説明

オープンショーケース用ナイトカバー巻取り装置

【課題】長尺のばあいでもスムースに巻取り、引き出しが可能なオープンショーケース用ナイトカバー巻取り装置を提供すること
【解決手段】両端の一対のシャフトに回転可能に外嵌された一対の軸受と、該両端の軸受に固定され遮蔽カーテンを巻き取り可能に具備した巻取りパイプと、両端のシャフト先端に固定された一対の固定軸と、両端が軸受若しくは巻取りパイプと固定軸にそれぞれ連結され軸受と巻取りパイプを巻き取り方向に付勢する一対のスプリングと、該一対の固定軸を連結する連結機構よりなり、該連結機構は両固定軸に摺動可能であるオープンショーケース用ナイトカバー巻取り装置。前記連結機構は固定軸に摺動可能に外嵌又は内嵌された可動ジョイントパイプであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オープンショーケース用ナイトカバー巻取り装置に関する。さらに詳しくは、長尺であってもスムースに巻き取り、引き出しが可能なオープンショーケース用ナイトカバー巻取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オープンショーケース用ナイトカバーはスーパー等の冷凍食品等のショーケースにおいて、閉店から開店までの間に、冷熱の散逸を防止するための目的でショーケースの前面を覆う省エネルギーのためのカバーである。通常、巻かれた状態で収納部材に収納されショーケースの上部又は下部に取り付けられており、閉店後収納部材より引き出してショーケースの前面を覆うことにより、夜間等閉店中の冷熱の散逸を防止する(例えば、特許文献1)。
大きなオープンショーケースは幅が広いために、いくつかのブロックに分けてナイトカバーで覆うようになっている。しかしながら、境目において冷熱が散逸する、大きなスーパー等では多数のショーケースがあるために引き出し、巻き上げに人手を要する等の問題があり、できるだけ長尺のナイトカバーが望まれている。
【0003】
ナイトカバーの巻取り装置は、両端が回転可能に支持された巻取りパイプに、ナイトカバーが取り付けられ、該巻取りパイプがスプリング機構により巻き取り方向に付勢されているのが一般的である。しかしながら、長尺のナイトカバーの場合は、特にカバーの布地が柔らかく張力が小さい場合、引き出し時に巻取りパイプの中央に応力が集中し、皴がよったり、巻き取りにくくなり、甚だしい場合は巻き取り不能であった。また、巻取りパイプの重量が重くなり、両端の支持部に応力によりひずみが生じ、ひいては軸受部を損傷する等の不都合があった。
【特許文献1】特開2005−69648
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は長尺のばあいでもスムースに巻取り、引き出しが可能なオープンショーケース用ナイトカバー巻取り装置を提供することである。特に、幅が1800mm以上、就中2400mm以上のオープンショーケース用ナイトカバー巻取り装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記本発明の目的は、下記のオープンショーケース用ナイトカバー巻取り装置により達成される。
1.両端の一対のシャフトに回転可能に外嵌された一対の軸受と、該両端の軸受に固定され遮蔽カーテンを巻き取り可能に具備した巻取りパイプと、両端のシャフト先端に固定された一対の固定軸と、両端が軸受若しくは巻取りパイプと固定軸にそれぞれ連結され軸受と巻取りパイプを巻き取り方向に付勢する一対のスプリングと、該一対の固定軸を連結する連結機構よりなり、該連結機構は両固定軸に摺動可能であるオープンショーケース用ナイトカバー巻取り装置。
2.前記連結機構は固定軸に摺動可能に外嵌又は内嵌された可動ジョイントパイプである前記1又は2の巻取り装置。
3.可動ジョイントパイプは互いに内外嵌される複数のパイプからなる前記1又は2の巻取り装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明のナイトカバー巻取り装置においては、両端のシャフトが連結機構により連結されており、その結果強度が増し、カバーを引っ張ったときでも巻取りパイプの撓みが殆どなく、1800mmあるいは2400mmを超えるような長尺の場合でも引き出しをスム−スに行える。さらに、摺動可能な可動ジョイントパイプにより固定軸が連結されているので、組み立てに際しては固定軸を巻取りパイプから延伸露出させてシャフトに取り付け、取り付け後は収縮させて巻き取りパイプ内に固定させることができるので、作業性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明を図面で説明する
図1は本発明の実施例のオープンショーケース用ナイトカバー巻取り装置の斜視図、図2は正面図である。
【0008】
両端のシャフト1a、1bは、フレームに取付けられたブラケット10に螺子で固定されている。各シャフトには、固定軸としてのパイプ2a、2bが内方に互いに対向する様に外嵌・固定されている。固定方法は外嵌、内嵌、螺子止め、ピン止め等公知の方法で差し支えない。
【0009】
両端のシャフト1a、1bには軸受3a、3bが回転可能に外嵌されており、該軸受には巻取りパイプ4が固定されている。遮蔽カーテン5の一端は巻取りパイプに取付けられ、他端には支持バー12が具備されている。なお、図1においては、巻取りパイプ4、遮蔽カーテン5は構造が理解しやすいように切断して示してある。
6a、6bはスプリングで、その外方端は軸受若しくは巻取りパイプに固定されており、内方端はプラグ7a、7bで固定され、該プラグはピンで固定軸に固定されている。スプリング6a、6bは軸受と巻取りパイプを巻き取り方向に付勢する。支持バー12を引っ張ると、スプリング6a、6bの弾性に逆らって巻取りパイプ4が回転し、カーテン5が引き出され、開放するとスプリングの弾性により遮蔽カーテンが巻き取られる。
【0010】
双方の固定軸2a、2bの先端部には可動ジョイントパイプ8の両側が摺動可能に外嵌されており、双方の固定軸を連結する。このように連結されていると、巻取り装置の組み立てが極めて容易である。即ち、両端のシャフトを単一の固定軸で連結する場合は、一方のシャフトに固定軸を取り付けた後、巻取りパイプに挿入し、ついで他方のシャフトを取り付けなければならないが、シャフトと固定軸の取り付けは巻取りパイプ内で行うことになり、極めてやりにくく、ピン止めする場合は殆ど不可能である。しかしながら、本発明においては、可動ジョイントパイプ8が固定軸2a、2bを摺動するので、両方の固定軸間の間隔をある程度自由に広げることができるので、固定軸2a、2bと可動ジョイントパイプ8で構成される全体の軸を伸ばすことができ、端部を巻取りパイプから露出させることが可能である。従って、その端部にシャフトを取り付けることは容易である。
【0011】
図1、2においては、可動ジョイントパイプ8は固定軸2a、2bに外嵌されているが、内嵌されていても差し支えない。また、可動ジョイントパイプは1個でもよいが、複数個が互いに摺動可能に内外嵌されるものであっても差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明のオープンショーケース用ナイトカバー巻取り装置は上記のように構成されるので、組み立てが容易である。また、巻取りパイプ内をさらに固定軸と可動ジョイントパイプで構成される全体の軸により強度が補強され、巻き取りパイプの撓みが少なく、その結果巻取りがスムースに行える。従って、本発明のナイトカバー巻取り装置は1800mm以上、特に2400mm以上の長尺のものに特に適している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例のオープンショーケース用ナイトカバー巻取り装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施例のオープンショーケース用ナイトカバー巻取り装置の正面図である。
【符号の説明】
【0014】
1a、1b シャフト
2a、2b 固定軸
3a、3b 軸受
4 巻取りパイプ
5 ナイトカバー
8 可動ジョイントパイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端の一対のシャフトに回転可能に外嵌された一対の軸受と、該両端の軸受に固定され遮蔽カーテンを巻き取り可能に具備した巻取りパイプと、両端のシャフト先端に固定された一対の固定軸と、両端が軸受若しくは巻取りパイプと固定軸にそれぞれ連結され軸受と巻取りパイプを巻き取り方向に付勢する一対のスプリングと、該一対の固定軸を連結する連結機構よりなり、該連結機構は両固定軸に摺動可能であるオープンショーケース用ナイトカバー巻取り装置。
【請求項2】
前記連結機構は固定軸に摺動可能に外嵌又は内嵌された可動ジョイントパイプである請求項1又は2の巻取り装置。
【請求項3】
可動ジョイントパイプは互いに内外嵌される複数のパイプからなる請求項1又は2の巻取り装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−75336(P2007−75336A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266780(P2005−266780)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(000138163)株式会社モダンプラスチック (1)
【Fターム(参考)】