説明

カップホルダー

【課題】 全体の大きさや重量増を抑えて容器を常にがたつたきなく保持したり、容器挿入や引き抜き時に不要な負荷を受けないようにする。
【解決手段】ケース1と、ケース1に対し前後方向へ摺動して引出位置と格納位置に切り換えられるスライダー2と、スライダー2に対し回動可能に取り付けられて、載置部25の上下方向に配置される非使用位置と載置部上から外へはみ出して略水平に展開される使用位置に切り換えられるホルダー3とを備え、容器等を、ホルダー3の内側に挿入し載置部25で受けるカップホルダーにおいて、ホルダー3は、軸部6を介してホルダー内側へ回動可能に取り付けられている押さえ片4、及び操作部材5を有し、押さえ片4が操作部材5の操作により軸部6を支点としてホルダー内側にあって任意の角度に回動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車,電車,船舶等の室内に装備されるカップホルダーのうち、特にケースに対して前後方向へ摺動される引出式のカップホルダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
引出式のカップホルダーは、自動車等の室内壁に埋込式に設置されて、乗員が必要時に引き出して容器等を挿入保持するもので、不使用時に格納されるため室内空間の有効活用や外観的に優れている。具体的には、例えば、特開2002−154366号等に示されているように、ケースと、載置部を有して、ケースに対して前後方向へ摺動して引出位置と格納位置に切り換えられるスライダーと、スライダーに対して回動可能に取り付けられて、載置部の上下方向に配置される非使用位置と載置部上から外へはみ出して略水平に展開される使用位置に切り換えられる周囲拘束用のホルダーとを備えている。そして、容器を、使用位置に切り換えられたホルダーの内側に上から挿入し前記載置部で受ける構成である。
【0003】
以上のようなホルダーは、容器を上から挿入して容器の周囲を拘束するものであり、設計上は想定される容器のうち、最も大きな容器外径に対応して形成され、各種の容器に兼用できるよう処理される。このため、使用時には、容器外径が小さくなるほど、ホルダー内でがたつき易くなる。なお、そのような従来対策としては、タイプが異なるが、例えば、特許文献1や2に開示されているものがある。特許文献1の構造は、ホルダーがインナ及びアウタの二重に構成され、アウタには内周面に複数の突起が設けられる一方、インナには揺動可能な複数のフラップ及びカムが設けられている。そして、容器外径が小さいときは、インナをアウタに対して回転すると、前記フラップが前記突起に接触されるカムを介して内径へ大きく突出して容器周囲をがたつきなく保持可能となる。特許文献2の構造はホルダーに取り付けられた弾性部材からなる。この弾性部材は、取付側の板ばね及び容器に当接する当接部材にて構成されており、当接部材がホルダーの内側に突出し、ホルダーの内面と当接部材との間に挿入される容器の外径寸法がホルダーの内面と当接部材との間の間隔寸法よりも大きい場合に、前記板ばねを撓わませて下方へ傾いて逃げる構成である。
【0004】
【特許文献1】特開平10−129327号公報
【特許文献2】特開平9−169235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した各構造は、周囲拘束用のホルダーがスライダーに対して回動可能に取り付けられて、載置部の上下方向に配置される非使用位置と載置部上から外へはみ出して略水平に展開される使用位置とに切り換えられるタイプだと、次のような点から採用し難い。すなわち、特許文献1の構造では、仮にホルダーに適用できたとしても、例えば、全体が重くかつ大きくなる。特許文献2の構造では、例えば、弾性部材が容器外径に比例して下方へ撓む関係で、容器挿入や引き抜き時の負荷が容器の外径により異なると共に、外径の大きな容器になると負荷も増大して使い勝手を良好に維持し難い。そこで、本発明の目的は、上述したような課題を簡易な構成により解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明は、ケースと、載置部を有して、前記ケースに対し前後方向へ摺動して引出位置と格納位置に切り換えられるスライダーと、前記スライダーに対し回動可能に取り付けられて、前記載置部の上下方向に配置される非使用位置と載置部上から外へはみ出して略水平に展開される使用位置に切り換えられる周囲拘束用のホルダーとを備え、容器等を、使用位置に切り換えられた前記ホルダーの内側に上から挿入し前記載置部で受けるカップホルダーにおいて、前記ホルダーは、基端側の軸部を介してホルダー内側へ回動可能に付設されている押さえ片、及び該押さえ片を回動する操作部材を有し、前記押さえ片が前記操作部材の操作により前記軸部を支点としてホルダー内側にあって任意の角度に回動されることを特徴としている。
【0007】
以上のカップホルダーにおいて、使用者は、例えば、保持対象の容器外径に応じ操作部材を操作して押さえ片の回動角度を調整すると、ホルダー内面又はそれに相当する内面と押さえ片との間の間隔が当該容器に合致した最適な寸法となる。工夫点は、特に、スライダーが引出式でかつホルダーが反転式(載置部の上下方向に配置される非使用位置と載置部上から外へはみ出して略水平に展開される使用位置に回動切り換えられるタイプ)でも、回動式の押さえ片及び操作部材をホルダー側へ付設するだけで、全体の大きさや重量増を抑えて、又、容器挿入や引き抜き時に不要な負荷を受けないよう、実施可能にしたことにある。
【0008】
以上の構造において、前記押さえ片は前記ホルダーに設けられた収容部に配置可能になっていると共に、付勢部材により前記収容部側へ常に付勢されていること(請求項2)、前記押さえ片は片長手方向に沿ってかつ略等間隔に設けられた複数の凹部を有し、前記操作部材の対応部が前記凹部と係脱自在に嵌合すること(請求項3)、前記スライダーは回動可能に取り付けられて、前記格納位置で前記載置部上に起立され、前記引出位置に摺動されるときに連動して前記載置部上に倒れて載置部外側に張り出す下展開部材を有していること(請求項4)が好ましい。
【発明の効果】
【0009】
以上の本発明は次のような効果を有している。
・請求項1の発明では、簡易な構成により、小型軽量を極力維持しながら、容器外径が異なっても押さえ片の回動角度を操作部材で調整することで、常に容器を安定保持でき、しかも容器挿入や引き出し時に負荷を受けないようにして使い勝手を向上する。
・請求項2の発明では、押さえ片がホルダーの収容部に配置されることで外観特性を維持でき、又、押さえ片が付勢部材により付勢されることで不使用時の遊びを吸収したり、操作部材を初期位置に摺動したときに押さえ片も自動的に収容部に配置されるようにして使い勝手を向上する。
・請求項3の発明では、押さえ片が操作部材を介して調整されるとき、操作部材の対応部が押さえ片側の複数の凹部に順に嵌合−嵌合解除してクリック感を得られるようにしたり、押さえ片が調整後に不用意に回動されないようにする。
・請求項4の発明では、スライダーや載置部の幅を小さくしても、下展開部材により載置部の面積を拡大できるため、保持特性を向上して、例えば、容器以外にも携帯電話等の携帯機器類も安定載置できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の形態例について図面を参考しながら説明する。図1〜図6のカップホルダーは基本形態を示し、図4中、符号Cの箇所と、図7及び図8に二つの変形例を示している。以下の説明では、構造、要部作動、変形例の順で詳述する。
【0011】
(構造)図1〜図6のカップホルダーは、同じ構成の二組からなり、設置部に取り付けられる各ケース1と、各ケース1に対し前後方向へ摺動して格納位置と引出位置とにそれぞれ切り換えられるスライダー2と、スライダー2に設けられて容器S1,S2の底面を受け止める載置部25と、スライダー2に取り付けられている反転式の周囲拘束用のホルダー3と、ホルダー3に対し軸部6を介してホルダー内側へ回動可能に取り付けられている押さえ片4(又は4A)と、ホルダー3に対して摺動可能に組み付けられている操作部材5とを備えている。なお、この例では、対のカップホルダーが左右に配置される例であるが、単一構成であってもよい。また、このカップホルダーは、自動車の前席前方に位置するインストルメントパネルに設置する設計であるが、例えば、室内壁や各種のコンソール等に設置することも可能である。
【0012】
各ケース1は、本体10が前開口した中空容器であり、高さよりも左右幅を小さく、縦長の略長方体となっている。本体の前側はフランジ部11で縁取りされている。本体10の内部にはスライダー2の摺動を案内する複数のガイド溝が設けられている。この例では、前後方向に延びる上ガイド溝12及び下ガイド溝13が左右に対向して設けられていると共に、下面にあって左右中間位置にも前後方向に延びるガイド溝14が設けられている。そして、このケース1は、図2に示されるように、パネルPに対し本体10を埋設しかつフランジ部11を当接した状態に設置される。
【0013】
スライダー2は、ケース1に対し前後方向へ摺動可能に組み付けられて、前方へ摺動した引出位置と後方へ摺動した格納位置とに切り換えられる。なお、図面上は簡略化しているが、実際にはスライダー2がケース1に対し手動にて前後方向に所定距離だけ摺動される構成以外に、付勢手段及び係止手段を有して、スライダー2が格納位置で係止手段を介して付勢手段の付勢力に抗して係止され、前記係止を解除すると、付勢手段の付勢力により自動的に引出位置に摺動切り換えられるよう構成される(特開2001−310674号等を参照)こともある。
【0014】
また、スライダー2は、概略断面エ字形をなし、縦壁20と、縦壁20の上側に位置して両側に張り出して前記上ガイド溝12に嵌合する上突出部21と、縦壁20の下側に位置して両側に張り出して前記下ガイド溝13に嵌合する下突出部22と、縦壁20及び上下突出部21,22の前端面を覆っている化粧板23と、下面から突出されて前記ガイド溝14に嵌合する突出部24と、前後中間より少し前側に設けられた載置部25と、載置部25に対応して設けられてホルダー3を回動可能に支持する前・後保持部26,27とを有している。このうち、載置部25は、上突出部21を形成している上板から縦壁20の対応部を半円柱状に切り欠し、下突出部22を形成している下板を露出した構成である。符号21aは上突出部21を形成している上板を切り欠した部分、符号20aは縦壁20に切り欠した部分である。前・後保持部26,27は、図3(a)に示されるように、部分20aの前後に対向して設けられている。前保持部26は、載置部25の前側から立ち上がった面に対しテーパー面を介し更に前側に逃げている部分である。後保持部27は、載置部25の後側から立ち上がった面に対しテーパー面を介し更に後側に位置し、かつ、上突出部21を形成している上板との間に略水平の空間部として形成されている。
【0015】
以上のスライダー2には、ホルダー3が枢軸28,29などを介して回動可能に取り付けられている。このホルダー3は、支持軸部30及び支持軸部30の先端側に連結されている円弧部31からなる。支持軸部30は、後保持部27の空間部に反転可能に配置される。円弧部31は、部分21aとほぼ同様な円弧状をなし、ホルダー使用位置で、部分21aと共に概略真円の周囲保持枠を形成する。また、円弧部31には、小円弧状のスリット32が前後部を除いた箇所に設けられ、押さえ片4が該スリット32内に収容可能かつ径方向に回動可能に配置され、又、操作部材5が押さえ片4を回動操作可能に付設されている。
【0016】
ここで、スリット32は、図3に示されるように、ホルダー使用位置で円弧部31の肉厚中間部を水平方向に貫通しており、内側が幅広の溝部32aで、外側が幅細の溝部32bとなっている。また、円弧部31の後端側には、図4に示されるように、取付孔33が支持軸部30を軸方向に貫通した状態に設けられている。円弧部31の前端側には、取付孔34が取付孔33と同軸線上で対応部を前後に貫通した状態に設けられている。また、円弧部31の前端側には、軸孔35が取付孔34よりもスリット32側に位置し、かつホルダー使用位置で上下に貫通形成されている。
【0017】
そして、以上のホルダー3は、支持軸部30が後保持部27の後内端面に対し軸部29を介して回動可能に軸支され、円弧部31の先端側が前保持部26の前内端面に対し軸部28を介して回動可能に軸支されている。このため、ホルダー3は、後側の軸部29及び前側の軸部28を支点として載置部25の上下方向に配置される非使用位置と、載置部25上から外へはみ出して略水平に展開される使用位置とに切り換えられる。なお、ホルダー3の枢支構造は、この例を参考にして適宜に変更可能なものである。
【0018】
前記押さえ片4は、溝部32aに収まる本体部4a及び本体部4aの背面に突出されて溝部32bに収まる薄肉状押部分4bを一体に形成しており、全体がスリット32内に収容可能となっている。また、前端は筒形のボス部4cに形成されている。そして、以上の押さえ片4は、図4に示されるように、ホルダー側円弧部31の内側からスリット32内に配置された状態で、軸部6を軸孔35の上側、ボス部4bの孔、軸孔35の下側に挿通した後、止め輪6a等により抜け止めされることにより回動可能に取り付けられる。この場合、軸部6にはコイル形のスプリング7が軸装される。スプリング7は、一端が円弧部31の対応部に係止され、他端が付勢力を発現しながら押さえ片4の対応部に係止されることで、押さえ片4をスリット32内に収容される方向へ付勢している。
【0019】
これに対し、操作部材5は、溝部32bに摺動自在に嵌合する中間部5aと、中間部5aの両側に張り出して溝部32bの内外面を両側より挟み込む内壁5b及び外壁5cと、内壁5bの前側をボス状に形成した当接部5dとからなり、円弧部31に対し例えば溝部32bを弾性的に押し広げた状態にして、内壁5bを溝部32bから溝部32aに挿通させることで溝部32bに沿って摺動自在に組み込まれる。そして、この操作部材5は、支持軸部30側へ摺動位置した状態において、押さえ片4がスリット32内に完全に収容可能となる。また、図5に示されるように支持軸部30側から軸部6側へ摺動するとき、当接部5dで押部分4bを押圧し、該押圧力により押さえ片4が軸部6を支点として内側へ回動される。
【0020】
(作動)以上のカップホルダーでは、スライダー2がケース1から引き出された引出位置において、ホルダー3及び押さえ片4が図6に示されるような態様に切り換えられる。
ア)図6(a)はホルダー3が載置部25の上下方向に配置されている非使用位置を示している。ホルダー3は、スライダー2を引出位置から格納位置に切り換えるとき、図6(b)の使用位置から円弧部31を下向きに押圧することで非使用位置に切り換えられる。逆に、ホルダー3は、スライダー2を引出位置から格納位置に摺動切り換えるとき、図6(a)の非使用位置から円弧部31を上向きに押圧することで、後側軸部29及び前側軸部28を支点として載置部25上から外へはみ出して略水平に展開される使用位置に切り換えられる。図1及び図2の容器S1は、そのホルダー3の使用位置において、部分21aと円弧部31とで区画された概略真円内に挿入され、載置部25に受け止められている。
【0021】
イ)図6(c)はホルダーの使用位置において、押さえ片4を円弧部31の内側へ回動した状態を示している。つまり、この押さえ片4は、図6(b)に示されるようにスリット32内に収まっている収容状態から、操作部材5の摺動操作により、スプリング7の付勢力に抗し、軸部6を支点としてホルダー内側にあって、該操作部材5の摺動量とほぼ比例した角度に回動される。つまり、押さえ片4は、操作部材5を軸部6側へ摺動するほど先端(自由端)側がスリット32から離れる内方向へ回動され、部分21aとの間の容器保持空間ないしは容器挿入空間を狭める。図1及び図2の容器S2は、押さえ片4をホルダー内側へ最大まで回動した状態で、押さえ片4と部分21aとの間の容器保持ないしは容器挿入空間に挿入され、載置部25に受け止められている。このため、この構造では、押さえ片4を容器外径に応じて回動しておくことにより、当該容器をがたつきなく、かつ従来のような負荷を受けることなく差し込んだり引き抜くことができる。
【0022】
(変形例1)図4中、符号Cの箇所には前記押さえ片を変更した例を示している。この押さえ片4Aは、溝部32aに収まる本体部4aと、本体部4aの背面に突出されて溝部32bに収まる薄肉状押部分4bと、押部分4bの長手方向に沿ってかつ略等間隔に設けられた複数の凹部4dを有している。各凹部4dは、操作部材5の当接部5dが係脱自在に嵌合するよう形成されており、押さえ片4が操作部材5を介して角度調整されるとき、操作部材5の当接部5dが複数の凹部4dに順に嵌合−嵌合解除してクリック感を付与したり、押さえ片4が調整後に不用意に回動されないよう簡単に規制可能にする。
【0023】
(変形例2)図7及び図8は載置部を拡大する下展開部材を付設した一例を示している。この説明では、上記形態と同じ部材及び部位に同じ符号を付して、変更点だけを詳述する。このカップホルダーにおいて、スライダー2は、載置部25の真上が上突出部21を形成している上板から縦壁20の対応部を矩形柱状に切り欠し、下突出部22を形成している下板を露出した構成である。符号21bは、その上突出部21を形成している上板から縦壁20を切り欠した部分である。そして、載置部25の奥側には、下展開部材8が下両側の軸8aを介して回動可能に取り付けられている。下展開部材8は、軸8aを支点として部分21bに沿って配置される起立位置と、載置部25上に転倒される展開位置とに揺動部材9を介して自動的に回動切り換えられる。
【0024】
すなわち、揺動部材9は、先端上面にカム部9bを有し、図8に示されるように、縦壁20の下面から上向きに設けられた空洞部に配置され、かつ、上下略中間が軸9aで枢支されている。そして、下展開部材8は、スライダー2が図8(b)に示すようにケース1内にある程度入れられると、先端側がケース1内の対応する当接面15から上向きの負荷を受け、軸9aを支点として反時計回りに回動される。すると、カム部9bは、載置部25の対応する孔から大きく突出して、下展開部材8の対応部に設けられた突起8bに当たりながら下展開部材8を起立方向に強制的に回動させる。図7(a)、図8(b)及び(c)は下展開部材8がそのようにして起立された状態を示している。また、下展開部材8は、スライダー2が図8(a)に示すようにケース1内からある程度引き出されると、先端側がケース側当接面15より低くなっている逃げ面16に達したときに、軸9aを支点として時計回りに回動される。すると、カム部9bは、載置部25の対応する孔から退避して、下展開部材8から離れる。その結果、下展開部材8は図7(b)、図8(a)に示されるように載置部25上に倒れて転倒状態となる。転倒状態では、載置部25上に倒れた下展開部材8が載置部として機能し、実質的に面積を拡大した状態となる。このため、この構造では、スライダー2や載置部25の幅を小さくしても、下展開部材8により載置部25の面積を拡大できるため、保持特性を向上できるようにする。
【0025】
以上の形態及び変形例は本発明を何ら制約するものではない。本発明は、請求項1の要件を除いて種々変形可能なものである。その一例としては、本発明のホルダーは特開2002−154366号等に示されているような対の枠半体で構成されるタイプでも差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明形態のカップホルダーを模式的に示す概略分解図である。
【図2】図1のカップホルダーをスライダーの引出位置で上と正面から見た図である。
【図3】(a)と(b)は図2のA−A線とB−B線で断面した断面図である。
【図4】上記ホルダーと押さえ片及び操作部材を変形例と共に示す図である。
【図5】上記押さえ片の取付構造を示す断面図である。。
【図6】(a)と(b)はホルダーの非使用位置と使用位置の状態で示し、(c)はホルダーの使用位置で押さえ片を回動操作した状態で示す作動図である。
【図7】(a)と(b)は上記形態の変形例を図6(a)と(b)に対応させて示す図である。
【図8】(a)〜(c)は下展開部材の構造を作動と共に示す模式図である。
【符号の説明】
【0027】
1…ケース(10は本体、11はフランジ部、12〜14はガイド溝)
2…スライダー(20は縦壁、21は上突出部、22は下突出部)
3…ホルダー(30は支持軸部、31は円弧部)
4…押さえ片(4aは本体部,4bは押部分、4dは凹部)
5…操作部材(5aは中間部、5bは内壁、5cは外壁、5dは当接部)
6…軸部(6aは止め輪)
7…スプリング(付勢部材)
8…下展開部材(8aは軸)
9…揺動部材
S1,S2…容器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、載置部を有して、前記ケースに対し前後方向へ摺動して引出位置と格納位置に切り換えられるスライダーと、前記スライダーに対し回動可能に取り付けられて、前記載置部の上下方向に配置される非使用位置と載置部上から外へはみ出して略水平に展開される使用位置に切り換えられる周囲拘束用のホルダーとを備え、容器等を、使用位置に切り換えられた前記ホルダーの内側に上から挿入し前記載置部で受けるカップホルダーにおいて、
前記ホルダーは、基端側の軸部を介してホルダー内側へ回動可能に付設されている押さえ片、及び該押さえ片を回動する操作部材を有し、前記押さえ片が前記操作部材の操作により前記軸部を支点としてホルダー内側にあって任意の角度に回動されることを特徴とするカップホルダー。
【請求項2】
前記押さえ片は、前記ホルダーに設けられた収容部に配置可能になっていると共に、付勢部材により前記収容部側へ常に付勢されていることを特徴とする請求項1に記載のカップホルダー。
【請求項3】
前記押さえ片は、片長手方向に沿ってかつ略等間隔に設けられた複数の凹部を有し、前記操作部材の対応部が前記凹部と係脱自在に嵌合することを特徴とする請求項1又は2に記載のカップホルダー。
【請求項4】
前記スライダーは、回動可能に取り付けられて、前記格納位置で前記載置部上に起立され、前記引出位置に摺動されるときに連動して前記載置部上に倒れて載置部外側に張り出す下展開部材を有していることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のカップホルダー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−76352(P2006−76352A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−259791(P2004−259791)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】