体11は、建物2の躯体9に固定的に直接取り付けられている。そして、共通収納体11の内部後側には、開口部3の開口時に開閉体4が軸状の回転体である開閉体巻取体13に巻き取られて略円筒状の開状態となった状態で収納される。共通収納体11の内部前側には、被閉鎖部5の開口時に日除け体6が軸状の回転体である日除け体巻取体14に巻き取られて略円筒状の開状態となった状態で収納される。
【0018】
共通収納体11は、互いに離間対向する左右対をなす1対の側板部31を有している。両側板部31の前端部同士が左右方向長手状の前板部32にて一体に連結され、両側板部31の上端部同士が左右方向長手状の上板部33にて一体に連結され、両側板部31の下端部同士が左右方向長手状の下板部34にて一体に連結されている。なお、共通収納体11の後面は開口している。共通収納体11の左右方向長さ寸法は、開閉体巻取体13の左右方向長さ寸法(軸方向長さ寸法)や日除け体巻取体14の左右方向長さ寸法(軸方向長さ寸法)よりも大きい。
【0019】
下板部34は、前側水平板36と、この前側水平板36よりも低い位置に位置する後側水平板37と、前側水平板36の後端部と後側水平板37の前端部とを一体に連結する鉛直板38とを有している。後側水平板37には、左右方向長手状の長孔部35が形成されている。開閉体4は、その長孔部35を通って共通収納体11内に対して出入りする。開口部3の開口時には、略円筒状の開状態の開閉体4の全体が共通収納体11内に位置し、座板部4aが長孔部35よりも上方に位置する。なお、開口部3および被閉鎖部5の開口時には、共通収納体11内において、開状態の開閉体4の前方に開状態の日除け体6が位置する(図2参照)。つまり、第2収納体12内において、開閉体用収納空間部の前方に日除け体用収納空間部が位置している。また、前板部32には左右方向長手状の前長孔部40が形成され、日除け体6はその前長孔部40を通って共通収納体11内に対して出入りする。被閉鎖部5の開口時には、略円筒状の開状態の日除け体6の全体が共通収納体11内に位置する。
【0020】
さらに、オーニング装置兼用開閉装置1は、開閉体4の開閉動作時、すなわち例えば上下方向の移動時にこの開閉体4の側端部を上下方向に案内する上下方向長手状の左右対をなす1対の案内体16を備えている。両案内体16は、建物2の躯体9に固定的に直接取り付けられ、開口部3を介して互いに離間対向している。そして、両案内体16の下端部同士が左右方向長手状の下枠体17にて連結され、開口部3の閉鎖時には開閉体4の下端部の座板部4aが下枠体17に当接する。なお、各案内体16の上端部は、共通収納体11内に挿入されている。
【0021】
また、これら両案内体16にて案内される開閉体4は、例えば金属製のシャッタカーテンからなるもので、この開閉体4の上端部が共通収納体11内の開閉体巻取体13に取り付けられ、この開閉体4の下端部が座板部4aにて構成されている。開閉体4は、隣接するもの同士が互いに回動可能に連結された複数のスラットからなる開閉本体部4bを有し、この開閉本体部4bの上端部が共通収納体11内の開閉体巻取体13の外周面に取り付けられ、この開閉本体部4bの下端部に座板部4aが回動可能に取り付けられている。つまり、開閉体4は、開閉本体部4bと座板部4aとにて構成されている。
【0022】
そして、開閉体4は、開閉体巻取体13の巻き取りに基づく上方への移動により略円筒状の開状態となって共通収納体11内に位置して開口部3を開口させる。また、開閉体4は、開閉体巻取体13の巻き戻しに基づく下方への移動により略平面状の閉状態となって共通収納体11内から下方に突出して開口部3を閉鎖する。なお、開閉体4は、例えばモータ等の駆動手段(図示せず)からの動力に基づいて上下方向に移動(開閉動作)するようになっている。
【0023】
また、オーニング装置兼用開閉装置1は、外部に露出することがないように収納手段8である共通収納体11にて覆われた左右対をなす1対の支持手段20を備えている。そして、両支持手段20の後側間には、開閉体4を巻き戻し可能に巻き取る円筒状の開閉体巻取体13が左右方向の回転中心軸線を中心として回転可能に架設されている。両支持手段20の前側間には、日除け体6を巻き戻し可能に巻き取る円筒状の日除け体巻取体14が左右方向の回転中心軸線を中心として回転可能に架設されている。開閉体巻取体13および日除け体巻取体14は略同一高さに配設され、開閉体巻取体13の前方に日除け体巻取体14が位置している。
【0024】
各支持手段20は、図4にも示されるように、建物2の躯体9に固定的に直接取り付けられ開閉体巻取体13の軸方向端部(左右方向端部)を回転可能に支持する板状の第1支持体(シャッタブラケット)21と、この第1支持体21の外面側にこの第1支持体21の外面の少なくとも半分以上を覆うように固定的に直接取り付けられ日除け体巻取体14の軸方向端部(左右方向端部)を回転可能に支持する第2支持体22とを有している。
【0025】
第1支持体21は、例えば案内体16の上端部に連結固定され、左右の両第1支持体21同士が互いに離間対向し、これら両第1支持体21間に開閉体巻取体13が架設されている。第1支持体21は、鉛直状に位置する略矩形状の支持板部23を有し、この支持板部23が開閉体巻取体13の軸方向端部を軸受(図示せず)を介して回転可能に支持している。なお、共通収納体11内において、開状態の開閉体4の上面側は露出している。
【0026】
第2支持体22は、支持板部23の外面側(開閉体4側とは反対側)に固定的に直接取り付けられた取付部材42と、この取付部材42に位置調整用部材43を介して取り付けられこの取付部材42に対して左右位置調整可能な支持部材44とを有している。
【0027】
すなわち例えば図5に示すように、第2支持体22は、第1支持体21の支持板部23の外面側に取付具、すなわち例えばボルト24およびナット25によって固定的に直接取り付けられる略L字状の取付部材42と、この取付部材42に取付具、すなわち例えばボルト45およびナット46によって固定的に取り付けられる略平板状の位置調整用部材43と、この位置調整用部材43に取付具、すなわち例えばボルト47およびナット48によって固定的に取り付けられる支持部材44とを有している。なお、支持部材44は、位置調整用部材43に引っ掛けられた状態(係合状態)のままこの位置調整用部材43に対して左右位置調整可能となっている。つまり、この支持部材44は、第1支持体21の支持板部23に直接固着された取付部材42に対して左右位置調整可能となっている。また、取付部材42は、開閉体巻取体13の巻き取り・巻き戻しの動作および開閉体4の開閉動作に支障がなければ、共通収納体11内にて取り付けられる箇所や位置は任意である。上述した支持板部23の外側面のみには限定されず、例えば、開閉体巻取体13および開閉体4とは干渉しない位置であって、支持板部23の内側面に取り付けられていたり、躯体9に直接取り付けられていたりしてもよい。
【0028】
取付部材(持ち出し金具)42は、略矩形状で鉛直状の取付板部51と、この取付板部51の前端部から外側方に向かって一体に突出する略矩形状で鉛直状の突出板部52とを有している。取付板部51の複数箇所にはボルト24が挿入されるボルト用孔部53が貫通して形成され、この取付板部51が支持板部23の外面にこの支持板部23と重なり合うように直接固着される。なお、例えば支持板部23のうち開閉体巻取体13を支持する巻取体支持部分の外面が取付板部51にて覆われて保護されている。つまり取付板部51は、支持板部23のうち少なくとも巻取体支持部分(軸受部分)の外面を覆うように支持板部23の外面側に取り付けられている。また、突出板部52の複数箇所にはボルト45が挿入されるボルト用孔部54が貫通して形成されている。取付板部51と突出板部52との間には、略三角形状で水平状の補強板部55が架設されている。
【0029】
位置調整用部材(ブラケット取付ピース)43は、略矩形状で鉛直状の本体板部56を有し、この本体板部56の上端部から上突出板部57が前方に向かって一体に突出している。この上突出板部57の上面には、支持部材44の凹状の係合部である引掛部58が引っ掛けられこの引っ掛けられた引掛部58を左右方向に案内する左右方向長手状で凸状の係合受部である引掛受部59が上方に向かって一体に突設されている。また、本体板部56の上下方向中間部である上下方向略中央部から突出板部60が前方に向かって一体に突出し、この突出板部60の前端部が支持部材44の後面に当接する当接部61となっている。本体板部56の下端部には、前方に向かって開口する断面略C字状で左右方向長手状の凹溝部62が一体に設けられている。この凹溝部62内には、ナット48が左右方向にスライド可能に嵌入される。本体板部56の複数箇所には、ボルト45が挿入されるボルト用孔部63が形成されている。
【0030】
支持部材(ブラケット)44は、略矩形状で鉛直状の後板部65を有し、この後板部65の上端部には下方に向かって開口する引掛部58が一体に設けられている。後板部65の下端部の左右方向略中央部には、ボルト47が挿入されるボルト用孔部66が形成されている。後板部65の上下方向中間部である上下方向略中央部から支持部67が前方に向かって突出している。
【0031】
そして、図3および図4等に示されるように、各支持部材44の支持部67にて日除け体巻取体14の左右方向端部が回転可能に支持されているとともに、その各支持部67にて前後動可能なアーム体71の後端部が回動可能に支持されている。また、これら左右対をなす1対の展開および折畳可能なアーム体71の前端部間には、日除け体6の前端部を支持する左右方向長手状の前枠体72が架設されている。つまり、前枠体72の長手方向一端部に一方のアーム体71の前端部が回動可能に取り付けられ、前枠体72の長手方向他端部に他方のアーム体71の前端部が回動可能に取り付けられている。
【0032】
アーム体71は、支持体41に対して前後動可能なもので、この前後動により前長孔部40を通って共通収納体11内に対して出入りする。アーム体71は、例えば互いに回動可能に連結された2本のアーム部材70にて構成されている。なお、各アーム部材70内には、アーム体71を展開方向に付勢するコイルばね等の付勢手段(図示せず)が設けられている。
【0033】
そして、アーム体71は、日除け体6で被閉鎖部5を閉鎖する際には展開により日除け体6とともに前方に移動し、被閉鎖部5を開口させる際には折畳により日除け体6とともに後方に移動する。被閉鎖部5の開口時には、左右1対で2本の折畳状態のアーム体71が、開状態の日除け体6とともに共通収納体11内に収納される。このとき、前枠体72は前長孔部40の一部を閉鎖する。なお、前枠体72によって前長孔部40の全体を閉鎖するようにしてもよい。
【0034】
また、日除け体6は、例えば可撓性を有する合成樹脂製のキャンバスからなるもので、この日除け体6の後端部が日除け体巻取体14に取り付けられ、この日除け体6の前端部が前枠体72に取り付けられてこの前枠体72にて支持されている。つまり、日除け体6は、太陽光(日光)が開口部3を通って建物2の室内へ入り込むのを防止可能な1枚のシート部材のみで構成されている。なお、日除け体6は、雨天時には雨除けにもなる。また、日除け体6の左右方向長さ寸法は、開閉体4の左右方向長さ寸法よりも大きい。
【0035】
そして、日除け体6は、日除け体巻取体14の巻き取りに基づく後方への移動により略円筒状の開状態となって共通収納体11内に位置して被閉鎖部5を開口させる。また、日除け体6は、日除け体巻取体14の巻き戻しに基づく前方への移動により略平面状の閉状態となって共通収納体11内から前方に突出して被閉鎖部5を閉鎖する。なお、日除け体6は、例えばモータ等の駆動手段(図示せず)からの動力に基づいて前後方向に移動(開閉動作)するようになっている。
【0036】
日除け体6は、水平または水平成分を有して下前方へ移動する。水平成分と垂直成分とがなす角は45度以内が好ましく、さらには30度以内がより好ましい。また、本実施形態おいては、図4に示されているように、前方へ移動して停止時にはアーム体71により日除け体6自らを支えているため、特別な支え部材等を必要としていない。つまり、略平面状の閉状態の日除け体6の略全体の重量が、左右のアーム体71のみで支えられている。
【0037】
なお、建物2の開口部3の室内側部分は、サッシ装置81のガラス戸82にて開閉可能となっている。また、建物2にはウッドデッキ83が付設され、このウッドデッキ83にはデッキフェンス84が立設されている。
【0038】
また、オーニング装置兼用開閉装置1は、例えば建物2の外壁10の取付工事前に、建物2の躯体9に対して躯体取付部品(例えば共通収納体11、案内体16および第1支持体21等)を取り付ける先付けタイプである。
【0039】
例えば、図2に示されるように、外壁10は上板部33の直上まで取り付けられていて、躯体9に取り付けられている上板部33の取付部分は、躯体9に取り付けられた後で外壁10にて覆われる。言い換えれば、第2収納体12の躯体取付部分が外壁10にて覆われるようにするためには、先付けタイプであることが好ましい。
【0040】
次に、オーニング装置兼用開閉装置1の作用等を説明する。
【0041】
例えば建物2の開口部3を閉鎖する場合には開閉体4を下方に移動させ、開口部3を開口させる場合には開閉体4を上方に移動させる。なお、開閉体4を所望位置で停止させることにより、開口部3を部分的に開口させることも可能である。
【0042】
また、例えば建物2の開口部3の開口時において、その開口した開口部3の前方の室外空間部の上方に位置する被閉鎖部5を閉鎖する場合には日除け体6を前方に移動させ、被閉鎖部5を開口させる場合には日除け体6を後方に移動させる。なお、日除け体6を所望位置で停止させることにより、被閉鎖部5を部分的に閉鎖することも可能である。
【0043】
そして、このようなオーニング装置兼用開閉装置(オーニング一体シャッタ)1によれば、建物2の開口部3を開閉する開閉体4と、被閉鎖部5を開閉する日除け体6と、これら開閉体4および日除け体6をともに1つの内部空間内に収納可能な収納手段8とを備える構成であるから、オーニング装置の機能を発揮でき、例えば日除け体6で太陽光(日光)の室内への入り込み(侵入)を防止して省エネ化を図ることができる。
【0044】
また、収納手段8が開閉体4および日除け体6の両方を直接覆う1つの共通収納体11にて構成されているため、例えば開閉体専用の収納体を備えた構成等に比べて、部品点数が少なく、構成の簡素化を図ることができ、製造コストを低減できる。
【0045】
さらに、収納手段8である共通収納体11にて左右対をなす支持手段20が常に覆われているため、外観も良好であり、支持手段20、つまり第1支持体21および第2支持体22の保護を図ることができ、特に、第2支持体22が第1支持体21の外面側に取り付けられているため、第1支持体21の保護を適切に図ることができる。
【0046】
また、第2支持体22は、第1支持体21の外面側に取り付けられた取付部材42とこの取付部材42に対して左右位置調整可能な支持部材44とを有するため、支持部材44の左右位置調整により日除け体6の幅を容易に調整できる。
【0047】
さらに両支持手段20の後側間に開閉体巻取体13が回転可能に架設されかつ両支持手段20の前側間に日除け体巻取体14が回転可能に架設され、開閉体4が収納手段8の内部後側に収納されかつ日除け体6が収納手段8の内部前側に収納される構成であるから、例えば開閉体4が収納手段8の内部下側に収納されかつ日除け体6が収納手段8の内部上側に収納される構成や、従来のように窓シャッタ装置とオーニング装置とを別々に設置する場合等に比べて、設置スペースを容易に確保でき、設置場所の制限を受けにくい。よって、例えば建物2の外壁10から突出する軒やバルコニ等の突出部分と建物2の開口部3の上端との間のスペースが狭くても、そのスペースに収納手段8を設置できる。
【0048】
また、オーニング装置兼用開閉装置1の設置作業については、例えば外壁取付工事前(または外壁取付工事後)に行う1回の設置作業で済むため、例えば従来のように窓シャッタ装置を外壁取付工事前に設置しかつオーニング装置を外壁取付工事後に設置する場合等に比べて、設置作業に伴う費用を低減でき、現場工程管理も容易となる。
【0049】
なお、上記一実施の形態では、支持手段20は、閉体巻取体13を支持する第1支持体21と日除け体巻取体14を支持する第2支持体22とが互いに別体であるものについて説明したが、例えば構成の簡素化のために、図6に示す支持手段20のように、互いに離間対向する鉛直状の左右1対の支持板91のみで構成され、両支持板91の後側間に閉体巻取体13が回転可能に架設されかつ両支持板91の前側間に日除け体巻取体14が回転可能に架設されたもの等でもよい。
【0050】
また、収納手段8は、箱状の共通収納体11のみで構成されたものには限定されず、例えば所望の防火性能の確保のために、開口部3の開口時に開閉体4が収納される箱状の第1収納体と、この第1収納体を覆うとともに被閉鎖部5の開口時に日除け体6が収納される箱状の第2収納体とを有するもの等でもよい。
【0051】
さらに、開閉体4が駆動手段からの動力に基づいて開閉動作する電動式には限定されず、開閉体4が人力で開閉動作する手動式でもよい。また同様、日除け体6が駆動手段からの動力に基づいて開閉動作する電動式には限定されず、日除け体6が人力で開閉動作する手動式でもよい。
【0052】
また、支持手段20の第2支持体22が取付部材42、位置調整用部材43および支持部材44の3部材からなる構成には限定されず、例えば支持部材44が取付部材42に左右位置調整可能に直接取り付けられた構成や、第2支持体22が単一部材のみからなる構成等でもよい。
【0053】
さらに、外壁取付工事前に共通収納体11等の躯体取付部品を躯体9に取り付ける先付けタイプには限定されず、外壁取付工事後に共通収納体11等の躯体取付部品のすべてを躯体9に外壁10を介して取り付ける後付けタイプでもよい。なお、オーニング装置兼用開閉装置1のうちの開閉装置部分を先付けし、オーニング装置部分を後付けすることも可能であり、また開閉装置部分に関しては例えば既存の構成部品をそのまま使用することも可能である。
【0054】
さらに、その開閉装置部分は、窓開口部の周囲に固定された窓シャッタ装置には限定されず、例えば図示しないが、その他の開口部の周囲に固定された他のシャッタ装置や、ブラインド装置、パネル装置等、或いはこれら装置のうちの同種または異種を複数並設したもの等でもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 オーニング装置兼用開閉装置
2 建物
3 開口部
4 開閉体
5 被閉鎖部
6 日除け体
8 収納手段
9 躯体
13 開閉体巻取体
14 日除け体巻取体
20 支持手段
21 第1支持体
22 第2支持体
42 取付部材
44 支持部材
71 アーム体
72 前枠体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開閉する開閉体と、
被閉鎖部を開閉する日除け体と、
前記開閉体および前記日除け体をともに収納可能な収納手段と
を備えることを特徴とするオーニング装置兼用開閉装置。
【請求項2】
建物の躯体に取り付けられ、収納手段にて覆われる左右対をなす支持手段と、
これら両支持手段の後側間に回転可能に架設され、開閉体を巻き戻し可能に巻き取る開閉体巻取体と、
前記両支持手段の前側間に回転可能に架設され、日除け体を巻き戻し可能に巻き取る日除け体巻取体と
を備えることを特徴とする請求項1記載のオーニング装置兼用開閉装置。
【請求項3】
支持手段は、
建物の躯体に取り付けられ、開閉体巻取体を支持する第1支持体と、
この第1支持体の外面側に取り付けられ、日除け体巻取体を支持する第2支持体とを有する
ことを特徴とする請求項2記載のオーニング装置兼用開閉装置。
【請求項4】
前後動可能なアーム体と、
このアーム体の前端部に取り付けられ、日除け体の前端部を支持する前枠体とを備え、
第2支持体は、
第1支持体の外面側に取り付けられた取付部材と、
この取付部材に対して左右位置調整可能となっており、日除け体巻取体および前記アーム体を支持する支持部材とを有する
ことを特徴とする請求項3記載のオーニング装置兼用開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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