オープン階段装置
【課題】オープン階段とエレベータとを組み合わせることができ、かつ、全体的な構造強度および安定性を十分に高くすることができるとともに、２階における階段の出入口用床面とエレベータの乗降ロビー用床面との合計面積を小さくすることが可能なオープン階段装置を提供する。
【解決手段】オープン階段１２と、内部に昇降路２８が形成された構造体３０の昇降路内に昇降かご３２が配設されたエレベータ１４と、床面が住宅の２階の床面２ＦＬと連続するように設置された踊り場１６とを具備し、オープン階段の下端は住宅の１階の床面１ＦＬに固定され、上端は踊り場の前端部に固定され、かつ、エレベータは踊り場の後方に配置されているとともに、エレベータの構造体に踊り場の後端部が固定され、２階において、踊り場の床面がエレベータの乗降ロビーとされているオープン階段装置１０とする。
【解決手段】オープン階段１２と、内部に昇降路２８が形成された構造体３０の昇降路内に昇降かご３２が配設されたエレベータ１４と、床面が住宅の２階の床面２ＦＬと連続するように設置された踊り場１６とを具備し、オープン階段の下端は住宅の１階の床面１ＦＬに固定され、上端は踊り場の前端部に固定され、かつ、エレベータは踊り場の後方に配置されているとともに、エレベータの構造体に踊り場の後端部が固定され、２階において、踊り場の床面がエレベータの乗降ロビーとされているオープン階段装置１０とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、オープン階段とエレベータとを組み合わせたオープン階段装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、階段とエレベータとを組み合わせた階段装置として、特許文献１のものが提案されている。特許文献１の階段装置は、エレベータを構成する昇降路と、この昇降路の外周に沿って設けられる廻り階段とを有するものである。
【０００３】
一方、建物における下階と上階との間を昇降するための階段の一種として、踏み板が壁パネルから分離されたオープン階段が知られており、このようなオープン階段は、例えば、吹き抜け部における１階と２階との間に設置される（例えば、特許文献２参照）。
【０００４】
【特許文献１】特開平１１−３４３７１４号公報
【特許文献２】特許第３７３２８４６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、特許文献１の階段装置は、踏み板が壁パネルに固定されている通常の階段とエレベータとを組み合わせたもので、オープン階段とエレベータとを組み合わせることはできなかった。
【０００６】
また、特許文献１の階段装置は、エレベータの外周に沿って廻り階段が設けられているが、エレベータと廻り階段とは強固に固定されておらず、そのため全体的な構造強度および安定性の点で不十分であった。
【０００７】
さらに、特許文献１の階段装置は、２階において、階段の出入口用床面とエレベータの乗降ロビー用床面とを別々に必要とするため、２階における階段の出入口用床面とエレベータの乗降ロビー用床面との合計面積を小さくすることができなかった。なお、エレベータの乗降ロビーとは、エレベータに乗降するための待合スペースを言う。
【０００８】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、オープン階段とエレベータとを組み合わせることができ、かつ、全体的な構造強度および安定性を十分に高くすることができるとともに、２階における階段の出入口用床面とエレベータの乗降ロビー用床面との合計面積を小さくすることが可能なオープン階段装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明は、前記目的を達成するため、オープン階段と、内部に昇降路が形成された構造体の前記昇降路内に昇降かごが配設されたエレベータと、床面が住宅の２階の床面と連続するように設置された踊り場とを具備し、
前記オープン階段の下端は住宅の１階の床面に固定され、上端は前記踊り場の前端部に固定され、かつ、前記エレベータは前記踊り場の後方に配置されているとともに、前記構造体に前記踊り場の後端部が固定され、２階において、前記踊り場の床面が前記エレベータの乗降ロビーとされていることを特徴とするオープン階段装置を提供する。
【００１０】
本発明のオープン階段装置は、住宅の２階に踊り場を設置するとともに、オープン階段の下端を住宅の１階の床面に固定し、上端を上記踊り場の前端部に固定することにより、オープン階段とエレベータとを組み合わせることができる。また、面積の大きい踊り場をエレベータの構造体に固定することにより、全体的な構造強度および安定性を十分に高くすることができる。さらに、２階の踊り場の床面を、階段の出入口用床面およびエレベータの乗降ロビー用床面として共用するので、２階における階段の出入口用床面とエレベータの乗降ロビー用床面との合計面積を小さくすることができ、省スペース化を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【００１１】
本発明のオープン階段装置は、オープン階段とエレベータとを組み合わせることができ、かつ、全体的な構造強度および安定性を十分に高くすることができるとともに、２階における階段の出入口用床面とエレベータの乗降ロビー用床面との合計面積を小さくして省スペース化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。図１〜図４は、本発明に係るオープン階段装置の一実施形態を示すものであり、図１は２階平面図、図２は１階平面図、図３は正面図、図４は側面図である。
【００１３】
本例のオープン階段装置１０は、ストレートタイプのオープン階段１２と、エレベータ１４と、踊り場１６とを具備する。ストレートタイプのオープン階段とは、上から見たときに階段全体が長方形状で、かつ全ての踏み板が平行な階段を言う。
【００１４】
オープン階段１２は、一対の平行な桁本体１８に複数の踏板２０が取付部材２２により固定されたものである。取付部材２２は、桁本体１８に踏板２０を取り付けることができるものであればどのような構成のものであってよい。オープン階段１２の桁本体１８の下端は住宅の１階の床面１ＦＬにボルトとナットなどの適宜取付具によって固定され、上端は踊り場１６の後述する踊り場基台３４の前端部の下面にボルトとナットなどの適宜取付具によって固定されている。また、オープン階段１２は、幅方向一端側を壁Ｗに沿わせて配置され、幅方向他端側には手摺り２６（図１参照）が取り付けられている。オープン階段１２において、桁本体１８および取付部材２２はアルミニウム合金により形成され、踏板２０は木質の板材により形成されているが、これら各部材の材質は限定されるものではない。
【００１５】
エレベータ１４は、いわゆるホームエレベータであり、内部に昇降路２８が形成された略四角筒状の構造体３０の上記昇降路２８内に昇降かご３２が昇降可能に配設されたものである。エレベータ１４は、踊り場１６の後方に配置されているとともに、構造体３０に踊り場１６の後端部がボルトとナットなどの適宜取付具によって固定されている。エレベータ１４の昇降機構に限定はなく、ワイヤロープを主索に用いて昇降かご３２を昇降させるロープ式、油圧ジャッキにより昇降かご３２を昇降させる油圧式などの適宜機構を採用することができる。エレベータ１４において、構造体３０の本体および昇降かご２８はアルミニウム合金により形成され、構造体３６の開閉扉はアルミニウム合金からなる枠体内にアクリル樹脂板を装着することにより形成されているが、これら各部材の材質は限定されるものではない。
【００１６】
踊り場１６は、四角枠体の内側に梁部が形成された踊り場基台３４と、踊り場基台３４の上面に固定された踊り場踏板３６とからなる。踊り場１６は、その床面が住宅の２階の床面２ＦＬと連続するように設置されている。また、踊り場１６の踊り場基台３４は、エレベータ１４の構造体３０にボルトとナットなどの適宜取付具によって固定されている。そして、２階において、踊り場１６の床面がエレベータ１４の乗降ロビーとされている。踊り場１６において、踊り場基台３４はアルミニウム合金により形成され、踊り場踏板３６は木質の板材により形成されているが、これら各部材の材質は限定されるものではない。
【００１７】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、本例ではストレートタイプのオープン階段を用いたが、図５（ａ）に示すように、上から見たときに階段の上り口の３段の踏み板４０が廻り階段状となっているオープン階段（３段廻りタイプ）、図５（ｂ）に示すように、上から見たときに踊り場４２において下側階段部材４４と上側階段部材４６とが直角をなしている踊り場付きオープン階段（Ｌ字型タイプ）、上から見たときに踊り場において下側部材と上側部材の向きが逆になるように折り返す構造の踊り場付きオープン階段（Ｕ字型タイプ、図示せず）や、その他の構造のオープン階段を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】本発明に係るオープン階段装置の一実施形態を示す２階平面図である。
【図２】図１のオープン階段装置の１階平面図である。
【図３】図１のオープン階段装置の正面図である。
【図４】図１のオープン階段装置の側面図である。
【図５】オープン階段の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【００１９】
１０ オープン階段装置
１２ オープン階段
１４ エレベータ
１６ 踊り場
２８ 昇降路
３０ 構造体
３２ 昇降かご
１ＦＬ １階の床面
２ＦＬ ２階の床面
【技術分野】
【０００１】
本発明は、オープン階段とエレベータとを組み合わせたオープン階段装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、階段とエレベータとを組み合わせた階段装置として、特許文献１のものが提案されている。特許文献１の階段装置は、エレベータを構成する昇降路と、この昇降路の外周に沿って設けられる廻り階段とを有するものである。
【０００３】
一方、建物における下階と上階との間を昇降するための階段の一種として、踏み板が壁パネルから分離されたオープン階段が知られており、このようなオープン階段は、例えば、吹き抜け部における１階と２階との間に設置される（例えば、特許文献２参照）。
【０００４】
【特許文献１】特開平１１−３４３７１４号公報
【特許文献２】特許第３７３２８４６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、特許文献１の階段装置は、踏み板が壁パネルに固定されている通常の階段とエレベータとを組み合わせたもので、オープン階段とエレベータとを組み合わせることはできなかった。
【０００６】
また、特許文献１の階段装置は、エレベータの外周に沿って廻り階段が設けられているが、エレベータと廻り階段とは強固に固定されておらず、そのため全体的な構造強度および安定性の点で不十分であった。
【０００７】
さらに、特許文献１の階段装置は、２階において、階段の出入口用床面とエレベータの乗降ロビー用床面とを別々に必要とするため、２階における階段の出入口用床面とエレベータの乗降ロビー用床面との合計面積を小さくすることができなかった。なお、エレベータの乗降ロビーとは、エレベータに乗降するための待合スペースを言う。
【０００８】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、オープン階段とエレベータとを組み合わせることができ、かつ、全体的な構造強度および安定性を十分に高くすることができるとともに、２階における階段の出入口用床面とエレベータの乗降ロビー用床面との合計面積を小さくすることが可能なオープン階段装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明は、前記目的を達成するため、オープン階段と、内部に昇降路が形成された構造体の前記昇降路内に昇降かごが配設されたエレベータと、床面が住宅の２階の床面と連続するように設置された踊り場とを具備し、
前記オープン階段の下端は住宅の１階の床面に固定され、上端は前記踊り場の前端部に固定され、かつ、前記エレベータは前記踊り場の後方に配置されているとともに、前記構造体に前記踊り場の後端部が固定され、２階において、前記踊り場の床面が前記エレベータの乗降ロビーとされていることを特徴とするオープン階段装置を提供する。
【００１０】
本発明のオープン階段装置は、住宅の２階に踊り場を設置するとともに、オープン階段の下端を住宅の１階の床面に固定し、上端を上記踊り場の前端部に固定することにより、オープン階段とエレベータとを組み合わせることができる。また、面積の大きい踊り場をエレベータの構造体に固定することにより、全体的な構造強度および安定性を十分に高くすることができる。さらに、２階の踊り場の床面を、階段の出入口用床面およびエレベータの乗降ロビー用床面として共用するので、２階における階段の出入口用床面とエレベータの乗降ロビー用床面との合計面積を小さくすることができ、省スペース化を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【００１１】
本発明のオープン階段装置は、オープン階段とエレベータとを組み合わせることができ、かつ、全体的な構造強度および安定性を十分に高くすることができるとともに、２階における階段の出入口用床面とエレベータの乗降ロビー用床面との合計面積を小さくして省スペース化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。図１〜図４は、本発明に係るオープン階段装置の一実施形態を示すものであり、図１は２階平面図、図２は１階平面図、図３は正面図、図４は側面図である。
【００１３】
本例のオープン階段装置１０は、ストレートタイプのオープン階段１２と、エレベータ１４と、踊り場１６とを具備する。ストレートタイプのオープン階段とは、上から見たときに階段全体が長方形状で、かつ全ての踏み板が平行な階段を言う。
【００１４】
オープン階段１２は、一対の平行な桁本体１８に複数の踏板２０が取付部材２２により固定されたものである。取付部材２２は、桁本体１８に踏板２０を取り付けることができるものであればどのような構成のものであってよい。オープン階段１２の桁本体１８の下端は住宅の１階の床面１ＦＬにボルトとナットなどの適宜取付具によって固定され、上端は踊り場１６の後述する踊り場基台３４の前端部の下面にボルトとナットなどの適宜取付具によって固定されている。また、オープン階段１２は、幅方向一端側を壁Ｗに沿わせて配置され、幅方向他端側には手摺り２６（図１参照）が取り付けられている。オープン階段１２において、桁本体１８および取付部材２２はアルミニウム合金により形成され、踏板２０は木質の板材により形成されているが、これら各部材の材質は限定されるものではない。
【００１５】
エレベータ１４は、いわゆるホームエレベータであり、内部に昇降路２８が形成された略四角筒状の構造体３０の上記昇降路２８内に昇降かご３２が昇降可能に配設されたものである。エレベータ１４は、踊り場１６の後方に配置されているとともに、構造体３０に踊り場１６の後端部がボルトとナットなどの適宜取付具によって固定されている。エレベータ１４の昇降機構に限定はなく、ワイヤロープを主索に用いて昇降かご３２を昇降させるロープ式、油圧ジャッキにより昇降かご３２を昇降させる油圧式などの適宜機構を採用することができる。エレベータ１４において、構造体３０の本体および昇降かご２８はアルミニウム合金により形成され、構造体３６の開閉扉はアルミニウム合金からなる枠体内にアクリル樹脂板を装着することにより形成されているが、これら各部材の材質は限定されるものではない。
【００１６】
踊り場１６は、四角枠体の内側に梁部が形成された踊り場基台３４と、踊り場基台３４の上面に固定された踊り場踏板３６とからなる。踊り場１６は、その床面が住宅の２階の床面２ＦＬと連続するように設置されている。また、踊り場１６の踊り場基台３４は、エレベータ１４の構造体３０にボルトとナットなどの適宜取付具によって固定されている。そして、２階において、踊り場１６の床面がエレベータ１４の乗降ロビーとされている。踊り場１６において、踊り場基台３４はアルミニウム合金により形成され、踊り場踏板３６は木質の板材により形成されているが、これら各部材の材質は限定されるものではない。
【００１７】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、本例ではストレートタイプのオープン階段を用いたが、図５（ａ）に示すように、上から見たときに階段の上り口の３段の踏み板４０が廻り階段状となっているオープン階段（３段廻りタイプ）、図５（ｂ）に示すように、上から見たときに踊り場４２において下側階段部材４４と上側階段部材４６とが直角をなしている踊り場付きオープン階段（Ｌ字型タイプ）、上から見たときに踊り場において下側部材と上側部材の向きが逆になるように折り返す構造の踊り場付きオープン階段（Ｕ字型タイプ、図示せず）や、その他の構造のオープン階段を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】本発明に係るオープン階段装置の一実施形態を示す２階平面図である。
【図２】図１のオープン階段装置の１階平面図である。
【図３】図１のオープン階段装置の正面図である。
【図４】図１のオープン階段装置の側面図である。
【図５】オープン階段の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【００１９】
１０ オープン階段装置
１２ オープン階段
１４ エレベータ
１６ 踊り場
２８ 昇降路
３０ 構造体
３２ 昇降かご
１ＦＬ １階の床面
２ＦＬ ２階の床面
【特許請求の範囲】
【請求項１】
オープン階段と、内部に昇降路が形成された構造体の前記昇降路内に昇降かごが配設されたエレベータと、床面が住宅の２階の床面と連続するように設置された踊り場とを具備し、
前記オープン階段の下端は住宅の１階の床面に固定され、上端は前記踊り場の前端部に固定され、かつ、前記エレベータは前記踊り場の後方に配置されているとともに、前記構造体に前記踊り場の後端部が固定され、２階において、前記踊り場の床面が前記エレベータの乗降ロビーとされていることを特徴とするオープン階段装置。
【請求項１】
オープン階段と、内部に昇降路が形成された構造体の前記昇降路内に昇降かごが配設されたエレベータと、床面が住宅の２階の床面と連続するように設置された踊り場とを具備し、
前記オープン階段の下端は住宅の１階の床面に固定され、上端は前記踊り場の前端部に固定され、かつ、前記エレベータは前記踊り場の後方に配置されているとともに、前記構造体に前記踊り場の後端部が固定され、２階において、前記踊り場の床面が前記エレベータの乗降ロビーとされていることを特徴とするオープン階段装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１０−５９６９４（Ｐ２０１０−５９６９４Ａ）
【公開日】平成２２年３月１８日（２０１０．３．１８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２２６６０７（Ｐ２００８−２２６６０７）
【出願日】平成２０年９月４日（２００８．９．４）
【出願人】（５９１０５９６８５）南海プライウッド株式会社 (17)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年３月１８日（２０１０．３．１８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年９月４日（２００８．９．４）
【出願人】（５９１０５９６８５）南海プライウッド株式会社 (17)
【Ｆターム（参考）】
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