カラオケ装置
【課題】
本発明は、歌唱者に対しゲーム性の高い採点処理表示を行うことのできるカラオケ装置を提供するものである。
【解決手段】
指定楽曲の演奏情報を再生手段に再生させると共に、当該演奏情報のメロディ情報とマイクロフォンから入力される音声信号との比較に基づいて所定タイミング毎に得点を算出する再生処理と、再生処理にて算出された得点を指定楽曲のランキング情報と対比させることで途中順位を判別し、前回の途中順位に対する今回の途中順位の差である比較順位に基づく順位変動を表示手段に表示させる途中順位処理を行う。
本発明は、歌唱者に対しゲーム性の高い採点処理表示を行うことのできるカラオケ装置を提供するものである。
【解決手段】
指定楽曲の演奏情報を再生手段に再生させると共に、当該演奏情報のメロディ情報とマイクロフォンから入力される音声信号との比較に基づいて所定タイミング毎に得点を算出する再生処理と、再生処理にて算出された得点を指定楽曲のランキング情報と対比させることで途中順位を判別し、前回の途中順位に対する今回の途中順位の差である比較順位に基づく順位変動を表示手段に表示させる途中順位処理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌唱者の歌唱に基づいて得点を算出する採点処理を行うカラオケ装置において、同じ楽曲を歌唱した歌唱者同士で得点順位を競う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カラオケボックスや飲食店等において、演奏に合わせて歌唱を楽しむカラオケ装置では、楽曲演奏中にマイクロフォンから入力される歌唱者の音声信号と、楽曲演奏に用いる演奏情報のメロディなどの基準音とを比較し、音程や声の大きさ、発音タイミングなどの差に基づいて得点を算出する採点処理が行われている。また、通信インフラの発達に伴いカラオケ装置は、通信回線を介してホスト装置と接続され、カラオケ演奏に用いる演奏情報や各種プログラムを受信することが可能である。また、カラオケホスト装置に記憶されている個人設定情報に基づいて各種会員サービスを行うことも可能である。
【0003】
採点処理を可能とするカラオケ装置を、各地に設置されているカラオケ装置と通信接続し、同じ楽曲を歌唱した歌唱者同士で得点順位を競うサービスも開始されている。特許文献1に記載される歌唱採点機能では、演奏後に最終得点を提示するほかに採点の途中経過情報も出力するモードを備え、ホスト装置に集計されて用意されている最新の採点ランキングを提示し、歌唱中に逐次変化する途中得点をそのランキング表示に反映させることが記載されている。この歌唱採点機能では、ランキング歌唱中に順位が上がったり下がったりすることで、歌唱者は緊張感を味わえ、ゲーム感覚で歌唱コンテストに参加できることとなる。
【特許文献1】特開2005−99288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のカラオケ装置は、通信回線を用い歌唱中にランキング順位の変化を楽しむことができるものであるが、歌唱中には、その時点での得点と、順位が表示されるのみであって自分の順位がどのように変化しているかを知ることはできない。また、歌唱中にも逐次、途中順位が表示されるため、歌唱後に表示される最終順位を歌唱者はある程度予想できてしまい意外性に欠けたものとなる。また、演奏中のその時点までの集計結果に基づく平均点(途中得点)を採点ランキング情報に反映させて正確な順位の表示を行うものであって、例えば、序盤に高得点の途中得点を獲得した歌唱者は、順位が維持されるか、下げるしかなく、緊張感を伴って歌唱しなければならないと共に、歌唱の進行に伴って順位を上げていく爽快感を得られない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、歌唱者に対してゲーム性の高い採点処理表示を行うことのできるカラオケ装置を提供するものである。
【0006】
そのため請求項1に係るカラオケ装置は、記憶手段と、再生手段と、通信手段と、制御手段とを備え、記憶手段は、メロディ情報を含んだ演奏情報を記憶し、再生手段は、制御手段の制御に基づき演奏情報を再生し、通信手段は、最終得点を含んで構成される楽曲毎のランキング情報を保持するホスト装置と通信を可能とし、制御手段は、再生処理と、途中順位処理と、最終順位処理と、更新処理とを可能とし、再生処理は、指定楽曲の演奏情報を再生手段に再生させると共に、当該演奏情報のメロディ情報とマイクロフォンから入力される音声信号との比較に基づいて所定タイミング毎に得点を算出し、途中順位処理は、再生処理にて算出された得点を指定楽曲のランキング情報と対比させることで途中順位
を判別し、前回の途中順位に対する今回の途中順位の差である比較順位に基づく順位変動を表示手段に表示させ、最終順位処理は、再生処理にて算出された最終得点を指定楽曲のランキング情報と対比させることで最終順位を判別して表示手段に表示させ、更新処理は、算出した最終得点により、ホスト装置が保持する指定楽曲のランキング情報を更新することを特徴とするものである。
【0007】
さらに、請求項2に係るカラオケ装置は、請求項1に記載のカラオケ装置において、途中順位処理では、途中順位を表示手段に表示させることを特徴とするものである。
【0008】
さらに、請求項3に係るカラオケ装置は、請求項1に記載のカラオケ装置において、途中順位処理では、途中順位を表示手段に表示させないことを特徴とするものである。
【0009】
さらに、請求項4に係るカラオケ装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のカラオケ装置において、途中順位処理における途中順位の判別、最終順位処理における最終順位の判別は、ホスト装置が保持するランキング情報に通信手段を介して問い合わせることによることを特徴とするものである。
【0010】
さらに、請求項5に係るカラオケ装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のカラオケ装置において、途中順位処理における途中順位の判別、最終順位処理における最終順位の判別は、通信手段を介してホスト装置から予め受信したランキング情報と対比によることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、前回の途中順位に対する今回の途中順位の差を示す比較順位に基づく順位変動を表示するため、歌唱者に対し歌唱順位の推移を提示でき、ゲーム性の高い採点処理表示を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明を行う。図1は、本発明の実施形態に係るカラオケシステムの実施形態を示した図であって、1つの店舗に複数のコマンダが設置されたカラオケボックスとしての営業形態を示している。
【0013】
図1において、50は通信網、60はルータ、70は無線アクセスポイント、100はホスト装置、200はリモコン装置、300はコマンダをそれぞれ示している。本実施形態において、各コマンダ300はroom1〜room4毎に1台ずつ配置され、リモコン装置200から指示された楽曲を再生する。例えば、コマンダ1が設置されるroom1では1台のリモコン装置1が配置され、コマンダ1はリモコン装置1からの楽曲指示を受け付ける。また、コマンダ4が設置されるroom4では2台のリモコン装置4−1、4−2が配置され、コマンダ4は、リモコン装置4−1、4−2のどちらからも楽曲リクエストを受け付ける。なお、楽曲の指示は、リモコン装置200のみならず、各コマンダ300のフロントパネルに設けられた入力部からも可能となっている。
【0014】
各コマンダ300は、LANを介してルータ60と接続されており、ルータ60はインターネット回線などの通信網50を介してホスト装置100に通信接続される。このような通信接続により、各コマンダ300は、ホスト装置100から楽曲情報や、プログラムなどの各種配信を受けることができると共に、ホスト装置100では各コマンダ300の利用履歴管理や各利用者の会員サービス管理を行うことが可能となっている。
【0015】
LAN上には、無線アクセスポイント70が接続されており、各リモコン装置200と無線通信可能に設定されている。このように設定することで、各リモコン装置200は予
め対応付けられたコマンダ300と通信可能となる。また、各リモコン装置200は、コマンダ300のみならず、通信網50を介してホスト装置100との通信も可能となる。ホスト装置100は、ユーザがログインしているリモコン装置200に対して会員サービスを提供することができる。
【0016】
会員サービスは、各会員の個人設定情報をホスト装置100で管理することで、利用者がどのリモコン装置200からログインしても、各利用者に対して各種サービスを提供することができるサービスである。この会員サービスには、例えば、個人設定情報にユーザの予約履歴を記録しておくことで、再来店した場合に自分の予約履歴を参照可能としたり、ユーザが気に入った歌手を個人設定情報に登録しておくことでその歌手の持ち歌を参照可能としたり、登録しておいた十八番を参照可能としたり、採点履歴に基づいて他の利用者と得点を競ったりすることなどが考えられる。
【0017】
本実施形態では、LANを介して接続された複数のコマンダ300による、いわゆるカラオケボックスとしての営業形態を説明したが、スナックなどのナイト店では、1台のコマンダ300に対して、1台乃至複数台のリモコン装置200が設置される構成が採用される営業形態となる。
【0018】
次に、カラオケ装置の一構成となるコマンダ300についてより詳しく説明する。図2は本発明の実施の形態に係るコマンダ300及びその周辺のブロック構成を示す図である。301は制御部、302は通信部、303はフロントパネル表示部、304は表示制御部、305は記憶部、306は入力部、307は音源部、308はミキシング部、401はアンプ、402はスピーカー、403はマイクロフォン、404はディスプレイをそれぞれ示している。
【0019】
コマンダ300には、CRTやTFT等の映像表示装置としてのディスプレイ404、音声増幅装置としてのアンプ401、音声入力手段としてのマイクロフォン403が接続されている。コマンダ300におけるカラオケ楽曲の再生信号は、アンプ401へ送出されスピーカー402から演奏音が得られる。一方、カラオケ楽曲の再生に同期した歌詞映像は、背景映像と重畳され、出力映像信号としてディスプレイ404に出力される。ユーザは、演奏音と歌詞映像に合わせてマイクロフォン403を用いて歌唱を行う。
【0020】
制御部301は、コマンダ300におけるシステム全体の制御を司る。ハードディスクなどの記憶部305には、楽曲情報、映像情報、各種プログラムなどが記憶されている。通信部302は、周知規格の有線LANなどが用いられ、リモコン装置200との間で各種制御命令の送受信を可能としている。また、ホスト装置100との間で楽曲情報や個人設定情報など各種情報の送受信を可能としている。
【0021】
入力部306は、フロントパネルなどに設けられた各種スイッチ群であり、予約選曲、音程コントロールなど各種機能を手動設定可能としている。表示制御部304は、制御部301と連携し、記憶部305に記憶されている楽曲情報中の歌詞情報に基づいて歌詞映像を作成する。そして、映像情報に基づいて背景映像を作成し、背景映像に歌詞映像を重畳した出力映像信号をディスプレイ404に出力する表示制御を行う。その他、表示制御部304は、各種コンテンツ、広告情報などをディスプレイ404にて表示するための表示制御を行う。
【0022】
音源部307は、MIDI、PCM、MPEGなど、各種規格に基づいた楽曲情報に基づいて楽音信号を形成する再生手段として機能する。この音源部307では、単一規格の楽曲情報のみならず、MIDIとPCMなどの複数規格を含む楽曲情報を同時に扱うことも可能である。例えば、MIDIにて伴奏を再生すると同時に、PCM、あるいは、MP
EGにて模範歌唱、バックコーラス、あるいは、録音音声情報を再生することができる。ミキシング部308は、音源部307で形成した楽音信号と、マイクロフォン403から入力される歌唱者の歌唱音声信号を適宜なバランスで混合する。混合された信号はアンプ401に出力されてスピーカー402から放音出力される。以上、コマンダ300の主要構成について説明したが、IR信号を送受信可能とする通信部をさらに設け、IR信号を利用する従来のリモコン装置からの制御命令に対応できる構成を採用してもよい。
【0023】
次に、本発明の指定手段としての一実施形態であるリモコン装置200について説明する。図3は、リモコン装置200の外観(正面図)を示したものであり、筐体中央にはタッチパネル207が配置され、ユーザに対して各種表示を行うと共に、スタイラス405あるいは指を接触させることによるユーザ入力を受け付ける。本実施形態では、このタッチパネル207のみを利用したものとなっているが、この実施形態に限るものではなく、例えば、表示部と各種キーにてユーザ入力を受け付ける形態や、各種キーのみで構成される周知のリモコン形態などが採用できる。
【0024】
タッチパネル207の右上には認証手段としての指紋読取部203が設けられる。この指紋読取部203上にユーザが指をスライドさせることで指紋が読み取られる。読み取られた指紋は適宜アルゴリズムで特徴が抽出され指紋情報に変換される。認証手段はこの形態に限るものではなく、各種生体認証や、IDとパスワードによる各種のものが採用可能である。
【0025】
図4は、リモコン装置のブロック構成を示した図であって、201はリモコン制御部、202はリモコン通信部、203は指紋読取部、204はリモコン記憶部、205はリモコン表示部、206はタッチ式センサを示している。タッチ式センサ206は透明であってリモコン表示部205の表面に配置され、両者にてタッチパネル207を構成する。
【0026】
リモコン制御部201はリモコン装置200全体の制御を司る。リモコン記憶部204には、RAMなど各種メモリやハードディスクが用いられ、楽曲選択のための楽曲リストやサービス処理を行う際に必要となる個人設定情報などが格納される。
【0027】
タッチ式センサ206は、利用者の指やスタイラスなどの接触による入力操作を可能としている。タッチ式センサ206による入力を可能とするため、リモコン表示部205にはタッチ式センサ206に対する制御と連動した表示画像が表示されるようにプログラムされている。なお、入力手段としては、タッチ式センサ206に限定されるものではなく、例えば、キーボード、カーソルキーなどの機械的な入力手段を採用してもよい。
【0028】
リモコン通信部202は、無線アクセスポイント70との間で、例えば、無線LAN規格(IEEE802.11a/b/gなど)による無線通信を行う。このリモコン通信部202にて、リ
モコン装置200は、コマンダ300やホスト装置100との通信を行う。なお、このリモコン通信部202は、例えば、Bluetooth規格(登録商標)により実現することもでき
る。その場合、受け手側のコマンダ300側に設けられた同規格の通信部により、リモコン装置200とコマンダ300は無線通信を行う。更に、リモコン装置200はコマンダ300を経由してホスト装置100との通信を行うこととなる。
【0029】
リモコン装置200からコマンダ300に対する楽曲指定などの各種コマンドは、この通信部202を介して送信される。すなわち、リモコン装置200は、LAN上に配置された無線アクセスポイント70と無線通信を行うこととなるが、コマンダ300とリモコン装置200が予め対応付けられているため、コマンダ300は自分に対する各種コマンドを判別することができる。
【0030】
指紋読取部203で読み取られた指紋情報はホスト装置100との間で行われる認証処に用いられ、認証に成功したユーザはログインユーザとして各種サービスの提供を受けることが可能となる。なお、ユーザによってはログインのための認証方法として、指紋認証を好まない場合がある。そこで、本実施形態におけるカラオケシステムでは、この指紋読取部203を利用した認証と、タッチパネル207からのユーザIDと、パスワードを入力することによる認証を選択できるようになっている。
【0031】
以上、本システムにおけるハードウェア構成を説明したが、次に、これらハードウェア構成を利用した歌唱採点処理全体の流れについて図5〜図10を用いて説明を行う。図5は歌唱採点処理のフローを示した図であり、図6は歌唱採点処理における通信処理を示した図であり、図7はランキング情報を示した図であり、図8は再生中画面を示した図であり、図9はランキング表示画面Aを示した図であり、図10はランキング表示画面Bを示した図である。
【0032】
図5のフローにおいて、ユーザがリモコン200を使用して選曲を行うと、指定された楽曲の楽曲IDがコマンダ300に送信される。本実施形態において、この歌唱採点処理は、認証手段にて認証に成功したログインユーザにより利用可能な処理である。このように歌唱採点処理をログインユーザに対する会員サービスとすれば、個人設定情報を用いてユーザ情報を簡易に管理することができる。また、ログインしていないゲストユーザによるランキング情報の増加を抑制できる。なお、ゲストユーザに対してもこの歌唱採点処理を行わせてもよい。その場合、ゲストユーザの得点によるランキング情報の更新を禁止することで同様の効果が得られる。
【0033】
また、当該楽曲IDはホスト装置100にも送信され、これから歌唱採点を行う楽曲をホスト装置100にも知らせる(S201)。楽曲IDを受信したコマンダ300は、当該楽曲IDに対応する演奏情報を読み出して音源部307に再生させる。また、コマンダ300は演奏情報の再生と併せて採点処理を開始する。この採点処理はカラオケにおいてよく知られた処理であり、演奏情報に含まれる歌唱基準としてのメロディ情報と比較して得点を算出する。本実施形態では、演奏情報再生終了後のみならず、再生途中の適宜タイミングにて得点の算出出力を行う。
【0034】
一方、楽曲IDを受信したホスト装置100は、当該楽曲IDに対応するランキング情報をデータベースから抽出し、本歌唱採点処理にて利用する。図7は、このランキング情報の一実施形態を示したものであり、順位毎にユーザID、コマンダID、得点が記述されている。ランキング情報は少なくとも得点が記述されることで足りるものであるが、順位、ユーザID、コマンダIDなどを含めて管理することで、データの扱いが簡易になると共に、ユーザ、店舗に関する各種情報や、各種集計情報を提供することができる。ホスト装置100でランキング情報が抽出されると、ホスト装置は当該ランキング情報に基づいて上位ランキング情報をコマンダ300に送信する。この上位ランキング情報は、得点上位者に関する各種情報であって、例えば、得点が3位以内の歌唱者に関する得点、そして、当該歌唱者、利用店舗に関する情報である。歌唱者に関する情報としては、ニックネーム、性別、年齢などであり、ランキング情報中に記述されるユーザIDを参照してデータベースから抽出される。また、利用店舗に関する情報としては、店名、チェーン店名、場所などであり、コマンダIDを参照してデータベースから抽出される。上位ランキング情報を受信したコマンダ300は、ディスプレイ404上のカラオケ背景画面に重畳して表示し(S103)、ユーザに対して上位入賞者に関する情報を視覚的に伝える。
【0035】
演奏が終了するまでS105〜S115の処理が繰り返されるが、この処理は適宜タイミング(例えば5秒間隔)にて行われる。S105でタイミング到来が判断されると、S106にて算出される。この得点は再生時点までの平均点であって、例えば最終得点の満
点が100点の場合には、この再生時点までの満点得点も100点となる。このように再生途中で算出する得点を平均点とすることで、再生中であってもランキング情報中の最終得点と比較して順位を決定することが可能となる。
【0036】
S106で算出された得点は、S107にて補正係数に基づく補正により補正得点に変換される。この補正は本歌唱採点処理のゲーム性を高めるための処理であって、その詳細は後ほど説明を行う。S108では算出された補正得点をランキング情報と対比して途中順位を取得する。本実施形態では、補正得点を算出する毎にホスト装置100に問い合わせを行い、ホスト装置100にて補正得点をランキング情報と対比して途中順位を判定する。判定された途中順位はコマンダ300に送信される。なお、S107の補正処理を行わずS106で算出した得点に基づいて途中順位を行い、正確な途中順位を算出することとしてもよい。
【0037】
S109では、得点算出が初回であるのか、2回目以降か否かが判断され、初回の場合には、S110、S111にてS106にて算出した得点、S108にて取得した途中順位をディスプレイ404に表示する。なお、得点を表示することに代えS107で算出した補正得点を表示することとしてもよい。また、これらの得点、途中順位の表示処理(破線で囲まれた処理)については省略しても構わない。
【0038】
一方、S109にて得点算出が2回目以降であると判断された場合は、S112にて比較順位が算出される。この比較順位は、前回S108で取得した途中順位に対する今回S108で取得した途中順位の差分である。S113では算出された比較順位に基づいて順位変動が表示される。この再生中画面の様子を図8に示す。ディスプレイ404上には、背景映像に歌詞501が重畳されて表示されるが、更に順位変動A502と順位変動B503が表示される。ユーザはこの順位変動A502、順位変動B503を参照して視覚的に順位の変動を確認することができる。
【0039】
順位変動A502は、前回の途中順位に対して上昇したか、下降したか、同じであるかを示す矢印形のアイコンであり、図のディスプレイ404内の上向きの矢印にて順位が上昇したことを示している。本実施形態では、ディスプレイ404外に示すように、順位の変動がないときは横向きのアイコンが、順位が下がったときには下向きのアイコンが順位変動A502として表示される。
【0040】
順位変動B503は、前回の途中順位から何人抜いたかを示す情報であり、例えば、前回10位で、今回4位となった場合には、図のように「5人抜き」の表示が行われる。順位が下がったとき、変化しない場合にも同様の表示が行われる。なお、この順位変動B503の表示は、順位が上昇したときのみ表示するようにしてもよい。歌唱者の歌唱意欲を高めることができる。以上、比較順位に基づいて順位変動A、順位変動Bが表示されるため、ユーザは歌唱中における順位の変動状況を確認することができる。なお、順位変動としては、これらに限ることなく、算出した比較順位をそのまま表示したり、上昇、下降度合いによって順位変動A502のアイコンの色、大きさを変えるなど適宜な形態を採用することができる。
【0041】
S114、S115では、S110、S111と同様、(補正)得点、途中順位の表示を行うこととなるが、本発明では比較順位に基づく順位変動をユーザに告知することを目的とするため、これらS114、S115の処理(破線で囲まれた処理)についても省略してもよい。このように、再生途中での途中順位を表示せずに順位変動のみを表示し、再生終了後に最終順位を表示することで歌唱採点処理のゲーム性を高めることができる。以上、演奏情報再生中、図5におけるS105〜S115の処理、図6の破線で囲んだ処理を繰り返すことで、本発明の特徴となる比較順位に基づく順位変動を表示手段に表示する
ことができる。
【0042】
演奏情報が最後まで再生されるか、ユーザによる再生終了指示により演奏情報の再生が終了(S104)すると、録音処理や比較処理についても終了し、S116にてユーザによる歌唱時間が本来歌唱すべき歌唱時間のn%以上であるか否かを判断する。この判断は、歌唱時間があまりにも短い場合をもってランキングの対象とすることを防止するために行われる。n%よりも少ない場合には、ディスプレイ404上に採点不可能とするメッセージを表示した後、歌唱採点処理を終了する(S120)。なお、歌唱時間の割合で行うことに代えて、所定時間以上、歌唱したことで判断してもよい。
【0043】
一方、歌唱時間の条件をクリアした場合は、最終得点、最終順位などの表示、そして、ランキング情報の更新を行う。S117では、最終得点をホスト装置100に送信し、最終順位を取得する。この最終得点と一緒に、ユーザID、コマンダIDを送信してもよい。これらの送信情報はランキング情報の更新に利用される。ホスト装置100では、S202と同様、受信した最終得点をランキング情報と参照し最終順位を算出(S203)すると共に、受信した情報にてランキング情報を更新する(S204)。更新の際、1ユーザの記録は最も高い得点の記録のみが残るようにしてもよいし、1ユーザの複数回の記録が重複してランキング情報に登録されるようにしてもよい。
【0044】
ランキング情報の更新後、算出した最終順位はコマンダ300に送信される。このとき、各種集計情報などを一緒に送信するようにしてもよい。最終順位を受信したコマンダ300は、S118にてランキング表示画面Aを表示する。このランキング表示画面Aの様子を図9に示す。504は歌唱採点処理で使用した楽曲の関連情報であり、歌唱名、楽曲名が表示されている。505は、歌唱者のユーザ関連情報であり、ログインしたときに取得する個人設定情報に基づいて表示される。図では、ユーザの写真、あるいは、アバターなどのユーザ関連画像とニックネームが表示されている。506には最終得点が表示され、507には順位関連情報が表示される。図ではこの順位関連情報として、全国順位、集計人数、そして、得点の分布と今回の得点を把握できるグラフが表示されている。このランキング画面Aにて歌唱者は、最終得点、そして、最終順位を確認することができる。
【0045】
ランキング表示画面Aを表示してから所定時間経過するか、あるいは、ユーザによる操作が行われると、図10に示すランキング表示画面Bの表示に移る。この画面ではユーザは、最終得点、最終順位を再確認できると共に、ホスト装置から取得したランキング上位者に関する情報や、集計範囲の異なる順位を確認することができる。本画面の得点関連情報508には、最終得点に加えて、当該楽曲の全国平均点が併せて表示される。また、上位3位の歌唱者に関するランキング上位者情報509が表示される。このランキング上位者情報509には、順位、得点に加え、ユーザ関連画像、ニックネーム、チェーン店名、店舗の場所などが含まれている。これらの情報は、ランキング情報内のユーザID、コマンダIDに基づきホスト装置100内のデータベースを参照して得られる。
【0046】
また、ランキング情報内に記述されるコマンダIDに基づいて集計されたチェーン店内順位510、店内順位511も併せて表示される。このようにこのランキング表示画面Bでは、ユーザは最終得点、最終順位のみならず、上位入賞者に関する各種情報や、全国集計以外の集計範囲での順位などを確認することができる。ランキング表示画面Bを表示してから所定時間経過するか、あるいは、ユーザによる操作が行われると歌唱採点処理が終了する(S120)。
【0047】
以上、歌唱採点処理の全体の流れについて説明を行った。本実施形態では、所定タイミング毎にホスト装置100に途中順位を問い合わせる通信処理としたが、この通信処理に代え、ホスト装置100から予めランキング情報をダウンロードし、コマンダ300側に
て得点をランキング情報と照らし合わせて順位を判定するようにしてもよい。この場合、リアルタイムで更新されるランキング情報と対比することはできないものの、ホスト装置100との通信回数を減らすことができる。なお、最終順位の判定についてのみホスト装置100で管理するランキング情報と対比することで行うこととしてもよい。
【0048】
次に、歌唱採点処理における補正得点算出処理(図5のS107)について図11〜図13を用いて説明を行う。図11は補正得点算出処理を示した図であり、図12は得点係数リストを示した図であり、図13は得点係数が推移する様子を示した図である。
【0049】
補正得点算出処理は、所定時間(5秒)毎のような所定タイミングにて実行されるが、図11には演奏情報が再生開始されてから終了するまでの様子が示されている。演奏情報が再生開始されて1回目の所定タイミングでは、算出された再生開始時点からの平均点である得点aに対して1回目の所定タイミングに設定されている得点係数0.700が乗算
されて補正得点a’が算出される。2回目の所定タイミングでは、算出された得点bに対して2回目の所定タイミングに設定されている得点係数0.723が乗算されて補正得点
b’が算出される。以降、各所定タイミング毎に同様の処理が繰り返され補正得点が順次算出される。
【0050】
図12は補正得点算出処理で使用する得点係数リストを示した図であり、所定タイミングに対応する区間毎に得点係数が設定されている。演奏情報毎に総演奏時間は異なるため、本実施形態では、各演奏情報毎に得点係数リストが作成される。まず、総演奏時間から1.0以下の係数がかかる係数適用時間が算出される。例えば、総演奏時間の80%が係
数適用時間とされる。そして、この係数適用時間と所定タイミングの時間間隔に基づいて所定タイミングの回数を算出する。次に1回目の得点係数、図では0.7が取得される。
次に、最終得点係数を1.0とし、1回目の得点係数に対する係数の上げ幅(最終得点係
数と1回目の得点係数との差)を算出する(図の例では、1−0.7=0.3)。この係数の上げ幅を所定タイミングの回数で除算し、所定タイミング毎の上げ幅を算出し各所定タイミング毎の得点係数が決定される。
【0051】
この実施形態によって決定された得点係数推移の様子を図13のAに示す。初回に0.
7に設定された得点係数が、係数適用時間後に1.0となるまで線形に変化する様子が分
かる。このように、演奏経過に従って増加する得点係数で得点を補正して途中順位を算出することで、序盤は点数を低く抑え演奏が進むに連れて本来の点数に戻していき、途中順位が上昇していくようにみせることが可能となり、歌唱採点処理のゲーム性を高めることができる。また、最後まで歌唱しなかった場合には、本来の得点よりも少ない補正得点となるため、最後まで歌唱しなかった歌唱者に対するペナルティとしても効果を奏する。
【0052】
なお、得点係数は、本実施形態のように線形状に変化するのみならず適宜に選択できるものであり、B、Cに示すように非線形に変化するようにしてもよい。さらに、本実施形態において得点係数リストは、総演奏時間に基づき算出することとしたが、予め用意されている得点係数リストを用いることとしてもよい。その場合、総演奏時間に応じた複数の得点係数リストを用意しておき、切り換えて利用することで楽曲毎の総演奏時間の相違に対応できる。
【0053】
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態に係るカラオケシステムを示した図。
【図2】本発明の実施形態に係るコマンダを示した図。
【図3】本発明の実施形態に係るリモコン装置の外観を示した図。
【図4】本発明の実施形態に係るリモコン装置の内部構成を示した図。
【図5】本発明の実施形態に係る歌唱採点処理のフローを示した図。
【図6】本発明の実施形態に係る通信処理を示した図。
【図7】本発明の実施形態に係るランキング情報を示した図。
【図8】本発明の実施形態に係る再生中画面を示した図。
【図9】本発明の実施形態に係るランキング表示画面Aを示した図。
【図10】本発明の実施形態に係るランキング表示画面Bを示した図。
【図11】本発明の実施形態に係る補正得点算出処理を示した図。
【図12】本発明の実施形態に係る得点係数リストを示した図。
【図13】本発明の実施形態に係る得点係数の推移の様子を示した図。
【符号の説明】
【0055】
50…通信網、60…ルータ、70…無線アクセスポイント、100…ホスト装置、200…リモコン装置、201…リモコン制御部、202…リモコン通信部、203…指紋読取部、204…リモコン記憶部、205…リモコン表示部、206…タッチ式センサ、207…タッチパネル、300…コマンダ、301…制御部、302…通信部、303…フロントパネル表示部、304…表示制御部、305…記憶部、306…入力部、307…音源部、308…ミキシング部、401…アンプ、402…スピーカ、403…マイクロフォン、404…ディスプレイ、405…スタイラス、501…歌詞、502…順位変動A、503…順位変動B、504…楽曲関連情報、505…ユーザ関連情報、506…最終得点、507…順位関連情報、508…得点関連情報、509…ランキング上位者情報、510…チェーン店内順位、511…店内順位
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌唱者の歌唱に基づいて得点を算出する採点処理を行うカラオケ装置において、同じ楽曲を歌唱した歌唱者同士で得点順位を競う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カラオケボックスや飲食店等において、演奏に合わせて歌唱を楽しむカラオケ装置では、楽曲演奏中にマイクロフォンから入力される歌唱者の音声信号と、楽曲演奏に用いる演奏情報のメロディなどの基準音とを比較し、音程や声の大きさ、発音タイミングなどの差に基づいて得点を算出する採点処理が行われている。また、通信インフラの発達に伴いカラオケ装置は、通信回線を介してホスト装置と接続され、カラオケ演奏に用いる演奏情報や各種プログラムを受信することが可能である。また、カラオケホスト装置に記憶されている個人設定情報に基づいて各種会員サービスを行うことも可能である。
【0003】
採点処理を可能とするカラオケ装置を、各地に設置されているカラオケ装置と通信接続し、同じ楽曲を歌唱した歌唱者同士で得点順位を競うサービスも開始されている。特許文献1に記載される歌唱採点機能では、演奏後に最終得点を提示するほかに採点の途中経過情報も出力するモードを備え、ホスト装置に集計されて用意されている最新の採点ランキングを提示し、歌唱中に逐次変化する途中得点をそのランキング表示に反映させることが記載されている。この歌唱採点機能では、ランキング歌唱中に順位が上がったり下がったりすることで、歌唱者は緊張感を味わえ、ゲーム感覚で歌唱コンテストに参加できることとなる。
【特許文献1】特開2005−99288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のカラオケ装置は、通信回線を用い歌唱中にランキング順位の変化を楽しむことができるものであるが、歌唱中には、その時点での得点と、順位が表示されるのみであって自分の順位がどのように変化しているかを知ることはできない。また、歌唱中にも逐次、途中順位が表示されるため、歌唱後に表示される最終順位を歌唱者はある程度予想できてしまい意外性に欠けたものとなる。また、演奏中のその時点までの集計結果に基づく平均点(途中得点)を採点ランキング情報に反映させて正確な順位の表示を行うものであって、例えば、序盤に高得点の途中得点を獲得した歌唱者は、順位が維持されるか、下げるしかなく、緊張感を伴って歌唱しなければならないと共に、歌唱の進行に伴って順位を上げていく爽快感を得られない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、歌唱者に対してゲーム性の高い採点処理表示を行うことのできるカラオケ装置を提供するものである。
【0006】
そのため請求項1に係るカラオケ装置は、記憶手段と、再生手段と、通信手段と、制御手段とを備え、記憶手段は、メロディ情報を含んだ演奏情報を記憶し、再生手段は、制御手段の制御に基づき演奏情報を再生し、通信手段は、最終得点を含んで構成される楽曲毎のランキング情報を保持するホスト装置と通信を可能とし、制御手段は、再生処理と、途中順位処理と、最終順位処理と、更新処理とを可能とし、再生処理は、指定楽曲の演奏情報を再生手段に再生させると共に、当該演奏情報のメロディ情報とマイクロフォンから入力される音声信号との比較に基づいて所定タイミング毎に得点を算出し、途中順位処理は、再生処理にて算出された得点を指定楽曲のランキング情報と対比させることで途中順位
を判別し、前回の途中順位に対する今回の途中順位の差である比較順位に基づく順位変動を表示手段に表示させ、最終順位処理は、再生処理にて算出された最終得点を指定楽曲のランキング情報と対比させることで最終順位を判別して表示手段に表示させ、更新処理は、算出した最終得点により、ホスト装置が保持する指定楽曲のランキング情報を更新することを特徴とするものである。
【0007】
さらに、請求項2に係るカラオケ装置は、請求項1に記載のカラオケ装置において、途中順位処理では、途中順位を表示手段に表示させることを特徴とするものである。
【0008】
さらに、請求項3に係るカラオケ装置は、請求項1に記載のカラオケ装置において、途中順位処理では、途中順位を表示手段に表示させないことを特徴とするものである。
【0009】
さらに、請求項4に係るカラオケ装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のカラオケ装置において、途中順位処理における途中順位の判別、最終順位処理における最終順位の判別は、ホスト装置が保持するランキング情報に通信手段を介して問い合わせることによることを特徴とするものである。
【0010】
さらに、請求項5に係るカラオケ装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のカラオケ装置において、途中順位処理における途中順位の判別、最終順位処理における最終順位の判別は、通信手段を介してホスト装置から予め受信したランキング情報と対比によることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、前回の途中順位に対する今回の途中順位の差を示す比較順位に基づく順位変動を表示するため、歌唱者に対し歌唱順位の推移を提示でき、ゲーム性の高い採点処理表示を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明を行う。図1は、本発明の実施形態に係るカラオケシステムの実施形態を示した図であって、1つの店舗に複数のコマンダが設置されたカラオケボックスとしての営業形態を示している。
【0013】
図1において、50は通信網、60はルータ、70は無線アクセスポイント、100はホスト装置、200はリモコン装置、300はコマンダをそれぞれ示している。本実施形態において、各コマンダ300はroom1〜room4毎に1台ずつ配置され、リモコン装置200から指示された楽曲を再生する。例えば、コマンダ1が設置されるroom1では1台のリモコン装置1が配置され、コマンダ1はリモコン装置1からの楽曲指示を受け付ける。また、コマンダ4が設置されるroom4では2台のリモコン装置4−1、4−2が配置され、コマンダ4は、リモコン装置4−1、4−2のどちらからも楽曲リクエストを受け付ける。なお、楽曲の指示は、リモコン装置200のみならず、各コマンダ300のフロントパネルに設けられた入力部からも可能となっている。
【0014】
各コマンダ300は、LANを介してルータ60と接続されており、ルータ60はインターネット回線などの通信網50を介してホスト装置100に通信接続される。このような通信接続により、各コマンダ300は、ホスト装置100から楽曲情報や、プログラムなどの各種配信を受けることができると共に、ホスト装置100では各コマンダ300の利用履歴管理や各利用者の会員サービス管理を行うことが可能となっている。
【0015】
LAN上には、無線アクセスポイント70が接続されており、各リモコン装置200と無線通信可能に設定されている。このように設定することで、各リモコン装置200は予
め対応付けられたコマンダ300と通信可能となる。また、各リモコン装置200は、コマンダ300のみならず、通信網50を介してホスト装置100との通信も可能となる。ホスト装置100は、ユーザがログインしているリモコン装置200に対して会員サービスを提供することができる。
【0016】
会員サービスは、各会員の個人設定情報をホスト装置100で管理することで、利用者がどのリモコン装置200からログインしても、各利用者に対して各種サービスを提供することができるサービスである。この会員サービスには、例えば、個人設定情報にユーザの予約履歴を記録しておくことで、再来店した場合に自分の予約履歴を参照可能としたり、ユーザが気に入った歌手を個人設定情報に登録しておくことでその歌手の持ち歌を参照可能としたり、登録しておいた十八番を参照可能としたり、採点履歴に基づいて他の利用者と得点を競ったりすることなどが考えられる。
【0017】
本実施形態では、LANを介して接続された複数のコマンダ300による、いわゆるカラオケボックスとしての営業形態を説明したが、スナックなどのナイト店では、1台のコマンダ300に対して、1台乃至複数台のリモコン装置200が設置される構成が採用される営業形態となる。
【0018】
次に、カラオケ装置の一構成となるコマンダ300についてより詳しく説明する。図2は本発明の実施の形態に係るコマンダ300及びその周辺のブロック構成を示す図である。301は制御部、302は通信部、303はフロントパネル表示部、304は表示制御部、305は記憶部、306は入力部、307は音源部、308はミキシング部、401はアンプ、402はスピーカー、403はマイクロフォン、404はディスプレイをそれぞれ示している。
【0019】
コマンダ300には、CRTやTFT等の映像表示装置としてのディスプレイ404、音声増幅装置としてのアンプ401、音声入力手段としてのマイクロフォン403が接続されている。コマンダ300におけるカラオケ楽曲の再生信号は、アンプ401へ送出されスピーカー402から演奏音が得られる。一方、カラオケ楽曲の再生に同期した歌詞映像は、背景映像と重畳され、出力映像信号としてディスプレイ404に出力される。ユーザは、演奏音と歌詞映像に合わせてマイクロフォン403を用いて歌唱を行う。
【0020】
制御部301は、コマンダ300におけるシステム全体の制御を司る。ハードディスクなどの記憶部305には、楽曲情報、映像情報、各種プログラムなどが記憶されている。通信部302は、周知規格の有線LANなどが用いられ、リモコン装置200との間で各種制御命令の送受信を可能としている。また、ホスト装置100との間で楽曲情報や個人設定情報など各種情報の送受信を可能としている。
【0021】
入力部306は、フロントパネルなどに設けられた各種スイッチ群であり、予約選曲、音程コントロールなど各種機能を手動設定可能としている。表示制御部304は、制御部301と連携し、記憶部305に記憶されている楽曲情報中の歌詞情報に基づいて歌詞映像を作成する。そして、映像情報に基づいて背景映像を作成し、背景映像に歌詞映像を重畳した出力映像信号をディスプレイ404に出力する表示制御を行う。その他、表示制御部304は、各種コンテンツ、広告情報などをディスプレイ404にて表示するための表示制御を行う。
【0022】
音源部307は、MIDI、PCM、MPEGなど、各種規格に基づいた楽曲情報に基づいて楽音信号を形成する再生手段として機能する。この音源部307では、単一規格の楽曲情報のみならず、MIDIとPCMなどの複数規格を含む楽曲情報を同時に扱うことも可能である。例えば、MIDIにて伴奏を再生すると同時に、PCM、あるいは、MP
EGにて模範歌唱、バックコーラス、あるいは、録音音声情報を再生することができる。ミキシング部308は、音源部307で形成した楽音信号と、マイクロフォン403から入力される歌唱者の歌唱音声信号を適宜なバランスで混合する。混合された信号はアンプ401に出力されてスピーカー402から放音出力される。以上、コマンダ300の主要構成について説明したが、IR信号を送受信可能とする通信部をさらに設け、IR信号を利用する従来のリモコン装置からの制御命令に対応できる構成を採用してもよい。
【0023】
次に、本発明の指定手段としての一実施形態であるリモコン装置200について説明する。図3は、リモコン装置200の外観(正面図)を示したものであり、筐体中央にはタッチパネル207が配置され、ユーザに対して各種表示を行うと共に、スタイラス405あるいは指を接触させることによるユーザ入力を受け付ける。本実施形態では、このタッチパネル207のみを利用したものとなっているが、この実施形態に限るものではなく、例えば、表示部と各種キーにてユーザ入力を受け付ける形態や、各種キーのみで構成される周知のリモコン形態などが採用できる。
【0024】
タッチパネル207の右上には認証手段としての指紋読取部203が設けられる。この指紋読取部203上にユーザが指をスライドさせることで指紋が読み取られる。読み取られた指紋は適宜アルゴリズムで特徴が抽出され指紋情報に変換される。認証手段はこの形態に限るものではなく、各種生体認証や、IDとパスワードによる各種のものが採用可能である。
【0025】
図4は、リモコン装置のブロック構成を示した図であって、201はリモコン制御部、202はリモコン通信部、203は指紋読取部、204はリモコン記憶部、205はリモコン表示部、206はタッチ式センサを示している。タッチ式センサ206は透明であってリモコン表示部205の表面に配置され、両者にてタッチパネル207を構成する。
【0026】
リモコン制御部201はリモコン装置200全体の制御を司る。リモコン記憶部204には、RAMなど各種メモリやハードディスクが用いられ、楽曲選択のための楽曲リストやサービス処理を行う際に必要となる個人設定情報などが格納される。
【0027】
タッチ式センサ206は、利用者の指やスタイラスなどの接触による入力操作を可能としている。タッチ式センサ206による入力を可能とするため、リモコン表示部205にはタッチ式センサ206に対する制御と連動した表示画像が表示されるようにプログラムされている。なお、入力手段としては、タッチ式センサ206に限定されるものではなく、例えば、キーボード、カーソルキーなどの機械的な入力手段を採用してもよい。
【0028】
リモコン通信部202は、無線アクセスポイント70との間で、例えば、無線LAN規格(IEEE802.11a/b/gなど)による無線通信を行う。このリモコン通信部202にて、リ
モコン装置200は、コマンダ300やホスト装置100との通信を行う。なお、このリモコン通信部202は、例えば、Bluetooth規格(登録商標)により実現することもでき
る。その場合、受け手側のコマンダ300側に設けられた同規格の通信部により、リモコン装置200とコマンダ300は無線通信を行う。更に、リモコン装置200はコマンダ300を経由してホスト装置100との通信を行うこととなる。
【0029】
リモコン装置200からコマンダ300に対する楽曲指定などの各種コマンドは、この通信部202を介して送信される。すなわち、リモコン装置200は、LAN上に配置された無線アクセスポイント70と無線通信を行うこととなるが、コマンダ300とリモコン装置200が予め対応付けられているため、コマンダ300は自分に対する各種コマンドを判別することができる。
【0030】
指紋読取部203で読み取られた指紋情報はホスト装置100との間で行われる認証処に用いられ、認証に成功したユーザはログインユーザとして各種サービスの提供を受けることが可能となる。なお、ユーザによってはログインのための認証方法として、指紋認証を好まない場合がある。そこで、本実施形態におけるカラオケシステムでは、この指紋読取部203を利用した認証と、タッチパネル207からのユーザIDと、パスワードを入力することによる認証を選択できるようになっている。
【0031】
以上、本システムにおけるハードウェア構成を説明したが、次に、これらハードウェア構成を利用した歌唱採点処理全体の流れについて図5〜図10を用いて説明を行う。図5は歌唱採点処理のフローを示した図であり、図6は歌唱採点処理における通信処理を示した図であり、図7はランキング情報を示した図であり、図8は再生中画面を示した図であり、図9はランキング表示画面Aを示した図であり、図10はランキング表示画面Bを示した図である。
【0032】
図5のフローにおいて、ユーザがリモコン200を使用して選曲を行うと、指定された楽曲の楽曲IDがコマンダ300に送信される。本実施形態において、この歌唱採点処理は、認証手段にて認証に成功したログインユーザにより利用可能な処理である。このように歌唱採点処理をログインユーザに対する会員サービスとすれば、個人設定情報を用いてユーザ情報を簡易に管理することができる。また、ログインしていないゲストユーザによるランキング情報の増加を抑制できる。なお、ゲストユーザに対してもこの歌唱採点処理を行わせてもよい。その場合、ゲストユーザの得点によるランキング情報の更新を禁止することで同様の効果が得られる。
【0033】
また、当該楽曲IDはホスト装置100にも送信され、これから歌唱採点を行う楽曲をホスト装置100にも知らせる(S201)。楽曲IDを受信したコマンダ300は、当該楽曲IDに対応する演奏情報を読み出して音源部307に再生させる。また、コマンダ300は演奏情報の再生と併せて採点処理を開始する。この採点処理はカラオケにおいてよく知られた処理であり、演奏情報に含まれる歌唱基準としてのメロディ情報と比較して得点を算出する。本実施形態では、演奏情報再生終了後のみならず、再生途中の適宜タイミングにて得点の算出出力を行う。
【0034】
一方、楽曲IDを受信したホスト装置100は、当該楽曲IDに対応するランキング情報をデータベースから抽出し、本歌唱採点処理にて利用する。図7は、このランキング情報の一実施形態を示したものであり、順位毎にユーザID、コマンダID、得点が記述されている。ランキング情報は少なくとも得点が記述されることで足りるものであるが、順位、ユーザID、コマンダIDなどを含めて管理することで、データの扱いが簡易になると共に、ユーザ、店舗に関する各種情報や、各種集計情報を提供することができる。ホスト装置100でランキング情報が抽出されると、ホスト装置は当該ランキング情報に基づいて上位ランキング情報をコマンダ300に送信する。この上位ランキング情報は、得点上位者に関する各種情報であって、例えば、得点が3位以内の歌唱者に関する得点、そして、当該歌唱者、利用店舗に関する情報である。歌唱者に関する情報としては、ニックネーム、性別、年齢などであり、ランキング情報中に記述されるユーザIDを参照してデータベースから抽出される。また、利用店舗に関する情報としては、店名、チェーン店名、場所などであり、コマンダIDを参照してデータベースから抽出される。上位ランキング情報を受信したコマンダ300は、ディスプレイ404上のカラオケ背景画面に重畳して表示し(S103)、ユーザに対して上位入賞者に関する情報を視覚的に伝える。
【0035】
演奏が終了するまでS105〜S115の処理が繰り返されるが、この処理は適宜タイミング(例えば5秒間隔)にて行われる。S105でタイミング到来が判断されると、S106にて算出される。この得点は再生時点までの平均点であって、例えば最終得点の満
点が100点の場合には、この再生時点までの満点得点も100点となる。このように再生途中で算出する得点を平均点とすることで、再生中であってもランキング情報中の最終得点と比較して順位を決定することが可能となる。
【0036】
S106で算出された得点は、S107にて補正係数に基づく補正により補正得点に変換される。この補正は本歌唱採点処理のゲーム性を高めるための処理であって、その詳細は後ほど説明を行う。S108では算出された補正得点をランキング情報と対比して途中順位を取得する。本実施形態では、補正得点を算出する毎にホスト装置100に問い合わせを行い、ホスト装置100にて補正得点をランキング情報と対比して途中順位を判定する。判定された途中順位はコマンダ300に送信される。なお、S107の補正処理を行わずS106で算出した得点に基づいて途中順位を行い、正確な途中順位を算出することとしてもよい。
【0037】
S109では、得点算出が初回であるのか、2回目以降か否かが判断され、初回の場合には、S110、S111にてS106にて算出した得点、S108にて取得した途中順位をディスプレイ404に表示する。なお、得点を表示することに代えS107で算出した補正得点を表示することとしてもよい。また、これらの得点、途中順位の表示処理(破線で囲まれた処理)については省略しても構わない。
【0038】
一方、S109にて得点算出が2回目以降であると判断された場合は、S112にて比較順位が算出される。この比較順位は、前回S108で取得した途中順位に対する今回S108で取得した途中順位の差分である。S113では算出された比較順位に基づいて順位変動が表示される。この再生中画面の様子を図8に示す。ディスプレイ404上には、背景映像に歌詞501が重畳されて表示されるが、更に順位変動A502と順位変動B503が表示される。ユーザはこの順位変動A502、順位変動B503を参照して視覚的に順位の変動を確認することができる。
【0039】
順位変動A502は、前回の途中順位に対して上昇したか、下降したか、同じであるかを示す矢印形のアイコンであり、図のディスプレイ404内の上向きの矢印にて順位が上昇したことを示している。本実施形態では、ディスプレイ404外に示すように、順位の変動がないときは横向きのアイコンが、順位が下がったときには下向きのアイコンが順位変動A502として表示される。
【0040】
順位変動B503は、前回の途中順位から何人抜いたかを示す情報であり、例えば、前回10位で、今回4位となった場合には、図のように「5人抜き」の表示が行われる。順位が下がったとき、変化しない場合にも同様の表示が行われる。なお、この順位変動B503の表示は、順位が上昇したときのみ表示するようにしてもよい。歌唱者の歌唱意欲を高めることができる。以上、比較順位に基づいて順位変動A、順位変動Bが表示されるため、ユーザは歌唱中における順位の変動状況を確認することができる。なお、順位変動としては、これらに限ることなく、算出した比較順位をそのまま表示したり、上昇、下降度合いによって順位変動A502のアイコンの色、大きさを変えるなど適宜な形態を採用することができる。
【0041】
S114、S115では、S110、S111と同様、(補正)得点、途中順位の表示を行うこととなるが、本発明では比較順位に基づく順位変動をユーザに告知することを目的とするため、これらS114、S115の処理(破線で囲まれた処理)についても省略してもよい。このように、再生途中での途中順位を表示せずに順位変動のみを表示し、再生終了後に最終順位を表示することで歌唱採点処理のゲーム性を高めることができる。以上、演奏情報再生中、図5におけるS105〜S115の処理、図6の破線で囲んだ処理を繰り返すことで、本発明の特徴となる比較順位に基づく順位変動を表示手段に表示する
ことができる。
【0042】
演奏情報が最後まで再生されるか、ユーザによる再生終了指示により演奏情報の再生が終了(S104)すると、録音処理や比較処理についても終了し、S116にてユーザによる歌唱時間が本来歌唱すべき歌唱時間のn%以上であるか否かを判断する。この判断は、歌唱時間があまりにも短い場合をもってランキングの対象とすることを防止するために行われる。n%よりも少ない場合には、ディスプレイ404上に採点不可能とするメッセージを表示した後、歌唱採点処理を終了する(S120)。なお、歌唱時間の割合で行うことに代えて、所定時間以上、歌唱したことで判断してもよい。
【0043】
一方、歌唱時間の条件をクリアした場合は、最終得点、最終順位などの表示、そして、ランキング情報の更新を行う。S117では、最終得点をホスト装置100に送信し、最終順位を取得する。この最終得点と一緒に、ユーザID、コマンダIDを送信してもよい。これらの送信情報はランキング情報の更新に利用される。ホスト装置100では、S202と同様、受信した最終得点をランキング情報と参照し最終順位を算出(S203)すると共に、受信した情報にてランキング情報を更新する(S204)。更新の際、1ユーザの記録は最も高い得点の記録のみが残るようにしてもよいし、1ユーザの複数回の記録が重複してランキング情報に登録されるようにしてもよい。
【0044】
ランキング情報の更新後、算出した最終順位はコマンダ300に送信される。このとき、各種集計情報などを一緒に送信するようにしてもよい。最終順位を受信したコマンダ300は、S118にてランキング表示画面Aを表示する。このランキング表示画面Aの様子を図9に示す。504は歌唱採点処理で使用した楽曲の関連情報であり、歌唱名、楽曲名が表示されている。505は、歌唱者のユーザ関連情報であり、ログインしたときに取得する個人設定情報に基づいて表示される。図では、ユーザの写真、あるいは、アバターなどのユーザ関連画像とニックネームが表示されている。506には最終得点が表示され、507には順位関連情報が表示される。図ではこの順位関連情報として、全国順位、集計人数、そして、得点の分布と今回の得点を把握できるグラフが表示されている。このランキング画面Aにて歌唱者は、最終得点、そして、最終順位を確認することができる。
【0045】
ランキング表示画面Aを表示してから所定時間経過するか、あるいは、ユーザによる操作が行われると、図10に示すランキング表示画面Bの表示に移る。この画面ではユーザは、最終得点、最終順位を再確認できると共に、ホスト装置から取得したランキング上位者に関する情報や、集計範囲の異なる順位を確認することができる。本画面の得点関連情報508には、最終得点に加えて、当該楽曲の全国平均点が併せて表示される。また、上位3位の歌唱者に関するランキング上位者情報509が表示される。このランキング上位者情報509には、順位、得点に加え、ユーザ関連画像、ニックネーム、チェーン店名、店舗の場所などが含まれている。これらの情報は、ランキング情報内のユーザID、コマンダIDに基づきホスト装置100内のデータベースを参照して得られる。
【0046】
また、ランキング情報内に記述されるコマンダIDに基づいて集計されたチェーン店内順位510、店内順位511も併せて表示される。このようにこのランキング表示画面Bでは、ユーザは最終得点、最終順位のみならず、上位入賞者に関する各種情報や、全国集計以外の集計範囲での順位などを確認することができる。ランキング表示画面Bを表示してから所定時間経過するか、あるいは、ユーザによる操作が行われると歌唱採点処理が終了する(S120)。
【0047】
以上、歌唱採点処理の全体の流れについて説明を行った。本実施形態では、所定タイミング毎にホスト装置100に途中順位を問い合わせる通信処理としたが、この通信処理に代え、ホスト装置100から予めランキング情報をダウンロードし、コマンダ300側に
て得点をランキング情報と照らし合わせて順位を判定するようにしてもよい。この場合、リアルタイムで更新されるランキング情報と対比することはできないものの、ホスト装置100との通信回数を減らすことができる。なお、最終順位の判定についてのみホスト装置100で管理するランキング情報と対比することで行うこととしてもよい。
【0048】
次に、歌唱採点処理における補正得点算出処理(図5のS107)について図11〜図13を用いて説明を行う。図11は補正得点算出処理を示した図であり、図12は得点係数リストを示した図であり、図13は得点係数が推移する様子を示した図である。
【0049】
補正得点算出処理は、所定時間(5秒)毎のような所定タイミングにて実行されるが、図11には演奏情報が再生開始されてから終了するまでの様子が示されている。演奏情報が再生開始されて1回目の所定タイミングでは、算出された再生開始時点からの平均点である得点aに対して1回目の所定タイミングに設定されている得点係数0.700が乗算
されて補正得点a’が算出される。2回目の所定タイミングでは、算出された得点bに対して2回目の所定タイミングに設定されている得点係数0.723が乗算されて補正得点
b’が算出される。以降、各所定タイミング毎に同様の処理が繰り返され補正得点が順次算出される。
【0050】
図12は補正得点算出処理で使用する得点係数リストを示した図であり、所定タイミングに対応する区間毎に得点係数が設定されている。演奏情報毎に総演奏時間は異なるため、本実施形態では、各演奏情報毎に得点係数リストが作成される。まず、総演奏時間から1.0以下の係数がかかる係数適用時間が算出される。例えば、総演奏時間の80%が係
数適用時間とされる。そして、この係数適用時間と所定タイミングの時間間隔に基づいて所定タイミングの回数を算出する。次に1回目の得点係数、図では0.7が取得される。
次に、最終得点係数を1.0とし、1回目の得点係数に対する係数の上げ幅(最終得点係
数と1回目の得点係数との差)を算出する(図の例では、1−0.7=0.3)。この係数の上げ幅を所定タイミングの回数で除算し、所定タイミング毎の上げ幅を算出し各所定タイミング毎の得点係数が決定される。
【0051】
この実施形態によって決定された得点係数推移の様子を図13のAに示す。初回に0.
7に設定された得点係数が、係数適用時間後に1.0となるまで線形に変化する様子が分
かる。このように、演奏経過に従って増加する得点係数で得点を補正して途中順位を算出することで、序盤は点数を低く抑え演奏が進むに連れて本来の点数に戻していき、途中順位が上昇していくようにみせることが可能となり、歌唱採点処理のゲーム性を高めることができる。また、最後まで歌唱しなかった場合には、本来の得点よりも少ない補正得点となるため、最後まで歌唱しなかった歌唱者に対するペナルティとしても効果を奏する。
【0052】
なお、得点係数は、本実施形態のように線形状に変化するのみならず適宜に選択できるものであり、B、Cに示すように非線形に変化するようにしてもよい。さらに、本実施形態において得点係数リストは、総演奏時間に基づき算出することとしたが、予め用意されている得点係数リストを用いることとしてもよい。その場合、総演奏時間に応じた複数の得点係数リストを用意しておき、切り換えて利用することで楽曲毎の総演奏時間の相違に対応できる。
【0053】
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態に係るカラオケシステムを示した図。
【図2】本発明の実施形態に係るコマンダを示した図。
【図3】本発明の実施形態に係るリモコン装置の外観を示した図。
【図4】本発明の実施形態に係るリモコン装置の内部構成を示した図。
【図5】本発明の実施形態に係る歌唱採点処理のフローを示した図。
【図6】本発明の実施形態に係る通信処理を示した図。
【図7】本発明の実施形態に係るランキング情報を示した図。
【図8】本発明の実施形態に係る再生中画面を示した図。
【図9】本発明の実施形態に係るランキング表示画面Aを示した図。
【図10】本発明の実施形態に係るランキング表示画面Bを示した図。
【図11】本発明の実施形態に係る補正得点算出処理を示した図。
【図12】本発明の実施形態に係る得点係数リストを示した図。
【図13】本発明の実施形態に係る得点係数の推移の様子を示した図。
【符号の説明】
【0055】
50…通信網、60…ルータ、70…無線アクセスポイント、100…ホスト装置、200…リモコン装置、201…リモコン制御部、202…リモコン通信部、203…指紋読取部、204…リモコン記憶部、205…リモコン表示部、206…タッチ式センサ、207…タッチパネル、300…コマンダ、301…制御部、302…通信部、303…フロントパネル表示部、304…表示制御部、305…記憶部、306…入力部、307…音源部、308…ミキシング部、401…アンプ、402…スピーカ、403…マイクロフォン、404…ディスプレイ、405…スタイラス、501…歌詞、502…順位変動A、503…順位変動B、504…楽曲関連情報、505…ユーザ関連情報、506…最終得点、507…順位関連情報、508…得点関連情報、509…ランキング上位者情報、510…チェーン店内順位、511…店内順位
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段と、再生手段と、通信手段と、制御手段とを備えるカラオケ装置であって、
記憶手段は、メロディ情報を含んだ演奏情報を記憶し、
再生手段は、制御手段の制御に基づき演奏情報を再生し、
通信手段は、最終得点を含んで構成される楽曲毎のランキング情報を保持するホスト装置と通信を可能とし、
制御手段は、再生処理と、途中順位処理と、最終順位処理と、更新処理とを可能とし、
再生処理は、指定楽曲の演奏情報を再生手段に再生させると共に、当該演奏情報のメロディ情報とマイクロフォンから入力される音声信号との比較に基づいて所定タイミング毎に得点を算出し、
途中順位処理は、再生処理にて算出された得点を指定楽曲のランキング情報と対比させることで途中順位を判別し、前回の途中順位に対する今回の途中順位の差である比較順位に基づく順位変動を表示手段に表示させ、
最終順位処理は、再生処理にて算出された最終得点を指定楽曲のランキング情報と対比させることで最終順位を判別して表示手段に表示させ、
更新処理は、算出した最終得点により、ホスト装置が保持する指定楽曲のランキング情報を更新する
カラオケ装置。
【請求項2】
途中順位処理では、途中順位を表示手段に表示させる
請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
途中順位処理では、途中順位を表示手段に表示させない
請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
途中順位処理における途中順位の判別、最終順位処理における最終順位の判別は、ホスト装置が保持するランキング情報に通信手段を介して問い合わせることによる
請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のカラオケ装置。
【請求項5】
途中順位処理における途中順位の判別、最終順位処理における最終順位の判別は、通信手段を介してホスト装置から予め受信したランキング情報と対比による
請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のカラオケ装置。
【請求項1】
記憶手段と、再生手段と、通信手段と、制御手段とを備えるカラオケ装置であって、
記憶手段は、メロディ情報を含んだ演奏情報を記憶し、
再生手段は、制御手段の制御に基づき演奏情報を再生し、
通信手段は、最終得点を含んで構成される楽曲毎のランキング情報を保持するホスト装置と通信を可能とし、
制御手段は、再生処理と、途中順位処理と、最終順位処理と、更新処理とを可能とし、
再生処理は、指定楽曲の演奏情報を再生手段に再生させると共に、当該演奏情報のメロディ情報とマイクロフォンから入力される音声信号との比較に基づいて所定タイミング毎に得点を算出し、
途中順位処理は、再生処理にて算出された得点を指定楽曲のランキング情報と対比させることで途中順位を判別し、前回の途中順位に対する今回の途中順位の差である比較順位に基づく順位変動を表示手段に表示させ、
最終順位処理は、再生処理にて算出された最終得点を指定楽曲のランキング情報と対比させることで最終順位を判別して表示手段に表示させ、
更新処理は、算出した最終得点により、ホスト装置が保持する指定楽曲のランキング情報を更新する
カラオケ装置。
【請求項2】
途中順位処理では、途中順位を表示手段に表示させる
請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
途中順位処理では、途中順位を表示手段に表示させない
請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
途中順位処理における途中順位の判別、最終順位処理における最終順位の判別は、ホスト装置が保持するランキング情報に通信手段を介して問い合わせることによる
請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のカラオケ装置。
【請求項5】
途中順位処理における途中順位の判別、最終順位処理における最終順位の判別は、通信手段を介してホスト装置から予め受信したランキング情報と対比による
請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のカラオケ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−60631(P2010−60631A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223594(P2008−223594)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(301027292)株式会社BMB (32)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(301027292)株式会社BMB (32)
【Fターム(参考)】
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