説明

カウルトップサイドガーニッシュ

【課題】 フェンダパネル、フロントガラスおよびカウルトップセンタガーニッシュに容易に組み付けることができ、コストをかけずに、ラトル音の発生を効果的に抑制可能なカウルトップサイドガーニッシュを提供する。
【解決手段】 本発明にかかるカウルトップサイドガーニッシュ114の代表的な構成は、車外側の側部から突出しフェンダパネルの縁102aを巻き込んで嵌合する第1の突状部(フェンダ嵌合爪120)と、フロントガラス104隣接側から突出しこのフロントガラス104の縁と嵌合する第2の突状部(フロントガラス嵌合爪122、124)と、カウルトップセンタガーニッシュ112と重なる一部から突出しこのカウルトップセンタガーニッシュ112と嵌合する第3の突状部と(センタガーニッシュ嵌合爪126、128、センタガーニッシュ嵌合ボス130)と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装部品として自動車に備えられるカウルトップサイドガーニッシュに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のフロントガラスとフロントフードとの間には、樹脂製のカウルトップガーニッシュが備えられる。現在、カウルトップガーニッシュとして、車体幅方向(BL方向)に延びフロントガラスとフロントフードとの間に配置されるカウルトップセンタガーニッシュと、フロントガラス前端の角部に沿ってカウルトップセンタガーニッシュの両側にそれぞれ配置される2つのカウルトップサイドガーニッシュとを用いる構成が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記カウルトップサイドガーニッシュに相当するカウルサイドシールについて記載されている。特許文献1のカウルサイドシールは、フェンダパネル先端部が挿入される先端部係止溝、フロントガラスの端面に当接し係止する先端部係止脚部、カウルトップセンタガーニッシュ(カウルトップカバー)に取り付けられる係止脚部を備えるとされている。このカウルサイドシールは、フェンダパネルとフロントガラスとの隙間を覆う先端部カバー部の裏面中央付近に先端部屈曲溝を有し、容易に撓むことができるため、車両への組付が容易になるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−6255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カウルトップサイドガーニッシュは、1)カウルトップサイドガーニッシュ自体の美観、2)フェンダパネル、フロントガラス、およびフロントフードとの見切り(隙間)の精度、3)走行中に車体が受ける空力特性の改善が求められる。また、とりわけ、カウルトップサイドガーニッシュが他の部品(フロントガラス等)と当たることにより生じるラトル音(カチカチ、カラカラ等の異音)が発生しないことも重要視されている。製造現場では、組付の容易さや単品コストの低減が要求されている。
【0006】
特許文献1のカウルサイドシールは、フェンダパネル、フロントガラス、およびカウルトップセンタガーニッシュのそれぞれと連結すると記載されているが、特許文献1の図3〜図5にはフェンダパネル先端部が挿入される先端部係止溝が図示されていない。よって、先端部係止溝がカウルサイドシールの本体部分に対してどのように溝切りされるのかが不明確である。
【0007】
特許文献1のようにフェンダパネル先端部が挿入される先端部係止溝をカウルサイドシールの本体部分に対して溝切りする構成の場合、組付の際には、本体部分にフェンダパネル先端部を挿入し、先端部係止脚部をフロントガラスに連結し、係止脚部をカウルトップセンタガーニッシュに連結しなければならない。すなわち、組付の際には、カウルトップサイドガーニッシュの本体部分を積極的に撓ませなくてはならない。しかし、本体部分は、通常、比較的撓みづらい。特許文献1では、先端部屈曲溝を設けて車体幅方向の柔軟性を高め、本体部分を撓みやすくしているが、このような溝を設けることは強度的な観点から好ましくなく、ラトル音の発生原因になるおそれさえある。
【0008】
特許文献1のカウルサイドシールでは、ラトル音を完全に抑制することができず、さらなる対策が求められている。ラトル音を抑制する対策としては、エプトシーラ(登録商標)を当たり箇所(接触箇所)に接着したり、カウルトップサイドガーニッシュの材質を通常よりも柔らかいものに変えたりすることが行われているが、いずれの方法にしてもコストが嵩む課題がある。特にエプトシーラを接着した場合には、経年劣化も課題となる。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フェンダパネル、フロントガラスおよびカウルトップセンタガーニッシュに容易に組み付けることができ、コストをかけずにラトル音の発生を効果的に抑制可能なカウルトップサイドガーニッシュを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明の代表的な構成は、自動車のフロントガラス前端の角部に沿って配置され、車外側の側部がフェンダパネルに隣接し、車内側の少なくとも一部がカウルトップセンタガーニッシュに重なるカウルトップサイドガーニッシュにおいて、車外側の側部から突出しフェンダパネルの縁を巻き込んで嵌合する第1の突状部と、フロントガラス隣接側から突出しフロントガラスの縁と嵌合する第2の突状部と、カウルトップセンタガーニッシュと重なる一部から突出しカウルトップセンタガーニッシュと嵌合する第3の突状部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
かかる構成では、第1の突状部がフェンダパネルに組み付けられ、第2の突状部がフロントガラスに組み付けられ、第3の突状部がカウルトップセンタガーニッシュに組み付けられる。第1の突状部、第2の突状部、第3の突状部は、カウルトップサイドガーニッシュの本体部分から突出した部位であって、それ自身容易に撓むことができる。したがって、カウルトップサイドガーニッシュの本体部分を撓ませることなく、各突状部を撓ませることで、フェンダパネル、フロントガラスおよびカウルトップセンタガーニッシュに容易に組み付けることが可能である。
【0012】
また、このカウルトップサイドガーニッシュでは、特許文献1に記載の技術のように柔軟性を確保するための溝を設け強度を低下させることもない。カウルトップサイドガーニッシュは少なくとも3点で車体に取り付けられ、その3点で包囲された領域は動くことができなくなるため、ラトル音の発生防止機能の改善、および見切り精度の向上効果を奏する。
【0013】
上記第2の突状部が、上記フロントガラスの側縁と嵌合する側縁突状部と、フロントガラスの前縁と嵌合する前縁突状部とを含むとよい。
【0014】
かかる構成では、フロントガラスの側縁、前縁がそれぞれ押さえられ、フロントガラスが2方向から押さえられる。したがって、フロントガラスとの当たりによるラトル音の発生をより効果的に抑制することができる。また、フロントガラスとの見切りの精度を高める効果も奏する。
【0015】
上記側縁突状部が、カウルトップサイドガーニッシュの後端且つ上端近傍から突出し、上記前縁突状部が、カウルトップサイドガーニッシュの車内側の側端近傍から突出するとよい。
【0016】
かかる構成では、フロントガラス前端の角部に沿って延びた両端近傍(後端且つ上端近傍と、車内側の側端近傍のフロントガラス隣接側と)に、固定点となる側縁突状部、前縁突状部がそれぞれ設定される。角部に沿って延びた両端を固定することで、カウルトップサイドガーニッシュを広い範囲にわたってしっかりと固定することができるので、フロントガラスとの当たりによるラトル音の発生をより効果的に抑制することができる。
【0017】
上記第3の突状部が、当該カウルトップサイドガーニッシュの前端近傍から突出するとよい。
【0018】
かかる構成では、カウルトップサイドガーニッシュの前端近傍に固定点となる第3の突状部が設定される。上述の第2の突状部とあわせて、この第3の突状部により、カウルトップサイドガーニッシュの周囲を広い範囲にわたってしっかりと固定することができるのでラトル音の発生をより効果的に抑制することができる。
【0019】
上記第1の突状部が、上記側縁突状部と上記前縁突状部との間から突出するとよい。
【0020】
かかる構成では、1)第1の突状部→2)カウルトップサイドガーニッシュの後端且つ上端近傍の第2の突状部→3)残りの突状部の手順で、カウルトップサイドガーニッシュを容易に組み付けることができる。フェンダパネルの車体連結部の付根に、第1の突状部の前側を当接させることで、カウルトップサイドガーニッシュを車体幅方向に規制するだけでなく、その前方向への落ち込み(ずり落ち)を防止する効果も奏する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、フェンダパネル、フロントガラスおよびカウルトップセンタガーニッシュに容易に組み付けることができ、コストをかけずにラトル音の発生を効果的に抑制可能なカウルトップサイドガーニッシュを提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態にかかるカウルトップサイドガーニッシュを採用した自動車を示す図である。
【図2】図1に示すカウルトップサイドガーニッシュの形状を示す図である。
【図3】図1に示すカウルトップサイドガーニッシュの組付前の状態を示す図である。
【図4】図3にカウルトップサイドガーニッシュを組み付ける手順について説明する図である。
【図5】図3にカウルトップサイドガーニッシュを組み付ける手順について説明する図である。
【図6】図1(b)のB−B断面図、C−C断面図、およびD−D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態にかかるカウルトップサイドガーニッシュ114を採用した自動車100を示す図である。図1(a)が自動車100の外観図であり、図1(b)が図1(a)の範囲Aの拡大図である。なお、添付図面中の矢印FRは車体前方、矢印LHは車体左方、矢印UPは車体上方を示すものとする。
【0025】
図1(a)に示すように、自動車100のフロントガラス104とフロントフード108との間には、樹脂製(例えばポリプロピレン等の熱可塑性樹脂)のカウルトップガーニッシュ110が備えられる。本実施形態では、カウルトップガーニッシュ110は、車体幅方向(BL方向)に延びるカウルトップセンタガーニッシュ112と、フロントガラス104前端の角部106a、106bに沿ってカウルトップセンタガーニッシュ112の両側にそれぞれ配置される2つのカウルトップサイドガーニッシュ114、116とにより構成される。なお、カウルトップセンタガーニッシュ112は、その端部がクリップ等で車体に固定されている。
【0026】
2つのカウルトップサイドガーニッシュ114、116はほぼ同様の構成であるため、以下では車体左方のカウルトップサイドガーニッシュ114について説明する。図1(b)に示すように、カウルトップサイドガーニッシュ114は、その前部がフロントフード108に隣接し、その車外側の側部がフェンダパネル102に隣接する。また、その車内側の少なくとも一部がカウルトップセンタガーニッシュ112に重なる(図4、図5等参照)。
【0027】
図2は、カウルトップサイドガーニッシュ114の形状を示す図である。図2(a)がカウルトップサイドガーニッシュ114の斜視図であり、図2(b)がカウルトップサイドガーニッシュ114の平面図であり、図2(c)がカウルトップサイドガーニッシュ114の底面図である。カウルトップサイドガーニッシュ114は、平面視略「L」字形状の部材である。
【0028】
図2(a)〜(c)に示すように、カウルトップサイドガーニッシュ114は、本体部分の車外側の側部から突出して形成される第1の突状部と、本体部分のフロントガラス104隣接側から突出して形成される第2の突状部(側縁突状部、前縁突状部)と、本体部分のカウルトップセンタガーニッシュ112と重なる部分から突出して形成される第3の突状部とを備える。ここで本体部分とは、第1〜第3の突状部等を除いたカウルトップサイドガーニッシュ114の基本形状(基本塊)のことを指す。
【0029】
本実施形態では、第1の突状部としてフェンダ嵌合爪120を備える。また、第2の突状部として、側縁突状部であるフロントガラス嵌合爪122および前縁突状部であるフロントガラス嵌合爪124を備える。また、第3の突状部として、センタガーニッシュ嵌合爪126、128およびセンタガーニッシュ嵌合ボス130を備える。
【0030】
フロントガラス嵌合爪122は、カウルトップサイドガーニッシュ114の後端且つ上端近傍に当たる位置から突出する。フロントガラス嵌合爪124は、カウルトップサイドガーニッシュ114の車内側の側端近傍であって、フロントガラス104に隣接する側から突出する。フロントガラス嵌合爪122とフロントガラス嵌合爪124との間から、フェンダ嵌合爪120が突出する。
【0031】
センタガーニッシュ嵌合爪126およびセンタガーニッシュ嵌合ボス130は、カウルトップサイドガーニッシュ114の前端近傍から突出する。詳細には、センタガーニッシュ嵌合爪126は車体幅方向において車内側に備えられ、センタガーニッシュ嵌合ボス130は車体幅方向において車外側に備えられる。
【0032】
図3はカウルトップサイドガーニッシュ114の組付前の状態を示す図であり、図3(a)がその組付前の状態を示す全体図、図3(b)が図3(a)の第1の挿入箇所132の拡大図である。なお、図3(a)では理解を容易にするためにフロントガラス104にハッチを付している。図4および図5は、カウルトップサイドガーニッシュ114を組み付ける手順について説明する図である。図4(a)、(b)、図5(a)、(b)では、カウルトップサイドガーニッシュ114の組付手順を経時的に図示している。図6は図1(b)のB−B断面図、C−C断面図、およびD−D断面図であり、図6(a)がそのB−B断面図、図6(b)がそのC−C断面図、図6(c)がそのD−D断面図である。
【0033】
図3(a)に示すように、カウルトップサイドガーニッシュ114は、フェンダパネル102、フロントガラス104、カウルトップセンタガーニッシュ112に囲まれる位置に配置される。カウルトップセンタガーニッシュ112には、センタガーニッシュ嵌合爪126、128およびセンタガーニッシュ嵌合ボス130が挿入される(嵌合する)被挿入孔126a、128a、130aが設けられる。
【0034】
カウルトップサイドガーニッシュ114は、1)フェンダ嵌合爪120→2)フロントガラス嵌合爪122→3)フロントガラス嵌合爪124、センタガーニッシュ嵌合爪126、128、センタガーニッシュ嵌合ボス130の手順で組み付けられる。図3(a)中、理解を容易にするために、最初にフェンダ嵌合爪120を挿入する箇所(以下「第1の挿入箇所132」と称する)を破線で図示し、次にフロントガラス嵌合爪122を挿入する箇所(以下「第2の挿入箇所134」と称する)を破線で図示し、最後にフロントガラス嵌合爪124、センタガーニッシュ嵌合爪126、128、センタガーニッシュ嵌合ボス130を挿入する箇所(以下「第3の挿入箇所136」と称する)を破線で図示する。
【0035】
図4(a)に示すように、まずカウルトップサイドガーニッシュ114を傾けて、フェンダ嵌合爪120を第1の挿入箇所132に挿入する。これにより、図6(a)に示すように、フェンダ嵌合爪120にフェンダパネルの縁102aを巻き込んで嵌合させる。
【0036】
フェンダ嵌合爪120はフロントガラス嵌合爪122とフロントガラス嵌合爪124との間に備えられており、フェンダ嵌合爪120の前側が、図3(b)に示すフェンダパネル102の車体連結部102bの付根102cに当接するように、フェンダパネルの縁102aを巻き込んで嵌合する。従来、カウルトップサイドガーニッシュの前方向への落ち込み(ずり落ち)は、クリップ等でカウルトップセンタガーニッシュと固定したりすることで防止していた。しかし、ここでは、フェンダ嵌合爪120の前側がフェンダパネル102の車体連結部102bの付根102cに当接するため、カウルトップサイドガーニッシュ114を車体幅方向に規制するだけでなく、その前方向への落ち込み(ずり落ち)を防止することができる。したがって、従来よりもクリップ等のコストの削減、および組付労力の削減を達することができる。
【0037】
図4(b)に示すように、次にカウルトップサイドガーニッシュ114を組付時回転方向R1に回転させて、フロントガラス嵌合爪122を第2の挿入箇所134に挿入する。これにより、図6(b)に示すように、フロントガラス嵌合爪122をフロントガラスの側縁104aに嵌合させる。
【0038】
フェンダ嵌合爪120はカウルトップサイドガーニッシュ114の本体部分(基本塊)から突出した部位であり、それ自身容易に撓むことができる。したがって、フェンダ嵌合爪120にフェンダパネルの縁102aを巻き込んで嵌合させた状態であっても、フェンダ嵌合爪120を撓ませて、フロントガラス嵌合爪122をフロントガラスの側縁104aに容易に嵌合させることが可能である。
【0039】
図5(a)に示すように、次にさらにカウルトップサイドガーニッシュ114を組付時回転方向R1に回転させて、フロントガラス嵌合爪124、センタガーニッシュ嵌合爪126、128、センタガーニッシュ嵌合ボス130を第3の挿入箇所136に挿入する。これにより、図6(c)に示すように、フロントガラス嵌合爪124をフロントガラスの前縁104bに嵌合させる。また、センタガーニッシュ嵌合爪126、128を被挿入孔126a、128aに挿入して嵌合させ、センタガーニッシュ嵌合ボス130を被挿入孔130aに挿入する。
【0040】
フェンダ嵌合爪120と同様にフロントガラス嵌合爪122もカウルトップサイドガーニッシュ114の本体部分(基本塊)から突出した部位であり、それ自身容易に撓むことができる。フロントガラス嵌合爪124、センタガーニッシュ嵌合爪126、128、センタガーニッシュ嵌合ボス130についても同様である。したがって、フェンダ嵌合爪120をフェンダパネルの縁102aに、フロントガラス嵌合爪122をフロントガラスの側縁104aに嵌合させた状態であっても、これらを撓ませて容易にカウルトップサイドガーニッシュ114の組付を実施することができる。
【0041】
とりわけ、本実施形態では最初に嵌合させるフェンダ嵌合爪120が、フロントガラス嵌合爪122とフロントガラス嵌合爪124との間に配置されている。また、フロントガラス嵌合爪122が、カウルトップサイドガーニッシュ114の後端且つ上端近傍に当たる位置に設けられている。よって、フェンダ嵌合爪120とフロントガラス嵌合爪122とがなるべく離れ、フェンダ嵌合爪120とフロントガラス嵌合爪124、センタガーニッシュ嵌合爪126、128、センタガーニッシュ嵌合ボス130に関してもある程度離れている。最初に嵌合させるフェンダ嵌合爪120と、次に嵌合させるフロントガラス嵌合爪122と、最後に挿入するフロントガラス嵌合爪124、センタガーニッシュ嵌合爪126、128、センタガーニッシュ嵌合ボス130とを互いに離すことにより、各部分を過剰に撓ませることなく、容易にカウルトップサイドガーニッシュ114を組み付けることが可能である。図5(b)にカウルトップサイドガーニッシュ114の組付を完了した状態を示す。
【0042】
上述した構成によれば、フロントガラス嵌合爪122、124によって、フロントガラスの側縁104a、前縁104bがそれぞれ押さえられ、フロントガラス104が2方向から押さえられる。したがって、フロントガラス104との当たりによるラトル音の発生を効果的に抑制することができる。また、フロントガラス104との見切りの精度が高められる。
【0043】
フェンダ嵌合爪120、フロントガラス嵌合爪122、124、センタガーニッシュ嵌合爪126、128、センタガーニッシュ嵌合ボス130は、カウルトップサイドガーニッシュ114を固定するいわば固定点として機能する。ここで、本実施形態では、フロントガラス嵌合爪122、124やセンタガーニッシュ嵌合爪126、センタガーニッシュ嵌合ボス130等が、カウルトップサイドガーニッシュ114の周囲に沿って配置されており、カウルトップサイドガーニッシュ114をしっかりと固定可能になっている。仮に、固定点がカウルトップサイドガーニッシュ114の周囲に沿って配置されていない場合にはそのキワが浮きやすくなりラトル音の発生の原因となりかねない。カウルトップサイドガーニッシュ114をしっかりと固定することで、ラトル音の発生を効果的に抑制することができる。
【0044】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明した。本実施形態にかかるカウルトップサイドガーニッシュ114によれば、エプトシーラの接着や材質の変更などのようにコストをかけることなく、ラトル音の発生を効果的に抑制することができる。カウルトップサイドガーニッシュ114の本体部分に手を加えるわけではないので、カウルトップサイドガーニッシュ114自体の美観を害したり、空力特性に影響を与えたりするおそれもない。カウルトップサイドガーニッシュ114が、フェンダパネル102、フロントガラス104と嵌合するため、フェンダパネル102、フロントガラス104との見切り(隙間)の精度も確保される。カウルトップサイドガーニッシュ114が、車体に固定されたカウルトップセンタガーニッシュ112と嵌合することで、フロントフード108との見切り(隙間)の精度も確保される。カウルトップサイドガーニッシュ114は、上述した手順により容易に組み付けることができるので、製造現場での組付性も確保される。したがって、本実施形態にかかるカウルトップサイドガーニッシュ114によれば、従来カウルサイドガーニッシュ114に要求されていた事項のほぼ全てを満たすことが可能である。
【0045】
なお、本発明は上記実施形態の例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、外装部品として自動車に備えられるカウルトップサイドガーニッシュに利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
100…自動車、102…フェンダパネル、102a…フェンダパネルの縁、102b…車体連結部、102c…付根、104…フロントガラス、104a…フロントガラスの側縁、104b…フロントガラスの前縁、106a、106b…角部、108…フロントフード、110…カウルトップガーニッシュ、112…カウルトップセンタガーニッシュ、114、116…カウルトップサイドガーニッシュ、120…フェンダ嵌合爪、122、124…フロントガラス嵌合爪、126、128…センタガーニッシュ嵌合爪、130…センタガーニッシュ嵌合ボス、126a、128a、130a…被挿入孔、132…第1の挿入箇所、134…第2の挿入箇所、136…第3の挿入箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のフロントガラス前端の角部に沿って配置され、車外側の側部がフェンダパネルに隣接し、車内側の少なくとも一部がカウルトップセンタガーニッシュに重なるカウルトップサイドガーニッシュにおいて、
前記車外側の側部から突出し前記フェンダパネルの縁を巻き込んで嵌合する第1の突状部と、
前記フロントガラス隣接側から突出し該フロントガラスの縁と嵌合する第2の突状部と、
前記カウルトップセンタガーニッシュと重なる一部から突出し、該カウルトップセンタガーニッシュと嵌合する第3の突状部と、
を備えることを特徴とするカウルトップサイドガーニッシュ。
【請求項2】
前記第2の突状部が、前記フロントガラスの側縁と嵌合する側縁突状部と、前記フロントガラスの前縁と嵌合する前縁突状部とを含むことを特徴とする請求項1に記載のカウルトップサイドガーニッシュ。
【請求項3】
前記側縁突状部が、当該カウルトップサイドガーニッシュの後端且つ上端近傍から突出し、
前記前縁突状部が、当該カウルトップサイドガーニッシュの車内側の側端近傍から突出することを特徴とする請求項2に記載のカウルトップサイドガーニッシュ。
【請求項4】
前記第3の突状部が、当該カウルトップサイドガーニッシュの前端近傍から突出することを特徴とする請求項3に記載のカウルトップサイドガーニッシュ。
【請求項5】
前記第1の突状部が、前記側縁突状部と前記前縁突状部との間から突出することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のカウルトップサイドガーニッシュ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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