説明

オーバーベッドテーブル

【課題】昇降可能なオーバーベッドテーブルにおいて、キャスターの1対の一括ロック/解除操作レバーをテーブル部の両側部又は底部にし、テーブル昇降操作レバーの近傍に配置して操作を単純にし、操作を一回で完結するようにしたオーバーベッドテーブルを提供する。
【解決手段】テーブル部11が上下昇降可能なオーバーベッドテーブルにおいて、脚部の全キャスターを一括して同時にロック及びロック解除操作を行う1対のキャスター操作レバー21を、テーブル部11の左右の両側部又は底部に設けたオーバーベッドテーブル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院のベッド等に配置するテーブルが上下昇降可能なオーバーベッドテーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、病院のベッド等にはオーバーベッド等の上下昇降可能なテーブルが配置され、このテーブルの脚部は、平行に2本の枠体を配置し、それぞれの枠体の端部に2個のロックレバー付きキャスターが設けられ、合計で4個のロックレバー付きキャスターが配置されて、食事等のテーブルとして用いるものである。ところで、通常オーバーベッドテーブルやベッドサイドテーブルにはキャスターロックが無く、テーブル板に手をついただけでも簡単に動いてしまい、使用者が思わぬ事故を引き起こすことがあった。そこで、従来、病院等では、ベッドから使用者が上半身を起こす際や、立ち上がる際にオーバーベッドテーブルやベッドサイドテーブルに掴まることを避けるように指導していた。
【0003】
他方、例えば、特許文献1に開示されているように、ストッパー機構も提案されているが、ベッドの両側のそれぞれのキャスターに付属するストッパーをつま先等でそれぞれ操作してテーブルを固定しロックするものが提案されている。
また、オーバーベッドテーブルにおいては、左右の一対の脚部と脚部とがベッドを挟んで離れているため、同時ロックは困難であったが、テーブル上の一カ所の操作部で全てのキャスターを同時にロック又はロック解除する機構は、本出願人らによって、特許文献2、特許文献3のような機構が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−135182号公報
【特許文献2】特願2009−172725号
【特許文献3】特願2009−204131号
【特許文献4】特開2007−82730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記特許文献1に開示されるオーバーベッドテーブルのロック機構は、基本的に床での操作が看護師やベッドの使用者にとって苦痛であり、ロックをする際にもかなりの力を必要とし、且つ、ベッドの両側で複数回の操作をしなければならないという煩わしさがあり、特に、忙しい看護師にとっては極めて煩わしい作業であるという問題点があり、そこで、一カ所の操作部の操作により4個のキャスターを同時にロック及びロック解除作動が行われるテーブルが提案されているが、キャスター操作部がテーブル上にあり、食事や医療処置の邪魔になってしまうという問題点があった。
また、操作レバーがテーブルの昇降用操作レバーとキャスターロック或いは解除用操作レバーのと2種類が存在するが、キャスターロック/解除の一括操作レバーが一カ所であるのに対して、テーブルの昇降用操作レバーがテーブルの左右の2カ所であったので、2つの操作を行う場合に両操作の場所が離れていたりすると操作手順に戸惑うこともあった。
【0006】
本発明の課題は、オーバーベッドテーブルのような昇降テーブルにおいて、キャスター(2個又は4個)のロック/解除を一括操作レバーを左右のテーブル側部又は底部に配置するとともに、テーブル昇降操作レバーの近傍に配置してテーブル昇降操作とキャスターのロック/解除操作とを一カ所に集中して、これらの操作をし易くするテーブルのキャスターロック装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、テーブルが上下昇降可能なオーバーベッドテーブルにおいて、脚部の全キャスターを一括して同時にロック及びロック解除操作を行う1対のキャスター操作レバーを、テーブルの左右の両側部に設けたことを特徴とするオーバーベッドテーブルである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のオーバーベッドテーブルにおいて、前記操作レバーは、左右の昇降テーブル操作レバーの近傍に配置したことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又2に記載のオーバーベッドテーブルにおいて、前記キャスター操作部からの各キャスターへのロック及びロック解除操作は同軸の操作伝達ワイヤーによって行い、テーブルの昇降に伴う操作伝達ワイヤーである分岐ワイヤーの弛緩部分の貯留をテーブルの中空或いは底面の収納部で吸収するようにしたことを特徴とする。
請求項4の請求項1又は2又は3に記載のオーバーベッドテーブルにおいて、前記1対のキャスター操作部からの各キャスターへのロック及びロック解除操作は同軸の操作伝達ワイヤーによって行い、少なくともどちらか一方のキャスター操作レバーの操作によって、全てのキャスターへの分岐ワイヤーを操作するワイヤー分岐機構を介在させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のオーバーベッドテーブルによれば、キャスター操作レバーをテーブル上に設けないので、食事等の邪魔にならないようにテーブル上面を広く平坦にすることができ、かつ、テーブル昇降操作レバーの近傍にキャスターのロック/解除のキャスター操作レバーを設けたので、オーバーベッドテーブルの操作部が集中させることができ、使用者が操作に戸惑うことが少なくなる。
かつ、オーバーベッドテーブルの左右の両側部にキャスター操作レバーを設けたので、使用者に近いキャスター操作レバーを使用すれば、キャスターのロック/解除を一括操作できるので、操作が単純になり操作を一回で完結する。
このように、一回の操作でオーバーベッドテーブルの全てのキャスターをロック状態及び解除状態にでき、従来のように各キャスター毎にロックをする必要がなく、特に、忙しい看護師や使用者の労力を軽減することができ、テーブル部にテーブル昇降操作兼用のキャスター操作部を設けたので、患者や看護師が簡単にテーブル昇降操作とキャスターロック・解除操作を一回の操作で終えることができる。
【0009】
また、キャスターのロック/解除の操作を操作伝達ワイヤーを用いた操作伝達機構としたので、これまでのリンク機構の組み合わせと異なり、構造も簡単で製作費も安価で、部品点数が少ないことから保守も容易になり、1本の操作ワイヤーを4本に分岐して用いているので、極めて簡単な構成で4個のキャスターを同時に正確にロック状態及び解除状態にできる。
更に、ワイヤー分岐機構の高さも薄く小さくできるので、中空部の高さを薄くすることができ、テーブル部の昇降に伴う分岐ワイヤーの弛緩を吸収するために大きなスペースを必要とするが、この収納部(貯留部)をテーブルの下に設けたので、全体としてコンパクトになり、デザイン的にも制約がなくスッキリとしたデザインが可能で、各キャスターまでの分岐ワイヤーの長さがほぼ等しくでき、キャスターのロック及びロック解除作動が均一に働かせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例のオーバーベッドテーブルにおいて、キャスター操作部の双輪キャスターをロックした状態の外観斜視図、
【図2】図1の背面図
【図3】本発明の実施例のオーバーベッドテーブルにおいて、キャスター操作部の双輪キャスターをロック解除した状態の外観斜視図、
【図4】図3の背面図
【図5】図1のオーバーベッドテーブルにおいて、テーブル部を下降させて、キャスター操作部の双輪キャスターをロックした状態の外観斜視図、
【図6】図6(a)は図1の上面図、図6(b)は、テーブル部の中空部におけるワイヤー収納機構の断面上面図、
【図7】図6(b)のb−b線の縦断面図、
【図8】実施例のオーバーベッドテーブルにおける脚部の裏面の平面図、
【図9】図9(a)は図1でのテーブル部を固定しキャスターをロック状態にした状態のキャスター操作レバーの内部機構の側面説明図、図9(b)はキャスター操作レバーを手で操作する途中の側面説明図、図9(c)はキャスター操作レバーを挙げて双輪キャスターのロックを解除した状態を説明するキャスター操作レバーの内部機構の側面説明図、
【図10】図9の側部からの正面図、
【図11】図9の底面からのキャスター操作部の内部の平面図、
【図12】図11のキャスターロック解除保持レバーの側面図、
【図13】図1の操作伝達機構の全体の構成図、
【図14】図14(a)は図13の第1ワイヤー分岐盤34内のレバー連結ワイヤーの末端部の拡大図、図14(b)は図13A部の末端部の拡大図、
【図15】図13の連結ワイヤーの末端部の拡大図、
【図16】図16(a)は図13B部の分岐ワイヤーの末端部の拡大図、図16(b)は末端部の分岐ワイヤーの末端部の拡大図、
【図17】図17(a)は図13の第1ワイヤー分岐盤34内部の正面図、図17(b)は図17(a)のa−a線での第1ワイヤー分岐盤に蓋をした状態の側断面図、図17(c)は図17(a)の状態から一方のレバー連結ワイヤー31bを引いた状態の第1ワイヤー分岐盤34内部の正面図、
【図18】第2ワイヤー分岐盤35の分岐盤内の断面図、
【図19】別実施例のワイヤー分岐盤で、2つのワイヤー分岐盤を合体して単独のワイヤー分岐盤36の内部の正面図
【図20】図1の双輪キャスターの概略の外観斜視図、
【図21】双輪キャスターの一方の車輪部の図で、図21(a)はその正面図、図21(b)はその側面図である。
【図22】車輪ロック状態の双輪キャスターの内部の図で、図22(a)はノック部材が上昇し、歯部542が内歯車45に嵌合した状態の正面透視図、図22(b)は、そのノック部材の側面透視図、
【図23】図22の(a)-(a)線での断面図、
【図24】図24(a)は、双輪キャスターの車輪ロックの解除状態の正面透視図、図24(b)は、そのノック部材の側面透視図、
【図25】図24(a)のキャスター取付金具の上方からの平面図、
【図26】車輪歯噛合ロック部54の基部541の斜視図、
【図27】スライダーカムの図で、図27(a)は正面図、図27(b)は側面図、図27(c)は上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、オーバーベッド等の上下昇降可能な昇降テーブルであって、テーブルの左右の側部にテーブル昇降レバーが配置されているが、この同様にテーブル昇降レバーと同様に、脚部の全キャスターを一括して同時にロック/ロック解除操作を行うキャスター操作レバーを左右の側部又は底部にテーブル昇降レバーに配置し、キャスター操作部をテーブルから削除し、テーブルの昇降用操作レバーとキャスターロック/解除用操作レバーを近接させ、操作を単純化することによって初期の目的を達成したものである。
ここで、本発明の好適なオーバーベッドテーブルに適用した実施例を図面に沿って説明する。勿論、本発明のキャスターロック装置は、サイドベッドテーブルやその他の昇降テーブルに適用できることは言うまでもない。
【実施例】
【0012】
(テーブル部分、及び、支柱部分)
図1及びその背面図である図2は、昇降テーブルの一種であるオーバーベッドテーブル1において、オーバーベッドテーブル1の左右の両側の側部中央部にはテーブル昇降操作レバー16が配置され、従来、テーブル昇降操作レバー16は装置内のバネ等によって下がっている場合は、テーブル部11の高さは固定され、テーブル昇降操作レバー16を挙げることによってテーブル部11の上下に移動可能となり、適宜の高さに調整して操作レバーを離せば、テーブル昇降操作レバー16は自動的に下がって、テーブル部11を所定の高さに固定する。このテーブル昇降機構は前掲特許文献4等に示されるように、公知の機構を採用しており、この昇降機構の説明は省略する。
また、オーバーベッドテーブル1の左右両側の側部113のほぼ中央部に位置するテーブル昇降操作レバー16(図1では右側、反対側は図示されず)の近傍(左側)には、それぞれにキャスター操作レバー21が配置されている。このキャスター操作レバー21はキャスター操作部2を構成しているが、これを詳細に説明する。
図1及びその背面図である図2において、操作レバー21を下降した状態(図の実線)、オーバーベッドテーブル1のテーブル部11の上下方向での所定位置に固定され、双輪キャスター4のロック状態である全体を示す図である。
【0013】
図3及びその背面図である図4は、テーブル昇降操作レバー16を挙げてテーブル部の昇降を可能にした状態で、キャスター操作部2の操作レバー21も挙げて(図3:実線)、双輪キャスター4(4a,4b,4c,4d)をロック解除状態にしてオーバーベッドテーブル1が移動可能状態である全体を示す図で、図5は、オーバーベッドテーブル1のテーブル部11を下降させて双輪キャスター4(4a,4b,4c,4d)をロック状態とした全体を示す図である。
これらの図に示すように、オーバーベッドテーブル1は、病院等のベッドD上には、ベッドDを挟んで配置され、このオーバーベッドテーブル1は、主に上部のテーブル部11とこれを支える一対の支柱部12(12a,12b)とそれに対応する脚部13(13a,13b)とから構成されている。
テーブル部11の上面は平坦で水平に保たれ、食事等に使用されるようになっており、このテーブル部11は1対の伸縮自在な支柱部12で両端支持され、この一対の支柱部12は、通常、ベッドD上に位置するテーブル部11の高さを調整するため、伸縮自在になっており、高さ調節レバーでもあるテーブル昇降操作レバー16によって、支柱部12の長さを調整している。
支柱部12は、上部の四角柱のテーブル支持部122と、この支持部122の内側に嵌合しスライドする小径四角柱の基礎部123からなり、テーブル部11の高さをテーブル昇降操作レバー16によって支持部122への基礎部123の嵌合度合い、つまりテーブル部11の高さ調整するようになっている。
また、テーブル部11の縁の全周には、テーブル部11よりも多少高い縁部111(図7のhを参照)が設けられ、テーブルが多少揺れて容器から液体が溢れても、テーブル部11の縁部111の全周を高くしてあるので、液体がテーブルにこぼれてもテーブルから垂れることがない。もっとも、これらの必要性がなければ完全に平坦であってもよいことは言うまでもない。
【0014】
この基礎部123は、脚部13に設けられた支柱固定部材131で固定する。この支柱固定部材131は、使用するオーバーベッドテーブル1の各種の支柱部12の形状に合わせて適宜設計すればよく、通常、多くのオーバーベッドテーブルに適用可能とすることができる。
また、図1に示すように、この支柱固定部材131はキャスター取付枠本体132,132a,132bから外側に突出しているが、これは支柱固定部材131をベッドDの外側に配置するものの、キャスター取付枠本体132,132a,132bはベッドDの下側に位置するように配置し、なるべくベッドDの外側に突出しないようにして、使用者がつまずかないようにしている。
一対の脚部13は、それに対応する支柱部12(12a,12b)とテーブル部11によって連結され、各脚部13は、それぞれキャスター取付枠本体132a,132bとから構成され、脚部13a(図1参照)のキャスター取付枠本体132aの両端近傍には双輪キャスター4a,4bが取り付けられ、脚部13b(図1参照)のキャスター取付枠本体132bの両端近傍にも双輪キャスター4c,4dが取り付けられ、オーバーベッドテーブル1の移動の際には、双輪キャスター4a〜dの全てがロック解除状態となり、ロック状態ではその場所に固定されてオーバーベッドテーブル1が移動や転倒しないような形状をしている。
【0015】
(ワイヤー収納機構)
図6(a)に示すように、テーブル部11の上面は平坦で縁部111がわずかに高いがキャスター操作レバー21は存在しない。
図6(b)に示すように、テーブル部11の両サイドの側部113の適所には、テーブル部11の左右にテーブル昇降操作レバー16が配置され、その近傍の側部又は底部又はその中間位置にそれぞれキャスター操作部2が設けられ、そのキャスター操作部2に連結するキャスター操作レバー21(21a,21b)がそれぞれ外周に向かって配置されている。
このキャスター操作レバー21は、患者や看護師等が操作し易いテーブル部11の周辺の側部や底部、或いはkの中間位置の適宜の位置がよい。
図6(b)に示すように、テーブル部11は中空部112が形成され、キャスター操作部2と双輪キャスター4(4a,4b,4c,4d)とを連結する操作伝達ワイヤー30とこれらに付随する第1、第2ワイヤー分岐盤が収納されるとともに、伸縮する操作伝達ワイヤー30等を収納するワイヤー収納機構14が構成されている。
【0016】
後述するように(図13参照)、この操作伝達ワイヤー30は2本のレバー連結ワイヤー311,312と、中間の1本の連結ワイヤー32と、4個の双輪キャスター4(4a,4b,4c,4d)に繋がる4本の分岐ワイヤー33から構成され、レバー連結ワイヤー31a,31bと連結ワイヤー32との間には第1ワイヤー分岐盤34が、連結ワイヤー32と4本の分岐ワイヤー33との間には第2ワイヤー分岐盤35が介在している。
図6(b)において、2本のレバー連結ワイヤー31のうち、一方のレバー連結ワイヤー31aの一端は一方のキャスター操作レバー21a(右側)に連結され、他方のレバー連結ワイヤー31bの一端は他方のキャスター操作レバー21b(左側)に連結され、この2本のレバー連結ワイヤー31a,31bは、第1ワイヤー分岐盤34の一端に連結されている。
この第1ワイヤー分岐盤34は、レバー連結ワイヤー31の2本うちの1本のレバー連結ワイヤー31a(31b)のインナーワイヤー312(図14参照)が引っ張られると、第1ワイヤー分岐盤34内のスライダ342(図17参照)が移動して、第1ワイヤー分岐盤34の他端に連結されている連結ワイヤー32の一端のインナーワイヤー322(図15参照)を引っ張り、この連結ワイヤー32のインナーワイヤー322の他端は、第2ワイヤー分岐盤35の一端に連結されおり、第2ワイヤー分岐盤34の他端に連結されている4本の分岐ワイヤー33(33a,33b,33c,33d)のインナーワイヤー332(図16参照)の一端に引っ張るように構成されている。
【0017】
分岐ワイヤー33は計4本であるが、双輪キャスター4a、4bに接続する2本の分岐ワイヤー33a,33bと、双輪キャスター4c、4dに接続する2本の分岐ワイヤー33c,33dとに分かれ、それぞれ、テーブル支柱部12,12a,12b内に収納されているワイヤー案内部を形成する伸縮パイプ15へ連なるワイヤー案内孔151に挿入されている。
前記伸縮パイプ15は、上部のやや直径が大きい中空の上部パイプ15aと、下部のやや直径が小さい中空の下部パイプ15bとから構成され、下部パイプ15bを上部パイプ15aの中空内側孔に挿入し、上下にスライド可能とし、上部パイプ15aの上端をテーブル部11の底部に固定し、下部パイプ15bの下端を脚部13の上面に固定し、この中空部分に2本の分岐ワイヤー33を挿入案内している。なお、上部パイプ15aの上端は、テーブル部11のワイヤー案内孔151との接合近傍は弛緩する分岐ワイヤー33の出入が容易となるように、湾曲状の案内部(図示せず)を設けている。
2組み分岐ワイヤー(33a,33b)と(33c,33d)は、テーブル部11の昇降に伴い弛緩と弛緩の無い状態を繰り返すが、テーブル部11が下降した場合は、図6(b)の符合A(太線)のような状態になり、弛緩した部分を中空部112で収納し、テーブル部11が上昇した場合は、図6(b)の符合B(細線)のような状態になり、ほぼ弛緩しない状態の分岐ワイヤーを貯留する。なお、中空部112の適所には、分岐ワイヤー33が弛緩する際にスムースに湾曲するように案内壁141が適所に配置されている。
【0018】
ワイヤー案内部を形成する伸縮パイプ15は、テーブル部11の昇降に伴う伸縮するテーブル支柱部12の内部に収納されているが、且つ、テーブル支柱部12に平行に設けられ、その高さは伸縮するテーブル支柱部12と同期して同じ高さ(長さ)である。勿論、この伸縮パイプ15は、要は、テーブルの昇降に伴う分岐ワイヤー33がテーブル支柱部付近で弛緩することがなく、絡まることもなく操作がスムースであればよい。
テーブル部11のキャスター操作部2からのレバー連結ワイヤー31は、結局、第2ワイヤー分岐盤35で4つに分岐され、更に、2組み分岐ワイヤー(33a,33b)と(33c,33d)とに分かれ、それぞれ伸縮パイプ15(15a,15b)に挿入され、図8に示すように、伸縮パイプ15の下端のワイヤー連通用貫通孔134a,134bから脚部13(13a,13b)に導かれ、双輪キャスター4a〜dに接続される。
ところで、キャスター操作部2をテーブル部11に設けることによって、第2ワイヤー分岐盤35をテーブル部11の中空部112に自由位置に固定することができるので、本実施例では第2ワイヤー分岐盤35をテーブル部11の略中央に配置したので、第2ワイヤー分岐盤35から双輪キャスター4a〜dまでの分岐ワイヤー33の長さがほぼ等しくでき、双輪キャスターのロック及びロック解除作動を均一に働かせることができる。
【0019】
このテーブル部11上のキャスターレバー21を操作の詳細は後述するが、インナーワイヤーとアウターワイヤーの同軸ワイヤーを用いた操作伝達機構3を介し、4個の双輪キャスター4のそれぞれの車輪ロック機構5を操作する。この操作用のワイヤーは、自転車等のブレーキワイヤーと同等のもので、芯のインナーワイヤーとこれを被覆し両端を固定するアウターワイヤーからなるもので、大凡、この際にキャスター操作部2のキャスター操作レバー21を引き挙げることにより(図9(c))、インナーワイヤーを引っ張り、双輪キャスター4の車輪ロック機構5のロックを解除し、逆に、操作レバー21を昇降機構やキャスターロック機構のバネ等で下げ(図9(a))て車輪ロック機構5のバネによりロックする。
【0020】
(キャスター操作部)
以下の操作構造の詳細を説明する。
図1及び図2は、キャスター操作部2で4個の双輪キャスターをロック状態にした外観斜視図で、図3及び図4が解除状態にした外観斜視図であるが、このキャスター操作部2を詳細に説明する。
先ず、4個の双輪キャスターのロックを解除した状態の図3及び図4について、その機構概略を示す図9(a)〜(c),図10,図11,図12を参照して説明すると、キャスター操作部2は主に操作レバー21、回動軸22、ワイヤー末端(球)係止部23、ワイヤー案内プーリ24、ワイヤー被覆(外周)係止部25、回転ストパー26、キャスターロック解除保持レバー27、及びケース28から構成されている。
【0021】
キャスター操作部2の作動は、図9(a)において、キャスター操作レバー21が回動軸22を中心に回動し、キャスター操作レバー21と一体にワイヤー末端(球)係止部23と回転ストパー係止部211とロック保持係止部212も回動する。通常は、キャスターロック機構のバネ力によって、第2ワイヤー分岐盤35、各分岐ワイヤー33を介して、レバー連結ワイヤー31(操作伝達ワイヤー30)のインナーワイヤー312も常時引っ張られている(図9(a)で右側)。これに伴い、キャスター操作レバー21は、インナーワイヤー312の末端部311がワイヤー末端(球)係止部23に係止されているので、ワイヤー案内プーリ24で引っ張り方向を変更した後に、斜め上方に引き上げられ、その結果、操作レバー21は反時計回りに回動して下げられた(図9(a))状態になり、通常は、車輪ロック機構5のバネによりロックし固定されている。
なお、過度にキャスター操作レバー21が回動し過ぎないように、回転ストパー係止部211がケース28側に固定されている回転ストパー26を係止してしいる。
【0022】
看護師や患者が、オーバーベッドテーブル1のテーブル部11の高さを調整したい場合や、オーバーベッドテーブル1を移動したい場合は、図9(c)、その作動途中の図9(b)に示すように、操作レバー21を上方に挙げることにより行われる。
図9(c)において、キャスター操作部2のキャスター操作レバー21を挙げると、操作レバー21はキャスターロック機構のバネの力に抗して、ワイヤー分岐盤35、各分岐ワイヤー33を介してレバー連結ワイヤー31を図で左向に引っ張り、キャスター操作レバー21をテーブル底部114のレバー収納凹部17まで挙げる。その結果、操作レバー21は時計回りに回動した図10(c)の状態になり、車輪ロック機構5のバネに抗してロックを解除する。
【0023】
この状態で、オーバーベッドテーブル1は移動可能であるが、キャスター操作レバー21を手で挙げていなければならいので、移動可能状態を長時間維持する場合には、キャスターロック解除保持レバー27を引いてロック保持係止部212にロック部を係止して、手を離しても、キャスター操作レバー21が挙がった状態(図9c)を保持し、移動が終了すればキャスターロック解除保持レバー27を戻せば、キャスター操作レバー21の元の状態(図9(a))になり、車輪ロック機構5のバネによりロックし固定される。
もっとも、キャスターロック解除保持レバー27は、車輪ロックをしなければならない通常の状態でも、誤ってロック解除をしてしまうのを防止するためには、削除しておいてもよい。
【0024】
(操作伝達機構)
操作伝達機構3は、図13に示すように、芯のインナーワイヤーと同軸で被覆部でもあるアウターワイヤーとからなる同軸の所謂ロックワイヤーを用いたもので、主に,操作伝達ワイヤー30とワイヤー分岐盤(34,35,36)とから構成される。この操作伝達ワイヤー30はレバー連結ワイヤー31(31a,31b)と連結ワイヤー32と4本の分岐ワイヤー33(33a,33b,33c,33d)とから構成され、ワイヤー分岐盤は本実施例では第1ワイヤー分岐盤34と第2ワイヤー分岐盤35から構成される。ただし、分岐ワイヤーは別実施例としての単独のワイヤー分岐盤36を使用してもよい。
【0025】
前述したキャスター操作部2に取り付けられるレバー連結ワイヤー31は、その末端部Aの拡大図の図14bに示すように、芯のインナーワイヤー312、それを覆うアウターワイヤーである被覆部313とからなり、インナーワイヤー312の先端には球状の末端部311aが設けられ、被覆部313の先端には取付固定部314が設けられ、インナーワイヤー312が取付固定部314に対して、末端部311が進退可能に構成され、他方の末端部311b(図14a参照)は第1ワイヤー分岐盤34(図17参照)に接続される。なお、このレバー連結ワイヤー31は本実施例では2本あり、その末端部311a,311bはオーバーベッドテーブル1の左右に位置するキャスター操作レバー21a,21bのワイヤー末端(球)係止部23に連結する。
レバー連結ワイヤー31(31a,31b)の反対側の末端部311bは、図14(a)に示すように円筒状で、第1ワイヤー分岐盤34に接続し、この第1ワイヤー分岐盤34は、更に、連結ワイヤー32に接続する。この連結ワイヤー32は、図15に示すように、基本的にレバー連結ワイヤー31と構成がほぼ同じであるが、両末端部がレバー連結ワイヤー31の末端部311bと同じで円筒形であることが異なるだけであるので、他の説明は省略する。
【0026】
ここで、第1ワイヤー分岐盤34の構成を図17で説明すると、ワイヤー分岐機構の第1ワイヤー分岐盤34は、図17(a)(b)(c)に示すように、2本のレバー連結ワイヤー31a,31bのうち、1本でもインナーワイヤー312が引っ張られると、連結ワイヤー32に引っ張られる構造である。
図17(a)(b)に示すように、ワイヤー分岐盤34の蓋341(図17(a))を開けた内部は、スライダー342が左右移動可能に収納されている。ワイヤー分岐盤34のレバー連結ワイヤー31側の側板343aにレバー連結ワイヤー31(31a,31b)の取付固定部314を取り付け、前記スライダー342の反対側の側板343b側にはそれぞれのワイヤーの末端部311bに対応して、末端が解放された半円筒形状の半円筒部34211と貫通溝34212からなる嵌合部3421に末端部311bを嵌合する。なお、連結ワイヤー32の末端部321はスライダ342の末端が解放された嵌合部3421に嵌合している。
【0027】
図17(c)で、一方のレバー連結ワイヤー31b(図17(c)の下側)だけが引っ張られた状態を示すもので、嵌合部3421の半円筒部34211の末端が解放され、貫通溝34212にはインナーワイヤー312がルーズに嵌合しているだけなので、他方のレバー連結ワイヤー31a(図17(c)の上側)の末端部311bは取り残された状態で、そのまま状態を維持する。逆のレバー連結ワイヤー31aだけが引っ張られた状態も同様に作動する。
また、図17(a)でのa−a線断面図図17(b)に示すように、このスライダー342は2本のインナーワイヤー312の末端部311bの移動距離が同じでなければならないので、スライダー342の上面の移動方向に平行な山部3423が複数設けられ、蓋341を嵌め込んだ側面図に示すように、山部3423を左右方向に案内する案内溝3411を蓋341に設けて、正確にスライダー342がワイヤー軸線に対して平行移動するようにしている。勿論、この逆に、平行な山部を蓋341に設け、対応する案内溝をスライダーに設けてもよい。なお、蓋341の嵌合側面には固定凸部3412はワイヤー分岐盤34の内壁に挿入固定するためのものである。
したがって、スライダー342をインナーワイヤー312,322の前進後退方向と平行に移動させるための平行進退移動手段として、第1ワイヤー分岐盤34の内側の両側壁は勿論こと、これだけでは、平行移動には不十分であるので、スライダー342の上面には平行な山部3423が複数設けられ、蓋341側にも山部3423を左右方向に案内する案内溝3411が設けられている。
【0028】
次に、連結ワイヤー32の他端は第2ワイヤー分岐盤35に接続され、この第2ワイヤー分岐盤35の反対側は、4本の分岐ワイヤー33(33a,33b,33c,33d)に接続されているので、分岐ワイヤー33と第2ワイヤー分岐盤35との構成と機能を説明する。
分岐ワイヤー33(33a,33b,33c,33d)は、図16に示すようなもので、基本的にレバー連結ワイヤー31と構成がほぼ同じであるが、ワイヤー分岐盤35からの4本の分岐ワイヤー33の長さはほぼ等しく、その1本の図13での符合Bの拡大図である図16に示すように、芯のインナーワイヤー332、それを覆う被覆部333からなり、インナーワイヤー332の先端には中心に係合孔を有する末端部331が設けられ、被覆部333の先端には取付固定部334が設けられ、インナーワイヤー332が取付固定部334に対して、末端部331が進退可能に構成され、他の末端はワイヤー分岐盤35に接続される。
このように、一方の末端部331a(図16(b))がレバー連結ワイヤー31の末端部331bと同じで円筒形であり、4個の双輪キャスター4(4a,4b,4c,4d)に連結する末端部311b(図16(a))は、ロック機構枠体51に連結するために嵌合孔が設けられていることが異なるだけであるので、他の説明は省略する。
【0029】
第2ワイヤー分岐盤35も基本的には、第1ワイヤー分岐盤34と同じ構造であるので、重複する部分の説明は省略する。
前記1本の連結ワイヤー32を連結ワイヤー32側の側板353に取付固定部324を取り付け、連結ワイヤー32のインナーワイヤー322の末端部321はスライダー352の嵌合部3521に嵌合している。同様に、前記4本の分岐ワイヤー33の取付固定部334も、側板353bに取り付けられ、分岐ワイヤー33(33a,33b,33c,33d)の一方の末端部331aも嵌合部3521に嵌合している。第2ワイヤー分岐盤35の嵌合部3521も末端が解放された半円筒形状の半円筒部35211と貫通溝35212で構成され、簡単にインナーワイヤー322,332が組み込まれる構造になっている。
このような構成であるので、連結ワイヤー32の他方の末端部321が引っ張られると、スライダー352が側板353a側に移動(図18:右方向)するが、スライダー352に嵌合される4個の末端部331aも一括して側板353bから離れるように移動(図18:右方向)する。
【0030】
本実施例では、確実に作動するためと、部品を共通化するために、ワイヤー分岐盤を第1ワイヤー分岐盤34と第2ワイヤー分岐盤35と2個設けたが、別の実施例として図19に示すように、これら2つワイヤー分岐盤を1つにまとめて単独のワイヤー分岐盤36としてもよい。
図19に示したように、ワイヤー分岐盤36でのスライダー362の入力側のキャスター操作部2から2本のレバー連結ワイヤー31に対応して、直接、2つの嵌合部3621を設けたもので、この嵌合部3621の形状は全て同じで、末端が解放された半円筒形状の半円筒部36211と貫通溝36212から構成され、標準的なインターワイヤーの同じ円筒形の末端部に対応している。他の構成、動作はワイヤー分岐盤34と同じであるので、重複する部分の説明は省略する。
したがって、ワイヤー分岐機構の実施例2のワイヤー分岐盤36でも、2本のレバー連結ワイヤー31a,31bのうち、1本でもインナーワイヤー312が引っ張られると、分岐ワイヤー33(33a,33b,33c,33d)の一括して全てが引っ張られる構造である。
【0031】
このように、レバー連結ワイヤー31の進退移動がワイヤー分岐盤(第1ワイヤー分岐盤34と35、或いは単独ワイヤー分岐盤36)を介して4本の分岐ワイヤー33に伝達される。また、操作伝達に同軸ワイヤーを用いたので、図8に示すように、オーバーベッドテーブル1の脚部13の4個の双輪キャスター4の位置を自由に設定でき、また、リンク機構の組み合わせや、前掲特許文献1のようなテーブル全体を浮かせるための接地部材とは異なり、構造も簡単で製作費も安価で、保守も容易になる。更に、基本的にレバー連結ワイヤー31のどちらか1本から4本の分岐ワイヤー33(33a,33b,33c,33d)に分岐して用いているので、極めて簡単な構成で4個のキャスターを同時に正確にロック状態及びロック解除状態にでき、ワイヤー分岐盤(34,35,36)を薄く扁平に成形できるので、ワイヤー分岐機構の高さも低く薄くできるので、オーバーベッドテーブル1の中空部112内に収納でき、或いは、テーブル部11の底部に取り付けることもできる。
言い換えれば、キャスター操作部2からのどちらか1本のレバー連結ワイヤー31を4本の分岐ワイヤー33に分岐して4個の車輪ロック機構5であるキャスター操作機構に接続し、どちらか1本のレバー連結ワイヤー31のインナーワイヤー312の前進/後退を4本の分岐ワイヤー33のインナーワイヤー332の前進/後退に伝達しており、4本の分岐ワイヤー33に分岐するためにワイヤー分岐機構として第2ワイヤー分岐盤35或いは単独ワイヤー分岐盤36を設け、これらワイヤー分岐盤には分岐ワイヤー33(33a,33b,33c,33d)の4本の末端部331を並列にして固定するスライダー352(362)を設け、このスライダー352(362)をインナーワイヤー312,322,332の前進後退方向とて正確に平行に移動伝達できる。
【0032】
(双輪キャスターの配置)
前述した図8は、オーバーベッドテーブル1の脚部13の裏面の平面図で、ベッドDを挟んで一対のキャスター取付枠本体132a,132b及び一対の双輪キャスター4(4a,4b,4c,4d)が取り付けられ、本実施例ではキャスター取付枠本体132a,132bはベッドD側に引き込まれるように配置されている。
これらのキャスター4の外観概略は、図20に示すようなもので、キャスター4の構成の詳細は後述するが、キャスター操作機構である車輪ロック機構5のロック機構枠体51の両側に一対の車輪41A、41Bがそれぞれ回転可能に軸支されており、ロック機構枠体51の上面には、キャスター4が取付枠に対して旋回可能に軸支するための旋回支持部52が設けられ、旋回支持部52の軸心Xと同軸に、上下動するノック部材531が設けられており、ノック部材531を押圧バネ543により押し上げられると双輪キャスター4がロックされ車輪41は回転することができない。逆に、ノック部材531の押し上げを解除して下方に押し下げると、双輪キャスター4の内歯車45への歯部542が離反しロックが解除され、双輪が自由に回転することができる。
ところで、本実施例で使用する双輪キャスター4(4a,4b,4c,4d)は、双輪の巾が単輪よりも広いので、単輪キャスターに比べて走行安定性があり、また、双輪の回転をロックすると進行方向は勿論のこと、双輪の巾が広いことから旋回阻止できる。
したがって、本実施例のように、4箇所のキャスターをロックしようとした場合は、仮に、4箇所のうち一箇所のキャスターのロック機構が不完全、或いは、破損した場合でも、オーバーベッドテーブルを確実に固定及び解除できる。
【0033】
(キャスターの車輪部)
上述した双輪キャスター4の車輪部41を説明するが、図20に示すように、4個のそれぞれの双輪キャスター4の両側に1個ずつ車輪部41(41A,41B)が配置され、その内の片方の車輪部41は、図21に示すように、車輪軸42は、車輪ロック機構5(図22参照)の車輪軸受部511に回転自在に軸支され、車輪部41の車輪軸固定部43に軸支される(車輪軸固定部43は、車輪を回転自在に軸支する構成でもよい。)。車輪部41の外輪44はゴム製で振動を吸収し走行を滑らかにし雑音を軽減するとともに、床へのグリップを強くしている。
また、双輪キャスター4の車輪部41の内側の外輪44近傍には、車輪軸と同軸心の内歯車45が形成され、後述するロック歯部542が押圧バネ543により上昇した際には、内歯車45に歯部542が噛み合い車輪部41の回転を阻止する。
【0034】
(キャスターの車輪ロック機構)
本実施例のキャスターは、図20でも説明したように、車輪ロック機構5のロック機構枠体51を挟んで、所定の間隔を持った車輪41A,41Bの双輪キャスターであり、移動時には単輪キャスターに比べて走行に安定性がある。また、車輪41(41A,41B)の両車輪(双輪)がロックすると走行が出来なくなり、キャスターの旋回も制限されて、更に、本実施例のように、オーバーベッドテーブル1の一対の脚部13の枠体132の両端の2箇所の双輪キャスター4a,4b、及び、双輪キャスター4c,4dの各車輪41A,41Bが固定されると、キャスター4自体の旋回を固定しなくても、車輪の回転の固定だけでオーバーベッドテーブル1は、ほぼ完全に固定されることを見出し、この知見を基礎とするものである。
【0035】
先ず、上記のキャスター取付枠本体132(132a,132b)に配置する双輪キャスター4(4a〜4d)の車輪ロック機構5について、図22乃至図27に沿って更に詳しく説明する。
図22は、キャスターロック状態の図で、ノック部材531が、分岐ワイヤー33が弛緩し、コイルバネ567によりスライダーカム56が図で左側に移動し、ノック部53が上方に上がった状態の図であり、図22(a)は車輪ロック機構5の横断面図で、図22(b)は図22(a)の側断面図である。また、図23は、図23(a)のa−a線での断面図であり、歯部542が双輪キャスター4の内歯車45に嵌合してロックした状態の図である。
図24は、歯部542を内歯車45から離反させて、移動するために双輪キャスター4のロック解除状態の図で、ノック部材531が分岐ワイヤー33により引っ張られ、コイルバネ567の引張力に抗してスライダーカム56が図で右側に移動し、また、キャスター内部の押圧バネ543に抗して、歯部542が下った状態の図、即ち、キャスターのロック解除状態の図で、図25は図24(a)の上方からの平面図である。
【0036】
図22(a)(b)は、オーバーベッドテーブル1の通常の状態、すなわち、図1(図2)で操作レバー21が下がった状態で、双輪キャスター4をロック状態にした図で、車輪ロック機構5の枠体51内には、キャスター取付金具55に対して双輪キャスター4が旋回可能なように旋回支持部52が軸支され、旋回支持部52の内側に上下動するノック部53が設けられ、ノック部53に続いて車輪歯噛合ロック部54が押圧バネ543を介して連結されている。車輪歯噛合ロック部54は、ノック部材531を上下動させるスライダーカム56のカム面561によって、歯部542が押圧バネ543の押圧力によってノック部53が上昇している状態では、歯部542も上昇していて、この歯部542が車輪部41の内側の内歯車45に嵌合して、車輪41A,41Bの回転を阻止し、双輪キャスター4をロック状態となる。
【0037】
ここで、各部の構成を更に詳細に説明するが、先ず、ロック機構枠体51はプラスチックで成型されたもので、図22に示すように、中心に車輪軸受部511が設けられ、枠体51の左側には、旋回支持部52(ノック部53)を挿入する円筒型の嵌合部512と収納部513が配置され、嵌合部512のキャスター取付金具55に近接する部分は双輪キャスター4の旋回をスムーズにするために突出輪514が設けられ、前記車輪軸受部511の上側には上下動する車輪歯噛合ロック部54及び押圧バネ543を収納する収納部515が配置されている。この収納部515を含めた双輪キャスター4の嵌合部512と旋回支持部52とを回動自在に強固に支持するが、旋回支持部52はキャスター取付金具55側に強固に固着している。
また、収納部513は下側面及び片側面が開放口となっており(必要に応じて、防塵のための蓋部を設けてもよい。)、これは組み立て作業で、キャスター取付金具55に固着される旋回支持部52を嵌合部512に回動自在に、旋回補助ワッシャー523及び止め金具(固定スナップリング)524を取り付ける際のためのものである。
旋回支持部52を嵌合部512に挿入した後、旋回支持部52の下部末端には、旋回補助ワッシャー523を挿入し、旋回支持部52の下端に設けられた止め金具(スナップリング)524用の固定円周溝525に、旋回支持部52を固定するためスナップリング524を係止して、旋回支持部52からロック機構枠体51が抜け落ちないようにしている。
【0038】
更に、ノック部53のノック部材531の下端部に車輪歯噛合ロック部54の基部541を取り付けるが、この基部541は図22に示すが、車輪軸42を囲むようにコの字状(或いは、反対側から見れば逆コの字状)であり、下部水平部5411と上部水平部5412とこれを連結する連結部5413とから構成され、下部水平部5411の上面はノック部材531の下部先端部533により押圧され、又は解除(図24では解除)される受圧部を有し、上部水平部5412は歯部542が固着されるとともに、外方に拡がるように押し圧するバネ543の上端部に係合する上部バネ係合部544を有する。なお、押圧バネ543の下端部はロック機構枠体51側に設けた下部バネ係合部545に係合し、常に、上部水平部5412の下面の上部バネ係合部544を上方に押圧している。
【0039】
(旋回支持部及びノック部)
次に、図22での嵌合部512と旋回支持部52とノック部材531について説明する。
旋回支持部52の固定支持筒部材521は金属製の円筒(パイプ)で、その上端部を金属のキャスター取付金具55の底板554に取付縁部522の上端を溶接等で固着する。ここで、双輪キャスター4の旋回とは、図20に示されるように、通常の双輪キャスター4の接地箇所X2の垂直線とノック部材531の軸心の接地箇所X1とが偏心することによって、オーバーベッドテーブル1を移動させる際に、自動的に双輪キャスター4の進行方向が移動方向に向くようにしたものであるが、当然、双輪キャスター4がロック状態では、双輪キャスター4が回動しないことによって旋回は阻止されるが、逆に、オーバーベッドテーブル1の移動時のロック状態で無い場合には自由に旋回させなければならない。そのため、旋回支持部52とキャスター取付金具55の底板554との間に突出輪514を介在させて、ロック機構枠体51の上面での旋回をスムーズにさせるようにしてある。
旋回支持部52は、キャスターの旋回軸を構成するとともに、ノック部材531を嵌合して収納するが、このノック部53は旋回支持部52の同心上の嵌合部512に上下動が自在に嵌合されている。
【0040】
(車輪歯噛合ロック部)
基部541は、図26に示すように、基部541の断面コの字状(反対側からは、逆コの字状)の上部水平部5412の下面の(図25での)中央部分には、押圧バネ543の上端を係止する上部バネ係合部544を設け、さらに、双輪キャスター4の一対の車輪部41の各内歯車45に嵌合するように左右に一対の2本の歯部542a,bが固着してあり、外側に拡がるような押圧する押圧バネ543で、常に上方に押し上げる構成になっている。
したがって、車輪歯噛合ロック部54の歯部542a,bは、図21、図23に示すように、ノック部材531の規制がなければ、常に、押圧バネ543によって上側に押圧され上昇するようになっており、オーバーベッドテーブル1をベッド近傍に設置した通常の場合は、歯部542a,bは押圧バネ543によって各双輪キャスター4の内歯車45に嵌合して、双輪キャスター4の回転を阻止し、ロック状態になりオーバーベッドテーブル1の移動を不可能にしている。
なお、車輪歯噛合ロック部54の上下動は、ロック機構枠体51に設けた車輪歯噛合ロック部54の収納部の案内溝516の側壁に沿って降下・上昇する。
また、双輪キャスター4の車輪部41の内側の外輪44近傍には、車輪軸42に同心の内歯車45が形成され、歯部542a,bが上昇した際には、内歯車45に歯部542が噛み合い車輪部41の回転を阻止する。
【0041】
(キャスター取付金具とスライダーカム)
図24乃至図27におけるキャスター取付金具55とノック部材531を操作するスライダーカム56について説明する。
キャスター操作部2の操作レバー21(図9を参照)を上方に挙げる操作によって、レバー連結ワイヤー31が引っ張られ、第2ワイヤー分岐盤35(或いは単独ワイヤー分岐盤36)(図14を参照)によって4本の分岐ワイヤー33も引っ張られる。更に、この各分岐ワイヤー33a,33b,33c,33dのインナーワイヤー332が引っ張られるが、これをノック部53の動きに変換するのがキャスター取付金具55に装着されたスライダー状のカム機構を有したスライダーカム56である。
このスライダーカム56は、主に、図27に示すように、全体形状は扁平で下面が傾斜するカム面561が設けられ、スライダーカム56が移動する方向の一端には分岐ワイヤー33の末端部331を接続し、キャスター取付金具55の前板551(図25参照)に取付固定部334を装着し、レバー連結ワイヤー31及び分岐ワイヤー33(33a,33b,33c,33d:図11,14を参照)に引っ張られることにより、全体として水平移動するようにしている。図24、図25、図27に示すように、中心部にはスライダーカム56の水平上面563に平行して案内長孔564が設けられ、この案内長孔564にはキャスター取付金具55の両側板552に固定された案内軸565が嵌合している。
【0042】
係止部562とは反対側の係止部566には縮む方向のコイルバネ567の一端が係止され、コイルバネ567の他端はキャスター取付金具55の背板553の係止部568に係止され、このコイルバネ567はレバー連結ワイヤー31及び分岐ワイヤー33が弛緩された状態では、コイルバネ567によってスライダーカム56を図23の位置に戻すようにしている。また、図25に示すように、案内軸565の軸線はノック部材531の上部先端部532の軸線と交わるようにしている。
なお、図25において、キャスター取付金具55(全4個)の両側板552には枠体取付部555が設けられ、キャスター付き枠体132a,bの両端部に、ボルト孔556にボルト(図示せず)等を挿入して固着する。
【0043】
したがって、スライダーカム56のカム面561にノック部材531の上部先端部532が接触するようになっているが、分岐ワイヤー33が引っ張られているロック解除状態では、図24、図25、図27に示すように、カム面561は左側から右側にかけて移動するようになっているので、最も下の位置である最下点5611にあり、ノック部材531を下方に押し下げた状態になる。
逆に、図22、図23に示すように、レバー連結ワイヤー31及び分岐ワイヤー33が弛緩された状態では、コイルバネ567により、スライダーカム56は、図22、図23のように左側に移動し、カム面561は最も高い位置である最上点5612にあり、歯部542の押圧バネ543の作用により、ノック部材531の上部先端部532も上昇し、歯部542も上昇して、双輪キャスター4の内歯車45に嵌合し、双輪キャスター4をロック状態にする。
この扁平のスライダーカム56は、カム面561の最下点5611から最上点5612がノック部材531の上部先端部532を移動するように作動するが、スライダーカム56の分岐ワイヤー33の末端部331の移動距離Z(図22参照)は、カム面561の最下点5611から最上点5612の距離Y(図27参照)とほぼ同じとなる。
したがって、カム面561の傾斜角度により、最下点5611から最上点5612の距離が変えられるので、キャスター取付金具55の高さを低くしたままで、分岐ワイヤー33の移動距離(ストローク)に合わせることができる。
【0044】
(キャスターのロック及びロック解除の作動)
本実施例のオーバーベッドテーブル1を固定する末端操作装置は、以上のような構成であるので、大凡、次のように作動する。
オーバーベッドテーブル1の脚部13に設けたキャスター4のロック解除の操作レバー21(テーブル昇降操作兼用)は、図1(図2)に示すように、通常の設置状態では、キャスター4がロックされ、オーバーベッドテーブル1を移動する際には、図3(図4)に示すように、解除維持のための操作レバー21を上方に持ち上げ、キャスター4のロックを解除する。
オーバーベッドテーブル1のキャスター4を元のロック状態にし、テーブル部11の高さを固定するには、操作レバー21を手から離せば、テーブル昇降機構23内のバネやキャスター4内のロック機構によるワイヤーの引張力のバネにより、自然に操作レバー21は下降するとともにテーブル部11は固定し双輪キャスター4のロック状態になる。
【0045】
[双輪キャスターのロック状態]
双輪キャスター4のロック状態は図22に示したような状態である。
オーバーベッドテーブル1をベッドの近傍に配置した通常の状態で、操作レバー21が自動的に下方に位置する(図9参照)。
分岐ワイヤー33は結果的にキャスター内の押圧バネ543によって歯部542をキャスターの内歯車45に嵌合させるとともに、押圧バネ543にノック部材531も上方にあり、分岐ワイヤー33も弛緩状態にある。この場合の状態は長時間に亘るが、操作レバー21がワイヤー31を常に引っ張る状態に維持する必要がないので、各ワイヤーは緊張状態にはなく(弛緩状態)、経年でワイヤーが伸びるようなことがなく、装置の保守も容易になる。
[双輪キャスターのロック解除状態]
双輪キャスターのロック解除状態は図24に示したような状態である。
この場合には、オーバーベッドテーブル1を移動する状態で、操作レバー21を挙げて、レバー連結ワイヤー31を引っ張り上げて緊張状態にし、分岐ワイヤー33によってノック部材531を下方に押し下げ、結果的にキャスター内の押圧バネ543に抗し、歯部542をキャスターの内歯車45から開放する。したがって、操作レバー21が挙がっている状態では、双輪キャスターのロック解除状態にあり、オーバーベッドテーブル1は移動可能となる。
【0046】
本実施例は以上の説明したような構成であるので、オーバーベッドテーブルのような昇降テーブルにおいて、一括してキャスターをロック/解除を一括して操作可能な操作レバーをオーバーベッドテーブルの側部や底部に配置したので、テーブル昇降操作レバーの近傍に配置することが可能となり、従来のようにキャスター操作レバーをテーブル上に設けないので、食事等の邪魔にならないようにテーブル上面を広く平坦にすることができ、医療行為の邪魔にもならず、スッキリとしたデザインとすることが可能となる。
また、テーブル昇降操作レバーの近傍にキャスターのロック/解除のキャスター操作レバーを設けたので、オーバーベッドテーブルの操作部が集中させることができ、使用者が操作に戸惑うことが少なくなる。かつ、オーバーベッドテーブルの左右の両側部にキャスター操作レバーを設けたので、使用者に近いキャスター操作レバーを使用すれば、キャスターのロック/解除を一括操作できるので、操作が単純になり操作を一回で完結する。
このように、一回の操作でオーバーベッドテーブルの全てのキャスターをロック状態及び解除状態にでき、従来のように各キャスター毎にロックをする必要がなく、特に、忙しい看護師や使用者の労力を軽減することができ、テーブル部にテーブル昇降操作兼用のキャスター操作部を設けたので、患者や看護師が簡単にテーブル昇降操作とキャスターロック・解除操作を一回の操作で終えることができる。
【0047】
また、キャスターのロック/解除の操作を操作伝達ワイヤーを用いた操作伝達機構としたので、これまでのリンク機構の組み合わせと異なり、構造も簡単で製作費も安価で、部品点数が少ないことから保守も容易になり、1本の操作ワイヤーを4本に分岐して用いているので、極めて簡単な構成で4個のキャスターを同時に正確にロック状態及び解除状態にできる。
更に、ワイヤー分岐機構の高さも薄く小さくできるので、中空部の高さを薄くすることができ、テーブル部の昇降に伴う分岐ワイヤーの弛緩を吸収するために大きなスペースを必要とするが、この収納部(貯留部)をテーブルの下に設けたので、全体としてコンパクトになり、デザイン的にも制約がなくスッキリとしたデザインが可能となり、各キャスターまでの分岐ワイヤーの長さがほぼ等しくでき、キャスターのロック及びロック解除作動が均一に働かせることが可能となる。
更に、テーブルが多少揺れて容器から液体が溢れてテーブルにこぼれても、テーブル部11の縁部111の全周を高くしてあるので(図7のhを参照)、液体がテーブルから垂れることがない。
また、テーブル支柱部にワイヤー案内部となる伸縮パイプ15を設けたので、テーブル部11の昇降に伴う分岐ワイヤー33がテーブル支柱部12の近辺で弛緩することがなくスムースに移動し、また、外部に露出することもないので、絡まることがなく操作がスムースであり、スッキリとしたデザインが可能となる。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上記の実施例に限定されるものでないことは勿論である。例えば、キャスター操作レバーをテーブルの左右の両側部又は底部としたが、テーブルの上面でなければ、操作しやすい複数の箇所にもうければよい。
【符号の説明】
【0048】
D・・ベッド、
1・・オーバーベッドテーブル、11・・テーブル部、
111・・縁部、112・・中空部、113・・側部、114・・底部、
12,12a,12b・・テーブル支柱部、
122・・テーブル支持部、123・・基礎部、
13(13a,13b)・・脚部、131・・支柱固定部材、
132,132a,132b ・・キャスター取付枠本体、
134a,134b・・ワイヤー連通用貫通孔、
14・・ワイヤー収納機構、141・・案内壁、
15・・伸縮パイプ、15a・・上部パイプ、15b・・下部パイプ、
151・・ワイヤー案内孔、
16・・テーブル昇降操作レバー、
17・・レバー収納凹部、
2・・キャスター操作部、
21,21a,21b・・キャスター操作レバー、211・・回転ストパー係止部、
212・・ロック保持係止部、
22・・回動軸、23・・ワイヤー末端(球)係止部、24・・ワイヤー案内プーリ、
25・・ワイヤー被覆(外周)係止部、26・・回転ストパー、
27・・キャスターロック解除保持レバー、28・・ケース、
3・・操作伝達機構、30(31,32,33)・・操作伝達ワイヤー、
31,31a,31b・・レバー連結ワイヤー、311a,311b・・末端部、
312・・インナーワイヤー、313・・被覆部(アウターワイヤー)、
314・・取付固定部、
32・・連結ワイヤー、321・・末端部、322・・インナーワイヤー、
323・・被覆部(アウターワイヤー)、324・・取付固定部、
33(33a,33b,33c,33d)・・分岐ワイヤー、
331a,331b・・末端部、332・・インナーワイヤー、
333・・被覆部(アウターワイヤー)、334・・取付固定部、
34・・第1ワイヤー分岐盤、341・・蓋、3411・・案内溝、
3412・・固定凸部、342・・スライダー、
3421・・嵌合部、34211・・半円筒部、34212・・貫通溝、
3423・・山部、343a,343b・・側板、
35・・第2ワイヤー分岐盤、352・・スライダー、3521・・嵌合部、
35211・・半円筒部、35212・・貫通溝、3523・・山部、
353a,353b・・側板、
36・・単独のワイヤー分岐盤、362・・スライダー、3621・・嵌合部、
36211・・半円筒部、36212・・貫通溝、3623・・山部、
363a,363b・・側板、
4,4a,4b,4c,4d・・双輪キャスター、
41・・車輪部、41A,41B・・車輪、
42・・車輪軸、43・・車輪軸固定部、44・・外輪、45・・内歯車、
5・・車輪ロック機構、
51・・ロック機構枠体、511・・車輪軸受部、512・・嵌合部、
513,515・・収納部、514・・突出輪、516・・案内溝、
52・・旋回支持部、521・・固定支持筒部材、522・・取付縁部、
523・・旋回補助ワッシャー、524・・止め金具(固定スナップリング)、
525・・スナップリング用の固定円周溝、
53・・ノック部、531・・ノック部材、532・・上部先端部、533・・下部先端部、
54・・車輪歯噛合ロック部、541・・基部、
5411・・下部水平部、5412・・上部水平部、
5413・・連結部、542,542a,542b・・歯部、543・・押圧バネ、
544・・上部バネ係合部、545・・下部バネ係合部
55・・キャスター取付金具、551・・前板、552・・側板、
553・・背板、554・・底板、555・・枠体取付部、556・・ボルト孔、
56・・スライダーカム、561・・カム面、5611・・最下点、5612・・最上点、
562,566,568・・係止部、563・・水平上面、564・・案内長孔、
565・・案内軸、567・・コイルバネ、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルが上下昇降可能なオーバーベッドテーブルにおいて、脚部の全キャスターを一括して同時にロック及びロック解除操作を行う1対のキャスター操作レバーを、テーブルの左右の両側部又は底部に設けたことを特徴とするオーバーベッドテーブル。
【請求項2】
前記操作レバーは、左右の昇降テーブル操作レバーの近傍に配置したことを特徴とする請求項1に記載のオーバーベッドテーブル。
【請求項3】
前記キャスター操作部からの各キャスターへのロック及びロック解除操作は同軸の操作伝達ワイヤーによって行い、テーブルの昇降に伴う操作伝達ワイヤーである分岐ワイヤーの弛緩部分の貯留をテーブルの中空或いは底面の収納部で吸収するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のオーバーベッドテーブル。
【請求項4】
前記1対のキャスター操作部からの各キャスターへのロック及びロック解除操作は同軸の操作伝達ワイヤーによって行い、少なくともどちらか一方のキャスター操作レバーの操作によって、全てのキャスターへの分岐ワイヤーを操作するワイヤー分岐機構を介在させたことを特徴とする請求項1又は2又は3に記載のオーバーベッドテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−42887(P2013−42887A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182051(P2011−182051)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(500302404)トーヨーベンディング株式会社 (25)
【Fターム(参考)】