カテーテルポート洗浄システムおよび流体導入方法
【課題】カテーテルのポートの外面及び/又は内部ポート領域の洗浄のための器具及び方法を提供する。
【解決手段】カテーテルポート洗浄システムは、チャンバ54b、及び、前記チャンバ内に配置されたスライド可能なプランジャ46bを具備する注射器の本体部42bと、前記プランジャに着脱可能に連結されるキャップ45bと、を備える。前記キャップ45bは内室81を形成し、その内室に抗菌剤およびアプリケータ材料82を含んでおり、前記アプリケータ材料82は、当該キャップの内室に連結されている。
【解決手段】カテーテルポート洗浄システムは、チャンバ54b、及び、前記チャンバ内に配置されたスライド可能なプランジャ46bを具備する注射器の本体部42bと、前記プランジャに着脱可能に連結されるキャップ45bと、を備える。前記キャップ45bは内室81を形成し、その内室に抗菌剤およびアプリケータ材料82を含んでおり、前記アプリケータ材料82は、当該キャップの内室に連結されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血管内ポートアクセス器具、血管内ポート洗浄器具、血管内ポート洗浄方法、血管内導管ポートへの薬剤等の投与方法、患者からの血液サンプル採取方法および血管内導管ポートキャップセットに関する。
【背景技術】
【0002】
周囲IV(血管内)導管および中央IV血管内導管のごとき血管内導管は、薬剤、栄養液、血液製剤または他の物質を静脈内に投与するための血管内アクセス方法に用いられる一般的な器具である。動脈内導管は、例えば、冠動脈集中治療または救命治療時の動脈血液サンプル採取による生理学的パラメータのモニターに使用される。しかし、微生物による血管内器具のコロニー形成または汚染は患者自身の内在細菌あるいは汚染された装置または他の環境汚染源により導入された微生物によって発生する可能性がある。その結果、局部または全身の感染あるいは敗血症が発症することがあり、生命を脅かす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】(なし)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
血管内導管内への微生物の導入は、カテーテル、ハブ、関連管、装置または注入ポートの取り扱い時、特に準備のための導管操作時、並びに導管内への液体投与または導管内からの液体の採取等の開始時に発生することがある。注入ポートの表面に存在する微生物は投与中にポートを介して導入される可能性がある。投与に利用される汚染された装置に付着する微生物はポートを介して導入され、コロニー形成または感染の原因となる汚染を引き起こすであろう。ポートまたはカテーテル内のバクテリアの成長及び/又は凝集はポートあるいはカテーテル内の凝固、塞栓及び/又は閉塞の原因となるであろう。ポートを介した操作または薬剤投与は、ポート、カテーテルおよび導管内に微生物の拡散を引き起こし、最終的には患者の静脈/動脈及び/又は周囲組織内へと拡散するであろう。従って、コロニー形成並びに感染のリスクを軽減するために血管内アクセスポートの外面及び/又は内部ポート領域の洗浄のための方法および器具の開発が所望されていた。
【0005】
血管内導管、カテーテルまたはアクセスポートに関連して起こり得る別な問題は逆流血液による血栓形成である。当初の血栓形成は上大動脈及び/又は心臓の右心房及び/又は右心室にまで拡大し及び/又は塞栓形成し、やがては肺臓を循環する肺系にまで拡大することがある。血管内ポートに起因する血栓の危険度を最低とするか排除するために血栓溶解剤または血栓防止剤を血管内ポートを介して投与する方法と器具の開発が所望されていた。
【0006】
さらに、血管内導管と関連する可能性を有した別問題は導管内またはポート内での脂肪蓄積または形成である。ポート関連脂肪形成の可能性を最低とするか排除するために血管内ポートを介して脂肪分解剤を投与する方法および器具の開発が所望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1特徴によれば、本発明は血管内ポートアクセス器具に関する。この装置はチャンバを有し、血管内導管ポートにリバーシブルに取り付けられるように設計されている第1部材を含む。第2部材がその第1部材にリバーシブルに取り付けられ、消毒剤と、ポリエチレンフェルトスポンジ、ポリエチレンフォームスポンジ、プラスチックフォームスポンジおよびシリコンフォームスポンジから選択されるアプリケータ材料とを含んでいる。この第2部材は血管内導管ポートの外面上でリバーシブルに受領されるように設計されている。
【0008】
本発明の別特徴によれば、本発明は第1端と第2端とを有した注射器外筒を含む血管内導管ポートクリーナを提供する。スライド式ピストンが第2端を通過して外筒内に受領されている。導管ポートクリーナは洗浄剤を収容する第1キャップと、殺菌剤を収容する第2キャップとを含んでいる。
【0009】
本発明の別特徴によれば、本発明は血管内導管ポートの洗浄方法を提供する。この方法は第1洗浄剤を収容するチャンバを有した第1部材を含む。第2部材は第2洗浄剤を収容する。第3部材は殺菌剤を収容し、第1部材にリバーシブルに取り付けられる。この方法は第2部材を器具から取り外すステップと、ポートの外面を第2洗浄剤と接触させるステップと、チャンバからの第1洗浄剤をポート内に注入するステップと、器具から第3部材を取り外すステップと、ポートに第3部材を被せるステップとを含んでいる。
【0010】
本発明の別特徴によれば、本発明は患者から血液サンプルを採取する方法を提供する。この方法はチャンバと、洗浄剤を収容する第2部材と、殺菌剤を収容する第3部材とを含む。第3部材は第1部材にリバーシブルに取り付けられる。この方法は第2部材を器具から取り外すステップと、ポートの外面を洗浄剤と接触させるステップとを含む。この方法はさらに、患者から血液を採取し、ポートを介して第1部材のチャンバに収容するステップと、第3部材を器具から取り外すステップと、ポートに第3部材を被せるステップとを含む。
【0011】
本発明の別特徴によれば、本発明は血管内導管ポートキャップのセットを提供する。このキャップセットは第1薬剤と第1アプリケータ材料とを収容する第1ポートキャップを含む。このセットはさらに第2薬剤と第2アプリケータ材料とを収容する第2ポートキャップを含む。
【0012】
一般的に本発明は血管内導管ポート洗浄及び/又はアクセスのための器具および方法を提供する。特に、本発明のアプリケータ器具は血管内導管ポートの外面を洗浄し、続いてポート自体の洗浄及び特定の場合には血管内導管の洗浄を実施するのに使用できる。
【0013】
別の利用形態では、本発明の器具は薬剤を血管内に投与するのに利用が可能である。この場合、本発明の器具は典型的には薬剤を血管内に投与するための器具の利用に先立ってポートの外面を洗浄するために使用される。本発明の別な利用形態では本発明の器具は患者から血液サンプルを採取するのに利用できる。この場合、本発明の器具は典型的にはポートから血液サンプルを抜き出す前にポートの外面を洗浄するのに利用される。本発明はそのようなポート洗浄剤の投与方法並びに血液サンプル採取技術をも含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の好適実施例を以下の添付図面を利用して解説する。
【0015】
【図1】図1は本発明の1特徴による器具の斜視図である。
【図2】図2は図1で示す器具の側面図である。
【図3】図3は図1で示す器具の分解図である。
【図4】図4は図1で示す器具の断面図である。
【図5】図5は図4で示す位置から変更された位置にある図1で示す器具の断面図である。
【図6】図6は本発明の別特徴による器具の斜視図である。
【図7】図6で示す器具の側面図である。
【図8】図6で示す器具の分解図である。
【図9】図6で示す器具の断面図である。
【図10】図6で示す器具の包装例の斜視図である。
【図11】図6で示す器具の包装例を連結させたものの斜視図である。
【図12】本発明の別特徴による器具の分解図である。
【図13】図12で示す器具の断面図である。
【図14】本発明の別特徴による器具の分解図である。
【図15】本発明の別特徴による器具の分解図である。
【図16】図15で示す器具の断面図である。
【図17】本発明の別特徴による包装例の斜視図である。
【図18】図17で示す包装例の別形態の斜視図である。
【図19】図17で示す包装例のさらに別形態の斜視図である。
【図20】本発明の1特徴による部材セットの斜視図である。
【図21】本発明の1特徴による部材セットの斜視図である
【図22】本発明の1特徴による部材包装例の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1実施例ではこの器具は2つの部材を含んでいる。1例では2つの部材は図1から図5に関して解説されている。
【0017】
図1で示すようにポートアクセス器具10は、器具の第1端14に第1部材12を有し、器具の第2端18に第2部材16を有している。第2部材16は第1部材から第2部材を取り外すのを助けるタブ20または他の延出体を有することができる。第1部材12は圧変形可能な容器等であるチャンバハウジング22を有している。第1部材12は延伸部24も含むことができる。図2で示すように器具10は連結延伸部24内に挿入可能な第2部材16を有することができる。しかし本発明は、第2部材16が延伸部24に被せられる他の形態をも想定する。このハウジング22の形状と寸法は例示であって、これとは別な形状、サイズおよび形態であっても想定の範囲内である。
【0018】
図3は図1と図2で示す器具の分解図である。器具10のチャンバハウジング22はチャンバ23を収容することができる。連結延伸部24は貫通する開口部29を有したセパレータ25を含むことができる。連結延伸部24はディスペンサ26を受領する受領ポート30をさらに含むことができる。ディスペンサ26はバルブ28を含むことができる。第2部材16は収容部21を含むことができる。
【0019】
図4で示すように受領ポート30内にはバルブ28を備えたディスペンサ26が収容されている。図示のバルブ機構は“閉止”位置であり、チャンバ23の収容物は連結延伸部24内へ、あるいはそこを通流することを妨害される。図5で示すようにハウジングの上面への下方圧力のごときハウジング22へ適用される力はバルブ28を受領ポート30から移動させるのに利用できる。この移動はチャンバ23の収容物を連結延伸部24内へ送るか、そこを通過させる。
【0020】
図4で図示するように第2部材16はアプリケータ材料32を収容することができる。このようなアプリケータ材料は、例えばスポンジやスポンジタイプの材料でよい。例示的スポンジタイプの材料とはポリエチレンフェルトスポンジ、ポリエチレンフォームスポンジ、プラスチックフォームスポンジおよびシリコンフォームスポンジ等であるが、限定はしない。
【0021】
器具10がポート洗浄に利用される場合には、第2部材16の収容器21は典型的には洗浄剤を収容するであろう。この洗浄剤はポート外面の洗浄に使用される消毒剤でよい。この薬剤は特定の洗浄剤または消毒剤に限定されず、例えば、アルコールを含むものでよい。好適には約5%から約99%のアルコールを含有するアルコール溶液内に含まれるものである。特定の利用形態では、このアルコール溶液は25%から90%のアルコールを含むであろう。スポンジタイプのアプリケータ材料が洗浄剤の収容に役立ち、さらに血管内用ポートの外面への薬剤塗布を助ける。第2部材16は器具10に着脱式に取り付けられる。ポートの洗浄のために、着脱式第2部材16は第1部材12から取り外され、血管内導管ポート外部の洗浄のためのポート外面への接触に利用される。
【0022】
ポートの外部の洗浄後、洗浄/消毒作業時には血管内ポートの内部洗浄に利用できる器具の第1部材は、洗浄されるポートにリバーシブルに取り付け可能である。チャンバ容積は例えば3.5mlまでであり、好適な容積範囲は約1mlから約3mlである。これよりもさらに小さいか大きな容積であっても可能である。チャンバはチャンバの全容積に関して適当な目盛りを有することができる。例えば、3.5ml液体容積のチャンバは1ml単位、0.5ml単位あるいは0.1ml単位等の目盛りを有することができる。実施例によっては連結延伸部はLEUR−LOK(ベクトン、ディキンソン&カンパニ社、米国ニュージャージ州フランクリンレークス)部材(図示せず)を、LEUR−LOKタイプのポートへの接続に利用することができる。洗浄剤はチャンバ23内に収容でき、抗生物質あるいは別な適した消毒剤でよい。例示的な洗浄剤はアルコールまたはアルコール溶液であり、第2部材収容器21に関して前述したものでよい。洗浄形態ではチャンバ22はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)及び/又はクエン酸ナトリウム等の化学剤を代わりに収容することができ、あるいは追加的に収容することができる。
【0023】
導管ポートに連結されると、例えばハウジングに外圧を加えることで押圧変形させてディスペンサ26を移動させ、受領ポート30からバルブ28を移動させて開く。押圧を継続することでチャンバ23の収容物を連結延伸部24を通して連結されたポート内に入れることができる。チャンバ23の容積によっては排出された洗浄溶液は血管内導管自体の内部に進入するであろう。チャンバ23の収容物を排出した後に器具の第1部材12をポートから取り外し、例えば薬剤を血管内に投与するのに利用できる。このような投与を洗浄後に直ちに実施しない場合には、洗浄器具の第1部材12を血管内投与が所望させるときまでポート上に維持することが可能である。
【0024】
本発明の別な特徴では、上述の器具および方法は血管内の血栓形成のリスクを最低にするか防止するため、あるいは存在する血栓を溶解させる目的で抗血栓剤を投与するのに利用できる。本例では殺菌剤ではなく、あるいは殺菌剤に加えてチャンバ23は適した抗凝固剤または血栓溶解剤を収容することができる。例示的な利用可能抗血栓剤はEDTA、クエン酸ナトリウム、ヘパリンおよびヘパリン誘導体等の抗凝固剤、組織プラスミノーゲン活性剤等の血栓溶解剤であるが、これらに限らない。脂肪蓄積が問題であるときには適した脂肪分散剤または脂肪分解剤を、殺菌剤及び/又は抗血栓剤とは別に、または同時に投与することができる。そのような薬剤投与は洗浄剤に関する上述の説明同様に達成することができる。これらの利用は以下で解説する実施例のようにして達成することもできる。
【0025】
本発明による器具の別実施例は図6から図11に関連して解説されている。図6は注射器に類似した第1部材42と第2部材44とを有した別例のポートアクセス器具40を図示する。図7で示すように注射器様第1部材42はプランジャ46を含む。ポートアクセス器具の分解図は図8に提供されている。第1部材42は第1端50と、内部チャンバ54を備えた第2端52とを有した注射器外筒に類似した筒状ハウジング48を含んでいる。チャンバ54は好適には1mlから約3.5mlの容積を有する。ハウジング48は前述の実施例のように適当な目盛りを有することができる。
【0026】
プランジャ46はシール部57を有したステム部56を含むことができる。プランジャ46はハウジング48の第2端52内に挿入できる。第2シール部59はプランジャのさらに大きな径と関与することができる。シール部59は好適にはプランジャと器具チャンバの内面との間の封止を提供する。シール部59は好適にはピストン(好適には成型された硬質プラスチック材料製)上に押し付け変形される弾性シール部でよい。しかし本発明は他のシール材料や非押し付け式技術の利用も想定している。
【0027】
シール部57は1体のシール体でも複数のシール体であってもよい。例えば2体のOリング、1体の幅広の押し付け成型される弾性Oリングまたはスリーブ、あるいはピストンステムと一体成型された硬質プラスチックシール体であってもよい。シール部57の存在は器具のチャンバ内への不都合あるいは想定外の液体逆流を防止することができ、器具及び/又はその収容物の汚染リスクを軽減することができる。あるいは図示の形態との関連で1体のシール体を押し付け成型して器具チャンバとピストンの大径部の内壁とピストンの小径部の壁を覆うスリーブ部との間にシール部を形成することができる(図示せず)。
【0028】
第2部材44はハウジング60と内部コンテナ62とを有した着脱式キャップ部である。コンテナ62はアプリケータ材料64を収容することができる。アプリケータ材料とは、例えば前述の実施例で解説した材料等である。第2部材44はさらに前述のような洗浄剤を収容することができる。第2部材44は好適には血管内ポートにフィットし、洗浄剤がポートの外面に塗布できるように設計されている。このような洗浄は好適にはポート内へチャンバ54の収容物(例えば抗血栓剤、抗菌剤または他の洗浄剤)を投与する前に実行できる。しかし本発明は着脱式キャップ部を利用してポートの投与後洗浄も想定内である。
【0029】
図9は完全形態の実施例器具40の断面図である。利用に際して第2部材44は取り外され、ポートの外面の洗浄に利用できる。その後、第2部材の第1端50はポートに取り付けられ、チャンバ54の収容物はプランジャ46に対して力を作用させることでポート内に投与される。あるいは、チャンバ54を空状態で提供することも、例えば抗凝固剤を収容して提供することもでき、器具40にはプランジャ46を前方位置に提供することができる。器具40は、器具の第1端50をポートに取り付け、プランジャ46を移動させてポートからチャンバ54内へ液体を抜き出すことで血液サンプルを患者から入手及び/又は試験する等に利用することができる。
【0030】
図10はアクセス器具40の部材の搬送、保存及び/又は廃棄のためのパッケージ70を図示する。このようなパッケージは蓋72とトレー部74とを含む。トレー部74は器具の位置取り/保持のための成型保持部78を備えた凹部76を有している。この凹部は器具の形状を維持し、器具チャンバに対してプランジャを適正に配置するのを助ける。このようなパッケージは密封でき、器具40のための無菌環境を提供するのに利用できる。図11に示すパッケージ70の連結体71には個別に密封されたパッケージユニットが提供され、他の個別パッケージの無菌状態を維持しつつ、パッケージを個別に分離使用させる。
【0031】
本発明の別実施例は図12と図13に図示されている。この実施例では第1部材42aは上述のものと同様である。しかし図12で示す第2部材44aは“二重キャップ”形態である。キャップハウジング60aはコンテナ部62と、第2コンテナ部66を収容する第2キャップ延伸部65とを含む。コンテナ部62は前述のスポンジ様材料のごときアプリケータ材料64を収容することができる。同様に第2コンテナ部66もスポンジまたは他のアプリケータ材料67を収容することができる。コンテナ部62はさらに前述のような洗浄液を収容することができる。
【0032】
第2コンテナ部66は好適には洗浄キャップコンテナ62に収容されている洗浄液とは異なる組成の殺菌剤を収容することができる。キャップ延伸部65内の例示的な洗浄組成物は約3%から約11%のH2O2を収容することができる。別な洗浄成分は例えばエタノール(約30%から約40%)、クエン酸ナトリウム(約1%から約4%)、EDTA及び/又は過酢酸(約11%以下)である。好適にはそのpHは5から10であり、その生理的pHと殺菌活性に鑑みて必要に応じてNaOHまたは他の適した塩基/酸により約pH7.4に調整することができる。EDTAの存在はMnの錯体形成による例えばバシラス胞子に対する殺胞子活性を提供し、H2O2の安定に寄与することができる。溶液内でH2O2と組み合わされることによる相助的及び/又は追加的効果が達成できる。本発明は前記のものとは別なキレート剤およびpH安定剤の使用も想定している。
【0033】
場合によっては低過酸化物を有した同様な溶液を第1コンテナ部62に収容することができる。特殊な場合には第1部材のチャンバ内に収容することができる。
【0034】
図13は使用前の完全装置を図示する。ポート洗浄の場合、第2部材44aは器具から取り外され、キャップハウジング部分60aはポートを覆ってポートをキャップコンテナ62の収容物と接触させるために利用される。アプリケータ材料64は洗浄剤をポート外面に適用するのを助ける。チャンバ54の収容物が投与されるとき部材44aはポートから取り外され、第1部材はポートに取り付けられる。プランジャ46は押し込まれ、チャンバ54の収容物をポート内に注入する。その後、注射部材はポートから取り外される。その後、着脱式シール部68は第2キャップ部65から取り外される。キャップ部65はポートに置くことができ、コンテナ66の収容物はポートと接触する。第2部材44はポートから取り外すことができ、あるいはポートアクセスまたはポート操作が所望されるまでポートに保持することが可能である。
【0035】
図14では、ポートアクセス器具40bが第1部材42b、第2部材44bおよび第3部材45bを含んだ別実施例を図示する。第2部材44bと第3部材45bは独立して着脱できるキャップである。図示のようにそれらキャップは当初、器具の反対側に配置され、異なるサイズのものである。しかし、器具に対するキャップの別な相対的サイズと相対的位置も想定内である。例えば、第1部材42bと第2部材44bはチャンバハウジング48bのウィング延出部51、53の上側または下側に配置できる。
【0036】
図示の実施例ではさらに大きなキャップ(第1部材44b)は器具から取り外し可能であり、前述のようにポート外部の洗浄に利用できる。第2のさらに小型のキャップ(第3部材45b)はチャンバ収容物の投与後に器具から取り外すことができ、その後にポートアクセスが前述のように所望されるまでポートを保護するためにポートキャップとして利用することができる。第3部材45bはオプションで前述のようにアプリケータ材料82及び/又は洗浄剤あるいは殺菌剤を収容することができる。
【0037】
別実施例による2キャップ形態では小型の内部キャップの外側に大型のキャップを有した器具が提供される。第1キャップは第2キャップから着脱式であり、第1キャップと第2キャップの一方はポートキャップとして利用できるように設計されている。
【0038】
図14に示す器具では、第2部材44bのキャップハウジング60bと第3部材45bのキャップハウジング80を異なる色彩にしてもよい。このようにキャップを色彩で(あるいは他の方法で)コード化してユーザまたは関係者にポートまたは血管内導管の種類について知らせることができる。例えば緑を第1色として器具の使用後にポートに保持されるキャップハウジング80の全部または一部に使用することで殺菌済ポートであることを知らせることができる。キャップハウジング60bを洗浄または他の処置がまだ完了していないことを意味する第2色(例えば黄色、または赤色)にすることができる。従って、キャップを追加的な安全策として利用することで適正な使用を確実にし、無菌状態保持および適切な記録の補助に使用できる。例えばキャップは視覚的にモニター可能であり、病院の薬剤および/または中央監査用ソフトウェアで追跡することができる。
【0039】
適切な洗浄や無菌状態保持の視覚的監査に加えて、独立した監査/コンプライアンスシステムを提供するため、この器具と関連するバーコード、無線周波数識別(RFID)および/または他の薬局または在庫制御システムも利用できる。
【0040】
図15に示す本発明の別実施例では、従来タイプの注射器およびプランジャ設計を利用でき、本発明によるキャップを利用することができる。従って、第1部材42cは注射器ハウジング48cを含んでおり、第1端50にLEUR−LOK部材を有することができる。プランジャ46cはハウジング48cの第2端52へ挿入し、チャンバ54cの壁で封止状態を形成するように設計された従来式のピストンシール部57cを有することができる。第2部材44cは例えば、LEUR−LOK部材に内部でフィットするか、あるいはLEUR−LOK部材を第1部材ハウジング48cの第1端50で覆う内部受領ポートを有するハウジング60cを含むことができる。第3部材45cも洗浄されるポートのタイプによって、LEUR−LOK部材に内部でフィットするか、あるいはLEUR−LOK部材(または別タイプの部材を有するもの)を覆う内部受領ポートを含むように設計されたハウジング80cを有することができる。
【0041】
図16は図15で示す器具の断面図である。これはLEUR−LOKタイプの部材を覆うためのキャップハウジングの例示タイプを示している。例えば第3部材45cはLEUR−LOKタイプの部材内にフィットし、その部材に被せられるハウジング部分を含むハウジング80cを有する。対照的に、第2部材44cはLEUR−LOKタイプの部材と螺合するハウジング60cを有している。図面は例示的なものであって、キャップの一方または両方を螺合形態またはスナップ式形態とすることができる。キャップハウジング60cと80cはさらに前述のように色彩でコード化することもできる。
【0042】
本発明はポート洗浄器具(図示せず)の先方(非投与)端に配置される二重キャップ形態も想定している。この二重キャップ形態では第1“緑色”キャップが器具と前後の両方に、第2“黄色”キャップに対して積重ね状態でリバーシブルに取り付けられる。これら2つのキャップはそれぞれ例えばLEUR−LOKタイプの部材キャップ、摩擦嵌合キャップなどでよい。緑色のキャップは前述の殺菌組成物を収容することができる。黄色のキャップは例えば前述の洗浄組成物または緑色のキャップに収容されている殺菌組成物を収容することができる。この形態では黄色のキャップは器具の投与端と接触しないからである。
【0043】
キャップに利用可能な材料には例えばポリエチレン、ポリプロピレン、および/またはコポリマー材料があるがこれらに限らない。さらにキャップは好適には保管時や搬送時に過酸化水素の完全性を保つためにUV保護材料またはUV保護剤を含むことができる。包装にも過酸化物の分解抑制のためにUV保護材料を含むことができる。
【0044】
前述のごとく本発明の器具を血管内カテーテルまたは血管内ポートを介する患者からの血液採取に利用できる。特定の利用形態では、この器具を血液検査の目的に直接利用することができる。器具チャンバ容積範囲は好適には1mlから3mlであり、前述のように適当な目盛りを有する。採取の目的によっては全血液が望ましい場合、血液は空のチャンバを有する器具またはEDTAのごとき抗凝固剤、クエン酸ナトリウムまたは別の凝固剤(前述したもの等)を収容した器具のいずれかに抜き出すことができる。血液と抗凝固剤を収容する器具をその後に血液検査器具に直接利用することも、検査のために血液を別の器具に移動することもできる。
【0045】
血清が必要とされる利用形態では、全血液を器具チャンバに抜き出し、凝固後に赤血球から血清を分離するため血液サンプルを収容する器具を回転させることができる。器具チャンバ内に抗凝固剤が存在する場合には血漿を分離させるためにさらなる分離工程を実施することができる。あるいは器具チャンバにサンプルを抜き出した後にMILLIPORE(ミリポアコーポレーション社、米国マサチューセッツ州ベッドフォード)フィルタ等のフィルタを器具に装着することができる。この技術は赤血球、白血球および血小板を濾過し、血球をフィルタ内に保持しながら血清をチャンバから流れさせる。実施する試験あるいは他の処置(すなわち全血球数、CBC、血小板数、網状赤血球数、TおよびBリンパ球の検査および化学処理)によって必要な場合には血球または血漿を移動させるため、オプションで抗凝固剤をチャンバ内に投入できる。
【0046】
患者からチャンバへ血液サンプルを採取する際に粒体を濾過するための適当なフィルタを利用することができる。
【0047】
前述の器具はどれも洗浄目的、投与目的または血液採取/試験目的のために利用できる。変形は伴なうが前述のごとく利用された特定の器具の利用方法は同一である。
【0048】
図17から図19は包装例を示している。図17に示すように包装体100は蓋部102と包装トレー104とを含んでいる。図18と図19で示す包装トレー104は本発明による器具40cの形状に一致する成型保持形状部を有する成型トレーでよい。好適には成型形状部は輸送や保管などのために非利用形態での器具形状となっている。よってトレー104は1以上の成型保持形状部106、107、108および109を有している。トレー104は図18に示すように器具40cを直立状態で受領する成型受領台110も含むことができる。投与処置中や使用後に受領台に器具40cを挿入して保持することができる。トレー104はまた器具廃棄目的のためにも利用できる。
【0049】
本発明の器具キャップは、血管内、腹膜、透析、泌尿ポートおよびカテーテルのごとき別のアクセスカテーテルやポートの洗浄用および保護用として本発明の器具とは別に利用できる。従って、このキャップを個別にペアで一色以上の組またはバラで(それぞれが2種類のサイズや色彩等のもの)包装することができる。図20から図21は例えば黄色の好適にはLEUR−LOKタイプのキャップである第1キャップ117と、例えば緑色のLEUR−LOKタイプのキャップである第2キャップ118とを有する例示的2キャップ包装形態115を図示している。包装形態115は包装トレー120と図21に示すごとき一体的に成型された受領ポート/受領リング122と124とを含むことができる。追加のキャップを共に包装するときにはトレー120はキャップを受領してリバーシブルに保持する適当な数の受領ポートを有することができる。キャップのサイズ(直径)が異なる場合にはポートも適当なサイズにできる。キャップは包装ごとに例えば1つの緑色キャップと4つの黄色キャップの組単位で提供するか、あるいは多様なキャップ数やサイズに対応した数やサイズで利用する特定用途に合わせて他の適した数でも提供できる。
【0050】
図22は包装形態130の別実施例を示している。包装形態130は蓋部132と、キャップ117と118を受領するための受領ポート136と138を有するトレー130とを含んでいる。前述したように、利用するキャップの数やサイズに応じて受領ポートを別の数やサイズで提供してもよい。
【0051】
キャップをバラで提供する場合には、キャップは個別に包装したり、シート状や帯体状で個別に提供することもできる。キャップをカテーテルまたは導管/移入器具と共に提供することもできる。キャップを、包装を開けた後および/または器具の使用中にポート洗浄および/または保護に利用されるポートカテーテルまたは導管とは別々に、あるいはそれらに取り付けられた状態で同一パッケージ内に含むことができる。場合によってはキャップを、カテーテル器具を収容した大型の主包装体に含まれる1以上の副包装体内に包装することもできる。
【技術分野】
【0001】
本発明は血管内ポートアクセス器具、血管内ポート洗浄器具、血管内ポート洗浄方法、血管内導管ポートへの薬剤等の投与方法、患者からの血液サンプル採取方法および血管内導管ポートキャップセットに関する。
【背景技術】
【0002】
周囲IV(血管内)導管および中央IV血管内導管のごとき血管内導管は、薬剤、栄養液、血液製剤または他の物質を静脈内に投与するための血管内アクセス方法に用いられる一般的な器具である。動脈内導管は、例えば、冠動脈集中治療または救命治療時の動脈血液サンプル採取による生理学的パラメータのモニターに使用される。しかし、微生物による血管内器具のコロニー形成または汚染は患者自身の内在細菌あるいは汚染された装置または他の環境汚染源により導入された微生物によって発生する可能性がある。その結果、局部または全身の感染あるいは敗血症が発症することがあり、生命を脅かす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】(なし)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
血管内導管内への微生物の導入は、カテーテル、ハブ、関連管、装置または注入ポートの取り扱い時、特に準備のための導管操作時、並びに導管内への液体投与または導管内からの液体の採取等の開始時に発生することがある。注入ポートの表面に存在する微生物は投与中にポートを介して導入される可能性がある。投与に利用される汚染された装置に付着する微生物はポートを介して導入され、コロニー形成または感染の原因となる汚染を引き起こすであろう。ポートまたはカテーテル内のバクテリアの成長及び/又は凝集はポートあるいはカテーテル内の凝固、塞栓及び/又は閉塞の原因となるであろう。ポートを介した操作または薬剤投与は、ポート、カテーテルおよび導管内に微生物の拡散を引き起こし、最終的には患者の静脈/動脈及び/又は周囲組織内へと拡散するであろう。従って、コロニー形成並びに感染のリスクを軽減するために血管内アクセスポートの外面及び/又は内部ポート領域の洗浄のための方法および器具の開発が所望されていた。
【0005】
血管内導管、カテーテルまたはアクセスポートに関連して起こり得る別な問題は逆流血液による血栓形成である。当初の血栓形成は上大動脈及び/又は心臓の右心房及び/又は右心室にまで拡大し及び/又は塞栓形成し、やがては肺臓を循環する肺系にまで拡大することがある。血管内ポートに起因する血栓の危険度を最低とするか排除するために血栓溶解剤または血栓防止剤を血管内ポートを介して投与する方法と器具の開発が所望されていた。
【0006】
さらに、血管内導管と関連する可能性を有した別問題は導管内またはポート内での脂肪蓄積または形成である。ポート関連脂肪形成の可能性を最低とするか排除するために血管内ポートを介して脂肪分解剤を投与する方法および器具の開発が所望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1特徴によれば、本発明は血管内ポートアクセス器具に関する。この装置はチャンバを有し、血管内導管ポートにリバーシブルに取り付けられるように設計されている第1部材を含む。第2部材がその第1部材にリバーシブルに取り付けられ、消毒剤と、ポリエチレンフェルトスポンジ、ポリエチレンフォームスポンジ、プラスチックフォームスポンジおよびシリコンフォームスポンジから選択されるアプリケータ材料とを含んでいる。この第2部材は血管内導管ポートの外面上でリバーシブルに受領されるように設計されている。
【0008】
本発明の別特徴によれば、本発明は第1端と第2端とを有した注射器外筒を含む血管内導管ポートクリーナを提供する。スライド式ピストンが第2端を通過して外筒内に受領されている。導管ポートクリーナは洗浄剤を収容する第1キャップと、殺菌剤を収容する第2キャップとを含んでいる。
【0009】
本発明の別特徴によれば、本発明は血管内導管ポートの洗浄方法を提供する。この方法は第1洗浄剤を収容するチャンバを有した第1部材を含む。第2部材は第2洗浄剤を収容する。第3部材は殺菌剤を収容し、第1部材にリバーシブルに取り付けられる。この方法は第2部材を器具から取り外すステップと、ポートの外面を第2洗浄剤と接触させるステップと、チャンバからの第1洗浄剤をポート内に注入するステップと、器具から第3部材を取り外すステップと、ポートに第3部材を被せるステップとを含んでいる。
【0010】
本発明の別特徴によれば、本発明は患者から血液サンプルを採取する方法を提供する。この方法はチャンバと、洗浄剤を収容する第2部材と、殺菌剤を収容する第3部材とを含む。第3部材は第1部材にリバーシブルに取り付けられる。この方法は第2部材を器具から取り外すステップと、ポートの外面を洗浄剤と接触させるステップとを含む。この方法はさらに、患者から血液を採取し、ポートを介して第1部材のチャンバに収容するステップと、第3部材を器具から取り外すステップと、ポートに第3部材を被せるステップとを含む。
【0011】
本発明の別特徴によれば、本発明は血管内導管ポートキャップのセットを提供する。このキャップセットは第1薬剤と第1アプリケータ材料とを収容する第1ポートキャップを含む。このセットはさらに第2薬剤と第2アプリケータ材料とを収容する第2ポートキャップを含む。
【0012】
一般的に本発明は血管内導管ポート洗浄及び/又はアクセスのための器具および方法を提供する。特に、本発明のアプリケータ器具は血管内導管ポートの外面を洗浄し、続いてポート自体の洗浄及び特定の場合には血管内導管の洗浄を実施するのに使用できる。
【0013】
別の利用形態では、本発明の器具は薬剤を血管内に投与するのに利用が可能である。この場合、本発明の器具は典型的には薬剤を血管内に投与するための器具の利用に先立ってポートの外面を洗浄するために使用される。本発明の別な利用形態では本発明の器具は患者から血液サンプルを採取するのに利用できる。この場合、本発明の器具は典型的にはポートから血液サンプルを抜き出す前にポートの外面を洗浄するのに利用される。本発明はそのようなポート洗浄剤の投与方法並びに血液サンプル採取技術をも含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の好適実施例を以下の添付図面を利用して解説する。
【0015】
【図1】図1は本発明の1特徴による器具の斜視図である。
【図2】図2は図1で示す器具の側面図である。
【図3】図3は図1で示す器具の分解図である。
【図4】図4は図1で示す器具の断面図である。
【図5】図5は図4で示す位置から変更された位置にある図1で示す器具の断面図である。
【図6】図6は本発明の別特徴による器具の斜視図である。
【図7】図6で示す器具の側面図である。
【図8】図6で示す器具の分解図である。
【図9】図6で示す器具の断面図である。
【図10】図6で示す器具の包装例の斜視図である。
【図11】図6で示す器具の包装例を連結させたものの斜視図である。
【図12】本発明の別特徴による器具の分解図である。
【図13】図12で示す器具の断面図である。
【図14】本発明の別特徴による器具の分解図である。
【図15】本発明の別特徴による器具の分解図である。
【図16】図15で示す器具の断面図である。
【図17】本発明の別特徴による包装例の斜視図である。
【図18】図17で示す包装例の別形態の斜視図である。
【図19】図17で示す包装例のさらに別形態の斜視図である。
【図20】本発明の1特徴による部材セットの斜視図である。
【図21】本発明の1特徴による部材セットの斜視図である
【図22】本発明の1特徴による部材包装例の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1実施例ではこの器具は2つの部材を含んでいる。1例では2つの部材は図1から図5に関して解説されている。
【0017】
図1で示すようにポートアクセス器具10は、器具の第1端14に第1部材12を有し、器具の第2端18に第2部材16を有している。第2部材16は第1部材から第2部材を取り外すのを助けるタブ20または他の延出体を有することができる。第1部材12は圧変形可能な容器等であるチャンバハウジング22を有している。第1部材12は延伸部24も含むことができる。図2で示すように器具10は連結延伸部24内に挿入可能な第2部材16を有することができる。しかし本発明は、第2部材16が延伸部24に被せられる他の形態をも想定する。このハウジング22の形状と寸法は例示であって、これとは別な形状、サイズおよび形態であっても想定の範囲内である。
【0018】
図3は図1と図2で示す器具の分解図である。器具10のチャンバハウジング22はチャンバ23を収容することができる。連結延伸部24は貫通する開口部29を有したセパレータ25を含むことができる。連結延伸部24はディスペンサ26を受領する受領ポート30をさらに含むことができる。ディスペンサ26はバルブ28を含むことができる。第2部材16は収容部21を含むことができる。
【0019】
図4で示すように受領ポート30内にはバルブ28を備えたディスペンサ26が収容されている。図示のバルブ機構は“閉止”位置であり、チャンバ23の収容物は連結延伸部24内へ、あるいはそこを通流することを妨害される。図5で示すようにハウジングの上面への下方圧力のごときハウジング22へ適用される力はバルブ28を受領ポート30から移動させるのに利用できる。この移動はチャンバ23の収容物を連結延伸部24内へ送るか、そこを通過させる。
【0020】
図4で図示するように第2部材16はアプリケータ材料32を収容することができる。このようなアプリケータ材料は、例えばスポンジやスポンジタイプの材料でよい。例示的スポンジタイプの材料とはポリエチレンフェルトスポンジ、ポリエチレンフォームスポンジ、プラスチックフォームスポンジおよびシリコンフォームスポンジ等であるが、限定はしない。
【0021】
器具10がポート洗浄に利用される場合には、第2部材16の収容器21は典型的には洗浄剤を収容するであろう。この洗浄剤はポート外面の洗浄に使用される消毒剤でよい。この薬剤は特定の洗浄剤または消毒剤に限定されず、例えば、アルコールを含むものでよい。好適には約5%から約99%のアルコールを含有するアルコール溶液内に含まれるものである。特定の利用形態では、このアルコール溶液は25%から90%のアルコールを含むであろう。スポンジタイプのアプリケータ材料が洗浄剤の収容に役立ち、さらに血管内用ポートの外面への薬剤塗布を助ける。第2部材16は器具10に着脱式に取り付けられる。ポートの洗浄のために、着脱式第2部材16は第1部材12から取り外され、血管内導管ポート外部の洗浄のためのポート外面への接触に利用される。
【0022】
ポートの外部の洗浄後、洗浄/消毒作業時には血管内ポートの内部洗浄に利用できる器具の第1部材は、洗浄されるポートにリバーシブルに取り付け可能である。チャンバ容積は例えば3.5mlまでであり、好適な容積範囲は約1mlから約3mlである。これよりもさらに小さいか大きな容積であっても可能である。チャンバはチャンバの全容積に関して適当な目盛りを有することができる。例えば、3.5ml液体容積のチャンバは1ml単位、0.5ml単位あるいは0.1ml単位等の目盛りを有することができる。実施例によっては連結延伸部はLEUR−LOK(ベクトン、ディキンソン&カンパニ社、米国ニュージャージ州フランクリンレークス)部材(図示せず)を、LEUR−LOKタイプのポートへの接続に利用することができる。洗浄剤はチャンバ23内に収容でき、抗生物質あるいは別な適した消毒剤でよい。例示的な洗浄剤はアルコールまたはアルコール溶液であり、第2部材収容器21に関して前述したものでよい。洗浄形態ではチャンバ22はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)及び/又はクエン酸ナトリウム等の化学剤を代わりに収容することができ、あるいは追加的に収容することができる。
【0023】
導管ポートに連結されると、例えばハウジングに外圧を加えることで押圧変形させてディスペンサ26を移動させ、受領ポート30からバルブ28を移動させて開く。押圧を継続することでチャンバ23の収容物を連結延伸部24を通して連結されたポート内に入れることができる。チャンバ23の容積によっては排出された洗浄溶液は血管内導管自体の内部に進入するであろう。チャンバ23の収容物を排出した後に器具の第1部材12をポートから取り外し、例えば薬剤を血管内に投与するのに利用できる。このような投与を洗浄後に直ちに実施しない場合には、洗浄器具の第1部材12を血管内投与が所望させるときまでポート上に維持することが可能である。
【0024】
本発明の別な特徴では、上述の器具および方法は血管内の血栓形成のリスクを最低にするか防止するため、あるいは存在する血栓を溶解させる目的で抗血栓剤を投与するのに利用できる。本例では殺菌剤ではなく、あるいは殺菌剤に加えてチャンバ23は適した抗凝固剤または血栓溶解剤を収容することができる。例示的な利用可能抗血栓剤はEDTA、クエン酸ナトリウム、ヘパリンおよびヘパリン誘導体等の抗凝固剤、組織プラスミノーゲン活性剤等の血栓溶解剤であるが、これらに限らない。脂肪蓄積が問題であるときには適した脂肪分散剤または脂肪分解剤を、殺菌剤及び/又は抗血栓剤とは別に、または同時に投与することができる。そのような薬剤投与は洗浄剤に関する上述の説明同様に達成することができる。これらの利用は以下で解説する実施例のようにして達成することもできる。
【0025】
本発明による器具の別実施例は図6から図11に関連して解説されている。図6は注射器に類似した第1部材42と第2部材44とを有した別例のポートアクセス器具40を図示する。図7で示すように注射器様第1部材42はプランジャ46を含む。ポートアクセス器具の分解図は図8に提供されている。第1部材42は第1端50と、内部チャンバ54を備えた第2端52とを有した注射器外筒に類似した筒状ハウジング48を含んでいる。チャンバ54は好適には1mlから約3.5mlの容積を有する。ハウジング48は前述の実施例のように適当な目盛りを有することができる。
【0026】
プランジャ46はシール部57を有したステム部56を含むことができる。プランジャ46はハウジング48の第2端52内に挿入できる。第2シール部59はプランジャのさらに大きな径と関与することができる。シール部59は好適にはプランジャと器具チャンバの内面との間の封止を提供する。シール部59は好適にはピストン(好適には成型された硬質プラスチック材料製)上に押し付け変形される弾性シール部でよい。しかし本発明は他のシール材料や非押し付け式技術の利用も想定している。
【0027】
シール部57は1体のシール体でも複数のシール体であってもよい。例えば2体のOリング、1体の幅広の押し付け成型される弾性Oリングまたはスリーブ、あるいはピストンステムと一体成型された硬質プラスチックシール体であってもよい。シール部57の存在は器具のチャンバ内への不都合あるいは想定外の液体逆流を防止することができ、器具及び/又はその収容物の汚染リスクを軽減することができる。あるいは図示の形態との関連で1体のシール体を押し付け成型して器具チャンバとピストンの大径部の内壁とピストンの小径部の壁を覆うスリーブ部との間にシール部を形成することができる(図示せず)。
【0028】
第2部材44はハウジング60と内部コンテナ62とを有した着脱式キャップ部である。コンテナ62はアプリケータ材料64を収容することができる。アプリケータ材料とは、例えば前述の実施例で解説した材料等である。第2部材44はさらに前述のような洗浄剤を収容することができる。第2部材44は好適には血管内ポートにフィットし、洗浄剤がポートの外面に塗布できるように設計されている。このような洗浄は好適にはポート内へチャンバ54の収容物(例えば抗血栓剤、抗菌剤または他の洗浄剤)を投与する前に実行できる。しかし本発明は着脱式キャップ部を利用してポートの投与後洗浄も想定内である。
【0029】
図9は完全形態の実施例器具40の断面図である。利用に際して第2部材44は取り外され、ポートの外面の洗浄に利用できる。その後、第2部材の第1端50はポートに取り付けられ、チャンバ54の収容物はプランジャ46に対して力を作用させることでポート内に投与される。あるいは、チャンバ54を空状態で提供することも、例えば抗凝固剤を収容して提供することもでき、器具40にはプランジャ46を前方位置に提供することができる。器具40は、器具の第1端50をポートに取り付け、プランジャ46を移動させてポートからチャンバ54内へ液体を抜き出すことで血液サンプルを患者から入手及び/又は試験する等に利用することができる。
【0030】
図10はアクセス器具40の部材の搬送、保存及び/又は廃棄のためのパッケージ70を図示する。このようなパッケージは蓋72とトレー部74とを含む。トレー部74は器具の位置取り/保持のための成型保持部78を備えた凹部76を有している。この凹部は器具の形状を維持し、器具チャンバに対してプランジャを適正に配置するのを助ける。このようなパッケージは密封でき、器具40のための無菌環境を提供するのに利用できる。図11に示すパッケージ70の連結体71には個別に密封されたパッケージユニットが提供され、他の個別パッケージの無菌状態を維持しつつ、パッケージを個別に分離使用させる。
【0031】
本発明の別実施例は図12と図13に図示されている。この実施例では第1部材42aは上述のものと同様である。しかし図12で示す第2部材44aは“二重キャップ”形態である。キャップハウジング60aはコンテナ部62と、第2コンテナ部66を収容する第2キャップ延伸部65とを含む。コンテナ部62は前述のスポンジ様材料のごときアプリケータ材料64を収容することができる。同様に第2コンテナ部66もスポンジまたは他のアプリケータ材料67を収容することができる。コンテナ部62はさらに前述のような洗浄液を収容することができる。
【0032】
第2コンテナ部66は好適には洗浄キャップコンテナ62に収容されている洗浄液とは異なる組成の殺菌剤を収容することができる。キャップ延伸部65内の例示的な洗浄組成物は約3%から約11%のH2O2を収容することができる。別な洗浄成分は例えばエタノール(約30%から約40%)、クエン酸ナトリウム(約1%から約4%)、EDTA及び/又は過酢酸(約11%以下)である。好適にはそのpHは5から10であり、その生理的pHと殺菌活性に鑑みて必要に応じてNaOHまたは他の適した塩基/酸により約pH7.4に調整することができる。EDTAの存在はMnの錯体形成による例えばバシラス胞子に対する殺胞子活性を提供し、H2O2の安定に寄与することができる。溶液内でH2O2と組み合わされることによる相助的及び/又は追加的効果が達成できる。本発明は前記のものとは別なキレート剤およびpH安定剤の使用も想定している。
【0033】
場合によっては低過酸化物を有した同様な溶液を第1コンテナ部62に収容することができる。特殊な場合には第1部材のチャンバ内に収容することができる。
【0034】
図13は使用前の完全装置を図示する。ポート洗浄の場合、第2部材44aは器具から取り外され、キャップハウジング部分60aはポートを覆ってポートをキャップコンテナ62の収容物と接触させるために利用される。アプリケータ材料64は洗浄剤をポート外面に適用するのを助ける。チャンバ54の収容物が投与されるとき部材44aはポートから取り外され、第1部材はポートに取り付けられる。プランジャ46は押し込まれ、チャンバ54の収容物をポート内に注入する。その後、注射部材はポートから取り外される。その後、着脱式シール部68は第2キャップ部65から取り外される。キャップ部65はポートに置くことができ、コンテナ66の収容物はポートと接触する。第2部材44はポートから取り外すことができ、あるいはポートアクセスまたはポート操作が所望されるまでポートに保持することが可能である。
【0035】
図14では、ポートアクセス器具40bが第1部材42b、第2部材44bおよび第3部材45bを含んだ別実施例を図示する。第2部材44bと第3部材45bは独立して着脱できるキャップである。図示のようにそれらキャップは当初、器具の反対側に配置され、異なるサイズのものである。しかし、器具に対するキャップの別な相対的サイズと相対的位置も想定内である。例えば、第1部材42bと第2部材44bはチャンバハウジング48bのウィング延出部51、53の上側または下側に配置できる。
【0036】
図示の実施例ではさらに大きなキャップ(第1部材44b)は器具から取り外し可能であり、前述のようにポート外部の洗浄に利用できる。第2のさらに小型のキャップ(第3部材45b)はチャンバ収容物の投与後に器具から取り外すことができ、その後にポートアクセスが前述のように所望されるまでポートを保護するためにポートキャップとして利用することができる。第3部材45bはオプションで前述のようにアプリケータ材料82及び/又は洗浄剤あるいは殺菌剤を収容することができる。
【0037】
別実施例による2キャップ形態では小型の内部キャップの外側に大型のキャップを有した器具が提供される。第1キャップは第2キャップから着脱式であり、第1キャップと第2キャップの一方はポートキャップとして利用できるように設計されている。
【0038】
図14に示す器具では、第2部材44bのキャップハウジング60bと第3部材45bのキャップハウジング80を異なる色彩にしてもよい。このようにキャップを色彩で(あるいは他の方法で)コード化してユーザまたは関係者にポートまたは血管内導管の種類について知らせることができる。例えば緑を第1色として器具の使用後にポートに保持されるキャップハウジング80の全部または一部に使用することで殺菌済ポートであることを知らせることができる。キャップハウジング60bを洗浄または他の処置がまだ完了していないことを意味する第2色(例えば黄色、または赤色)にすることができる。従って、キャップを追加的な安全策として利用することで適正な使用を確実にし、無菌状態保持および適切な記録の補助に使用できる。例えばキャップは視覚的にモニター可能であり、病院の薬剤および/または中央監査用ソフトウェアで追跡することができる。
【0039】
適切な洗浄や無菌状態保持の視覚的監査に加えて、独立した監査/コンプライアンスシステムを提供するため、この器具と関連するバーコード、無線周波数識別(RFID)および/または他の薬局または在庫制御システムも利用できる。
【0040】
図15に示す本発明の別実施例では、従来タイプの注射器およびプランジャ設計を利用でき、本発明によるキャップを利用することができる。従って、第1部材42cは注射器ハウジング48cを含んでおり、第1端50にLEUR−LOK部材を有することができる。プランジャ46cはハウジング48cの第2端52へ挿入し、チャンバ54cの壁で封止状態を形成するように設計された従来式のピストンシール部57cを有することができる。第2部材44cは例えば、LEUR−LOK部材に内部でフィットするか、あるいはLEUR−LOK部材を第1部材ハウジング48cの第1端50で覆う内部受領ポートを有するハウジング60cを含むことができる。第3部材45cも洗浄されるポートのタイプによって、LEUR−LOK部材に内部でフィットするか、あるいはLEUR−LOK部材(または別タイプの部材を有するもの)を覆う内部受領ポートを含むように設計されたハウジング80cを有することができる。
【0041】
図16は図15で示す器具の断面図である。これはLEUR−LOKタイプの部材を覆うためのキャップハウジングの例示タイプを示している。例えば第3部材45cはLEUR−LOKタイプの部材内にフィットし、その部材に被せられるハウジング部分を含むハウジング80cを有する。対照的に、第2部材44cはLEUR−LOKタイプの部材と螺合するハウジング60cを有している。図面は例示的なものであって、キャップの一方または両方を螺合形態またはスナップ式形態とすることができる。キャップハウジング60cと80cはさらに前述のように色彩でコード化することもできる。
【0042】
本発明はポート洗浄器具(図示せず)の先方(非投与)端に配置される二重キャップ形態も想定している。この二重キャップ形態では第1“緑色”キャップが器具と前後の両方に、第2“黄色”キャップに対して積重ね状態でリバーシブルに取り付けられる。これら2つのキャップはそれぞれ例えばLEUR−LOKタイプの部材キャップ、摩擦嵌合キャップなどでよい。緑色のキャップは前述の殺菌組成物を収容することができる。黄色のキャップは例えば前述の洗浄組成物または緑色のキャップに収容されている殺菌組成物を収容することができる。この形態では黄色のキャップは器具の投与端と接触しないからである。
【0043】
キャップに利用可能な材料には例えばポリエチレン、ポリプロピレン、および/またはコポリマー材料があるがこれらに限らない。さらにキャップは好適には保管時や搬送時に過酸化水素の完全性を保つためにUV保護材料またはUV保護剤を含むことができる。包装にも過酸化物の分解抑制のためにUV保護材料を含むことができる。
【0044】
前述のごとく本発明の器具を血管内カテーテルまたは血管内ポートを介する患者からの血液採取に利用できる。特定の利用形態では、この器具を血液検査の目的に直接利用することができる。器具チャンバ容積範囲は好適には1mlから3mlであり、前述のように適当な目盛りを有する。採取の目的によっては全血液が望ましい場合、血液は空のチャンバを有する器具またはEDTAのごとき抗凝固剤、クエン酸ナトリウムまたは別の凝固剤(前述したもの等)を収容した器具のいずれかに抜き出すことができる。血液と抗凝固剤を収容する器具をその後に血液検査器具に直接利用することも、検査のために血液を別の器具に移動することもできる。
【0045】
血清が必要とされる利用形態では、全血液を器具チャンバに抜き出し、凝固後に赤血球から血清を分離するため血液サンプルを収容する器具を回転させることができる。器具チャンバ内に抗凝固剤が存在する場合には血漿を分離させるためにさらなる分離工程を実施することができる。あるいは器具チャンバにサンプルを抜き出した後にMILLIPORE(ミリポアコーポレーション社、米国マサチューセッツ州ベッドフォード)フィルタ等のフィルタを器具に装着することができる。この技術は赤血球、白血球および血小板を濾過し、血球をフィルタ内に保持しながら血清をチャンバから流れさせる。実施する試験あるいは他の処置(すなわち全血球数、CBC、血小板数、網状赤血球数、TおよびBリンパ球の検査および化学処理)によって必要な場合には血球または血漿を移動させるため、オプションで抗凝固剤をチャンバ内に投入できる。
【0046】
患者からチャンバへ血液サンプルを採取する際に粒体を濾過するための適当なフィルタを利用することができる。
【0047】
前述の器具はどれも洗浄目的、投与目的または血液採取/試験目的のために利用できる。変形は伴なうが前述のごとく利用された特定の器具の利用方法は同一である。
【0048】
図17から図19は包装例を示している。図17に示すように包装体100は蓋部102と包装トレー104とを含んでいる。図18と図19で示す包装トレー104は本発明による器具40cの形状に一致する成型保持形状部を有する成型トレーでよい。好適には成型形状部は輸送や保管などのために非利用形態での器具形状となっている。よってトレー104は1以上の成型保持形状部106、107、108および109を有している。トレー104は図18に示すように器具40cを直立状態で受領する成型受領台110も含むことができる。投与処置中や使用後に受領台に器具40cを挿入して保持することができる。トレー104はまた器具廃棄目的のためにも利用できる。
【0049】
本発明の器具キャップは、血管内、腹膜、透析、泌尿ポートおよびカテーテルのごとき別のアクセスカテーテルやポートの洗浄用および保護用として本発明の器具とは別に利用できる。従って、このキャップを個別にペアで一色以上の組またはバラで(それぞれが2種類のサイズや色彩等のもの)包装することができる。図20から図21は例えば黄色の好適にはLEUR−LOKタイプのキャップである第1キャップ117と、例えば緑色のLEUR−LOKタイプのキャップである第2キャップ118とを有する例示的2キャップ包装形態115を図示している。包装形態115は包装トレー120と図21に示すごとき一体的に成型された受領ポート/受領リング122と124とを含むことができる。追加のキャップを共に包装するときにはトレー120はキャップを受領してリバーシブルに保持する適当な数の受領ポートを有することができる。キャップのサイズ(直径)が異なる場合にはポートも適当なサイズにできる。キャップは包装ごとに例えば1つの緑色キャップと4つの黄色キャップの組単位で提供するか、あるいは多様なキャップ数やサイズに対応した数やサイズで利用する特定用途に合わせて他の適した数でも提供できる。
【0050】
図22は包装形態130の別実施例を示している。包装形態130は蓋部132と、キャップ117と118を受領するための受領ポート136と138を有するトレー130とを含んでいる。前述したように、利用するキャップの数やサイズに応じて受領ポートを別の数やサイズで提供してもよい。
【0051】
キャップをバラで提供する場合には、キャップは個別に包装したり、シート状や帯体状で個別に提供することもできる。キャップをカテーテルまたは導管/移入器具と共に提供することもできる。キャップを、包装を開けた後および/または器具の使用中にポート洗浄および/または保護に利用されるポートカテーテルまたは導管とは別々に、あるいはそれらに取り付けられた状態で同一パッケージ内に含むことができる。場合によってはキャップを、カテーテル器具を収容した大型の主包装体に含まれる1以上の副包装体内に包装することもできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルポート洗浄システムであって、
チャンバ、及び、前記チャンバ内に配置されたスライド可能なプランジャを具備する注射器の本体部と、
前記プランジャに着脱可能に連結される少なくとも一つのキャップと、
を備え、
前記キャップは内室を形成し、その内室に抗菌剤およびアプリケータ材料を含んでおり、前記アプリケータ材料は、当該キャップの内室に連結されている、
カテーテルポート洗浄システム。
【請求項2】
前記抗菌剤はアルコールを含む、請求項1に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項3】
前記抗菌剤はキレート剤を含む、請求項1に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項4】
前記抗菌剤は過酸化水素を含む、請求項1に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項5】
前記抗菌剤は、アルコール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)および過酸化水素を含む、請求項1に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項6】
前記注射器の本体部に着脱可能に連結されたもう一つのキャップを更に備え、
前記もう一つのキャップは内室を形成し、前記もう一つのキャップの内室は、別の抗菌剤および別のアプリケータ材料を含んでおり、
前記別のアプリケータ材料は、当該もう一つのキャップの内室に連結されている、
請求項1に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項7】
密封されたパッケージを更に備え、
その密封されたパッケージ内には、前記キャップ、並びに、前記注射器の本体部及び前記プランジャのうちの一方又は両方の少なくとも一部が配置される、
請求項1に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項8】
前記 密封されたパッケージ内に配置されるもう一つのキャップを更に備え、
前記もう一つのキャップは内室を形成し、前記もう一つのキャップの内室は、別の抗菌剤および別のアプリケータ材料を含んでおり、
前記別のアプリケータ材料は、当該もう一つのキャップの内室に連結されている、
請求項7に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項9】
前記もう一つのキャップは、前記注射器の本体部に連結されている、
請求項8に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項10】
前記キャップは、カテーテルのポートに係合するように形成されている、
請求項1に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項11】
注射器からカテーテルのポートに流体を導入する方法であって、
注射器と着脱可能に係合する少なくとも一つのキャップを有する当該注射器を提供すること、
前記注射器から前記キャップを取り外して、前記キャップ内に含まれるアプリケータ材料および抗菌材料を露出させること、
前記キャップをカテーテルのポートに係合させて、キャップ内からカテーテルのポートにアプリケータ材料を適用すること、及び、
前記注射器からカテーテルのポートに流体を提供すること、
を備えてなる方法。
【請求項12】
前記注射器からキャップを取り外すことは、注射器およびキャップの少なくとも一部を包んでいる密封されたパッケージを破ることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記注射器からキャップを取り外すことは、前記注射器からキャップを回して外すことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法において、
前記注射器は更に、注射器と着脱可能に係合するもう一つのキャップを備えており、
当該方法は更に、
前記注射器からカテーテルのポートに流体を提供した後に、前記注射器から前記もう一つのキャップを取り外して、別のアプリケータ材料および別の抗菌材料を露出させること、及び、
前記もう一つのキャップをカテーテルのポートに連結すること、
を備えてなる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法において、
前記少なくとも一つのキャップは、前記注射器のプランジャと係合するものであり、
前記注射器からキャップを取り外すことは、前記プランジャからキャップを取り除いて、当該キャップ内に含まれるアプリケータ材料および抗菌剤を露出させることを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、
前記プランジャからキャップを取り除くことは、プランジャおよびキャップの少なくとも一部を包んでいる密封されたパッケージを破ることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法において、
前記プランジャからキャップを取り除くことは、前記プランジャからキャップを回して外すことを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項1】
カテーテルポート洗浄システムであって、
チャンバ、及び、前記チャンバ内に配置されたスライド可能なプランジャを具備する注射器の本体部と、
前記プランジャに着脱可能に連結される少なくとも一つのキャップと、
を備え、
前記キャップは内室を形成し、その内室に抗菌剤およびアプリケータ材料を含んでおり、前記アプリケータ材料は、当該キャップの内室に連結されている、
カテーテルポート洗浄システム。
【請求項2】
前記抗菌剤はアルコールを含む、請求項1に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項3】
前記抗菌剤はキレート剤を含む、請求項1に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項4】
前記抗菌剤は過酸化水素を含む、請求項1に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項5】
前記抗菌剤は、アルコール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)および過酸化水素を含む、請求項1に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項6】
前記注射器の本体部に着脱可能に連結されたもう一つのキャップを更に備え、
前記もう一つのキャップは内室を形成し、前記もう一つのキャップの内室は、別の抗菌剤および別のアプリケータ材料を含んでおり、
前記別のアプリケータ材料は、当該もう一つのキャップの内室に連結されている、
請求項1に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項7】
密封されたパッケージを更に備え、
その密封されたパッケージ内には、前記キャップ、並びに、前記注射器の本体部及び前記プランジャのうちの一方又は両方の少なくとも一部が配置される、
請求項1に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項8】
前記 密封されたパッケージ内に配置されるもう一つのキャップを更に備え、
前記もう一つのキャップは内室を形成し、前記もう一つのキャップの内室は、別の抗菌剤および別のアプリケータ材料を含んでおり、
前記別のアプリケータ材料は、当該もう一つのキャップの内室に連結されている、
請求項7に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項9】
前記もう一つのキャップは、前記注射器の本体部に連結されている、
請求項8に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項10】
前記キャップは、カテーテルのポートに係合するように形成されている、
請求項1に記載のカテーテルポート洗浄システム。
【請求項11】
注射器からカテーテルのポートに流体を導入する方法であって、
注射器と着脱可能に係合する少なくとも一つのキャップを有する当該注射器を提供すること、
前記注射器から前記キャップを取り外して、前記キャップ内に含まれるアプリケータ材料および抗菌材料を露出させること、
前記キャップをカテーテルのポートに係合させて、キャップ内からカテーテルのポートにアプリケータ材料を適用すること、及び、
前記注射器からカテーテルのポートに流体を提供すること、
を備えてなる方法。
【請求項12】
前記注射器からキャップを取り外すことは、注射器およびキャップの少なくとも一部を包んでいる密封されたパッケージを破ることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記注射器からキャップを取り外すことは、前記注射器からキャップを回して外すことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法において、
前記注射器は更に、注射器と着脱可能に係合するもう一つのキャップを備えており、
当該方法は更に、
前記注射器からカテーテルのポートに流体を提供した後に、前記注射器から前記もう一つのキャップを取り外して、別のアプリケータ材料および別の抗菌材料を露出させること、及び、
前記もう一つのキャップをカテーテルのポートに連結すること、
を備えてなる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法において、
前記少なくとも一つのキャップは、前記注射器のプランジャと係合するものであり、
前記注射器からキャップを取り外すことは、前記プランジャからキャップを取り除いて、当該キャップ内に含まれるアプリケータ材料および抗菌剤を露出させることを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、
前記プランジャからキャップを取り除くことは、プランジャおよびキャップの少なくとも一部を包んでいる密封されたパッケージを破ることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法において、
前記プランジャからキャップを取り除くことは、前記プランジャからキャップを回して外すことを含む、請求項15に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−232182(P2012−232182A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−181542(P2012−181542)
【出願日】平成24年8月20日(2012.8.20)
【分割の表示】特願2009−511216(P2009−511216)の分割
【原出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(507119249)ハイプロテック、 インク. (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月20日(2012.8.20)
【分割の表示】特願2009−511216(P2009−511216)の分割
【原出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(507119249)ハイプロテック、 インク. (6)
【Fターム(参考)】
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