説明

カウンタウエイトの取付装置

【課題】カウンタウエイトの重量減少を抑える。
【解決手段】建設機械の機体フレーム3の後端部に設けられたウエイト支持部4と、カウンタウエイト10に設けられたウエイト取付部16と、ウエイト支持部4にウエイト取付部16を取り付ける貫通位置、およびウエイト支持部4からウエイト取付部16を取り外す退避位置に移動可能なカウンタウエイト取付用のピン部材20と、一端がピン部材20に連結されるとともに、他端がカウンタウエイト10の外側に突出して延設され、他端側での操作によりピン部材20を貫通位置と退避位置の間で移動するロッド部材30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーン等の機体フレームの後端部にカウンタウエイトを取り付けるカウンタウエイトの取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カウンタウエイトと一体に設けた油圧シリンダの上端部を機体フレームに係合し、油圧シリンダの駆動によりカウンタウエイトを持ち上げて、機体フレームの後端部にカウンタウエイトを取り付けるようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載の装置では、油圧シリンダの駆動によりカウンタウエイトを持ち上げた後、カウンタウエイトの取付部に水平方向にピンを挿入し、ピンによってカウンタウエイトを機体フレームから支持する。
【0003】
【特許文献1】特開2006−44948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、カウンタウエイト取付用のピンを挿入するためには、例えばカウンタウエイトを左右に分割して、カウンタウエイトの中央部に作業スペースを確保する必要があり、カウンタウエイトの重量が損なわれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるカウンタウエイトの取付装置は、建設機械の機体フレームの後端部に設けられたウエイト支持部と、カウンタウエイトに設けられたウエイト取付部と、ウエイト支持部にウエイト取付部を取り付ける第1の位置、およびウエイト支持部からウエイト取付部を取り外す第2の位置に移動可能なカウンタウエイト取付用のピン部材と、一端がピン部材に連結されるとともに、他端がカウンタウエイトの外側に突出して延設され、他端側での操作によりピン部材を第1の位置と第2の位置の間で移動するロッド部材とを備えることを特徴とする。
カウンタウエイトと一体にカウンタウエイト昇降用の油圧シリンダを設け、この油圧シリンダの後側に設けられたカウンタウエイトの上面に、後方から油圧シリンダもしくはその周辺部品を操作可能なように切り欠きを設けることもできる。
機体フレームの幅方向に一対の油圧シリンダを並設し、この一対の油圧シリンダの間の空隙にピン部材を移動可能としてもよい。
油圧シリンダを、カウンタウエイトに前後方向に揺動可能に支持し、切り欠きの奥方の油圧シリンダの後面に、油圧シリンダを操作するための把持部を設けることもできる。
ウエイト支持部およびウエイト取付部にそれぞれ設けられた係合溝と係合部材との係合により、ウエイト支持部に対するウエイト取付部の位置を規定する位置決め手段をさらに備えることもできる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ロッド部材の操作によりピン部材を移動してカウンタウエイトを取り付けるようにしたので、カウンタウエイトの中央部に作業スペースを確保する必要がなく、カウンタウエイトの重量減少を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図1〜図12を参照して本発明によるカウンタウエイトの取付装置の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る取付装置を用いてのカウンタウエイトの取付作業の一例を示す斜視図である。カウンタウエイト10は、主に建設機械の機体前端部に設けられたフロント作業装置による作業モーメントを打ち消すために、機体後端部に取り付けられるが、ここではクレーンに上下3段のカウンタウエイト10を取り付ける例を示している。なお、以下では、カウンタウエイト10の各段を、下段ウエイト11、中段ウエイト12、上段ウエイト13と呼ぶ。カウンタウエイト10の全高は例えば2m程度である。
【0008】
クレーンは、走行体1と、走行体1に対して旋回可能に設けられた旋回体2とを有する。旋回体2は前後方向に延設された機体フレーム3を有し、機体フレーム3の前端部にフロント作業装置としてブーム(不図示)が起伏可能に軸支されている。一方、機体フレーム3の後端部には図示のように左右一対のブラケット4が後方かつ上方に突出して設けられている。
【0009】
各ウエイト11〜13は平面視略コ字状に形成されている(図2参照)。このため、カウンタウエイト10の前側中央部には、周囲がウエイト11〜13によって囲まれた空間SP1が形成され、この空間SPに左右一対の油圧シリンダ5が配設されている。油圧シリンダ5は、旋回体2に搭載された油圧ポンプ(不図示)から油圧ホース6を介して導かれた圧油により駆動される。カウンタウエイト10は油圧シリンダ5と一体に設けられ、油圧シリンダ5の駆動によって昇降し、ブラケット4に支持される。
【0010】
図2は、カウンタウエイト10を斜め前方から見た図であり、図3は後方から見た図である。なお、図2ではウエイト12,13の図示を、図3ではウエイト11〜13の図示を省略している。下段ウエイト11の下側にはベースウエイト14が配設され、各ウエイト11〜14はリンクやボルト等により一体に締結されている。ベースプレート14の上面には、左右2カ所にそれぞれ左右一対のブラケット15が立設されている。
【0011】
図2に示すように各ブラケット15にはそれぞれ支持プレート16が取り付けられ、左右一対の支持プレート16の間に、油圧シリンダ5のシリンダチューブ51がピン17によって前後方向に揺動可能に軸支されている。各支持プレート16の上面には、油圧シリンダ5よりも前方において、略円弧状にガイド溝161が形成されている。ガイド溝161は入口部からその下方の奥部にかけてテーパ状に形成され、ガイド溝161の前後方向幅は入口部で最大となっている。
【0012】
支持プレート16には、ガイド溝161の下方に貫通孔162が開口され、貫通孔162に支持ピン20が挿入されている。支持ピン20の下方には、支持プレート16を貫通してガイドピン163が配設されている。ガイドピン163の先端には抜け止めピン164が取り付けられ、ガイドピン163は抜け落ちないように支持プレート16に固定されている。左右の支持プレート16の内側面には互いに対向するようにガイド165が突設され、左右のガイド165の間の隙間SP2に、機体フレーム3のブラケット4が上方から挿入可能となっている。
【0013】
図1に示すようにブラケット4の下端部には、略円弧状にガイド溝41が形成されている。ガイド溝41は入口部からその上方の奥部にかけてテーパ状に形成され、ガイド溝41の前後方向幅は入口部で最大となっている。ガイド溝41の上方には貫通孔42が開口され、さらに貫通孔41の上方のブラケット4の左右両面には、左右水平方向にそれぞれガイドピン43が突設されている。これらガイド溝41、貫通孔42、ガイドピン43は、それぞれ支持プレート16のガイドピン163、貫通孔162、ガイド溝161に対応して設けられ、支持プレート16は後述するようにブラケット4に位置決めされて取り付けられる。
【0014】
図1に示すように油圧シリンダ15のシリンダロッドの上端部には、左右方向にロッドピン52が突設されている。ブラケット4の上端部にはロッドピン52を支持するための支持ブラケット45が設けられている。支持ブラケット45の上面にはロッドピン52に対応して凹部45aが形成され、凹部45aにロッドピン52が係合する。
【0015】
図1,3に示すようにシリンダチューブ51の後面には把手53が装着されている。把手53は油圧シリンダ5を揺動操作するものであり、把手53を手前に引けば油圧シリンダ5を後方に揺動でき、把手53を奥方に押せば油圧シリンダ5を前方に揺動できる。この把手位置に対応して上段ウエイト13の上面には、左右一対の凹部131(切り欠き)が下方にかけて略円弧状に設けられている。これにより作業員は凹部131を介して手を挿入して、把手53の操作が可能である。
【0016】
さらにシリンダチューブ51の後面には、油圧配管用の継ぎ手54が設けられている。油圧ホース6は、図1に示すように束ねた状態で前方から左右のブラケット4の間に導かれた後、図3に示すように左右に振り分けられ、各継ぎ手54に接続される。継ぎ手54は把手53の近傍に設けられているため、油圧ホース16の継ぎ手54への着脱も、作業員は上部ウエイト上面の凹部131から手を挿入して行うことができる。
【0017】
図2に示すように下段ウエイト11の上面には左右方向にわたって溝111が形成され、溝111の内側には、中段ウエイト12と干渉しないようにロッド30が収容されている。図3に示すようにロッド30の一端は支持プレート16を貫通してリンク35の一端部に連結され、リンク35の他端部に支持ピン20の端部が連結されている。ロッド30は溝111内を左右方向にスライド可能に支持され、ロッド30の移動によりリンク35を介して支持ピン20を抜き差し可能となっている。
【0018】
図2に示すようにロッド30は内筒31および外筒32の二重筒構造をなし、外筒32の端部にはレバー33が設けられている。レバー33は、下段ウエイト11の側面に設けた凹部112に収容されている。図4はロッド30の断面図である。内筒31の端部には貫通孔311が開口され、この貫通孔311に対応して外筒32の左右端部にはそれぞれ貫通孔(第1貫通孔321、第2貫通孔322)が開口されている。いずれか一方の貫通孔321,322を介して貫通孔311にロックピン34を挿入することで、内筒31に対する外筒32の位置が規定される。この場合、図4(a)に示すように第1貫通孔321と貫通孔311にロックピン34が挿入されるとロッド30の全長が短くなり、図4(b)に示すように第2貫通孔322と貫通孔311にロックピン34が挿入されるとロッド30の全長が長くなる。
【0019】
本実施の形態に係る取付装置によるカウンタウエイト10の取付手順について説明する。
まず、図5に示すようにブラケット4の後方にカウンタウエイト10を載置した状態で、作業員はカウンタウエイト10の後方から凹部131に沿って手を挿入し、継ぎ手54に油圧ホース6を接続する。次いで、図1に示すように作業員はカウンタウエイト10の後方に立ち、リモコンスイッチSWを操作して油圧ポンプからの圧油により油圧シリンダ5を伸張する。油圧シリンダ5はピン17によって揺動可能に支持されているが、油圧シリンダ5の後面には把手53と継ぎ手54が設けられているため、シリンダ5の重心位置は後方にずれ、油圧シリンダ5は上端部が後方に傾斜しながら伸張する。このため、油圧シリンダ5の伸張時に、シリンダ上端のロッドピン52が支持ブラケット45に接触することを防ぐことができる。
【0020】
ロッドピン52が支持ブラケット上面の凹部45aよりも上方に移動すると、リモコンスイッチSWによる油圧シリンダ5の伸張操作を停止する。そして、図6に示すようにカウンタウエイト上面の凹部131に沿って手を挿入し、把手53を把持して油圧シリンダ5を前方に倒し、支持ブラケット上面の凹部45aの直上方にロッドピン52を移動する。次いで、リモコンスイッチSWを操作して油圧シリンダ5を縮退し、凹部45aにロッドピン52を係合させた状態で、図7に示すようにカウンタウエイト5を上昇させる。
【0021】
カウンタウエイト5を上昇する場合には、予め図4(b)に示すように外筒32の第2貫通孔322と内筒31の貫通孔311にロックピン34を挿入し、ロッド30を左右奥方に押し込む。この状態では、図9(c)に示すようにリンク35を介して支持ピン20がカウンタウエイト10の幅方向中心側(図の右側)に押動され、支持ピン20は左右の油圧シリンダ5の間の空間SP1(図2)に退避する。支持ピン20が図9(c)の退避位置にあるときは、左右のガイド165の間の隙間SP2が上下方向に開放され、この隙間SP2にブラケット4を挿入可能である。
【0022】
図10は、機体フレーム後端のブラケット4とカウンタウエイト10の支持プレート16を側方から見た図である。図8(a)の状態から油圧シリンダ5を縮退してカウンタウエイト10を上昇させると、支持プレート16の左右のガイド165の隙間SP2にブラケット4が進入する。これによりカウンタウエイト10の上昇時に、カウンタウエイト10の左右方向の位置がガイド165によって拘束される。
【0023】
カウンタウエイト10が所定量上昇すると、図10(b)に示すようにブラケット4のガイドピン43が支持プレート上面のガイド溝161に挿入するとともに、支持プレート16のガイドピン163がブラケット下面のガイド溝41に挿入する。これによりガイド溝161,41に沿ってガイドピン43,163が移動し、カウンタウエイト10の取付姿勢が修正される。ガイドピン43,163がガイド溝161,41の奥部に達すると、油圧シリンダ5の縮退操作を停止する。このとき、支持プレート16はブラケット4に対して上下2カ所のガイドピン43,163で位置決めされるため、支持プレート16の貫通孔162とブラケット4の貫通孔42の位置が精度よく一致する。
【0024】
次いで、図8に示すように作業員はカウンタウエイト10の側方にて、ロッド端部のレバー33を手前側に引っ張る。これにより図9(b)に示すように支持ピン20が貫通孔42,162を貫通して旋回体2の幅方向外側(図の左側)に移動する。支持ピン20が図9(b)の貫通位置にあるときは、カウンタウエイト10が支持ピン20によりブラケット4に支持される。次いで、作業員はロッド30のロックピン34を抜いて、ロッド30を奥方(図の右側)に押し込み、内筒31に沿って外筒32を移動させる。そして図4(a)に示すように外筒32の貫通孔321と内筒31の貫通孔311にロックピン34を挿入し、図9(a)に示すように下段ウエイト11の側面の凹部112にレバー33を格納する。
【0025】
最後に、リモコンスイッチSWの操作により油圧シリンダ5を伸張させ、シリンダ上端部のロッドピン52を支持ブラケット上面の凹部45aから取り外した後、油圧シリンダ5を縮退させ、カウンタウエイト10の内側空間SP1に油圧シリンダ5のロッドを格納する。以上でカウンタウエイト10の取付作業が終了する。カウンタウエイト10の取り外しは、取付時と逆の手順で行う。
【0026】
以上の実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)下段ウエイト11の上面の溝111に左右方向にスライド可能にロッド30を収容し、カウンタウエイト10の側方でロッド30を左右方向に引き操作することにより、ブラケット4の貫通孔42に支持ピン20を挿入するようにした。これによりカウンタウエイト10の内側に支持ピン20を挿入するための作業スペースを設ける必要がないので、カウンタウエイト10の重量減少を抑えることができ、カウンタウエイト10の大型化を防止できる。これに対し、カウンタウエイト10の内側から支持ピン20を挿入する場合は、例えば図11に示すようにカウンタウエイト10を左右に分割して作業スペースSPを確保する必要があり、その分カウンタウエイト10の重量が減少する。
【0027】
(2)カウンタウエイト10の上面に凹部113を設けるので、カウンタウエイト10の後方から凹部113に沿って手を挿入することで、油圧ホース6の着脱や油圧シリンダ5の揺動操作等を行うことができる。したがって、梯子などを使って機体の上部に登る必要がなく、簡単にかつ安全に作業を行うことができる。また、梯子の取付スペースが必要ないので、カウンタウエイト10に対し形状的制約が少なく、カウンタウエイト10の重量減少を抑制できる。これに対し、例えば図12に示すように機体フレーム3の後端部に梯子LDを取り付ける場合、梯子LDとカウンタウエイト10とが干渉しないように図11に示すようにカウンタウエイト10を左右に分割する必要があり、その分カウンタウエイト10の重量が損なわれる。
【0028】
(3)支持プレート16を貫通してロッド30を設け、ロッド30の押し操作により、左右の油圧シリンダ5の間の空間SP1(退避位置)に支持ピン20を移動するので、支持プレート16の左右外側に支持ピン20の退避スペースを設ける必要がなく、カウンタウエイト10の重量を増加できる。
(4)油圧シリンダ5の後面にハンドル53を設け、このハンドル位置に対応してカウンタウエイト上面に凹部113を形成するので、カウンタウエイト10の外側からハンドル53を操作して油圧シリンダ5を揺動するができる。そのため、油圧シリンダ5の傾きを容易に変更することができ、地上での操作により油圧シリンダ5の上端部を支持ブラケット45に係合することができ、カウンタウエイト10の取付作業が容易である。
【0029】
(5)ガイドピン43とガイド溝161およびガイドピン163とガイド溝41との係合により支持プレート16をブラケット4に位置決めするので、支持プレート16の貫通孔162とブラケット4の貫通孔42の位置を精度よく一致させることができる。その結果、貫通孔162,42を目視しなくても、支持ピン20を貫通孔162,42に容易に挿入できる。
(6)ロッド30を二重筒構造としてロッド30の長さを変更可能としたので、支持ピン20が図9(a)の貫通位置にあるときも、図9(c)の退避位置にあるときも、下段ウエイト11の側面の凹部112にレバー33を格納することができる。
【0030】
なお、上記実施の形態では、旋回体2に搭載した油圧ポンプからの圧油により油圧シリンダ5を駆動するようにしたが、外部の油圧源からの圧油により油圧シリンダ5を駆動してもよい。油圧シリンダ5を設けずに、補助クレーン等によりカウンタウエイト10を吊り上げて機体後端部に取り付けるようにしてもよい。ロッド30を下段ウエイト11の溝111に沿って直線形状としたが、一端がピン部材としての支持ピン20に連結されるとともに、他端がカウンタウエイト10の外側に突出して延設され、支持ピン20を貫通位置(第1の位置)と退避位置(第2の位置)の間で移動させるのであれば、ロッド部材としてのロッド30の形状は上述したものに限らず、例えばロッド30を途中で屈曲して形成してもよい。
【0031】
ロッド30をカウンタウエイト10の左右側面以外(例えば後面)から突出させてもよい。ロッド30を下段ウエイト上面の溝111に収容したが、例えばカウンタウエイト10に貫通孔を設けてロッド30を支持してもよく、下段ウエイト11の下面に沿ってロッド30を支持してもよい。支持ピン20を左右の油圧シリンダ5の間の空間SP1に退避させるようにしたが、他の位置に退避させてもよい。ピン部材としての支持ピン20の形状はいかなるものでもよく、貫通孔42,162以外にピン部材を挿入するようにしてもよい。
【0032】
機体フレーム3の後端部に設けたブラケット4にカウンタウエイト10の支持プレート16を取り付けるようにしたが、ウエイト支持部およびウエイト取付部の構成は上述したものに限らない。カウンタウエイト10の上面に凹部(切り欠き)113を形成するようにしたが、後方から油圧シリンダ5もしくはその周辺部品を操作可能なように形成されるのであれば、切り欠きの形状は上述したものに限らない。油圧シリンダ5の後面に把持部として把手53を設けたが、把持部の形状はいかなるものでもよい。ブラケット4と支持プレート16にガイド溝41,161(係合溝)およびガイドピン43,163(係合部材)を形成し、これら係合溝と係合部材との係合によりブラケット4に対し支持プレート16の位置決めするようにしたが、位置決め手段の構成はこれに限らない。
【0033】
以上の実施の形態では、クレーンにカウンタウエイト10を取り付ける例について説明したが、本発明によるカウンタウエイトの取付装置は他の建設機械にも適用することができる。すなわち、本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態のカウンタウエイトの取付装置に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施の形態に係る取付装置を用いてのカウンタウエイトの取付作業の一例を示す斜視図。
【図2】図1のカウンタウエイトを斜め前方から見た図。
【図3】図1のカウンタウエイトを後方から見た図。
【図4】本実施の形態に係るカウンタウエイトの取付装置を構成するロッドの断面図。
【図5】カウンタウエイトの取付作業の第1の手順を示す図。
【図6】カウンタウエイトの取付作業の第2の手順を示す図。
【図7】カウンタウエイトの取付作業の第3の手順を示す図。
【図8】カウンタウエイトの取付作業の第4の手順を示す図。
【図9】図4のロッドの動作を示す図。
【図10】カウンタウエイトの取付部を側方から見た図。
【図11】従来のカウンタウエイトの構成を示す図。
【図12】カウンタウエイト取付作業のために梯子を取り付けた例を示す図。
【符号の説明】
【0035】
4 ブラケット
41 ガイド溝
42 貫通孔
43 ガイドピン
5 油圧シリンダ
10 カウンタウエイト
16 支持プレート
161 ガイド溝
162 貫通孔
163 ガイドピン
20 支持ピン
30 ロッド
53 把手
113 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械の機体フレームの後端部に設けられたウエイト支持部と、
カウンタウエイトに設けられたウエイト取付部と、
前記ウエイト支持部に前記ウエイト取付部を取り付ける第1の位置、および前記ウエイト支持部から前記ウエイト取付部を取り外す第2の位置に移動可能なカウンタウエイト取付用のピン部材と、
一端が前記ピン部材に連結されるとともに、他端が前記カウンタウエイトの外側に突出して延設され、前記他端側での操作により前記ピン部材を前記第1の位置と前記第2の位置の間で移動するロッド部材とを備えることを特徴とするカウンタウエイトの取付装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカウンタウエイトの取付装置において、
前記カウンタウエイトには、カウンタウエイトと一体にカウンタウエイト昇降用の油圧シリンダが設けられ、
この油圧シリンダの後側に設けられた前記カウンタウエイトの上面には、後方から前記油圧シリンダもしくはその周辺部品を操作可能なように切り欠きが設けられることを特徴とするカウンタウエイトの取付装置。
【請求項3】
請求項2に記載のカウンタウエイトの取付装置において、
前記油圧シリンダは、前記機体フレームの幅方向に並設された一対の油圧シリンダであり、
前記ピン部材は、前記一対の油圧シリンダの間の空隙に移動可能であることを特徴とするカウンタウエイトの取付装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載のカウンタウエイトの取付装置において、
前記油圧シリンダは、前記カウンタウエイトに前後方向に揺動可能に支持され、
前記切り欠きの奥方の前記油圧シリンダの後面には、前記油圧シリンダを操作するための把持部が設けられることを特徴とするカウンタウエイトの取付装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のカウンタウエイトの取付装置において、
前記ウエイト支持部および前記ウエイト取付部にそれぞれ設けられた係合溝と係合部材との係合により、前記ウエイト支持部に対する前記ウエイト取付部の位置を規定する位置決め手段をさらに備えることを特徴とするカウンタウエイトの取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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