カニューレ部品と流路との間のシール
【課題】カニューレ部品(7)及び流路を含み、カニューレ部品(7)が使用位置にあるとき、流路をカニューレ密に保持するため、シール(18)がカニューレ部品(7)と流路の入口/出口開口部(12)との間に位置決めされた、注入部品を提供する。
【解決手段】シール(18)は入口/出口開口部(12)を取り囲んでおり、カニューレ部品の中心線cと、シール(18)の上縁部に又はその上方に位置決めされたカニューレ部品の外面上の点との間の距離d1は、カニューレ部品の中心線cと、シール(18)の下縁部に又はその下方に位置決めされたカニューレ部品の外面上の点との間の距離d2よりも大きい。
【解決手段】シール(18)は入口/出口開口部(12)を取り囲んでおり、カニューレ部品の中心線cと、シール(18)の上縁部に又はその上方に位置決めされたカニューレ部品の外面上の点との間の距離d1は、カニューレ部品の中心線cと、シール(18)の下縁部に又はその下方に位置決めされたカニューレ部品の外面上の点との間の距離d2よりも大きい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カニューレ部品及び流路を含む、治療作用を持つインシュリン等の物質を連続的に投与するための注入部品に関する。注入部品は、送出手段に連結できる。このことは、医薬品又は栄養剤を連続的に計量投与することを意味する。
【背景技術】
【0002】
WO2007/071258には、注射部品及び流体送出部品を含み、これらの流体送出部品及び注射部品を分離したり再接合できる、流体を送出するための医療用デバイスが記載されている。流体送出部品は、リザーバ、例えばポンプの形態の流体輸送手段、及び送出部品の作用ユニットが配置されるハウジングを含む。注射部品は、ベースプレートと、前記ベースプレートの近位側を通って延びるカニューレが設けられた貫通開口部を備えた本体を含むカニューレ部品と、ベースプレートを使用者の皮膚に固定するための、例えば取り付けパッドの形態の手段とを含む。カニューレ部品には、流体をカニューレ部品の中空部に導入するための一つ又はそれ以上の開口部が設けられており、これらの開口部の各々は、自己閉鎖メンブレンによって覆われている。流体をリザーバからカニューレ部品の貫通開口部に通す流路を含むコネクタによって送出部品及び注射部品を組み立てる。流路には、コネクタを送出部品及び/又は注射部品をから外したとき、注射部品へのアクセスを遮断するための手段が設けられている。この文献に例示された実施例は極めて複雑であり、製造は容易でない。
【0003】
EP652 027には、医薬品を送出するために患者の皮膚に配置される注入デバイスが開示されている。注入デバイスは、鋼製貫通カニューレを支持するカニューレデバイス(10)を含む。カニューレデバイス(10)は同心であり、即ちカニューレデバイスの全ての部品は、共通の軸線を中心とした回転に関して回転対称である。カニューレデバイス(10)は軸線方向に摺動でき、円筒形の側面に入口開口部を持つチャンネル(11)を有する。入口開口部は、チャンネル(7)の出口開口部と対応する。この出口開口部を通して医薬品等が進入する。チャンネル(7)の出口の上方及び下方に第1及び第2のO−リング(8)が配置されている。両O−リング(8)は、ハウス(1)の周囲の内面の円形の溝に配置される。このデバイスでは、挿入器及びカニューレデバイスは互いに永久的に接合されており、これによりカニューレデバイスの少なくとも一部をカニューレ開口部に挿入できる。カニューレ開口部は、カニューレデバイスの挿入が行われる前でも、カニューレデバイスをぴったりと取り囲む。即ち、これにより、全挿入手順中、カニューレ部品とハウスの内面との間に摩擦が発生する。更に、この文献には、軟質カニューレをこのデバイスで使用するように適合する方法は教示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2007/071258
【特許文献2】EP652 027
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、安全であり、製造が簡単であり、カニューレ部品とベース部品との間の摩擦を低減し、及び従って挿入中にカニューレ部品が不正に位置決めされる危険を低減する、軟質カニューレの使用を可能にする、注入部品を提供することである。この目的は、移動カニューレ部品及びカニューレ部品を受け入れるための開口部の内面の両方が、流体を周囲からシールするガスケットと接触する時間を減少することによって達成される。これは、一般的には直径が大きいカニューレ部品を形成することによって、又は面積が比較的小さいシールを形成することによって行うことができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、カニューレ部品及び流路を含み、
−カニューレ部品は、硬質材料で形成された本体を含み、この本体は、カニューレと流体連結した内部貫通開口部を有し、カニューレは、患者との流体連結を提供する内部開口部を有し、カニューレ部品の本体は、流路の入口開口部又は出口開口部と対応し、流路とカニューレ部品との間を流体接触する開口部を有し、これらの二つの対応する開口部は、互いに向き合って位置決めされたとき、制限のない流れを許容し、
−流路は、少なくとも一つの入口開口部及び出口開口部を有し、これらの開口部を通して流体を流路に入れることができ、流路から出すことができ、
−カニューレ部品が使用位置にあるとき、流路をカニューレ密に保持するため、シールがカニューレ部品と流路の入口/出口開口部との間に位置決めされている、請求項1に記載の注入部品によって達成される。
【0007】
シールは入口/出口開口部を取り囲んでおり、カニューレ部品の中心線cと、シールの上縁部に又はその上方に位置決めされたカニューレ部品の外面上の点との間の距離d1は、カニューレ部品の中心線cと、シールの下縁部に又はその下方に位置決めされたカニューレ部品の外面上の点との間の距離d2よりも大きい。「シールの上縁部」は、患者の皮膚までの距離が最大の、シール又はガスケットの部分を定義し、「シールの下縁部」は、本発明による注入部品を使用位置に挿入したとき、患者の皮膚までの距離が最小の、シールの部分を定義する。
【0008】
一実施例によれば、カニューレ部品の本体には、使用前にシールが設けられているか或いは、別の態様では、流路の開口部即ち流路の開口部を取り囲む表面には、使用前にシールが設けられている。「設けられている」というのは、シール又はガスケットが何らかの方法で、表示の表面に取り付けられているということを意味し、シール又はガスケットは、図9又は図10に示すように、溝又はキャビティに配置される。
【0009】
一実施例によれば、貫通部材には、挿入後に貫通部材をベース部品に外れないように確実に取り付けるアタッチメント手段が設けられている。
【0010】
一実施例によれば、カニューレ部品の本体には、流体がカニューレに進入する又は流体がカニューレから出る開口部の縁部に沿って配置されたシール又はガスケットが設けられている。
【0011】
一実施例によれば、カニューレ部品の開口部と対応する流路の開口部には、開口部の縁部に沿って、即ち開口部から短い距離のところに配置されたシールが設けられている。「短い距離」というのは、開口部の直径と等しいか或いはこれよりも小さい距離であると理解されるべきであり、開口部が円形でない場合には、開口部の長い方の寸法と等しいか或いはこれよりも小さい距離であると理解されるべきである。
【0012】
シール材料は、任意の実施例によれば、疎水性であり且つ弾性であってもよく、例えばシール材料はシリコーン製である。
【0013】
一実施例によれば、カニューレ部品の本体は、内部貫通開口部に至る少なくとも一つの第2開口部を有し、好ましくは、内部貫通開口部に至る第2開口部は、自己閉鎖メンブレンによって覆われている。このメンブレンは、先が尖った、又は尖っていないニードルによって穿通でき、シリコーンで形成されていてもよい。
【0014】
この少なくとも第2開口部は、カニューレが患者の皮膚を切り進むことができない軟質カニューレである場合、例えばデバイスの挿入に使用できる。この場合、別体の挿入ニードルを第2開口部に通し、カニューレ全体に通すことができ、カニューレの前方にカッティングエッジを形成する。更に、患者に一日数回少量の投与量で与えられる医薬品又は栄養剤の供給にも使用できる。
【0015】
一実施例によれば、注入部品は、患者の皮膚に取り付けることができるベース部品を含む。
【0016】
このような注入部品の一実施例によれば、ベース部品には、カニューレ部品の非貫通端の輪郭と対応する開口部が設けられている。
【0017】
カニューレ部品の「非貫通端」は、カニューレの尖端とは反対側の端であり、即ち貫通部材の遠位端である。「遠位」というのは、患者から遠い方の端を示す。図4A、図4B、及び図4Cに示すカニューレ部品の実施例では、カニューレ部品は、流路の開口部を取り囲む平らな壁と対応する一つの側部に平らな表面部品を有する。即ち、開口部が「適合する」というのは、周囲壁がカニューレ部品と対応し、カニューレ部品を、良好に定められ且つぴったりと嵌着した態様で、好ましくはプレス嵌めで位置決めするということを意味する。「プレス嵌め」というのは、非常にぴったりと嵌着するため、カニューレ部品を挿入するのに力がいるということを意味する。
【0018】
この実施例によれば、開口部は、カニューレ部品を患者に挿入したときにカニューレ部品の周囲にぴったりと嵌着する壁を提供するベース部品の外面の下に延びている。好ましくは、流路の入口開口部又は出口開口部は、カニューレ部品の周囲に嵌着する開口部の壁内に開放しており、カニューレ部品を挿入したとき、カニューレ部品の内開口部の入口又は出口は、流路の入口/出口開口部と対応する。
【0019】
一実施例によれば、カニューレ部品の中心線cとシール(18)の上縁部に位置決めされたカニューレ部品の外面上の一つの点との間の距離d1は、カニューレ部品の中心線cとシールの下縁部に位置決めされたカニューレ部品の外面上の一つの点との間の距離d2よりも大きい。中心線cは、挿入方向と平行である。
【0020】
一実施例によれば、角度dは、カニューレ部品の挿入方向と、シールと向き合った開口部を取り囲む表面に対して接線をなす平面との間の角度であり、0<d≦90°であり、通常は45≦d≦80°であり、多くの場合、70≦d≦80°である。
【0021】
断面が減少するカニューレ部品を、中空断面が対応して減少する中空部に挿入する場合、カニューレ部品を中空部にプレス嵌めできる。このプレス嵌めは、流体及びカニューレ部品の夫々の対応する二つの開口部を互いに押し付けることによりこれらの間の流体密連結を改善し、更にカニューレ部品をベース部品に係止できる。
【0022】
一実施例によれば、ベース部品は、少なくとも一部が硬質材料で形成されている。材料が「硬質」であるというのは、ニードルでは穿通できないということを意味し、更に製造中に所与の形状を維持できるが、薄いプレートとして形成された場合又は非常に長く形成された場合には、その所与の形状のため、材料が撓むことができ、しかし、圧縮すること、即ち大きさを小さくすることはできないということを意味する。
【0023】
一実施例によれば、流路は、患者の皮膚に取り付けられたベース部品と一体の部分として形成される。流路が一体の部分として形成されるというのは、デバイスの不可分の部分である、即ちベース部品の製造プロセス中にデバイスに永久的に取り付けられており、ベース部品の使用時に流路とベース部品の残りとを分離できないということを意味する。
【0024】
一実施例によれば、硬質材料は、成形プラスチック材料であり、例えばプラスチック材料はポリプロピレンである。
【0025】
一実施例によれば、ベース部品は、送出手段をベース部品に取り付けるためのファスニング手段を含む。送出手段は、送出手段を取り付けるための手段と対応する手段が設けられたコネクタ部品を含んでいてもよく、医薬品を注入部品に移送するためのチューブが設けられており、又は送出手段は医薬品を収容するリザーバ及び医薬品を注入部品に移送するための手段を含んでいてもよい。移送するための手段は、通常は、ポンプ、及び適切な量の医薬品が患者に確実に送出されるようにするためのセンサと組み合わせることができるプログラム可能部品である。
次に、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明による注入部品の第1実施例の図である。
【図2】図2及び図2Aは、本発明による注入部品の第2実施例の図である。
【図3】図3は、図2及び図2Aと同じ注入部品の実施例を示す図である。
【図4】図4A、図4B、及び図4Cは、本発明と関連して使用できるカニューレ部品を示す図である。
【図5】図5は、本発明と関連して使用できる挿入器の正面図である。
【図6】図6は、図5の挿入器の近位側の図である。
【図7】図7は、本発明による注入部品の部分であるコネクタ部品を示す図である。
【図8】図8は、図7と同じコネクタ部品を、入口を覆うバブル状メンブレンなしで示す図である。
【図9】図9A及び図9Bは、傾斜した接触面を持つカニューレ部品を示す図である。
【図10】図10A乃至図10Dは、カニューレ部品とコネクタ部品のカニューレ開口部との間の接触の拡大図である。
【図11】図11A、図11B、及び図11Cは、主としてチューブによって形成された流路を持つベース部品の一実施例を示す図である。
【図12】図12は、挿入方向と接触面に対する接線との間の角度d=90°の注入部品の一実施例を示す図である。
【図13】図13は、本発明と関連して使用できるカニューレ部品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、カニューレ部品及び流路を含む本発明による注入部品の一実施例を示す。この実施例は、接着面に取り付けられた表面プレート1を含む。表面プレート1は、この実施例では、成形プラスチック材料製であり、接着面は、デバイスの製造中に表面プレート1に外れないように取り付けられた取り付けパッド2の近位側であってもよい。取り付けパッド2の面積は、この実施例では表面プレート1と同じであるが、表面プレート1よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0028】
コネクタ部品3は、表面プレート1に設けられた部品である。コネクタ部品3は、ベース部品と、任意の種類の送出手段とを接触させる。一実施例によれば、表面プレート1及びコネクタ部品3の少なくとも一つの外カバーは、デバイスの製造中、単に一つのピースとして成形される。コネクタ部品3の内部部品は、例えば医薬品のリザーバ又は患者から収集した液体用のリザーバとカニューレ部品7との間に流路を形成する。従って、コネクタ部品3には、流路の各端に一つづつ、少なくとも二つの開口部が設けられている。第1開口部13は、流体をリザーバ(図示せず)から受け取るための入口開口部又は流体をリザーバに送出するための出口開口部であり、第2開口部は、流体をカニューレ部品7から受け取るための入口開口部12又は流体をカニューレ部品7に送出するための出口開口部12である。コネクタ部品3には、例えば第2の医薬品又は栄養剤を注射するため又は流路内の流体をセンサと接触するためにカニューレ部品を挿入するための別の開口部が設けられていてもよい。
【0029】
下文において、第1開口部13を「入口」と呼び、第2開口部12を「出口」と呼ぶが、流路を通る流れの方向は本発明にとって重要ではない。
【0030】
図1の実施例には、二つの直角L字形状形材の形態の二つのガイド手段4が、¬「 の形態で設けられている。これらの形材は、下側即ち近位側が患者の皮膚に取り付けられたベース部品の表面プレート1から突出している。ガイド手段4は、送出部品又は使用中にベース部品に取り付けられるべきカバー又は連結手段に設けられたガイド手段と対応する。このような対応する手段は、例えば、ベース部品に設けられた形材と対応する」及びLの形態のL字形状形材を持つ一つ又はそれ以上のフックとして形成されていてもよい。
【0031】
この実施例のコネクタ部品3の流路は非常に短く、コネクタ部品3の入口13はガイド手段4に関して中央位置に配置されている。挿入したカニューレ部品7の頂部は、コネクタ部品3に挿入された状態で示してある。
【0032】
コネクタ部品3には、更に、カニューレ部品7の周囲に正確に嵌着するカニューレキャビティ12Aが設けられている。即ち、カニューレキャビティ12Aは、カニューレ部品7と同じ立体形状即ち輪郭を有し、カニューレ部品7を通して嵌着するのに丁度十分に大きい。図1では、カニューレ部品7は、カニューレ部品7が一杯に挿入された位置で示してある。カニューレ部品7が一杯に挿入された場合には、カニューレ部品の上面即ち遠位面は、通常は、カニューレキャビティ12Aの周囲のコネクタ部品3の外面と同じ高さにあるか或いはこれよりも下にある。
【0033】
カニューレ部品7をコネクタ部品3に一杯に挿入したとき、カニューレ部品7の本体24の側面の穴がコネクタ部品3の流路の開口部12と対応し、流体を一方の部品から他方の部品まで流すことができる。開口部12を、下文において「出口」と呼ぶが、流れの方向は本発明にとって重要ではない。
【0034】
図2及び図3は、本発明による注入部品の第2実施例を示す。この実施例の送出部品は、送出部品をガイド手段4に向かって下方に押すことによって、ベース部品に接合できる。ガイド手段4は、この実施例では、盛り上がった長さ方向プラットホームであり、磁石5が上面に取り付けられている。送出部品には、例えば磁石5よりも小さい、又は磁石5と異なる大きさの対応する磁石が設けられている。送出部品の対応する磁石は、ベース部品の盛り上がったプラットホーム4に設けられた磁石5に沿って長さ方向に摺動できるように、例えば、盛り上がったプラットホーム4と対応する軌道に配置される。送出部品がその作用位置に達したとき、二つの解放ハンドルが、夫々、表面プレート1の上面から突出した二つの突出部品15と係合できる。送出部品は、その作用位置にあるとき、水平方向で、解放ハンドルによって係止されており、表面プレート1に対して垂直な方向で、送出部品及びベース部品の夫々の二つの対応する磁石によって係止されている。これらの係止機構により、送出デバイスをベース部品に取り付けたりここから外したりすることを必要なだけ行うことができる。即ち、一回使用ベース部品を多数回使用送出部品と組み合わせることができる。
【0035】
図2及び図2Aでは、ベース部品は、カニューレ部品7がない状態で示してあり、図3では、ベース部品は、カニューレ部品7がカニューレ部品7の挿入直前の位置に達した状態で示してある。通常は、カニューレ部品7は、挿入のこの段階で未だ挿入器内部に配置されており、見えない。
【0036】
通常は、挿入器10はカニューレ部品7を挿入前に保持しており、挿入は、ハンドル11を押すことによって開始できる。図5及び図6は、カニューレ部品7の挿入を開始するためにハンドル11を押さなければならない方向を示す。挿入後、挿入ニードル(図示せず)を挿入器の内部に引っ込めることができ、挿入器10をベース部品から取り外し、挿入したカニューレ22を表面プレート1に取り付けられた状態で残す。カニューレ部品7のカニューレ22が硬質の自己貫通カニューレである場合には、別体の挿入ニードルは設けられず、従って、挿入ニードルを引っ込める必要はない。
【0037】
図2及び図2Aでは、コネクタ部品3は、型成形により成形した表面プレート1が提供する外カバーを備えた状態で示してある。この実施例に示す外カバーは、独立したユニットではなく、表面プレート1に外れないように取り付けられているか或いは、単に成形プロセスによって表面プレート1の一部として形成されている。外カバーには、カニューレ部品7用のカニューレキャビティ12A及び例えばリザーバ用のアクセス開口部13が設けられており、これによって、リザーバ及びカニューレ部品7によってコネクタ部品3の流路にアクセスできる。カニューレキャビティ12Aにより、カニューレ部品7を、表面プレート1及びベース部品の接着面2の周囲内で患者の皮下に又は経皮的に挿入できる。ベース部品の接触面2は、この実施例では、取り付けパッドによって形成され、カニューレを挿入できる(図7及び図8参照)開口部12Bが設けられている。この開口部12Bは、少なくともカニューレ部品7のカニューレ22によって接着面2を穿通できる場合には必要でない。
【0038】
図7及び図8には、型成形により成形された外カバーなしの状態でコネクタ部品3が示してある。コネクタ部品3の出口開口部12とカニューレ部品7との間に流体密連結部を形成するため、コネクタ部品3の出口開口部12には、出口開口部12の周囲に弾性シール18が設けられている。カニューレ部品7を挿入したとき、カニューレ開口部12にプレス嵌めされ、弾性シール18が完全な流体密ガスケットを対応する開口部12及び20の周囲に形成する。プレス嵌めを改善するため、及びこれによってカニューレ部品7と流路の出口との間に流体密連結部を形成するため、カニューレキャビティ12Aの断面は、挿入したとき、カニューレ22と平行な平面内で、及び流路の出口が位置決めされた表面に対して垂直な方向で減少していてもよい。カニューレ部品7は、これと対応する減少する断面を有する。
【0039】
コネクタ部品3の入口開口部13とリザーバ6との間に流体密連結部を形成するため、バブル状メンブレン17が第1開口部13の周囲に位置決めされている。メンブレン17は入口開口部13を完全に覆っており、コネクタ部品3の内部が汚染しないようにする。リザーバ又はリザーバ用の連結部品をコネクタ部品3に押し付けると、コネクタニードル19がメンブレン17を穿刺し、流体をコネクタ部品3とリザーバとの間で完全に流体密で移送する。
【0040】
メンブレン17がバブル状であるということは、メンブレンが保護する開口部の周囲に、通常は開口部の縁部に亘って取り付けられているということを意味し、メンブレン17は、開口部の縁部が形成する平面から突出しており、縁部から所定距離のドームを形成する。この距離は、通常は、コネクタニードル19の長さと対応する。
【0041】
図8では、コネクタニードル19はコネクタ部品3の一部として、即ちコネクタ部品3に取り付けられた状態で示してあるが、コネクタニードル19はリザーバの一部であっても良い。
【0042】
一実施例によれば、コネクタ部品3にはコネクタニードル19及びバブル状自己閉鎖メンブレン17の両方が設けられており、リザーバにもバブル状自己閉鎖メンブレンが設けられている。両部品に自己閉鎖メンブレンが設けられているため、コネクタ部品3の内部流路及び患者を汚染することなく、二つのユニットを互いから分離でき且つ後に再結合できる。
【0043】
図4A、図4B、及び図4Cは、本発明と関連して使用できるカニューレ部品7の拡大図を示す。この実施例は、カニューレ22及び平らな表面を持つ突出前部25を持つ本体24を含む。開口部を備えたカニューレ部品7の表面は必ずしも平らでなくてもよく、実際には、カニューレ部品7に面するコネクタ部品3に対応する表面を形成できる限り、任意の所望の形状を備えていてもよい。一実施例では、前部25は、上端即ち遠位端での断面が、前部の近位端即ち挿入後に患者に近い方の端部での断面よりも、少なくとも一つの寸法が大きいように傾斜している。前部25には開口部20が設けられており、この開口部を通って液体がカニューレ部品7から出ることができ、又はカニューレ部品7に入ることができる。本体24には、更に、頂部開口部21が設けられている。この開口部は、自己閉鎖メンブレンで覆われていてもよい。開口部21は、周囲と接触する外面に面するため、或る種の入口保護を必要とする。頂部開口部21は、主として、カニューレ22が軟質カニューレである場合、カニューレ部品7を挿入する場合に使用される。カニューレ22が軟質であるというのは、患者の皮膚を穿通できない比較的軟質の材料で形成されているということを意味する。この場合、カニューレを挿入するときに比較的硬質の材料で形成された先が尖った挿入ニードルを使用する必要がある。この先が尖ったニードルは、頂部開口部21を通して挿入でき、カニューレ部品7の本体24の貫通開口部を通過し、更に、挿入ニードルの尖端が中空カニューレ22の開放端部を通って出るようにカニューレ22の全長に亘って延びる。挿入後、即ちカニューレ22を患者の皮下に即ち経皮的に配置した後、挿入ニードルを引っ込め、カニューレ22を患者に残す。
【0044】
カニューレ部品7には、更に、一杯に挿入した場合にカニューレ部品7をベース部品に対して係止するファスニング手段23が設けられている。この実施例のファスニング手段23は、カニューレ部品7の本体24と近接した軸線を中心として枢動できる外向きのフックを含む。枢動は、これらのフックを内方に押圧したとき、即ちカニューレ部品7の中心に向かって押圧したとき、これらのフックの最外縁部が形成する直径を小さくできるように行われる。圧力を取り除くと、フックは、材料の可撓性によってその元の位置に戻る。フックは、例えば開口部12Bの開口部、又は少なくとも一つの寸法がフックの外縁部よりも小さい断面を持つ、表面プレート1の対応する開口部等をこれらのフックが通過するときに内方に押され、フックが開口部を通過した後にその元の位置に戻るとき、カニューレ部品7を挿入位置に係止する。
【0045】
図5及び図6は、カニューレ部品7をベース部品に位置決めするのに使用できる挿入器を示す。この挿入器は、内部開口部が設けられたハウジング10を含む。内部開口部で、カニューレ部品7は、引っ込め位置から前進位置まで移動できる。引っ込め位置では、カニューレ22は患者と接触しておらず、前進位置では、カニューレ22は患者に挿入されている。挿入器は、更に、カニューレ部品7を挿入しようとする場合に作動されるべきアクチュエータハンドル11を含み、ファスニング手段14を備えている。ファスニング手段14は、挿入前及び挿入中に挿入器をベース部品に係止できる。通常は、挿入器は、殺菌状態でベース部品に取り付けられなければならず、又は挿入器の取り付け後、カニューレキャビティ12Aが汚染されないようにするため、接合されたベース部品及び挿入器を殺菌しなければならない。患者の皮膚上に配置される材料の量を減少するため、カニューレ部品7の挿入後に挿入器全体又は挿入器の少なくとも一部を取り外すことができるのが望ましい。
【0046】
図9A及び図9Bは、カニューレ部品7の第2実施例の拡大図である。図9Aは、挿入直前の状態のカニューレ部品7を示し、図9Bは、ベース部品のキャビティ12Aに挿入した状態のカニューレ部品7を示す。
【0047】
この実施例は、更に、カニューレ22及び開口部20が設けられた平らな表面を持つ突出部品25を備えた本体24を含む。この実施例によれば、突出部品25は、開口部20とコネクタ部品3の第2開口部12の周囲のシール18との間の圧力を増大するように傾斜している。シール18に挿入中に加わる引き裂き力は小さい。傾斜した部品25の傾斜は、カニューレ22の中心線c(この中心線cは、挿入方向と平行である)と開口部20の周囲表面と平行な線との間の角度で決まる。開口部20の周囲表面が直線状をなしていない場合には、表面と平行な線は、開口部20の周囲表面に対する接線である。角度dは0°よりも大きく、90°よりも小さいか或いは90°に等しく、通常は、シール18の直径又は突出に応じてd∈[0°、30°]であるか或いは[60°、90°]である。突出した傾斜した部品25の表面の、挿入後に患者から遠い方のカニューレ部品7の端部である遠位端のところで、突出した傾斜した部品25の表面とカニューレ部品7の中心線cとの間で計測した距離d1は、近位端即ち挿入後に患者に近い方の端部での突出部品25の表面とカニューレ部品7の中心線cとの間の距離d2よりも大きい。通常は、距離d2は非常に小さいため突出した傾斜した部品25の近位端は、挿入中、コネクタ部品3のシール18と接触しない。
【0048】
一実施例(図示せず)では、角度dは90°に近く、即ちd=90°であり、このような実施例は、図9A及び図9Bと対応する図において、コネクタ部品3の上開口部12がカニューレ部品7の下開口部20と嵌着するように見える。このことは、カニューレ部品7をシール18に向かって押す力がシール18の接着面に対してほぼ垂直に作用するということを意味し、これにより、シール18が、カニューレ部品7の挿入中に、カニューレ部品7がシール18に沿って摺動することによって変形することを阻止する。
【0049】
別の実施例では(図4A乃至図4C及び図10A及び図10B参照)、d=0°であり、突出部品25と中心線cが平行である。この実施例によれば、カニューレ部品7は突出したシール18と摺動接触し、これによりシールを変形する。
【0050】
カニューレ部品7の突出前部25は必ずしも平らでなくてもよく、実際には、カニューレ部品7に面するコネクタ部品3上に対応する表面を形成できる限り、部分的に球形等の任意の所望の形状を備えていてもよい。更に、突出前部25の開口部20は、カニューレ部品7の目的に応じて、入口として作用してもよいし出口として作用してもよい。断面図である図9A及び図9Bには、本体24の頂部開口部21が自己閉鎖メンブレン21Aによってどのように覆われているかが示してある。図4A乃至図4Cの実施例によれば、頂部開口部21は、主として、カニューレ22が軟質カニューレであるとき、カニューレ部品7を挿入する場合に使用されるが、頂部開口部21は、患者が開口部20を介して受け取る、例えばインシュリン等の主要医薬品以外の医薬品又は栄養剤を注射するのにも使用できる。
【0051】
カニューレ部品7のこの実施例には、更に、ファスニング手段23が設けられている。この実施例では、ファスニング手段23は、カニューレ部品7に設けられた突出部品23の形態を有し、この突出部品23は、定置のベース部品の可撓性部品23Aと対応する。可撓性部品23Aは、カニューレ部品7に設けられた突出部品23が、カニューレ部品7の挿入中に通過したとき、図9Aに矢印で示すように外方に押すことができる。挿入後、カニューレ部品7の突出部品23上面は、ベース部品の可撓性部品23Aの下向きの表面と係止し、これによったカニューレ部品7がベース部品から外れないようにする。
【0052】
図9A及び図9Bのカニューレ部品7には軟質カニューレ22が設けられている。軟質カニューレ22は、ブッシュ29とともにカニューレアッセンブリを形成する。このアッセンブリは、通常は、カニューレ部品7の本体24の内部に締り嵌めによって取り付けられる。即ち、カニューレアッセンブリは、本体24との間の摩擦だけで正しい位置に保持されるのである。カニューレアッセンブリがカニューレ部品7の本体24の比較的大きい上開口部を通って後方に摺動しないようにするため、カニューレ部品7の本体24には、軟質カニューレ22の出口を取り囲むリング状凹所が設けられていてもよい。この凹所が軟質カニューレ22の周囲に開放空間を形成するため、軟質カニューレ22は、この軟質カニューレが後方に摺動しないようにする小さなバルク即ちリング状バルクを形成できる。
【0053】
図10は、本体24を持つカニューレ部品7と入口/出口開口部12を持つ流路との間に、制限のない開口部を形成する方法を示す。図10A及び図10Bは、d=0°の実施例を示し、図10C及び図10Dは、dが約15°、通常は8°乃至22°の実施例を示す。図10A及び図10Bの実施例によれば、カニューレ部品7の本体24には、シールの変形や引き裂きを低減するため、傾斜した縁部が設けられている。両実施例において、図示のシール18は、コネクタ部品3の入口/出口開口部12の周囲の円形軌道に配置された円形又は円筒形のシリコーン製ユニットである。シール即ちガスケット18が配置された壁には、隣接した膨張室28が設けられている。カニューレ部品7の位置決め後、シール18がこの室に入り込む。図10C及び図10Dの実施例では、シールが均等に変形するように、シール面が角度をなしているばかりでなく、円筒形シール部品18全体が角度をなしている。円筒形シール18は、入口/出口開口部12の壁を形成せず、この開口部の壁又は表面は、変形不能のパイプを提供するため、コネクタ部品3の形成材料によって形成される。シールとシール面即ちシール位置にある場合にシール18が接触する表面との間に必要な圧力を発生するため、シール面には連続した小さな突出部が設けられていてもよい。シールが図10A乃至図10Dに示す円筒形形状を有する場合、突出部は、例えば円形のシールと同じ形状を有する。
【0054】
図11A乃至図11Cは、コネクタ部品3の一実施例を示す。図11Aは、コネクタ部品3の実施例を分解図で示す。この図では、流路を提供するチューブ60用の内部保持部品61が示してある。図11Bは、チューブ60を位置決めできる、内部保持部品61を通る断面図を示す。図11Cは、図11Aの丸で囲った部分の拡大図を示す。
【0055】
この実施例によれば、コネクタ部品3及び表面プレート1は、プラスチック材料で形成された一つのピースをなして形成され、コネクタ部品3には幾つかの開口部が設けられている。一つの開口部は、カニューレ部品7を嵌着するように形成されたキャビティ12Aであり、別の開口部は、コネクタ部品3の内部部品を嵌着するように形成されている。この実施例によるコネクタ部品3の内部部品は、二つの位置で90°で曲げられた一つのチューブを含む。即ち、チューブ60の入口端及び出口端の両方が、チューブ60の連結部に対して垂直方向に同じ方向に延びている。チューブ60の連結部は、曲げられた二つの部品の間で流路を形成する。
【0056】
チューブ60の一端はバブル状メンブレン17によって保護されており、チューブ60の他端は開放しており且つ保護されていない。しかし、開放したチューブ端は、内部保持部品61に外れないように取り付けられたシール18によって取り囲まれている。内部保持部品が連結部品3の対応する開口部に配置されたとき、開口部に正確に嵌着するカバー62は、コネクタ部品3の表面と同じ高さに配置される。そのため、使用者は、邪魔にならない滑らかな表面を感じる。
【0057】
図11Aに示すベース部品の実施例にはガイド手段26が設けられている。ガイド手段26は、コネクタ部品3のキャビティ12A内に配置されている。ガイド手段を形成する二つの向き合ったリブ26は、カニューレ部品7のぴったりと嵌着する開口部27と対応する。ガイド手段26及びカニューレ部品7に設けられた対応する開口部27は、この他の形態を備えていてもよく、重要な特徴は、これらが互いに対応し、カニューレ部品7が使用位置に摺動できるということである。
【0058】
図11Bは、コネクタ部品3の内部部品の拡大図である。保持部品61は、型成形により成形された単一の部品であり、チューブ60の安定した嵌着固定エレメントを提供する。チューブ60の開放端は、シール18が取り囲む空間に開放している。チューブ60の閉鎖端は軟質のメンブレンによって完全に取り囲まれている。「完全に取り囲まれた」というのは、周囲に対する自由アクセスがないということを意味し、「軟質のメンブレン」というのは、ニードル、特にチューブ60の端部が形成するコネクタニードル19で穿刺できるメンブレンを意味し、ニードルは軟質のメンブレン内に取り囲まれている。コネクタニードル19を形成するチューブ60の端部は、この実施例では、実際には、これを取り囲むメンブレン17と接触していない。コネクタニードル19は空気によって取り囲まれており、コネクタニードル19を取り囲む内部空間は円筒形形状又は円錐形形状を有し、即ち円形断面を有する。メンブレン17の壁は、加えられた圧力によってメンブレンの長さが減少したとき、内方又は外方に曲がることによって変形する。
【0059】
図11Cは、図11Aの丸で囲った部分の拡大図を示す。
【0060】
図12は、角度d=90°の注入部品の一実施例を示す。入口/出口開口部12は、リザーバ6とカニューレ部品7との間の流路又は連結部を提供するチューブ60の先が尖った端部として形成されている。メンブレン、例えば自己閉鎖メンブレンがリザーバ6への入口を保護する。このことは、リザーバ6をコネクタ部品3から取り外したとき、微生物がリザーバ6に入り込まないようにするということを意味する。
【0061】
図13は、請求項1に記載の注入部品で使用できる、カニューレ部品7の更に別の実施例を示す。カニューレ部品7の本体24は、截頭円錐形の形状即ち輪郭を有する。即ち、本体の各水平方向断面(図13参照)で、直径が異なる円形形状を有する。本体24には永久的に取り付けられた二つの円形シール即ちガスケット18が設けられている。これらのガスケット18間に開口部20が位置決めされている。この開口部20により、流体をカニューレ部品7の内部貫通開口部に流入させることができる。カニューレ部品7は、その下側に示すコネクタ部品3に配置される。コネクタ部品3には、截頭円錐形形状の対応するキャビティ12Aが設けられている。キャビティ12Aは、流体をカニューレ22に流入するための入口/流体をカニューレ22から受け取るための出口を有する。
【符号の説明】
【0062】
1 表面プレート
2 取り付けパッド
3 コネクタ部品
4 ガイド手段
5 磁石
6 リザーバ
7 カニューレ部品
13 第1開口部
12 第2開口部
【技術分野】
【0001】
本発明は、カニューレ部品及び流路を含む、治療作用を持つインシュリン等の物質を連続的に投与するための注入部品に関する。注入部品は、送出手段に連結できる。このことは、医薬品又は栄養剤を連続的に計量投与することを意味する。
【背景技術】
【0002】
WO2007/071258には、注射部品及び流体送出部品を含み、これらの流体送出部品及び注射部品を分離したり再接合できる、流体を送出するための医療用デバイスが記載されている。流体送出部品は、リザーバ、例えばポンプの形態の流体輸送手段、及び送出部品の作用ユニットが配置されるハウジングを含む。注射部品は、ベースプレートと、前記ベースプレートの近位側を通って延びるカニューレが設けられた貫通開口部を備えた本体を含むカニューレ部品と、ベースプレートを使用者の皮膚に固定するための、例えば取り付けパッドの形態の手段とを含む。カニューレ部品には、流体をカニューレ部品の中空部に導入するための一つ又はそれ以上の開口部が設けられており、これらの開口部の各々は、自己閉鎖メンブレンによって覆われている。流体をリザーバからカニューレ部品の貫通開口部に通す流路を含むコネクタによって送出部品及び注射部品を組み立てる。流路には、コネクタを送出部品及び/又は注射部品をから外したとき、注射部品へのアクセスを遮断するための手段が設けられている。この文献に例示された実施例は極めて複雑であり、製造は容易でない。
【0003】
EP652 027には、医薬品を送出するために患者の皮膚に配置される注入デバイスが開示されている。注入デバイスは、鋼製貫通カニューレを支持するカニューレデバイス(10)を含む。カニューレデバイス(10)は同心であり、即ちカニューレデバイスの全ての部品は、共通の軸線を中心とした回転に関して回転対称である。カニューレデバイス(10)は軸線方向に摺動でき、円筒形の側面に入口開口部を持つチャンネル(11)を有する。入口開口部は、チャンネル(7)の出口開口部と対応する。この出口開口部を通して医薬品等が進入する。チャンネル(7)の出口の上方及び下方に第1及び第2のO−リング(8)が配置されている。両O−リング(8)は、ハウス(1)の周囲の内面の円形の溝に配置される。このデバイスでは、挿入器及びカニューレデバイスは互いに永久的に接合されており、これによりカニューレデバイスの少なくとも一部をカニューレ開口部に挿入できる。カニューレ開口部は、カニューレデバイスの挿入が行われる前でも、カニューレデバイスをぴったりと取り囲む。即ち、これにより、全挿入手順中、カニューレ部品とハウスの内面との間に摩擦が発生する。更に、この文献には、軟質カニューレをこのデバイスで使用するように適合する方法は教示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2007/071258
【特許文献2】EP652 027
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、安全であり、製造が簡単であり、カニューレ部品とベース部品との間の摩擦を低減し、及び従って挿入中にカニューレ部品が不正に位置決めされる危険を低減する、軟質カニューレの使用を可能にする、注入部品を提供することである。この目的は、移動カニューレ部品及びカニューレ部品を受け入れるための開口部の内面の両方が、流体を周囲からシールするガスケットと接触する時間を減少することによって達成される。これは、一般的には直径が大きいカニューレ部品を形成することによって、又は面積が比較的小さいシールを形成することによって行うことができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、カニューレ部品及び流路を含み、
−カニューレ部品は、硬質材料で形成された本体を含み、この本体は、カニューレと流体連結した内部貫通開口部を有し、カニューレは、患者との流体連結を提供する内部開口部を有し、カニューレ部品の本体は、流路の入口開口部又は出口開口部と対応し、流路とカニューレ部品との間を流体接触する開口部を有し、これらの二つの対応する開口部は、互いに向き合って位置決めされたとき、制限のない流れを許容し、
−流路は、少なくとも一つの入口開口部及び出口開口部を有し、これらの開口部を通して流体を流路に入れることができ、流路から出すことができ、
−カニューレ部品が使用位置にあるとき、流路をカニューレ密に保持するため、シールがカニューレ部品と流路の入口/出口開口部との間に位置決めされている、請求項1に記載の注入部品によって達成される。
【0007】
シールは入口/出口開口部を取り囲んでおり、カニューレ部品の中心線cと、シールの上縁部に又はその上方に位置決めされたカニューレ部品の外面上の点との間の距離d1は、カニューレ部品の中心線cと、シールの下縁部に又はその下方に位置決めされたカニューレ部品の外面上の点との間の距離d2よりも大きい。「シールの上縁部」は、患者の皮膚までの距離が最大の、シール又はガスケットの部分を定義し、「シールの下縁部」は、本発明による注入部品を使用位置に挿入したとき、患者の皮膚までの距離が最小の、シールの部分を定義する。
【0008】
一実施例によれば、カニューレ部品の本体には、使用前にシールが設けられているか或いは、別の態様では、流路の開口部即ち流路の開口部を取り囲む表面には、使用前にシールが設けられている。「設けられている」というのは、シール又はガスケットが何らかの方法で、表示の表面に取り付けられているということを意味し、シール又はガスケットは、図9又は図10に示すように、溝又はキャビティに配置される。
【0009】
一実施例によれば、貫通部材には、挿入後に貫通部材をベース部品に外れないように確実に取り付けるアタッチメント手段が設けられている。
【0010】
一実施例によれば、カニューレ部品の本体には、流体がカニューレに進入する又は流体がカニューレから出る開口部の縁部に沿って配置されたシール又はガスケットが設けられている。
【0011】
一実施例によれば、カニューレ部品の開口部と対応する流路の開口部には、開口部の縁部に沿って、即ち開口部から短い距離のところに配置されたシールが設けられている。「短い距離」というのは、開口部の直径と等しいか或いはこれよりも小さい距離であると理解されるべきであり、開口部が円形でない場合には、開口部の長い方の寸法と等しいか或いはこれよりも小さい距離であると理解されるべきである。
【0012】
シール材料は、任意の実施例によれば、疎水性であり且つ弾性であってもよく、例えばシール材料はシリコーン製である。
【0013】
一実施例によれば、カニューレ部品の本体は、内部貫通開口部に至る少なくとも一つの第2開口部を有し、好ましくは、内部貫通開口部に至る第2開口部は、自己閉鎖メンブレンによって覆われている。このメンブレンは、先が尖った、又は尖っていないニードルによって穿通でき、シリコーンで形成されていてもよい。
【0014】
この少なくとも第2開口部は、カニューレが患者の皮膚を切り進むことができない軟質カニューレである場合、例えばデバイスの挿入に使用できる。この場合、別体の挿入ニードルを第2開口部に通し、カニューレ全体に通すことができ、カニューレの前方にカッティングエッジを形成する。更に、患者に一日数回少量の投与量で与えられる医薬品又は栄養剤の供給にも使用できる。
【0015】
一実施例によれば、注入部品は、患者の皮膚に取り付けることができるベース部品を含む。
【0016】
このような注入部品の一実施例によれば、ベース部品には、カニューレ部品の非貫通端の輪郭と対応する開口部が設けられている。
【0017】
カニューレ部品の「非貫通端」は、カニューレの尖端とは反対側の端であり、即ち貫通部材の遠位端である。「遠位」というのは、患者から遠い方の端を示す。図4A、図4B、及び図4Cに示すカニューレ部品の実施例では、カニューレ部品は、流路の開口部を取り囲む平らな壁と対応する一つの側部に平らな表面部品を有する。即ち、開口部が「適合する」というのは、周囲壁がカニューレ部品と対応し、カニューレ部品を、良好に定められ且つぴったりと嵌着した態様で、好ましくはプレス嵌めで位置決めするということを意味する。「プレス嵌め」というのは、非常にぴったりと嵌着するため、カニューレ部品を挿入するのに力がいるということを意味する。
【0018】
この実施例によれば、開口部は、カニューレ部品を患者に挿入したときにカニューレ部品の周囲にぴったりと嵌着する壁を提供するベース部品の外面の下に延びている。好ましくは、流路の入口開口部又は出口開口部は、カニューレ部品の周囲に嵌着する開口部の壁内に開放しており、カニューレ部品を挿入したとき、カニューレ部品の内開口部の入口又は出口は、流路の入口/出口開口部と対応する。
【0019】
一実施例によれば、カニューレ部品の中心線cとシール(18)の上縁部に位置決めされたカニューレ部品の外面上の一つの点との間の距離d1は、カニューレ部品の中心線cとシールの下縁部に位置決めされたカニューレ部品の外面上の一つの点との間の距離d2よりも大きい。中心線cは、挿入方向と平行である。
【0020】
一実施例によれば、角度dは、カニューレ部品の挿入方向と、シールと向き合った開口部を取り囲む表面に対して接線をなす平面との間の角度であり、0<d≦90°であり、通常は45≦d≦80°であり、多くの場合、70≦d≦80°である。
【0021】
断面が減少するカニューレ部品を、中空断面が対応して減少する中空部に挿入する場合、カニューレ部品を中空部にプレス嵌めできる。このプレス嵌めは、流体及びカニューレ部品の夫々の対応する二つの開口部を互いに押し付けることによりこれらの間の流体密連結を改善し、更にカニューレ部品をベース部品に係止できる。
【0022】
一実施例によれば、ベース部品は、少なくとも一部が硬質材料で形成されている。材料が「硬質」であるというのは、ニードルでは穿通できないということを意味し、更に製造中に所与の形状を維持できるが、薄いプレートとして形成された場合又は非常に長く形成された場合には、その所与の形状のため、材料が撓むことができ、しかし、圧縮すること、即ち大きさを小さくすることはできないということを意味する。
【0023】
一実施例によれば、流路は、患者の皮膚に取り付けられたベース部品と一体の部分として形成される。流路が一体の部分として形成されるというのは、デバイスの不可分の部分である、即ちベース部品の製造プロセス中にデバイスに永久的に取り付けられており、ベース部品の使用時に流路とベース部品の残りとを分離できないということを意味する。
【0024】
一実施例によれば、硬質材料は、成形プラスチック材料であり、例えばプラスチック材料はポリプロピレンである。
【0025】
一実施例によれば、ベース部品は、送出手段をベース部品に取り付けるためのファスニング手段を含む。送出手段は、送出手段を取り付けるための手段と対応する手段が設けられたコネクタ部品を含んでいてもよく、医薬品を注入部品に移送するためのチューブが設けられており、又は送出手段は医薬品を収容するリザーバ及び医薬品を注入部品に移送するための手段を含んでいてもよい。移送するための手段は、通常は、ポンプ、及び適切な量の医薬品が患者に確実に送出されるようにするためのセンサと組み合わせることができるプログラム可能部品である。
次に、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明による注入部品の第1実施例の図である。
【図2】図2及び図2Aは、本発明による注入部品の第2実施例の図である。
【図3】図3は、図2及び図2Aと同じ注入部品の実施例を示す図である。
【図4】図4A、図4B、及び図4Cは、本発明と関連して使用できるカニューレ部品を示す図である。
【図5】図5は、本発明と関連して使用できる挿入器の正面図である。
【図6】図6は、図5の挿入器の近位側の図である。
【図7】図7は、本発明による注入部品の部分であるコネクタ部品を示す図である。
【図8】図8は、図7と同じコネクタ部品を、入口を覆うバブル状メンブレンなしで示す図である。
【図9】図9A及び図9Bは、傾斜した接触面を持つカニューレ部品を示す図である。
【図10】図10A乃至図10Dは、カニューレ部品とコネクタ部品のカニューレ開口部との間の接触の拡大図である。
【図11】図11A、図11B、及び図11Cは、主としてチューブによって形成された流路を持つベース部品の一実施例を示す図である。
【図12】図12は、挿入方向と接触面に対する接線との間の角度d=90°の注入部品の一実施例を示す図である。
【図13】図13は、本発明と関連して使用できるカニューレ部品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、カニューレ部品及び流路を含む本発明による注入部品の一実施例を示す。この実施例は、接着面に取り付けられた表面プレート1を含む。表面プレート1は、この実施例では、成形プラスチック材料製であり、接着面は、デバイスの製造中に表面プレート1に外れないように取り付けられた取り付けパッド2の近位側であってもよい。取り付けパッド2の面積は、この実施例では表面プレート1と同じであるが、表面プレート1よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0028】
コネクタ部品3は、表面プレート1に設けられた部品である。コネクタ部品3は、ベース部品と、任意の種類の送出手段とを接触させる。一実施例によれば、表面プレート1及びコネクタ部品3の少なくとも一つの外カバーは、デバイスの製造中、単に一つのピースとして成形される。コネクタ部品3の内部部品は、例えば医薬品のリザーバ又は患者から収集した液体用のリザーバとカニューレ部品7との間に流路を形成する。従って、コネクタ部品3には、流路の各端に一つづつ、少なくとも二つの開口部が設けられている。第1開口部13は、流体をリザーバ(図示せず)から受け取るための入口開口部又は流体をリザーバに送出するための出口開口部であり、第2開口部は、流体をカニューレ部品7から受け取るための入口開口部12又は流体をカニューレ部品7に送出するための出口開口部12である。コネクタ部品3には、例えば第2の医薬品又は栄養剤を注射するため又は流路内の流体をセンサと接触するためにカニューレ部品を挿入するための別の開口部が設けられていてもよい。
【0029】
下文において、第1開口部13を「入口」と呼び、第2開口部12を「出口」と呼ぶが、流路を通る流れの方向は本発明にとって重要ではない。
【0030】
図1の実施例には、二つの直角L字形状形材の形態の二つのガイド手段4が、¬「 の形態で設けられている。これらの形材は、下側即ち近位側が患者の皮膚に取り付けられたベース部品の表面プレート1から突出している。ガイド手段4は、送出部品又は使用中にベース部品に取り付けられるべきカバー又は連結手段に設けられたガイド手段と対応する。このような対応する手段は、例えば、ベース部品に設けられた形材と対応する」及びLの形態のL字形状形材を持つ一つ又はそれ以上のフックとして形成されていてもよい。
【0031】
この実施例のコネクタ部品3の流路は非常に短く、コネクタ部品3の入口13はガイド手段4に関して中央位置に配置されている。挿入したカニューレ部品7の頂部は、コネクタ部品3に挿入された状態で示してある。
【0032】
コネクタ部品3には、更に、カニューレ部品7の周囲に正確に嵌着するカニューレキャビティ12Aが設けられている。即ち、カニューレキャビティ12Aは、カニューレ部品7と同じ立体形状即ち輪郭を有し、カニューレ部品7を通して嵌着するのに丁度十分に大きい。図1では、カニューレ部品7は、カニューレ部品7が一杯に挿入された位置で示してある。カニューレ部品7が一杯に挿入された場合には、カニューレ部品の上面即ち遠位面は、通常は、カニューレキャビティ12Aの周囲のコネクタ部品3の外面と同じ高さにあるか或いはこれよりも下にある。
【0033】
カニューレ部品7をコネクタ部品3に一杯に挿入したとき、カニューレ部品7の本体24の側面の穴がコネクタ部品3の流路の開口部12と対応し、流体を一方の部品から他方の部品まで流すことができる。開口部12を、下文において「出口」と呼ぶが、流れの方向は本発明にとって重要ではない。
【0034】
図2及び図3は、本発明による注入部品の第2実施例を示す。この実施例の送出部品は、送出部品をガイド手段4に向かって下方に押すことによって、ベース部品に接合できる。ガイド手段4は、この実施例では、盛り上がった長さ方向プラットホームであり、磁石5が上面に取り付けられている。送出部品には、例えば磁石5よりも小さい、又は磁石5と異なる大きさの対応する磁石が設けられている。送出部品の対応する磁石は、ベース部品の盛り上がったプラットホーム4に設けられた磁石5に沿って長さ方向に摺動できるように、例えば、盛り上がったプラットホーム4と対応する軌道に配置される。送出部品がその作用位置に達したとき、二つの解放ハンドルが、夫々、表面プレート1の上面から突出した二つの突出部品15と係合できる。送出部品は、その作用位置にあるとき、水平方向で、解放ハンドルによって係止されており、表面プレート1に対して垂直な方向で、送出部品及びベース部品の夫々の二つの対応する磁石によって係止されている。これらの係止機構により、送出デバイスをベース部品に取り付けたりここから外したりすることを必要なだけ行うことができる。即ち、一回使用ベース部品を多数回使用送出部品と組み合わせることができる。
【0035】
図2及び図2Aでは、ベース部品は、カニューレ部品7がない状態で示してあり、図3では、ベース部品は、カニューレ部品7がカニューレ部品7の挿入直前の位置に達した状態で示してある。通常は、カニューレ部品7は、挿入のこの段階で未だ挿入器内部に配置されており、見えない。
【0036】
通常は、挿入器10はカニューレ部品7を挿入前に保持しており、挿入は、ハンドル11を押すことによって開始できる。図5及び図6は、カニューレ部品7の挿入を開始するためにハンドル11を押さなければならない方向を示す。挿入後、挿入ニードル(図示せず)を挿入器の内部に引っ込めることができ、挿入器10をベース部品から取り外し、挿入したカニューレ22を表面プレート1に取り付けられた状態で残す。カニューレ部品7のカニューレ22が硬質の自己貫通カニューレである場合には、別体の挿入ニードルは設けられず、従って、挿入ニードルを引っ込める必要はない。
【0037】
図2及び図2Aでは、コネクタ部品3は、型成形により成形した表面プレート1が提供する外カバーを備えた状態で示してある。この実施例に示す外カバーは、独立したユニットではなく、表面プレート1に外れないように取り付けられているか或いは、単に成形プロセスによって表面プレート1の一部として形成されている。外カバーには、カニューレ部品7用のカニューレキャビティ12A及び例えばリザーバ用のアクセス開口部13が設けられており、これによって、リザーバ及びカニューレ部品7によってコネクタ部品3の流路にアクセスできる。カニューレキャビティ12Aにより、カニューレ部品7を、表面プレート1及びベース部品の接着面2の周囲内で患者の皮下に又は経皮的に挿入できる。ベース部品の接触面2は、この実施例では、取り付けパッドによって形成され、カニューレを挿入できる(図7及び図8参照)開口部12Bが設けられている。この開口部12Bは、少なくともカニューレ部品7のカニューレ22によって接着面2を穿通できる場合には必要でない。
【0038】
図7及び図8には、型成形により成形された外カバーなしの状態でコネクタ部品3が示してある。コネクタ部品3の出口開口部12とカニューレ部品7との間に流体密連結部を形成するため、コネクタ部品3の出口開口部12には、出口開口部12の周囲に弾性シール18が設けられている。カニューレ部品7を挿入したとき、カニューレ開口部12にプレス嵌めされ、弾性シール18が完全な流体密ガスケットを対応する開口部12及び20の周囲に形成する。プレス嵌めを改善するため、及びこれによってカニューレ部品7と流路の出口との間に流体密連結部を形成するため、カニューレキャビティ12Aの断面は、挿入したとき、カニューレ22と平行な平面内で、及び流路の出口が位置決めされた表面に対して垂直な方向で減少していてもよい。カニューレ部品7は、これと対応する減少する断面を有する。
【0039】
コネクタ部品3の入口開口部13とリザーバ6との間に流体密連結部を形成するため、バブル状メンブレン17が第1開口部13の周囲に位置決めされている。メンブレン17は入口開口部13を完全に覆っており、コネクタ部品3の内部が汚染しないようにする。リザーバ又はリザーバ用の連結部品をコネクタ部品3に押し付けると、コネクタニードル19がメンブレン17を穿刺し、流体をコネクタ部品3とリザーバとの間で完全に流体密で移送する。
【0040】
メンブレン17がバブル状であるということは、メンブレンが保護する開口部の周囲に、通常は開口部の縁部に亘って取り付けられているということを意味し、メンブレン17は、開口部の縁部が形成する平面から突出しており、縁部から所定距離のドームを形成する。この距離は、通常は、コネクタニードル19の長さと対応する。
【0041】
図8では、コネクタニードル19はコネクタ部品3の一部として、即ちコネクタ部品3に取り付けられた状態で示してあるが、コネクタニードル19はリザーバの一部であっても良い。
【0042】
一実施例によれば、コネクタ部品3にはコネクタニードル19及びバブル状自己閉鎖メンブレン17の両方が設けられており、リザーバにもバブル状自己閉鎖メンブレンが設けられている。両部品に自己閉鎖メンブレンが設けられているため、コネクタ部品3の内部流路及び患者を汚染することなく、二つのユニットを互いから分離でき且つ後に再結合できる。
【0043】
図4A、図4B、及び図4Cは、本発明と関連して使用できるカニューレ部品7の拡大図を示す。この実施例は、カニューレ22及び平らな表面を持つ突出前部25を持つ本体24を含む。開口部を備えたカニューレ部品7の表面は必ずしも平らでなくてもよく、実際には、カニューレ部品7に面するコネクタ部品3に対応する表面を形成できる限り、任意の所望の形状を備えていてもよい。一実施例では、前部25は、上端即ち遠位端での断面が、前部の近位端即ち挿入後に患者に近い方の端部での断面よりも、少なくとも一つの寸法が大きいように傾斜している。前部25には開口部20が設けられており、この開口部を通って液体がカニューレ部品7から出ることができ、又はカニューレ部品7に入ることができる。本体24には、更に、頂部開口部21が設けられている。この開口部は、自己閉鎖メンブレンで覆われていてもよい。開口部21は、周囲と接触する外面に面するため、或る種の入口保護を必要とする。頂部開口部21は、主として、カニューレ22が軟質カニューレである場合、カニューレ部品7を挿入する場合に使用される。カニューレ22が軟質であるというのは、患者の皮膚を穿通できない比較的軟質の材料で形成されているということを意味する。この場合、カニューレを挿入するときに比較的硬質の材料で形成された先が尖った挿入ニードルを使用する必要がある。この先が尖ったニードルは、頂部開口部21を通して挿入でき、カニューレ部品7の本体24の貫通開口部を通過し、更に、挿入ニードルの尖端が中空カニューレ22の開放端部を通って出るようにカニューレ22の全長に亘って延びる。挿入後、即ちカニューレ22を患者の皮下に即ち経皮的に配置した後、挿入ニードルを引っ込め、カニューレ22を患者に残す。
【0044】
カニューレ部品7には、更に、一杯に挿入した場合にカニューレ部品7をベース部品に対して係止するファスニング手段23が設けられている。この実施例のファスニング手段23は、カニューレ部品7の本体24と近接した軸線を中心として枢動できる外向きのフックを含む。枢動は、これらのフックを内方に押圧したとき、即ちカニューレ部品7の中心に向かって押圧したとき、これらのフックの最外縁部が形成する直径を小さくできるように行われる。圧力を取り除くと、フックは、材料の可撓性によってその元の位置に戻る。フックは、例えば開口部12Bの開口部、又は少なくとも一つの寸法がフックの外縁部よりも小さい断面を持つ、表面プレート1の対応する開口部等をこれらのフックが通過するときに内方に押され、フックが開口部を通過した後にその元の位置に戻るとき、カニューレ部品7を挿入位置に係止する。
【0045】
図5及び図6は、カニューレ部品7をベース部品に位置決めするのに使用できる挿入器を示す。この挿入器は、内部開口部が設けられたハウジング10を含む。内部開口部で、カニューレ部品7は、引っ込め位置から前進位置まで移動できる。引っ込め位置では、カニューレ22は患者と接触しておらず、前進位置では、カニューレ22は患者に挿入されている。挿入器は、更に、カニューレ部品7を挿入しようとする場合に作動されるべきアクチュエータハンドル11を含み、ファスニング手段14を備えている。ファスニング手段14は、挿入前及び挿入中に挿入器をベース部品に係止できる。通常は、挿入器は、殺菌状態でベース部品に取り付けられなければならず、又は挿入器の取り付け後、カニューレキャビティ12Aが汚染されないようにするため、接合されたベース部品及び挿入器を殺菌しなければならない。患者の皮膚上に配置される材料の量を減少するため、カニューレ部品7の挿入後に挿入器全体又は挿入器の少なくとも一部を取り外すことができるのが望ましい。
【0046】
図9A及び図9Bは、カニューレ部品7の第2実施例の拡大図である。図9Aは、挿入直前の状態のカニューレ部品7を示し、図9Bは、ベース部品のキャビティ12Aに挿入した状態のカニューレ部品7を示す。
【0047】
この実施例は、更に、カニューレ22及び開口部20が設けられた平らな表面を持つ突出部品25を備えた本体24を含む。この実施例によれば、突出部品25は、開口部20とコネクタ部品3の第2開口部12の周囲のシール18との間の圧力を増大するように傾斜している。シール18に挿入中に加わる引き裂き力は小さい。傾斜した部品25の傾斜は、カニューレ22の中心線c(この中心線cは、挿入方向と平行である)と開口部20の周囲表面と平行な線との間の角度で決まる。開口部20の周囲表面が直線状をなしていない場合には、表面と平行な線は、開口部20の周囲表面に対する接線である。角度dは0°よりも大きく、90°よりも小さいか或いは90°に等しく、通常は、シール18の直径又は突出に応じてd∈[0°、30°]であるか或いは[60°、90°]である。突出した傾斜した部品25の表面の、挿入後に患者から遠い方のカニューレ部品7の端部である遠位端のところで、突出した傾斜した部品25の表面とカニューレ部品7の中心線cとの間で計測した距離d1は、近位端即ち挿入後に患者に近い方の端部での突出部品25の表面とカニューレ部品7の中心線cとの間の距離d2よりも大きい。通常は、距離d2は非常に小さいため突出した傾斜した部品25の近位端は、挿入中、コネクタ部品3のシール18と接触しない。
【0048】
一実施例(図示せず)では、角度dは90°に近く、即ちd=90°であり、このような実施例は、図9A及び図9Bと対応する図において、コネクタ部品3の上開口部12がカニューレ部品7の下開口部20と嵌着するように見える。このことは、カニューレ部品7をシール18に向かって押す力がシール18の接着面に対してほぼ垂直に作用するということを意味し、これにより、シール18が、カニューレ部品7の挿入中に、カニューレ部品7がシール18に沿って摺動することによって変形することを阻止する。
【0049】
別の実施例では(図4A乃至図4C及び図10A及び図10B参照)、d=0°であり、突出部品25と中心線cが平行である。この実施例によれば、カニューレ部品7は突出したシール18と摺動接触し、これによりシールを変形する。
【0050】
カニューレ部品7の突出前部25は必ずしも平らでなくてもよく、実際には、カニューレ部品7に面するコネクタ部品3上に対応する表面を形成できる限り、部分的に球形等の任意の所望の形状を備えていてもよい。更に、突出前部25の開口部20は、カニューレ部品7の目的に応じて、入口として作用してもよいし出口として作用してもよい。断面図である図9A及び図9Bには、本体24の頂部開口部21が自己閉鎖メンブレン21Aによってどのように覆われているかが示してある。図4A乃至図4Cの実施例によれば、頂部開口部21は、主として、カニューレ22が軟質カニューレであるとき、カニューレ部品7を挿入する場合に使用されるが、頂部開口部21は、患者が開口部20を介して受け取る、例えばインシュリン等の主要医薬品以外の医薬品又は栄養剤を注射するのにも使用できる。
【0051】
カニューレ部品7のこの実施例には、更に、ファスニング手段23が設けられている。この実施例では、ファスニング手段23は、カニューレ部品7に設けられた突出部品23の形態を有し、この突出部品23は、定置のベース部品の可撓性部品23Aと対応する。可撓性部品23Aは、カニューレ部品7に設けられた突出部品23が、カニューレ部品7の挿入中に通過したとき、図9Aに矢印で示すように外方に押すことができる。挿入後、カニューレ部品7の突出部品23上面は、ベース部品の可撓性部品23Aの下向きの表面と係止し、これによったカニューレ部品7がベース部品から外れないようにする。
【0052】
図9A及び図9Bのカニューレ部品7には軟質カニューレ22が設けられている。軟質カニューレ22は、ブッシュ29とともにカニューレアッセンブリを形成する。このアッセンブリは、通常は、カニューレ部品7の本体24の内部に締り嵌めによって取り付けられる。即ち、カニューレアッセンブリは、本体24との間の摩擦だけで正しい位置に保持されるのである。カニューレアッセンブリがカニューレ部品7の本体24の比較的大きい上開口部を通って後方に摺動しないようにするため、カニューレ部品7の本体24には、軟質カニューレ22の出口を取り囲むリング状凹所が設けられていてもよい。この凹所が軟質カニューレ22の周囲に開放空間を形成するため、軟質カニューレ22は、この軟質カニューレが後方に摺動しないようにする小さなバルク即ちリング状バルクを形成できる。
【0053】
図10は、本体24を持つカニューレ部品7と入口/出口開口部12を持つ流路との間に、制限のない開口部を形成する方法を示す。図10A及び図10Bは、d=0°の実施例を示し、図10C及び図10Dは、dが約15°、通常は8°乃至22°の実施例を示す。図10A及び図10Bの実施例によれば、カニューレ部品7の本体24には、シールの変形や引き裂きを低減するため、傾斜した縁部が設けられている。両実施例において、図示のシール18は、コネクタ部品3の入口/出口開口部12の周囲の円形軌道に配置された円形又は円筒形のシリコーン製ユニットである。シール即ちガスケット18が配置された壁には、隣接した膨張室28が設けられている。カニューレ部品7の位置決め後、シール18がこの室に入り込む。図10C及び図10Dの実施例では、シールが均等に変形するように、シール面が角度をなしているばかりでなく、円筒形シール部品18全体が角度をなしている。円筒形シール18は、入口/出口開口部12の壁を形成せず、この開口部の壁又は表面は、変形不能のパイプを提供するため、コネクタ部品3の形成材料によって形成される。シールとシール面即ちシール位置にある場合にシール18が接触する表面との間に必要な圧力を発生するため、シール面には連続した小さな突出部が設けられていてもよい。シールが図10A乃至図10Dに示す円筒形形状を有する場合、突出部は、例えば円形のシールと同じ形状を有する。
【0054】
図11A乃至図11Cは、コネクタ部品3の一実施例を示す。図11Aは、コネクタ部品3の実施例を分解図で示す。この図では、流路を提供するチューブ60用の内部保持部品61が示してある。図11Bは、チューブ60を位置決めできる、内部保持部品61を通る断面図を示す。図11Cは、図11Aの丸で囲った部分の拡大図を示す。
【0055】
この実施例によれば、コネクタ部品3及び表面プレート1は、プラスチック材料で形成された一つのピースをなして形成され、コネクタ部品3には幾つかの開口部が設けられている。一つの開口部は、カニューレ部品7を嵌着するように形成されたキャビティ12Aであり、別の開口部は、コネクタ部品3の内部部品を嵌着するように形成されている。この実施例によるコネクタ部品3の内部部品は、二つの位置で90°で曲げられた一つのチューブを含む。即ち、チューブ60の入口端及び出口端の両方が、チューブ60の連結部に対して垂直方向に同じ方向に延びている。チューブ60の連結部は、曲げられた二つの部品の間で流路を形成する。
【0056】
チューブ60の一端はバブル状メンブレン17によって保護されており、チューブ60の他端は開放しており且つ保護されていない。しかし、開放したチューブ端は、内部保持部品61に外れないように取り付けられたシール18によって取り囲まれている。内部保持部品が連結部品3の対応する開口部に配置されたとき、開口部に正確に嵌着するカバー62は、コネクタ部品3の表面と同じ高さに配置される。そのため、使用者は、邪魔にならない滑らかな表面を感じる。
【0057】
図11Aに示すベース部品の実施例にはガイド手段26が設けられている。ガイド手段26は、コネクタ部品3のキャビティ12A内に配置されている。ガイド手段を形成する二つの向き合ったリブ26は、カニューレ部品7のぴったりと嵌着する開口部27と対応する。ガイド手段26及びカニューレ部品7に設けられた対応する開口部27は、この他の形態を備えていてもよく、重要な特徴は、これらが互いに対応し、カニューレ部品7が使用位置に摺動できるということである。
【0058】
図11Bは、コネクタ部品3の内部部品の拡大図である。保持部品61は、型成形により成形された単一の部品であり、チューブ60の安定した嵌着固定エレメントを提供する。チューブ60の開放端は、シール18が取り囲む空間に開放している。チューブ60の閉鎖端は軟質のメンブレンによって完全に取り囲まれている。「完全に取り囲まれた」というのは、周囲に対する自由アクセスがないということを意味し、「軟質のメンブレン」というのは、ニードル、特にチューブ60の端部が形成するコネクタニードル19で穿刺できるメンブレンを意味し、ニードルは軟質のメンブレン内に取り囲まれている。コネクタニードル19を形成するチューブ60の端部は、この実施例では、実際には、これを取り囲むメンブレン17と接触していない。コネクタニードル19は空気によって取り囲まれており、コネクタニードル19を取り囲む内部空間は円筒形形状又は円錐形形状を有し、即ち円形断面を有する。メンブレン17の壁は、加えられた圧力によってメンブレンの長さが減少したとき、内方又は外方に曲がることによって変形する。
【0059】
図11Cは、図11Aの丸で囲った部分の拡大図を示す。
【0060】
図12は、角度d=90°の注入部品の一実施例を示す。入口/出口開口部12は、リザーバ6とカニューレ部品7との間の流路又は連結部を提供するチューブ60の先が尖った端部として形成されている。メンブレン、例えば自己閉鎖メンブレンがリザーバ6への入口を保護する。このことは、リザーバ6をコネクタ部品3から取り外したとき、微生物がリザーバ6に入り込まないようにするということを意味する。
【0061】
図13は、請求項1に記載の注入部品で使用できる、カニューレ部品7の更に別の実施例を示す。カニューレ部品7の本体24は、截頭円錐形の形状即ち輪郭を有する。即ち、本体の各水平方向断面(図13参照)で、直径が異なる円形形状を有する。本体24には永久的に取り付けられた二つの円形シール即ちガスケット18が設けられている。これらのガスケット18間に開口部20が位置決めされている。この開口部20により、流体をカニューレ部品7の内部貫通開口部に流入させることができる。カニューレ部品7は、その下側に示すコネクタ部品3に配置される。コネクタ部品3には、截頭円錐形形状の対応するキャビティ12Aが設けられている。キャビティ12Aは、流体をカニューレ22に流入するための入口/流体をカニューレ22から受け取るための出口を有する。
【符号の説明】
【0062】
1 表面プレート
2 取り付けパッド
3 コネクタ部品
4 ガイド手段
5 磁石
6 リザーバ
7 カニューレ部品
13 第1開口部
12 第2開口部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カニューレ部品(7)及び流路を含む注入部品であって、
−前記カニューレ部品(7)は、硬質材料で形成された本体(24)を含み、この本体(24)は、カニューレ(22)と流体連結した内部貫通開口部を有し、前記カニューレ(22)は、患者との流体連結を提供する内部開口部を有し、前記カニューレ部品(7)の前記本体(24)は、前記流路の入口開口部又は出口開口部(12)と対応し、前記流路と前記カニューレ部品(7)との間を流体接触する開口部(20)を有し、これらの二つの対応する開口部(12、20)は、互いに向き合って位置決めされたとき、制限のない流れを許容し、
−前記流路は、少なくとも一つの入口開口部及び出口開口部(12、13)を有し、これらの開口部を通して流体を前記流路に入れることができ、前記流路から出すことができ、
−前記カニューレ部品(7)が使用位置にあるとき、前記流路をカニューレ密に保持するため、シール(18)が前記カニューレ部品(7)と前記流路の入口/出口開口部(12)との間に位置決めされている、注入部品において、
前記シール(18)は前記入口/出口開口部(12)を取り囲んでおり、前記カニューレ部品の中心線cと、前記シール(18)の上縁部に又はその上方に位置決めされた前記カニューレ部品の外面上の点との間の距離d1は、前記カニューレ部品の中心線cと、前記シール(18)の下縁部に又はその下方に位置決めされた前記カニューレ部品の外面上の点との間の距離d2よりも大きい、ことを特徴とする注入部品。
【請求項2】
請求項1に記載の注入部品において、
前記カニューレ部品(7)の前記本体(24)には、使用前にシール(18)が設けられている、ことを特徴とする注入部品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の注入部品において、
前記流路の前記開口部(12)には、使用前にシール(18)が設けられている、ことを特徴とする注入部品。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の注入部品において、
前記シール材料(18)は疎水性であり且つ弾性である、ことを特徴とする注入部品。
【請求項5】
請求項4に記載の注入部品において、
前記シール材料(18)はシリコーン製である、ことを特徴とする注入部品。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の注入部品において、
前記カニューレ部品(7)の前記本体(24)は、内部貫通開口部に至る少なくとも一つの第2開口部(21)を有する、ことを特徴とする注入部品。
【請求項7】
請求項6に記載の注入部品において、
前記内部貫通開口部に続く前記第2開口部(21)は、自己閉鎖メンブレンによって覆われており、このメンブレンは、先が尖った、又は尖っていないニードルによって穿通できる、ことを特徴とする注入部品。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の注入部品において、
前記注入部品は、患者の皮膚に取り付けることができるベース部品(1、2、3)を含む、ことを特徴とする注入部品。
【請求項9】
請求項8に記載の注入部品において、
前記ベース部品(1、2、3)には、前記カニューレ部品(7)の非貫通端の立体的形状と対応するキャビティ(12A)が設けられている、ことを特徴とする注入部品。
【請求項10】
請求項9に記載の注入部品において、
前記キャビティ(12A)は、前記カニューレ部品(7)を患者に挿入するときに前記カニューレ部品(7)の周囲にぴったりと嵌着する壁を提供する前記ベース部品(1、2、3)の外面の下に延びている、ことを特徴とする注入部品。
【請求項11】
請求項10に記載の注入部品において、
前記流路(12)の前記入口/出口開口部は、前記カニューレ部品(7)の周囲に嵌着する前記キャビティ(12A)の壁内に開放しており、前記カニューレ部品(7)を挿入したとき、前記カニューレ部品(7)の前記開口部(20)は、前記流路(12)の前記開口部と対応する、ことを特徴とする注入部品。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載の注入部品において、
前記カニューレ部品(7)の挿入方向と、前記シール(18)と向き合った開口部を取り囲む表面に対して接線をなす平面との間の角度をdと呼び、0<d≦90°である、ことを特徴とする注入部品。
【請求項13】
請求項8乃至12のうちのいずれか一項に記載の注入部品において、
前記ベース部品(1、2、3)は、少なくとも一部が硬質材料(1、3)で形成されている、ことを特徴とする注入部品。
【請求項14】
請求項8乃至13のうちのいずれか一項に記載の注入部品において、
前記流路は、前記ベース部品と一体の部分として形成されている、ことを特徴とする注入部品。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の注入部品において、
前記硬質材料は、成形プラスチック材料である、ことを特徴とする注入部品。
【請求項1】
カニューレ部品(7)及び流路を含む注入部品であって、
−前記カニューレ部品(7)は、硬質材料で形成された本体(24)を含み、この本体(24)は、カニューレ(22)と流体連結した内部貫通開口部を有し、前記カニューレ(22)は、患者との流体連結を提供する内部開口部を有し、前記カニューレ部品(7)の前記本体(24)は、前記流路の入口開口部又は出口開口部(12)と対応し、前記流路と前記カニューレ部品(7)との間を流体接触する開口部(20)を有し、これらの二つの対応する開口部(12、20)は、互いに向き合って位置決めされたとき、制限のない流れを許容し、
−前記流路は、少なくとも一つの入口開口部及び出口開口部(12、13)を有し、これらの開口部を通して流体を前記流路に入れることができ、前記流路から出すことができ、
−前記カニューレ部品(7)が使用位置にあるとき、前記流路をカニューレ密に保持するため、シール(18)が前記カニューレ部品(7)と前記流路の入口/出口開口部(12)との間に位置決めされている、注入部品において、
前記シール(18)は前記入口/出口開口部(12)を取り囲んでおり、前記カニューレ部品の中心線cと、前記シール(18)の上縁部に又はその上方に位置決めされた前記カニューレ部品の外面上の点との間の距離d1は、前記カニューレ部品の中心線cと、前記シール(18)の下縁部に又はその下方に位置決めされた前記カニューレ部品の外面上の点との間の距離d2よりも大きい、ことを特徴とする注入部品。
【請求項2】
請求項1に記載の注入部品において、
前記カニューレ部品(7)の前記本体(24)には、使用前にシール(18)が設けられている、ことを特徴とする注入部品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の注入部品において、
前記流路の前記開口部(12)には、使用前にシール(18)が設けられている、ことを特徴とする注入部品。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の注入部品において、
前記シール材料(18)は疎水性であり且つ弾性である、ことを特徴とする注入部品。
【請求項5】
請求項4に記載の注入部品において、
前記シール材料(18)はシリコーン製である、ことを特徴とする注入部品。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の注入部品において、
前記カニューレ部品(7)の前記本体(24)は、内部貫通開口部に至る少なくとも一つの第2開口部(21)を有する、ことを特徴とする注入部品。
【請求項7】
請求項6に記載の注入部品において、
前記内部貫通開口部に続く前記第2開口部(21)は、自己閉鎖メンブレンによって覆われており、このメンブレンは、先が尖った、又は尖っていないニードルによって穿通できる、ことを特徴とする注入部品。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の注入部品において、
前記注入部品は、患者の皮膚に取り付けることができるベース部品(1、2、3)を含む、ことを特徴とする注入部品。
【請求項9】
請求項8に記載の注入部品において、
前記ベース部品(1、2、3)には、前記カニューレ部品(7)の非貫通端の立体的形状と対応するキャビティ(12A)が設けられている、ことを特徴とする注入部品。
【請求項10】
請求項9に記載の注入部品において、
前記キャビティ(12A)は、前記カニューレ部品(7)を患者に挿入するときに前記カニューレ部品(7)の周囲にぴったりと嵌着する壁を提供する前記ベース部品(1、2、3)の外面の下に延びている、ことを特徴とする注入部品。
【請求項11】
請求項10に記載の注入部品において、
前記流路(12)の前記入口/出口開口部は、前記カニューレ部品(7)の周囲に嵌着する前記キャビティ(12A)の壁内に開放しており、前記カニューレ部品(7)を挿入したとき、前記カニューレ部品(7)の前記開口部(20)は、前記流路(12)の前記開口部と対応する、ことを特徴とする注入部品。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載の注入部品において、
前記カニューレ部品(7)の挿入方向と、前記シール(18)と向き合った開口部を取り囲む表面に対して接線をなす平面との間の角度をdと呼び、0<d≦90°である、ことを特徴とする注入部品。
【請求項13】
請求項8乃至12のうちのいずれか一項に記載の注入部品において、
前記ベース部品(1、2、3)は、少なくとも一部が硬質材料(1、3)で形成されている、ことを特徴とする注入部品。
【請求項14】
請求項8乃至13のうちのいずれか一項に記載の注入部品において、
前記流路は、前記ベース部品と一体の部分として形成されている、ことを特徴とする注入部品。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の注入部品において、
前記硬質材料は、成形プラスチック材料である、ことを特徴とする注入部品。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2011−511688(P2011−511688A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−546329(P2010−546329)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/051634
【国際公開番号】WO2009/101130
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(506324208)ウノメディカル アクティーゼルスカブ (25)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/051634
【国際公開番号】WO2009/101130
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(506324208)ウノメディカル アクティーゼルスカブ (25)
【Fターム(参考)】
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