説明

カテーテル

【課題】液体の噴出時における後退を抑制し得るカテーテルを提供する。
【解決手段】液体が供給される基端部と、生体内の管腔に配置される先端部と、先端部に配置され、生体内の管腔の目的部位192に液体196を噴出するための噴出口部130と、基端部と噴出口部130とを連通するルーメンと、を有する。噴出口部130は、液体196が噴出される開口134を構成する係止部材(第1および第2係止片)140,160を有する。係止部材140,160は、液体196の噴出圧によって、先端部の外周123から突出して目的部位192の内壁194に係止するように変形し、かつ、液体196の噴出圧が消失することによって、元の形状に復元する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
生体内の管腔の形態を検査する場合、カテーテルの先端部の開口から造影剤(液体)を噴出して、X線造影が実施される(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−99089号公報
【特許文献2】特開2001−212241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、造影剤を噴出する際、造影剤の噴出圧の反力によりカテーテルが後退し、カテーテルの先端部が目的部位から外れる(位置ずれする)問題を有している。
【0005】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、液体の噴出時における後退を抑制し得るカテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明は、液体が供給される基端部と、生体内の管腔に配置される先端部と、前記先端部に配置され、前記生体内の管腔の目的部位に液体を噴出するための噴出口部と、前記基端部と前記噴出口部とを連通するルーメンと、を有するカテーテルである。前記噴出口部は、前記液体が噴出される開口を構成する係止部材を有する。前記係止部材は、前記液体の噴出圧によって、前記先端部の外周から突出して前記目的部位の内壁に係止するように変形し、かつ、前記液体の噴出圧が消失することによって、元の形状に復元する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、噴出口部の係止部材は、液体の噴出時、先端部の外周から突出するように変形するため、噴出される液体の流れに対する抵抗を少なくすることができ、かつ、生体内の管腔である目的部位の内壁と係止(摩擦および剛性により支持)することにより、液体の噴出圧の反力に抗って、カテーテルの先端部が後退することが抑制される。また、係止部材は、液体の噴出圧が消失することによって元の形状に復元するため、液体の噴出前後におけるカテーテルの先端部の前進および後退の動きを妨害しない。したがって、液体の噴出時における後退を抑制し得るカテーテルを提供することが可能である。例えば、目的部位は、血管であり、液体は、造影剤あるいは薬剤である。
【0008】
係止部材は、相対して配置される複数の係止片からなり、複数の係止片は、液体の噴出前後において互いに当接する周縁部を有することが好ましい。この場合、液体の噴出前後において、複数の係止片の周縁部によって構成される開口のサイズが最小化されているため、開口の存在による影響が抑制される。また、係止部材が変形する際、液体が噴出される開口のサイズが増大するため、液体の噴出圧を維持したまま流れに対する抵抗を少なくすることができる。
【0009】
複数の係止片は、略扁平な第1および第2係止片からなることが好ましい。この場合、先端部の外周から突出して目的部位の内壁に係止するように変形させることが容易である。
【0010】
噴出口部は、先端部の径より大きな径を有する拡径部を有する場合、拡径部の存在によって剛性(耐圧)を確保することが容易である。
【0011】
第1および第2係止片が、カモノハシ嘴形状を有する場合、液体の噴出前後における第1および第2係止片の先端端面のサイズ(面積)が小さいため、カテーテルの先端部の前進を円滑に実施することが可能である。
【0012】
第1および第2係止片の形状が、非対称であり、第1および第2係止片の一方が、噴出口部の先端端面に関して2分の1以上を占めている場合、カテーテルの先端部を前進させる際、前記一方によって、効率的に突出力を発揮することが可能である。
【0013】
第1および第2係止片は、液体の噴出圧より小さい付勢力を発揮する弾性部材を有し、弾性部材は、第1および第2係止片を噴出口部の径方向内側に付勢していることが好ましい。この場合、第1および第2係止片の変形および元の形状に復元する機構を、単純な構成で達成することが可能である。
【0014】
弾性部材を、板バネから構成する場合、弾性部材の構成を単純化することが可能である。板バネの付勢力を、第1および第2係止片の先端側の周縁部に向かって小さくすることによって、係止部材の変形を円滑に達成することが可能である。板バネの付勢力の変化は、板バネの形状を、第1および第2係止片の先端側の周縁部に向かった先細形状とすることによって、達成することが可能である。
【0015】
第1および第2係止片が、剛性が相対的に小さい柔軟部を有し、柔軟部が、変形の支点となる場合、係止部材の変形を円滑に達成することが可能である。柔軟部は、肉厚を薄くすることによって、形成することが可能である。
【0016】
第1係止片の周縁部が、第1凹部を有し、第2係止片の周縁部が、第1凹部と位置合わされた第2凹部を有し、第1凹部と第2凹部とが、当接することによって、ガイドワイヤーが貫通する孔を一体として形成することが好ましい。この場合、第1および第2係止片の周縁部が当接していても、ガイドワイヤーの適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係るカテーテルを説明するための概略図である。
【図2】図1に示されるカテーテルの挿入経路を説明するための概略図である。
【図3】図1に示される噴出口部を説明するための側面図である。
【図4】噴出口部を説明するための平面図である。
【図5】噴出口部を説明するための正面図である。
【図6】噴出口部の開口からの液体の噴出を説明するための断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る変形例1を説明するための平面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る変形例2を説明するための平面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る変形例3を説明するための側面図である。
【図10】変形例3を説明するための平面図である。
【図11】変形例3を説明するための正面図である。
【図12】変形例3における液体の噴出を説明するための断面図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る変形例4を説明するための側面図である。
【図14】変形例4を説明するための平面図である。
【図15】変形例4における液体の噴出を説明するための断面図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る変形例5を説明するための側面図である。
【図17】変形例5を説明するための平面図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る変形例6を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係るカテーテルを説明するための概略図、図2は、図1に示されるカテーテルの挿入経路を説明するための概略図である。
【0020】
本発明の実施の形態に係るカテーテル100は、生体内の管腔190における目的部位192に液体196を噴出するために使用され、カテーテルチューブ120およびハブ180を有する。管腔190は肝臓血管であり、液体196は造影剤である。造影剤は、例えば、非イオン性水溶性ヨード造影剤、水溶性ヨード造影剤、低浸透圧水溶性ヨード造影剤である。
【0021】
生体内の管腔は、肝臓血管に限定されず、心臓血管、膵臓、胆管に適用することも可能である。液体196は、造影剤に限定されず、例えば、薬液を適用することも可能である。薬液は、例えば、肝がん用の抗がん剤である。抗がん剤は、例えば、アルキル化剤のシクロホスファミドや5−フルオロウラシルなどの代謝拮抗薬、ドキソルビシン、マイトマイシンCなどの抗生物質、白金製剤のシスプラチンである。
【0022】
カテーテルチューブ120は、中空状であり、2層構造を有し、先端部122と、基端部124と、ルーメン126と、噴出口部130と、を有する。先端部122は、噴出口部130が配置される先端端面を有する。基端部124は、ハブ180を介して液体196が供給される。ルーメン126は、噴出口部130と基端部124とを連通している。噴出口部130は、管腔190の目的部位192に液体196を噴出するために設けられている。
【0023】
カテーテル100の先端部122は、例えば、図2示されるように、脚に至る下位大静脈および門脈を経由して、肝臓の静脈(管腔190)に導入される。カテーテル100は、後述するように、液体196の噴出時における後退を抑制し得るように構成されている。したがって、肝臓の静脈における目的部位192に液体196を噴出(投与)する際、液体196の噴出圧の反力によるカテーテル100の後退が避けられ、カテーテルの先端部122の目的部位192からの位置ずれが生じないため、目的部位192の静脈組織を正確に観察(透視)することができる。なお、血管として、動脈を適用することも可能である。
【0024】
ハブ180は、カテーテルチューブ120の基端に配置され、フランジ182およびプロテクタ184を有する。フランジ182は、基端部開口部(ルーメン126)に連通している開口部を有し、造影剤供給装置が連結される。造影剤供給装置は、例えば、液体196を保持しているシリンジである。プロテクタ184は、カテーテルチューブ120の潰れ(キンク)を防ぐために設けられている。フランジ182と造影剤供給装置との間に、例えば、Yコネクタを配置することも可能である。
【0025】
カテーテルチューブ120の構成材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィンや、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂である。
【0026】
カテーテルチューブ120は、X線透視下でその位置を確認しつつ生体内の管腔へ挿入されるため、X線不透過材料を含ませることが好ましい。X線不透過材料は、例えば、硫酸バリウム、酸化ビスマス、タングステンである。カテーテルチューブ120の外周を滑らかな状態とし、挿入を円滑とするためには、カテーテルチューブ120の外層がX線不透過物質を含まないように構成することが好ましい。
【0027】
カテーテルチューブ120の外周は、生体適合性、特に抗血栓性を有する樹脂をコーティングすることも可能である。抗血栓性を有する樹脂は、例えば、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートとスチレンの共重合体(例えば、HEMA−St−HEMAブロック共重合体である。
【0028】
ハブ180の構成材料は、例えば、ポリカーボネート、ポリオレフィン、スチレン系樹脂、ポリエステルなどの合成樹脂、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金である。
【0029】
次に、噴出口部130を詳述する
図3、図4および図5は、図1に示される噴出口部を説明するための側面図、平面図および正面図であり、図6は、噴出口部の開口からの液体の噴出を説明するための断面図である。
【0030】
噴出口部130は、中空状であり、壁部は外層と内層の2層構造を有し、液体196が噴出される開口134(図6)を構成する係止部材132を有する。係止部材132は、液体196の噴出圧によって、先端部122の外周123から半径方向外側に突出して目的部位192の内壁194に係止するように変形し(図6)、かつ、液体196の噴出圧が消失することによって、元の形状に復元する(開口134が閉じる)ように構成されている(図3)。
【0031】
係止部材132は、液体196の噴出時、先端部122の外周123から突出するように変形するため、噴出される液体の流れに対する抵抗を少なくすることができ、かつ、目的部位192の内壁194と係止(摩擦および剛性により支持)することにより、液体196の噴出圧の反力に抗って、カテーテルの先端部122の目的部位192に対する位置が後退することが抑制される。また、係止部材132は、液体196の噴出圧が消失することによって元の形状に復元するため、液体196の噴出前後におけるカテーテルの先端部122の前進および後退の動きを妨害しない。
【0032】
係止部材132は、相対して配置される上部および下部係止部(第1および第2係止片)140,160からなる。上部および下部係止部140,160は、周縁部142,162および弾性部材148,168を有する。
【0033】
周縁部142,162は、液体196の噴出前後において、互いに当接するように構成されている自由端である。したがって、液体196の噴出前後において、周縁部142,162によって構成される開口134のサイズが最小化されているため(開口134が閉じているため)、開口134の存在による影響が抑制される。また、上部および下部係止部140,160が変形する際、液体196が噴出される開口134のサイズが増大するため(開口134が開くため)、液体196の噴出圧を維持したまま流れに対する抵抗を少なくすることが可能である。なお、係止部材132が変形する際、周縁部140,160の先端側の部位(係止部材132の外周面の先端側の部位)は、目的部位192の内壁194に接触して係止され、これにより、目的部位192の内壁194に対する係止部材132の係止が達成される。
【0034】
上部係止部140の周縁部142は、上部凹部(第1凹部)144を有する。下部係止部160の周縁部162は、上部凹部144と位置合わされた下部凹部(第2凹部)164を有する(図5)。上部凹部144と下部凹部164とは、当接することによって、孔を一体として形成する。前記孔は、ガイドワイヤーが貫通自在に構成されており、上部および下部係止部140,160の周縁部142,162が当接していても(開口134が閉じていても)、ガイドワイヤーの適用が可能である。
【0035】
弾性部材148,168は、上部および下部係止部140,160を径方向内側に付勢するために使用され、その付勢力は、液体196の噴出圧より小さい。これにより、上部および下部係止部140,160の変形および元の形状に復元する機構を、単純な構成で達成することが可能である。弾性部材148,168は、噴出口部130の外層と内層との間に配置される板バネから構成されており(図4)、弾性部材148,168の構成が単純化されている。
【0036】
なお、噴出口部130は、2層構造に限定されず、必要に応じて、単層構造としたり、3層構造とすることも可能である。係止部材132(上部および下部係止部140,160)の形成方法は、特に限定されない。係止部材132は、単一の係止部から構成したり、3つ以上の係止部から構成することも可能である。弾性部材148,168は、噴出口部130の外面(外層外側)に配置したり、内面(内層内側)に配置することも可能である。
【0037】
次に、本発明の実施の形態に係る変形例1〜6を順次説明する。
【0038】
図7は、本発明の実施の形態に係る変形例1を説明するための平面図である。
【0039】
上部および下部係止部140,160の変形(先端部122の外周123から突出して目的部位192の内壁194に係止する変形)を円滑に達成するためには、剛性が相対的に小さく、変形の支点となる柔軟部146,166を設けることが好ましい。柔軟部146,166は、例えば、肉厚を薄くすることによって、形成することが可能である。
【0040】
図8は、本発明の実施の形態に係る変形例2を説明するための平面図である。
【0041】
弾性部材148,168の付勢力を、先端側の周縁部142A,162Aに向かって小さくすることによっても、上部および下部係止部140,160の変形を円滑に達成することが可能である。弾性部材148,168の付勢力の変化は、弾性部材148,168を構成する板バネの形状を、上部および下部係止部140,160の先端側の周縁部142A,162Aに向かった先細形状とすることによって、達成することが可能である。
【0042】
図9、図10および図11は、本発明の実施の形態に係る変形例3を説明するための側面図、平面図および正面図、図12は、変形例3における液体の噴出を説明するための断面図である。
【0043】
変形例3に係る上部および下部係止部140A,160Aは、拡径部150,170および嘴部158,178を有し、図11に示されるように、略扁平状である。したがって、図12に示されるように、上部および下部係止部140A,160Aを変形(先端部122の外周123から突出して目的部位192の内壁194に係止するように変形)させることが容易である。
【0044】
なお、拡径部150,170は、拡径の度合いが同じでもよいが、図9のように異なっていてもよい。拡径部150,170は、その断面が楕円となるような拡径部であってよい。嘴部158,178は、横から見たときの厚みが同じでもよいが、図のように異なっていてもよい。図9で示されるように、横からみたときに、カテーテル軸方向に対して上側に位置する係止部の一方(上部係止部140A)で拡径部150の拡径度が大きく、かつ嘴部158の厚みが大きく、カテーテル軸方向に対して下側に位置する係止部の他方(下部係止部160A)で拡径部170の拡径度が小さく、かつ嘴部178の厚みが小さいという組合せが、好ましい。
【0045】
拡径部150,170は、図10に示されるように、先端部122の径より大きな径を有しており、例えば、肉厚を厚くすることによって、噴出口部130の剛性(耐圧)を確保することが容易である。
【0046】
嘴部158,178は、図11に示されるように、先広のへら状であり、所謂カモノハシ嘴形状を有する。したがって、液体196の噴出前後における上部および下部係止部140A,160Aの先端端面のサイズ(面積)が小さいため、カテーテルの先端部の前進を円滑に実施することが可能である。
【0047】
図13および図14は、本発明の実施の形態に係る変形例4を説明するための側面図および平面図、図15は、変形例4における液体の噴出を説明するための断面図である。
【0048】
変形例4に係る上部および下部係止部140B,160Bは、図13および図15に示されるように、略扁平であるマッコウクジラの頭部状である。つまり、上部および下部係止部140B,160Bの平面形状は、図14に示されるように略矩形状であり、かつ、上部係止部140Bが下部係止部160Bより半径方向に大きく(形状が非対称であり)、上部係止部140Bが、噴出口部130の先端端面に関して2分の1以上を占めている。したがって、カテーテルの先端部を前進させる際、上部係止部140Bによって効率的に突出力を
発揮することが可能である。
【0049】
図16および図17は、本発明の実施の形態に係る変形例5を説明するための側面図および平面図、図18は、本発明の実施の形態に係る変形例6を説明するための平面図である。
【0050】
上部および下部係止部の略扁平形状は、上述の構成に限定されず、必要に応じて多様な形態を適用することが可能である。例えば、図16および図17に示される略円形状の拡径部152,172を有する(ナマズの頭部状の)上部および下部係止部140C,160Cや、図18に示される略楕円状の拡径部154,174を有する(ウナギの頭部状の)上部および下部係止部140D,160Dを適宜適用することも可能である。
【0051】
以上のように、本実施の形態においては、噴出口部の上部および下部係止部は、液体の噴出時、先端部の外周から半径方向外側に突出するように変形するため、噴出される液体の流れに対する抵抗を少なくすることができ、かつ、生体内の管腔である目的部位の内壁と係止(摩擦および剛性により支持)することにより、液体の噴出圧の反力に抗って、カテーテルの先端部が後退することが抑制される。また、上部および下部係止部は、液体の噴出圧が消失することによって元の形状に復元するため、液体の噴出前後におけるカテーテルの先端部の前進および後退の動きを妨害しない。したがって、液体の噴出時における後退を抑制し得るカテーテルを提供することが可能である。
【0052】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することができる。例えば、変形例1と変形例2を組み合わせたり、変形例1および/又は変形例2を、変形例3〜6に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0053】
100 カテーテル、
120 カテーテルチューブ、
122 先端部、
123 外周、
124 基端部、
126 ルーメン、
130 噴出口部、
132 係止部材、
134 開口、
140,140A〜140D 上部係止部(第1係止片)、
142 周縁部、
142A 先端側周縁部、
144 上部凹部(第1凹部)、
146 柔軟部、
148 弾性部材、
150,152,154 拡径部、
158 嘴部、
160,160A〜160D 下部係止部(第2係止片)、
162 周縁部、
162A 先端側周縁部、
164 下部凹部(第2凹部)、
166 柔軟部、
168 弾性部材、
170,172,174 拡径部、
178 嘴部、
180 ハブ、
182 フランジ、
184 プロテクタ、
190 管腔、
192 目的部位、
194 内壁、
196 液体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が供給される基端部と、
生体内の管腔に配置される先端部と、
前記先端部に配置され、前記生体内の管腔の目的部位に液体を噴出するための噴出口部と、
前記基端部と前記噴出口部とを連通するルーメンと、を有し、
前記噴出口部は、前記液体が噴出される開口を構成する係止部材を有し、
前記係止部材は、前記液体の噴出圧によって、前記先端部の外周から突出して前記目的部位の内壁に係止するように変形し、かつ、前記液体の噴出圧が消失することによって、元の形状に復元する
ことを特徴とするカテーテル。
【請求項2】
前記係止部材は、相対して配置される複数の係止片からなり、
前記複数の係止片は、前記液体の噴出前後において互いに当接する周縁部を有することを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記複数の係止片は、略扁平な第1および第2係止片からなることを特徴とする請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記噴出口部は、前記先端部の径より大きな径を有する拡径部を有することを特徴とする請求項3に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記第1および第2係止片は、カモノハシ嘴形状を有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記第1および第2係止片の形状は、非対称であり、
前記第1および第2係止片の一方が、前記噴出口部の先端端面に関して2分の1以上を占めていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記第1および第2係止片は、前記液体の噴出圧より小さい付勢力を発揮する弾性部材を有し、
前記弾性部材は、前記第1および第2係止片を前記噴出口部の径方向内側に付勢している
ことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記弾性部材は、板バネからなることを特徴とする請求項7に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記板バネの付勢力は、前記第1および第2係止片の先端側の前記周縁部に向かって小さくなっていることを特徴とする請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記板バネは、前記第1および第2係止片の先端側の前記周縁部に向かった先細形状を有することによって、前記付勢力が小さくなっていることを特徴とする請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記第1および第2係止片は、剛性が相対的に小さい柔軟部を有し、前記柔軟部は、前記変形の支点となることを特徴とする請求項3〜10のいずれか1項に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記柔軟部は、肉厚が薄いことによって、前記剛性が相対的に小さくなっていることを特徴とする請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記第1係止片の周縁部は、第1凹部を有し、
前記第2係止片の周縁部は、前記第1凹部と位置合わされた第2凹部を有し、
前記第1凹部と前記第2凹部とは、当接することによって、ガイドワイヤーが貫通する孔を一体として形成する
ことを特徴とする請求項3〜12のいずれか1項に記載のカテーテル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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