カラオケ装置
【課題】カラオケ演奏に際して各演奏曲のキーに係る情報を分かり易く表示するカラオケ装置を提供する。
【解決手段】各演奏曲の出力に際して、その演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像94を表す補助表示を行うものであることから、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を視覚的に確認することができ、その部分の音を正しく出せているか否かを好適に判断することができる。すなわち、カラオケ演奏に際して各演奏曲のキーに係る情報を分かり易く表示するカラオケ装置16を提供することができる。
【解決手段】各演奏曲の出力に際して、その演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像94を表す補助表示を行うものであることから、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を視覚的に確認することができ、その部分の音を正しく出せているか否かを好適に判断することができる。すなわち、カラオケ演奏に際して各演奏曲のキーに係る情報を分かり易く表示するカラオケ装置16を提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケボックス等で使用されるカラオケ装置に関し、特に、カラオケ演奏に際して各演奏曲のキーに係る情報を分かり易く表示するための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の演奏曲のうちから選択される演奏曲を出力させると共に、その演奏曲の歌詞文字映像を映像表示装置に表示させるカラオケ装置が知られている。斯かるカラオケ装置によれば、予め記憶装置に記憶された多数のカラオケ演奏曲からリモコン装置等により選択(選曲)されたカラオケ演奏曲の音楽情報を出力させると共に、そのカラオケ演奏曲の歌詞情報を含む映像をその出力に同期して画面に表示させることで、所望の歌のカラオケ演奏を楽しむことができる。
【0003】
前記カラオケ装置においては、通常、各演奏曲毎に基本となる音の高さすなわち所謂キーの変更操作が可能とされているが、歌い始め等においてキー変更操作を行うことは煩雑であり、忌避されることが多い。そこで、各利用者の音域に合わせて演奏曲のキーを調整する技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載されたカラオケ装置がそれである。この技術によれば、利用者の歌唱音声を分析してその利用者の声域が該当する声域区分モデルを特定し、その声域区分モデルに応じて予め自動的に演奏曲のキーを変更することで、リモコン操作等を行うことなく簡単な利用手続きで演奏キーを自動設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−172278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記カラオケ装置によりカラオケ演奏を行う利用者の中には、原曲のままのキー(デフォルトのキー設定)で歌うことにこだわる利用者が一定数存在するが、前記従来の技術は、そのように原曲のままのキーで歌いたい利用者にとっては利用価値の低いものであった。更に、原曲のままのキーで歌いたい利用者は、各演奏曲のカラオケ演奏にあたり自分がその演奏曲をちゃんと歌えているかどうかを知りたがる傾向にあり、特に対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を正しく出せているか否かを確認したいという要望を持つことが多いが、従前のカラオケ装置による演奏評価機能では斯かる要望を十分に満足させられなかった。このような課題は、カラオケ装置の利便性向上のために本発明者が研究を継続する過程において新たに見出したものである。すなわち、カラオケ演奏に際して各演奏曲のキーに係る情報を分かり易く表示するカラオケ装置は、未だ開発されていないのが現状である。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、カラオケ演奏に際して各演奏曲のキーに係る情報を分かり易く表示するカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、多数の演奏曲のうちから選択される演奏曲を出力させるのと併行して、その演奏曲の歌詞文字映像を映像表示装置に表示させるカラオケ装置であって、各演奏曲の出力に際して、その演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像を表す補助表示を行うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
このようにすれば、多数の演奏曲のうちから選択される演奏曲を出力させるのと併行して、その演奏曲の歌詞文字映像を映像表示装置に表示させるカラオケ装置において、各演奏曲の出力に際して、その演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像を表す補助表示を行うものであることから、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を視覚的に確認することができる。すなわち、カラオケ演奏に際して各演奏曲のキーに係る情報を分かり易く表示するカラオケ装置を提供することができる。
【0009】
ここで、好適には、前記補助表示に先立ち、対象となる演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方の出力タイミングの所定時間前に、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示を行うものである。このようにすれば、いきなり最高音乃至最低音が指摘されることによる混乱を抑制できることに加え、例えば対象となる演奏曲における最も音が高い部分に向けて喉の調子を整える等の対処が可能となり、更に利便性を向上させることができる。
【0010】
また、好適には、前記補助表示が行われた後、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音と音声入力装置から入力された音声情報とを比較してその音声情報が正しい音程範囲内に含まれるものであるか否かを判定し、その判定結果に応じて対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを示す評価表示を行うものである。このようにすれば、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分の音を正しく出せているか否かを客観的且つ実用的な態様で判断することができる。
【0011】
また、好適には、前記補助表示は、対象となる演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像を、他の歌詞文字映像とは異なる色とすることでその歌詞文字映像が最高音乃至最低音に対応することを表すものである。このようにすれば、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を実用的な態様で指摘することができる。
【0012】
また、好適には、前記カラオケ装置に備えられた入力装置による入力操作に応じて、予め定められた複数の色から、前記補助表示において前記最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像を表す色を選択し得るものである。このようにすれば、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を利用者にとってイメージし易い色により実用的な態様で指摘することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のカラオケ装置及び電子早見本装置が好適に適用されるカラオケシステムを説明する概略図である。
【図2】本実施例のカラオケ装置の構成を例示するブロック線図である。
【図3】図2のカラオケ装置のCPUに備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図4】図2のカラオケ装置によるカラオケ演奏に際して映像表示装置に表示されるカラオケ演奏画面の一例を示す図である。
【図5】図4に示すカラオケ演奏画面において、対象となる演奏曲における最高音を含む単語に対応する歌詞文字映像を表す補助表示の一例を示している。
【図6】図4に示すカラオケ演奏画面において、対象となる演奏曲における最高音を含む単語に対応する歌詞文字映像を表す補助表示の他の一例を示している。
【図7】図2の映像表示装置に表示される、補助表示に係る最高音及び最低音それぞれを表す色等を設定するための補助表示設定画面の一例を示す図である。
【図8】図2の映像表示装置に表示される、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示画面の一例を示す図である。
【図9】図2の映像表示装置に表示される、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを示す評価表示画面の一例を示す図である。
【図10】図2のカラオケ装置のCPUによる選曲入力制御の一例の要部を説明するフローチャートである。
【図11】図2のカラオケ装置のCPUによるカラオケ演奏制御の一例の要部を説明するフローチャートである。
【図12】図11に示すカラオケ演奏制御における歌詞表示制御の要部を説明するフローチャートである。
【図13】図11に示すカラオケ演奏制御と併行して実行される図2のカラオケ装置のCPUによる評価表示制御の一例の要部を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明のカラオケ装置及び電子早見本装置が好適に適用されるカラオケシステム10を説明する概略図である。この図1に示すように、上記カラオケシステム10では、カラオケボックス、スナック、旅館等の店舗12における複数の個室14a、14b、14c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に個室14と称する)にそれぞれ1台乃至は複数台ずつ(図1では1台ずつ)本発明の一実施例であるカラオケ装置16a、16b、16c、・・・(以下、特に区別しない場合には単にカラオケ装置16と称する)が設置されている。これら複数のカラオケ装置16は、ルータ28を介して公衆電話回線等による通信回線18に接続されており、同じくその通信回線18に接続されたカラオケサービス提供会社のサーバ装置(センタ装置)20との相互間でその通信回線18を介して情報の通信が可能とされている。このサーバ装置20は、楽曲データ(カラオケ情報)、背景映像情報、曲間情報等のデジタルコンテンツ(Digital Contents)の保管や入出力管理の基本的な制御を行うサーバであり、上記通信回線18を介して上記カラオケ装置16に定期的にコンテンツの配信を行うと共に、そのカラオケ装置16からの要求に応じて所定の機能制御プログラムを送信するものである。
【0016】
また、上記カラオケシステム10は、複数の電子早見本装置22a、22b、22c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に電子早見本装置22と称する)を備えており、上記カラオケ装置16の利用に際して、各利用者(グループ)毎に1台乃至数台ずつの上記電子早見本装置22が貸与され、各個室14において後述するように上記カラオケ装置16との間で対応付け処理が行われることで、そのカラオケ装置16の遠隔操作装置として用いられるようになっている。また、図1に示すように、上記店舗12内には上記複数のカラオケ装置16を相互に接続するLAN24が敷設されており、上記電子早見本装置22からのカラオケ装置16への入力は、所定のアクセスポイント26及びLAN24を介したLAN通信等により行われる。
【0017】
図2は、上記カラオケ装置16の構成を例示するブロック線図である。この図2に示すように、上記カラオケ装置16は、TFT(Thin Film Transistor Liquid Crystal)やPDP(Plasma Display Panel)等の映像表示装置30と、ビデオボード(グラフィックスボード)等の映像出力制御部32と、映像情報デコーダ34と、ビデオミキサ36と、音源であるシンセサイザ38と、音声入力装置であるマイクロフォン40と、そのマイクロフォン40から入力される音声をディジタル信号に変換するためのA/Dコンバータ41と、アンプミキサ42と、スピーカ44と、操作パネル46と、その操作パネル46等からの入力信号を処理する入出力インターフェイス48と、中央演算処理装置であるCPU50と、読出専用メモリであるROM52と、随時書込読出メモリであるRAM54と、記憶装置であるハードディスク56と、モデム58と、LANポート60と、上記電子早見本装置22やリモコン装置64等の入力装置からのリモコン信号を受信するためのリモコン受信部62とを、備えて構成されている。
【0018】
前記映像出力制御部32は、前記CPU50において生成された歌詞文字映像等の文字映像(テロップ)を出力する文字映像出力装置として機能する他、前記映像表示装置30による種々の映像表示を制御する表示制御装置である。また、前記映像情報デコーダ34は、利用者が歌詞を参照しながら歌唱する際に前記ハードディスク56に記憶された背景映像情報に基づいて所定の背景映像を再生(デコード)する背景映像再生装置である。この背景映像情報は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式のデータであり、そのMPEGデータに基づいて前記映像情報デコーダ34により再生された背景映像は、前記ビデオミキサ36へ送られる。また、そのビデオミキサ36は、前記CPU50において生成され且つ前記映像出力制御部32から出力される文字映像と、前記映像情報デコーダ34により再生される背景映像とを合成して前記映像表示装置30に表示させる映像合成装置である。
【0019】
前記シンセサイザ38は、前記ハードディスク56から読み出されて送られて来るカラオケ演奏曲の演奏情報に基づいて楽器の演奏信号等の音楽信号を生成する音源である。この演奏情報は、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式のデータであり、そのMIDIデータに基づいて前記シンセサイザ38により生成された音楽信号は、アナログ信号に変換されて前記アンプミキサ42へ送られる。そのアンプミキサ42では、送られてきた音楽信号と前記マイクロフォン40を介して入力される利用者(演奏者)の歌声とがミキシングされ、それらの信号が電気的に増幅されて前記スピーカ44から出力される。また、前記A/Dコンバータ41は、音声入力装置である前記マイクロフォン40から入力されるアナログ信号としての音声情報をディジタル信号に変換して前記CPU50等へ供給する。
【0020】
前記操作パネル46は、前記カラオケ装置16の利用者が歌いたいカラオケ演奏曲を選択したり、演奏曲の音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための操作ボタン(スイッチ)或いはつまみを備えた入力装置である。また、前記カラオケ装置16には、前記操作パネル46の一部機能を遠隔で実行するための入力装置として機能するリモコン装置64が備えられており、前記リモコン受信部62は、そのリモコン装置64から送信されるリモコン信号を受信して前記CPU50へ供給する。また、前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との対応付け(くくりつけ)処理も前記リモコン受信部62を介して行われ、そのようにして前記カラオケ装置16に対応付けられた電子早見本装置22も同様に入力装置として機能する。なお、本実施例においては、前記カラオケ装置16に備えられたリモコン装置64や対応付け処理の行われた電子早見本装置22等の入力装置もそのカラオケ装置16の一部を構成するものであるとして以下の説明を行う。
【0021】
前記CPU50は、前記RAM54の一時記憶機能を利用しつつ前記ROM52に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂マイクロコンピュータであり、前記カラオケ装置16に係る各種制御を実行する。すなわち、前記電子早見本装置22やリモコン装置64等により所定のカラオケ演奏曲が選曲された場合、その選曲されたカラオケ演奏曲を前記RAM54に設けられた予約曲テーブルに登録する選曲予約制御、その予約曲テーブルの演奏順に従って前記ハードディスク56から前記RAM54に選曲されたカラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報(楽曲データ)を読み出す楽曲データ読出制御、カラオケ演奏曲の演奏が進行するのに応じてそのRAM54から前記シンセサイザ38へ演奏情報を送信する演奏出力制御、その演奏出力制御に際して前記RAM54に展開された歌詞情報に基づいて歌詞文字映像を生成して前記映像出力制御部32へ送信する歌詞文字映像出力制御、上記演奏出力制御に際して前記映像情報デコーダ34を制御して所定の背景映像を再生させる背景映像出力制御、カラオケ演奏が行われていない間すなわち曲間において、新譜情報、選曲ランキング、店舗広告等の曲間情報を出力させる曲間情報出力制御、及び前記通信回線18を介した前記サーバ装置20との間の情報通信制御等の基本的な制御に加えて、後述する本実施例の歌詞文字映像表示制御に係る補助表示制御等の各種制御を実行する。
【0022】
前記モデム58は、前記カラオケ装置16を公衆電話回線等による通信回線18に接続するための装置であり、前記CPU50から出力されるディジタル信号をアナログ信号に変換して前記通信回線18に送り出すと共に、その通信回線18を介して伝送されるアナログ信号をディジタル信号に変換して前記CPU50に供給する処理を行う。なお、前記店舗12に備えられた複数のカラオケ装置16のうち何れかのカラオケ装置16が前記ルータ28の機能を備えてマスターコマンダとして前記通信回線18に接続される態様も考えられ、その場合、前記モデム58はそのマスターコマンダとして機能するカラオケ装置16には必要とされるが、そのマスターコマンダを介して前記サーバ装置20との間で情報の通信を行う他のカラオケ装置16には必ずしも設けられなくともよい。
【0023】
前記LANポート60は、前記カラオケ装置16をLAN24を介して他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器に接続するための接続器であり、前記カラオケ装置16は、そのようにLAN24を介して接続されることで、他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器との間で情報の送受信が可能とされる。例えば、前記アクセスポイント26を介して受信される前記電子早見本装置22からの選曲入力を受け付けて前記RAM54に設けられた予約曲テーブルに記憶したり、そのアクセスポイント26を介して前記カラオケ装置16から電子早見本装置22へ所定の情報を送信したりというように、電波を介して前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との間における相互の情報のやりとりが実行される。また、前記通信回線18を介しての前記電子早見本装置22とサーバ装置20との間の通信も、このLAN24乃至ルータ28を備えたカラオケ装置16を介して行われる。
【0024】
前記ハードディスク56には、カラオケ演奏曲を出力させるための多数の楽曲データ(カラオケデータ)を記憶する楽曲データベース66(図3を参照)をはじめとする各種データベースが設けられている。カラオケボックス等の店舗にそれぞれ備えられた複数のカラオケ装置16のうち所定のカラオケ装置16例えば前記カラオケ装置16aは、前記モデム58を介して前記通信回線18に接続されており、前記複数のカラオケ装置16によって常に新しい曲が演奏可能とされるように、随時新たな楽曲データ等が前記サーバ装置20から前記通信回線18を介して配信され、前記ハードディスク56の楽曲データベース66等に記憶される。また、そのようにして前記サーバ装置20から情報を取得したカラオケ装置16aとその他のカラオケ装置16との間で前記LAN24を介した通信が行われることにより、各カラオケ装置16のハードディスク56に記憶される情報が共有され、上記楽曲データベース66等の内容が等価なものとされる。
【0025】
上記楽曲データベース66は、前記カラオケ装置16により出力可能な演奏曲にそれぞれ対応する多数(例えば、数万曲分)の楽曲データ(カラオケデータ)を記憶する。この楽曲データは、前記シンセサイザ38により所定の楽器の演奏音を生成するための演奏情報と、歌詞文字映像(歌詞テロップ)を生成するための歌詞情報と、その歌詞情報に基づいて生成された歌詞文字映像を演奏の進行に合わせて順次色替わりさせてゆくための歌詞色替情報とを、含むものであり、コンテンツIDである各演奏曲に固有の選曲番号により識別される。また、上記楽曲データには、その演奏曲の曲名、アーティスト名(歌手名)、発表年月日、ジャンル、曲調等の情報が関連づけられて記憶されている。
【0026】
図3は、前記カラオケ装置16のCPU50に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図3に示す歌詞文字映像表示制御手段70は、前記シンセサイザ38による演奏曲の出力と併行して、その演奏曲の歌詞文字映像を前記映像表示装置30に表示させる歌詞表示制御を行う。具体的には、前記カラオケ装置16によるカラオケ演奏制御において、その演奏に係る楽曲データ(カラオケ情報)に含まれる歌詞情報に基づく歌詞文字映像を生成し、演奏情報の出力すなわち前記シンセサイザ38による演奏音の再生と同期してその歌詞文字映像を前記映像出力制御部32により出力させる。この映像出力制御部32により出力された歌詞文字映像は、前記ビデオミキサ36を介して前記映像情報デコーダ34により出力される背景映像の前面側レイヤに合成され、前記映像表示装置30に表示される。また、上記歌詞文字映像表示制御手段70は、対象となる演奏曲の歌詞情報における複数のフレーズ(予め定められた歌詞の区分)に対応する歌詞文字映像を前記映像表示装置30に表示させると共に、予め定められた切替タイミングに基づいて、その映像表示装置30に表示される歌詞文字映像を順次切り替える表示制御を行う。
【0027】
また、本実施例の制御を行うために、上記歌詞文字映像表示制御手段70は、歌詞色替表示制御手段72、補助表示制御手段74、補助表示色設定手段76、及び予告表示制御手段78を含んでいる。以下、これらの制御機能について、同様に前記CPU50に備えられた最高音・最低音抽出手段80、最高音・最低音評価手段82、及び評価表示制御手段84の機能と合わせて説明する。
【0028】
上記歌詞色替表示制御手段72は、上記歌詞文字映像表示制御手段72により前記映像表示装置30に表示された歌詞文字映像を、対象となる演奏曲の出力(演奏の進行)に合わせて順次色替わりさせてゆく歌詞色替表示制御を行う。具体的には、対象となる楽曲データに含まれる歌詞色替情報に基づいて、前記映像出力制御部32から出力される歌詞文字映像の色を、演奏前であることを示す色(例えば、白色)から演奏後であることを示す色(例えば、黄色)へと順次変更してゆくことで、前記映像表示装置30に表示される歌詞文字映像を順次色替表示させる。この歌詞文字映像の色替表示制御は、前記シンセサイザ38による演奏音の再生と併行して実行されるものであり、前記歌詞色替情報に基づいて実行されるその歌詞文字映像の色替タイミングに従って歌唱を行うことで正しい演奏となるように定められている。
【0029】
前記最高音・最低音抽出手段80は、前記カラオケ装置16によるカラオケ演奏に際して、前記シンセサイザ38により出力される演奏曲における最高音及び最低音に関する情報を抽出する。すなわち、対象となる楽曲データに含まれる演奏情報(MIDIデータ)から、その演奏曲の主旋律(歌唱において発声すべき音程の連なり)に相当するガイドメロディにおける最高音に対応する部分(最も音程の高い部分)及び最低音に対応する部分(最も音程の低い部分)を検出し、上記最高音及び最低音に関する情報として抽出する。この抽出の態様としては、例えば、対象となる演奏曲のガイドメロディにおける最高音及び最低音に相当するタイミング(演奏曲の出力開始から出力終了までの時系列におけるタイミング)を抽出するものであってもよいし、それら最高音及び最低音をそれぞれ含む単語、文節、乃至フレーズを抽出するものであってもよい。更に、対象となる演奏曲において最高音乃至最低音に相当する部分がそれぞれ複数存在する場合には、そのすべてを抽出するものであってもよいし、最高音及び最低音それぞれについて何れか1つのタイミング乃至フレーズ等を選択的に抽出するものであってもよい。
【0030】
前記補助表示制御手段74は、前記カラオケ装置16によるカラオケ演奏に際して、その演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像を表す補助表示を行う。すなわち、前記歌詞文字映像表示制御手段70により前記映像表示装置30に表示される歌詞文字映像に対して、その歌詞文字映像に対応する演奏曲における前記最高音・最低音抽出手段80により抽出された最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する部分(好適には、最高音及び最低音の両方)を指摘する補助的な表示制御を行う。この補助表示制御は、対象となる演奏曲の最高音及び最低音それぞれに対応する単一の歌詞文字映像(ひとつの文字)を表す補助表示を行うものであってもよいし、最高音及び最低音それぞれ含む単語、文節、乃至フレーズを表す補助表示を行うものであってもよい。更には、対象となる演奏曲の最高音及び最低音それぞれを含む範囲を漠然と示す補助表示を行うものであってもよい。
【0031】
図4は、前記カラオケ装置16によるカラオケ演奏に際して前記映像表示装置30に表示されるカラオケ演奏画面の一例を示す図である。この図4に示すように、前記カラオケ装置16によるカラオケ演奏に際しては、前記映像情報デコーダ34により出力された背景映像90の前面側レイヤに、前記歌詞文字映像表示制御手段70により出力された歌詞文字映像92が前記ビデオミキサ36等を介して合成され、前記映像表示装置30に表示される。また、対象となる楽曲データに含まれる歌詞色替情報に基づいて、前記映像表示装置30に表示される歌詞文字映像92の色が、例えば図4の紙面向かって左側から右側へと、演奏前であることを示す色から演奏後であることを示す色へと順次色替え表示される。
【0032】
図5は、図4に示すカラオケ演奏画面において、対象となる演奏曲における最高音を含む単語「場所」に対応する歌詞文字映像94を表す補助表示の一例を示している。この図5に示すように、前記補助表示制御手段74は、好適には、対象となる演奏曲における最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94を、前記映像出力制御部32を介して他の歌詞文字映像92とは異なる色とすることでその歌詞文字映像94が最高音乃至最低音に対応することを表す。例えば、最高音及び最低音何れに対応するものでもない他の歌詞文字映像92の文字色が白色である場合において、最高音に対応する歌詞文字映像94が赤色、最低音に対応する歌詞文字映像94が青色とされる。また、このように他の歌詞文字映像92とは異なる色とされた歌詞文字映像94は、前記歌詞色替表示制御手段72により他の歌詞文字映像92と同様に、演奏後であることを表す色(例えば、黄色)に色替えされるものであってもよいし、他の歌詞文字映像92とは異なる演奏後であることを表す色(例えば、緑色)に色替えされるものであってもよい。更には、最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94については、前記歌詞色替表示制御手段72による色替表示を行うことなく、それぞれが最高音乃至最低音に対応するものであることを表す色のまま維持されるものであっても構わない。
【0033】
また、前記補助表示制御手段74は、対象となる演奏曲における最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像を表す補助表示の他の態様として、図6に示すように、対象となる演奏曲における最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94を帯状のマーカ(マーキング)で表すものであってもよい。具体的には、対象となる演奏曲における最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94に相当する位置であって、その歌詞文字映像94の背面側レイヤであり且つ前記背景映像90の前面側レイヤに、あたかもその歌詞文字映像94を蛍光ペンでなぞったような所定の色(例えば、最高音に対応して赤色、最低音に対応して青色)の帯状のマーカ96を合成する。また、前記補助表示制御手段74による補助表示の他の態様としては、対象となる演奏曲における最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94を点滅(明滅)させたり、その歌詞文字映像94に対応する部分に「この部分が最高音(最低音)!」等のテキストを含む吹き出しを表示させたり、前記歌詞文字映像94の太さ、書体、大きさ等のフォント形態を他の歌詞文字映像92とは異なるものとすること等によりその歌詞文字映像94が最高音乃至最低音に対応することを表すものであってもよい。
【0034】
図3に示す補助表示色設定手段76は、前記カラオケ装置16に備えられた入力装置による入力操作に応じて、予め定められた複数の色から、前記補助表示制御手段74による補助表示において前記最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94を表す色を設定する。すなわち、対象となる演奏曲における最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94を、他の歌詞文字映像92とは異なる色とすることでその歌詞文字映像94が最高音乃至最低音に対応することを表す態様において、前記電子早見本装置22やリモコン装置64等の入力装置を用いた操作に応じて、斯かる補助表示において前記最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94を表す色を選択可能とする。
【0035】
図7は、前記映像表示装置30に表示される、前記補助表示に係る最高音及び最低音それぞれを表す色等を設定するための補助表示設定画面の一例を示す図である。この図7に示すように、本実施例では、前記映像表示装置30に表示された補助表示設定画面に従っての前記電子早見本装置22やリモコン装置64等の入力装置による入力操作に応じて、キー高低表示すなわち前記補助表示制御手段74による前記補助表示を行うか否かの選択、最高音色すなわち対象となる演奏曲における最高音を表す色の選択、最低音色すなわち対象となる演奏曲における最低音を表す色の選択ができるようになっている。図7に示す補助表示設定画面において上記各項目がそれぞれ選択された状態で設定ボタン98が押される(選択入力される)ことで、前記補助表示制御手段74による制御の実行乃至非実行が設定されると共に、前記補助表示色設定手段76により最高音及び最低音にそれぞれに対応する歌詞文字映像94を表す色が設定される。なお、この補助表示設定制御において、図7に示す補助表示設定画面は、前記映像表示装置30に表示されるものであってもよいし、前記電子早見本装置22のタッチパネルディスプレイに表示されるものであってもよい。
【0036】
図3に示す前記予告表示制御手段78は、前記補助表示制御手段74による前記補助表示に先立ち、対象となる演奏曲における最高音及び最低音それぞれの出力タイミングの所定時間前に、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示を行う。例えば、前述したように、カラオケ演奏画面において複数のフレーズに対応する歌詞文字映像が予め定められた切替タイミングに基づいて順次切り替えられる態様においては、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を含む複数のフレーズに対応する歌詞文字映像94(92)に切り替えられる直前の、複数のフレーズに対応する歌詞文字映像92が表示された段階(直前のカラオケ演奏画面に切り替えられた時点)で上記予告表示を行う。また、好適には、対象となる演奏曲における最高音及び最低音それぞれの出力タイミングから一律に予め定められた規定時間(例えば、10秒)前に上記予告表示を行う。
【0037】
図8は、前記映像表示装置30に表示される、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示画面の一例を示す図である。この図8に示すように、本実施例においては、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示として、「次、一番高いとこ来ます!」等のテキストを含む予告映像100を、前記歌詞文字映像92を含むカラオケ演奏画面の一部に表示させる。また、前記予告表示制御手段78による予告表示の他の態様としては、予め定められた、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいていることを表すマーク(例えば、星マーク等)を表示させたり、前記歌詞文字映像92を点滅(明滅)させる等の表示制御を行うものであってもよい。
【0038】
図3に示す前記最高音・最低音評価手段82は、前記補助表示制御手段74による前記補助表示が行われた後、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音と音声入力装置である前記マイクロフォン40から入力された音声情報とを比較して、その音声情報が正しい音程範囲内に含まれるものであるか否かを判定する。具体的には、前記マイクロフォン40から入力された音声情報に対応する音程が、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音をそれぞれ中心とする所定の音程帯域に含まれるか否かを判定する。また、斯かる判定に関して、前記マイクロフォン40から入力された音声情報の音量を判定の要素とするものであってもよい。すなわち、前記マイクロフォン40から入力された音声情報が正しい音程範囲内に含まれる場合であっても、その音程情報に対応する音量が予め定められた閾値未満である場合には上記判定を否定するものであってもよい。
【0039】
前記評価表示制御手段84は、前記最高音・最低音評価手段82による判定結果に応じて、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを示す評価表示を行う。図9は、前記映像表示装置30に表示される、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを示す評価表示画面の一例を示す図である。この図9に示すように、前記評価表示制御手段84は、例えば、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたと判定される場合、すなわち前記最高音・最低音評価手段82による判定が肯定される場合には、「GOOD!」等のテキストを含む評価映像102を、前記歌詞文字映像94(92)を含むカラオケ演奏画面の一部に表示させる。一方、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できなかったと判定される場合、すなわち前記最高音・最低音評価手段82による判定が否定される場合には、「残念!」等のテキストを含む図示しない評価映像を、前記歌詞文字映像94(92)を含むカラオケ演奏画面の一部に表示させる。また、前記評価表示制御手段84による評価表示の他の態様としては、対象となる演奏曲のカラオケ演奏が終了した段階で最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを表示したり、最高音及び最低音が何れも正しく発声できたと判定される場合には「あなたはこの曲を完璧に歌いきりました」等、対象となる演奏曲の全音域を発声できた旨の評価表示を行うものであってもよい。
【0040】
図10は、前記カラオケ装置16のCPU50による選曲入力制御の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0041】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)SS1において、前記電子早見本装置22やリモコン装置64等の入力装置により所定の演奏曲の選曲入力操作が行われたか否かが判断される。このSS1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SS1の判断が肯定される場合には、SS2において、選曲入力に係る演奏曲のカラオケ演奏に際してキー情報を表示させるか否か、すなわち前記補助表示を実行する選択が行われたか否かが判断される。このSS2の判断が否定される場合には、SS6以下の処理が実行されるが、SS2の判断が肯定される場合には、SS3において、選曲入力に係る演奏曲のカラオケ演奏に関してキー情報表示フラグがONとされる。次に、SS4において、最高音乃至最低音を表す色を変更する操作が行われたか否かが判断される。このSS4の判断が否定される場合には、SS6以下の処理が実行されるが、SS4の判断が肯定される場合には、SS5において、前記補助表示における最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像を表す色の設定が変更された後、SS6において、選曲入力操作に係る演奏曲が、SS3にて設定されたキー情報表示フラグ及びSS5にて設定された高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像を表す色の設定等と共に、前記RAM54に設けられた予約曲テーブル等に記憶される予約処理が行われた後、本ルーチンが終了させられる。
【0042】
図11は、前記カラオケ装置16のCPU50によるカラオケ演奏制御の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0043】
先ず、S1において、カラオケ演奏開始に係る演奏曲に対応する楽曲データが前記楽曲データベース66から読み出され、その演奏曲における最高音乃至最低音に係る情報が抽出される。次に、S2において、S1にて読み出された楽曲データにおける演奏情報に基づいて前記シンセサイザ38により演奏曲の出力が行われる。次に、SAにおいて、図12に示す歌詞表示制御が実行される。次に、S3において、カラオケ演奏終了であるか否かが判断される。このS3の判断が否定される場合には、S2以下の処理が再び実行されるが、S3の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。
【0044】
図12は、図11に示すカラオケ演奏制御における歌詞表示制御(歌詞表示サブルーチン)の要部を説明するフローチャートである。この制御では、先ず、SA1において、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音の出力タイミングであるか否かが判断される。このSA1の判断が否定される場合には、SA2において、最高音及び最低音の何れに対応するものでもない通常(通常色)の歌詞文字映像92を表示させるカラオケ演奏画面の表示制御が行われると共に、演奏の進行に伴いその歌詞文字映像92を順次色替表示させる歌詞色替表示制御が行われた後、SA5以下の処理が実行されるが、SA1の判断が肯定される場合には、SA3において、対象となる演奏曲に関してキー情報表示フラグがONであるか否かが判断される。このSA3の判断が否定される場合には、SA2以下の処理が実行されるが、SA3の判断が肯定される場合には、SA4において、最高音乃至最低音を表す色の歌詞文字映像94を含むカラオケ演奏画面の表示制御が行われると共に、演奏の進行に伴いその歌詞文字映像94(92)を順次色替表示させる歌詞色替表示制御が行われた後、SA5において、対象となる演奏曲における最高音又は最低音の出力タイミングの所定時間前であるか否かが判断される。このSA5の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA5の判断が肯定される場合には、SA6において、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示が行われた後、図11に示すカラオケ演奏制御(メインルーチン)へ復帰させられる。
【0045】
図13は、図11に示すカラオケ演奏制御と併行して実行される前記カラオケ装置16のCPU50による評価表示制御の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0046】
先ず、SB1において、カラオケ演奏において、出力に係る演奏曲における最高音又は最低音の出力が終了した(出力タイミングが経過した)か否かが判断される。このSB1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SB1の判断が肯定される場合には、SB2において、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音と前記マイクロフォン40から入力された音声情報とが比較され、その音声情報が最高音又は最低音を中心とする正しい音程範囲内に含まれるものであるか否かが判断(評価)される。次に、SB3において、SB2の判定結果に応じて対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを示す評価表示が行われた後、本ルーチンが終了させられる。
【0047】
以上の制御において、SAが前記歌詞文字映像表示制御手段70の動作に、SA2及びSA4が前記歌詞色替表示制御手段72の動作に、SA4が前記補助表示制御手段74の動作に、SS5が前記補助表示色設定手段76の動作に、SA6が前記予告表示制御手段78の動作に、S1が前記最高音・最低音抽出手段80の動作に、SB2が前記最高音・最低音評価手段82の動作に、SB3が前記評価表示制御手段84の動作にそれぞれ対応する。
【0048】
このように、本実施例によれば、多数の演奏曲のうちから選択される演奏曲を出力させるのと併行して、その演奏曲の歌詞文字映像92を映像表示装置30に表示させるカラオケ装置16において、各演奏曲の出力に際して、その演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像94を表す補助表示を行うものであることから、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を視覚的に確認することができる。すなわち、カラオケ演奏に際して各演奏曲のキーに係る情報を分かり易く表示するカラオケ装置16を提供することができる。
【0049】
また、前記補助表示に先立ち、対象となる演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方の出力タイミングの所定時間前に、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示を行うものであるため、いきなり最高音乃至最低音が指摘されることによる混乱を抑制できることに加え、例えば対象となる演奏曲における最も音が高い部分に向けて喉の調子を整える等の対処が可能となり、更に利便性を向上させることができる。
【0050】
また、前記補助表示が行われた後、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音と音声入力装置である前記マイクロフォン40から入力された音声情報とを比較してその音声情報が正しい音程範囲内に含まれるものであるか否かを判定し、その判定結果に応じて対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを示す評価表示を行うものであるため、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分の音を正しく出せているか否かを客観的且つ実用的な態様で判断することができる。
【0051】
また、前記補助表示は、対象となる演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像94を、他の歌詞文字映像92とは異なる色とすることでその歌詞文字映像94が最高音乃至最低音に対応することを表すものであるため、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を実用的な態様で指摘することができる。
【0052】
また、前記カラオケ装置16に備えられた入力装置である前記電子早見本装置22やリモコン装置64等による入力操作に応じて、予め定められた複数の色から、前記補助表示において前記最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像94を表す色を選択し得るものであるため、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を利用者にとってイメージし易い色により実用的な態様で指摘することができる。
【0053】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0054】
例えば、前述の実施例において、前記歌詞文字映像表示制御手段70、歌詞色替表示制御手段72、補助表示制御手段74、補助表示色設定手段76、予告表示制御手段78、最高音・最低音抽出手段80、最高音・最低音評価手段82、及び評価表示制御手段84は、何れも前記カラオケ装置16のCPU50に機能的に備えられたものであったが、これら制御機能の一部乃至全部が前記電子早見本装置22等の他の装置に備えられたものであってもよい。例えば、前記補助表示制御手段74、補助表示色設定手段76、予告表示制御手段78、及び最高音・最低音抽出手段80が前記電子早見本装置22の制御部に備えられ、その電子早見本装置22のタッチパネルディスプレイに前述した図5に示すような補助表示画面や図8に示すような予告表示画面を表示させる態様も考えられる。
【0055】
また、前述の実施例では特に言及していないが、前記カラオケシステム10の利用者毎に各種情報を記憶する顧客データベースを備えた態様において、前記最高音・最低音評価手段82による評価結果をその顧客データベースに演奏主体(歌唱者)である利用者と対応付けて記憶させるものであってもよい。更に、インターネット等を介して各利用者に係る評価結果を閲覧可能とする態様も考えられる。
【0056】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0057】
16:カラオケ装置、22:電子早見本装置(入力装置)、30:映像表示装置、40:マイクロフォン(音声入力装置)、64:リモコン装置(入力装置)、92:歌詞文字映像、94:最高音乃至最低音に対応する歌詞文字映像
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケボックス等で使用されるカラオケ装置に関し、特に、カラオケ演奏に際して各演奏曲のキーに係る情報を分かり易く表示するための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の演奏曲のうちから選択される演奏曲を出力させると共に、その演奏曲の歌詞文字映像を映像表示装置に表示させるカラオケ装置が知られている。斯かるカラオケ装置によれば、予め記憶装置に記憶された多数のカラオケ演奏曲からリモコン装置等により選択(選曲)されたカラオケ演奏曲の音楽情報を出力させると共に、そのカラオケ演奏曲の歌詞情報を含む映像をその出力に同期して画面に表示させることで、所望の歌のカラオケ演奏を楽しむことができる。
【0003】
前記カラオケ装置においては、通常、各演奏曲毎に基本となる音の高さすなわち所謂キーの変更操作が可能とされているが、歌い始め等においてキー変更操作を行うことは煩雑であり、忌避されることが多い。そこで、各利用者の音域に合わせて演奏曲のキーを調整する技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載されたカラオケ装置がそれである。この技術によれば、利用者の歌唱音声を分析してその利用者の声域が該当する声域区分モデルを特定し、その声域区分モデルに応じて予め自動的に演奏曲のキーを変更することで、リモコン操作等を行うことなく簡単な利用手続きで演奏キーを自動設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−172278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記カラオケ装置によりカラオケ演奏を行う利用者の中には、原曲のままのキー(デフォルトのキー設定)で歌うことにこだわる利用者が一定数存在するが、前記従来の技術は、そのように原曲のままのキーで歌いたい利用者にとっては利用価値の低いものであった。更に、原曲のままのキーで歌いたい利用者は、各演奏曲のカラオケ演奏にあたり自分がその演奏曲をちゃんと歌えているかどうかを知りたがる傾向にあり、特に対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を正しく出せているか否かを確認したいという要望を持つことが多いが、従前のカラオケ装置による演奏評価機能では斯かる要望を十分に満足させられなかった。このような課題は、カラオケ装置の利便性向上のために本発明者が研究を継続する過程において新たに見出したものである。すなわち、カラオケ演奏に際して各演奏曲のキーに係る情報を分かり易く表示するカラオケ装置は、未だ開発されていないのが現状である。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、カラオケ演奏に際して各演奏曲のキーに係る情報を分かり易く表示するカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、多数の演奏曲のうちから選択される演奏曲を出力させるのと併行して、その演奏曲の歌詞文字映像を映像表示装置に表示させるカラオケ装置であって、各演奏曲の出力に際して、その演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像を表す補助表示を行うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
このようにすれば、多数の演奏曲のうちから選択される演奏曲を出力させるのと併行して、その演奏曲の歌詞文字映像を映像表示装置に表示させるカラオケ装置において、各演奏曲の出力に際して、その演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像を表す補助表示を行うものであることから、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を視覚的に確認することができる。すなわち、カラオケ演奏に際して各演奏曲のキーに係る情報を分かり易く表示するカラオケ装置を提供することができる。
【0009】
ここで、好適には、前記補助表示に先立ち、対象となる演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方の出力タイミングの所定時間前に、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示を行うものである。このようにすれば、いきなり最高音乃至最低音が指摘されることによる混乱を抑制できることに加え、例えば対象となる演奏曲における最も音が高い部分に向けて喉の調子を整える等の対処が可能となり、更に利便性を向上させることができる。
【0010】
また、好適には、前記補助表示が行われた後、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音と音声入力装置から入力された音声情報とを比較してその音声情報が正しい音程範囲内に含まれるものであるか否かを判定し、その判定結果に応じて対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを示す評価表示を行うものである。このようにすれば、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分の音を正しく出せているか否かを客観的且つ実用的な態様で判断することができる。
【0011】
また、好適には、前記補助表示は、対象となる演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像を、他の歌詞文字映像とは異なる色とすることでその歌詞文字映像が最高音乃至最低音に対応することを表すものである。このようにすれば、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を実用的な態様で指摘することができる。
【0012】
また、好適には、前記カラオケ装置に備えられた入力装置による入力操作に応じて、予め定められた複数の色から、前記補助表示において前記最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像を表す色を選択し得るものである。このようにすれば、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を利用者にとってイメージし易い色により実用的な態様で指摘することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のカラオケ装置及び電子早見本装置が好適に適用されるカラオケシステムを説明する概略図である。
【図2】本実施例のカラオケ装置の構成を例示するブロック線図である。
【図3】図2のカラオケ装置のCPUに備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図4】図2のカラオケ装置によるカラオケ演奏に際して映像表示装置に表示されるカラオケ演奏画面の一例を示す図である。
【図5】図4に示すカラオケ演奏画面において、対象となる演奏曲における最高音を含む単語に対応する歌詞文字映像を表す補助表示の一例を示している。
【図6】図4に示すカラオケ演奏画面において、対象となる演奏曲における最高音を含む単語に対応する歌詞文字映像を表す補助表示の他の一例を示している。
【図7】図2の映像表示装置に表示される、補助表示に係る最高音及び最低音それぞれを表す色等を設定するための補助表示設定画面の一例を示す図である。
【図8】図2の映像表示装置に表示される、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示画面の一例を示す図である。
【図9】図2の映像表示装置に表示される、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを示す評価表示画面の一例を示す図である。
【図10】図2のカラオケ装置のCPUによる選曲入力制御の一例の要部を説明するフローチャートである。
【図11】図2のカラオケ装置のCPUによるカラオケ演奏制御の一例の要部を説明するフローチャートである。
【図12】図11に示すカラオケ演奏制御における歌詞表示制御の要部を説明するフローチャートである。
【図13】図11に示すカラオケ演奏制御と併行して実行される図2のカラオケ装置のCPUによる評価表示制御の一例の要部を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明のカラオケ装置及び電子早見本装置が好適に適用されるカラオケシステム10を説明する概略図である。この図1に示すように、上記カラオケシステム10では、カラオケボックス、スナック、旅館等の店舗12における複数の個室14a、14b、14c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に個室14と称する)にそれぞれ1台乃至は複数台ずつ(図1では1台ずつ)本発明の一実施例であるカラオケ装置16a、16b、16c、・・・(以下、特に区別しない場合には単にカラオケ装置16と称する)が設置されている。これら複数のカラオケ装置16は、ルータ28を介して公衆電話回線等による通信回線18に接続されており、同じくその通信回線18に接続されたカラオケサービス提供会社のサーバ装置(センタ装置)20との相互間でその通信回線18を介して情報の通信が可能とされている。このサーバ装置20は、楽曲データ(カラオケ情報)、背景映像情報、曲間情報等のデジタルコンテンツ(Digital Contents)の保管や入出力管理の基本的な制御を行うサーバであり、上記通信回線18を介して上記カラオケ装置16に定期的にコンテンツの配信を行うと共に、そのカラオケ装置16からの要求に応じて所定の機能制御プログラムを送信するものである。
【0016】
また、上記カラオケシステム10は、複数の電子早見本装置22a、22b、22c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に電子早見本装置22と称する)を備えており、上記カラオケ装置16の利用に際して、各利用者(グループ)毎に1台乃至数台ずつの上記電子早見本装置22が貸与され、各個室14において後述するように上記カラオケ装置16との間で対応付け処理が行われることで、そのカラオケ装置16の遠隔操作装置として用いられるようになっている。また、図1に示すように、上記店舗12内には上記複数のカラオケ装置16を相互に接続するLAN24が敷設されており、上記電子早見本装置22からのカラオケ装置16への入力は、所定のアクセスポイント26及びLAN24を介したLAN通信等により行われる。
【0017】
図2は、上記カラオケ装置16の構成を例示するブロック線図である。この図2に示すように、上記カラオケ装置16は、TFT(Thin Film Transistor Liquid Crystal)やPDP(Plasma Display Panel)等の映像表示装置30と、ビデオボード(グラフィックスボード)等の映像出力制御部32と、映像情報デコーダ34と、ビデオミキサ36と、音源であるシンセサイザ38と、音声入力装置であるマイクロフォン40と、そのマイクロフォン40から入力される音声をディジタル信号に変換するためのA/Dコンバータ41と、アンプミキサ42と、スピーカ44と、操作パネル46と、その操作パネル46等からの入力信号を処理する入出力インターフェイス48と、中央演算処理装置であるCPU50と、読出専用メモリであるROM52と、随時書込読出メモリであるRAM54と、記憶装置であるハードディスク56と、モデム58と、LANポート60と、上記電子早見本装置22やリモコン装置64等の入力装置からのリモコン信号を受信するためのリモコン受信部62とを、備えて構成されている。
【0018】
前記映像出力制御部32は、前記CPU50において生成された歌詞文字映像等の文字映像(テロップ)を出力する文字映像出力装置として機能する他、前記映像表示装置30による種々の映像表示を制御する表示制御装置である。また、前記映像情報デコーダ34は、利用者が歌詞を参照しながら歌唱する際に前記ハードディスク56に記憶された背景映像情報に基づいて所定の背景映像を再生(デコード)する背景映像再生装置である。この背景映像情報は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式のデータであり、そのMPEGデータに基づいて前記映像情報デコーダ34により再生された背景映像は、前記ビデオミキサ36へ送られる。また、そのビデオミキサ36は、前記CPU50において生成され且つ前記映像出力制御部32から出力される文字映像と、前記映像情報デコーダ34により再生される背景映像とを合成して前記映像表示装置30に表示させる映像合成装置である。
【0019】
前記シンセサイザ38は、前記ハードディスク56から読み出されて送られて来るカラオケ演奏曲の演奏情報に基づいて楽器の演奏信号等の音楽信号を生成する音源である。この演奏情報は、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式のデータであり、そのMIDIデータに基づいて前記シンセサイザ38により生成された音楽信号は、アナログ信号に変換されて前記アンプミキサ42へ送られる。そのアンプミキサ42では、送られてきた音楽信号と前記マイクロフォン40を介して入力される利用者(演奏者)の歌声とがミキシングされ、それらの信号が電気的に増幅されて前記スピーカ44から出力される。また、前記A/Dコンバータ41は、音声入力装置である前記マイクロフォン40から入力されるアナログ信号としての音声情報をディジタル信号に変換して前記CPU50等へ供給する。
【0020】
前記操作パネル46は、前記カラオケ装置16の利用者が歌いたいカラオケ演奏曲を選択したり、演奏曲の音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための操作ボタン(スイッチ)或いはつまみを備えた入力装置である。また、前記カラオケ装置16には、前記操作パネル46の一部機能を遠隔で実行するための入力装置として機能するリモコン装置64が備えられており、前記リモコン受信部62は、そのリモコン装置64から送信されるリモコン信号を受信して前記CPU50へ供給する。また、前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との対応付け(くくりつけ)処理も前記リモコン受信部62を介して行われ、そのようにして前記カラオケ装置16に対応付けられた電子早見本装置22も同様に入力装置として機能する。なお、本実施例においては、前記カラオケ装置16に備えられたリモコン装置64や対応付け処理の行われた電子早見本装置22等の入力装置もそのカラオケ装置16の一部を構成するものであるとして以下の説明を行う。
【0021】
前記CPU50は、前記RAM54の一時記憶機能を利用しつつ前記ROM52に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂マイクロコンピュータであり、前記カラオケ装置16に係る各種制御を実行する。すなわち、前記電子早見本装置22やリモコン装置64等により所定のカラオケ演奏曲が選曲された場合、その選曲されたカラオケ演奏曲を前記RAM54に設けられた予約曲テーブルに登録する選曲予約制御、その予約曲テーブルの演奏順に従って前記ハードディスク56から前記RAM54に選曲されたカラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報(楽曲データ)を読み出す楽曲データ読出制御、カラオケ演奏曲の演奏が進行するのに応じてそのRAM54から前記シンセサイザ38へ演奏情報を送信する演奏出力制御、その演奏出力制御に際して前記RAM54に展開された歌詞情報に基づいて歌詞文字映像を生成して前記映像出力制御部32へ送信する歌詞文字映像出力制御、上記演奏出力制御に際して前記映像情報デコーダ34を制御して所定の背景映像を再生させる背景映像出力制御、カラオケ演奏が行われていない間すなわち曲間において、新譜情報、選曲ランキング、店舗広告等の曲間情報を出力させる曲間情報出力制御、及び前記通信回線18を介した前記サーバ装置20との間の情報通信制御等の基本的な制御に加えて、後述する本実施例の歌詞文字映像表示制御に係る補助表示制御等の各種制御を実行する。
【0022】
前記モデム58は、前記カラオケ装置16を公衆電話回線等による通信回線18に接続するための装置であり、前記CPU50から出力されるディジタル信号をアナログ信号に変換して前記通信回線18に送り出すと共に、その通信回線18を介して伝送されるアナログ信号をディジタル信号に変換して前記CPU50に供給する処理を行う。なお、前記店舗12に備えられた複数のカラオケ装置16のうち何れかのカラオケ装置16が前記ルータ28の機能を備えてマスターコマンダとして前記通信回線18に接続される態様も考えられ、その場合、前記モデム58はそのマスターコマンダとして機能するカラオケ装置16には必要とされるが、そのマスターコマンダを介して前記サーバ装置20との間で情報の通信を行う他のカラオケ装置16には必ずしも設けられなくともよい。
【0023】
前記LANポート60は、前記カラオケ装置16をLAN24を介して他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器に接続するための接続器であり、前記カラオケ装置16は、そのようにLAN24を介して接続されることで、他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器との間で情報の送受信が可能とされる。例えば、前記アクセスポイント26を介して受信される前記電子早見本装置22からの選曲入力を受け付けて前記RAM54に設けられた予約曲テーブルに記憶したり、そのアクセスポイント26を介して前記カラオケ装置16から電子早見本装置22へ所定の情報を送信したりというように、電波を介して前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との間における相互の情報のやりとりが実行される。また、前記通信回線18を介しての前記電子早見本装置22とサーバ装置20との間の通信も、このLAN24乃至ルータ28を備えたカラオケ装置16を介して行われる。
【0024】
前記ハードディスク56には、カラオケ演奏曲を出力させるための多数の楽曲データ(カラオケデータ)を記憶する楽曲データベース66(図3を参照)をはじめとする各種データベースが設けられている。カラオケボックス等の店舗にそれぞれ備えられた複数のカラオケ装置16のうち所定のカラオケ装置16例えば前記カラオケ装置16aは、前記モデム58を介して前記通信回線18に接続されており、前記複数のカラオケ装置16によって常に新しい曲が演奏可能とされるように、随時新たな楽曲データ等が前記サーバ装置20から前記通信回線18を介して配信され、前記ハードディスク56の楽曲データベース66等に記憶される。また、そのようにして前記サーバ装置20から情報を取得したカラオケ装置16aとその他のカラオケ装置16との間で前記LAN24を介した通信が行われることにより、各カラオケ装置16のハードディスク56に記憶される情報が共有され、上記楽曲データベース66等の内容が等価なものとされる。
【0025】
上記楽曲データベース66は、前記カラオケ装置16により出力可能な演奏曲にそれぞれ対応する多数(例えば、数万曲分)の楽曲データ(カラオケデータ)を記憶する。この楽曲データは、前記シンセサイザ38により所定の楽器の演奏音を生成するための演奏情報と、歌詞文字映像(歌詞テロップ)を生成するための歌詞情報と、その歌詞情報に基づいて生成された歌詞文字映像を演奏の進行に合わせて順次色替わりさせてゆくための歌詞色替情報とを、含むものであり、コンテンツIDである各演奏曲に固有の選曲番号により識別される。また、上記楽曲データには、その演奏曲の曲名、アーティスト名(歌手名)、発表年月日、ジャンル、曲調等の情報が関連づけられて記憶されている。
【0026】
図3は、前記カラオケ装置16のCPU50に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図3に示す歌詞文字映像表示制御手段70は、前記シンセサイザ38による演奏曲の出力と併行して、その演奏曲の歌詞文字映像を前記映像表示装置30に表示させる歌詞表示制御を行う。具体的には、前記カラオケ装置16によるカラオケ演奏制御において、その演奏に係る楽曲データ(カラオケ情報)に含まれる歌詞情報に基づく歌詞文字映像を生成し、演奏情報の出力すなわち前記シンセサイザ38による演奏音の再生と同期してその歌詞文字映像を前記映像出力制御部32により出力させる。この映像出力制御部32により出力された歌詞文字映像は、前記ビデオミキサ36を介して前記映像情報デコーダ34により出力される背景映像の前面側レイヤに合成され、前記映像表示装置30に表示される。また、上記歌詞文字映像表示制御手段70は、対象となる演奏曲の歌詞情報における複数のフレーズ(予め定められた歌詞の区分)に対応する歌詞文字映像を前記映像表示装置30に表示させると共に、予め定められた切替タイミングに基づいて、その映像表示装置30に表示される歌詞文字映像を順次切り替える表示制御を行う。
【0027】
また、本実施例の制御を行うために、上記歌詞文字映像表示制御手段70は、歌詞色替表示制御手段72、補助表示制御手段74、補助表示色設定手段76、及び予告表示制御手段78を含んでいる。以下、これらの制御機能について、同様に前記CPU50に備えられた最高音・最低音抽出手段80、最高音・最低音評価手段82、及び評価表示制御手段84の機能と合わせて説明する。
【0028】
上記歌詞色替表示制御手段72は、上記歌詞文字映像表示制御手段72により前記映像表示装置30に表示された歌詞文字映像を、対象となる演奏曲の出力(演奏の進行)に合わせて順次色替わりさせてゆく歌詞色替表示制御を行う。具体的には、対象となる楽曲データに含まれる歌詞色替情報に基づいて、前記映像出力制御部32から出力される歌詞文字映像の色を、演奏前であることを示す色(例えば、白色)から演奏後であることを示す色(例えば、黄色)へと順次変更してゆくことで、前記映像表示装置30に表示される歌詞文字映像を順次色替表示させる。この歌詞文字映像の色替表示制御は、前記シンセサイザ38による演奏音の再生と併行して実行されるものであり、前記歌詞色替情報に基づいて実行されるその歌詞文字映像の色替タイミングに従って歌唱を行うことで正しい演奏となるように定められている。
【0029】
前記最高音・最低音抽出手段80は、前記カラオケ装置16によるカラオケ演奏に際して、前記シンセサイザ38により出力される演奏曲における最高音及び最低音に関する情報を抽出する。すなわち、対象となる楽曲データに含まれる演奏情報(MIDIデータ)から、その演奏曲の主旋律(歌唱において発声すべき音程の連なり)に相当するガイドメロディにおける最高音に対応する部分(最も音程の高い部分)及び最低音に対応する部分(最も音程の低い部分)を検出し、上記最高音及び最低音に関する情報として抽出する。この抽出の態様としては、例えば、対象となる演奏曲のガイドメロディにおける最高音及び最低音に相当するタイミング(演奏曲の出力開始から出力終了までの時系列におけるタイミング)を抽出するものであってもよいし、それら最高音及び最低音をそれぞれ含む単語、文節、乃至フレーズを抽出するものであってもよい。更に、対象となる演奏曲において最高音乃至最低音に相当する部分がそれぞれ複数存在する場合には、そのすべてを抽出するものであってもよいし、最高音及び最低音それぞれについて何れか1つのタイミング乃至フレーズ等を選択的に抽出するものであってもよい。
【0030】
前記補助表示制御手段74は、前記カラオケ装置16によるカラオケ演奏に際して、その演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像を表す補助表示を行う。すなわち、前記歌詞文字映像表示制御手段70により前記映像表示装置30に表示される歌詞文字映像に対して、その歌詞文字映像に対応する演奏曲における前記最高音・最低音抽出手段80により抽出された最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する部分(好適には、最高音及び最低音の両方)を指摘する補助的な表示制御を行う。この補助表示制御は、対象となる演奏曲の最高音及び最低音それぞれに対応する単一の歌詞文字映像(ひとつの文字)を表す補助表示を行うものであってもよいし、最高音及び最低音それぞれ含む単語、文節、乃至フレーズを表す補助表示を行うものであってもよい。更には、対象となる演奏曲の最高音及び最低音それぞれを含む範囲を漠然と示す補助表示を行うものであってもよい。
【0031】
図4は、前記カラオケ装置16によるカラオケ演奏に際して前記映像表示装置30に表示されるカラオケ演奏画面の一例を示す図である。この図4に示すように、前記カラオケ装置16によるカラオケ演奏に際しては、前記映像情報デコーダ34により出力された背景映像90の前面側レイヤに、前記歌詞文字映像表示制御手段70により出力された歌詞文字映像92が前記ビデオミキサ36等を介して合成され、前記映像表示装置30に表示される。また、対象となる楽曲データに含まれる歌詞色替情報に基づいて、前記映像表示装置30に表示される歌詞文字映像92の色が、例えば図4の紙面向かって左側から右側へと、演奏前であることを示す色から演奏後であることを示す色へと順次色替え表示される。
【0032】
図5は、図4に示すカラオケ演奏画面において、対象となる演奏曲における最高音を含む単語「場所」に対応する歌詞文字映像94を表す補助表示の一例を示している。この図5に示すように、前記補助表示制御手段74は、好適には、対象となる演奏曲における最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94を、前記映像出力制御部32を介して他の歌詞文字映像92とは異なる色とすることでその歌詞文字映像94が最高音乃至最低音に対応することを表す。例えば、最高音及び最低音何れに対応するものでもない他の歌詞文字映像92の文字色が白色である場合において、最高音に対応する歌詞文字映像94が赤色、最低音に対応する歌詞文字映像94が青色とされる。また、このように他の歌詞文字映像92とは異なる色とされた歌詞文字映像94は、前記歌詞色替表示制御手段72により他の歌詞文字映像92と同様に、演奏後であることを表す色(例えば、黄色)に色替えされるものであってもよいし、他の歌詞文字映像92とは異なる演奏後であることを表す色(例えば、緑色)に色替えされるものであってもよい。更には、最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94については、前記歌詞色替表示制御手段72による色替表示を行うことなく、それぞれが最高音乃至最低音に対応するものであることを表す色のまま維持されるものであっても構わない。
【0033】
また、前記補助表示制御手段74は、対象となる演奏曲における最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像を表す補助表示の他の態様として、図6に示すように、対象となる演奏曲における最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94を帯状のマーカ(マーキング)で表すものであってもよい。具体的には、対象となる演奏曲における最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94に相当する位置であって、その歌詞文字映像94の背面側レイヤであり且つ前記背景映像90の前面側レイヤに、あたかもその歌詞文字映像94を蛍光ペンでなぞったような所定の色(例えば、最高音に対応して赤色、最低音に対応して青色)の帯状のマーカ96を合成する。また、前記補助表示制御手段74による補助表示の他の態様としては、対象となる演奏曲における最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94を点滅(明滅)させたり、その歌詞文字映像94に対応する部分に「この部分が最高音(最低音)!」等のテキストを含む吹き出しを表示させたり、前記歌詞文字映像94の太さ、書体、大きさ等のフォント形態を他の歌詞文字映像92とは異なるものとすること等によりその歌詞文字映像94が最高音乃至最低音に対応することを表すものであってもよい。
【0034】
図3に示す補助表示色設定手段76は、前記カラオケ装置16に備えられた入力装置による入力操作に応じて、予め定められた複数の色から、前記補助表示制御手段74による補助表示において前記最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94を表す色を設定する。すなわち、対象となる演奏曲における最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94を、他の歌詞文字映像92とは異なる色とすることでその歌詞文字映像94が最高音乃至最低音に対応することを表す態様において、前記電子早見本装置22やリモコン装置64等の入力装置を用いた操作に応じて、斯かる補助表示において前記最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像94を表す色を選択可能とする。
【0035】
図7は、前記映像表示装置30に表示される、前記補助表示に係る最高音及び最低音それぞれを表す色等を設定するための補助表示設定画面の一例を示す図である。この図7に示すように、本実施例では、前記映像表示装置30に表示された補助表示設定画面に従っての前記電子早見本装置22やリモコン装置64等の入力装置による入力操作に応じて、キー高低表示すなわち前記補助表示制御手段74による前記補助表示を行うか否かの選択、最高音色すなわち対象となる演奏曲における最高音を表す色の選択、最低音色すなわち対象となる演奏曲における最低音を表す色の選択ができるようになっている。図7に示す補助表示設定画面において上記各項目がそれぞれ選択された状態で設定ボタン98が押される(選択入力される)ことで、前記補助表示制御手段74による制御の実行乃至非実行が設定されると共に、前記補助表示色設定手段76により最高音及び最低音にそれぞれに対応する歌詞文字映像94を表す色が設定される。なお、この補助表示設定制御において、図7に示す補助表示設定画面は、前記映像表示装置30に表示されるものであってもよいし、前記電子早見本装置22のタッチパネルディスプレイに表示されるものであってもよい。
【0036】
図3に示す前記予告表示制御手段78は、前記補助表示制御手段74による前記補助表示に先立ち、対象となる演奏曲における最高音及び最低音それぞれの出力タイミングの所定時間前に、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示を行う。例えば、前述したように、カラオケ演奏画面において複数のフレーズに対応する歌詞文字映像が予め定められた切替タイミングに基づいて順次切り替えられる態様においては、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を含む複数のフレーズに対応する歌詞文字映像94(92)に切り替えられる直前の、複数のフレーズに対応する歌詞文字映像92が表示された段階(直前のカラオケ演奏画面に切り替えられた時点)で上記予告表示を行う。また、好適には、対象となる演奏曲における最高音及び最低音それぞれの出力タイミングから一律に予め定められた規定時間(例えば、10秒)前に上記予告表示を行う。
【0037】
図8は、前記映像表示装置30に表示される、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示画面の一例を示す図である。この図8に示すように、本実施例においては、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示として、「次、一番高いとこ来ます!」等のテキストを含む予告映像100を、前記歌詞文字映像92を含むカラオケ演奏画面の一部に表示させる。また、前記予告表示制御手段78による予告表示の他の態様としては、予め定められた、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいていることを表すマーク(例えば、星マーク等)を表示させたり、前記歌詞文字映像92を点滅(明滅)させる等の表示制御を行うものであってもよい。
【0038】
図3に示す前記最高音・最低音評価手段82は、前記補助表示制御手段74による前記補助表示が行われた後、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音と音声入力装置である前記マイクロフォン40から入力された音声情報とを比較して、その音声情報が正しい音程範囲内に含まれるものであるか否かを判定する。具体的には、前記マイクロフォン40から入力された音声情報に対応する音程が、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音をそれぞれ中心とする所定の音程帯域に含まれるか否かを判定する。また、斯かる判定に関して、前記マイクロフォン40から入力された音声情報の音量を判定の要素とするものであってもよい。すなわち、前記マイクロフォン40から入力された音声情報が正しい音程範囲内に含まれる場合であっても、その音程情報に対応する音量が予め定められた閾値未満である場合には上記判定を否定するものであってもよい。
【0039】
前記評価表示制御手段84は、前記最高音・最低音評価手段82による判定結果に応じて、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを示す評価表示を行う。図9は、前記映像表示装置30に表示される、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを示す評価表示画面の一例を示す図である。この図9に示すように、前記評価表示制御手段84は、例えば、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたと判定される場合、すなわち前記最高音・最低音評価手段82による判定が肯定される場合には、「GOOD!」等のテキストを含む評価映像102を、前記歌詞文字映像94(92)を含むカラオケ演奏画面の一部に表示させる。一方、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できなかったと判定される場合、すなわち前記最高音・最低音評価手段82による判定が否定される場合には、「残念!」等のテキストを含む図示しない評価映像を、前記歌詞文字映像94(92)を含むカラオケ演奏画面の一部に表示させる。また、前記評価表示制御手段84による評価表示の他の態様としては、対象となる演奏曲のカラオケ演奏が終了した段階で最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを表示したり、最高音及び最低音が何れも正しく発声できたと判定される場合には「あなたはこの曲を完璧に歌いきりました」等、対象となる演奏曲の全音域を発声できた旨の評価表示を行うものであってもよい。
【0040】
図10は、前記カラオケ装置16のCPU50による選曲入力制御の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0041】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)SS1において、前記電子早見本装置22やリモコン装置64等の入力装置により所定の演奏曲の選曲入力操作が行われたか否かが判断される。このSS1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SS1の判断が肯定される場合には、SS2において、選曲入力に係る演奏曲のカラオケ演奏に際してキー情報を表示させるか否か、すなわち前記補助表示を実行する選択が行われたか否かが判断される。このSS2の判断が否定される場合には、SS6以下の処理が実行されるが、SS2の判断が肯定される場合には、SS3において、選曲入力に係る演奏曲のカラオケ演奏に関してキー情報表示フラグがONとされる。次に、SS4において、最高音乃至最低音を表す色を変更する操作が行われたか否かが判断される。このSS4の判断が否定される場合には、SS6以下の処理が実行されるが、SS4の判断が肯定される場合には、SS5において、前記補助表示における最高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像を表す色の設定が変更された後、SS6において、選曲入力操作に係る演奏曲が、SS3にて設定されたキー情報表示フラグ及びSS5にて設定された高音及び最低音にそれぞれ対応する歌詞文字映像を表す色の設定等と共に、前記RAM54に設けられた予約曲テーブル等に記憶される予約処理が行われた後、本ルーチンが終了させられる。
【0042】
図11は、前記カラオケ装置16のCPU50によるカラオケ演奏制御の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0043】
先ず、S1において、カラオケ演奏開始に係る演奏曲に対応する楽曲データが前記楽曲データベース66から読み出され、その演奏曲における最高音乃至最低音に係る情報が抽出される。次に、S2において、S1にて読み出された楽曲データにおける演奏情報に基づいて前記シンセサイザ38により演奏曲の出力が行われる。次に、SAにおいて、図12に示す歌詞表示制御が実行される。次に、S3において、カラオケ演奏終了であるか否かが判断される。このS3の判断が否定される場合には、S2以下の処理が再び実行されるが、S3の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。
【0044】
図12は、図11に示すカラオケ演奏制御における歌詞表示制御(歌詞表示サブルーチン)の要部を説明するフローチャートである。この制御では、先ず、SA1において、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音の出力タイミングであるか否かが判断される。このSA1の判断が否定される場合には、SA2において、最高音及び最低音の何れに対応するものでもない通常(通常色)の歌詞文字映像92を表示させるカラオケ演奏画面の表示制御が行われると共に、演奏の進行に伴いその歌詞文字映像92を順次色替表示させる歌詞色替表示制御が行われた後、SA5以下の処理が実行されるが、SA1の判断が肯定される場合には、SA3において、対象となる演奏曲に関してキー情報表示フラグがONであるか否かが判断される。このSA3の判断が否定される場合には、SA2以下の処理が実行されるが、SA3の判断が肯定される場合には、SA4において、最高音乃至最低音を表す色の歌詞文字映像94を含むカラオケ演奏画面の表示制御が行われると共に、演奏の進行に伴いその歌詞文字映像94(92)を順次色替表示させる歌詞色替表示制御が行われた後、SA5において、対象となる演奏曲における最高音又は最低音の出力タイミングの所定時間前であるか否かが判断される。このSA5の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA5の判断が肯定される場合には、SA6において、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示が行われた後、図11に示すカラオケ演奏制御(メインルーチン)へ復帰させられる。
【0045】
図13は、図11に示すカラオケ演奏制御と併行して実行される前記カラオケ装置16のCPU50による評価表示制御の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0046】
先ず、SB1において、カラオケ演奏において、出力に係る演奏曲における最高音又は最低音の出力が終了した(出力タイミングが経過した)か否かが判断される。このSB1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SB1の判断が肯定される場合には、SB2において、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音と前記マイクロフォン40から入力された音声情報とが比較され、その音声情報が最高音又は最低音を中心とする正しい音程範囲内に含まれるものであるか否かが判断(評価)される。次に、SB3において、SB2の判定結果に応じて対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを示す評価表示が行われた後、本ルーチンが終了させられる。
【0047】
以上の制御において、SAが前記歌詞文字映像表示制御手段70の動作に、SA2及びSA4が前記歌詞色替表示制御手段72の動作に、SA4が前記補助表示制御手段74の動作に、SS5が前記補助表示色設定手段76の動作に、SA6が前記予告表示制御手段78の動作に、S1が前記最高音・最低音抽出手段80の動作に、SB2が前記最高音・最低音評価手段82の動作に、SB3が前記評価表示制御手段84の動作にそれぞれ対応する。
【0048】
このように、本実施例によれば、多数の演奏曲のうちから選択される演奏曲を出力させるのと併行して、その演奏曲の歌詞文字映像92を映像表示装置30に表示させるカラオケ装置16において、各演奏曲の出力に際して、その演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像94を表す補助表示を行うものであることから、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を視覚的に確認することができる。すなわち、カラオケ演奏に際して各演奏曲のキーに係る情報を分かり易く表示するカラオケ装置16を提供することができる。
【0049】
また、前記補助表示に先立ち、対象となる演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方の出力タイミングの所定時間前に、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示を行うものであるため、いきなり最高音乃至最低音が指摘されることによる混乱を抑制できることに加え、例えば対象となる演奏曲における最も音が高い部分に向けて喉の調子を整える等の対処が可能となり、更に利便性を向上させることができる。
【0050】
また、前記補助表示が行われた後、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音と音声入力装置である前記マイクロフォン40から入力された音声情報とを比較してその音声情報が正しい音程範囲内に含まれるものであるか否かを判定し、その判定結果に応じて対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを示す評価表示を行うものであるため、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分の音を正しく出せているか否かを客観的且つ実用的な態様で判断することができる。
【0051】
また、前記補助表示は、対象となる演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像94を、他の歌詞文字映像92とは異なる色とすることでその歌詞文字映像94が最高音乃至最低音に対応することを表すものであるため、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を実用的な態様で指摘することができる。
【0052】
また、前記カラオケ装置16に備えられた入力装置である前記電子早見本装置22やリモコン装置64等による入力操作に応じて、予め定められた複数の色から、前記補助表示において前記最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像94を表す色を選択し得るものであるため、対象となる演奏曲における最も音が高い部分及び最も音が低い部分を利用者にとってイメージし易い色により実用的な態様で指摘することができる。
【0053】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0054】
例えば、前述の実施例において、前記歌詞文字映像表示制御手段70、歌詞色替表示制御手段72、補助表示制御手段74、補助表示色設定手段76、予告表示制御手段78、最高音・最低音抽出手段80、最高音・最低音評価手段82、及び評価表示制御手段84は、何れも前記カラオケ装置16のCPU50に機能的に備えられたものであったが、これら制御機能の一部乃至全部が前記電子早見本装置22等の他の装置に備えられたものであってもよい。例えば、前記補助表示制御手段74、補助表示色設定手段76、予告表示制御手段78、及び最高音・最低音抽出手段80が前記電子早見本装置22の制御部に備えられ、その電子早見本装置22のタッチパネルディスプレイに前述した図5に示すような補助表示画面や図8に示すような予告表示画面を表示させる態様も考えられる。
【0055】
また、前述の実施例では特に言及していないが、前記カラオケシステム10の利用者毎に各種情報を記憶する顧客データベースを備えた態様において、前記最高音・最低音評価手段82による評価結果をその顧客データベースに演奏主体(歌唱者)である利用者と対応付けて記憶させるものであってもよい。更に、インターネット等を介して各利用者に係る評価結果を閲覧可能とする態様も考えられる。
【0056】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0057】
16:カラオケ装置、22:電子早見本装置(入力装置)、30:映像表示装置、40:マイクロフォン(音声入力装置)、64:リモコン装置(入力装置)、92:歌詞文字映像、94:最高音乃至最低音に対応する歌詞文字映像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の演奏曲のうちから選択される演奏曲を出力させるのと併行して、該演奏曲の歌詞文字映像を映像表示装置に表示させるカラオケ装置であって、
各演奏曲の出力に際して、該演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像を表す補助表示を行うものであることを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
前記補助表示に先立ち、対象となる演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方の出力タイミングの所定時間前に、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示を行うものである請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記補助表示が行われた後、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音と音声入力装置から入力された音声情報とを比較して該音声情報が正しい音程範囲内に含まれるものであるか否かを判定し、該判定結果に応じて対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを示す評価表示を行うものである請求項1又は2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記補助表示は、対象となる演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像を、他の歌詞文字映像とは異なる色とすることで該歌詞文字映像が最高音乃至最低音に対応することを表すものである請求項1から3の何れか1項に記載のカラオケ装置。
【請求項1】
多数の演奏曲のうちから選択される演奏曲を出力させるのと併行して、該演奏曲の歌詞文字映像を映像表示装置に表示させるカラオケ装置であって、
各演奏曲の出力に際して、該演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像を表す補助表示を行うものであることを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
前記補助表示に先立ち、対象となる演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方の出力タイミングの所定時間前に、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音が近づいている旨の予告表示を行うものである請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記補助表示が行われた後、対象となる演奏曲における最高音乃至最低音と音声入力装置から入力された音声情報とを比較して該音声情報が正しい音程範囲内に含まれるものであるか否かを判定し、該判定結果に応じて対象となる演奏曲における最高音乃至最低音を正しく発声できたか否かを示す評価表示を行うものである請求項1又は2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記補助表示は、対象となる演奏曲における最高音及び最低音の少なくとも一方に対応する歌詞文字映像を、他の歌詞文字映像とは異なる色とすることで該歌詞文字映像が最高音乃至最低音に対応することを表すものである請求項1から3の何れか1項に記載のカラオケ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−3430(P2013−3430A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136123(P2011−136123)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】
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