説明

カラオケ装置およびカラオケ処理プログラム

【課題】外部機器の信号遅延に影響されずに正しく歌唱採点できるカラオケ装置を実現する。
【解決手段】カラオケ演奏に先立って曲演奏出力とテレビ音声出力との時間差から外部機器(デジタルテレビ300)で生じる出力遅延時間Δtを検出する。カラオケ演奏の際には、歌唱音のピッチ情報およびビブラート情報と、曲メモリ13から読み出される曲情報中から抽出され、出力遅延時間Δtの遅れが付加された採点評価比較情報とを比較してユーザの歌唱内容を採点評価する。これにより、歌唱音のピッチ情報およびビブラート情報と採点評価比較情報とが同期する結果、外部機器(デジタルテレビ300)の信号遅延に影響されずに正しく歌唱採点する個とが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌唱採点する機能を備えたカラオケ装置に関し、詳しくは例えばデジタルテレビ等の外部機器を再生出力手段として利用する場合に、その外部機器で生じる信号遅延の影響を受けずに正しく歌唱採点し得るカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭へのカラオケ普及に伴い、カラオケ装置をテレビやディスプレイに接続して歌詞を字幕表示させながら、カラオケ演奏音や歌唱音を再生することでカラオケを楽しむというスタイルが定着している。この種のカラオケ装置として、例えば特許文献1には、メロディデータメモリに記憶される音階コードを読み出してカラオケ演奏するときに、使用者の歌声からピッチ抽出した周波数と、メロディデータメモリに記憶される音階コードとを比較し、不一致になると、現在読み出している音階コードのメモリアドレスを歌唱誤り位置として誤り位置メモリに登録しておき、次回に同じ曲をカラオケ演奏する際に、誤り位置メモリに登録された歌唱誤り位置で基準(手本)となるメロディ音を放音して使用者に正しい歌唱を促すようにしたものも知られている。
【0003】
【特許文献1】実開平7−41597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、家庭でカラオケを楽しむ場合には、歌詞表示させたり音声再生させる外部機器としてテレビを使用することが多い。近年普及しつつあるデジタルテレビには、画質向上のための信号処理回路が搭載されている。この信号処理回路では画像処理に時間を要するため、入力に対して画像表示が遅れることとなる。この遅れが生じた映像に対して音声を同期させる為、音声にも遅延処理が施される。単に放送を受信している場合には、視聴者は元々のタイミングを知り得ないので、その音声遅延は知覚できず問題は生じない。しかしながら、そうしたデジタルテレビをカラオケ装置の外部機器として使用する場合には、上述した信号遅延により歌唱するユーザは遅れの生じた伴奏に従って歌唱するため、採点のための比較対象とズレが生じて正しい歌唱採点を行うことができない、という問題が生じる。
【0005】
そこで本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、外部機器の信号遅延に影響されずに正しく歌唱採点することができるカラオケ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、曲を構成する各音を表す曲情報を記憶する曲記憶手段と、前記曲記憶手段に記憶される曲情報を再生して曲演奏出力を発生すると共に、再生した曲情報から歌唱採点の基準となる採点評価比較情報を発生する曲演奏手段と、前記曲演奏手段が発生する曲演奏出力が供給される外部機器の出力遅延情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得された出力遅延情報に基いた出力遅延を前記曲演奏手段が発生する採点評価比較情報に付加し、この遅延された採点評価比較情報に従ってユーザが歌唱する歌声を採点評価する採点評価手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
上記請求項1に従属する請求項2に記載の発明では、前記情報取得手段は、前記曲演奏手段が発生する曲演奏出力による前記外部機器の音声出力を検出することにより出力遅延情報を取得することを特徴とする。
【0008】
上記請求項1に従属する請求項3に記載の発明では、前記情報取得手段は、特定音声信号を発生する信号発生手段と、前記信号発生手段が特定音声信号を発生したタイミングと、当該特定音声信号が外部機器から音声出力されるタイミングとに応じて当該外部機器の出力遅延を検出する検出手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
上記請求項1に従属する請求項4に記載の発明では、前記情報取得手段は、各種出力遅延情報を登録したデータベースと、前記データベースから前記外部機器の出力遅延情報を選択する選択手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明では、曲を構成する各音を表す曲情報を記憶する曲記憶手段と、前記曲記憶手段に記憶される曲情報を再生して曲演奏出力を発生すると共に、再生した曲情報から歌唱採点の基準となる採点評価比較情報を発生する曲演奏手段と、字幕表示用の歌詞情報を記憶する歌詞記憶手段と、前記歌詞記憶手段に記憶される歌詞情報を字幕表示出力に変換して外部機器に歌詞字幕を画面表示させる字幕表示出力手段と、各種外部機器の出力遅延をデータベース登録しておき、その中から前記字幕表示出力手段が字幕表示出力を供給する外部機器の出力遅延を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された出力遅延に従って前記曲演奏手段が発生する曲演奏出力および採点評価比較情報を遅延させる一方、遅延された曲演奏出力に対応して歌唱するユーザの歌声を、遅延された採点評価比較情報に従って採点評価する採点評価手段とを具備することを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明では、曲を構成する各音を表す曲情報を再生して曲演奏出力を発生すると共に、再生した曲情報から歌唱採点の基準となる採点評価比較情報を発生する曲演奏処理と、前記曲演奏処理にて生成される曲演奏出力が供給される外部機器の出力遅延情報を取得する情報取得処理と、前記情報取得処理にて取得された出力遅延情報に基づいた出力遅延を、前記曲演奏処理にて生成される採点評価比較情報に付加し、この遅延された採点評価比較情報に従ってユーザの歌唱を採点評価する採点評価処理とをコンピュータで実行させることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明では、曲を構成する各音を表す曲情報を再生して曲演奏出力を発生すると共に、再生した曲情報から歌唱採点の基準となる採点評価比較情報を発生する曲演奏処理と、字幕表示用の歌詞情報を字幕表示出力に変換して外部機器に歌詞字幕を画面表示させる字幕表示出力処理と、各種外部機器の出力遅延をデータベース登録しておき、その中から前記字幕表示出力処理が字幕表示出力を供給する外部機器の出力遅延を選択する選択処理と、前記選択処理により選択された出力遅延に従って前記曲演奏処理が生成する曲演奏出力および採点評価比較情報を遅延させる一方、遅延された曲演奏出力に対応して歌唱するユーザの歌声を、遅延された採点評価比較情報に従って採点評価する採点評価処理とをコンピュータで実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、曲を構成する各音を表す曲情報を再生して曲演奏出力を発生すると共に、再生した曲情報から歌唱採点の基準となる採点評価比較情報を発生する。そして、曲演奏出力を外部機器に供給して音声出力させる際に生じる当該外部機器の出力遅延を検出し、検出された出力遅延分、遅延された採点評価比較情報に従ってユーザの歌唱を採点評価するので、外部機器の信号遅延に影響されずに正しく歌唱採点することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
A.第1実施形態
(1)構成
図1は、本発明の第1実施形態によるカラオケ装置100の使用形態を示す外観図である。この図に示すように、カラオケ装置100は、マイク200を介して入力されるマイク音(歌唱音)を自己内蔵のスピーカ20から放音する一方、曲情報を再生して得られる曲演奏出力(カラオケ伴奏音)および曲情報に同期した歌詞情報から生成される歌詞字幕表示用のビデオ出力をデジタルテレビ300に供給する。
【0015】
次に、図2はカラオケ装置100の構成を示すブロック図である。この図において、CPU10は、スイッチ部14から供給されるスイッチイベントに応じて、プログラムROM11に記憶される所定のプログラムを実行して装置各部を制御する。プログラムROM11には、CPU10により実行される各種プログラムや制御データが記憶される。プログラムROM11に記憶される各種プログラムとは、後述の「歌詞表示処理」、「曲演奏処理」、「マイク入力処理」、「遅延検出処理」、「遅延処理」および「採点処理」を含む。
【0016】
RAM12は、ワークエリアおよびデータエリアを備える。RAM12のワークエリアには、CPU10の処理に用いる各種レジスタ・フラグデータが一時記憶される。RAM12のデータエリアには、CPU10の制御の下に、後述する音声入力部15から出力される入力音声データが一時記憶される。曲メモリ13は、装置本体から着脱自在な記憶媒体であり、例えばフラッシュメモリなど電気的に書き換え可能な不揮発性メモリから構成される。曲メモリ13には、カラオケ演奏する曲を構成する各音を表す曲情報と、この曲情報に同期する歌詞字幕表示用の歌詞情報とが記憶される。
【0017】
スイッチ部14には、例えば電源スイッチの他、カラオケ演奏する曲を選択する曲選択スイッチや、カラオケ伴奏の開始/停止を指示するスタート/ストップスイッチ等、装置パネルに配設される各種スイッチを備え、これらスイッチ操作に応じたスイッチイベントを発生してCPU10に供給する。音声入力部15は、アンプおよびA/Dコンバータを備え、マイク200を介して入力されるマイク音(歌唱音)をレベル増幅した後、A/D変換して得られる入力音声データを出力する。音声入力部15が発生する入力音声データは、CPU10の制御の下に、発音部17に供給される一方、RAM12のデータエリアにストアされる。
【0018】
音源16は、周知の波形メモリ読み出し方式で構成され、CPU10の制御の下に、曲メモリ13から読み出す曲情報に応じて曲演奏出力(カラオケ伴奏音)を発生する。発音部17は、音声入力部15が発生する入力音声データをD/A変換してレベル増幅した後、これをマイク音(歌唱音)としてスピーカ20から放音させたり、外部出力する。また、発音部17では、音源16が発生する曲演奏出力(カラオケ伴奏音)をD/A変換してレベル増幅した後、デジタルテレビ300の音声入力端に供給する。ビデオエンコーダ18は、CPU10の制御の下に、曲メモリ13から読み出される歌詞情報を表示画面に字幕表示させるビデオ出力に変換してデジタルテレビ300のビデオ入力端に供給する。
【0019】
(2)動作
次に、図3を参照して上記構成によるカラオケ装置100の動作について説明する。図3は、CPU10の処理を機能ブロックとして図示したものである。この図に示すように、CPU10は、カラオケ曲の演奏に同期して曲メモリ13から読み出す歌詞情報をビデオエンコーダ18に供給して歌詞字幕表示用のビデオ出力を発生させる歌詞表示処理S1を実行する。歌詞表示処理S1に従いビデオエンコーダ18が発生するビデオ出力は、デジタルテレビ300のビデオ入力端に供給される。
【0020】
CPU10は、曲メモリ13から読み出す曲情報を音源16に供給して曲演奏出力(カラオケ伴奏音)の発生を指示する曲演奏処理S2を実行する。曲演奏処理S2に従い音源16が発生する曲演奏出力(カラオケ伴奏音)は、発音部17を介してデジタルテレビ300の音声入力端に供給される。デジタルテレビ300では、カラオケ装置100側から供給されるビデオ出力に基づき歌詞字幕を画面表示すると共に、カラオケ装置100側から供給される曲演奏出力(カラオケ伴奏音)を再生出力する。
【0021】
マイク入力処理S3は、2つの動作モード(遅延検出モードおよび採点モード)を備える。これらモードはスイッチ部14のスイッチ操作で選択される。遅延検出モード下のマイク入力処理S3では、デジタルテレビ300の音声出力をマイク200により入力し、これにより音声入力部15が発生するテレビ音声出力をRAM12のデータエリアにストアする。一方、採点モード下のマイク入力処理S3では、カラオケ演奏に伴ったユーザの歌唱音(入力音声)をマイク200により入力し、これにより音声入力部15が発生する入力音声データをRAM12のデータエリアにストアする。
【0022】
遅延検出処理S4は、遅延検出モード下で実行される。遅延検出モードとは、カラオケ演奏に先立ってデジタルテレビ300の出力遅延時間Δtを検出する動作である。前述したように、デジタルテレビ300では、音声入力に対して遅延処理が施される。そこで、遅延検出処理S4では、上述の曲演奏処理S2が発生する曲演奏出力と、遅延検出モード下のマイク入力処理S3が取込むテレビ音声出力との時間差からデジタルテレビ300で生じる出力遅延時間Δtを検出する。
【0023】
遅延処理S5では、曲演奏処理S2で曲メモリ13から読み出される曲情報中から採点評価比較情報を抽出し、抽出した採点評価比較情報を、上述の遅延検出処理S4にて検出された出力遅延時間Δt分だけ遅らせて発生させる。なお、曲情報から抽出する採点評価比較情報とは、曲情報中でカラオケパートを構成する各音のピッチ情報やこれに付随するビブラート情報を含む。採点処理S6では、採点モード下のマイク入力処理S3がRAM12のデータエリアに取込んだ入力音声データについてピッチ抽出およびビブラート抽出を行い、これにより得られる歌唱音のピッチ情報およびビブラート情報と、遅延処理S5が遅延出力する採点評価比較情報とを比較してユーザの歌唱内容を採点評価する。
【0024】
以上のように、第1実施形態では、カラオケ演奏に先立って曲演奏出力とテレビ音声出力との時間差からデジタルテレビ300で生じる出力遅延時間Δtを検出しておく。そして、採点モードに設定されたカラオケ演奏時に、歌唱音のピッチ情報およびビブラート情報と、曲メモリ13から読み出される曲情報中から抽出され、出力遅延時間Δtの遅れが付加された採点評価比較情報とを比較してユーザの歌唱内容を採点評価する。したがって、歌唱音のピッチ情報およびビブラート情報と採点評価比較情報とが同期する為、外部機器(デジタルテレビ300)の信号遅延に影響されずに正しく歌唱採点し得るようになる。
【0025】
なお、上述した第1実施形態では、カラオケ演奏に先立って曲演奏出力とテレビ音声出力との時間差からデジタルテレビ300で生じる出力遅延時間Δtを検出したが、この出力遅延時間Δtは経時変化する可変値ではなく、カラオケ装置100に接続されるデジタルテレビ300の種類や型式で一意的に定まる固定値である。
【0026】
したがって、カラオケ装置100にデジタルテレビ300を配線接続する際に、同期用の特定音声信号をカラオケ装置100側で発生してデジタルテレビ300に供給するようにし、カラオケ装置100が特定音声信号を発生したタイミングと、デジタルテレビ300側がこの特定音声信号を再生出力するタイミングとの差分から出力遅延時間Δtを計測する態様とすることも可能である。このようにすれば、カラオケ装置100に搭載されるCPU10の処理能力が低い場合でも容易に実現し得るようになる。
【0027】
B.第2実施形態
(1)構成
図4は、本発明の第2実施形態によるカラオケ装置100の使用形態を示す外観図である。第2実施形態のカラオケ装置100では、マイク200を介して入力されるマイク音(歌唱音)と曲情報を再生して得られる曲演奏出力(カラオケ伴奏音)とを混合して自己内蔵のスピーカ20(もしくは外部スピーカ400)から放音させ、曲情報に同期した歌詞情報から生成されるビデオ出力をデジタルテレビ300に供給する。
【0028】
この場合、デジタルテレビ300において字幕表示される歌詞は、当該デジタルテレビ300により出力遅延時間Δt分だけ曲情報のタイミングより遅延する。そこで、第2実施形態では、出力遅延時間Δt分だけ遅延する歌詞に合せてマイク音(歌唱音)および曲演奏出力(カラオケ伴奏音)を出力遅延時間Δt分遅延させる。
【0029】
すなわち、図5に図示する構成のカラオケ装置100では、各種外部機器(デジタルテレビ300)の出力遅延時間Δtをデータベースとして予めRAM12に登録しておき、このデータベースの内から使用するデジタルテレビ300の種類をユーザが選択し、これに対応した出力遅延時間Δt分だけ音源16が発生する曲演奏出力(カラオケ伴奏音)と曲情報から抽出される採点評価比較情報とを遅延させる。発音部17では、遅延された曲演奏出力(カラオケ伴奏音)とマイク200を介して音声入力部15が取込むマイク音(歌唱音)とを混合してスピーカ20(もしくは外部スピーカ400)から放音させる。CPU10では、遅延させた採点評価比較情報とマイク音(歌唱音)と比較して歌唱内容を採点評価する。
【0030】
次に、図6を参照して第2実施形態におけるCPU10の処理を説明する。上述した第1実施形態と同様、CPU10は、カラオケ曲の演奏に同期して曲メモリ13から読み出す歌詞情報をビデオエンコーダ18に供給して歌詞字幕表示用のビデオ出力を発生させる歌詞表示処理S1を実行する。歌詞表示処理S1に従いビデオエンコーダ18が発生するビデオ出力は、デジタルテレビ300のビデオ入力端に供給される。したがって、デジタルテレビ300が字幕表示する歌詞は、曲情報に対して出力遅延時間Δt分の遅延が生じる。
【0031】
CPU10は、曲メモリ13から読み出す曲情報を音源16に供給して曲演奏出力(カラオケ伴奏音)の発生を指示する曲演奏処理S2を実行する。Δt遅延処理S3では、RAM12にデータベース登録される各種外部機器(デジタルテレビ300)の出力遅延時間Δtの内から使用するデジタルテレビ300の種類に対応した出力遅延時間Δtを選択し、選択した出力遅延時間Δt分だけ音源16が発生する曲演奏出力(カラオケ伴奏音)と曲情報から抽出する採点評価比較情報とを遅延させて出力する。
【0032】
マイク入力処理S4では、マイク200を介して音声入力部15が取込んだ歌唱音(入力音声)と、Δt遅延処理S3にて遅延された曲演奏出力(カラオケ伴奏音)とを発音部17にて混合させてスピーカ20(もしくは外部スピーカ400)から放音させる。採点処理S5では、マイク入力処理S4にて音声入力部15が取込んだ歌唱音(入力音声)から抽出する歌唱音のピッチ情報およびビブラート情報と、Δt遅延処理S3にて遅延された採点評価比較情報とを比較してユーザの歌唱内容を採点評価する。
【0033】
このように、第2実施形態では、各種外部機器(デジタルテレビ300)の出力遅延時間Δtをデータベースとして予めRAM12に登録しておき、このデータベースの内から使用するデジタルテレビ300の種類に対応した出力遅延時間Δtを選択する。そして、選択した出力遅延時間Δt分だけ曲演奏出力(カラオケ伴奏音)と曲情報から抽出される採点評価比較情報とを遅延させ、遅延された曲演奏出力(カラオケ伴奏音)とマイク音(歌唱音)とを混合してスピーカ20(もしくは外部スピーカ400)から放音させる一方、遅延させた採点評価比較情報とマイク音(歌唱音)と比較して歌唱内容を採点評価するので、外部機器(デジタルテレビ300)の信号遅延により遅れて表示される歌詞情報に従い歌唱を行っても正しく歌唱採点し得るようになっている。
【0034】
なお、本実施形態では、RAM12にデータベース登録された各種外部機器(デジタルテレビ300)の出力遅延時間Δtの内、使用するデジタルテレビ300の種類に対応した出力遅延時間Δtをユーザ操作で選択する態様であるが、これに替えて、例えば外部機器(デジタルテレビ300)がネットワーク機能を備える所謂ネット家電であれば、接続時に互いに機種情報を授受し合って自動的に対応する出力遅延時間Δtをデータベースから検索する態様とすることもできる。データベース中に使用する外部機器の機種名が見つからない場合には出力遅延時間Δtをユーザが直接入力するようにしても良い。
【0035】
また、第1実施形態がさらに、第2実施形態において示したデータベースを備えることで、遅延検出が部屋の反響などによりうまく動作しない場合にもユーザ操作により出力遅延時間Δtを選択することで、正しい歌唱採点が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施形態によるカラオケ装置100の使用形態を示す外観図である。
【図2】第1実施形態によるカラオケ装置100の構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態の動作を説明するための図である。
【図4】第2実施形態によるカラオケ装置100の使用形態を示す外観図である。
【図5】第2実施形態によるカラオケ装置100の構成を示すブロック図である。
【図6】第2実施形態の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0037】
10 CPU
11 プログラムROM
12 RAM
13 曲メモリ
14 スイッチ部
15 音声入力部
16 音源
17 発音部
18 ビデオエンコーダ
100 カラオケ装置
200 マイク
300 デジタルテレビ(外部機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲を構成する各音を表す曲情報を記憶する曲記憶手段と、
前記曲記憶手段に記憶される曲情報を再生して曲演奏出力を発生すると共に、再生した曲情報から歌唱採点の基準となる採点評価比較情報を発生する曲演奏手段と、
前記曲演奏手段が発生する曲演奏出力が供給される外部機器の出力遅延情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された出力遅延情報に基いた出力遅延を前記曲演奏手段が発生する採点評価比較情報に付加し、この遅延された採点評価比較情報に従ってユーザが歌唱する歌声を採点評価する採点評価手段と
を具備することを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
前記情報取得手段は、前記曲演奏手段が発生する曲演奏出力による前記外部機器の音声出力を検出することにより出力遅延情報を取得することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記情報取得手段は、特定音声信号を発生する信号発生手段と、
前記信号発生手段が特定音声信号を発生したタイミングと、当該特定音声信号が外部機器から音声出力されるタイミングとに応じて当該外部機器の出力遅延を検出する検出手段と
を具備することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記情報取得手段は、各種出力遅延情報を登録したデータベースと、
前記データベースから前記外部機器の出力遅延情報を選択する選択手段と
を具備することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項5】
曲を構成する各音を表す曲情報を記憶する曲記憶手段と、
前記曲記憶手段に記憶される曲情報を再生して曲演奏出力を発生すると共に、再生した曲情報から歌唱採点の基準となる採点評価比較情報を発生する曲演奏手段と、
字幕表示用の歌詞情報を記憶する歌詞記憶手段と、
前記歌詞記憶手段に記憶される歌詞情報を字幕表示出力に変換して外部機器に歌詞字幕を画面表示させる字幕表示出力手段と、
各種外部機器の出力遅延をデータベース登録しておき、その中から前記字幕表示出力手段が字幕表示出力を供給する外部機器の出力遅延を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された出力遅延に従って前記曲演奏手段が発生する曲演奏出力および採点評価比較情報を遅延させる一方、遅延された曲演奏出力に対応して歌唱するユーザの歌声を、遅延された採点評価比較情報に従って採点評価する採点評価手段と
を具備することを特徴とするカラオケ装置。
【請求項6】
曲を構成する各音を表す曲情報を再生して曲演奏出力を発生すると共に、再生した曲情報から歌唱採点の基準となる採点評価比較情報を発生する曲演奏処理と、
前記曲演奏処理にて生成される曲演奏出力が供給される外部機器の出力遅延情報を取得する情報取得処理と、
前記情報取得処理にて取得された出力遅延情報に基づいた出力遅延を、前記曲演奏処理にて生成される採点評価比較情報に付加し、この遅延された採点評価比較情報に従ってユーザの歌唱を採点評価する採点評価処理と
をコンピュータで実行させることを特徴とするカラオケ処理プログラム。
【請求項7】
曲を構成する各音を表す曲情報を再生して曲演奏出力を発生すると共に、再生した曲情報から歌唱採点の基準となる採点評価比較情報を発生する曲演奏処理と、
字幕表示用の歌詞情報を字幕表示出力に変換して外部機器に歌詞字幕を画面表示させる字幕表示出力処理と、
各種外部機器の出力遅延をデータベース登録しておき、その中から前記字幕表示出力処理が字幕表示出力を供給する外部機器の出力遅延を選択する選択処理と、
前記選択処理により選択された出力遅延に従って前記曲演奏処理が生成する曲演奏出力および採点評価比較情報を遅延させる一方、遅延された曲演奏出力に対応して歌唱するユーザの歌声を、遅延された採点評価比較情報に従って採点評価する採点評価処理と
をコンピュータで実行させることを特徴とするカラオケ処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−328131(P2007−328131A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−159240(P2006−159240)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】