説明

カテーテル組立体

【課題】尿管内にカテーテルを汚染なく挿入するためのカテーテル組立体の提供。
【解決手段】この組立体はカテーテル用のパッケージ及びアプリケータを有し、アプリケータは、アプリケータの壁を介してカテーテルを把持することによりカテーテルに触れることなく尿管内にカテーテルを案内するために使用可能である。組立体はさらに、アプリケータの壁を押圧してカテーテルに係合させるための把持手段を有する。本発明はさらに、組立体に使用される把持手段と一体化されたアプリケータに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルを収容し、個人の自然又は人工の尿管内にカテーテルを汚染なく挿入するためのパッケージを有する尿路カテーテル組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
膀胱から排液するためのカテーテルは、内在するすなわち永久的なカテーテルと同様に間欠的に使用されるようになってきている。典型的にはカテーテルは、尿失禁患者又は自主的な排尿ができない対麻痺患者若しくは四肢麻痺患者に使用される。カテーテル法はそれらの患者のための排尿方法となり得る。
【0003】
典型的には、ユーザに提供されるカテーテルは、完全に密封され殺菌されたパッケージ内に収容される。カテーテルは、使用中及び挿入される前にはパッケージから完全に取り出される。従って、例えばユーザが誤ってカテーテルに触れたり、又はカテーテルが便座若しくは手洗器のような周囲の障害物に触れたりした場合に、カテーテルは潜在的に汚染される。カテーテルパッケージと、カテーテル及びパッケージの組立体とにおいて、パッケージの基端部及び末端部の双方が開口可能であり、故に少なくとも部分的にパッケージ内に収容されたカテーテルを通して排尿することが可能である。それにより、ユーザはカテーテルを完全に露出させることなく排尿することができ、故に汚染のリスクは低減される。しかし、特にユーザがカテーテル挿入中にカテーテルに触れた場合に、カテーテルの取扱いにより望ましくない汚染が生じ得る重大なリスクは依然としてある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第00/30575号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、尿路カテーテルを尿管内に汚染なく挿入するための容器及びアプリケータを有する尿路カテーテル組立体が開示されている。開示されているアプリケータは、締め付けられて当該カテーテルに係合するように構成された柔軟な弾性壁を備えた区画を有する。従ってこのアプリケータは、ユーザがカテーテルを手に触れることなく挿入できるようにすることにより、カテーテルの汚染のリスクを低減する。開示されている区画を使用するためには、器用さが要求されるだけでなく、カテーテルを操作するためにカテーテルの外表面に対して区画を十分に締め付けるためのある程度の力をユーザが有する必要がある。カテーテルが摩擦を低減する物質により被覆されているときは、区画壁を介するカテーテルの操作はさらに困難になる。
【0006】
本発明の目的は、公知のカテーテル組立体が有する上述の欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために提供される本発明の第1の態様に係るカテーテル組立体は、カテーテルを尿管内に汚染なく挿入することを可能にし、カテーテルと、パッケージと、管状の区画及び把持手段を備えたアプリケータとを有する。
カテーテルは、個人の身体の開口部に挿入されるように構成された基端部とその反対側の末端部との間に導管を画定する。
パッケージは、カテーテルを収容するためのキャビティを備えたホースを有し、さらにカテーテルの基端部をパッケージから施与するための開口部をパッケージの基端部に有する。
アプリケータが有する管状の区画は、第1の開口端部を有する。区画は、カテーテルの少なくとも一部を受容するように構成され、カテーテルに面する内面及び外面を備えた壁を有する。この壁は柔軟な領域を有し、それにより、壁の外面に圧力がかかったときに、区画の壁の内面が締め付けられてカテーテルに係合する。
【0008】
カテーテル又はその少なくとも一部は、シリコーンすなわち熱可塑性エラストマー材料、他の熱可塑性材料、硬化可能なエラストマー材料、ポリアミド樹脂若しくはエラストマー、又はそれらの混合物(すなわちPVC、PU、PE、EVA及び/又はKraton(TM)のような材料を含むグループ)から作製可能である。
【0009】
Eモジュラス及び慣性モーメントの積として定義されるカテーテルの曲げモーメントは、少なくとも1MPa・mm4であることが好ましい。
【0010】
カテーテルの(挿入可能な)基端部は、男性については湾曲した通路を有する前立腺を通過しなければならない。従って、Eモジュラス及び慣性モーメントの積として定義される、カテーテルの基端部(例えばカテーテルの最初の10〜50mm、例えば20〜40mm、例えば25〜35mm、例えば最初の30mm)の曲げモーメントは、0.6MPa・mm4より小さくすることが可能であり、さらに0.3MPa・mm4より小さくすることが可能である。カテーテルの他の部分(例えばトイレ、バッグ又は処理用の場所に尿を排出する末端部)は、異なる曲げモーメントを有することができる。他の択一的形態として、カテーテル全体を、異なるEモジュラス(例えば上述のものより低い)を有する柔軟な弾性材料(例えばシリコーン)から作製することが可能である。さらに、いくつかの場合においては、上述のものより高いEモジュラスを有するカテーテルが提供可能である。硬いカテーテルの例としては、金属製カテーテルが提供可能である。
【0011】
流路断面の濡れ縁に対する比として定義される流路断面の水力半径は、例えば尿管の寸法に基づいて、長さとは無関係に選定することができる。長さは個人間で異なることが好ましい。
【0012】
カテーテルは典型的には、尿管に挿入されるように構成された部位を有する。この挿入可能な部位は、カテーテルの全長又にわたり設けられてもよいし、カテーテルの挿入可能な基端部、又は典型的にはカテーテルの基端部の近くに設けられる入口開口部のいずれかから測定されたある長さにわたって設けられてもよい。挿入可能な部位は、いくつかのカテーテルについては摩擦低減表面を備えた部位として定義される。カテーテルは最大400mm又はそれ以上の長さを有することができ、全長にわたり挿入可能である。尿管の長さは典型的にははるかに短いので、カテーテルの挿入可能な長さは、50〜90mmの範囲内(例えば55〜85mmの範囲内、例えば60〜80mmの範囲内、例えば70mm)であることが好ましい。この長さは、大部分の女性について適当な挿入可能な長さとして見出されたものである。男性については、カテーテルの挿入可能な長さは180〜350mmの範囲内(例えば190〜310mmの範囲内、例えば210〜290mmの範囲内、例えば260mm)であることが好ましい。さらに男性については、カテーテルが非常に柔軟になって膀胱を容易に通過できるように、材料面又は寸法面について少なくとも一部のカテーテル挿入端部を用意することが好ましい。
【0013】
カテーテルの内側断面の形状は、0.5〜50mm2の断面積を有する実質的円形であることが好ましい。
【0014】
カテーテルの外側断面の形状及び寸法は、尿管の寸法及び膀胱内への流路の寸法の少なくとも一方に適合すべきである。典型的なカテーテルの寸法は、CH6〜CH32の間で変化する。
【0015】
カテーテル又は少なくともその部位は、親水性の表面を有する。液状膨張媒体を扱うときは、そのような表面は挿入に関して優れた潤滑を提供し、また身体の組織に対する適合性も有する。
【0016】
しかし、カテーテルは従前のタイプであってもよく、その場合は水とは異なる潤滑剤の使用により低摩擦特性が得られる。この潤滑剤は、少なくともカテーテルの部位に供給される。
【0017】
親水性表面のための液状膨張媒体は、カテーテルがパッケージ内に収容されているときは、パッケージ内、特にカテーテルの基端部近くの上部収容区画内に用意することができる。それにより、カテーテルがパッケージ内に収容されたときに既に低摩擦のカテーテルが得られる。液状膨張媒体としては、単なる食塩水、親水性表面を膨張させることができかつその表面を殺菌状態に維持できる殺菌性溶液、又は適当な液状膨張媒体の全てが使用可能である。カテーテルが収容される前に既に膨張は開始可能であり、湿った表面の保護のためにカテーテルは実質的にガス不透過性に収容される。さらに、液状膨張媒体は、カプセル内に収容されて提供されてもよいし、挿入直前に親水性材料を膨張させるためにカテーテルとともにホース部材内に直接収容されてもよい。
【0018】
少なくともガス及び水に関し不透過性である材料を用いてカテーテルパッケージを提供することは有利である。このカテーテルパッケージは、温度変化及び光等の少なくとも緩やかな外部環境条件に対し耐久性を有する。この材料は、その物性を最大12ヶ月又はそれ以上(例えば最大24ヶ月又はそれ以上)の期間にわたり、少なくとも実質的に維持すべきである。従って、アプリケータを有するカテーテルパッケージ、閉止具及びパッケージの他の部分すなわちパッケージの少なくともホース部分は、シリコーンすなわち熱可塑性エラストマー材料、他の熱可塑性材料、硬化可能なエラストマー材料、ポリアミド樹脂若しくはエラストマー、又はそれらの混合物(すなわちPA、PP、PVC、PU、PE、EVA、ラテックス及び/又はKraton(TM)のような材料を含むグループ)から作製可能であることが好ましい。カテーテルパッケージの全ての部分は、エッジに沿って接合された2つのフォイル状シート材料から作製可能であり、この接合は例えば溶接又は接着(すなわちそれらのフォイルを互いに粘着式に接合する全ての方法)によって行われる。あるいはパッケージは、両端が閉鎖された押出成形された実質的管状部材から作製されてもよい。フォイルは、相異なる複数の材料を有する積層体から作製されることが有利である。例えば1つの層としては、完全にガス不透過性のパッケージを用意するために、アルミニウム又は類似の金属の層が可能である。他の方法は、アルミニウムをパッケージ材料の表面に付与すること、又はアルミニウムをパッケージ材料の内部に付与する(例えばエラストマー又は熱可塑性材料の複数の層の間に積層する)ことである。
【0019】
カテーテルパッケージの基端部及び末端部は、平坦な構造を有することができる。しかし、パッケージの基端部は、カテーテルの基端部を取り出すように構成された開口手段を有することが好ましい。同様に、パッケージの末端部は、特にパッケージから液状物質を排出するように構成された開口手段を有することができる。液状物質は摩擦低減媒体でもよいし食塩水でもよい。
【0020】
ホース部材は好ましくは、カテーテルの少なくとも主要部を収容するように構成された細長いかつ/又は管状の部材である。カテーテルが、液状媒体又は液状物質により処理されたときに低摩擦表面特性を有する種類のものである場合は、パッケージ内及び好ましくはホース部材内に液状媒体を提供することが有利である。それによりカテーテルは、カテーテルがパッケージから除去された直後に処理される。この目的のために、ホース部材は比較的緊密にカテーテルを囲繞するように構成されることが好ましい。例えば、パッケージのホース内径は、カテーテルの外径の1.005〜3倍の範囲内(例えば1.0〜1.9倍、例えば1.3〜1.8倍、例えば1.4〜1.7倍、例えば1.5〜1.6倍、例えば1.55倍)であることが好ましい。択一的に、パッケージに接続されたポーチ又は容器に液状媒体を収容することができる。ポーチ又は容器は、例えばパッケージの基端部及び末端部の双方を閉鎖するための閉止具を構成することができる。好ましくは、ポーチ又は容器はパッケージの基端部を閉鎖するための閉止具に一体化され、その端部はカテーテルの基端部の近くに配置される。
【0021】
カテーテルが親水性カテーテルである場合、すなわちカテーテルが親水性コーティングで被覆されるか完全に親水性材料から作製される場合は、液状物質としては水又は食塩水が可能である。主に疎水性の表面を有する従前の種類のカテーテルの場合は、液状物質としては通常の潤滑剤が可能である。
【0022】
アプリケータの管状区画は、柔軟な領域を少なくとも有し、好ましくは全て柔軟な材料の壁により形成され、それにより区画壁はカテーテルに接することができる。区画は、カテーテルを尿管内に汚染なく案内するためのアプリケータとして使用可能である。管状区画は、区画を通って延びるとともに端部が開口している曲がった通路及び実質的直線の通路のいずれをも画定し、すなわち通路は、ある部位は曲がり、他の部位は実質的直線である。択一的に、ホースはその一部が柔軟な材料の壁により形成され、それによりホース壁の柔軟な部分はカテーテルに接することができる。その場合、アプリケータは第1開口端部を備えた管状区画まで縮小され、区画は、カテーテルの少なくとも一部を受容するとともにホース壁の外表面に圧力を与える把持手段を備える。このことにより、組立体のユーザはホースを、カテーテルを尿管内に汚染なく案内するためのアプリケータとして使用することができる。アプリケータは、ホースの内表面がカテーテルに接するために十分に強い力をホースの外表面に与えるためにのみ提供される。
【0023】
管状区画はカテーテルを囲繞しかつ双方の端部領域にて開口すべきであり、それにより器具が端部領域から外に拡張することができる。区画は、円形等の任意の断面形状及び任意の壁厚を有することができる。例えば、区画が区画全体に均一な壁厚を有してもよく、又は区画のある部分が他の部分より比較的厚い壁厚を有してもよい。しかし、良好な把持のための支持具及び大抵のカテーテルの断面形状には、実質的円形断面の区画が典型的には適合する。
【0024】
区画は、区画の内表面とカテーテルの外表面との間に隙間を有するような径方向寸法を有するべきであり、それによりカテーテルは区画内で前後に摺動可能になる。隙間は区画全体にわたって等しい必要はなく、端部に近いほど大きくかつ区画の中間部分に向かって小さくすることができる。区画は中間部分に関して非対称に形成可能であり、例えば一方の端部が細くなるのに対し、他方の端部はそれと等寸法であってもよいし異なる勾配で細くなってもよい。しかし区画は、区画がカテーテルに沿って軸方向に位置決めできるような寸法を有するべきであり、すなわち区画の内半径寸法は少なくとも僅かにそのカテーテルの外半径寸法より大きい。
【0025】
使用中は、アプリケータはカテーテルの周りに配置され、区画壁は把持手段の使用によってカテーテルに係合する。カテーテルが尿路カテーテルである場合は、ユーザは、区画壁をカテーテル基端部に接触させることにより挿入可能なカテーテル基端部を把持し、カテーテル先端を尿管内に案内することができる。次に、アプリケータがカテーテル末端部に向けて新たな位置にさらに移動している間に、その把持を解除することができる。再びカテーテルが把持され、カテーテルの次なる部位が挿入される。このことは、カテーテル末端部からの排尿が開始されるまで続けられる。
【0026】
把持手段は区画の弱い領域を形成することができ、それにより、区画を捩ってその壁をカテーテルに係合させることができる。あるいは他の形態の把持手段を備えた区画の外側を圧搾することによって区画の壁をカテーテルに係合させることもできる。
【0027】
区画の中間部分の少なくとも一部を端部の曲げモーメントより低い曲げモーメントにすることは、区画の捩りを補助する。このことにより、指による圧力がかかったら直ちに区画を捩ることが容易になる。この捩りによって区画壁がカテーテルの外表面に係合し、それにより区画の内表面とカテーテルの外表面との間の摩擦が大きくなる。
【0028】
曲げモーメントの低減は、例えば、中間部分の半径寸法を端部より小さくすること、中間部分の壁厚を端部より薄くすること、中間部分の材料を端部と異なる材料とすること又はそれらの任意の組合わせにより達成可能である。曲げモーメントの低減はさらに、例えば中間部分にノッチを設けることにより達成可能である。ノッチは、軸方向に実質垂直に、好ましくはアプリケータの外表面に形成可能である。好ましくはノッチは、区画の中間部分の外表面内にて周方向に延びる溝又は窪みの形状に設けられる。上述のいずれかの方法で中間部分の曲げモーメントを低減することにより、指による圧力が加えられたときに直ちに区画を捩り又は圧壊することが容易になる。特に、そのような区画は区画の軸方向圧力に敏感であり、このことは区画の捩りを容易にする。同様に、中間部分に径方向圧力を加えると同時に端部にその圧力と反対方向の径方向圧力を加えることも区画の捩りを容易にする。
【0029】
区画が捩られたときにカテーテルに係合するように構成された内側に延びる把持手段を有する壁を備えたアプリケータを形成することにより、アプリケータ内でのカテーテルの固定をより確実にすることができる。把持手段は、区画内に向けて内側に延びる1つ以上の弾性の突起形状に形成可能であり、あるいは区画内に延びる比較的硬い又は鋭いエッジ又はリング形状に形成可能である。弾性の羽根を使用することによりカテーテルにソフトに接してカテーテルとの摩擦を高めることができる一方、鋭いエッジは、例えばカテーテルの表面内にノッチを押し込むことにより、より強い把持を行うことがきる。把持手段は各端部及び中間部分の少なくとも1つ(例えば、一方若しくは双方の端部の近く又は弱い領域の近く(例えば弱い領域の各側))に設けることができる。
【0030】
特に障害をもつユーザにとっては、中間部分に径方向圧力を加えると同時に端部にその圧力と反対方向の径方向圧力を加えること、又は区画を軸方向に圧縮することが困難な場合がある。アプリケータの扱いをより容易にするために、区画の第1及び第2端部の一方又は双方に、外側に延びるハンドリング手段を配置することができる。
【0031】
アプリケータの扱いをさらに容易にするために、複数のハンドリング手段の間の距離は、30〜150mmの範囲内(例えば40〜130mmの範囲内、例えば50〜100mmの範囲内、例えば60〜90mmの範囲内、例えば70〜80mmの範囲内、例えば75mm)であることが好ましい。
【0032】
扱いをさらにより容易にするために、アプリケータの区画の外半径寸法は、4〜20mmの範囲内(例えば8〜18mmの範囲内、例えば12〜16mmの範囲内、例えば14mm)であることが好ましい。ハンドリング手段の半径寸法は、区画の外半径寸法の1.5〜4倍の範囲内(例えば2倍)であることが好ましい。
【0033】
好適な実施形態によれば、把持手段は区画の壁の外表面に対し圧搾力を加えてその壁の内表面を押圧するように構成され、それにより壁はカテーテルの外表面に係合する。従って把持手段は、第1ピボット点にてアプリケータに接続された第1ハンドル部材を有することができ、それにより第1ハンドル部材は、区画壁の外表面に対して偏倚し、その壁の内表面を圧搾して、壁をその内側に配置されたカテーテルに係合させることができる。ハンドル及び第1ピボット点は、アプリケータが1つの部材に成形可能であるときのアプリケータの一体部分として、コスト面で効率的に形成可能である。アプリケータは種々の金属又はプラスチック材料から作製可能であるが、好ましくは、シリコーンすなわち熱可塑性エラストマー材料、他の熱可塑性材料、硬化可能なエラストマー材料、ポリアミド樹脂若しくはエラストマー、又はそれらの混合物(すなわちPA、PP、PVC、PU、PE、EVA、ラテックス及び/又はKraton(TM)のような材料を含むグループ)から作製される。
【0034】
第2ピボット点にてアプリケータに接続可能な第2ハンドル部材は、区画壁の外表面に対して偏倚し、その壁の内表面を圧搾して、その壁を内部に配置されたカテーテルに係合させることができる。第2ハンドル部材は、第1ハンドル部材に関して反対側の区画の外表面部位に対して偏倚するように配置可能である。このようにしてカテーテルは、先端が平坦なプライヤ又はピンセットの間のワイヤと一応同様に把持されることができる。
【0035】
これらのハンドル部材から区画壁の外表面にかかる(すなわちカテーテルにかかる)圧力をさらに高めるために、第1ハンドル部材及び第2ハンドル部材の少なくとも一方は、自らの上に設けられる爪部分をさらに有することができる。この爪部分は、ハンドル部材が区画壁の外表面に対し偏倚したときに、区画壁の柔軟な領域に係合する。ある実施形態によれば、爪部分は区画壁の表面にハンドル部材を接続することができる。ハンドル部材、爪部分及び区画壁は、例えば成形により単一の部材にすることができる。
【0036】
器具を圧搾する高い圧力を得るためには、爪部分はハンドル部材から実質垂直に延びるべきである。爪部分は任意の断面形状を有することができる。また区画壁に対して押圧される爪の表面部分は、三角形状、又は、区画壁に面する緩やかな湾曲部を備えた、鋭いエッジを有する円形形状に形成可能である。爪の表面部分はあるいは、平坦(鋭い部分がない)であってもよい。鋭いエッジを備えた先端を使用することは、滑りやすいカテーテルであってもそれを把持する能力を高める一方、鋭い先端からの圧力によりカテーテル表面に凹みが付される危険性がある。区画の柔軟な領域又は区画全体の壁厚は薄く維持される場合がある。例えばシリコーンゴムのような適当な材料を選定することにより、少なくとも柔軟領域の壁厚は0.01mmオーダーに維持可能である。択一的に、柔軟領域の壁厚は、アプリケータの管状区画の囲繞部分の壁厚より厚くすることができる。このことにより、柔軟領域は、カテーテルに対してよりソフトにかつカテーテル表面を損傷しない保護的方法にて押圧される。他の択一例としては、把持手段により圧力が加えられる領域は、アプリケータの管状区画の囲繞部分より柔軟性を低くすることができる。把持手段が圧力を加えると、この壁部分はカテーテルに対して圧力を加える。表面領域がより低い柔軟性の構造であることにより、圧力は領域全体にわたりより均一に分布し、故にカテーテル表面を損傷する可能性が低減される。従ってアプリケータの管状区画の壁全体が、全体にわたり均一な厚さ及び柔軟性を備えることも可能である。
【0037】
ユーザがカテーテルを、管状区画の双方の開口部を貫通する第1軸に沿う方向に操作することをより容易にするためには、区画は管状区画から径方向に延びる第1フランジを備えることが好ましい。この方向は、カテーテル方向すなわちカテーテルが人体の管内に案内される方向を横切る方向である。
【0038】
取扱いやすさをさらに改善してユーザが区画を第1軸に沿う双方向により容易に操作できるようにするために、区画は、管状区画から径方向に延びる第2フランジを有することができる。径方向に延びる2つのフランジの間の距離が、突き出たフランジの間でアプリケータが少なくとも1本又は2本の大人の指により把持されることを可能にする場合は、特に人間工学的なアプリケータが提供可能である。2つのフランジの間の好適な長さは、20〜150mmの範囲内(例えば35mm)である。フランジ間には、1つ又は2つのハンドル部材が設けられることが好ましい。
【0039】
好適な実施形態によれば、フランジは楕円、矩形又は少なくとも円形でない形状であり、それにより各フランジは管状区画から主として1つ又は2つの径方向に突き出る。この形態では、一方のフランジは他方のフランジに対して第1軸の回りを回転できることが好ましい。2つのフランジのうちの第1フランジが第2フランジに対して第1軸の回りを90°回転した場合は、ユーザは、器具すなわちアプリケータをしっかりとした握り方で都合よく把持することができ、さらに手が第2フランジを掴むまで一方のフランジを横切る一方の方向に手を摺動させることができ、そして第2フランジにより摺動が停止される。把持した状態で器具すなわちアプリケータを90°回転させることにより、ユーザは器具すなわちアプリケータに沿う他方の方向に、手が第2フランジを越えて第1フランジを掴むまで、握った手を摺動させることができる。
【0040】
複数のフランジは、区画の開放端部のそれぞれの近くに配置可能である。
【0041】
カテーテルの把持をさらに改善し、かつアプリケータの壁に最小の凹みをつけるだけで把持を可能とするために、内表面は径方向内側に延びる1つ以上の突部を有することができる。アプリケータの管状区画の内表面上の少なくとも1点とカテーテルの外表面との間の径方向距離は、アプリケータの内表面とカテーテルの外表面との間の全体的な径方向距離に比べ短くすることができる。突部は、爪と同様に任意の形状(例えば湾曲形状又はカテーテルに向けて鋭い若しくは平坦なエッジを備えた形状)を有することができる。択一的に、突部は、区画の内表面に隆起するように内側に延びるリング形状に置換可能である。
【0042】
カテーテルの操作を容易にするために、アプリケータはホースの第1端部(好ましくは基端部)に取外し可能に取付けられる。このことにより、ユーザはカテーテルの基端部を把持し、それを尿管内に挿入すると同時にパッケージからカテーテルを移動させることができる。
【0043】
カテーテルの挿入及びパッケージからの移動を同時に行うことをさらに容易にするために、ユーザは挿入及び移動を行っているときにホースの長さを変えることができる。このことにより、ユーザはホースを収縮させて、カテーテルの基端部をカテーテル出口を通して露出させることができる。
【0044】
可変長は、ホースの第2部分に対するホースの第1部分の伸縮可能な構造によって提供される。択一的に、ホース部材の第1部分の少なくとも一部であって好ましくはカテーテル基端部を囲繞する部分は、蛇腹状に折られた壁により形成可能である。この壁によってホースの壁は伸縮可能になり、ホース部材からカテーテル基端部を移動させることが容易になる。一例として、カテーテルの基端部はホース部材に囲繞されることができる。アプリケータの区画を圧搾してカテーテルに接触させるためには、ユーザは先ずカテーテルをホース部材の外に移動させて区画内に移動させねばならない。ホース部材の蛇腹状に折られた壁により、ユーザは区画をその蛇腹状に折られたホース部材に対して押圧するだけでよい。それによりホース部材の長さは短くなり、カテーテルの基端部が区画内に移動される。ここでユーザは区画壁を介してカテーテルを把持し、カテーテルに触れて汚染させることなく、カテーテル基端部をカテーテルパッケージから引出すことができる。
【0045】
好ましくはパッケージは、取外し可能な閉止具(例えばパッケージ基端部の開口部に接着剤で接着される薄いフォイル)によって基端部にて閉鎖される。それによりユーザは、フォイルを通すようにカテーテル基端部を押すことによりパッケージ基端部を開口させることができ、故にフォイルはカテーテル先端により貫通される。閉止具が取外された後に、ユーザは、例えば区画を圧搾してカテーテルに接触させること及びホース長を短くすることによって、カテーテル基端部を区画から引出すことができる。
【0046】
カテーテル操作を行った後に周囲を汚さないために、取外し可能な閉止具はカテーテル操作の後に区画に再接続可能であることが好ましく、それによりパッケージの少なくとも基端部は閉鎖される。
【0047】
閉止具がパッケージから取外されたときのカテーテルへのアクセスをさらに容易にするために、閉止具は、パッケージの外に伸びたカテーテルの少なくとも一部を受容するように構成されたキャビティを第1開口端部に有することが好ましい。パッケージが閉鎖されると、カテーテル又は他の全ての長楕円形の医療器具は、パッケージの外側に延び、さらに閉止具のキャビティ内に延びる。閉止具が取外されると、カテーテルの先端(例えば挿入可能な基端部)はパッケージの外に延び、それによりユーザのカテーテルへのアクセスが容易になる。一例として、パッケージの外に延びるカテーテルの先端は、アプリケータにより把持され、尿管又は類似の尿路に案内されることができる。
【0048】
取外し可能な閉止具を紛失しないように、閉止具は取外されたときに自らをパッケージに接続するストラップを有することができる。一例として、閉止具はアプリケータ、ホース又はパッケージの他の全ての部分に接続可能である。
【0049】
器用さに欠ける人に対しても使用が困難でないカテーテル組立体を提供するために、閉止具は、把持を容易にしすなわちパッケージの開口及び再閉鎖を容易にする把持領域を有することができる。
【0050】
把持領域は、径方向に延びる閉止具のフランジとして、又は大きい断面直径を有する閉止具の領域として設けることができる。閉止具はまた、外部ハンドルを係合させるための手段を有することができる。一例として、閉止具はハンドルを取付けるためのリング形状の突起を有することができる。把持領域は、閉止具をパッケージから取外す方向に延びるハンドリングタブの形状で設けることができる。ハンドリングタブは、軟らかい弾性のストラップとして設けることができ、それにより、ユーザは口を使うことによって閉止具を取外すことができる。
【0051】
アプリケータとホースとの間の接続、及びパッケージと閉止具との間の接続の一方又は双方は、ある部分を接続すべき他の部分の上に押圧すること及び捩ることの一方又は双方によってその接続が再度可能になるようにすることができる。
【0052】
第2区画は、区画の第1端部をもぎ取ることにより第1端部を開口させるための弱い線を有することができる。
【0053】
いくつかの場面においては、ユーザはカテーテルをパッケージから完全に取外すことなくカテーテルを使用することを希望する場合がある。一例として、ユーザは、カテーテルをより長くする(例えばサニタリー装置に届くように)ためにパッケージの使用を希望し得る。カテーテルパッケージの内表面とカテーテルの外表面との間には隙間があるので、尿がパッケージ内を後方(カテーテル内の流れ方向と反対方向)に流れる場合がある。カテーテルのユーザ及び周囲の一方又は双方が、尿又は他の液状物質(例えば、親水性カテーテルのための、表面摩擦を低減するためにカテーテルに付与される潤滑剤又は膨張媒体)によって汚染されることは望ましくない状況である。
【0054】
好適な実施形態によれば、カテーテルがパッケージから施与されている間、実質的に液密のシールをカテーテルパッケージと尿路カテーテルとの間に構成する封止手段が提供される。封止手段は、パッケージの基端部に設けることができ、例えばパッケージの基端部の閉止具を構成する。一例として、閉止具は、カテーテルの外側断面形状に適合する形状を備えた破断部分を有することができる。カテーテルが破断部分を通って動かされると、カテーテルがパッケージから施与されている間は閉止具がカテーテルを密封式に囲繞する。それにより、パッケージのホースとカテーテルとの間に画定されたキャビティは収容部を画定する。収容部は、例えば摩擦低減物質を収容するために使用可能である。
【0055】
封止手段はまた、尿路カテーテルの外表面とホースの内表面との間に配置可能である。一例として、封止手段はスライドシールの形状に構成可能である。スライドシールは、ホースの内表面及びカテーテルの外表面の一方又は双方を他方に対して移動させることができる一方、それらの間に実質的に液密の通路を提供する。それによりホースのキャビティはパッケージ基端部の近くに位置する上方収容部と、その反対側であってカテーテルとホースとの間に位置する下方収容部とを画定する。特に上方収容部は、パッケージ内のカテーテル基端部を処理するための摩擦低減物質の収容に有利に使用できる。
【0056】
封止手段は、液状物質がパッケージの内表面とカテーテルの外表面との間を流れること実質的に防止する障害物の形状に形成可能である。従って封止手段は、カテーテルとホース部材との間の空間を、カテーテル基端部に向かう方向の上方収容部と、カテーテル及びパッケージの末端部に向かう方向の下方収容部とに分割する。
【0057】
一例として、封止手段は、カテーテルの外表面の径方向外側に延びる突部又はホース部材の内表面の内側に延びる突部(例えばそれぞれ、ホース部材内表面又はカテーテル外表面に接触可能に構成された弾性の羽根の形態)として形成可能である。この点で、カテーテルが有する外側に延びる突部は、カテーテルに接続された突部又はカテーテル表面に直接形成された突部のいずれかとして理解されるべきである。一例として、カテーテルはプラグ部材に接続可能であり、プラグ部材は、ホース内表面又は少なくともその一部に沿って摺動可能な羽根を有する。同様に、ホースが有する内側に延びる突部は、ホースに接続された突部又はカテーテル内表面に直接形成された突部のいずれかとして理解されるべきである。
【0058】
カテーテル又はホース部材の外表面又は内表面において径方向外側又は内側に延びる2つ以上の突部は、2つの区画の間の液状物質の流れに対してさらに良好なシールを提供する。径方向内側に延びる少なくとも2つの突部を、相異なる複数の半径寸法を有するホース部材の内表面に設けることにより、さらなる密封効果が達成される。
【0059】
好適な実施形態によれば、封止手段は、ホース部材の内表面とカテーテルの外表面との間に設けられたリング形状の部材を有する。一例として、ホース部材の内側に規則的なリング形状のガスケットが配置可能である。好ましくは、リング形状部材はホースの内側で前後に移動できるように緩く配置される。一例として、リング形状部材は、ホース部材に対する隙間、さらにカテーテルに対する隙間を有する。それにより、液状物質がリング形状部材を通過することが実質的に防止されるとともに、リング形状部材はカテーテルパッケージ内で長手方向に前後に移動することができる。
【0060】
好ましくはリング形状部材は、ホース部材の内表面が有する内側に延びる突部、又はカテーテルが有する外側に延びる突部と協働するように構成される。
【0061】
尿路カテーテルの末端部から封止手段の位置までの距離は、カテーテル末端部とカテーテル基端部との間の距離の0〜100%、例えば0%、例えば10%、例えば20%、例えば30%、例えば40%、例えば50%、例えば60%、例えば70%、例えば80%、例えば90%、例えば99%であることが好ましい。
【0062】
一般に、尿管内へのカテーテルの導入における問題は、カテーテルの導入部分の大きさだけでなく、その導入部分の滑りやすさにも依存する。上述のように、尿管又は人工尿管内に挿入可能なカテーテル又はカテーテルの少なくとも一部は、容易かつ安全な挿入のために、滑りやすい表面を備えることが多い。しかし滑りやすい表面は、器用さに欠ける大部分のユーザにとっては扱いが困難であることがわかっている。従って本発明の重要な形態によれば、ユーザは、カテーテルパッケージのみに触れ、膀胱を開くのに必要な長さだけカテーテルを露出させることのみにより、カテーテルを操作できる。好ましくは、封止手段は、所定の分解長さにわたってカテーテルの外表面とホースの内表面との間を封止するように構成される。それにより、カテーテルのユーザは、例えばカテーテル基端部をカテーテルパッケージから引張ることにより、カテーテルをパッケージから少なくとも部分的に引出すことができ、一方カテーテルとパッケージとの間のシールは維持される。この特徴により、1つの長さを有するタイプのカテーテルが、男性ユーザ及び女性ユーザのいずれにも提供可能である。ユーザは、膀胱を開口させるために必要な長さだけ(すなわち、女性ユーザについては約50〜90mm、男性ユーザについては180〜250mm)カテーテルをカテーテルパッケージから引出すだけでよい。カテーテルの全長は、最大350mm又はそれ以上が可能である。さらに、カテーテルはパッケージから施与可能な全長を有する。それによりユーザには、パッケージから尿又は他の液状物質をより遠くに排出する機会が与えられる。
【0063】
封止手段及びホース部材の一方又は双方は、カテーテルが第1施与部位にわたって施与されている間は、カテーテルの外表面とホース部材の内表面との間に通路が画定されるように構成されることが好ましい。従って、封止手段が第1部位内に位置するときは、流体が尿路カテーテルとホース部材との間を通ることが防止される。
【0064】
周囲が摩擦低減物質によって汚染されないためには、カテーテルをパッケージ基端部を通して分解する前に、そのような物質が上方収容部に収容されて下方収容部内に流れることができるようにすることが有利である。従って封止手段及びホースの一方又は双方は、第2分解部位にわたって尿路カテーテルの外表面とホース部材の内表面との間に隙間が画定されるように構成されることが好ましく、それにより、封止手段が第2分解部位に位置するときは、尿路カテーテルとホース部材との間を流体が流れることが可能になる。カテーテルがパッケージから動かされているときは、カテーテルは第2分解部位に入る。故に、上方収容部内に収容された全ての液状物質は下方収容部内に流れ、それにより、液状物質がパッケージ基端部を通って不適切に放出されることが防止される。
【0065】
第1分解部位の長さは、パッケージの全長の0〜100%、例えば10%、例えば20%、例えば30%、例えば40%、例えば50%、例えば60%、例えば70%、例えば80%、例えば90%、例えば100%に設定されることが好ましい。
【0066】
ある実施形態によれば、ホースはテーパを有する内側表面を備える。テーパを有する内側表面により、ホースの内側の隙間は、一方の端部の第1内側隙間から反対側の端部の第2内側隙間まで大きくなる。第1内側隙間はホース内側表面とカテーテルとの間に実質的液密のシールを提供し、第2内側隙間はホース内側表面とカテーテルとの間に液体流路を提供する。
【0067】
ある実施形態によれば、実質的液密のシールは、第1施与部位にわたり、カテーテルパッケージとカテーテルとの間に連続的に設けられる。しかし、液密シールは不連続に設けられてもよい。
【0068】
挿入時又はカテーテル操作時にカテーテルが引出し位置に留まることを確保するため、すなわちカテーテルがパッケージ内を後方に摺動することを防止するために、カテーテルをパッケージに対する固定位置に固定するための固定装置が設けられることが好ましい。固定装置は、カテーテル上に設けられた径方向外側に延びるフランジ又は突部として形成可能である。フランジ又は突部は、ホースの内表面の凹部に係合するか、又はホースの内表面に設けられた径方向内側に延びるフランジ又は突部に係合する。
【0069】
カテーテル操作中にユーザがカテーテル基端部をパッケージから移動させることのみを行った場合は、ユーザがカテーテルパッケージの他方の端部を開口し忘れたときに望ましくない状況が発生する。それにより、ある量の尿がカテーテルパッケージ内に蓄積され、カテーテル管内を逆流する場合がある。この場合、周囲が深刻に汚染される危険性があるとともに、膀胱内に逆流する可能性もある。
【0070】
従って、液状物質をパッケージの外に排出するための開口部を備えたパッケージを提供することが有利である。開口部は、尿をパッケージの外に排出するだけでなく、パッケージ内に収容された、カテーテルの挿入を容易にするための摩擦低減物質(例えば、親水性カテーテル用の液状膨張媒体)の余剰分を排出するためにも使用可能である。
【0071】
開口部は、カテーテルの挿入可能な基端部と液状物質が配置される場所との間の距離を最も長くしてユーザの自由度を最大限にすることから、パッケージの末端部に設けられることが好ましい。使用中は、個人はカテーテルの一部を引出すだけでよく、そのことは尿を膀胱から流れさせるために十分である。尿はカテーテル導管を通ってパッケージ内に流れる。尿は開口部を通って、パッケージの外(例えばトイレ、又はパッケージに接続された捕集バッグ若しくはリザーバ)に排出可能である。本発明によれば、開口部はカテーテルに接続された閉止手段により閉鎖される。閉止手段は、ユーザが開口部を簡単に開口し忘れることがないように、カテーテルがパッケージから動かされたら直ちにパッケージを開口する。一例として、開口部はカテーテルの末端部により閉鎖可能である。
【0072】
好適な実施形態によれば、閉止手段は、カテーテルに取付けられた第2バルブ部材と協働する第1バルブ部材を有する。
【0073】
第1バルブ部材は、第2バルブ部材が有する対応する第3シールフランジに密封式に係合するように構成された第1シールフランジを有することができ、それによりシール用第2バルブ部材は第1バルブ部材の出口を閉鎖する。第1及び第2シールフランジは、ホースとパッケージ外側の周囲との間の通路を封止することができる。
【0074】
第1バルブ部材はさらに、第2バルブ部材が有する対応する第4シールフランジに密封式に係合するように構成された第2シールフランジを有することができる。次に第2及び第4シールフランジは、カテーテルの導管とパッケージ外側の周囲との間の通路を封止することができる。
【0075】
好適な実施形態によれば、尿路カテーテルに接続された閉止手段は、パッケージに設けられた出口と協働する流路を備える。閉止手段が出口に関して第1の位置にあるときは、液状物質はカテーテルの導管からパッケージの外に流れることができる。他の位置にあるときは、液状物質がカテーテルの導管からパッケージの外に流れることが防止される。この2つの位置は、カテーテルがパッケージの外に動かされるとき又は動かされているときと、カテーテルがパッケージ内に配置されているときとにそれぞれ対応し、第1及び第2バルブ部材は密封式に係合する。
【0076】
閉止手段の流路はさらに、上記下方又は上方の収容区画のいずれか一方とカテーテルの導管との間の流れを可能にする少なくとも1つの入口を有することができる。カテーテルを通って排出される尿が入口を通って流れ出すことを防止するために、入口は、液状物質が下方又は上方の収容区画のいずれか一方から導管内への方向に流れることのみを許容し、好ましくは反対方向への流れを防止する手段を有することができる。
【0077】
障害をもつユーザにとっては、利用可能な化粧室に入ることが非常に困難な場合がある。従って、液状物質を収容するためのリザーバにパッケージの末端部を接続することにより、化粧室の有用性とは全く無関係にカテーテルを使用することは有利である。この場合、カテーテルパッケージ又は少なくともそのホース部材は、リザーバに一体化されることができる。
【0078】
リザーバの破壊又はリザーバの壁を介する液状物質の蒸発を生じさせないように液体を少なくとも緩やかに充填することに対して耐久性を有する材料を用いてリザーバを提供することは有利である。さらに、リザーバの壁の物性は、最大12ヶ月又はそれ以上(例えば最大24ヶ月又はそれ以上)の期間にわたり、少なくとも実質的に維持されるべきである。従ってリザーバは、熱可塑性エラストマー材料、他の熱可塑性材料、硬化可能なエラストマー材料、ポリアミド樹脂若しくはエラストマー、又はそれらの混合物(すなわちPA、PP、PVC、PU、PE、EVA、ラテックス及び/又はKraton(TM)のような材料を含むグループ)から作製可能であることが好ましい。好ましくはリザーバは、エッジに沿って接合された2つのフォイル状シート材料から作製可能であり、この接合は例えば、フォイルを互いに溶接又は接着することによって行われる。フォイルは、種々の材料の積層体であってもよく、例えば、完全にガス不透過性のパッケージを用意するために、アルミニウム又は類似の金属からなる1つの層を有することができる。
【0079】
リザーバが、その限界まで充填されることがない容量を有することは有利である。従ってリザーバは、500〜5000mlの範囲内、例えば600ml、例えば700ml、例えば800ml、例えば900ml、例えば1000ml、例えば1500ml、例えば2000ml、例えば2500ml、例えば3000ml、例えば3500ml、例えば4000ml、例えば4500ml、例えば5000mlの容量を有することができる。
【0080】
液状物質(例えば尿)がリザーバの外に漏れることが防止されることは有利である。従って、パッケージの末端部とリザーバとの間は、液状物質がパッケージからリザーバに向かう方向にのみ流れることができるように接続可能である。一例として、第1及び第2バルブ部材のいずれか一方に、例えばシート又はフラップ形状の逆止弁を一体化させることができる。逆止弁は、液体がリザーバ内に流れるときはパッケージとリザーバとの間の開口部から動かされることができるが、液体がその他の方向に流れようとするときは、シートが液体によって所定位置に押し戻され、リザーバとパッケージとの間の通路を塞ぐ。このような逆止弁は当業者には公知である。
【0081】
カテーテル操作の後は、多くのユーザは、カテーテル組立体又はリザーバが廃棄される前にリザーバを空にすることを希望する。従って、リザーバを空にするための排出用スパウト又はバルブを設けることが有利である。バルブは、少なくとも閉位置と開位置との間で使用可能であるべきである。一例として、バルブは、閉鎖された通路を備えたスパウト状に形成可能である。この通路は例えば、破断線に沿ってリザーバを溶着することにより閉鎖可能である。カテーテル操作の終了後は、ユーザはスパウトの先端をもぎ取ることのみによりリザーバを空にできる。
【0082】
ユーザは、空のリザーバを備えた使用済みのカテーテル組立体を、廃棄が可能な適当な場所まで運ばねばならない場合がある。従って、リザーバを空にした後に、ユーザが緊密に閉鎖できる閉止具を備えた排出用スパウトを提供することが有利である。取外し可能な閉止具の代替として、開位置及び閉位置を備えたバルブをスパウトに接続することができる。一例としてバルブは、開位置及び閉位置を備えた通常の2方向バルブであってよい。
【0083】
多くのカテーテルは、摩擦低減物質により処理されたときに低摩擦表面物性を呈する表面を備える。従ってパッケージが、表面部分をそのような物質で処理するための液密の濡れポケットを画定することが有利である。カテーテルが親水性である場合又は少なくとも基端部に施された親水性表面被膜を少なくとも有する場合は、物質は典型的には水系溶液(例えば食塩水)である。カテーテルが親水性でない場合は、物質として通常の種類の潤滑剤の全てが可能である。
【0084】
カテーテル表面の少なくとも一部を処理するために十分な量の物質を備えた組立体を提供することは、さらに有利である。一例として、尿管内に挿入可能なカテーテルの第1部分にその処理を施すことができる。この処理は、上方収容部にて有利に行うことができる。
【0085】
本発明の好適な実施形態によれば、物質は組立体に接続された袋に収容される。この袋は例えば、パッケージの基端部及び末端部のいずれかを閉鎖するための閉止具を構成する。好ましくは、パッケージの基端部はカテーテルの基端部の近くに配置される。他の好適な実施形態によれば、組立操作中に、物質が収容部又は少なくとも上方収容部に供給される。それにより、カテーテル組立体が作製されたときから既に、カテーテルは低摩擦表面物性を備える。従ってパッケージは実質的にガス不透過性材料の壁により形成されることが好ましく、それによりカテーテル及びパッケージ内の液状物質は長時間貯蔵可能である。
【0086】
第2の態様によれば、本発明は医療器具、特には一般に長楕円形の器具を施与するためのアプリケータに関する。このアプリケータは、
− 第1開口端部を備えた管状区画であって、管状区画は器具の少なくとも一部を受容するように構成されるとともに、器具に面する内表面と外表面とを備えた壁により形成され、壁は柔軟な領域を有し、それにより、壁の外表面に圧力が加えられたら直ちに区画の内表面が圧搾されて器具に係合することができる、管状区画と、
− 壁の外表面に圧力を加えるように構成された把持手段と、
を有する。
【0087】
このアプリケータは、カテーテル組立体のアプリケータについて説明されたものと同じ特徴を有することができ、種々の器具(例えば気管用チューブ、ガイドワイヤ又は尿路カテーテルのようなカテーテルの全種類)に適用可能である。
【0088】
第3の態様によれば、本発明は、カテーテル組立体用の閉止具のような、医療器具用パッケージのための閉止具に関する。閉止具は第1開口端部を備えたキャビティを有し、キャビティは、パッケージの外に延びる医療器具の少なくとも一部を受容するように構成される。
【0089】
この閉止具は、カテーテル組立体の閉止具について説明された特徴を全て有することができ、すなわち閉止具をパッケージに固定するためのストラップ又は種々の把持手段(例えば、閉止具が関連するパッケージから取外される方向に延びるハンドリングタブ)を備えることができる。閉止具は、全ての実施形態並びに本発明の第1、第2及び第4の態様と組合わせて使用可能である。
【0090】
第4の態様によれば、本発明は、尿管内にカテーテルを汚染なく挿入できるカテーテル組立体に関し、この組立体は、
− 個人の身体の開口部に挿入されるように構成された基端部とその反対側の末端部との間に導管を画定するカテーテルと、
− カテーテルを収容するためのキャビティを備えたホースを有するパッケージであって、カテーテルの基端部をパッケージから施与するための開口部をパッケージの基端部に有する、パッケージと、
− カテーテルがパッケージから施与されている間、カテーテルパッケージと尿路カテーテルとの間に実質的液密のシールを提供するように構成される封止手段と、
を有する。
【0091】
封止手段は、第1の態様に係るカテーテル組立体の封止手段について説明された特徴を全て有することができ、本発明の第1、第2及び第3の態様のいずれとも組合わせて使用可能である。
【0092】
本発明の好適な実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1a】本発明の好適な実施形態に係るカテーテル組立体の図である。
【図1b】本発明の好適な実施形態に係るカテーテル組立体の図である。
【図1c】本発明の好適な実施形態に係るカテーテル組立体の図である。
【図1d】本発明の好適な実施形態に係るカテーテル組立体の図である。
【図2a】図1の組立体の択一的実施形態の図である。
【図2b】図1の組立体の択一的実施形態の図である。
【図2c】図1の組立体の択一的実施形態の図である。
【図2d】図1の組立体の択一的実施形態の図である。
【図3a】図1及び図2の組立体の他の択一的実施形態の図である。
【図3b】図1及び図2の組立体の他の択一的実施形態の図である。
【図3c】図1及び図2の組立体の他の択一的実施形態の図である。
【図3d】図1及び図2の組立体の他の択一的実施形態の図である。
【図3e】図1及び図2の組立体の他の択一的実施形態の図である。
【図4a】カテーテルとホースとの間の流路が第1の分解部位にわたり封止され、第2の分解部位にわたり開口している、ある実施形態の組立体の図である。
【図4b】カテーテルとホースとの間の流路が第1の分解部位にわたり封止され、第2の分解部位にわたり開口している、ある実施形態の組立体の図である。
【図4c】カテーテルとホースとの間の流路が第1の分解部位にわたり封止され、第2の分解部位にわたり開口している、ある実施形態の組立体の図である。
【図4d】カテーテルとホースとの間の流路が第1の分解部位にわたり封止され、第2の分解部位にわたり開口している、ある実施形態の組立体の図である。
【図4e】カテーテルとホースとの間の流路が第1の分解部位にわたり封止され、第2の分解部位にわたり開口している、ある実施形態の組立体の図である。
【図5a】長さが変化するホースを用いてユーザが組立体からカテーテルを取外す7つの手順を示す図である。
【図5b】長さが変化するホースを用いてユーザが組立体からカテーテルを取外す7つの手順を示す図である。
【図5c】長さが変化するホースを用いてユーザが組立体からカテーテルを取外す7つの手順を示す図である。
【図5d】長さが変化するホースを用いてユーザが組立体からカテーテルを取外す7つの手順を示す図である。
【図5e】長さが変化するホースを用いてユーザが組立体からカテーテルを取外す7つの手順を示す図である。
【図5f】長さが変化するホースを用いてユーザが組立体からカテーテルを取外す7つの手順を示す図である。
【図5g】長さが変化するホースを用いてユーザが組立体からカテーテルを取外す7つの手順を示す図である。
【図6a】カテーテルを尿管内に汚染なく挿入するための区画がホース部材に取付けられた、本発明の相異なる3つの実施形態の図である。
【図6b】カテーテルを尿管内に汚染なく挿入するための区画がホース部材に取付けられた、本発明の相異なる3つの実施形態の図である。
【図6c】カテーテルを尿管内に汚染なく挿入するための区画がホース部材に取付けられた、本発明の相異なる3つの実施形態の図である。
【図7a】パッケージの末端部がカテーテルの末端部により閉鎖された、1つの実施形態の組立体の図である。
【図7b】パッケージの末端部がカテーテルの末端部により閉鎖された、1つの実施形態の組立体の図である。
【図7c】パッケージの末端部がカテーテルの末端部により閉鎖された、1つの実施形態の組立体の図である。
【図8a】パッケージの末端部が取外し可能な閉止具により閉鎖された、図7に示される組立体の実施形態の図である。
【図8b】パッケージの末端部が取外し可能な閉止具により閉鎖された、図7に示される組立体の実施形態の図である。
【図8c】パッケージの末端部が取外し可能な閉止具により閉鎖された、図7に示される組立体の実施形態の図である。
【図9】尿及び他の液状物質を貯蔵するためのリザーバを有する組立体の相異なる3つの実施形態の1つの図である。
【図10】尿及び他の液状物質を貯蔵するためのリザーバを有する組立体の相異なる3つの実施形態の1つの図である。
【図11】尿及び他の液状物質を貯蔵するためのリザーバを有する組立体の相異なる3つの実施形態の1つの図である。
【図12】本発明に係るカテーテル組立体の図である。
【図13】医療器具用のアプリケータの斜視図である。
【図14】図13に示されるアプリケータの側面図である。
【図15】図13のA−A線に沿う断面図である。
【図16】医療器具用パッケージのための取外し可能な閉止具の斜視図である。
【図17】図16に示される閉止具の断面図である。
【図18】パッケージに取付けられた図16の閉止具を保持するためのストラップの斜視図である。
【図19】カテーテルに取付けられるように構成された径方向外側に延びる突部とバルブ部材とを組合わせた斜視図である。
【図20】図19のバルブ部材の断面図である。
【図21】パッケージ末端部の開口部に固定されるバルブ部材の斜視図である。
【図22】図21のバルブ部材の側面図である。
【図23】尿バッグ等のバッグに接続されるためのダイヤモンドを備えたホースの断面図である。
【図24】本発明の好適な実施形態に係るアプリケータの図である。
【図25】図1のアプリケータの断面図である。
【図26】カテーテルが内部に挿入された図2のアプリケータの図である。
【図27】カテーテルを有する捩られたアプリケータの図である。
【図28】捩られた状態にあるとともに、把持を強めるための内側に延びる把持手段を備えるアプリケータの実施形態の図である。
【図29a】アプリケータの内表面に設けられた内側に延びる把持手段の様々な構成を示す図である。
【図29b】アプリケータの内表面に設けられた内側に延びる把持手段の様々な構成を示す図である。
【図29c】アプリケータの内表面に設けられた内側に延びる把持手段の様々な構成を示す図である。
【図29d】アプリケータの内表面に設けられた内側に延びる把持手段の様々な構成を示す図である。
【図29e】アプリケータの内表面に設けられた内側に延びる把持手段の様々な構成を示す図である。
【図29f】アプリケータの内表面に設けられた内側に延びる把持手段の様々な構成を示す図である。
【図29g】アプリケータの内表面に設けられた内側に延びる把持手段の様々な構成を示す図である。
【図30】1つのユニットとして形成されたカテーテル及びアプリケータを備えるカテーテル組立体の図である。
【図31】カテーテルのコネクタに係合するアプリケータを備えるカテーテル組立体の図である。
【図32】アプリケータがカテーテルパッケージの一部を構成する、カテーテル組立体の図である。
【図33】パッケージ内に収容されたカテーテル組立体の図である。
【図34】2つの区画に分割されたパッケージ内に収容されたカテーテル組立体の図である。
【発明を実施するための形態】
【0094】
図1を参照すると、本発明に係るカテーテル組立体は、尿及び他の液状物質を移送するための導管2を画定する尿路カテーテル1と、封止手段4を備えたカテーテルパッケージとを有する。この点において、カテーテルは、ホース及びホースに接続された付加部分(例えばプラグ25(図2参照))により規定される。プラグは、カテーテルとパッケージとの間のシールと、パッケージの末端部を閉鎖するように構成された閉止手段とを結合する(以降の説明を参照)。カテーテルは、個人の尿管内に挿入可能な基端部5を有する。カテーテルは、膀胱からカテーテルの導管内に尿を流すために、カテーテル基端部の周囲に設けられた複数の孔6を有する。カテーテルはさらに、液状物質を導管の外に排出するために、少なくとも1つの開口部7を反対側の末端部に有する。パッケージは、カテーテルを収容するためのキャビティ10を画定するホース9を有する。
【0095】
封止手段4は、カテーテルの外表面11とホース部材の内表面12との間に設けられ、ホース部材とカテーテルとの間に画定された空間を実質的液密に区分し、上方収容部13と下方収容部14とに分割する。
【0096】
図1に示されるように、封止手段は、径方向外側に延びる突部4の形状にて設けられることが好ましい。突部4は例えば、カテーテルが有するすなわちカテーテルに取付けられた軟らかい弾性の羽根形状を有し、その羽根がホース部材の内表面に接触できるような長さを有する。
【0097】
図1aは組立体の好適な実施形態を示す。流路15は、液状物質が上方収容部14から導管2内に流入できるようにするために設けられる。液状物質は例えば、親水性カテーテルの処理のための上方収容部に収容された水若しくは食塩水、又は通常のカテーテルに低摩擦表面物性を付与するための潤滑剤である。
【0098】
図1bは、カテーテルに接続される封止手段の一実施形態を示す。
【0099】
図1cは、パッケージ末端部に開口部16が設けられた状態を示す。開口部16により、下方収容部が有する液状物質をパッケージの外に排出することが可能になる。
【0100】
図1dは、カテーテルの閉止手段17が開口部16を液密に封止する状態を示す。好ましくは閉止手段は、開口部16の内表面に接するように構成された多数の弾性の又は柔軟な突起18を有する。
【0101】
図1c及び図1dはさらに、パッケージの基端部が有する取外し可能な閉止具19を示す。図1c及び図1dに示されるように、閉止具はストリップ20を介してパッケージに取付けられることが好ましく、それにより組立体は1つのユニットとなる。閉止具は径方向に延びる把持ハンドル21を有することができ、把持ハンドル21は、器用さを欠く多くの個人にとって閉止具の取外しを容易にする。
【0102】
図2a、図2b、図2c及び図2dは、プラグ25の択一的実施形態及びパッケージ末端部の択一的実施形態を示す。ここでは、開口したパッケージ末端部は閉止具26により閉鎖される。閉止具は、ホース部材9上に対して取外し可能であってもよいし、接着されてもよい。プラグは少なくとも1つの出口開口部27を有することが好ましく、それにより、膀胱からカテーテル基端部内に流れる尿がプラグを通ってカテーテルの外に排出されることが可能になる。プラグはさらに、液状物質を上方収容部14から導管2内に流してカテーテル末端部の外に排出するための入口28を有することができる。閉止具26はさらに、液状物質(例えば尿)を下方収容部の外に排出するための開口部29を有する。
【0103】
図2cは、カテーテルの閉止手段が閉止具から引出され、それにより通路29が開く状態を示す。
【0104】
図2dは、カテーテルの閉止手段が通路29を閉鎖し、それにより液状物質のパッケージからの排出が防止される状態を示す。
【0105】
図2に示されるカテーテル及びパッケージは、その全長まで引き伸ばされていない。両者の基端部は、図1及び図2の実施形態の差のみに注目するために省略されている。
【0106】
図3が示す本発明の実施形態においては、図2のプラグ25と同様の特徴を有するプラグ35が提供される。このプラグは、リング形状のシール部材37に係合するように構成された溝36をさらに有する。リング形状のシール部材は、パッケージ38の内側に設けられ、ホース部材の内表面に固定されるか、あるいはホース内を前後に摺動できるように可動に配置される。
【0107】
図3cは、リング形状の部材が溝に係合している状態を示す。
【0108】
図2の実施形態と同様に、カテーテル基端部及びパッケージ基端部はいずれも、図2及び図3の実施形態の差のみに注目するために除外されている。
【0109】
図4が示す本発明の実施形態は、弾性の羽根46を備えたプラグ45を有する。羽根46は、プラグがホースの第1部位47内に位置するときに、ホースの第1部位にわたって内表面に接することができるような直径を有する。しかし、ホースは相異なる2つの半径寸法を有する。従って、ホース第2部位48の半径寸法がホース第1部位の半径寸法より大きいため、羽根46は、プラグが第2部位内に位置するときはホース内表面に接することができない。
【0110】
図5が示す本発明の実施形態においては、ホース9は様々な長さを有する。この可変の長さは、ホースが有する蛇腹状に折られた壁部分50により提供される。さらにホースは2つの把持領域51、52を形成し、それによりユーザは、ホースをしっかりと握ってその長さを短くすることができる(例えば図5b参照)。図5a、図5b、図5c、図5d、図5e、図5f及び図5gに示されるように、この可変の長さは、ユーザが、ホース長を短くし、ホース壁を介してカテーテルを把持し、カテーテルを把持しつつホース長を伸ばし、把持を解除して再度ホース長を短くすることにより、カテーテル基端部をパッケージから押出すことを可能にする。その逆も可能である。従って、ホース壁53は柔軟な材料から作製されることが好ましく、それにより、指の圧力によって壁が圧搾されてカテーテルに接することが可能になる。
【0111】
図6が示す本発明の実施形態においては、区画60が第1端部61において閉鎖される一方、反対側の第2端部62においてホース部材63に取外し可能に接続される。区画は、ユーザが区画をしっかりと握ることを可能にする2つの把持領域64、65を有する。さらに、区画は蛇腹状に折られた壁部分66を有し、それによりユーザは、カテーテル基端部67をパッケージ基端部から押出すために、区画の長さを短くすることができる。カテーテル操作後にパッケージを閉鎖できるように、第1端部を閉鎖するための閉止具69が設けられる。このことによりユーザは、周囲を汚染するいかなるリスクもなく、使用済みのカテーテル組立体を保管することができる。しかし上述のように、第1端部61は区画の端部(例えば区画端部に接着された薄いフォイル形状のもの)をもぎ取ることによっても閉鎖可能である。
【0112】
区画は、図6aのように破断線にわたってホースに取外し可能に接続されてもよいし、択一的に、図6b及び図6cのように、ホース及び区画のいずれか一方をそれらの他方の中に挿入することにより、ホース部材に伸縮可能に接続されてもよい。
【0113】
図7が示す本発明の1つの実施形態においては、パッケージはその末端部に開口部75を有する。この開口部はカテーテルの末端部76により閉鎖可能であり、それによりパッケージ末端部は、カテーテルがカテーテルパッケージから移動したら直ちに自動的に開くことができる。図示されるように、パッケージ内の液状物質(例えば親水性カテーテルを処理するための液状膨張媒体)は、カテーテル基端部に設けられた孔77を通ってパッケージから排出されることができる。カテーテル及びパッケージの基端部は、図面の簡略化のために図7a及び図7bからは除外されている。図7cにおいては、パッケージの基端部が除外されている。しかし、パッケージの基端部は、例えばあらゆる種類の閉止具によって閉鎖可能である。
【0114】
図8が示す本発明の実施形態においては、パッケージの末端部は取外し可能な閉止具80によって閉鎖される。この閉止具は、液状物質をパッケージから排出するための出口81を有する。カテーテルがパッケージ及び閉止具に関して第1の位置にあるときは、図8aのように、出口はカテーテル末端部によって閉鎖される。カテーテルがパッケージから動かされると、出口は開口し、それにより液状物質がパッケージから排出される。
【0115】
図9〜図11が示す本発明の相異なる実施形態においては、ホース部材は、液状物質(例えば尿及び/又はカテーテルを使用前に低摩擦表面物性を付与するための食塩水)を捕集するためのリザーバに接続される。
【0116】
図9を参照すると、一方向閉止具としてバルブ90が設けられることが好ましく、それによりリザーバ内に流れる液体がホース部材及びカテーテルの一方又は双方を通って逆流することが確実に防止される。リザーバは、液状物質をリザーバから排出するための排出用スパウト又はバルブ91を有する。一例として、排出用バルブは、そのバルブの上部をもぎ取ることによって開口可能である。この目的のために、リザーバは弱い線92を有することが好ましい。リザーバは好ましくは、実質平坦な底部93を備えたバッグとして形成される。それによりユーザは、カテーテルを尿管内に挿入して尿をリザーバ内に排出している間、リザーバを床のような平坦な面に置くことができる。排出用バルブの開口に関する指示は、リザーバに印刷されることが好ましい。ハンドル94、95は、例えばリザーバを空にするときに、ユーザに対してよりよい把持部を提供する。この目的のために、両ハンドルを組合わせて使用することが特に適当であり、すなわちリザーバは上部ハンドル95によって持ち上げられ、一方後部ハンドル94はリザーバを回転するために使用される。この点において、ユーザは典型的には少なくとも部分的に運動神経に関する障害を有することに留意すべきである。組立体はさらに、組立体を開閉するための閉止具96を有する。図9が示す、組立体及びリザーバを組合わせた実施形態においては、区画97がジョイント98においてホース99に伸縮可能に接続される。
【0117】
図10が示す図9の組立体の実施形態においては、区画100がカップリング102によってホース部材101に取付けられる。
【0118】
図11が示す図10の組立体の実施形態においては、区画100が弱い破断線103によってホース部材101に取付けられる。
【0119】
図示された組立体の実施形態においては、カテーテル組立体はリザーバに接続され、さらに組立体は、留置カテーテル又は他種のカテーテルに接続されて使用することができる。同様に、リザーバすなわちバッグは例えば、レッグストラップにより脚に取付けられるレッグバッグ(leg bag)として使用可能である。
【0120】
図12を参照すると、改良されかつ特に使いやすいカテーテル組立体の一例は、カテーテル121及びカテーテルパッケージを有し、カテーテルパッケージはホース122、アプリケータ123、パッケージ末端部に設けられた開口部124、バッグをホースに接着するためのダイヤモンド125及び閉止具126を有する。アプリケータ、ホース、ダイヤモンド及び閉止具は、以降の図面にさらに記載されている。図12に示されるように、組立体は外側パッケージ127に囲繞されることができる。外側パッケージにより、全ての部分は好都合に殺菌可能であり、ユーザはパッケージが開口しているか(すなわち汚染されているか)を容易に判断することができる。
【0121】
図13、図14及び図15は、カテーテルのような医療器具用のアプリケータを示す。アプリケータは、第1開口端部132及び第2開口端部133を備えた管状区画131により形成される。区画はそれらの開口端部の間を延び、それによりアプリケータは長楕円形の器具に配置可能になる。区画は、内表面134及び外表面135を備えた壁により形成される。この壁は少なくとも1つの柔軟な領域136を有するので、壁の外表面に圧力が加えられたら直ちに、壁の少なくとも柔軟な領域は、圧搾されてカテーテルに係合することができる。アプリケータはさらに、壁の外表面に圧力を加えるように構成された把持手段を有する。図示されるように、アプリケータの管状区画131は、開口端部132と133との間に実質直線の通路を形成することができる。把持手段は、第1及び第2のハンドル部材138及び139を有する。これらのハンドル部材は、第1及び第2のピボット点137にて結合されるので、区画壁の外表面に対して偏倚することができる。これらハンドル部材は、区画が有する互いに反対側の外表面に向かうように付勢される。従ってハンドル部材は、ハンドル部材間に位置するカテーテルを把持するための把持部材として作用する。これらのハンドル部材は爪部分140及び141を有する。爪部分はハンドル部材から区画の柔軟領域に向かって垂直に延びる。図14に最もよく示されるように、爪部分はハンドル部材を区画壁の表面に接続することができる。図示される一例として、ハンドル部材、爪部分及び区画壁は単一部材に成形可能である。アプリケータはさらに、開口端部132及び133の近い部分から径方向に延びる上部及び下部フランジ142及び143を有する。これらのフランジは楕円形状を有し、管状区画から互いに異なる径方向に延びる(上部フランジ142は、下部フランジ143に対して、管状区画の中心軸の回りを90°回転されている)。アプリケータは、閉止具をアプリケータの一方の端部に取付けることを補助する端部132と、器具のパッケージのためのホースをアプリケータの他方の端部に取付けることを補助する端部133とを有する。下方端部132は、周方向にわたって延びる1つ又は複数の突部144、145を有する。この端部は、パッケージ部材のようなホース内に挿入可能である。突部は、ホースの内表面に係合するように構成され、それにより突部とホースとの間に密封式係合が提供される。
【0122】
区画の上方端部133は、周方向にわたって延びる溝146を有する。この溝は、閉止具のための固定用ストリップのために設けられる。固定用ストリップは図18に、閉止具は図16に示されている。
【0123】
図16及び図17に示される閉止具は、あらゆる種類の医療器具(例えば尿路カテーテルのような長楕円形の器具)のためのパッケージを閉鎖するために、有利に使用可能である。閉止具は、径方向外側に延びる複数の突部162、163を備えたシールフランジ161を有し、突部162、163は、ホース又はパッケージのアプリケータの内表面に係合するように構成される。閉止具は、第1開口端部165を備えたキャビティ164を有する。キャビティは、医療器具又は少なくともその端部がパッケージから突き出て閉止具内に入ることができるような半径寸法を有する。キャビティの深さは、器具が有する適度に大きい部分が閉止具内に延びることができるような長さ(例えば1〜5cmの範囲内、例えば2.5cm)に有利に設定できる。閉止具がパッケージから取外されると、器具(例えばカテーテル)の一方の端部が開口したパッケージから外に延びるので、器具へのアクセスが容易になる。閉止具の取扱い及びパッケージからの取外しをさらに容易にするために、閉止具は種々の把持用フランジ166、167及び168を備える。上部及び下部フランジ166、167は閉止具の一部から径方向外側に延び、一方ハンドリングタブ168は、シールフランジ及びキャビティの軸方向に平行な「逃げ(pull off)」方向に延びる。
【0124】
図18は、ストラップ部183により接続されたリング形状部材181、182を備えた固定用ストラップを示す。リング形状部材の一方は閉止具のシールフランジの回りに取付け可能であり、他方はパッケージのホースの回り又はアプリケータの回りに取付け可能である。従って閉止具の紛失が確実に防止される。
【0125】
図19は、バルブ部材と径方向外側に延びる突部とを結合した第2バルブ部材の図である。第2バルブ部材は、カテーテルの末端部に取付けられるように構成される。カテーテル部材はその外表面に、スライドシール191(ピストンシール)及び固定用リング192を有する。図20に最もよく示されるように、内表面は第2シールフランジ193及び第4シールフランジ194を有する。図20は、パッケージの開口部に設けられる第1バルブ部材を示す。第1バルブ部材は、後述のように第2バルブ部材と協働する。第1バルブ部材は、第1シールフランジ211及び第3シールフランジ212を有する。第1バルブは、第1シールフランジと第3シールフランジとの間に1つ又は複数の開口部213を有し、開口部213はパッケージの内腔と周囲との間に通路を提供する。第2及び第4シールフランジは、パッケージの開口部に設けられた第1バルブ部材の対応する第1及び第3シールフランジに係合するように構成される。図21は、パッケージの第1バルブ部材を示す。第1バルブ部材は、カテーテルの対応する第2バルブ部材に係合するように構成される(図19参照)。第1バルブ部材の第1シールフランジ211(図21参照)と第2バルブ部材の第2シールフランジ192との間の密封式係合により、パッケージ又はホースと周囲との間の通路を封止することができる。第1バルブ部材の第3シールフランジ212(図21参照)と第2バルブ部材の第4シールフランジ193との間の密封式係合により、カテーテルの導管と周囲との間の通路を封止することができる。カテーテルがパッケージから動かされるとき又は実際にカテーテルの第1部分が既にパッケージから移動しているときは、第2バルブ部材が第1バルブ部材から動かされる。従って、シールフランジ間の密封式係合が解除され、液状物質がパッケージ及びカテーテル導管の双方から孔を通って流出することができる。第2バルブ部材の内側シールフランジ195(図20参照)は、第2バルブ部材をカテーテルに取付けるために設けられる。この取付けは例えば、バルブをカテーテル末端部の外表面に接着剤によって接合することにより行われる。カテーテルはまた、図20のバルブの特徴と同様の特徴を有する一体化されたバルブ部分を備えた1つの部材として成形可能である。第1バルブ部材の段差形状214(図21参照)は、バルブ部材のその段差部分の外表面とカテーテルパッケージのホース内表面との間の密封式係合を補助するために設けられる。第1バルブ部材は接着剤によってホースに接合されてもよいし、あるいはホースが、図21のバルブの特徴と同様の特徴を有する一体化されたバルブ部分を備えた1つの部材として成形されてもよい。
【0126】
図23は、医療器具用のパッケージのためのホースの一部を示す。ホースはダイヤモンド231を有し、ダイヤモンド231により、例えばバッグを構成する2つのシート状フォイル材料の間で、ホースをバッグに接着剤によって接合することが可能になる。ホースの内表面はさらに、カテーテルの固定用突部を受容するように構成された、内側に延びるフランジ又はグローブ(grove)232を有する。フランジ又はグローブは、カテーテルをホース内側の所定位置に固定するため(すなわちカテーテルの操作又は挿入中にカテーテルが後方に滑ってパッケージ内に入ることを防止するため)に設けられる。択一的に、この固定配置は、径方向内側に延びるカテーテルの窪み又はグローブに係合するようにホース内表面に設けられた、径方向外側に延びるフランジ又は突部として形成されてもよい。シールフランジ233は、例えばカテーテルの一方の端部をホース内に挿入するために設けられる。
【0127】
図24を参照すると、本発明の好適な実施形態に係るアプリケータは、線243により示される第1端部244から第2端部245に至る軸方向に延びる内腔242を備えた管状区画241を有する。アプリケータは、区画の外表面を周方向に取囲むノッチ246を有する。アプリケータはさらに、外側に延びるハンドリング手段247、248を有し、ハンドリング手段247、248は2つの端部の各々に配置される。
【0128】
内腔242は、図25のアプリケータの断面図においてより明確に示される。内腔のクリアランス248は、アプリケータの中間部分に向けて狭くなる。図26は、アプリケータを貫通するカテーテルを示す。図示されるようにクリアランス8は、アプリケータが捩られていないときに、線243に沿う軸方向へのカテーテルの摺動を可能にする寸法を有する。
【0129】
図27は、捩られたアプリケータ及びカテーテルの断面図である。アプリケータの内表面271がカテーテルの外表面272に係合することにより、アプリケータ内でのカテーテルの軸方向への摺動に対する摩擦抵抗が大きくなる。図27に示されるアプリケータにおいては、アプリケータとカテーテルとの間が比較的狭く適合する。捩られたアプリケータはカテーテルに対して同様に係合するので、より広いクリアランスを有するアプリケータであっても同様の方法で、軸方向への摺動に対する抵抗を高めることができることは理解されるべきである。
【0130】
図28に示されるように、カテーテルの外表面により強く係合するための、内側に延びる把持手段281が構成可能である。
【0131】
図29a〜図29gに示されるように(図29b〜図29gは図29aのアプリケータの取囲まれた部位を示す)、把持手段は様々な形状及び寸法を有することができる。図示されるように、把持手段は内側に延びる複数の突起により構成可能である。
【0132】
図30が示すアプリケータ301は、カテーテル304のコネクタ部分302に取付けられる。アプリケータ及びコネクタ部分は、両部を1つの部材に成形することにより作製可能である。例えば両部は、もぎ取り式又は破断式の接続部分を介して分離可能に作製されてもよいし、互いに接着されてもよいし、あるいは他のいかなる方法によって組合わされてもよい。
【0133】
図31が示すアプリケータ301は、カテーテル304のコネクタ部分302の上に押圧される。
【0134】
一例として、アプリケータはある程度の弾性を有する材料から作製可能であり、それによりアプリケータの一方の端部はコネクタ部分の上に押圧されることができる。コネクタ部分とアプリケータとの間の接続部303は、液密式接続部として設けられることが好ましい。
【0135】
図32が示すカテーテル組立体においては、アプリケータ301はパッケージの一部を構成する。アプリケータ321の一方の端部はカテーテルコネクタ302に接続されるかあるいは択一的に閉止具(図示せず)に接続され、アプリケータの他方の端部はスリーブ状パッケージ322に接続される。スリーブ状パッケージ322は、カテーテルに低摩擦表面物性を付与するための液状媒体又はゲルを含むことができる。
【0136】
図33が示すアプリケータ301はカテーテルのプラグ部分331に取付けられ、両部はスリーブ状のエンベロープすなわちパッケージ332内に収容される。パッケージはシール線333に沿って封止されるため、液状媒体又ゲルはパッケージの下方部分334により区切られる。このカテーテル端部を塞ぐ構成、又はコネクタ端部が例えばプラグ若しくは蓋により閉鎖される構成(図示せず)は、アプリケータの外表面が液状媒体又はゲルにより汚染されることを確実に防止する。
【0137】
図34が示すカテーテル及びアプリケータは、パッケージが有する2つの個別の内腔341、342に収容される。パッケージは、エッジ線343及び分離線344に沿って互いに接着又は溶着された2つのフォイルから作製可能である。2つのフォイルを互いから剥離させることにより、上部内腔241及び下部内腔342の双方を開口させることができる。この目的のために、パッケージフォイルは、2つの剥離領域345、346を画定する過剰長さ部分を有する。
【0138】
挿入前に、ユーザは剥離領域345によって上部内腔341を開口させることができる。カテーテルが親水性である場合は、上部内腔は液状膨張媒体(例えばカテーテルの移動前にパッケージに付与される水)を付加するために使用可能である。通常は約30秒を要する準備の後に、水をパッケージから排出することができる。択一的にカテーテルは、使用準備が整った膨張状態にて収容可能である。次のステップにおいてフォイルが分離線344に沿って分離され、それによりカテーテルはアプリケータ301を通って剥離領域346の開口部の外へ案内される。2つのフォイルの実体部分を剥離領域346にて互いから剥離することにより、ユーザは、アプリケータ及びパッケージの外側に触れることのみにより(すなわちカテーテルを汚染させることなく)、カテーテルをパッケージから移動させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿管内にカテーテルを汚染なく挿入することを可能にするカテーテル組立体であって、該カテーテル組立体は、
個人の身体の開口部内に挿入されるように構成された基端部と該基端部の反対側の末端部との間に導管を画定するカテーテルと、
− 前記カテーテルを収容するためのキャビティを備えたホースを有するパッケージであって、該パッケージの基端部は、該パッケージから前記カテーテルの前記基端部を施与するための開口部を有する、パッケージと、
− アプリケータと、を有し、該アプリケータは、
− 第1開口端部を有し、カテーテルの少なくとも一部を受容するように構成され、前記カテーテルに面する内表面及び外表面を備えた壁により形成される管状区画であって、前記壁は柔軟な領域を有し、それにより前記区画の前記壁の前記内表面が前記カテーテルに係合する、管状区画と、
− 把持手段と、を有する、
カテーテル組立体。
【請求項2】
把持手段は前記壁の前記外表面に圧力を加えるように構成され、それにより前記区画の前記内表面が圧搾されて前記カテーテルに係合する、請求項1に記載のカテーテル組立体。
【請求項3】
前記把持手段は、前記アプリケータに第1ピボット点にて接続される第1ハンドル部材を有し、該第1ハンドル部材は、前記区画の前記壁の前記外表面に対して偏倚し、前記壁の前記内表面を圧搾して、前記壁を該壁の内側に配置されたカテーテルに係合させる、請求項1又は2に記載のカテーテル組立体。
【請求項4】
前記把持手段は、前記アプリケータに第2ピボット点にて接続される第2ハンドル部材をさらに有し、該第2ハンドル部材は、前記区画の前記壁の前記外表面に対して偏倚し、前記壁の前記内表面を圧搾して、前記壁を該壁の内側に配置されたカテーテルに係合させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項5】
前記第2ハンドル部材は、前記第1ハンドル部材に関して反対側の前記区画の前記外表面の部位に対して偏倚するように配置される、請求項4に記載のカテーテル組立体。
【請求項6】
前記第1ハンドル部材又は前記第2ハンドル部材には、該第1ハンドル部材又は該第2ハンドル部材が前記区画の前記壁の前記外表面に対して偏倚したときに前記区画の前記壁の前記柔軟な領域に係合するための爪部分が設けられる、請求項3〜5のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項7】
前記爪部分が、対応するハンドル部材から実質的垂直に延びる、請求項6に記載のカテーテル組立体。
【請求項8】
前記管状区画から径方向外側に延びる第1フランジをさらに有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項9】
前記第1フランジが前記区画の前記第1端部に近い場所から延びる、請求項8に記載のカテーテル組立体。
【請求項10】
前記管状区画の第2端部の近くの場所から径方向に延びる第2フランジをさらに有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項11】
前記第1フランジは、長楕円形であり、主として前記区画の軸方向に垂直な第1方向に延びる、請求項9又は10に記載のカテーテル組立体。
【請求項12】
前記第2フランジは、長楕円形であり、主として前記区画の軸方向に垂直な第2方向に延びる、請求項9〜11のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項13】
前記第2方向は、前記区画の軸方向に平行な軸の回りを90°ずらした方向である、請求項12に記載のカテーテル組立体。
【請求項14】
前記内表面は径方向内側に延びる突部を有し、該突部は、前記壁の前記外表面に圧力が加えられたときに、前記区画の前記壁の前記内表面と前記カテーテルの外表面との間の係合を補助する、請求項1〜13のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項15】
前記アプリケータが前記ホースの第1端部に取付けられる、請求項1〜14のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項16】
前記第1端部が基端部である、請求項15に記載のカテーテル組立体。
【請求項17】
前記アプリケータが前記ホースに取外し可能に取付けられる、請求項1〜16のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項18】
前記ホースは可変の長さを有し、それにより該ホースは、前記カテーテルの前記基端部をカテーテル出口を通して露出させるために収縮可能である、請求項1〜17のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項19】
前記可変の長さは、前記ホースの第2部分に対する該ホースの第1部分の伸縮可能な構造によって提供される、請求項18に記載のカテーテル組立体。
【請求項20】
前記可変の長さは、前記ホースが有する蛇腹状に折られた壁部分により提供される、請求項18又は19に記載のカテーテル組立体。
【請求項21】
パッケージが、取外し可能な閉止具によって前記基端部にて閉鎖される、請求項1〜20のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項22】
前記取外し可能な閉止具は第1開口端部を備えたキャビティを有し、該キャビティは、前記パッケージの外に延びるカテーテルの少なくとも一部を受容するように構成される、請求項21に記載のカテーテル組立体。
【請求項23】
前記取外し可能な閉止具は、該閉止具が取外されたときに該閉止具を前記パッケージに接続するストラップを有する、請求項21又は22に記載のカテーテル組立体。
【請求項24】
前記閉止具はある方向に取外されるように構成され、該閉止具が該方向に延びるハンドリングタブを有する、請求項21〜23のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項25】
前記カテーテルの前記パッケージと尿路カテーテルとの間に、実質的液密のシールを構成する封止手段をさらに有する、請求項1〜24のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項26】
前記封止手段は、前記カテーテルが前記パッケージから施与されているときに前記シールを構成する、請求項25に記載のカテーテル組立体。
【請求項27】
前記封止手段は前記パッケージの基端部に設けられ、それにより前記キャビティは、前記カテーテルと前記ホースとの間に収容部を画定する、請求項25又は26に記載のカテーテル組立体。
【請求項28】
前記封止手段は前記尿路カテーテルの外表面と前記ホースの内表面との間に設けられ、それにより前記キャビティは、前記パッケージの前記基端部の近くに位置するとともにその反対側であってカテーテルとホースとの間に位置する上方収容部を画定する、請求項25〜27のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項29】
前記封止手段が、前記カテーテルの前記外表面の径方向外側に延びる突部を有する、請求項25〜28のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項30】
前記封止手段が、前記カテーテルの前記外表面の径方向外側に延びる少なくとも2つの突部を有する、請求項25〜29のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項31】
前記少なくとも2つの突部のうちの少なくとも2つが相異なる半径寸法を有する、請求項30に記載のカテーテル組立体。
【請求項32】
少なくとも1つの突部が、前記ホースの内表面に接するように構成された弾性の羽根を規定する、請求項29〜31のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項33】
前記封止手段は、前記ホースの前記内表面の径方向内側に延びる少なくとも1つの突部を有する、請求項25〜32のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項34】
前記封止手段は、前記ホースの前記内表面の径方向内側に延びる少なくとも2つの突部を有する、請求項25〜32のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項35】
前記少なくとも2つの突部のうちの少なくとも2つが相異なる半径寸法を有する、請求項34に記載のカテーテル組立体。
【請求項36】
少なくとも1つの突部が、前記カテーテルの外表面に接するように構成された弾性の羽根を規定する、請求項32〜35に記載のカテーテル組立体。
【請求項37】
前記封止手段が、前記ホースの内表面と前記カテーテルの外表面との間に設けられるリング形状部材を有する、請求項1〜36のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項38】
前記リング形状部材は前記ホースの前記内表面と前記カテーテルの前記外表面との間に設けられ、それにより前記リング形状部材は前記カテーテルに沿って移動可能である、請求項37に記載のカテーテル組立体。
【請求項39】
前記リング形状部材が、前記ホースの前記内表面が有する内側に延びる突部と協働するように構成される、請求項37又は38に記載のカテーテル組立体。
【請求項40】
前記リング形状部材が、前記カテーテルが有する外側に延びる突部と協働するように構成される、請求項37〜39のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項41】
前記カテーテルの前記パッケージの前記基端部から前記封止手段の位置までの距離が、前記パッケージの基端部とその反対側の該パッケージの末端部との間の全体長さの0〜100%であって、例えば0%、例えば10%、例えば20%、例えば30%、例えば40%、例えば50%、例えば60%、例えば70%、例えば80%、例えば90%又は例えば99%に構成される、請求項25〜40のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項42】
前記カテーテルの第1長さ部分が第1施与部位にわたって施与されている間、前記封止手段が前記カテーテルの前記パッケージと前記カテーテルとの間に実質的液密のシールを構成する、請求項25〜41のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項43】
前記カテーテルが第2施与部位にわたって施与されている間、前記カテーテルの前記パッケージと前記カテーテルとの間に液体流路が画定される、請求項25〜42のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項44】
前記ホースはテーパを有する内側表面を備え、それにより前記ホースの内側の隙間は、一方の端部の第1内側隙間から反対側の端部の第2内側隙間まで大きくなり、前記第1内側隙間は前記ホースの前記内側表面と前記カテーテルとの間に実質的液密のシールを提供し、前記第2内側隙間は前記ホースの前記内側表面と前記カテーテルとの間に液体流路を提供する、請求項1〜43のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項45】
前記ホースは実質的円形の断面形状を有する、請求項1〜44のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項46】
前記第1施与部位の長さは、前記パッケージの全長の0〜100%であって、例えば0%、例えば10%、例えば20%、例えば30%、例えば40%、例えば50%、例えば60%、例えば70%、例えば80%、例えば90%又は例えば100%に構成される、請求項42〜45のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項47】
前記実質的液密のシールが、前記第1施与部位にわたり、前記カテーテルの前記パッケージと前記カテーテルとの間に連続的に設けられる、請求項42〜46のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項48】
前記パッケージは液状物質を該パッケージの外に排出するための開口部を有し、該開口部は前記カテーテルに接続された閉止手段により閉鎖され、該閉止手段は、前記カテーテルが前記パッケージから施与されたときに前記パッケージを開口する、請求項1〜47のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項49】
前記開口部が前記パッケージの前記末端部に設けられる、請求項48に記載のカテーテル組立体。
【請求項50】
前記開口部が前記カテーテルの末端部により閉鎖される、請求項48又は49に記載のカテーテル組立体。
【請求項51】
前記閉止手段は、前記カテーテルが有する第2バルブ部材と協働する第1バルブ部材を有する、請求項48〜50のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項52】
前記第1バルブ部材は、前記第2バルブ部材の対応する第2シールフランジに密封式に係合するように構成された第1シールフランジを有し、それにより前記第2バルブ部材は前記第1バルブ部材の出口を閉鎖する、請求項51に記載のカテーテル組立体。
【請求項53】
前記第1シールフランジと前記第2シールフランジとの間の係合によって、前記ホースと前記パッケージの外側の周囲との間の通路が封止される、請求項52に記載のカテーテル組立体。
【請求項54】
前記第1バルブ部材は、前記第2バルブ部材が有する対応する第4シールフランジに密封式に係合するように構成された第3シールフランジをさらに有する、請求項51〜53のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項55】
前記第3シールフランジと前記第4シールフランジとの間の係合によって、前記カテーテルの前記導管と前記パッケージの外側の周囲との間の通路が封止される、請求項54に記載のカテーテル組立体。
【請求項56】
前記閉止手段は少なくとも1つの入口を備えた流路を有し、それにより前記下方収容部又は前記上方収容部のいずれか一方と前記カテーテルの前記導管との間を液状物質が流れる、請求項48〜55のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項57】
前記閉止手段の前記入口は、液状物質が1つの方向に流れ、該方向の反対方向には流れないように構成される、請求項56に記載のカテーテル組立体。
【請求項58】
前記方向は、前記下方収容部又は前記上方収容部のいずれか一方から前記導管内に向かう方向である、請求項57に記載のカテーテル組立体。
【請求項59】
前記パッケージの前記末端部が、液状物質を収容するためのリザーバに接続される、請求項1〜58のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項60】
前記リザーバの収容容量は、0〜5000mlの間であって、例えば10ml、例えば20ml、例えば30ml、例えば40ml、例えば50ml、例えば60ml、例えば70ml、例えば80ml、例えば90ml、例えば100ml、例えば125ml、例えば150ml、例えば175ml、例えば200ml、例えば225ml、例えば250ml、例えば300ml、例えば350ml、例えば400ml、例えば450ml、例えば500ml、例えば600ml、例えば700ml、例えば800ml、例えば900ml、例えば1000ml、例えば1500ml、例えば2000ml、例えば2500ml、例えば3000ml、例えば3500ml、例えば4000ml、例えば4500ml又は例えば5000mlである、請求項59に記載のカテーテル組立体。
【請求項61】
前記パッケージの前記末端部と前記リザーバとの間は、前記液状物質が前記パッケージから前記リザーバに向かう方向に流れ、前記液状物質が前記リザーバから前記パッケージに向かう方向には流れないように接続可能である、請求項59又は60に記載のカテーテル組立体。
【請求項62】
前記リザーバの一部が、前記液状物質を前記リザーバから排出するための排出用スパウトを規定する、請求項59〜61に記載のカテーテル組立体。
【請求項63】
前記排出用スパウトが取外し可能なカバー部材によって閉鎖される、請求項62に記載のカテーテル組立体。
【請求項64】
前記取外し可能なカバー部材は、前記スパウトを閉鎖するために再接続可能である、請求項63に記載のカテーテル組立体。
【請求項65】
前記取外し可能なカバー部材が破断線によって前記スパウトに接続される、請求項63又は64に記載のカテーテル組立体。
【請求項66】
前記カテーテルは、摩擦低減物質により処理されたときに低摩擦表面物性を呈する外表面部分を有する、請求項1〜65のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項67】
前記パッケージが、前記外表面部分を前記摩擦低減物質で処理するための液密の濡れポケットを画定する、請求項66に記載のカテーテル組立体。
【請求項68】
前記カテーテルの表面の少なくとも一部に低摩擦表面物性を付与するために、前記カテーテルの少なくとも前記基端部を有効に処理するのに十分な量の摩擦低減物質を備えた、請求項66又は67に記載のカテーテル組立体。
【請求項69】
前記量の摩擦低減物質が前記カテーテル組立体に接続されたポーチに収容される、請求項68に記載のカテーテル組立体。
【請求項70】
前記ポーチが、前記パッケージの前記基端部及び前記末端部のいずれか一方を閉鎖するための閉止具を構成する、請求項69に記載のカテーテル組立体。
【請求項71】
前記摩擦低減物質が潤滑剤である、請求項66〜70のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項72】
前記摩擦低減物質が、親水性カテーテルを処理するための水溶液である、請求項66〜70のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項73】
医療器具を汚染なく使用するためのアプリケータであって、
− 第1開口端部を有し、器具の少なくとも一部を受容するように構成され、前記器具に面する内表面及び外表面を備えた壁により形成される管状区画であって、前記壁は柔軟な領域を有し、それにより前記区画の前記壁の前記内表面は、前記壁の前記外表面に圧力が加えられたときに圧搾されて前記器具に係合する、管状区画と、
− 前記壁の前記外表面に圧力を加えるように構成された把持手段と、
を有するアプリケータ。
【請求項74】
前記区画が、前記第1開口端部とその反対側の第2開口端部との間に実質的直線の通路を形成する、請求項73に記載のアプリケータ。
【請求項75】
前記把持手段は、前記アプリケータに第1ピボット点にて接続される第1ハンドル部材を有し、該第1ハンドル部材は、前記区画の前記壁の前記外表面に対して偏倚し、前記壁の前記内表面を圧搾して、前記壁を該壁の内側に配置されたカテーテルに係合させる、請求項73又は74に記載のアプリケータ。
【請求項76】
前記把持手段は、前記アプリケータに第2ピボット点にて接続される第2ハンドル部材をさらに有し、該第2ハンドル部材は、前記区画の前記壁の前記外表面に対して偏倚し、前記壁の前記内表面を圧搾して、前記壁を該壁の内側に配置されたカテーテルに係合させる、請求項73〜75のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項77】
前記第2ハンドル部材は、前記第1ハンドル部材に関して反対側の前記区画の前記外表面の部位に対して偏倚するように配置される、請求項76に記載のアプリケータ。
【請求項78】
前記第1ハンドル部材又は前記第2ハンドル部材には、該第1ハンドル部材又は該第2ハンドル部材が前記区画の前記壁の前記外表面に対して偏倚したときに前記区画の前記壁の前記柔軟な領域に係合するための爪部分が設けられる、請求項75〜77のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項79】
前記爪部分が、対応するハンドル部材から実質的垂直に延びる、請求項78に記載のアプリケータ。
【請求項80】
前記管状区画から径方向外側に延びる第1フランジをさらに有する、請求項73〜79のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項81】
前記第1フランジが前記区画の前記第1端部に近い場所から延びる、請求項80に記載のアプリケータ。
【請求項82】
前記管状区画の第2端部の近くの場所から径方向に延びる第2フランジをさらに有する、請求項73〜81のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項83】
前記第1フランジは、長楕円形であり、主として前記区画の軸方向に垂直な第1方向に延びる、請求項81又は82に記載のアプリケータ。
【請求項84】
前記第2フランジは、長楕円形であり、主として前記区画の軸方向に垂直な第2方向に延びる、請求項81〜83のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項85】
前記第2方向は、前記区画の軸方向に平行な軸の回りを90°ずらした方向である、請求項84に記載のアプリケータ。
【請求項86】
前記内表面は径方向内側に延びる突部を有し、該突部は、前記壁の前記外表面に圧力が加えられたときに、前記内表面と、圧搾されて前記器具に係合するカテーテルの区画の壁との間の係合を補助する、請求項73〜85のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項87】
前記アプリケータを医療器具のパッケージに接続するための接続フランジを有する、請求項73〜86に記載のアプリケータ。
【請求項88】
医療器具用のパッケージのための閉止具であって、第1開口端部を備えたキャビティを有し、該キャビティは、前記パッケージの外に延びる医療器具の少なくとも一部を受容するように構成される、閉止具。
【請求項89】
前記閉止具が取外されたときに該閉止具を前記パッケージに接続するストラップを有する、請求項88に記載の閉止具。
【請求項90】
前記閉止具はある方向に取外されるように構成され、該閉止具が該方向に延びるハンドリングタブを有する、請求項88又は89に記載の閉止具。
【請求項91】
尿管内にカテーテルを汚染なく挿入することを可能にするカテーテル組立体であって、
− 個人の身体の開口部内に挿入されるように構成された基端部と該基端部の反対側の末端部との間に導管を画定するカテーテルと、
− 前記カテーテルを収容するためのキャビティを備えたホースを有するパッケージであって、該パッケージの基端部は、該パッケージから前記カテーテルの前記基端部を施与するための開口部を有する、パッケージと、
− 前記カテーテルが前記パッケージから施与されているときに、前記カテーテルの前記パッケージと尿路カテーテルとの間に実質的液密のシールを構成する封止手段と、
を有するカテーテル組立体。
【請求項92】
前記封止手段は前記パッケージの基端部に設けられ、それにより前記キャビティは、前記カテーテルと前記ホースとの間に収容部を画定する、請求項91に記載のカテーテル組立体。
【請求項93】
前記封止手段は前記尿路カテーテルの外表面と前記ホースの内表面との間に設けられ、それにより前記キャビティは、前記パッケージの前記基端部の近くに位置するとともにその反対側であってカテーテルとホースとの間に位置する上方収容部を画定する、請求項91又は92に記載のカテーテル組立体。
【請求項94】
前記封止手段が、前記カテーテルの前記外表面の径方向外側に延びる突部を有する、請求項91〜93のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項95】
前記封止手段が、前記カテーテルの前記外表面の径方向外側に延びる少なくとも2つの突部を有する、請求項91〜93のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項96】
前記少なくとも2つの突部のうちの少なくとも2つが相異なる半径寸法を有する、請求項95に記載のカテーテル組立体。
【請求項97】
少なくとも1つの突部が、前記ホースの内表面に接するように構成された弾性の羽根を規定する、請求項94〜96のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項98】
前記封止手段は、前記ホースの前記内表面の径方向内側に延びる少なくとも1つの突部を有する、請求項91〜97のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項99】
前記封止手段は、前記ホースの前記内表面の径方向内側に延びる少なくとも2つの突部を有する、請求項91〜97のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項100】
前記少なくとも2つの突部のうちの少なくとも2つが相異なる半径寸法を有する、請求項99に記載のカテーテル組立体。
【請求項101】
少なくとも1つの突部が、前記カテーテルの外表面に接するように構成された弾性の羽根を規定する、請求項98〜100に記載のカテーテル組立体。
【請求項102】
前記封止手段が、前記ホースの内表面と前記カテーテルの外表面との間に設けられるリング形状部材を有する、請求項91〜101のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項103】
前記リング形状部材が、前記ホースの前記内表面と前記カテーテルの前記外表面との間に移動可能に設けられる、請求項102に記載のカテーテル組立体。
【請求項104】
前記リング形状部材が、前記ホースの前記内表面が有する内側に延びる突部と協働するように構成される、請求項101又は103に記載のカテーテル組立体。
【請求項105】
前記リング形状部材が、前記カテーテルが有する外側に延びる突部と協働するように構成される、請求項102〜104のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項106】
前記カテーテルの前記パッケージの前記基端部から前記封止手段の位置までの距離が、前記パッケージの基端部とその反対側の該パッケージの末端部との間の全体長さの0〜100%であって、例えば0%、例えば10%、例えば20%、例えば30%、例えば40%、例えば50%、例えば60%、例えば70%、例えば80%、例えば90%又は例えば99%に構成される、請求項91〜105のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項107】
前記カテーテルの第1長さ部分が第1施与部位にわたって施与されている間、前記封止手段が前記カテーテルの前記パッケージと前記カテーテルとの間に実質的液密のシールを構成する、請求項91〜106のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項108】
前記カテーテルが第2施与部位にわたって施与されている間、前記カテーテルの前記パッケージと前記カテーテルとの間に液体流路が画定される、請求項91〜107のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項109】
前記ホースはテーパを有する内側表面を備え、それにより前記ホースの内側の隙間は、一方の端部の第1内側隙間から反対側の端部の第2内側隙間まで大きくなり、前記第1内側隙間は前記ホースの前記内側表面と前記カテーテルとの間に実質的液密のシールを提供し、前記第2内側隙間は前記ホースの前記内側表面と前記カテーテルとの間に液体流路を提供する、請求項91〜108のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項110】
前記ホースは実質的円形の断面形状を有する、請求項91〜109のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項111】
前記第1施与部位の長さは、前記パッケージの全長の0〜100%であって、例えば0%、例えば10%、例えば20%、例えば30%、例えば40%、例えば50%、例えば60%、例えば70%、例えば80%、例えば90%又は例えば100%に構成される、請求項107〜110のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項112】
前記実質的液密のシールが、前記第1施与部位にわたり、前記カテーテルの前記パッケージと前記カテーテルとの間に連続的に設けられる、請求項107〜111のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項113】
前記パッケージは液状物質を該パッケージの外に排出するための開口部を有し、該開口部は前記カテーテルに接続された閉止手段により閉鎖され、該閉止手段は、前記カテーテルが前記パッケージから動かされたときに前記パッケージを開口する、請求項91〜112のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項114】
前記開口部が前記パッケージの前記末端部に設けられる、請求項113に記載のカテーテル組立体。
【請求項115】
前記開口部が前記カテーテルの末端部により閉鎖される、請求項113又は114に記載のカテーテル組立体。
【請求項116】
前記閉止手段は、前記カテーテルが有する第2バルブ部材と協働する第1バルブ部材を有する、請求項113〜115のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項117】
前記第1バルブ部材は、前記第2バルブ部材の対応する第2シールフランジに密封式に係合するように構成された第1シールフランジを有し、それにより前記第2バルブ部材は前記第1バルブ部材の出口を閉鎖する、請求項116に記載のカテーテル組立体。
【請求項118】
前記第1シールフランジと前記第2シールフランジとの間の係合によって、前記ホースと前記パッケージの外側の周囲との間の通路が封止される、請求項117に記載のカテーテル組立体。
【請求項119】
前記第1バルブ部材は、前記第2バルブ部材が有する対応する第4シールフランジに密封式に係合するように構成された第3シールフランジをさらに有する、請求項116〜118のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項120】
前記第3シールフランジと前記第4シールフランジとの間の係合によって、前記カテーテルの前記導管と前記パッケージの外側の周囲との間の通路が封止される、請求項119に記載のカテーテル組立体。
【請求項121】
前記閉止手段は少なくとも1つの入口を備えた流路を有し、それにより前記下方収容部又は前記上方収容部のいずれか一方と前記カテーテルの前記導管との間を液状物質が流れる、請求項113〜120のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項122】
前記閉止手段の前記入口は、液状物質が1つの方向に流れ、該方向の反対方向には流れないように構成される、請求項121に記載のカテーテル組立体。
【請求項123】
前記方向は、前記下方収容部又は前記上方収容部のいずれか一方から前記導管内に向かう方向である、請求項122に記載のカテーテル組立体。
【請求項124】
前記パッケージの前記末端部が、液状物質を収容するためのリザーバに接続される、請求項91〜123のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項125】
前記リザーバの収容容量は、0〜5000mlの間であって、例えば10ml、例えば20ml、例えば30ml、例えば40ml、例えば50ml、例えば60ml、例えば70ml、例えば80ml、例えば90ml、例えば100ml、例えば125ml、例えば150ml、例えば175ml、例えば200ml、例えば225ml、例えば250ml、例えば300ml、例えば350ml、例えば400ml、例えば450ml、例えば500ml、例えば600ml、例えば700ml、例えば800ml、例えば900ml、例えば1000ml、例えば1500ml、例えば2000ml、例えば2500ml、例えば3000ml、例えば3500ml、例えば4000ml、例えば4500ml又は例えば5000mlである、請求項124に記載のカテーテル組立体。
【請求項126】
前記パッケージの前記末端部と前記リザーバとの間は、前記液状物質が前記パッケージから前記リザーバに向かう方向に流れ、前記液状物質が前記リザーバから前記パッケージに向かう方向には流れないように接続可能である、請求項124又は125に記載のカテーテル組立体。
【請求項127】
前記リザーバの一部が、前記液状物質を前記リザーバから排出するための排出用スパウトを規定する、請求項124〜126に記載のカテーテル組立体。
【請求項128】
前記排出用スパウトが取外し可能なカバー部材によって閉鎖される、請求項127に記載のカテーテル組立体。
【請求項129】
前記取外し可能なカバー部材は、前記スパウトを閉鎖するために再接続可能である、請求項128に記載のカテーテル組立体。
【請求項130】
前記取外し可能なカバー部材が破断線によって前記スパウトに接続される、請求項127〜129のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項131】
前記カテーテルは、摩擦低減物質により処理されたときに低摩擦表面物性を呈する外表面部分を有する、請求項91〜130のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項132】
前記パッケージが、前記外表面部分を前記摩擦低減物質で処理するための液密の濡れポケットを画定する、請求項131に記載のカテーテル組立体。
【請求項133】
前記カテーテルの表面の少なくとも一部に低摩擦表面物性を付与するために、前記カテーテルの少なくとも前記基端部を有効に処理するのに十分な量の摩擦低減物質を備えた、請求項131又は132に記載のカテーテル組立体。
【請求項134】
前記量の摩擦低減物質が前記カテーテル組立体に接続されたポーチに収容される、請求項133に記載のカテーテル組立体。
【請求項135】
前記ポーチが、前記パッケージの前記基端部及び前記末端部のいずれか一方を閉鎖するための閉止具を構成する、請求項134に記載のカテーテル組立体。
【請求項136】
前記摩擦低減物質が潤滑剤である、請求項131〜135のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
【請求項137】
前記摩擦低減物質が、親水性カテーテルを処理するための水溶液である、請求項131〜135のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図5f】
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【図5g】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29a】
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【図29b】
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【図29c】
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【図29d】
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【図29e】
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【図29f】
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【図29g】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2009−101221(P2009−101221A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30545(P2009−30545)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【分割の表示】特願2003−508416(P2003−508416)の分割
【原出願日】平成14年6月28日(2002.6.28)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】