説明

カッター刃ホルダ

【課題】スライダをケースから抜き出すことでカッター刃を一定の長さケース外に抜き出すことができ、その際に、スライダの移動限を確実に規制することのできるようにすること。
【解決手段】ベース部12及びカバー部13からなるケース15と、このケース15内に配置されるとともに、当該ケース15の開口部18から出し入れ可能に設けられたスライダ20とを備えてカッター刃ホルダ10が構成されている。スライダ20は、カッター刃16を一枚受容する凹部83を備えており、この凹部83内に設けられた片状部85は、ベース部12の内面側に設けられた段部33に突き当たることで抜き出しが規制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカッター刃ホルダに係り、更に詳しくは、複数枚のカッター刃を収容した状態で、当該カッター刃を一枚ずつ取り出すことのできるカッター刃ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
公知のカッターナイフは、前後方向に延びる細長いケースと、このケース内で前後方向移動可能に設けられたスライダと、当該スライダに後端側が保持されてケース前端から出没可能に設けられたカッター刃とを備えて構成されている。このカッターナイフのカッター刃は、所定間隔毎に形成された切断用の溝に沿って切断することで刃先部を更新できる一方、新たなカッター刃に交換することも可能となっており、当該交換を行うために適合したカッター刃ホルダが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭58−31825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたカッター刃ホルダは、複数枚の替え刃を収容するケースと、このケースの前後方向に沿って移動可能なスライド部材と、このスライド部材に形成された移動爪とを備え、スライド部材を前後方向に移動させることで、移動爪が替え刃の後端側に押出力を付与して当該替え刃の前端側をケース前端から突出させるように構成されている。また、移動爪は、ケースの上面に設けられた溝内に位置するように設けられており、この溝の前端部に移動爪が突き当たることで、スライド部材の前方移動が規制できるようになっている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたカッター刃ホルダは、ケース内方に向かって移動爪がスライド部材の後部から突設された構成であるため、スライド部材を薄く形成することができない、という不都合がある。
また、スライダはカッター刃を受容するものではなく、単に、カッター刃に押出力を付与するためのものであることから、カッター刃をケース内に残したまま、スライダのみが移動して、いわゆる空送りを発生する場合もある。
更に、カッター刃の先端側部分をケース外に露出させたときに、当該露出部分を支持して安全性を確保する受け板部をケースに突設しなければならず、当該受け板部が破損し易くなるばかりでなく、カッター刃ホルダを収納する際に受け板部が邪魔になる、という不都合もある。
【0006】
[発明の目的]
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、スライダをケースから抜き出すことで、当該スライダにカッター刃が支持された状態で一定の長さケース外に抜き出すことができ、その際に、スライダの移動限を確実に規制することのできるストッパを備えたカッター刃ホルダを提供することにある。
また、本発明の目的は、カッター刃がケース内に残存している限り、カッター刃を確実にケース外に抜き出すことができるカッター刃ホルダを提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、カッター刃がスライダと共に抜き出されることで、カッター刃の露出部位をスライダに支持可能とし、カッター刃の露出部位を特別に支持する部材を省略することのできるカッター刃ホルダを提供することにある。
また、本発明の目的は、ケースをしっかり握り締めた状態であっても、スライダの移動操作が妨げられることのないカッター刃ホルダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、特許請求の範囲記載の構成を採用した。具体的には、ベース部と、このベース部に相対するカバー部とからなるケースと、前記カバー部との間にカッター刃の収容スペースを形成した状態で前記ケース内に配置されるとともに、当該ケースの開口部から出し入れ可能に設けられたスライダとを含み、
前記スライダは、カッター刃一枚を受容する凹部を備え、この凹部の面内と、前記ベース部との間に、カッター刃の抜き出し限を規制するストッパ機構が設けられる、という構成を採っている。
【0008】
本発明において、前記ストッパ機構は、前記凹部の面内に設けられるとともに前記ベース部の内面側に向かって傾斜姿勢に設けられた片状部と、前記ベース部の内面側に設けられて前記片状部に係り合う段部とにより構成することができる。
【0009】
また、前記片状部は、一端が自由端となる片持ち姿勢に設けられ、その自由端は基端よりも前記開口部側に位置する、という構成を採っている。
【0010】
更に、前記ベース部の面内には、前記片状部の傾斜姿勢を解除して前記段部との係り合いを解除操作する操作穴が設けられる、という構成を採っている。
【0011】
また、前記スライダは、前記カッター刃を前記開口部から所定長さ抜き出した状態で、当該抜き出されたカッター刃の面から離れる方向に折り曲げ可能に設けられている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スライダがカッター刃を受容する凹部を備えているため、スライダをケースから抜き出すだけで、当該スライダにカッター刃が支持された状態で抜き出すことができる。また、凹部の面内とベース部との間にストッパ機構を設けているので、スライダの厚みを抑制した状態で当該スライダを形成することができ、ひいては、カッター刃ホルダ全体の厚み抑制を図ることができる。更に、スライダはケース内に出し入れ可能に設けられているので、ケースをしっかり握っても、スライダの移動が妨げられることがない。
【0013】
また、ストッパ機構は凹部の面内に設けられた傾斜姿勢の片状部と、これに係り合う段部とにより構成されているので、部材の形状を変更する簡易な構造によってストッパ機構が形成可能となる。この際、片状部が片持ち姿勢であって自由端が基端よりも開口部側に位置する構成であれば、その自由端よりも開口部側に段部を形成することで、スライダの抜き出しを完全に阻止することが可能となる。
【0014】
更に、前記ベース部の面内に操作穴を設けた構成では、この操作穴よりピン等を差し込んで、片状部と段部との係り合わせを解除でき、スライダをケースから抜き出すことができる。このように、ピン等を差し込む方向と、スライダを抜き出す方向とは異なる関係にあることから、子供のいたずらによってスライダが完全に抜き出されてしまうといった危険性を極力低減することができる。
【0015】
また、前記スライダが抜き出されたカッター刃の面から離れる方向に折り曲げ可能に設けられているため、抜き出したカッター刃部分を保持する特別の部材を設ける必要を回避することができ、ケースの外形をシンプルなものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】折り刃ケースを一体に備えたカッター刃ホルダの概略斜視図。
【図2】(A)は図1のA−A線矢視断面図、(B)は同B−B線矢視断面図。
【図3】(A)はベース部の正面図、(B)はその背面図。
【図4】(A)は図3(A)のD−D線矢視断面図、(B)は同C−C線矢視断面図。
【図5】(A)は図3(A)の右側面図、(B)は同E−E線矢視断面図。
【図6】(A)はスライダの正面図、(B)は同背面図。
【図7】(A)は図6(A)の右側面図、(B)は同F−F線矢視断面図。
【図8】(A)はカバー部の正面図、(B)は同背面図。
【図9】(A)は図8(A)のG−G線矢視断面図、(B)は同右側面図。
【図10】(A)はカバー部の平面図、(B)は図8(B)のI−I線矢視断面図。
【図11】(A)は図9(B)のJ−J線矢視断面図、(B)は図8(A)のH−H線矢視断面図。
【図12】(A)〜(C)はカッター刃を抜き出す動作説明図。
【図13】(A)カッター刃を切断する直前の作用説明図、(B)はカッター刃を切断した直後の作用説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、特に明記しない限り、「上下」は、図1を基準として用いるものとする。従って、図2及び図12に関しては、右側が「上」となり、左側が「下」となる。
【0018】
図1及び図2において、折り刃ケース11を一体に備えたカッター刃ホルダ10は、ベース部12と、このベース部12に相対する位置で当該ベース部12に組み合わされるカバー部13とからなる扁平なケース15と、カバー部13との間に交換用のカッター刃16の収容空間(スペース)S1を形成した状態でケース15内に配置されるとともに、当該ケース15の開口部18から出し入れ可能に設けられたスライダ20と、前記ケース15内の前記収容空間S1とは区分された折り刃収容空間S2と外部とを連通させるとともに、カッター刃16を先端側から差し込んで当該カッター刃16を折り曲げる方向に力を付与して切断することのできるスリット22と、当該スリット22の近傍に設けられてカッター刃16の折り曲げ方向を一方向に規制する規制手段24とを備えて構成されている。

【0019】
前記ベース部12は、図3〜図5にも示されるように、長方形に近似した形状に設けられた平坦なベース面部26と、当該ベース面部26の図3(A)中上端側を除く外周に設けられた左右の側壁部27及び底壁部28と、ベース面部26の短寸幅方向中央部に設けられるとともに、前記カバー部13を組み合わせたときに、前記収容空間S1と折り刃収容空間S2とを区分するための仕切部29とを備えて構成されている。ベース面部26と側壁部27との連設位置において、ベース面部26にはカバー部13を嵌合して組み合わせるための角穴31が複数形成されている。また、収容空間S1側のベース面部26は、その内面側中央部に縦長の凹状部32を形成することで、ベース面部26の内面と段差を生じさせてストッパ機構としての段部33が設けられている。凹状部32の上部側には、ストッパ機構を解除するための操作穴35が形成されている。
なお、収容空間S1側のベース面部26の上端側は円弧状端縁38とされているとともに、折り刃収容空間S2側のベース面部26の上端側は、図3(A)中右側の側壁部27に向かって次第に高さが減じられた傾斜縁39とされている。
【0020】
前記カバー部13は、図8ないし図11に示されるように、前記ベース部12に相対して当該ベース部12に組み合わされるもので、長方形に近似した形状に設けられた平坦なカバー本体面42と、このカバー本体面42の内面側(図8(B)中手前側)の面に設けられた左右のカバー側壁43と、これらカバー側壁43の底部間を連結するカバー底壁45と、前記仕切部29に突き合って前記収容空間S1、S2を形成する隆起リブ46と、収容空間S2の上端部に設けられたカッター刃の折り具50とを備えて構成されている。
【0021】
前記カバー側壁43及びカバー底壁45は、前記ベース部12の側壁部27、底壁部28の肉厚に対応した分だけ、カバー本体面42の外周より内側に位置して設けられており、カバー側壁43には、ベース部12に設けられた角穴31にそれぞれ嵌合する爪部52が設けられている。
【0022】
前記収容空間S1側を形成するカバー本体面42において、その内面側の上部には、カッター刃16の一端寄りに形成される穴16A(図2参照)に挿入される凸部54が形成されているとともに、当該凸部54よりも上部側に、スライダ20に係り合う凹み部55が形成されている。また、底部側には、カッター刃16の先端傾斜角度に対応する端縁を備えたリブ状のカッター受け57が形成され、上端側は凹状部58として形成されている。なお、前記凸部54は、スライダ20の後述する凹部83に収まってスライダ20と共に抜き出される一枚のカッター刃16の通過を許容する高さに設定されている。
【0023】
前記折り具50は、前記カバー本体面42における折り刃収容空間S2側の上部に設けられている。この折り具50は、カバー本体面42の内面側に設けられるとともに図8(B)中左側が低くなる方向に傾斜した傾斜ブロック60と、この傾斜ブロック60を上下に貫通するスリット62と、当該スリット62の近傍位置において、前記カッター刃16の折り曲げ方向を一方向に規制する規制手段としての突部材64と、スリット62の上部を閉塞する蓋片66とにより構成されている。
【0024】
前記スリット62は、傾斜ブロック60の外周上端より幾分下方に位置する傾斜面67の面内に形成されており、スリット62の中央部は円形穴70として形成されている。傾斜面67の傾斜角度は、カッター刃16を鉛直向きとしてスリット62に差し込んだときに、当該カッター刃16の片面に所定間隔毎に形成された切断用の溝G(図13参照)の傾斜角度に対応する。
【0025】
また、突部材64は、傾斜ブロック60から上方に立ち上がる片状をなし、カッター刃16をスリット62に差し込んだときに、カッター刃16の切断用の溝Gが形成されている側に相対位置するように設けられている。すなわち、図9(B)に示されるように、前記傾斜面67の低い方を手前側とし、高い方を奥行き側として見たときに、その左側に突部材64が位置するように設けられている。カッター刃16は、その先端が傾斜した形状に設けられており、その傾斜角度と平行に切断用の溝Gが形成されていることが周知となっている。カッター刃16をスリット62の傾斜に合わせて当該スリット62に差し込む場合、カッター刃16の尖っている先端がスリット62の低い方に位置するように差し込まれることとなり、このとき、切断用の溝Gは左側に位置することとなる。従って、切断を行うために折り曲げるためには、カッターの本体を持つ手を右側に移動させることが正しい折り曲げ方向となる。そのため、図9(B)に示されるように、スリット62に対して、左側に突部材64が位置していれば、カッターC(図13参照)を左側に倒伏させる動きが阻止されることになるため、ユーザーは、常に正しい方向である右側に倒すように折り曲げることができる。
【0026】
前記蓋片66は、基部が傾斜ブロック60の上部にヒンジ結合しており、先端が自由端となって回転可能に設けられている。自由端側には、蓋片66を閉塞位置としたときに、当該閉塞位置を維持するように傾斜ブロック60の側端に形成された凹部73に嵌合する爪片74と、閉塞位置から蓋片66を開放位置に操作するときの操作部となる指掛け部76とが形成されている。
【0027】
前記スライダ20は、図6及び図7に示されるように、前記収容空間S1内に位置する長片状のスライダ本体80と、このスライダ本体80の長手方向一端側に設けられた摘み操作部81とを含む。スライダ本体80は、カッター刃16を一枚受容することのできる深さの凹部83を備えており、この凹部83の面内における底部側にはストッパ機構を構成する片状部85が設けられている。片状部85は凹部83の面内に下向きU字状の切欠部87を形成することによって一端が自由端となる片持ち姿勢に設けられ、これにより、自由端85Aは基端85Bよりもケース15の開口部18側に位置するようになっている。この片状部85は、ケース15内に位置したときに、自由端85Aが前記ベース部12の内面側に向かって傾斜した姿勢を初期位置とするように形成されている。従って、スライダ20は、片状部85がベース部12に設けられた凹状部32に接しつつ自由端85Aが凹状部32の上端に位置する段部33に突き当たる位置まで移動可能となっている。
【0028】
前記スライダ本体80は、長手方向中央より摘み操作部81寄りに薄肉部88を備えており、当該薄肉部88を回転中心として折り曲げ可能に設けられ、これにより、スライダをケース15の開口部18から抜き出した状態で、前記凹部83内に位置するカッター刃16の面から離れる方向に折り曲げ可能となり、抜き出されたカッター刃16の部分を、例えば、指先で挟んで抜き出しできたり、図示しないカッターナイフに備わるカッター刃保持部品で、抜き出されたカッター刃16の一部分を挟持できるようになっている。
【0029】
前記摘み操作部81は、スライダ本体80の上端に連なる内側上壁90と、この内側上壁90の前端に連設された操作片部91と、この操作片部91の上端に連なって内側上壁90の外側に位置する外側上壁92と、当該外側上壁92に連設されるとともに、前記収容空間S1内にスライダ20を差し込んだ状態でベース部12の円弧状端縁38に突き当たるリブ構造の円弧状部93とを含む。操作片部91の先端(図7中下端)には、当該操作片部91の面に対して段落ちしたフック片95が形成され、当該フック片95は、カバー部13の上部内面側に形成された凹み部55に係り合い可能に設けられている。
【0030】
次に本実施形態におけるカッター刃ホルダ10の使用方法及びカッター刃16の切断要領について、図12及び図13をも参照しながら説明する。
【0031】
カッター刃16をケース15から抜き出す場合には、図2(A)に示されるように、カバー部13が上面側となるように、カッター刃ホルダ10全体を横向きとする。この状態で、複数枚積層されているカッター刃16のうち、最下位に位置する一枚のカッター刃16は、その一端側に設けられた穴16Aが凸部54から抜け出し、スライダ20の凹部83に落ち込む状態となる。
【0032】
スライダ20における摘み操作部81の操作片部91を押圧操作することにより、フック片95が撓み、対応する凹み部55との係り合いを解除する。そして、図12に示されるように、摘み操作部91に右側への力を付与することで、スライダ20が開口部18から抜き出される。この抜き出しは、スライダ20の片状部85の自由端85Aが凹状部32によって形成された段部33に突き当たる位置まで行われる。
【0033】
このようにしてスライダが抜き出し限まで抜き出されると、凹部83の上部領域(図12中右側領域)が表出する。この状態で、摘み操作部81を同図中下方に回転させて折り曲げることで、カッター刃16の一端側は、スライダ本体80による支持が解除され、カッター刃16の刃縁に触れることなく、カッター刃ホルダ10より一枚のカッター刃16を完全に抜き出すことができる。
【0034】
カッター刃16の抜き出しを完了した後、スライダ20を収容空間S内に差し込むことにより、次のカッター刃16がスライダ20の凹部83内に収まり、次の抜き出しに備えることができる。なお、スライダ20を完全に抜き出す場合には、当該スライダ20を抜き出し方向の移動限まで抜き出しておき、前記操作穴35から図示しないピンを差し込んで片状部85の自由端側を押圧し、その状態で段部33を乗り越えさせればよい。
【0035】
図13に示されるように、カッターCに保持されたカッター刃16の先端側を折って刃の更新を行う場合には、カッター刃16が下方位置となるようにカッターCを鉛直姿勢とし、カッター刃16を折り具50のスリット62に差し込む。この際、スリット62はカッター刃16の溝Gの傾斜向きと同じ傾斜となっていることから、その傾斜に対応するようにカッター刃16をスリット62に差し込むことで、溝Gは、突部材64側に必ず向くことになる。
【0036】
従って、図13(A)に示されるように、カッターCを左側に傾けようとしても、突部材64がその傾きを阻止するように作用するため、ユーザーは、右側に傾けることとなる。そして、一定角度以上傾けたときに、カッター刃16は、溝Gに沿って正確且つ綺麗に切断され、これによって生じた刃片16Aは、折り刃収容空間S2内に落下して集積される(図2(B)参照)。
なお、カッター刃16の切断を行わない場合には、蓋片66を閉塞位置としておけば足りる。
【0037】
従って、このような実施形態によれば、スライダをケース15から抜き出すだけで、カッター刃16がスライダ20に支持された状態で抜き出すことができる。また、スライダ20の面を利用した片状部85と、ベース部12の内面側に設けた段部33とによりストッパ機構を設けているので、スライダ20の厚みを薄くでき、カッター刃ホルダ10全体を薄型化することができる。
しかも、一枚のカッター刃16を抜き出すときに、スライダ本体80がカッター刃16を支持した状態を保つため、刃縁が手指に触れることなく一定長さの抜き出しができ、安全性も高いものとなる。
【0038】
また、折り刃ケース11は、スリット62の近傍となる側方に突部材64を設けているため、当該突部材64によってカッター刃16の折り曲げ方向が一方向に規制でき、切断用の溝Gに沿ってカッター刃16を折るときの方向を常に正しい方向に保って切断を行うことができ、誤った方向に折り曲げたときに生じ得る細かな金属片の飛散を防止することができる。
【0039】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、材料、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材料などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0040】
例えば、前記実施形態におけるカッター刃ホルダ10は、折り刃ケース11を一体に備えた構成を図示、説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、折り刃ケース11側を省略してもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 カッター刃ホルダ
11 折り刃ケース
12 ベース部
13 カバー部
15 ケース
15 カッター刃
18 開口部
20 スライダ
33 段部(ストッパ機構)
35 操作穴
62 スリット
64 突部材(規制手段)
83 凹部
85 片状部(ストッパ機構)
85A 自由端
85B 基端
G 溝
S1 収容空間
S2 折り刃収容空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、このベース部に相対するカバー部とからなるケースと、前記カバー部との間にカッター刃の収容スペースを形成した状態で前記ケース内に配置されるとともに、当該ケースの開口部から出し入れ可能に設けられたスライダとを含み、
前記スライダは、カッター刃一枚を受容する凹部を備え、この凹部の面内と、前記ベース部との間に、カッター刃の抜き出し限を規制するストッパ機構が設けられていることを特徴とするカッター刃ホルダ。
【請求項2】
前記ストッパ機構は、前記凹部の面内に設けられるとともに前記ベース部の内面側に向かって傾斜姿勢に設けられた片状部と、前記ベース部の内面側に設けられて前記片状部に係り合う段部とにより構成されていることを特徴とする請求項1記載のカッター刃ホルダ。
【請求項3】
前記片状部は、一端が自由端となる片持ち姿勢に設けられ、その自由端は基端よりも前記開口部側に位置することを特徴とする請求項2記載のカッター刃ホルダ。
【請求項4】
前記ベース部の面内には、前記片状部の傾斜姿勢を解除して前記段部との係り合いを解除操作する操作穴が設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載のカッター刃ホルダ。
【請求項5】
前記スライダは、前記カッター刃を前記開口部から所定長さ抜き出した状態で、当該抜き出されたカッター刃の面から離れる方向に折り曲げ可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のカッター刃ホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−66000(P2012−66000A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215358(P2010−215358)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】