説明

カラーを利用した暗号化方法および暗号化装置

【課題】コンピュータで取り扱われるコンピュータオブジェクトを、カラーデータを利用してデータの内容として認識できない常態に変換してコンピュータ上に常置するようにし、コンピュータ上のデータの安全を図るカラー暗号化の方法と装置を提供する。
【解決手段】このカラー暗号化方法は、コンピュータ10等で用いられ、コンピュータで取り扱われるコンピュータオブジェクト31を、メモリ上で、変換部33により、RGB等基づくカラーコード32に基づいて作られるカラーデータ(カラー画像ファイル)に変換するステップと、変換されたカラー画像ファイルをコンピュータの保存メモリに保存するステップと、メモリで、カラー逆変換部34により、保存メモリに保存されたカラー画像ファイルをコンピュータオブジェクトに逆変換するステップと、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーを利用した暗号化方法および暗号化装置に関し、特に、コンピュータ等で取り扱われかつその内部メモリ等に保存されるデータ等をカラー画像ファイルに変換して取り扱うことによりデータ等の破壊・漏洩・改ざん等を防ぐカラーを利用した暗号化方法および暗号化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータおよびその周辺装置、関連する諸種の装置、または通信回線で接続された複数のコンピュータから成るコンピュータシステム等で取り扱われる文書、文字、図形、数式、画像、音声等のデータや情報(プログラムを含む)等を「コンピュータオブジェクト」と呼ぶ。かかるコンピュータオブジェクトでは、従来のコンピュータ等において認識可能な言語、図、絵画等を常態として使用している。またコンピュータ等におけるコンピュータオブジェクトの記録、再生、圧縮等においても同じである。そこで、従来において、直接に認識することを不能にするために記録・再生過程で暗号化処理を行う技術も提案されている(例えば特許文献1等)
【0003】
また本出願人は、先に、「カラーを利用したコンピュータオブジェクトの表現等」に係る発明を提案した(特許文献2)。この発明は、コンピュータの内部で扱われる、あるいはコンピュータを介して扱われるデータまたは情報(コンピュータオブジェクト)を例えばカラードット等の表現手段でカラーを利用して表現しようとする技術であり、印刷手法によって紙等の表面での狭い箇所に所要のデータまたは情報を記録するときにカラードット等で表現する。これにより大量のデータ等を簡単な表記で表現することができる。またこの発明では、カラーを利用した暗号作成の方法についても言及している。
【特許文献1】特開2006−40250号公報
【特許文献2】国際公開WO00/72228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、コンピュータのメモリに保存されたコンピュータオブジェクトが、外部からのウイルスの侵入等によって破壊・改ざんされたり、または外部からの不正アクセスで漏洩したりすることが大きな問題となっている。そこで、コンピュータオブジェクトを破壊、改ざん、漏洩、窃盗等からいかに安全に保護し、さらに侵入ウイルスに対して被害を僅少または皆無にすることができるかということが求められている。
【0005】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、コンピュータで取り扱われかつその内部または外部のメモリに保存されるコンピュータオブジェクトを、カラーに係るデータを利用することによりデータの内容として認識できない常態に変換してコンピュータ上に常置するようにし、PC等のコンピュータ上のデータの安全を図ることができ、カラーの有する暗号化機能をより簡便に活用することができるカラーを利用した暗号化方法および暗号化装置を提供することにある。また、カラーの情報伝達と秘匿性に加えて、絵画、デザイン、写真に見られるカラー表現の芸術性、意匠工芸性と融和するようなカラーコードのプレゼンテーション・サービスを提供するとともに、カラー写真等のカラー画像に随伴する視覚化メッセージの情報発信を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るカラーを利用した暗号化方法および暗号化装置は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
【0007】
第1のカラーを利用した暗号化方法(請求項1に対応)は、1つのコンピュータもしくはその周辺装置で、または通信回線で接続された複数のコンピュータから成るコンピュータシステムで用いられ、コンピュータで取り扱われる少なくとも1つのコンピュータオブジェクトを、コンピュータのワーキングメモリ上で、対応表またはカラー変換キーに基づくカラー変換処理により、RGBまたはCMYKに基づくカラーに係るデータに基づいて作られるカラー画像ファイルに変換するステップと、変換されたカラー画像ファイルをコンピュータの保存メモリに保存するステップと、いずれかのコンピュータで、コンピュータオブジェクトに係る情報を取得する必要があるときに、ワーキングメモリで、対応表またはカラー変換キーに基づくカラー逆変換処理により、保存メモリに保存されたカラー画像ファイルをコンピュータオブジェクトに逆変換するステップと、を有している。
【0008】
上記のカラーを利用した暗号化方法では、コンピュータの内部等で通常において認識可能な常態で存在するコンピュータオブジェクトを、カラーに係るデータ(カラーデータまたはカラーコード)を利用して直接に認識不可能なカラー画像ファイルに変換し、またはカラー画像ファイルからコンピュータオブジェクトに逆変換する。このカラー暗号化方法によれば、変換したカラー画像ファイルを使って表示、保存、変更、移動、変換、コピー、印刷、通信、再生等を行うことにより、その過程でデータの破壊、改ざん、漏洩、窃盗等が行われても、本来のコンピュータオブジェクトが破壊、改ざん、漏洩、窃盗等されることはない。
【0009】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、カラー画像ファイルは、メモリ上でコピーされ、または通信回線を経由して他のコンピュータに送信されることを特徴とする(請求項2に対応)。外部の不正アクセス等においてもデータ内容を秘匿を維持することができる。
【0010】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、カラー画像ファイルに対応する画像を、コンピュータの表示画面に表示し、または印刷手段によって物理的対象物に印刷することを特徴とする(請求項3に対応)。
【0011】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、コンピュータの入力指示手段として備えられた、コンピュータオブジェクト(バイトデータ)またはバイナリデータとカラー画像変換ファイルとの間で変換または逆変換を行うための対応表またはカラー変換キーを指定するカラー暗号化キーを用いて、カラー暗号化をコンピュータ上で実施することを特徴とする(請求項4に対応)。この方法によれば、多数のコンピュータオブジェクト(バイトデータ)またはバイナリデータのうちの一部または全部を選択的にカラー暗号化することができる。
【0012】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、ワーキングメモリまたは保存メモリに存在するコンピュータオブジェクトは複数であって、複数のコンピュータオブジェクトのうちの一部が選択的にカラー暗号化され、ワーキングメモリまたは保存メモリでコンピュータオブジェクトとカラー画像ファイルとが共存することを特徴とする(請求項5に対応)。
【0013】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、ワーキングメモリに存在する複数のコンピュータオブジェクトを、順次に、または設定した時間、またはブロック指定(指定ファイルのグループ、指定ファイル中の指定部分)に従ってカラー暗号化することを特徴とする(請求項6に対応)。この方法によれば、カラー暗号化の処理を選択的に、または利用の実情に応じて行うことができる。
【0014】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、対応表に基づく変換操作を実行するカラーフィルタをワーキングメモリに設け、カラーフィルタを通して、コンピュータオブジェクト(バイトデータ)またはバイナリデータをカラー画像ファイルに変換し、またはカラー画像ファイルをコンピュータオブジェクト(バイトデータ)またはバイナリデータに逆変換し、保存メモリはカラー画像メモリのみを保存することを特徴とする(請求項7に対応)。この方法によれば、ワーキングメモリ(メインメモリ等)に存在することになるコンピュータオブジェクトはすべて自動的にカラー暗号化される。
【0015】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、コンピュータオブジェクトンのバイトデータに係るファイルを圧縮プログラムで圧縮した後、カラー変換キー(カラー暗号キー)に基づく前記カラー変換処理により、カラー画像ファイルに変換することを特徴とする(請求項8に対応)。
【0016】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、コンピュータ内に保存される情報の性質または内容に基づきコンピュータオブジェクトを形成するデータをカラー部分に係るデータと常態部分に係るデータに区分けして構成し、コンピュータオブジェクトはカラー部分と常態部分とで表現されることを特徴とする(請求項9に対応)。
【0017】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、コンピュータオブジェクトとカラー画像ファイルとの間の変換に際して用いられる対応表は、コンピュータオブジェクト、カラーに係るデータ、および自在に設定し得る数値に基づいて構成される変換関係であることを特徴とする(請求項10に対応)。
【0018】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、コンピュータオブジェクト、カラーに係るデータ、および数値に基づいて構成される変換関係を設ける事前準備として、文書作成時にコンピュータオブジェクトを入力手段で入力して登録する度に、または、既存文書のテキスト文をオブジェクト分割して得られるコンピュータオブジェクトに対して数値を割り当てて登録する度に、予め用意したカラーリストの中の未割当てのカラーを新しく登録するコンピュータオブジェクトに順次に割り当て、アドオン累積方式でオブジェクト/数値/カラーに係る対応の変換関係を逐次に組み立てて生成することを特徴とする(請求項11に対応)。
キーボード入力で、ひらがなを打ち込み「かな漢字変換」した時点でオブジェクトを確定し、オブジェクトに連番のカラー数値とカラーリストの未割当てカラーを割り当て、カラーコード表(ONC対応表)にオブジェクト/数値/カラーの1レコードをアドオン登録する。ただし、既登録のオブジェクトが入力された場合は、既登録メッセージを出し上記の処理は行わない。
既存文書のテキスト文に対してオブジェクト毎に区切りの「 ENTER 」入力を行ってオブジェクト分割し、オブジェクトに連番のカラー数値とカラーリストの未割当てカラーを割り当て、カラーコード表(ONC対応表)にオブジェクト/数値/カラーの1レコードをアドオン登録する。ただし、既登録のオブジェクトが入力された場合は、既登録メッセージを出し上記の処理を行わない。
【0019】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、コンピュータオブジェクト、カラーに係るデータ、および数値に基づいて構成される変換関係を設ける事前準備として、数値を省略し、文書作成時にコンピュータオブジェクトを入力手段で入力して登録する度に、または、既存文書のテキスト文をオブジェクト分割して登録する度に、予め用意したカラーリストの中の未割当てのカラーを新しく登録するコンピュータオブジェクトに順次に割り当て、アドオン累積方式でオブジェクト/カラーに係る対応の変換関係を逐次に組み立てて生成することを特徴とする(請求項12に対応)。
キーボード入力で、ひらがなを打ち込み「かな漢字変換」した時点でオブジェクトを確定し、オブジェクトにカラーリストの未割当てカラーを割り当て、カラーコード表(ONC対応表)にオブジェクト/カラーの1レコードをアドオン登録する。ただし、既登録のオブジェクトが入力された場合は、既登録メッセージを出し上記の処理は行わない。
既存文書のテキスト文に対してオブジェクト毎に区切りの「 ENTER 」入力を行ってオブジェクト分割し、オブジェクトにカラーリストの未割当てカラーを割り当て、カラーコード表(ONC対応表)にオブジェクト/カラーの1レコードをアドオン登録する。ただし、既登録のオブジェクトが入力された場合は、既登録メッセージを出し上記の処理を行わない。
【0020】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、カラー画像ファイルをコンピュータオブジェクトに逆変換したとき、設定自在な時間の経過後に、カラーの常態に戻るように構成されることを特徴とする(請求項13に対応)。
【0021】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、カラー変換処理を行う対応表またはカラー変換キー(カラー暗号キー)は、その変更入力を行った後、コンピュータの動作終了に際し、対応表またはカラー変換キーを変更可能に構成され、コンピュータの起動時には変更された対応表またはカラー変換キーが用いられることを特徴とする(請求項14に対応)。
【0022】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、カラー画像ファイルを再度使用するときには、変更された対応表またはカラー変換キーを用いてカラー画像ファイルを逆変換してコンピュータオブジェクトに戻すことを特徴とする(請求項15に対応)。
【0023】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、Eメール・メッセージの保存フォルダに保存されたメッセージデータと、アドレス帳の保存フォルダに保存されたアドレス帳データを前記カラー画像ファイルに変換することを特徴とする(請求項16に対応)。
【0024】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、カラー暗号化キーで指定された対応表に基づきコンピュータ実行可能ファイルをカラー画像ファイルに変換することを特徴とする(請求項17に対応)。
【0025】
上記のカラーを利用した暗号化方法において、変換されたカラー画像ファイルを非感染の正常な基準ファイルとして別途に保存し、実行時にカラー画像ファイルを逆変換してコンピュータ実行可能ファイルを取得するとき、このコンピュータ実行可能ファイルと、基準ファイルとして保存されたカラー画像ファイルとの実行コード部分を比較することによりコンピュータ実行可能ファイルのウィルス付着感染の有無を確認することを特徴とする(請求項18に対応)。
【0026】
本発明に係るカラーを利用した暗号化装置は、1つのコンピュータもしくはその周辺装置で、または、通信回線で接続された複数のコンピュータから成るコンピュータシステムで用いられるカラーを利用した暗号化装置であり、コンピュータで取り扱われる少なくとも1つのコンピュータオブジェクトを、コンピュータのワーキングメモリ上で、対応表またはカラー変換キーに基づくカラー変換処理により、RGBまたはCMYKに基づくカラーに係るデータに基づいて作られるカラー画像ファイルに変換する変換手段を備え、コンピュータオブジェクトとカラー画像ファイルを変換する対応表またはカラー変換キーは設定自在な数値によって構成される(請求項19に対応)。
【0027】
上記のカラーを利用した暗号化装置において、対応表に関する対応関係は、事前の準備処理として、文書作成時にコンピュータオブジェクトをキーボード入力することにより、あるいは既存文書のテキスト文をオブジェクト分割することにより得られるコンピュータオブジェクトに対してカラー数値を発番し、登録する度に、予め用意したカラーリストの中の未割当のカラーを、新しく登録するコンピュータオブジェクトに順次に割当て、アドオン累積方式でコンピュータオブジェクト/カラー数値/カラーの対応関係に係るカラーコード表(ONC対応関係)を順次に組み立てて、生成されることを特徴とする(請求項20に対応)。
【0028】
上記のカラーを利用した暗号化装置において、対応表に関する対応関係は、事前の準備処理として、文書作成時にコンピュータオブジェクトを入力手段で入力することにより、あるいは既存文書のテキスト文をオブジェクト分割することにより得られるコンピュータオブジェクトに対してカラー数値を発番し、登録する度に、予め用意したカラーリストの中の未割当のカラーを、新しく登録するコンピュータオブジェクトに順次に割当て、アドオン累積方式でコンピュータオブジェクト/カラーの対応関係に係るカラーコード表(OC対応関係)を順次に組み立てて、生成されることを特徴とする(請求項21に対応)。
【0029】
上記のカラーを利用した暗号化装置において、変換手段による変換でRGBまたはCMYKに基づくカラーに係るデータに基づいて作られたカラー画像ファイルを逆変換手段で逆変換を行うと、設定自在な時間の経過後に、カラーの常態に戻るように構成されることを特徴とする(請求項22に対応)。
【0030】
上記のカラーを利用した暗号化装置において、変換手段で用意されている、カラー変換処理を行う対応表またはカラー変換キーは、その変更入力を行った後、コンピュータの動作終了に際し、対応表またはカラー変換キーを変更可能に構成され、コンピュータの起動時には変更された対応表またはカラー変換キーが用いられることを特徴とする(請求項23に対応)。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、コンピュータで取り扱われかつその内部または外部のメモリに保存されるコンピュータオブジェクトを、カラーに係るデータを利用することによりデータの内容として認識できない常態(カラー画像ファイル)に変換してコンピュータやコンピュータシステム等の上に常置することができ、PC等のコンピュータ上のデータを外部からの不正アクセスに秘匿し、重要データの保護・安全を図ることができ、カラーの有する暗号化機能をより簡便に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
【0033】
図1は、本発明に係るカラーを用いた暗号化方法が実施されるコンピュータの装置構成を示し、図2は同コンピュータの機能構成の要部を示すブロック図を示す。
【0034】
図1および図2は、コンピュータネットワークをベースとした閉じたコンピュータシステム(コンピュータ・クローズド・システム)の中の1つのコンピュータ10を示している。コンピュータ10は、バス11を介して相互に接続されたCPU(中央処理装置)12、メモリ13、入出力制御部14を備える。さらに入出力制御部14には、保存メモリとしてのハードディスク(HD)21、出力装置としての例えばディスプレイ22、入力装置としての例えばキーボード23、外部装置との間でインターネットを経由して信号送受(通信)を行うためのインターネット・インターフェース(インターネットI/F)24が接続されている。なおインターネット・インターフェース24は一般的に通信部であってもよい。これらの要素21〜24は、入出力制御部14およびバス11を介してCPU12等との間でデータの送受を行う。外部装置は、少なくとも1台の他のコンピュータ25である。コンピュータ10と他のコンピュータ25の間では、インターネットやLAN等の通信回線26を介してプログラムやデータ等のデータ・情報の送受を行えるように通信可能になっている。
【0035】
上記の構成において、メモリ13はメインメモリであり、CPU12によって演算処理されたまたは演算処理が継続されるデータを一時的に保持するワーキングメモリを含んでいる。ハードディスク21は、CPU12により演算処理で作成されメモリ13で一時的に保持されたデータを保存するための保存メモリである。
【0036】
図1で示したハードウェア構成を有するコンピュータ10をその機能構成の観点で表すと、図2に示すごとくなる。
【0037】
図2でブロック10は上述したコンピュータを指している。さらに図2で、ブロック31は例えばメモリ13等に保持されるデータ等の総体を示している。ブロック31のデータ等は、コンピュータ10で取り扱われる文書、文字、記号、図形、数式、画像、音声等の個々のデータや情報(プログラムを含む)である。当該データ等は前述した「コンピュータオブジェクト」であり、ブロック31には「コンピュータオブジェクト」と記載している。なおコンピュータオブジェクト31は、コンピュータ10の周辺装置、関連する諸種の装置、または通信回線で接続された複数のコンピュータから成るコンピュータシステム等においても取り扱われることが可能な対象である。
【0038】
コンピュータオブジェクト31は、PC(Personal Computor)等のコンピュータで、通常的に、または常態的に、認識可能な状態で存在している。コンピュータオブジェクト31は通常のデータファイルを構成している。
【0039】
またブロック32は、本発明によるカラーを利用した暗号化方法で暗号化された「カラー」、または「カラーに係るデータ」(以下「カラーデータ」と記す)の総体を示す。カラーデータ32は、RGBまたはCMYK等のカラーを表すためのデータである。
【0040】
ここで「カラー」とは、コンピュータ内でデータとして取り扱われかつそのディスプレイの画面に表示することが可能な数百万以上の色のことを意味する。当該「カラー」は、原則として、可視光に基づいて通常の人間がその視覚により認識する物理的実在である。当該カラーをコンピュータ10のディスプレイ22の画面上に表示すると、カラーは画面上で色の組合せに基づく表示物、すなわち「カラーコード」の画像として人間の視覚に認識されるものである。
【0041】
なお上記の「カラーデータ」は「カラーディジタル値」である。この「カラーディジタル値」は、カラーの属性に依存する数値であり、コンピュータ上でカラーをデータとして扱うときに割り当てられるディジタル数値である。
【0042】
コンピュオブジェクト31は変換部33によってカラーデータ32に変換(または置換え(置換))される。変換部33の変換/置換え機能、すなわちカラー暗号化機能により作成された上記のカラーデータ32は、仮にディスプレイ22の画面に表示されたとすると、特定のカラーコード画像を表示することができるものである。ここで、「カラーコード画像」は「カラー画像」と同義である。カラーデータ32は、それ自体は、コンピュータ10のメモリ13等の一部やハードディスク21の上において、カラー画像ファイルを形成している。
【0043】
上記において、コンピュータオブジェクト31とカラーデータ32とは対応した関係にある。コンピュータオブジェクト31は、変換部33の変換/置換え機能によって、カラーデータ32に対応づけられる。
【0044】
変換部33の変換/置換え機能は、後述するように、通常的な意味の「変換」の機能と、単なる「置換え」の機能とから構成される。変換部33の「変換」に係る作用は変換機能と置換え機能を含む。置換え機能は、また代替機能であってもよい。変換部33の変換機能に関して、「変換」であるかまたは「置換え」であるかについてはコンピュータオブジェクト31の内容に依存して決まる。例えばバイトデータの文書データ等は置換え処理がなされ、バイナリデータの圧縮データやプログラム等は変換処理がなされる。但し、バイトデータは置換え処理と変換処理ができるが、バイナリデータは変換処理しかできない。実際に、「変換」と「置換え」はコンピュータオブジェクト31に依存して別物であるが、変換部33の変換/置換え機能として統合的に取り扱われる。
【0045】
また逆にカラーデータ32を逆変換部34で変換すると、コンピュータオブジェクト31に戻る。
【0046】
上記の変換部33は、ハードディスク21等に用意されたカラー変換テーブル(ONC対応関係表、OC対応関係表、または置換えプログラム)、あるいはカラー変換キー(カラー暗号キー、または符号化(暗号化)プログラム)を用いた処理に基づいて、「変換/置換え」の機能が実現される。なおカラー変換テーブルも広義にはカラー暗号キーである。
【0047】
さらに逆変換部34は、同様に、ハードディスク21等に用意されたカラー逆変換テーブル(ONC対応関係表、OC対応関係表、または置換えプログラム)、あるいはカラー変換キー(カラー暗号解除キー)を用いた処理に基づいて、逆変換(復元)機能が実現される。
【0048】
カラー逆変換テーブルは、上記のカラー変換テーブルを逆向きに用いるものであり、対応表としては、変換元と変換先が入れ替わるだけであり、実質的に同じものであるということができる。
【0049】
コンピュータオブジェクト31が、変換部33でカラーデータ(カラー画像ファイル)32に変換されると、当該カラーデータ32に基づいて元のコンピュータオブジェクト31の内容を直接に認識し、知ることはできない。カラーデータ32をコンピュータオブジェクト31として認識したい場合には、逆変換部34を使用して元に戻すことが必要である。これによって、コンピュータ10内のメモリ13やハードディスク21等に記憶されるデータ等の秘匿または保全を行うことができる。
【0050】
また図2において、ブロック41は上記ディスプレイ22の画面にカラーデータ32に基づくカラーコード画像を表示する表示機能を示す。ブロック42は上記ハードディスク21にカラーデータ32すなわちカラー画像ファイルを保存する保存機能を示す。ブロック43はCPU12で実行されかつカラーデータ32の複製物を作る複製(コピー)機能を示す。ブロック44は、出力装置の1つである印刷装置を通してカラーコードの画像を印刷する機能を示す。ブロック45は、他のコンピュータ25との間で通信回線26を経由してデータや情報等をカラーデータ32の形式で送受する通信機能を示す。コンピュータ25の内部に示されたブロック46は、コンピュータ10から送信され、かつコンピュータ25内のメモリに保存されたカラーデータを示している。
【0051】
以上のごとく、コンピュータ10の内部では、コンピュータオブジェクト31がカラーデータ32に変換されると、その後は、基本的に、当該カラーデータ32の状態のままで、すなわちコンピュータオブジェクト31に戻すことなく、表示、保存、コピー、印刷、通信が行われる。またコンピュータ10が、通信回線26を経由して外部の他のコンピュータ25との間で通信を行う場合にも通信回線26の上を流れるデータ等はカラーデータ32の形式になっているので、他者がカラーデータ32を取得したとしても、その情報を盗むことはできない。また他のコンピュータ25では、カラーデータ32のままであると、元のコンピュータオブジェクト31を認識することができないので、コンピュータ10に設けられた逆変換部34を備えるように構成することにより、コンピュータオブジェクト31の内容を取得しこれを利用することができる。
【0052】
次に、変換部33と逆変換部34に基づくコンピュータオブジェクト31とカラーデータ32との間の「変換/置換え」および「逆変換(復元)/置換え」について詳述する。
【0053】
図3を参照して、コンピュータオブジェクト31とカラーデータ32の間の変換と逆変換に関する全体的なシステム構成を説明する。
図3において、符号51で示した部分は、コンピュータ10内での変換および逆変換に係る共通プラットフォームを示す。共通プラットフォーム51では、図3で、右側領域に情報置換ルート(情報置換型)に係るカラー暗号化フロー51Aが示され、左側領域に情報変換ルート(情報変換型)に係るカラー暗号化フロー51Bが示され、さらに情報置換ルートのフロー51Aの右側領域に、上記変換部33に設定されるカラー変換テーブル51Cと、上記逆変換部34に設定されるカラー逆変換テーブル51Dと、アプリケーション51Eの例が示されている。
【0054】
情報置換ルート51Aにおいて、変換側51A−1では、カラー変換テーブル51Cを用いて、コンピュータオブジェクト(図3中記号「O」で表現)→カラー数値(図3中記号「N」で表現)→カラーデータ(図3中記号「C」で表現)の置換えがなされる。カラー数値は、異なるカラーを区別する目的で適宜に割り当てられる数値である。この置換えでは、カラー変換テーブル51Cとして「ONC対応関係表」が使用される。なお、中間のカラー数値は省略することもできる。この場合には、カラー変換テーブル51Cとして「OC対応関係表」が使用される。
【0055】
上記のカラー変換テーブル51Cは、コンピュータオブジェクト(O)をカラーデータ(C)に対応させるためのオブジェクトマッチング(OM:最長一致探索)の働きを有している。
カラー変換テーブル51Cとしては、例えば、日本語辞書(標準)、任意に準備されるユーザ辞書、文字コード等が用いられる。
また観点を変えると、上記のカラー変換テーブル51C(「ONC対応関係表」または「OC対応関係表」)は、コンピュータオブジェクトを暗号化するカラーデータに置き換えるカラー暗号化テーブルとして機能する。
【0056】
変換で作られたカラーデータ(C)は、前述した通りカラーコード画像またはカラー画像を形成する。換言すれば、図3に示すごとくビットマップ(BMP)画像52として取り扱われる。
【0057】
さらに情報置換ルート51Aの逆変換側51A−2では、カラー逆変換テーブル51Dを用いて、カラーデータ(C)→カラー数値(N)→コンピュータオブジェクト(O)の変換がなされる。この変換では、カラー逆変換テーブル51Dとして「ONC対応関係表」または「OC対応関係表」が使用される。
【0058】
また情報変換ルートのフロー51Bは上記の情報置換ルートのフロー51Aとは別ものとして用意される。情報変換ルート51Bにおいて、変換側では、コンピュータオブジェクト(O)のうちの「Byte/Binary File」については、「Byte/Binary File」→疑似カラー化の変換を行い、その後に、上記の「カラー暗号キー」を用いて上記のカラーデータ(C)に変換する。情報変換ルート51Bにおける以上の変換側の内容は、上記の情報置換ルート51Aの変換側51A−1に対応している。
【0059】
さらに情報変換ルート51Bの逆変換側では、疑似カラー化→「Byte/Binary File」の変換がなされる。この変換では、上記のカラー暗号化キーが使用される。
また情報変換ルートのフロー51Bにおいて、変換側で、コンピュータオブジェクト(O)のうちのバイトデータについては、バイトデータ→データ圧縮→疑似カラー化の変換を行い、その後に、上記の「カラー暗号キー」を用いて上記のカラーデータ(C)に変換する。またこの場合、情報変換ルート51Bの逆変換側では、「カラー暗号キー」を用いてカラーデータ(C)を疑似カラー化データに変換した後、疑似カラー化→データ伸張→「Byte/Binary File」の変換がなされる。この変換でも上記のカラー暗号化キーが使用される。
【0060】
上記において、コンピュータオブジェクト(O)をカラーデータ(C)に変換した後におけるビットマップ画像52は、情報置換ルート51Aおよび情報変換ルート51Bで共通のデータ状態にある。前述のコンピュータ10において変換されたカラーデータ32は、図3ではビットマップ画像52として示されている。従ってコンピュータ10のハードディスクク21等に保存されるカラー画像ファイルはビットマップ画像52の形式を有している。
【0061】
上記のビットマップ画像52、すなわちコンピュータ10内で取り扱われまたは保存されるカラー画像ファイルは、アプリケーション51Eとして、Web/eメール、電子文書/電子図面タグ、FA画像ラインコード、またはカラー暗号化等として用いられる。またコンピュータ10から他のコンピュータ25や携帯電話等への通信として、インターネット53を利用して送信され得る。
【0062】
以上のごとく、変換部33は、ハードディスク21等に用意されたカラー変換テーブル51Cまたはカラー暗号キーを用いた処理に基づいて実現される変換/置換え機能である。このカラー変換テーブル51C等の内容は、当該カラー変換テーブル51C等が対応づけるコンピュータオブジェクト31の内容とカラーデータ32の内容とに応じて事前に任意に決定されている。図2において、コンピュータオブジェクト31の中には、1つ、複数、または多数のコンピュータオブジェクトが含まれている。複数のコンピュータオブジェクトの各々は、前述の通り、コンピュータ10で取り扱われる文書、文字、記号、図形、数式、画像、または音声等のデータ等あるいはプログラムである。コンピュータオブジェクト31に含まれる要素は、その内容に応じて、前述した情報変換型または情報置換型に基づきカラー暗号化される。
図15に示した図表では、カラー変換処理の2つのタイプ、すなわち、情報変換ルートと情報置換ルートを、「処理方式」、「対象データ」、「暗号化媒介データ」、および「暗号化方法」の各項目について対比して示している。
【0063】
以下において、カラー暗号化の処理の具体的な実施例を説明する。
【0064】
図4と図5は、カラー暗号化処理の第1の実施例を示し、この例は情報変換型暗号の例である。図4はカラー暗号化の処理フローを示し、図5はカラー暗号化処理に基づく対象物の状態の遷移を示している。
【0065】
最初の段階では、常態で認識可能なコンピュータオブジェクト61はバイトデータの形式を有している。また、これとは別に、コンピュータ・プログラムの実行可能形式などは、バイナリ形式を有する。つまり、コンピュータ上のファイルは、一般にバイト形式かバイナリ形式のいずれかの形式を有しており、これらをまとめて「Byte/Binary File」と表現する。コンピュータ上のファイル「Byte/Binary File」は、3バイトデータ形式(3Byte/24bits)で構成されるRGB疑似カラー化処理に基づきRGB疑似カラーデータ62になる(ステップS11)。その後、例えばキーボード23を介して入力され、または予め自動的処理で組み込まれたカラー変換キーまたはカラー暗号化キー63に基づいて、暗号化すべきコンピュータオブジェクト61に対応する上記RGB疑似カラーデータ62を、R’G’B’暗号カラーデータ64に変換する(ステップS12)。
【0066】
上記において、カラー変換キーすなわちカラー暗号化キー63には、乱数シャッフルの3×256バイトの2次元テーブルが用いられる。
ここで、乱数シャッフルとは、RGB3バイトの各バイトデータの取り得る数値=0〜255の順列に対して発生させた乱数を割り当ててソートし前記の順列を並べ換えることを言う。順列を並び換えたテーブルを用いることにより、RGB3バイトの各バイトデータを入れ替えて変換し暗号化する。従って、乱数シャッフルのカラー変換キー(カラー暗号化キー)は、RGB毎の各バイトデータを並び換える3×256の2次元テーブルである。その順列並べ換えの場合の数は、(256!) =101520 もの天文学的数字になる。但し、簡略法としてRGBの3バイトの各々に対して共通の乱数シャッフルを行ってもよい。簡略法のカラー変換キー(カラー暗号化キー)は、RGB毎の各バイトデータを並び換える共通の1×256の1次元テーブルである。やはり、このときの順列並べ換えの場合の数は、256!=10506 もの天文学的数字になる。
またカラー変換キー(カラー暗号化キー)63の例を図16に示す。図16の(A)は、カラー変換キー(カラー暗号キー)63の2次元テーブル(3×256)を示す。この2次元テーブルは、RGBごとに0〜255の順列を並べ替えるテーブルである。図16の(B)は、カラー変換キー(カラー暗号キー)63の1次元テーブル(1×256)を示す。この1次元テーブルは、RGBごとに0〜255の順列を並べ替えるテーブルである。
【0067】
さらにその後において、BMP画像フォーマット変換を実行することにより、R’G’B’暗号カラーデータ64を暗号化カラーコード画像に係るデータ(カラーデータ)65に変換し、暗号化カラーコード画像を生成する(ステップS13)。
【0068】
次に図6と図7は、カラー暗号化処理の第2の実施例を示し、この例は情報変換型暗号の例であって、かつデータ圧縮の形式をとる例である。図6はカラー暗号化の処理フローを示し、図7はカラー暗号化処理に基づく対象物の状態の遷移を示している。
【0069】
図7において、図5で説明した要素には同一の符号を付している。最初の段階では、常態で認識可能なコンピュータオブジェクト61は前述したバイトデータの形式を有する。このコンピュータオブジェクト61は、次に圧縮ソフトに基づいてバイナリ形式の圧縮データ71に変換される(ステップS21)。その圧縮データ71は、前述のごとく24ビットのデータ形式でRGB疑似カラー化処理に基づきRGB疑似カラー62になる(ステップS22)。
【0070】
その後、上記のカラー変換キーまたはカラー暗号化キー63に基づいて、暗号化すべきコンピュータオブジェクト61に対応する上記RGB疑似カラーデータ62を、R’G’B’暗号カラーデータ64に変換する(ステップS23)。さらにその後において、BMP画像フォーマット変換を実行することにより、R’G’B’暗号カラーデータ64を暗号化カラーコード画像に係るデータ(カラーデータ)65に変換し、暗号化カラーコード画像を生成する(ステップS24)。
【0071】
次に図8と図9は、カラー暗号化処理の第3の実施例を示し、この例は情報置換型暗号の例である。図8はカラー暗号化の処理フローを示し、図9はカラー暗号化処理に基づく対象物の状態の遷移を示している。
【0072】
図9において、最初の段階の常態で認識可能なコンピュータオブジェクト61は、カラーコード表81に基づいて、カラーデータ(カラーコード)82に変換する(ステップS32)。ここで、カラーコード表81は、前述したカラー変換テーブル(カラー暗号化テーブル)であり、より具体的にはONC対応関係表(ONC対応表)またはOC対応関係表(OC対応表)である。ステップS31では、より詳しくは、ONC対応表を用いてコンピュータオブジェクト(O:Byte File)をカラー数値(N)を経由してカラーデータ(C)に置換する。さらにその後のステップS32では、BMP画像フォーマット変換を実行することにより、カラーデータ82を暗号化カラーコード画像に係るデータ(カラーコード)65に変換し、暗号化カラーコード画像を生成する。
【0073】
上記のカラー暗号化処理では、カラー変換テーブルすなわちカラー暗号化テーブルは、ONC対応表またはOC対応表となる。
【0074】
次に図10は、カラー暗号化処理の第4の実施例を示し、この例は情報置換型暗号の例であって、ONC対応表を変更する例である。図10はカラー暗号化の処理フローを示している。
【0075】
図10の処理フローでは、最初のステップS41でONC対応表における対応関係が変更される。その後、ステップS42では、変更されたONC対応表を用いてコンピュータオブジェクト(O:Byte File)をカラー数値(N)を経由してカラーデータ(C)に置換する。さらにその後のステップS43では、BMP画像フォーマット変換を実行することにより、カラーデータを暗号化カラーコード画像に係るデータ(カラーコード)に変換し、暗号化カラーコード画像を生成する。
ONC対応表における対応関係を変更するには、ONC対応表においてON対応関係とNC対応関係のそれぞれの対応関係を組み換えればよい。あるいは、ONC対応表の代わりに、OC対応表のOC対応関係を組み換えてもよい。対応関係の変更により、ログインパスワードを定期的に変更するがごとくに暗号強度を高めることができる。
図17にONC対応表の図解例を示す。図17で(A)はオブジェクト/カラー対応表(OC対応表)に関してのカラー並べ替えとOC対応関係の組み換えの例を示し、(B)はオブジェクト/カラー数値対応表(ON対応表)に関してのカラー数値並べ替えとON対応関係の組み換えの例を示し、(C)はカラー/カラー数値対応表(ON対応表)に関してのカラー数値並べ替えとCN対応関係の組み換えの例を示している。
【0076】
上記の処理のフローにおいて、第1および第2の実施例では、例えば、コンピュータを操作するオペレータにより人為的にカラー暗号化キー63を与えることにより、カラー暗号化を行うコンピュータオブジェクトを選択して行うようにしていた。従って、メモリ13に存在する複数のコンピュータオブジェクト31のすべてがカラー暗号化される訳ではない。その一部が暗号化される。その結果、メモリ13あるいはハードディスク21では、常態で認識可能なコンピュータオブジェクトとカラー暗号化されたカラー画像ファイルが共存することになる。なお、オペレータの意思に基づき複数のコンピュータオブジェクト31のすべてをカラー暗号化することもできる。
【0077】
上記の第3の実施例では、例えば、コンピュータオブジェクト61に対してカラーコード表(カラー変換テーブルの1つであり、対応表である。)によって自動的にカラー置換、すなわちカラー画像ファイルに変換する。この場合には、すべてのコンピュータオブジェクト61が自動的にカラー暗号化される構成になっている。
【0078】
図11は、メモリ13に対してカラーフィルタを付加した構成を示している。ブロック13は前述したメモリ13を概念的に示している。その中にブロック91によってカラーフィルタが設けられている。カラーフィルタ91はソフトウェアによって実現されるフィルター機能である。当該カラーフィルタ91によれば、そのカラー暗号化機能(カラー変換/置換え機能)に基づいてコンピュータオブジェクト(バイトデータ)またはバイナリデータをカラーデータ(カラーコード)に変換し、反対に復元機能(逆変換機能)に基づいてコンピュータオブジェクト(バイトデータ)またはバイナリデータに逆変換する。なお、カラーフィルタ91の変換・逆変換機能の動作は、変換データ92によって指定する。変換データ92は、カラーコード表またはカラー暗号化キーから成る要素である。カラーフィルタ91による変換機能で作成されたカラーすなわちカラー画像ファイルは、符号93で示されるようにハードディスク21の内部に保存される。メモリ13とハードディスク21との間では、必要に応じて、カラー画像ファイルの保存またはカラー画像ファイルの取出しが実行される。
【0079】
上記のカラー暗号化方法において、メモリ13に存在する複数のコンピュータオブジェクト31のそれぞれの暗号化を行うタイミングあるいは時間的な制御に関しては、順次に行ってもよいし、また例えばすべてのコンピュータオブジェクト31をカラー暗号化する場合において設定した時間に従ってカラー暗号化することもできる。さらに、ブロック指定(指定ファイルのグループ、指定ファイル中の指定部分)に従ってカラー暗号化することもできる。このようなカラー暗号化処理は、カラー暗号化の処理を、選択的に、または利用の実情に応じて行うことができる。
【0080】
さらに図12〜図14を参照して、変換部33および逆変換部34に基づくカラー暗号化処理に関する第5から第7の他の実施例を説明する。これらの3例は、情報変換型暗号の例である。
【0081】
図12は、カラー変換キーを自在に変更して自動的にカラー暗号化を実行するようにした処理フローを示す。この処理によれば、本発明に係るカラー暗号化処理システムの構成において、コンピュータ10等に基づくシステムを起動した(ステップS51)後に、システム稼動中に「カラー変換キー」を変更するための入力を行うと(ステップS52)、その後、当該カラー変換キーの変更が登録される(ステップS53)。その後にシステムを終了すると、その終了時(ステップS54)に、変更登録されたカラー変換キーに基づいてハードディスク21上に記憶されているカラーデータ(カラー画像ファイル)32のすべてが自動的に再構成される(ステップS55)。再度システムを稼動させてデータ処理を行うときには、変更されたカラー変換キーが使用されることになる。
【0082】
図13は、第1の方式の自動暗号化の処理フローを示す。この処理では、コンピュータ10等に基づくシステムを起動し(ステップS61)、ハードディスク21上に記憶されたカラーデータ93の中の任意のものを選択するクリックを行うと(ステップS62)、カラー変換キーによって当該カラーデータは自動的に逆変換(復号化)される(ステップS63)。なお、次のステップS64を設けて、他のコンピュータオブジェクトを新規に入力することもできる。ステップS65では、メモリ13に記憶されるコンピュータオブジェクト31に関してその編集あるいは利用が実行される。コンピュータオブジェクト31の編集/利用を終了した後には、「順次」に、「設定した時間」に基づき、あるいは「ブロック指定」等に基づいてカラー変換キーによりコンピュータオブジェクト31の変換がなされ、自動カラー暗号化が実行される(ステップS66)。ここで、上記の「設定した時間」としては、例えば、スケジュール設定による「設定した時刻」または「時間の経過」である。また上記の「ブロック指定」とは、一括処理する複数ファイルのグループ指定のことである。その後、システムは終了する(ステップS67)。
【0083】
上記のおいて、使用される「カラー変換キー」としては「予め事前に設定されたカラー変換キー」あるいは「変更登録されたカラー変換キー」である。また、上記のおいて、使用される「カラー変換テーブル(ONC対応表)」としては「予め事前に設定されたカラー変換テーブル(ONC対応表)」あるいは「変更登録されたカラー変換テーブル(ONC対応表)」である。
【0084】
図14は、第2の方式の自動暗号化の処理フローを示す。この処理フローは、送信側のコンピュータ10から受信側の他のコンピュータ25にカラーデータ(カラー画像ファイル)32が送信され、その後、当該カラーデータ32が他のコンピュータ等25のハードディスクに保存された状態において、他のコンピュータ等25で実行される処理フローである。
【0085】
受信側の他のコンピュータ(PC)25において、ハードディスクに保存されたカラーデータを選択するためのクリックを行うと(ステップS71)、他の入力ルートにより変更登録されたカラー変換キーを入力し(ステップS72)、当該カラー変換キーを用いて上記カラーデータを逆変換(復号化)する(ステップS73)。逆変換されてコンピュータオブジェクトに戻った当該オブジェクトは編集または利用される(ステップS74)。コンピュータオブジェクトの編集/利用を終了した後には、設定した時間の経過でカラー変換キーによりコンピュータオブジェクトの変換がなされ、自動カラー暗号化が実行される(ステップS75)。他のコンピュータ25で、カラーデータを再度利用する場合には、カラー変換キーの再度の入力が必要である。上記の3例(図12〜図15)において、カラー変換キー → カラー変換テーブル(ONC対応表)に置き換えれば、情報置換型暗号化の例となる。
【0086】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、コンピュータまたはコンピュータシステムでのデータの保存、通信等において情報の秘匿または外部の不正アクセスに対するデータの保護・安全化に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明に係るカラー暗号化方法が実行されるコンピュータ等のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るカラー暗号化方法が実行されるコンピュータ等の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るカラー暗号化方法におけるコンピュータオブジェクトとカラーデータの間の変換と逆変換に関する全体的なシステム構成図である。
【図4】本発明に係るカラー暗号化方法の第1の実施例を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施例のカラー暗号化方法に基づく対象物の状態の遷移図である。
【図6】本発明に係るカラー暗号化方法の第2の実施例を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施例のカラー暗号化方法に基づく対象物の状態の遷移図である。
【図8】本発明に係るカラー暗号化方法の第3の実施例を示すフローチャートである。
【図9】第3の実施例のカラー暗号化方法に基づく対象物の状態の遷移図である。
【図10】本発明に係るカラー暗号化方法の第4の実施例を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係るカラー暗号化方法を実行するメモリ等の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明に係るカラー暗号化方法の第5の実施例を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係るカラー暗号化方法の第6の実施例を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係るカラー暗号化方法の第7の実施例を示すフローチャートである。
【図15】カラー変換処理の2つのタイプ、すなわち情報変換ルートと情報置換ルートを対比して示す図表である。
【図16】カラー変換キー(カラー暗号化キー)の例を示す図表である。
【図17】ONC対応表の図解するための図表である。
【符号の説明】
【0089】
10 コンピュータ
12 CPU
13 メモリ
14 入出力制御部
21 ハードディスク
25 他のコンピュータ
31,51 コンピュータオブジェクト
32 カラーコード
33 変換部
34 逆変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのコンピュータもしくはその周辺装置で、または、通信回線で接続された複数のコンピュータから成るコンピュータシステムで用いられるカラーを利用した暗号化方法であり、
前記コンピュータで取り扱われる少なくとも1つのコンピュータオブジェクトを、前記コンピュータのワーキングメモリ上で、対応表またはカラー変換キーに基づくカラー変換処理により、RGBまたはCMYKに基づくカラーに係るデータに基づいて作られるカラー画像ファイルに変換するステップと、
変換された前記カラー画像ファイルを前記コンピュータの保存メモリに保存するステップと、
いずれかの前記コンピュータで、前記コンピュータオブジェクトに係る情報を取得する必要があるときに、ワーキングメモリで、前記対応表または前記カラー変換キーに基づくカラー逆変換処理により、前記保存メモリに保存された前記カラー画像ファイルを前記コンピュータオブジェクトに逆変換するステップと、
を有することを特徴とするカラーを利用した暗号化方法。
【請求項2】
前記カラー画像ファイルは、メモリ上でコピーされ、または前記通信回線を経由して他のコンピュータまたはこれに類似する機器に送信されることを特徴とする請求項1記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項3】
前記カラー画像ファイルに対応するカラーコード画像を、前記コンピュータの表示画面に表示し、または印刷手段によって物理的対象物に印刷することを特徴とする請求項1記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項4】
前記コンピュータの入力指示手段として備えられた、前記コンピュータオブジェクトと前記カラー画像変換ファイルとの間で変換または逆変換を行うための前記対応表または前記カラー変換キーを指定するカラー暗号化キーを用いて、カラー暗号化を前記コンピュータ上で実施することを特徴とする請求項1記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項5】
前記ワーキングメモリまたは前記保存メモリに存在する前記コンピュータオブジェクトは複数であって、複数の前記コンピュータオブジェクトのうちの一部が選択的にカラー暗号化され、前記ワーキングメモリまたは前記保存メモリで前記コンピュータオブジェクトと前記カラー画像ファイルとが共存することを特徴とする請求項4記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項6】
前記ワーキングメモリに存在する複数の前記コンピュータオブジェクトを、順次に、設定した時間、またはブロック指定に従ってカラー暗号化することを特徴とする請求項1記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項7】
前記対応表または前記カラー変換キーに基づく変換操作を実行するカラーフィルタを前記ワーキングメモリに設け、前記カラーフィルタを通して、前記コンピュータオブジェクトを前記カラー画像ファイルに変換し、または前記カラー画像ファイルを前記コンピュータオブジェクトに逆変換し、前記保存メモリは前記カラー画像ファイルのみを保存することを特徴とする請求項1記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項8】
前記コンピュータオブジェクトのバイトデータに係るファイルを圧縮プログラムで圧縮した後、前記カラー変換キー(カラー暗号キー)に基づく前記カラー変換処理により、前記カラー画像ファイルに変換することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項9】
コンピュータ内に保存される情報の性質または内容に基づき前記コンピュータオブジェクトを形成するデータをカラー部分に係るデータと常態部分に係るデータに区分けして構成し、前記コンピュータオブジェクトは前記カラー部分と前記常態部分とで表現されることを特徴とする請求項1記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項10】
前記コンピュータオブジェクトと前記カラー画像ファイルとの間の変換に際して用いられる前記対応表は、前記コンピュータオブジェクト、前記カラーに係るデータ、および自在に設定し得る数値に基づいて構成される変換関係であることを特徴とする請求項1記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項11】
前記コンピュータオブジェクト、前記カラーに係るデータ、および前記数値に基づいて構成される前記変換関係を設ける事前準備として、
文書作成時に前記コンピュータオブジェクトを入力手段で入力して登録する度に、または、既存文書のテキスト文をオブジェクト分割して得られるコンピュータオブジェクトに対して前記数値を割り当てて登録する度に、予め用意したカラーリストの中の未割当てのカラーを新しく登録するコンピュータオブジェクトに順次に割り当て、アドオン累積方式でオブジェクト/数値/カラーに係る対応の前記変換関係を逐次に組み立てて生成することを特徴とする請求項10記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項12】
前記コンピュータオブジェクト、前記カラーに係るデータ、および前記数値に基づいて構成される前記変換関係を設ける事前準備として、
前記数値を省略し、
文書作成時に前記コンピュータオブジェクトを入力手段で入力して登録する度に、または、既存文書のテキスト文をオブジェクト分割して登録する度に、予め用意したカラーリストの中の未割当てのカラーを新しく登録するコンピュータオブジェクトに順次に割り当て、アドオン累積方式でオブジェクト/カラーに係る対応の前記変換関係を逐次に組み立てて生成することを特徴とする請求項10記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項13】
前記カラー画像ファイルを前記コンピュータオブジェクトに逆変換したとき、設定自在な時間の経過後に、カラーの常態に戻るように構成されることを特徴とする請求項1記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項14】
前記カラー変換処理を行う前記対応表または前記カラー変換キーは、その変更入力を行った後、前記コンピュータの動作終了に際し、前記対応表または前記カラー変換キーを変更可能に構成され、前記コンピュータの起動時には変更された前記対応表または前記カラー変換キーが用いられることを特徴とする請求項1記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項15】
前記カラー画像ファイルを再度使用するときには、変更された前記対応表または前記カラー変換キーを用いて前記カラー画像ファイルを逆変換して前記コンピュータオブジェクトに戻すことを特徴とする請求項14記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項16】
Eメール・メッセージの保存フォルダに保存されたメッセージデータと、アドレス帳の保存フォルダに保存されたアドレス帳データを前記カラー画像ファイルに変換することを特徴とする請求項1記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項17】
前記カラー暗号化キーで指定された前記対応表に基づきコンピュータ実行可能ファイルを前記カラー画像ファイルに変換することを特徴とする請求項4記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項18】
変換された前記カラー画像ファイルを非感染の正常な基準ファイルとして別途に保存し、
実行時に前記カラー画像ファイルを逆変換して前記コンピュータ実行可能ファイルを取得するとき、このコンピュータ実行可能ファイルと、基準ファイルとして保存された前記カラー画像ファイルとの実行コード部分を比較することにより前記コンピュータ実行可能ファイルのウィルス付着感染の有無を確認する、
ことを特徴とする請求項17記載のカラーを利用した暗号化方法。
【請求項19】
1つのコンピュータもしくはその周辺装置で、または、通信回線で接続された複数のコンピュータから成るコンピュータシステムで用いられるカラーを利用した暗号化装置であり、
前記コンピュータで取り扱われる少なくとも1つのコンピュータオブジェクトを、前記コンピュータのワーキングメモリ上で、対応表またはカラー変換キーに基づくカラー変換処理により、RGBまたはCMYKに基づくカラーに係るデータに基づいて作られるカラー画像ファイルに変換する変換手段を備え、
前記コンピュータオブジェクトと前記カラー画像ファイルを変換する前記対応表またはカラー変換キーは設定自在な数値によって構成されることを特徴とするカラーを利用した暗号化装置。
【請求項20】
前記対応表に関する対応関係は、事前の準備処理として、
文書作成時にコンピュータオブジェクトを入力手段で入力することにより、あるいは既存文書のテキスト文をオブジェクト分割することにより得られるコンピュータオブジェクトに対してカラー数値を発番し、登録する度に、
予め用意したカラーリストの中の未割当のカラーを、新しく登録するコンピュータオブジェクトに順次に割当て、アドオン累積方式でコンピュータオブジェクト/カラー数値/カラーの対応関係に係るカラーコード表(ONC対応関係)を順次に組み立てて、生成される、
ことを特徴とする請求項19記載のカラーを利用した暗号化装置。
【請求項21】
前記対応表に関する対応関係は、事前の準備処理として、
文書作成時にコンピュータオブジェクトを入力手段で入力することにより、あるいは既存文書のテキスト文をオブジェクト分割することにより得られるコンピュータオブジェクトに対してカラー数値を発番し、登録する度に、
予め用意したカラーリストの中の未割当のカラーを、新しく登録するコンピュータオブジェクトに順次に割当て、アドオン累積方式でコンピュータオブジェクト/カラーの対応関係に係るカラーコード表(OC対応関係)を順次に組み立てて、生成される、
ことを特徴とする請求項19記載のカラーを利用した暗号化装置。
【請求項22】
前記変換手段による変換でRGBまたはCMYKに基づくカラーに係るデータに基づいて作られたカラー画像ファイルを逆変換手段で逆変換を行うと、設定自在な時間の経過後に、カラーの常態に戻るように構成されることを特徴とする請求項19記載のカラーを利用した暗号化装置。
【請求項23】
前記変換手段で用意されている、前記カラー変換処理を行う前記対応表または前記カラー変換キーは、その変更入力を行った後、前記コンピュータの動作終了に際し、前記対応表または前記カラー変換キーを変更可能に構成され、前記コンピュータの起動時には変更された前記対応表または前記カラー変換キーが用いられることを特徴とする請求項19記載のカラーを利用した暗号化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−139722(P2009−139722A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317232(P2007−317232)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000209474)谷電機工業株式会社 (25)
【Fターム(参考)】