説明

カテーテル

【課題】簡易かつ確実に、体内臓器の表面近傍の所定領域に薬剤を投与することができるカテーテルを提供すること。
【解決手段】人間を含む哺乳類の体内臓器4に取り付けられるカテーテル10であって、少なくとも裏面の一部が体内臓器4表面に密着する柔軟なシート部1と、シート部1の表面から延伸する柔軟なチューブ2と、を備え、シート部1の裏面に、チューブ2の内部通路と連通する開口12が設けられ、シート部1裏面は、臓器表面8に密着する密着領域21と、臓器表面8に密着しない非密着領域22とが形成され、開口12は、非密着領域22に設けられ、空室23が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人間を含む哺乳類の体内臓器に取り付けられるカテーテルに関し、特に、体内臓器表面から体内臓器に薬剤を投与するカテーテルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、人間を含む哺乳類の体内臓器の内部に穿刺針を刺して薬剤を投与するカテーテルが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平3−57457号公報
【特許文献2】国際公開第03/007982号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のカテーテルは基本的に体内臓器内部の1点にのみに薬剤を投与するものであったため、ある程度の体積をもつ患部に薬剤を投与したい場合であっても、投与位置から離間した患部の部分には、あまり薬剤を行きわたらせることができなかったという問題点があった。特に、体内臓器の表面や表面からの深度が浅い内部に患部がある場合には、穿刺針を刺す深さが不足して、穿刺針が抜けてしまう場合があり、この場合、十分な薬剤投与を行うことができなかった。
【0005】
これに対し、このように体内臓器の表面や表面からの深度が浅い内部に患部がある場合には、シートやゲルに薬剤を浸み込ませ、このシートやゲルを体内臓器表面に貼り付けることによって薬剤を投与していた(特許文献2参照)。
【0006】
しかし、この場合、薬剤の交換や補充に開腹手術が必要であり、患者および医師にかかる負担が大きいという問題点があった。さらに、この場合、薬剤の投与量を一定に保つことが難しいという問題点もあった。
【0007】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易かつ確実に、体内臓器の表面近傍の所定領域に薬剤を投与することができるカテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかるカテーテルは、人間を含む哺乳類の体内臓器に取り付けられるカテーテルであって、少なくとも裏面の一部が前記体内臓器表面に密着する柔軟なシート部と、前記シート部の表面から延伸する柔軟なチューブと、を備え、前記シート部の裏面に、前記チューブの内部通路と連通する開口が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかるカテーテルは、上述した発明において、前記シート部の裏面は、前記体内臓器表面に密着する密着領域と、前記体内臓器表面に密着しない非密着領域とが形成され、前記開口は、前記非密着領域に設けられることを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかるカテーテルは、上述した発明において、前記密着領域表面は平滑に形成され、前記非密着領域表面は前記密着領域よりも粗く形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかるカテーテルは、上述した発明において、前記シート部の裏面に、前記開口が位置する非密着領域とは別に、前記開口が位置しない非密着領域が少なくとも1つ形成され、前記シート部の裏面が前記体内臓器表面に密着した状態で、前記開口が位置する非密着領域と前記開口が位置しない非密着領域とを接続する流路が形成されることを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかるカテーテルは、上述した発明において、前記流路は、前記シート部の裏面に形成された溝であることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかるカテーテルは、上述した発明において、前記流路は、前記シート部内部に形成された気泡による前記シート部裏面側への突起形成によって前記シート部裏面に形成された溝であることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかるカテーテルは、上述した発明において、前記流路は、前記シート部内部に形成されたルーメンであることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかるカテーテルは、上述した発明において、前記流路は、前記シート部内部に形成されたルーメンであって該ルーメン内が多孔形状となっていることを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかるカテーテルは、上述した発明において、前記シート部裏面と前記体内臓器表面との間に配設されるスペーサをさらに備え、前記スペーサは、側壁と、前記シート部側に形成される上部開口と、前記体内臓器側に形成される下部開口とを有し、少なくとも前記下部開口に覆われる前記体内臓器表面が前記非密着領域となることを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかるカテーテルは、上述した発明において、前記チューブと前記シート部とを接続する接続部材を有し、前記チューブと前記シート部とは、前記接続部材によって着脱可能に連結されることを特徴とする。
【0018】
また、この発明にかかるカテーテルは、上述した発明において、前記シート部裏面は、前記体内臓器表面と分子間力によって密着していることを特徴とする。
【0019】
また、この発明にかかるカテーテルは、上述した発明において、前記シート部は、前記チューブ側に前記チューブと連結し、前記チューブの内部通路の断面積より広い断面積をもち前記体内臓器表面と接する空室を形成する連結部を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、この発明にかかるカテーテルは、上述した発明において、前記シート部は、空気抜きの弁が設けられていることを特徴とする。
【0021】
また、この発明にかかるカテーテルは、上述した発明において、前記シート部は、通気性を有する部材で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、少なくとも裏面の一部が体内臓器表面に密着する柔軟なシート部と、前記シート部の表面から延伸する柔軟なチューブと、を備え、前記シート部の裏面に、前記チューブの内部通路と連通する開口が設けられ、前記シート部によって体内臓器表面に密着した状態で前記開口から薬剤が投与されるため、簡易かつ確実に、体内臓器の表面近傍の所定領域に薬剤を投与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して、この発明にかかるカテーテルの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかるカテーテルが人体に適用された状態を示す模式図である。また、図2は、図1に示したカテーテルの体内臓器近傍の設置状態を示す模式図である。さらに、図3は、図1に示したカテーテルの体内臓器近傍の設置状態を示す平面図である。図1では、たとえば、肝臓などの体内臓器4の表面に対して数十ml程度の抗癌剤などの薬剤を、1週間程度の長期間にわたり連続的かつ集中的に吐出して計画投与する場合を示している。なお、ここでいう薬剤には、液状およびゲル状の薬剤を含む。
【0025】
図1〜図3において、カテーテル10は、チューブ2とシート部1とを有する。チューブ2は、体表6に取り付けられた薬剤投入装置3に接続され、シート部1は、臓器支持組織5によって体内で支えられている体内臓器4表面に密着して該体内臓器4に固着される。薬剤投入装置3は、上述したように体内臓器4の表面に対して数十ml程度の薬剤を、1週間程度の長期間にわたり連続的かつ集中的に吐出して計画投与するものであり、たとえば、薬剤リザーバ内に蓄積された薬剤を、電気浸透流ポンプなどによって微量に押し出し、カテーテル10を介して投与する。すなわち、薬剤投入装置3から規定された量の薬剤がチューブ2を通って体内に導入され、薬剤は、シート部1の裏面に設けられた開口12からシート部1の裏面側の所定範囲に拡散し、体内臓器4にその表面から吸収される。なお、薬剤投入装置3は、体表6に取り付けてある必要はなく、例えば、体内に埋め込む構成や、体外に離間して配置する構成が可能である。
【0026】
シート部1は、シート状で、柔軟な生体適合性のある素材、例えばPVDC(ポリ塩化ビニリデン)フィルム、ポリエチレンフィルム、シリコンゴム等で形成される。また、チューブ2は、シート部1の表面から延伸し、ポリエチレン等の柔軟な生体適合性のある素材で形成される。
【0027】
チューブ2は、シート部1の裏面に、チューブ2の内部通路と連通する開口12が形成される。チューブ2のシート部1側には、連結部11が設けられ、この連結部11および体内臓器4の臓器表面8によって囲まれる空室23が形成される。この空室23は、チューブ2の内部通路の断面、すなわち開口12の断面積より広い面積で体内臓器4の表面である臓器表面8の領域E2に接している。
【0028】
ここで、シート部1は、裏面の体内臓器4に接する領域の少なくとも一部の表面が平滑に形成されており、分子間力によって体内臓器4に密着する。図2および図3では、シート部1の連結部11を除いた周縁部分の裏面が平滑に形成され、密着領域21を形成し、体内臓器4の領域E1と密着している。なお、体内臓器4の表面にある粘膜9がこの密着領域21との密着を促進する。また、連結部11の裏面は、粗い表面とすることが好ましく、たとえば多孔性材であることが好ましく、これによって空室23が形成し易くなる。
【0029】
すなわち、図3に示すように、チューブ2の開口12の位置の周囲近傍は、臓器表面8に密着しない非密着領域22となり、空室23が形成されるとともに、この空室23の周囲が臓器表面8に密着する密着領域21となる。
【0030】
チューブ2を通って薬剤投入装置3から導入された薬剤7は、連結部11内部に形成される空室23に流入する。空室23に流入した薬剤7は、この空室23に浸透・充満し、臓器表面8に接する領域E2から体内臓器4内に吸収される。このため、薬剤7は、チューブ2の内部通路の断面よりも大きな面積をもつ臓器表面8の領域E2から投与され、かつカテーテル10が体内臓器4に密着固定されているため、比較的長期にわたって安定した薬剤投与を簡易に行うことができる。
【0031】
なお、密着領域21は、その密着性を高めるため、たとえば、エポキシ化ジエン系ブロック共重合体を100重量部に対して水添ジエン系ブロック共重合体を10〜100重量部配合した重合体組成物を用いるようにしてもよい。
【0032】
また、シート部1と体内臓器4の密着は、分子間力に限定されるものではなく、密着部分のジェルの塗布や、縫合や、フィブリン糊などによる接着によって実現してもよい。
【0033】
さらに、図4に示すように、チューブ2とシート部1との間を、各端部に設けた流体ソケットや流体コンセントなどによって実現される接続部30a,30b(30)によって着脱可能とするようにしてもよい。
【0034】
また、図4に示すように、連結部11に空室23内の空気抜きのための空気抜き弁31を設けるようにしてもよい。この空気抜き弁31は、空気は外部に通過することができるが、薬剤などは通過できないフィルタが設けられている。空室23内では、薬剤7の流入により、空室23内に残留していた空気が押圧されるが、この空気抜き弁31によって内部空気が外部に放出され、薬剤の投与を確実に行うことができる。なお、空気抜き弁31に替えて、シート部1あるいは連結部11の材質を、空気のみが通過できる通気性の材質によって形成するようにしてもよい。
【0035】
さらに、上述した実施の形態1では、図3に示すように、非密着領域22が密着領域21に囲まれた閉領域であったが、これに限らず、図5に示すように、非密着領域22の一部に、外部と通じる開口領域22aを設けるようにしてもよい。この場合、空室23に対応する空室23aに流入した薬剤7は、空室23a内で加圧状態とならず、圧力解放によってチューブ2を介した薬剤7の流入をスムーズに行うことができる。なお、投入される薬剤7は、微量であり、薬剤の体内臓器4への吸収に対応する投与量に調整することにより、薬剤が非密着領域22を大きく越えて投与されることが防止される。また、微量であれば、薬剤7が非密着領域22を越えて広がってもよい。
【0036】
また、図6に示すように、シート部1内の異なる領域に非密着領域22b,22cを形成して空室23b,23cを設けてもよい。この場合、チューブ2の開口12は、一方の非密着領域22bに配置し、非密着領域22b,22c間は、互いに連通する流路32を設ける。これによって、異なった位置にある複数の患部に対して1つのカテーテル10で一度に薬剤を投与することができる。
【0037】
この流路32は、たとえば、図7に示すように、シート部1裏面の流路形成領域33を、表面が粗い材質としておくことによって実現される。この流路形成領域33は、臓器表面8から浮いた状態となり、流路32が形成されることになる。
【0038】
また、図8に示すように、流路形成領域のシート部1内部に気泡35を形成し、少なくともシート部1の裏面側を凸部とし、この凸部側面のシート部1を臓器表面8から離間させ、このシート部1と臓器表面8との間の空間を流路32としてもよい。なお、この気泡35の形成は、シート部1内部の流路形成領域に対応して切れ目を入れておき、この切れ目に空気を注入することによって実現できる。この切れ目は、積層の形成によって実現できる。また、シート部1内部の流路形成領域に、光あるいは熱に反応して発泡する発泡剤を注入しておき、この発泡剤に光あるいは熱を照射することによって膨張させて気泡を形成するようにしてもよい。
【0039】
さらに、図9に示すように、シート部1内の流路形成領域に連通孔36であるルーメンを形成して流路32としてもよい。また、図10に示すように、このルーメン内に多孔質材37を充填して流路32を形成してもよい。この多孔質材37は、たとえば、人工腎臓などに用いられる内径100μm程度の中空糸(ホローファイバ)を束ねたもので実現される。この中空糸は、再生セルロース(キュプロファン、アセチルセルロースなど)、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコールエチレン共重合体、ポリスルフォンなどによって実現される。さらに、塩化ビニルなどの素材を一部に有するシート部1に対して、目的のルーメン形状に沿って紫外線を焦点し、塩化ビニルの架橋構造を破壊して、多孔構造を形成させてもよい。
【0040】
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。この実施の形態2では、さらにシート部1と体内臓器4との間に、スペーサを設け、空室23に対応する空室を確実に形成できるようにしている。
【0041】
図11は、この発明の実施の形態2であるカテーテルの設置態様を示す模式図である。図11に示すように、この実施の形態2では、シート部1と体内臓器4との間で、シート部1に覆われるスペーサ40を設ける。このスペーサ40は、図3に示した空室23を確実に形成するためのものであり、側壁42と、側壁42の周縁であって体内臓器4側に形成されたフランジ41とを有する。側壁42は、空室23に対応する空室45を囲むように形成する。この側壁42が形成する円筒には、シート部1側の上部開口43と、体内臓器4側の下部開口44とが形成されている。上部開口43には、シート部1が覆われるが、この際、チューブ2が結合するシート部1の開口12が、上部開口43内に位置するように覆う。一方、フランジ41の裏面は、密着領域21と同様に滑らかな表面となっており、体内臓器4の臓器表面8と密着してスペーサ40を固着する。
【0042】
最終的に、図11(b)に示すように、スペーサ40が所定の容積をもつ空室45を確保しつつ、シート部1の周縁の密着領域21によってさらに閉空間としての空室45を確実にしている。このスペーサ40を用いることによって、空室45を確実に確保することができ、しかも、薬剤の投与領域を確実に広く得ることができる。特に、経時的に非密着領域22の一部が密着領域21に変化したり、密着領域21の一部が非密着領域22に変化したりする領域境界の不安定さが軽減され、安定して必要な非密着領域22を確保できる。
【0043】
なお、図12に示すように、図5に対応した非密着領域22および空室23aを形成できるスペーサ50としてもよい。この場合も、チューブ2が結合するシート部1の開口12が、上部開口53に位置するように、シート部1が覆われる。また、シート部1は、側面開口55を覆わないことが好ましいが、覆ってもよい。なお、スペーサ50は、上部開口53を有するサポータ部1側の上面と、体内臓器4側に形成される下部開口54と、側壁52と、側面開口55とによって空室が形成される。
【0044】
さらに、図13に示すように、図6に対応した非密着領域22および空室23b,23cを形成できるスペーサ60としてもよい。この場合、シート部1の開口12が上部開口64に位置するように、シート部1が覆われる。ここで、空室23b,23cに対応する空室69b,69cを形成するために、側壁62,63およびフランジ61が設けられ、さらに下部開口65,67が形成され、空室69b,69c間を接続するためのブリッジ部68が設けられている。このブリッジ部68に、各空室69b,69c間を連通させる流路を形成してもよいし、形成しなくてもよい。また、流路を設けた場合、上部開口66を塞ぐようにしてもよい。
【0045】
なお、上述した実施の形態2では、フランジ41,51,61の各裏面などによってスペーサ40,50,60を体内臓器4に密着固定するようにしていたが、これに限らず、縫合、接着等によってスペーサ40,50,60を体内臓器4に固定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるカテーテルが人体に適用された状態を示す模式図である。
【図2】図1に示したカテーテルの体内臓器近傍の設置状態を示す模式図である。
【図3】図1に示したカテーテルの体内臓器近傍の設置状態を示す平面図である。
【図4】図1に示したカテーテルの変形例の構成を示す断面図である。
【図5】図1に示したカテーテルのシート部の変形例を示す平面図である。
【図6】図1に示したカテーテルのシート部の変形例を示す平面図である。
【図7】図6に示したカテーテルの流路の構成を示す断面図である。
【図8】図6に示したカテーテルの流路の変形例の構成を示す断面図である。
【図9】図6に示したカテーテルの流路の変形例の構成を示す断面図である。
【図10】図6に示したカテーテルの流路の変形例の構成を示す断面図である。
【図11】この発明の実施の形態2であるカテーテルの設置態様を示す模式図である。
【図12】この発明の実施の形態2であるカテーテルのスペーサの変形例の構成を示す模式図である。
【図13】この発明の実施の形態2であるカテーテルのスペーサの変形例の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0047】
1 シート部
2 チューブ
3 薬剤投入装置
4 体内臓器
5 臓器支持組織
6 体表
7 薬剤
8 臓器表面
9 粘膜
10 カテーテル
11 連結部
12 開口
21 密着領域
22,33 非密着領域
23,23a,23b,23c,45,69b,69c 空室
30,30a,30b 接続部
31 空気抜き弁
35 気泡
36 連通孔
37 多孔質材
40,50,60 スペーサ
41,51,61 フランジ
42,52,62,63 側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間を含む哺乳類の体内臓器に取り付けられるカテーテルであって、
少なくとも裏面の一部が前記体内臓器表面に密着する柔軟なシート部と、
前記シート部の表面から延伸する柔軟なチューブと、
を備え、
前記シート部の裏面に、前記チューブの内部通路と連通する開口が設けられていることを特徴とするカテーテル。
【請求項2】
前記シート部の裏面は、前記体内臓器表面に密着する密着領域と、前記体内臓器表面に密着しない非密着領域とが形成され、前記開口は、前記非密着領域に設けられることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記密着領域表面は平滑に形成され、前記非密着領域表面は前記密着領域よりも粗く形成されていることを特徴とする請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記シート部の裏面に、前記開口が位置する非密着領域とは別に、前記開口が位置しない非密着領域が少なくとも1つ形成され、前記シート部の裏面が前記体内臓器表面に密着した状態で、前記開口が位置する非密着領域と前記開口が位置しない非密着領域とを接続する流路が形成されることを特徴とする請求項2に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記流路は、前記シート部の裏面に形成された溝であることを特徴とする請求項4に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記流路は、前記シート部内部に形成された気泡による前記シート部裏面側への突起形成によって前記シート部裏面に形成された溝であることを特徴とする請求項4に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記流路は、前記シート部内部に形成されたルーメンであることを特徴とする請求項4に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記流路は、前記シート部内部に形成されたルーメンであって該ルーメン内が多孔形状となっていることを特徴とする請求項4に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記シート部裏面と前記体内臓器表面との間に配設されるスペーサをさらに備え、
前記スペーサは、側壁と、前記シート部側に形成される上部開口と、前記体内臓器側に形成される下部開口とを有し、少なくとも前記下部開口に覆われる前記体内臓器表面が前記非密着領域となることを特徴とする請求項2に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記チューブと前記シート部とを接続する接続部材を有し、
前記チューブと前記シート部とは、前記接続部材によって着脱可能に連結されることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記シート部裏面は、前記体内臓器表面と分子間力によって密着していることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記シート部は、前記チューブ側に前記チューブと連結し、前記チューブの内部通路の断面積より広い断面積をもち前記体内臓器表面と接する空室を形成する連結部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記シート部は、空気抜きの弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記シート部は、通気性を有する部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate