カラーコード出力装置、カラーコード通信装置、及びカラーコード通信システム
【課題】通信速度を高めることができるカラーコード出力装置等を提供すること。
【解決手段】光の色を変化させることができる光照射手段5−1〜5−9が複数配列されたカラーコード出力手段5と、前記光照射手段5−1〜5−9が照射する光の色を制御する制御手段7と、を備えることを特徴とするカラーコード出力装置3。また、このカラーコード出力装置3と、前記カラーコード出力装置3から出力されたカラーコードを読み取るカラーコード読み取り装置と、から構成されるカラーコード通信システム1。
【解決手段】光の色を変化させることができる光照射手段5−1〜5−9が複数配列されたカラーコード出力手段5と、前記光照射手段5−1〜5−9が照射する光の色を制御する制御手段7と、を備えることを特徴とするカラーコード出力装置3。また、このカラーコード出力装置3と、前記カラーコード出力装置3から出力されたカラーコードを読み取るカラーコード読み取り装置と、から構成されるカラーコード通信システム1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、カラーコードにより通信を行うカラーコード出力装置、カラーコード通信装置、及びカラーコード通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
可視光を用いて通信を行う可視光通信装置が知られている(特許文献1参照)。この可視光通信装置では、単一の光源から照射される可視光を高速に点滅させることでデータを送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4337814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の可視光通信装置では、単一の光源を点滅させることでデータを送信するものであるから、ある時点における光のパターンは、その光源がONのパターンと、OFFのパターンとの2種類しかない。そのため、1つの光のパターンに含めることができる情報量が少なく、結果として、通信速度を十分に高めることができない。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、通信速度を高めることができるカラーコード出力装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカラーコード出力装置は、光の色を変化させることができる光照射手段が複数配列されたカラーコード出力手段と、前記光照射手段が照射する光の色を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明のカラーコード出力装置は、光の色を変化させることができる光照射手段が複数配列されたカラーコード出力手段により、カラーコードを出力することができる。そして、制御手段により、各光照射手段が照射する光の色を変え、カラーコードを自由に変化させることができる。
【0008】
カラーコードは大容量の情報を含むことができるから、本発明のカラーコード出力装置は、カラーコードを出力し、そのカラーコードを自由に変化させることにより、例えば、高速通信を行うことができる。
【0009】
また、カラーコード出力手段により出力されたカラーコードは指向性が高いので、遠距離にまで到達する。そのため、遠距離間でも通信を行うことができる。また、指向性が高いカラーコードは周囲に拡散しないので、通信内容を傍受されにくい。また、カラーコードの光は肉眼で見ることができるので、ユーザは、その時通信が行われているか否かを容易に知ることができる。
【0010】
本発明のカラーコード出力装置において、制御手段は、光照射手段が照射する光の強度を周期的に変動させることが好ましい。この場合、例えば、カラーコードの読み取りを、所定時間おきに複数回試みるようにすれば、カラーコードにおける光の強度が高いとき、中間のとき、低いときに、それぞれカラーコードの読み取りを行うことができる。その結果、カラーコードの光の強度が過大又は過小であるため読み取れないというようなことがなく、カラーコードを確実に読み取ることができる。
【0011】
本発明のカラーコード通信装置は、光の色を変化させることができる光照射手段が複数配列されたカラーコード出力手段と、前記光照射手段が照射する光の色を制御する制御手段と、カラーコードを読み取る読み取り手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明のカラーコード通信装置は、光の色を変化させることができる光照射手段が複数配列されたカラーコード出力手段により、カラーコードを出力することができる。そして、制御手段により、各光照射手段が照射する光の色を変え、カラーコードを自由に変化させることができる。また、本発明のカラーコード通信装置は、他のカラーコード通信装置が出力したカラーコードを、読み取り手段により読み取ることができる。
【0013】
カラーコードは大容量の情報を含むことができるから、本発明のカラーコード通信装置は、カラーコードの出力、及び読み取りを行うことで、例えば、高速通信を行うことができる。
【0014】
また、カラーコード出力手段により出力されたカラーコードは指向性が高いので、遠距離にまで到達する。そのため、遠距離間でも通信を行うことができる。また、指向性が高いカラーコードは周囲に拡散しないので、通信内容を傍受されにくい。また、カラーコードの光は肉眼で見ることができるので、ユーザは、その時通信が行われているか否かを容易に知ることができる。
【0015】
本発明のカラーコード通信装置において、制御手段は、光照射手段が照射する光の強度を周期的に変動させることが好ましい。この場合、例えば、カラーコードの読み取りを、所定時間おきに複数回試みるようにすれば、カラーコードにおける光の強度が高いとき、中間のとき、低いときに、それぞれカラーコードの読み取りを行うことができる。その結果、カラーコードの光の強度が過大又は過小であるため読み取れないというようなことがなく、カラーコードを確実に読み取ることができる。
【0016】
本発明のカラーコード通信システムは、上述したカラーコード出力装置と、そのカラーコード出力装置から出力されたカラーコードを読み取るカラーコード読み取り装置と、から構成される。
【0017】
本発明のカラーコード通信システムでは、カラーコード出力装置によりカラーコードを出力し、そのカラーコードをカラーコード読み取り装置で読み取ることにより、カラーコード通信を行うことができる。カラーコードは大容量の情報を含むことができるから、本発明のカラーコード通信システムは、高速通信を行うことができる。
【0018】
本発明の双方向カラーコード通信システムは、複数の上述したカラーコード通信装置から構成される。
本発明の双方向カラーコード通信システムでは、いずれかのカラーコード通信装置Aによりカラーコードを出力し、そのカラーコードを他のカラーコード通信装置Bで読み取ることにより、カラーコード通信を行うことができる。また、それとは逆に、カラーコード通信装置Bによりカラーコードを出力し、そのカラーコードをカラーコード通信装置Aで読み取ることにより、カラーコード通信を行うこともできる。
【0019】
カラーコードは大容量の情報を含むことができるから、本発明の双方向カラーコード通信システムは、高速通信を行うことができる。
本発明の双方向カラーコード通信システムは、以下のものであることが好ましい。すなわち、前記カラーコード通信装置は、他のカラーコード通信装置から出力されたカラーコードを前記カラーコード読み取り手段により読み取った場合、前記他のカラーコード通信装置に受信信号を出力する受信信号出力手段と、前記カラーコード出力手段により、使用する色の範囲が異なる複数のカラーコードを出力する複数のカラーコード出力手段と、前記複数のカラーコードのそれぞれに対応する前記受信信号の受信状態に基づき、前記カラーコード出力手段により出力するカラーコードの色の範囲を設定する色範囲設定手段とを備えることが好ましい。
【0020】
上記の構成を備える場合、以下の効果が得られる。カラーコード通信装置が存在する場所の環境(例えば、周囲の光の色や強さ、空気の透明度等)により、カラーコードに使用される一部の色は、相手側のカラーコード通信装置で読み取り難いことがある。上記の構成を備える場合、送信側のカラーコード通信装置から出力された、使用する色の範囲が異なる複数のカラーコードのうち、相手側のカラーコード通信装置から受信信号が返されたもの(すなわち、相手側のカラーコード通信装置で正常に読み取れたもの)を選択し、その正常に読み取れたカラーコードの色の範囲を、それ以降においてカラーコード出力手段により出力するカラーコードの色の範囲(通信で使用するカラーコードの色の範囲)とする。そのことにより、通信で使用するカラーコードの色は、相手側のカラーコード通信装置で読み取れる色に限定されるから、確実にカラーコード通信を行うことができる。
【0021】
本発明のカラーコード施錠/開錠システムは、上述したカラーコード出力装置であって、所定の設定カラーコードを出力可能なカラーコード出力装置と、前記カラーコード出力装置により出力されたカラーコードを読み取る読み取り手段、及び前記読み取り手段で読み取ったカラーコードが前記設定カラーコードである場合、施錠及び/又は開錠を行う施錠/開錠手段を備えた施錠/開錠装置と、から構成される。
【0022】
本発明のカラーコード施錠/開錠システムは、カラーコードである設定カラーコードを送受信することで施錠/開錠を行う。カラーコードは大容量の情報を含むことができるから、これを用いることにより、不正な開錠が困難になり、安全性が高まる。
【0023】
また、カラーコードである設定カラーコードは、指向性が高く、必要な方向のみに送られ、周囲に広がらないので、傍受されにくい。その結果、安全性が高まる。
また、カラーコードである設定カラーコードの光は肉眼で見ることができるので、ユーザは、その時施錠/開錠の処理が行われているか否かを容易に知ることができる。
【0024】
本発明のカラーコード施錠/開錠システムは、以下のものであることが好ましい。すなわち、前記カラーコード出力装置は、前記設定カラーコードを更新する更新手段と、更新後の前記設定カラーコードを出力する更新後カラーコード出力手段とを備え、前記施錠/開錠装置は、前記更新後カラーコード出力手段により出力された更新後の前記設定カラーコードを読み取り、その更新後の前記設定カラーコードを前記施錠/開錠手段にて用いる前記設定カラーコードとすることが好ましい。
【0025】
この場合、設定カラーコードを容易に更新することができる。そのことにより、不正な開錠が一層困難になり、安全性がより高まる。
本発明において、カラーコード(カラージップメディア社所有の登録商標、特開2001−319200号等で開示)とは、カラーバーコードとも称される、カラーパターンをコード化している2次元コードシステムであって、カラーコードを構成するセル(ピクセル)の少なくとも一部の色が有彩色であるものをいう。全てのセルの色が有彩色であってもよいし、一部のセルのみが有彩色であってもよい。有彩色でないセルは、例えば、無彩色(白、灰色、黒等)の光が照射されていてもよいし、消灯していてもよい。カラーコードを構成するセルの色(光照射手段が照射する光の色)は、任意の色とすることができ、例えば、赤、緑、青、及びそれらの1以上を任意の比率で混合した色のいずれかとすることができる。
【0026】
前記光照射手段としては、光を照射する周知の手段を広く用いることができ、特に、LEDが好ましい。カラーコードを出力するために光照射手段が照射する光は、可視光であることが好ましい。可視光の波長の範囲は、例えば、JIS Z8120で規定する範囲とすることができる。
【0027】
前記カラーコード出力手段において、複数の光照射手段の配列は、互いの位置関係が固定された配列とすることができる。配列のパターンは特に限定されず、様々なパターンで配列することができる。例えば、縦m行、横n列のマトリックス状の配列(m、nは任意の整数)、縦又は横一列の配列、曲面(例えば円、楕円等)に沿った配列とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】双方向カラーコード通信システム1を構成する携帯電話3の構成を表すブロック図である。
【図2】カラーコード出力部5の構成を表すブロック図である。
【図3】携帯電話3の構成を表す斜視図である。
【図4】送信側携帯電話3Aがカラーコードを出力する処理を表すフローチャートである。
【図5】カラーコード出力部5が出力するカラーコードの種類を表す説明図である。
【図6】カラーコード出力部5が出力する光の強度変動を表すグラフである。
【図7】受信側携帯電話3Bがカラーコードを受信する処理を表すフローチャートである。
【図8】送信側携帯電話3Aが実行する処理を表すフローチャートである。
【図9】カラーコード施錠/開錠システム101の構成を表す説明図である。
【図10】施錠/開錠コード又は変更コードを受信したときに施錠/開錠装置103が実行する処理を表すフローチャートである。
【図11】携帯電話3において施錠/開錠コードを更新する処理を表すフローチャートである。
【図12】複数の車両から成る双方向カラーコード通信システムの構成を表す説明図である。
【図13】灯台と船舶とから成る双方向カラーコード通信システムの構成を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
1.第1の実施形態
(1)双方向カラーコード通信システム1の構成
双方向カラーコード通信システム1の構成を、図1〜図3に基づいて説明する。図1は、双方向カラーコード通信システム1を構成する携帯電話(カラーコード出力装置、カラーコード通信装置)3の構成を表すブロック図であり、図2は後述するカラーコード出力部5の構成を表すブロック図であり、図3は携帯電話3の構成を表す斜視図である。
【0030】
双方向カラーコード通信システム1は、複数の携帯電話3から構成される。携帯電話3は、図1及び図3に示すように、9つの光照射部(光照射手段)5−1〜5−9を備えており、光照射部5−1〜5−9を総称してカラーコード出力部(カラーコード出力手段)5とする。また、携帯電話3は、制御部(制御手段)7、カメラ(読み取り手段)9、操作部11、及びディスプレイ13を備えている。
【0031】
光照射部5−1は、図2に示すように、赤色LED素子15、緑色LED素子17、及び青色LED素子19から構成されている。制御部7は、各LED素子のON/OFF、及び点灯強度を個別に制御することができる。よって、光照射部5−1は、各LED素子のON/OFF、及び点灯強度を調整することにより、任意の色を、任意の強度で照射することができる。また、各LED素子は、携帯電話3の筐体面に直交する方向(図3において矢印で示す方向D)に高い指向性の光を照射するように構成されている。よって、光照射部5−1は、方向Dの方向に指向性の高い光を照射することができる。光照射部5−2〜5−9も、光照射部5−1と同様に構成されている。
【0032】
カラーコード出力部5において、光照射部5−1〜5−9は、図3に示すように、3×3のマトリックス状に配置されている。光照射部5−1〜5−9のそれぞれに、所定の色の光を照射させることにより、光照射部5−1〜5−9のそれぞれを1つのセルとするカラーコードを前記方向Dに向けて出力することができる。
【0033】
制御部7は、CPU、ROM、RAM等を備える周知のコンピュータであり、携帯電話3の各部を制御する。その制御には、光照射部5−1〜5−9それぞれが照射する光の色、及び強度を個別に設定し、カラーコード出力部5が出力するカラーコードの内容を決める処理が含まれる。また、制御部7は、後述する処理を実行する。
【0034】
カメラ9は、周知の構造及び機能を有するカメラであって、そのレンズは、携帯電話3の筐体のうち、カラーコード出力部5が設けられている面に取り付けられている。カメラ9は、他の携帯電話3のカラーコード出力部5が出力するカラーコードを撮影し、その画像を取得することができる。
【0035】
操作部11は、周知の携帯電話が備える操作ボタンであり、携帯電話3に対するユーザの指示を入力することができる。その指示には、後述するカラーコード通信を開始する指示や、そのカラーコード通信において出力するカラーコードの内容を設定する指示等が含まれる。ディスプレイ13は、周知の携帯電話が備える液晶ディスプレイである。なお、携帯電話3は、上述した構成のほかにも、通常の携帯電話と同様の構成を備えるが、ここではその記載は省略する。
(2)カラーコード出力部5が出力するカラーコード
カラーコード出力部5が出力するカラーコードを図5に示す。カラーコードには、呼び出しコード、応答コード、受信コード、通信完了コード、情報コードの5種類があり、それぞれにおいて、図5に示すように、各セル(光照射部5−1〜5−9)が照射する光の色が予め定められている。なお、図5において、Rは赤を意味し、Gは緑を意味し、Bは青を意味する。
【0036】
呼び出しコードは、双方向カラーコード通信システム1を構成する複数の携帯電話3のうち、情報コードを出力するもの(以下、送信側携帯電話3Aとする)が、その情報コードを受信する携帯電話3(以下、受信側携帯電話3Bとする)を呼び出すためのカラーコードである。なお、携帯電話3は、カラーコードの出力、受信の両方が可能であるから、送信側携帯電話3Aは、情報コードの受信も行うことができ、送信側携帯電話3Bは、情報コードの送信も行うことができる。
【0037】
応答コードは、呼び出しコードを受信した受信側携帯電話3Bが、送信側携帯電話3Aに返すカラーコードである。
受信コードは、情報コードを受信した受信側携帯電話3Bが、送信側携帯電話3Aに返すカラーコードである。
【0038】
通信完了コードは、全ての情報コードを出力したとき、送信側携帯電話3Aが、受信側携帯電話3Bに出力するカラーコードである。
情報コードは、応答コードが受信側携帯電話3Bから送信側携帯電話3Aに返された後、送信側携帯電話3Aが出力するカラーコードであり、通信により伝達すべき内容を表すものである。情報コードには、I−1、I−2、I−3、・・・というように多数の種類があり、それぞれに、所定の伝達すべき情報(例えば、文字、単語、文章、所定の意味を持つ命令等)が割り当てられている。あるいは、複数の情報コードの組み合わせに、所定の伝達すべき情報を割り当ててもよい。
(3)双方向カラーコード通信システム1が実行するカラーコードの送受信処理
双方向カラーコード通信システム1が実行するカラーコードの送受信処理を説明する。カラーコードの送受信を行うとき、送信側携帯電話3Aと受信側携帯電話3Bとは、送信側携帯電話3Aのカラーコード出力部5及びカメラ9と、受信側携帯電話3Bのカラーコード出力部5及びカメラ9とが対向するように配置される。
(3−1)まず、送信側携帯電話3Aが、カラーコードを出力する処理を図4のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、ユーザが送信側携帯電話3Aの操作部11に対して所定の操作を行ったときに実行される。また、ユーザは、カラーコードを出力する前に、操作部11を操作して、送信側携帯電話3Aから出力したい情報コードを予め設定しておく。出力する情報コードは単一であってもよいし、複数であってもよい。出力する情報コードが複数の場合は、ユーザの操作に応じて出力する順番が決められる。例えば、ユーザが情報コードの出力を設定した順番を、そのまま、情報コードを出力する順番とすることができる。
【0039】
ステップ10では、カラーコード出力部5を用いて、呼び出しコードを出力する。なお、呼び出しコード、及びその他のカラーコードを出力するとき、カラーコード出力部5が出力する光の強度は、図6に示すように、周期Tで周期的に変動する。変動する光の強度の上限は、受信側携帯電話3Bにおいて、光の強度不足で受信できないということが生じないように、十分大きく設定される。また、変動する光の強度の下限は、受信側携帯電話3Bにおいて、光の強度が過大であるため受信できないということが生じないように、十分小さく設定される。
【0040】
ステップ20では、受信側携帯電話3Bにより出力された、応答コードが読み取れたか否かを判断する。応答コードは、呼び出しコードを受信したときに受信側携帯電話3Bが出力するカラーコードである。
【0041】
応答コードの読み取りは以下のように行われる。まず、カメラ9により、受信側携帯電話3Bのカラーコード出力部5から照射された光を含む範囲の画像を取り込む。そして、その画像のうち、カラーコード(応答コード)を含む領域(以下では、カラーコード領域とする)を周知の画像認識の方法で認識する。さらに、カラーコード領域から、周知のカラーコードの読み取り方法(例えば特開2008−181447号公報、特開2008−27036号公報等記載の方法)により、応答コードを読み取る。
【0042】
なお、応答コードも、呼び出しコードと同様に、その光の強度は周期Tで変動する(図6参照)が、上述した応答コードの読み取りは、周期Tの期間内に、多数回実行される。そのため、応答コードの読み取りは、応答コードにおける光の強度が上限付近のとき、下限付近のとき、中間のときに、それぞれ行われる。
【0043】
多数回の読み取りのうち、1回でも応答コードが読み取れればステップ30に進み、一回も読み取れなかった場合はステップ20に留まる。
なお、呼び出しコードを出力してから所定時間が経過しても応答コードが読み取れない場合は本処理を終了するようにしてもよい。
【0044】
ステップ30では、カラーコード出力部5を用いて、情報コードを出力する。出力すべき情報コードが複数ある場合は、予め定められた順番に従い、1つの情報コードを出力する。なお、情報コードも、呼び出しコードと同様に、その強度は周期Tで変動する(図6参照)。
【0045】
ステップ40では、受信側携帯電話3Bにより出力された、受信コードが読み取れたか否かを判断する。受信コードは、直前のステップ30で出力した情報コードを受信したときに受信側携帯電話3Bが出力するカラーコードである。
【0046】
受信コードの読み取りは、応答コードの読み取りと同様に行われる。受信コードの読み取りも、周期Tの期間内に、多数回実行され、その多数回の読み取りのうち、1回でも受信コードが読み取ればステップ50に進み、一回も読み取れなかった場合はステップ40に留まる。
【0047】
なお、情報コードを出力してから所定時間が経過しても受信コードが読み取れない場合は本処理を終了するようにしてもよい。
ステップ50では、出力すべき情報コードを全て出力したか否かを判断する。全て出力した場合はステップ60に進み、未だ出力していない情報コードが残っている場合はステップ30に戻る。
【0048】
ステップ60では、通信完了コードを出力する。なお、通信完了コードも、呼び出しコードと同様に、その強度は周期Tで変動する(図6参照)。
(3−2)次に、受信側携帯電話3Bが、送信側携帯電話3Aにより出力されたカラーコードを受信する処理を図7のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、ユーザが受信側携帯電話3Bの操作部11に対して所定の操作を行ったときに実行される。あるいは、定期的に自動実行されるようにしてもよい。
【0049】
ステップ110では、送信側携帯電話3Aにより出力された、呼び出しコードが読み取れたか否かを判断する。なお、上述したように、呼び出しコードの強度は周期Tで変動する(図6参照)が、呼び出しコードの読み取りは、周期Tの期間内に、多数回実行され、その多数回の読み取りのうち、1回でも呼び出しコードが読み取れればステップ120に進み、一回も読み取れなかった場合はステップ110に留まる。
【0050】
なお、所定時間が経過しても呼び出しコードが読み取れない場合は本処理を終了するようにしてもよい。
ステップ120では、カラーコード出力部5を用いて、応答コードを出力する。
【0051】
ステップ130では、送信側携帯電話3Aにより出力された、情報コードが読み取れたか否かを判断する。なお、上述したように、情報コードにおける光の強度は周期Tで変動する(図6参照)が、情報コードの読み取りは、周期Tの期間内に、多数回実行され、その多数回の読み取りのうち、1回でも情報コードが読み取れればステップ140に進み、一回も読み取れなかった場合はステップ130に留まる。
【0052】
なお、応答コードを出力してから所定時間が経過しても情報コードが読み取れない場合は本処理を終了するようにしてもよい。
ステップ140では、カラーコード出力部5を用いて、受信コードを出力する。
【0053】
ステップ150では、送信側携帯電話3Aにより出力された、通信完了コードが読み取れたか否かを判断する。なお、上述したように、通信完了コードにおける光の強度は周期Tで変動する(図6参照)が、通信完了コードの読み取りは、周期Tの期間内に、多数回実行され、その多数回の読み取りのうち、1回でも通信完了コードが読み取れれば本処理を終了し、一回も読み取れなかった場合はステップ130に戻る。
(4)双方向カラーコード通信システム1が奏する効果
(i)双方向カラーコード通信システム1は、カラーコードを送受信することにより通信を行う。カラーコードは大容量の情報を含むことができるから、これを用いることにより、通信速度が高くなる。
(ii)カラーコードを出力するとき、その光の強度は周期Tで変動する。そして、カラーコードを読み取るとき、周期Tの期間内に、多数回読み取りが実行される。そのため、カラーコードの読み取りは、カラーコードにおける光の強度が上限付近のとき、下限付近のとき、中間のときに、それぞれ行われる。その結果、光の強度が過大又は過小であるため読み取れないというようなことがなく、カラーコードを確実に読み取ることができる。
(iii)カラーコードは、指向性の高いLED素子の光により構成される。そのため、カラーコードは遠距離にまで到達するので、携帯電話3間の距離が大きい場合でも通信を行うことができる。また、指向性の高いLED素子の光は周囲に拡散しないので、通信内容を傍受されにくい。
(iv)カラーコードの光は肉眼で見ることができるので、携帯電話3のユーザは、その時通信が行われているか否かを容易に知ることができる。
(5)変形例
双方向カラーコード通信システム1は、上述した機能に加えて、さらに、以下の機能を備えていてもよい。送信側携帯電話3Aは、呼び出しコードを出力しても、所定時間内に応答コードが返ってこない場合、図8のフローチャートに示す処理を実行する。
【0054】
ステップ210では、呼び出しコードX1を出力する。この呼び出しコードX1は、通常の呼び出しコードとは異なり、使用する色の範囲が特定の範囲(例えば、赤と緑)に制限された呼び出しコードである。
【0055】
ステップ220では、呼び出しコードX1の出力から所定時間内に、受信側携帯電話3Bにより出力された、応答コードY1が読み取れたか否かを判断する。応答コードY1は、呼び出しコードX1を受信したときに受信側携帯電話3Bが出力するカラーコードである。応答コードY1は、呼び出しコードX1と同様に、使用する色の範囲が特定の範囲(例えば、赤と緑)に制限されている。応答コードY1を読み取れなかった場合はステップ230に進み、応答コードY1を読み取れた場合はステップ280に進む。
【0056】
ステップ230では、呼び出しコードX2を出力する。この呼び出しコードX2は、使用する色の範囲が、呼び出しコードX1とは異なる特定の範囲(例えば、緑と青)に制限された呼び出しコードである。
【0057】
ステップ240では、呼び出しコードX2の出力から所定時間内に、受信側携帯電話3Bにより出力された、応答コードY2が読み取れたか否かを判断する。応答コードY2は、呼び出しコードX2を受信したときに受信側携帯電話3Bが出力するカラーコードである。応答コードY2は、呼び出しコードX2と同様に、使用する色の範囲が特定の範囲(例えば、緑と青)に制限されている。応答コードY2を読み取れなかった場合はステップ250に進み、応答コードY2を読み取れた場合はステップ290に進む。
【0058】
ステップ250では、呼び出しコードX3を出力する。この呼び出しコードX3は、使用する色の範囲が、呼び出しコードX1、X2とは異なる特定の範囲(例えば、赤と青)に制限された呼び出しコードである。
【0059】
ステップ260では、呼び出しコードX3の出力から所定時間内に、受信側携帯電話3Bにより出力された、応答コードY3が読み取れたか否かを判断する。応答コードY3は、呼び出しコードX3を受信したときに受信側携帯電話3Bが出力するカラーコードである。応答コードY3は、呼び出しコードX3と同様に、使用する色の範囲が特定の範囲(例えば、赤と青)に制限されている。応答コードY3を読み取れなかった場合はステップ270に進み、応答コードY3を読み取れた場合はステップ300に進む。
【0060】
ステップ270では、ディスプレイ13に通信不能表示を行う。
一方、前記ステップ220で応答コードY1を読み取れた場合はステップ280に進み、通信に使うカラーコードを、色の範囲が呼び出しコードX1及び応答コードY1における色の範囲であるものに限定する。
【0061】
また、前記ステップ240で応答コードY2を読み取れた場合はステップ290に進み、通信に使うカラーコードを、色の範囲が呼び出しコードX2及び応答コードY2における色の範囲であるものに限定する。
【0062】
また、前記ステップ260で応答コードY3を読み取れた場合はステップ300に進み、通信に使うカラーコードを、色の範囲が呼び出しコードX3及び応答コードY3における色の範囲であるものに限定する。
【0063】
上記の処理を行うことにより、以下の効果が得られる。送信側携帯電話3Aと受信側携帯電話3Bが存在する場所の環境(周囲の光の色や強さ、空気の透明度等)により、カラーコードに使用される一部の色は、受信側携帯電話3Bで認識し難いことがある。上記の処理では、使用する色の範囲が異なる呼び出しコードX1〜X3のうち、応答コードが帰ってきたもの(すなわち、受信側携帯電話3Bで正常に読み取れたもの)を選択し、その応答コードで使用している色の範囲を、通信で使用するカラーコードの色の範囲とする。そのことにより、通信で使用するカラーコードの色は、相手側の携帯電話3で読み取れる色に限定されるから、確実にカラーコード通信を行うことができる。
【0064】
2.第2の実施形態
(1)カラーコード施錠/開錠システム101の構成
まず、カラーコード施錠/開錠システム101の構成を説明する。カラーコード施錠/開錠システム101は、図9に示すように、携帯電話(カラーコード出力装置、カラーコード通信装置)3と、施錠/開錠装置103とから構成される。施錠/開錠装置103は、建物や乗り物におけるドア(図示略)付近に取り付けられ、そのドアの施錠及び開錠を行う装置である。
【0065】
携帯電話3は、前記第1の実施形態における携帯電話3と基本的には同様であるが、さらに、その制御部7(図1参照)に、後述する施錠/開錠コードの更新処理に用いる、周知の乱数発生手段を備えている。
【0066】
施錠/開錠装置103は、9つの光照射部105−1〜105−9を備えており、光照射部105−1〜105−9を総称してカラーコード出力部105とする。また、施錠/開錠装置103は、制御部107、カメラ109、及び施錠/開錠部(施錠/開錠手段)111を備えている。
【0067】
カラーコード出力部105、カメラ109は、それぞれ、前記第1の実施形態における携帯電話3のカラーコード出力部5、カメラ9と同様のものである。カラーコード出力部105とカメラ109のレンズとは、施錠/開錠装置103の筐体(図示略)における同一の平面に取り付けられている。
【0068】
制御部107は、CPU、ROM、RAM等を備える周知のコンピュータであり、施錠/開錠装置103の各部を制御する。その制御には、前記第1の実施形態における携帯電話3と同様に、カラーコード出力部105を用いてカラーコードを出力する処理、及びカメラ109を用いて携帯電話3が出力したカラーコードを受信する処理が含まれる。また、制御部107は、後述する処理を実行する。さらに、制御部107は、後述する施錠/開錠コードを、書き換え可能な記憶素子に記憶している。
【0069】
施錠/開錠部111は、制御部107の指示により、上述したドアの施錠又は開錠を実行する。
(2)カラーコード施錠/開錠システム101が実行する処理
カラーコード施錠/開錠システム101が実行する処理を説明する。
(2−1)まず、携帯電話3と施錠/開錠装置103との間で行われる通信処理について説明する。携帯電話3と施錠/開錠装置103とは、前記第1の実施形態における送信側携帯電話3Aと受信側携帯電話3Bとの通信と同様にして、カラーコード通信を行うことができる。すなわち、本実施形態では、携帯電話3が前記第1の実施形態における送信側携帯電話3Aとして機能し、施錠/開錠装置103が、前記第1の実施形態における受信側携帯電話3Bとして機能する。このカラーコード通信において、携帯電話3のカラーコード出力部5が出力したカラーコードを、施錠/開錠装置103はカメラ109を用いて受信し、また、施錠/開錠装置103のカラーコード出力部105が出力したカラーコードを、携帯電話3がカメラ9を用いて受信する。
【0070】
携帯電話3は、上記のカラーコード通信により、情報コードの一種である施錠/開錠コード(設定カラーコード)を出力することができ、施錠/開錠装置103はその施錠/開錠コードを受信することができる。この施錠/開錠コードは、鍵の施錠又は開錠を指示するカラーコードである。
【0071】
また、携帯電話3は、上記のカラーコード通信により、情報コードの一種である変更コードを出力することができ、施錠/開錠装置103はその変更コードを受信することができる。この変更コードは、施錠/開錠装置103に設定されている施錠/開錠コードを変更することを指示するカラーコードである。
【0072】
なお、ユーザは、ドアの施錠又は開錠を行う場合は、携帯電話3により、施錠/開錠コードを出力する。また、ユーザは、施錠/開錠コードの更新を行う場合は、携帯電話3により、更新コードと、後述する方法で更新した後の施錠/開錠コードとの両方を出力する。
(2−2)次に、施錠/開錠コード又は変更コードを受信したときに施錠/開錠装置103が実行する処理を図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0073】
ステップ310では、受信したカラーコード(情報コード)に、変更コードと施錠/開錠コードとの両方を含むか否かを判断する。変更コードと施錠/開錠コードとの両方を含む場合はステップ320に進み、変更コードと施錠/開錠コードのうちの一方でも含まない場合はステップ330に進む。
【0074】
ステップ320では、施錠/開錠装置103の制御部107において、前記ステップ310で受信した施錠/開錠コードを、従来の施錠/開錠コードに上書きする。なお、これ以降は、後述するステップ330、340において、上書きした施錠/開錠コードを用いるようにする。施錠/開錠コードの変更後、本処理を終了する。
【0075】
一方、前記ステップ310で、変更コードと施錠/開錠コードのうちの一方でも含まないと判断された場合はステップ330に進み、受信したカラーコード(情報コード)に、施錠/開錠装置103の制御部107に記憶された施錠/開錠コードと同じ施錠/開錠コードが含まれるか否かを判断する。その施錠/開錠コードが含まれる場合はステップ340に進み、含まれない場合は本処理を終了する。
【0076】
ステップ340では、施錠/開錠部111を用いて、ドアの施錠又は開錠を行う。すなわち、ドアが開錠された状態であったときは施錠を行い、ドアが施錠された状態であったときは開錠を行う。
(2−3)次に、携帯電話3において施錠/開錠コードを更新する処理を図11のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、ユーザが携帯電話3の操作部11に対して所定の操作を行ったときに実行される。
【0077】
ステップ410では、携帯電話3の制御部7が備える乱数発生手段により、9つの乱数を発生させる。
ステップ420では、その9つの乱数により、光照射部5−1〜5−9の光の色をそれぞれランダムに設定する。すなわち、制御部7は、乱数と光の色との関係を規定したマップを備えており、光照射部5−1〜5−9のそれぞれについて、発生した乱数にマップ上で対応する光の色を設定する。そのように光照射部5−1〜5−9の光の色を設定したカラーコードを、更新後の施錠/開錠コードとして、携帯電話3の制御部7に記憶する。これ以降は、施錠/開錠装置103に出力する施錠/開錠コードとして、更新後のものを使用する。
【0078】
ステップ430では、上述した方法で施錠/開錠装置103との間のカラーコード通信を行い、更新コードと、更新後の施錠/開錠コードとを出力する。なお、施錠/開錠装置103では、前記ステップ310、320で述べたように、受信した施錠/開錠コードを、従来の施錠/開錠コードに上書きし、それ以降は、前記ステップ330、340の処理において、上書きした施錠/開錠コードを用いるようにする。
【0079】
なお、上記の処理は、所定時間おきに自動的に実行するようにしてもよい。また、乱数は、携帯電話3の乱数発生手段で発生させるのではなく、外部から取得するようにしてもよい。
(3)カラーコード施錠/開錠システム101が奏する効果
(i) カラーコード施錠/開錠システム101では、携帯電話3により、カラーコードである施錠/開錠コードを送信し、施錠/開錠装置103がその施錠/開錠コードを受信し、正しい施錠/開錠コードであると判断した場合に施錠/開錠を行う。カラーコードは大容量の情報を含むことができるから、これを用いることにより、不正な開錠が困難になり、安全性が高まる。
(ii) カラーコードである施錠/開錠コードは、指向性の高いLED素子の光により構成される。そのため、施錠/開錠コードは必要な方向のみに送られ、周囲に広がらないので、傍受されにくい。その結果、安全性が高まる。
(iii)カラーコードである施錠/開錠コードの光は肉眼で見ることができるので、ユーザは、その時施錠/開錠の処理が行われているか否かを容易に知ることができる。
(iv) カラーコード施錠/開錠システム101では、施錠/開錠コードを容易に更新することができる。そのことにより、不正な開錠が一層困難になり、安全性がより高まる。
【0080】
3.第3の実施形態
本実施形態における双方向カラーコード通信システムの構成を、図12に基づいて説明する。
【0081】
本実施形態における双方向カラーコード通信システムは、複数の車両(カラーコード出力装置、カラーコード通信装置)201により構成される。複数の車両201は、それぞれ、前記第1の実施形態における携帯電話3と基本的に同様のカラーコード出力部5、制御部7、カメラ9、操作部11、及びディスプレイ13(図1参照)を備えている。ただし、車両201は、カラーコード出力部5をその前端と後端との両方に備えており、また、カメラ9をその前端と後端との両方に備えている。前端に備えられたカラーコード出力部5は、車両201の前方に向けてカラーコードを出力することができ、後端に備えられたカラーコード出力部5は、車両201の後方に向けてカラーコードを出力することができる、また、前端に備えられたカメラ9は、前方から自車両に向けて出力されたカラーコードを撮影することができ、後端に備えられたカメラ9は、後方から自車両に向けて出力されたカラーコードを撮影することができる。
【0082】
なお、車両201の前端に備えられたカラーコード出力部5は、ヘッドライトであってもよいし、ヘッドライトとは別に設けられたものであってもよい。また、車両201の後端に備えられたカラーコード出力部5は、テールランプであってもよいし、テールランプとは別に設けられたものであってもよい。
【0083】
また、車両201は、操作部11、及びディスプレイ13を、車室内のインパネ(図示略)に備えている。
2台の車両201は、それらが前後に連なっている状態において、前記第1の実施形態における送信側携帯電話3Aと受信側携帯電話3Bとの通信と同様にして、カラーコード通信を行うことができる。すなわち、後方の車両201の前端に備えられたカラーコード出力部5で出力したカラーコードを、前方の車両201の後端に備えられたカメラ9で撮影し、また、前方の車両201の後端に備えられたカラーコード出力部5で出力したカラーコードを、後方の車両201の前端に備えられたカメラ9で撮影して、双方向のカラーコード通信を行うことができる。
【0084】
本実施形態においても、前記第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
4.第4の実施形態
本実施形態における双方向カラーコード通信システムの構成を、図13に基づいて説明する。
【0085】
本実施形態における双方向カラーコード通信システムは、灯台(カラーコード出力装置、カラーコード通信装置)301と、船舶(カラーコード出力装置、カラーコード通信装置)303とから構成される。灯台301と、船舶303は、それぞれ、前記第1の実施形態における携帯電話3と基本的に同様のカラーコード出力部5、制御部7、カメラ9、操作部11、及びディスプレイ13(図1参照)を備えている。ただし、灯台301は、カラーコード出力部5及びカメラ9をその上端付近に備えており、それらの上下左右方向の角度を変更可能に構成されている。また、船舶303は、カラーコード出力部5及びカメラ9をその中央ブリッジの上端付近に備えており、それらの上下左右方向の角度を変更可能に構成されている。また、灯台301は、操作部11、及びディスプレイ13を、灯台内の操作室(図示略)に備えており、船舶303は、操作部11、及びディスプレイ13を、その操縦室(図示略)に備えている。
【0086】
灯台301と船舶303とは、前記第1の実施形態における送信側携帯電話3Aと受信側携帯電話3Bとの通信と同様にして、カラーコード通信を行うことができる。すなわち、灯台301と船舶303のうちの一方に備えられたカラーコード出力部5で出力したカラーコードを、他方に備えられたカメラ9で撮影して、双方向のカラーコード通信を行うことができる。
【0087】
本実施形態においても、前記第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
尚、本発明は前記実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0088】
例えば、カラーコード出力部5において、光照射部5−1〜5−9の配置パターンは、図3に示すものに限定されず、任意のパターンで配置することができる。例えば、光照射部5−1〜5−9を縦又は横方向の1直線上に配置することができる。また、同心円上に配置することもできる。
【0089】
また、カラーコード出力部5が備える光照射部の数(カラーコードを構成するセルの数)は9に限定されず、任意の数(例えば、4、5、6、7、8、10、16、25、36・・・)とすることができる。
【0090】
また、カラーコードの各セルの色は、R、G、Bには限定されず、任意の色(無彩色を含む)とすることができる。任意の色は、赤色LED素子15、緑色LED素子17、及び青色LED素子19の光の強さの比率を調整することで実現できる。また、カラーコードにおける一部のセルは、光が点灯していない状態であってもよい。
【0091】
また、前記第1及び第2の実施形態において、携帯電話3のディスプレイ13をカラーコード出力手段としてもよい。すなわち、ディスプレイ13の画面に、複数の領域を設定し、それぞれの領域から所定の色の光を照射することで、カラーコードを出力することができる。この場合、ディスプレイ13に設定された各領域がカラーコードを構成するセルとなる。ディスプレイ13におけるセルの配置パターンは、図3に示すようなm×n(m、nは任意の整数)のマトリックスでもよいし、縦又は横方向の1直線上の配置でもよいし、同心円上の配置でもよい。なお、ディスプレイ13の制御は、前記第1の実施形態におけるカラーコード出力部5の制御と同様に行うことができる。
【0092】
また、前記第2の実施形態のカラーコード施錠/開錠システム101は、ドア等の施錠/開錠だけではなく、例えば、車両や各種装置の起動の許可/不許可の制御に用いることができる。例えば、車両等に設けられた施錠/開錠装置103に設定カラーコードが入力されたときのみ、車両等の起動(エンジンやモーターの起動、電源ON)を許可し、設定カラーコードが入力されないときは、車両等の起動を許可しないようにすることができる。
【0093】
また、前記第2の実施形態において、施錠はドア等が閉じたときに自動的に行われ(オートロック)、設定カラーコードの送受信によりドア等の開錠のみが実行されるようにしてもよい。
【0094】
また、前記第1及び第2の実施形態において、携帯電話3の代わりに、携帯電話以外の携帯端末(例えばノートPC、タブレット端末等)を用いてもよい。
また、前記第4の実施形態において、双方向カラーコード通信システムは、空港の管制塔と、航空機とから構成されるものであってもよい。すなわち、空港の管制塔と、航空機とにそれぞれ、カラーコード出力部5及びカメラ9を備え、空港の管制塔と航空機との間でカラーコード通信を行うことができる。
【0095】
また、双方向カラーコード通信システムは、携帯電話3と車両201とで構成されるものであってもよい。すなわち、携帯電話3が出力したカラーコードを車両201に備えられたカメラ9で撮影し、また、車両201から出力されたカラーコードを携帯電話3のカメラ9で撮影して、双方向のカラーコード通信を行うことができる。さらに、双方向カラーコード通信システムは、船舶同士でカラーコード通信を行うものであってもよいし、航空機同士でカラーコード通信を行うものであてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1・・・双方向カラーコード通信システム、3・・・携帯電話、
3A・・・送信側携帯電話、3B・・・受信側携帯電話、5・・・カラーコード出力部、
5−1〜5−9・・・光照射部、7・・・制御部、9・・・カメラ、11・・・操作部、
13・・・ディスプレイ、15・・・赤色LED素子、17・・・緑色LED素子、
19・・・青色LED素子、101・・・カラーコード施錠/開錠システム、
103・・・施錠/開錠装置、105・・・カラーコード出力部、
105−1〜105−9・・・光照射部、107・・・制御部、109・・・カメラ、
111・・・施錠/開錠部、201・・・車両、301・・・灯台、303・・・船舶
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、カラーコードにより通信を行うカラーコード出力装置、カラーコード通信装置、及びカラーコード通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
可視光を用いて通信を行う可視光通信装置が知られている(特許文献1参照)。この可視光通信装置では、単一の光源から照射される可視光を高速に点滅させることでデータを送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4337814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の可視光通信装置では、単一の光源を点滅させることでデータを送信するものであるから、ある時点における光のパターンは、その光源がONのパターンと、OFFのパターンとの2種類しかない。そのため、1つの光のパターンに含めることができる情報量が少なく、結果として、通信速度を十分に高めることができない。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、通信速度を高めることができるカラーコード出力装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカラーコード出力装置は、光の色を変化させることができる光照射手段が複数配列されたカラーコード出力手段と、前記光照射手段が照射する光の色を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明のカラーコード出力装置は、光の色を変化させることができる光照射手段が複数配列されたカラーコード出力手段により、カラーコードを出力することができる。そして、制御手段により、各光照射手段が照射する光の色を変え、カラーコードを自由に変化させることができる。
【0008】
カラーコードは大容量の情報を含むことができるから、本発明のカラーコード出力装置は、カラーコードを出力し、そのカラーコードを自由に変化させることにより、例えば、高速通信を行うことができる。
【0009】
また、カラーコード出力手段により出力されたカラーコードは指向性が高いので、遠距離にまで到達する。そのため、遠距離間でも通信を行うことができる。また、指向性が高いカラーコードは周囲に拡散しないので、通信内容を傍受されにくい。また、カラーコードの光は肉眼で見ることができるので、ユーザは、その時通信が行われているか否かを容易に知ることができる。
【0010】
本発明のカラーコード出力装置において、制御手段は、光照射手段が照射する光の強度を周期的に変動させることが好ましい。この場合、例えば、カラーコードの読み取りを、所定時間おきに複数回試みるようにすれば、カラーコードにおける光の強度が高いとき、中間のとき、低いときに、それぞれカラーコードの読み取りを行うことができる。その結果、カラーコードの光の強度が過大又は過小であるため読み取れないというようなことがなく、カラーコードを確実に読み取ることができる。
【0011】
本発明のカラーコード通信装置は、光の色を変化させることができる光照射手段が複数配列されたカラーコード出力手段と、前記光照射手段が照射する光の色を制御する制御手段と、カラーコードを読み取る読み取り手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明のカラーコード通信装置は、光の色を変化させることができる光照射手段が複数配列されたカラーコード出力手段により、カラーコードを出力することができる。そして、制御手段により、各光照射手段が照射する光の色を変え、カラーコードを自由に変化させることができる。また、本発明のカラーコード通信装置は、他のカラーコード通信装置が出力したカラーコードを、読み取り手段により読み取ることができる。
【0013】
カラーコードは大容量の情報を含むことができるから、本発明のカラーコード通信装置は、カラーコードの出力、及び読み取りを行うことで、例えば、高速通信を行うことができる。
【0014】
また、カラーコード出力手段により出力されたカラーコードは指向性が高いので、遠距離にまで到達する。そのため、遠距離間でも通信を行うことができる。また、指向性が高いカラーコードは周囲に拡散しないので、通信内容を傍受されにくい。また、カラーコードの光は肉眼で見ることができるので、ユーザは、その時通信が行われているか否かを容易に知ることができる。
【0015】
本発明のカラーコード通信装置において、制御手段は、光照射手段が照射する光の強度を周期的に変動させることが好ましい。この場合、例えば、カラーコードの読み取りを、所定時間おきに複数回試みるようにすれば、カラーコードにおける光の強度が高いとき、中間のとき、低いときに、それぞれカラーコードの読み取りを行うことができる。その結果、カラーコードの光の強度が過大又は過小であるため読み取れないというようなことがなく、カラーコードを確実に読み取ることができる。
【0016】
本発明のカラーコード通信システムは、上述したカラーコード出力装置と、そのカラーコード出力装置から出力されたカラーコードを読み取るカラーコード読み取り装置と、から構成される。
【0017】
本発明のカラーコード通信システムでは、カラーコード出力装置によりカラーコードを出力し、そのカラーコードをカラーコード読み取り装置で読み取ることにより、カラーコード通信を行うことができる。カラーコードは大容量の情報を含むことができるから、本発明のカラーコード通信システムは、高速通信を行うことができる。
【0018】
本発明の双方向カラーコード通信システムは、複数の上述したカラーコード通信装置から構成される。
本発明の双方向カラーコード通信システムでは、いずれかのカラーコード通信装置Aによりカラーコードを出力し、そのカラーコードを他のカラーコード通信装置Bで読み取ることにより、カラーコード通信を行うことができる。また、それとは逆に、カラーコード通信装置Bによりカラーコードを出力し、そのカラーコードをカラーコード通信装置Aで読み取ることにより、カラーコード通信を行うこともできる。
【0019】
カラーコードは大容量の情報を含むことができるから、本発明の双方向カラーコード通信システムは、高速通信を行うことができる。
本発明の双方向カラーコード通信システムは、以下のものであることが好ましい。すなわち、前記カラーコード通信装置は、他のカラーコード通信装置から出力されたカラーコードを前記カラーコード読み取り手段により読み取った場合、前記他のカラーコード通信装置に受信信号を出力する受信信号出力手段と、前記カラーコード出力手段により、使用する色の範囲が異なる複数のカラーコードを出力する複数のカラーコード出力手段と、前記複数のカラーコードのそれぞれに対応する前記受信信号の受信状態に基づき、前記カラーコード出力手段により出力するカラーコードの色の範囲を設定する色範囲設定手段とを備えることが好ましい。
【0020】
上記の構成を備える場合、以下の効果が得られる。カラーコード通信装置が存在する場所の環境(例えば、周囲の光の色や強さ、空気の透明度等)により、カラーコードに使用される一部の色は、相手側のカラーコード通信装置で読み取り難いことがある。上記の構成を備える場合、送信側のカラーコード通信装置から出力された、使用する色の範囲が異なる複数のカラーコードのうち、相手側のカラーコード通信装置から受信信号が返されたもの(すなわち、相手側のカラーコード通信装置で正常に読み取れたもの)を選択し、その正常に読み取れたカラーコードの色の範囲を、それ以降においてカラーコード出力手段により出力するカラーコードの色の範囲(通信で使用するカラーコードの色の範囲)とする。そのことにより、通信で使用するカラーコードの色は、相手側のカラーコード通信装置で読み取れる色に限定されるから、確実にカラーコード通信を行うことができる。
【0021】
本発明のカラーコード施錠/開錠システムは、上述したカラーコード出力装置であって、所定の設定カラーコードを出力可能なカラーコード出力装置と、前記カラーコード出力装置により出力されたカラーコードを読み取る読み取り手段、及び前記読み取り手段で読み取ったカラーコードが前記設定カラーコードである場合、施錠及び/又は開錠を行う施錠/開錠手段を備えた施錠/開錠装置と、から構成される。
【0022】
本発明のカラーコード施錠/開錠システムは、カラーコードである設定カラーコードを送受信することで施錠/開錠を行う。カラーコードは大容量の情報を含むことができるから、これを用いることにより、不正な開錠が困難になり、安全性が高まる。
【0023】
また、カラーコードである設定カラーコードは、指向性が高く、必要な方向のみに送られ、周囲に広がらないので、傍受されにくい。その結果、安全性が高まる。
また、カラーコードである設定カラーコードの光は肉眼で見ることができるので、ユーザは、その時施錠/開錠の処理が行われているか否かを容易に知ることができる。
【0024】
本発明のカラーコード施錠/開錠システムは、以下のものであることが好ましい。すなわち、前記カラーコード出力装置は、前記設定カラーコードを更新する更新手段と、更新後の前記設定カラーコードを出力する更新後カラーコード出力手段とを備え、前記施錠/開錠装置は、前記更新後カラーコード出力手段により出力された更新後の前記設定カラーコードを読み取り、その更新後の前記設定カラーコードを前記施錠/開錠手段にて用いる前記設定カラーコードとすることが好ましい。
【0025】
この場合、設定カラーコードを容易に更新することができる。そのことにより、不正な開錠が一層困難になり、安全性がより高まる。
本発明において、カラーコード(カラージップメディア社所有の登録商標、特開2001−319200号等で開示)とは、カラーバーコードとも称される、カラーパターンをコード化している2次元コードシステムであって、カラーコードを構成するセル(ピクセル)の少なくとも一部の色が有彩色であるものをいう。全てのセルの色が有彩色であってもよいし、一部のセルのみが有彩色であってもよい。有彩色でないセルは、例えば、無彩色(白、灰色、黒等)の光が照射されていてもよいし、消灯していてもよい。カラーコードを構成するセルの色(光照射手段が照射する光の色)は、任意の色とすることができ、例えば、赤、緑、青、及びそれらの1以上を任意の比率で混合した色のいずれかとすることができる。
【0026】
前記光照射手段としては、光を照射する周知の手段を広く用いることができ、特に、LEDが好ましい。カラーコードを出力するために光照射手段が照射する光は、可視光であることが好ましい。可視光の波長の範囲は、例えば、JIS Z8120で規定する範囲とすることができる。
【0027】
前記カラーコード出力手段において、複数の光照射手段の配列は、互いの位置関係が固定された配列とすることができる。配列のパターンは特に限定されず、様々なパターンで配列することができる。例えば、縦m行、横n列のマトリックス状の配列(m、nは任意の整数)、縦又は横一列の配列、曲面(例えば円、楕円等)に沿った配列とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】双方向カラーコード通信システム1を構成する携帯電話3の構成を表すブロック図である。
【図2】カラーコード出力部5の構成を表すブロック図である。
【図3】携帯電話3の構成を表す斜視図である。
【図4】送信側携帯電話3Aがカラーコードを出力する処理を表すフローチャートである。
【図5】カラーコード出力部5が出力するカラーコードの種類を表す説明図である。
【図6】カラーコード出力部5が出力する光の強度変動を表すグラフである。
【図7】受信側携帯電話3Bがカラーコードを受信する処理を表すフローチャートである。
【図8】送信側携帯電話3Aが実行する処理を表すフローチャートである。
【図9】カラーコード施錠/開錠システム101の構成を表す説明図である。
【図10】施錠/開錠コード又は変更コードを受信したときに施錠/開錠装置103が実行する処理を表すフローチャートである。
【図11】携帯電話3において施錠/開錠コードを更新する処理を表すフローチャートである。
【図12】複数の車両から成る双方向カラーコード通信システムの構成を表す説明図である。
【図13】灯台と船舶とから成る双方向カラーコード通信システムの構成を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
1.第1の実施形態
(1)双方向カラーコード通信システム1の構成
双方向カラーコード通信システム1の構成を、図1〜図3に基づいて説明する。図1は、双方向カラーコード通信システム1を構成する携帯電話(カラーコード出力装置、カラーコード通信装置)3の構成を表すブロック図であり、図2は後述するカラーコード出力部5の構成を表すブロック図であり、図3は携帯電話3の構成を表す斜視図である。
【0030】
双方向カラーコード通信システム1は、複数の携帯電話3から構成される。携帯電話3は、図1及び図3に示すように、9つの光照射部(光照射手段)5−1〜5−9を備えており、光照射部5−1〜5−9を総称してカラーコード出力部(カラーコード出力手段)5とする。また、携帯電話3は、制御部(制御手段)7、カメラ(読み取り手段)9、操作部11、及びディスプレイ13を備えている。
【0031】
光照射部5−1は、図2に示すように、赤色LED素子15、緑色LED素子17、及び青色LED素子19から構成されている。制御部7は、各LED素子のON/OFF、及び点灯強度を個別に制御することができる。よって、光照射部5−1は、各LED素子のON/OFF、及び点灯強度を調整することにより、任意の色を、任意の強度で照射することができる。また、各LED素子は、携帯電話3の筐体面に直交する方向(図3において矢印で示す方向D)に高い指向性の光を照射するように構成されている。よって、光照射部5−1は、方向Dの方向に指向性の高い光を照射することができる。光照射部5−2〜5−9も、光照射部5−1と同様に構成されている。
【0032】
カラーコード出力部5において、光照射部5−1〜5−9は、図3に示すように、3×3のマトリックス状に配置されている。光照射部5−1〜5−9のそれぞれに、所定の色の光を照射させることにより、光照射部5−1〜5−9のそれぞれを1つのセルとするカラーコードを前記方向Dに向けて出力することができる。
【0033】
制御部7は、CPU、ROM、RAM等を備える周知のコンピュータであり、携帯電話3の各部を制御する。その制御には、光照射部5−1〜5−9それぞれが照射する光の色、及び強度を個別に設定し、カラーコード出力部5が出力するカラーコードの内容を決める処理が含まれる。また、制御部7は、後述する処理を実行する。
【0034】
カメラ9は、周知の構造及び機能を有するカメラであって、そのレンズは、携帯電話3の筐体のうち、カラーコード出力部5が設けられている面に取り付けられている。カメラ9は、他の携帯電話3のカラーコード出力部5が出力するカラーコードを撮影し、その画像を取得することができる。
【0035】
操作部11は、周知の携帯電話が備える操作ボタンであり、携帯電話3に対するユーザの指示を入力することができる。その指示には、後述するカラーコード通信を開始する指示や、そのカラーコード通信において出力するカラーコードの内容を設定する指示等が含まれる。ディスプレイ13は、周知の携帯電話が備える液晶ディスプレイである。なお、携帯電話3は、上述した構成のほかにも、通常の携帯電話と同様の構成を備えるが、ここではその記載は省略する。
(2)カラーコード出力部5が出力するカラーコード
カラーコード出力部5が出力するカラーコードを図5に示す。カラーコードには、呼び出しコード、応答コード、受信コード、通信完了コード、情報コードの5種類があり、それぞれにおいて、図5に示すように、各セル(光照射部5−1〜5−9)が照射する光の色が予め定められている。なお、図5において、Rは赤を意味し、Gは緑を意味し、Bは青を意味する。
【0036】
呼び出しコードは、双方向カラーコード通信システム1を構成する複数の携帯電話3のうち、情報コードを出力するもの(以下、送信側携帯電話3Aとする)が、その情報コードを受信する携帯電話3(以下、受信側携帯電話3Bとする)を呼び出すためのカラーコードである。なお、携帯電話3は、カラーコードの出力、受信の両方が可能であるから、送信側携帯電話3Aは、情報コードの受信も行うことができ、送信側携帯電話3Bは、情報コードの送信も行うことができる。
【0037】
応答コードは、呼び出しコードを受信した受信側携帯電話3Bが、送信側携帯電話3Aに返すカラーコードである。
受信コードは、情報コードを受信した受信側携帯電話3Bが、送信側携帯電話3Aに返すカラーコードである。
【0038】
通信完了コードは、全ての情報コードを出力したとき、送信側携帯電話3Aが、受信側携帯電話3Bに出力するカラーコードである。
情報コードは、応答コードが受信側携帯電話3Bから送信側携帯電話3Aに返された後、送信側携帯電話3Aが出力するカラーコードであり、通信により伝達すべき内容を表すものである。情報コードには、I−1、I−2、I−3、・・・というように多数の種類があり、それぞれに、所定の伝達すべき情報(例えば、文字、単語、文章、所定の意味を持つ命令等)が割り当てられている。あるいは、複数の情報コードの組み合わせに、所定の伝達すべき情報を割り当ててもよい。
(3)双方向カラーコード通信システム1が実行するカラーコードの送受信処理
双方向カラーコード通信システム1が実行するカラーコードの送受信処理を説明する。カラーコードの送受信を行うとき、送信側携帯電話3Aと受信側携帯電話3Bとは、送信側携帯電話3Aのカラーコード出力部5及びカメラ9と、受信側携帯電話3Bのカラーコード出力部5及びカメラ9とが対向するように配置される。
(3−1)まず、送信側携帯電話3Aが、カラーコードを出力する処理を図4のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、ユーザが送信側携帯電話3Aの操作部11に対して所定の操作を行ったときに実行される。また、ユーザは、カラーコードを出力する前に、操作部11を操作して、送信側携帯電話3Aから出力したい情報コードを予め設定しておく。出力する情報コードは単一であってもよいし、複数であってもよい。出力する情報コードが複数の場合は、ユーザの操作に応じて出力する順番が決められる。例えば、ユーザが情報コードの出力を設定した順番を、そのまま、情報コードを出力する順番とすることができる。
【0039】
ステップ10では、カラーコード出力部5を用いて、呼び出しコードを出力する。なお、呼び出しコード、及びその他のカラーコードを出力するとき、カラーコード出力部5が出力する光の強度は、図6に示すように、周期Tで周期的に変動する。変動する光の強度の上限は、受信側携帯電話3Bにおいて、光の強度不足で受信できないということが生じないように、十分大きく設定される。また、変動する光の強度の下限は、受信側携帯電話3Bにおいて、光の強度が過大であるため受信できないということが生じないように、十分小さく設定される。
【0040】
ステップ20では、受信側携帯電話3Bにより出力された、応答コードが読み取れたか否かを判断する。応答コードは、呼び出しコードを受信したときに受信側携帯電話3Bが出力するカラーコードである。
【0041】
応答コードの読み取りは以下のように行われる。まず、カメラ9により、受信側携帯電話3Bのカラーコード出力部5から照射された光を含む範囲の画像を取り込む。そして、その画像のうち、カラーコード(応答コード)を含む領域(以下では、カラーコード領域とする)を周知の画像認識の方法で認識する。さらに、カラーコード領域から、周知のカラーコードの読み取り方法(例えば特開2008−181447号公報、特開2008−27036号公報等記載の方法)により、応答コードを読み取る。
【0042】
なお、応答コードも、呼び出しコードと同様に、その光の強度は周期Tで変動する(図6参照)が、上述した応答コードの読み取りは、周期Tの期間内に、多数回実行される。そのため、応答コードの読み取りは、応答コードにおける光の強度が上限付近のとき、下限付近のとき、中間のときに、それぞれ行われる。
【0043】
多数回の読み取りのうち、1回でも応答コードが読み取れればステップ30に進み、一回も読み取れなかった場合はステップ20に留まる。
なお、呼び出しコードを出力してから所定時間が経過しても応答コードが読み取れない場合は本処理を終了するようにしてもよい。
【0044】
ステップ30では、カラーコード出力部5を用いて、情報コードを出力する。出力すべき情報コードが複数ある場合は、予め定められた順番に従い、1つの情報コードを出力する。なお、情報コードも、呼び出しコードと同様に、その強度は周期Tで変動する(図6参照)。
【0045】
ステップ40では、受信側携帯電話3Bにより出力された、受信コードが読み取れたか否かを判断する。受信コードは、直前のステップ30で出力した情報コードを受信したときに受信側携帯電話3Bが出力するカラーコードである。
【0046】
受信コードの読み取りは、応答コードの読み取りと同様に行われる。受信コードの読み取りも、周期Tの期間内に、多数回実行され、その多数回の読み取りのうち、1回でも受信コードが読み取ればステップ50に進み、一回も読み取れなかった場合はステップ40に留まる。
【0047】
なお、情報コードを出力してから所定時間が経過しても受信コードが読み取れない場合は本処理を終了するようにしてもよい。
ステップ50では、出力すべき情報コードを全て出力したか否かを判断する。全て出力した場合はステップ60に進み、未だ出力していない情報コードが残っている場合はステップ30に戻る。
【0048】
ステップ60では、通信完了コードを出力する。なお、通信完了コードも、呼び出しコードと同様に、その強度は周期Tで変動する(図6参照)。
(3−2)次に、受信側携帯電話3Bが、送信側携帯電話3Aにより出力されたカラーコードを受信する処理を図7のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、ユーザが受信側携帯電話3Bの操作部11に対して所定の操作を行ったときに実行される。あるいは、定期的に自動実行されるようにしてもよい。
【0049】
ステップ110では、送信側携帯電話3Aにより出力された、呼び出しコードが読み取れたか否かを判断する。なお、上述したように、呼び出しコードの強度は周期Tで変動する(図6参照)が、呼び出しコードの読み取りは、周期Tの期間内に、多数回実行され、その多数回の読み取りのうち、1回でも呼び出しコードが読み取れればステップ120に進み、一回も読み取れなかった場合はステップ110に留まる。
【0050】
なお、所定時間が経過しても呼び出しコードが読み取れない場合は本処理を終了するようにしてもよい。
ステップ120では、カラーコード出力部5を用いて、応答コードを出力する。
【0051】
ステップ130では、送信側携帯電話3Aにより出力された、情報コードが読み取れたか否かを判断する。なお、上述したように、情報コードにおける光の強度は周期Tで変動する(図6参照)が、情報コードの読み取りは、周期Tの期間内に、多数回実行され、その多数回の読み取りのうち、1回でも情報コードが読み取れればステップ140に進み、一回も読み取れなかった場合はステップ130に留まる。
【0052】
なお、応答コードを出力してから所定時間が経過しても情報コードが読み取れない場合は本処理を終了するようにしてもよい。
ステップ140では、カラーコード出力部5を用いて、受信コードを出力する。
【0053】
ステップ150では、送信側携帯電話3Aにより出力された、通信完了コードが読み取れたか否かを判断する。なお、上述したように、通信完了コードにおける光の強度は周期Tで変動する(図6参照)が、通信完了コードの読み取りは、周期Tの期間内に、多数回実行され、その多数回の読み取りのうち、1回でも通信完了コードが読み取れれば本処理を終了し、一回も読み取れなかった場合はステップ130に戻る。
(4)双方向カラーコード通信システム1が奏する効果
(i)双方向カラーコード通信システム1は、カラーコードを送受信することにより通信を行う。カラーコードは大容量の情報を含むことができるから、これを用いることにより、通信速度が高くなる。
(ii)カラーコードを出力するとき、その光の強度は周期Tで変動する。そして、カラーコードを読み取るとき、周期Tの期間内に、多数回読み取りが実行される。そのため、カラーコードの読み取りは、カラーコードにおける光の強度が上限付近のとき、下限付近のとき、中間のときに、それぞれ行われる。その結果、光の強度が過大又は過小であるため読み取れないというようなことがなく、カラーコードを確実に読み取ることができる。
(iii)カラーコードは、指向性の高いLED素子の光により構成される。そのため、カラーコードは遠距離にまで到達するので、携帯電話3間の距離が大きい場合でも通信を行うことができる。また、指向性の高いLED素子の光は周囲に拡散しないので、通信内容を傍受されにくい。
(iv)カラーコードの光は肉眼で見ることができるので、携帯電話3のユーザは、その時通信が行われているか否かを容易に知ることができる。
(5)変形例
双方向カラーコード通信システム1は、上述した機能に加えて、さらに、以下の機能を備えていてもよい。送信側携帯電話3Aは、呼び出しコードを出力しても、所定時間内に応答コードが返ってこない場合、図8のフローチャートに示す処理を実行する。
【0054】
ステップ210では、呼び出しコードX1を出力する。この呼び出しコードX1は、通常の呼び出しコードとは異なり、使用する色の範囲が特定の範囲(例えば、赤と緑)に制限された呼び出しコードである。
【0055】
ステップ220では、呼び出しコードX1の出力から所定時間内に、受信側携帯電話3Bにより出力された、応答コードY1が読み取れたか否かを判断する。応答コードY1は、呼び出しコードX1を受信したときに受信側携帯電話3Bが出力するカラーコードである。応答コードY1は、呼び出しコードX1と同様に、使用する色の範囲が特定の範囲(例えば、赤と緑)に制限されている。応答コードY1を読み取れなかった場合はステップ230に進み、応答コードY1を読み取れた場合はステップ280に進む。
【0056】
ステップ230では、呼び出しコードX2を出力する。この呼び出しコードX2は、使用する色の範囲が、呼び出しコードX1とは異なる特定の範囲(例えば、緑と青)に制限された呼び出しコードである。
【0057】
ステップ240では、呼び出しコードX2の出力から所定時間内に、受信側携帯電話3Bにより出力された、応答コードY2が読み取れたか否かを判断する。応答コードY2は、呼び出しコードX2を受信したときに受信側携帯電話3Bが出力するカラーコードである。応答コードY2は、呼び出しコードX2と同様に、使用する色の範囲が特定の範囲(例えば、緑と青)に制限されている。応答コードY2を読み取れなかった場合はステップ250に進み、応答コードY2を読み取れた場合はステップ290に進む。
【0058】
ステップ250では、呼び出しコードX3を出力する。この呼び出しコードX3は、使用する色の範囲が、呼び出しコードX1、X2とは異なる特定の範囲(例えば、赤と青)に制限された呼び出しコードである。
【0059】
ステップ260では、呼び出しコードX3の出力から所定時間内に、受信側携帯電話3Bにより出力された、応答コードY3が読み取れたか否かを判断する。応答コードY3は、呼び出しコードX3を受信したときに受信側携帯電話3Bが出力するカラーコードである。応答コードY3は、呼び出しコードX3と同様に、使用する色の範囲が特定の範囲(例えば、赤と青)に制限されている。応答コードY3を読み取れなかった場合はステップ270に進み、応答コードY3を読み取れた場合はステップ300に進む。
【0060】
ステップ270では、ディスプレイ13に通信不能表示を行う。
一方、前記ステップ220で応答コードY1を読み取れた場合はステップ280に進み、通信に使うカラーコードを、色の範囲が呼び出しコードX1及び応答コードY1における色の範囲であるものに限定する。
【0061】
また、前記ステップ240で応答コードY2を読み取れた場合はステップ290に進み、通信に使うカラーコードを、色の範囲が呼び出しコードX2及び応答コードY2における色の範囲であるものに限定する。
【0062】
また、前記ステップ260で応答コードY3を読み取れた場合はステップ300に進み、通信に使うカラーコードを、色の範囲が呼び出しコードX3及び応答コードY3における色の範囲であるものに限定する。
【0063】
上記の処理を行うことにより、以下の効果が得られる。送信側携帯電話3Aと受信側携帯電話3Bが存在する場所の環境(周囲の光の色や強さ、空気の透明度等)により、カラーコードに使用される一部の色は、受信側携帯電話3Bで認識し難いことがある。上記の処理では、使用する色の範囲が異なる呼び出しコードX1〜X3のうち、応答コードが帰ってきたもの(すなわち、受信側携帯電話3Bで正常に読み取れたもの)を選択し、その応答コードで使用している色の範囲を、通信で使用するカラーコードの色の範囲とする。そのことにより、通信で使用するカラーコードの色は、相手側の携帯電話3で読み取れる色に限定されるから、確実にカラーコード通信を行うことができる。
【0064】
2.第2の実施形態
(1)カラーコード施錠/開錠システム101の構成
まず、カラーコード施錠/開錠システム101の構成を説明する。カラーコード施錠/開錠システム101は、図9に示すように、携帯電話(カラーコード出力装置、カラーコード通信装置)3と、施錠/開錠装置103とから構成される。施錠/開錠装置103は、建物や乗り物におけるドア(図示略)付近に取り付けられ、そのドアの施錠及び開錠を行う装置である。
【0065】
携帯電話3は、前記第1の実施形態における携帯電話3と基本的には同様であるが、さらに、その制御部7(図1参照)に、後述する施錠/開錠コードの更新処理に用いる、周知の乱数発生手段を備えている。
【0066】
施錠/開錠装置103は、9つの光照射部105−1〜105−9を備えており、光照射部105−1〜105−9を総称してカラーコード出力部105とする。また、施錠/開錠装置103は、制御部107、カメラ109、及び施錠/開錠部(施錠/開錠手段)111を備えている。
【0067】
カラーコード出力部105、カメラ109は、それぞれ、前記第1の実施形態における携帯電話3のカラーコード出力部5、カメラ9と同様のものである。カラーコード出力部105とカメラ109のレンズとは、施錠/開錠装置103の筐体(図示略)における同一の平面に取り付けられている。
【0068】
制御部107は、CPU、ROM、RAM等を備える周知のコンピュータであり、施錠/開錠装置103の各部を制御する。その制御には、前記第1の実施形態における携帯電話3と同様に、カラーコード出力部105を用いてカラーコードを出力する処理、及びカメラ109を用いて携帯電話3が出力したカラーコードを受信する処理が含まれる。また、制御部107は、後述する処理を実行する。さらに、制御部107は、後述する施錠/開錠コードを、書き換え可能な記憶素子に記憶している。
【0069】
施錠/開錠部111は、制御部107の指示により、上述したドアの施錠又は開錠を実行する。
(2)カラーコード施錠/開錠システム101が実行する処理
カラーコード施錠/開錠システム101が実行する処理を説明する。
(2−1)まず、携帯電話3と施錠/開錠装置103との間で行われる通信処理について説明する。携帯電話3と施錠/開錠装置103とは、前記第1の実施形態における送信側携帯電話3Aと受信側携帯電話3Bとの通信と同様にして、カラーコード通信を行うことができる。すなわち、本実施形態では、携帯電話3が前記第1の実施形態における送信側携帯電話3Aとして機能し、施錠/開錠装置103が、前記第1の実施形態における受信側携帯電話3Bとして機能する。このカラーコード通信において、携帯電話3のカラーコード出力部5が出力したカラーコードを、施錠/開錠装置103はカメラ109を用いて受信し、また、施錠/開錠装置103のカラーコード出力部105が出力したカラーコードを、携帯電話3がカメラ9を用いて受信する。
【0070】
携帯電話3は、上記のカラーコード通信により、情報コードの一種である施錠/開錠コード(設定カラーコード)を出力することができ、施錠/開錠装置103はその施錠/開錠コードを受信することができる。この施錠/開錠コードは、鍵の施錠又は開錠を指示するカラーコードである。
【0071】
また、携帯電話3は、上記のカラーコード通信により、情報コードの一種である変更コードを出力することができ、施錠/開錠装置103はその変更コードを受信することができる。この変更コードは、施錠/開錠装置103に設定されている施錠/開錠コードを変更することを指示するカラーコードである。
【0072】
なお、ユーザは、ドアの施錠又は開錠を行う場合は、携帯電話3により、施錠/開錠コードを出力する。また、ユーザは、施錠/開錠コードの更新を行う場合は、携帯電話3により、更新コードと、後述する方法で更新した後の施錠/開錠コードとの両方を出力する。
(2−2)次に、施錠/開錠コード又は変更コードを受信したときに施錠/開錠装置103が実行する処理を図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0073】
ステップ310では、受信したカラーコード(情報コード)に、変更コードと施錠/開錠コードとの両方を含むか否かを判断する。変更コードと施錠/開錠コードとの両方を含む場合はステップ320に進み、変更コードと施錠/開錠コードのうちの一方でも含まない場合はステップ330に進む。
【0074】
ステップ320では、施錠/開錠装置103の制御部107において、前記ステップ310で受信した施錠/開錠コードを、従来の施錠/開錠コードに上書きする。なお、これ以降は、後述するステップ330、340において、上書きした施錠/開錠コードを用いるようにする。施錠/開錠コードの変更後、本処理を終了する。
【0075】
一方、前記ステップ310で、変更コードと施錠/開錠コードのうちの一方でも含まないと判断された場合はステップ330に進み、受信したカラーコード(情報コード)に、施錠/開錠装置103の制御部107に記憶された施錠/開錠コードと同じ施錠/開錠コードが含まれるか否かを判断する。その施錠/開錠コードが含まれる場合はステップ340に進み、含まれない場合は本処理を終了する。
【0076】
ステップ340では、施錠/開錠部111を用いて、ドアの施錠又は開錠を行う。すなわち、ドアが開錠された状態であったときは施錠を行い、ドアが施錠された状態であったときは開錠を行う。
(2−3)次に、携帯電話3において施錠/開錠コードを更新する処理を図11のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、ユーザが携帯電話3の操作部11に対して所定の操作を行ったときに実行される。
【0077】
ステップ410では、携帯電話3の制御部7が備える乱数発生手段により、9つの乱数を発生させる。
ステップ420では、その9つの乱数により、光照射部5−1〜5−9の光の色をそれぞれランダムに設定する。すなわち、制御部7は、乱数と光の色との関係を規定したマップを備えており、光照射部5−1〜5−9のそれぞれについて、発生した乱数にマップ上で対応する光の色を設定する。そのように光照射部5−1〜5−9の光の色を設定したカラーコードを、更新後の施錠/開錠コードとして、携帯電話3の制御部7に記憶する。これ以降は、施錠/開錠装置103に出力する施錠/開錠コードとして、更新後のものを使用する。
【0078】
ステップ430では、上述した方法で施錠/開錠装置103との間のカラーコード通信を行い、更新コードと、更新後の施錠/開錠コードとを出力する。なお、施錠/開錠装置103では、前記ステップ310、320で述べたように、受信した施錠/開錠コードを、従来の施錠/開錠コードに上書きし、それ以降は、前記ステップ330、340の処理において、上書きした施錠/開錠コードを用いるようにする。
【0079】
なお、上記の処理は、所定時間おきに自動的に実行するようにしてもよい。また、乱数は、携帯電話3の乱数発生手段で発生させるのではなく、外部から取得するようにしてもよい。
(3)カラーコード施錠/開錠システム101が奏する効果
(i) カラーコード施錠/開錠システム101では、携帯電話3により、カラーコードである施錠/開錠コードを送信し、施錠/開錠装置103がその施錠/開錠コードを受信し、正しい施錠/開錠コードであると判断した場合に施錠/開錠を行う。カラーコードは大容量の情報を含むことができるから、これを用いることにより、不正な開錠が困難になり、安全性が高まる。
(ii) カラーコードである施錠/開錠コードは、指向性の高いLED素子の光により構成される。そのため、施錠/開錠コードは必要な方向のみに送られ、周囲に広がらないので、傍受されにくい。その結果、安全性が高まる。
(iii)カラーコードである施錠/開錠コードの光は肉眼で見ることができるので、ユーザは、その時施錠/開錠の処理が行われているか否かを容易に知ることができる。
(iv) カラーコード施錠/開錠システム101では、施錠/開錠コードを容易に更新することができる。そのことにより、不正な開錠が一層困難になり、安全性がより高まる。
【0080】
3.第3の実施形態
本実施形態における双方向カラーコード通信システムの構成を、図12に基づいて説明する。
【0081】
本実施形態における双方向カラーコード通信システムは、複数の車両(カラーコード出力装置、カラーコード通信装置)201により構成される。複数の車両201は、それぞれ、前記第1の実施形態における携帯電話3と基本的に同様のカラーコード出力部5、制御部7、カメラ9、操作部11、及びディスプレイ13(図1参照)を備えている。ただし、車両201は、カラーコード出力部5をその前端と後端との両方に備えており、また、カメラ9をその前端と後端との両方に備えている。前端に備えられたカラーコード出力部5は、車両201の前方に向けてカラーコードを出力することができ、後端に備えられたカラーコード出力部5は、車両201の後方に向けてカラーコードを出力することができる、また、前端に備えられたカメラ9は、前方から自車両に向けて出力されたカラーコードを撮影することができ、後端に備えられたカメラ9は、後方から自車両に向けて出力されたカラーコードを撮影することができる。
【0082】
なお、車両201の前端に備えられたカラーコード出力部5は、ヘッドライトであってもよいし、ヘッドライトとは別に設けられたものであってもよい。また、車両201の後端に備えられたカラーコード出力部5は、テールランプであってもよいし、テールランプとは別に設けられたものであってもよい。
【0083】
また、車両201は、操作部11、及びディスプレイ13を、車室内のインパネ(図示略)に備えている。
2台の車両201は、それらが前後に連なっている状態において、前記第1の実施形態における送信側携帯電話3Aと受信側携帯電話3Bとの通信と同様にして、カラーコード通信を行うことができる。すなわち、後方の車両201の前端に備えられたカラーコード出力部5で出力したカラーコードを、前方の車両201の後端に備えられたカメラ9で撮影し、また、前方の車両201の後端に備えられたカラーコード出力部5で出力したカラーコードを、後方の車両201の前端に備えられたカメラ9で撮影して、双方向のカラーコード通信を行うことができる。
【0084】
本実施形態においても、前記第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
4.第4の実施形態
本実施形態における双方向カラーコード通信システムの構成を、図13に基づいて説明する。
【0085】
本実施形態における双方向カラーコード通信システムは、灯台(カラーコード出力装置、カラーコード通信装置)301と、船舶(カラーコード出力装置、カラーコード通信装置)303とから構成される。灯台301と、船舶303は、それぞれ、前記第1の実施形態における携帯電話3と基本的に同様のカラーコード出力部5、制御部7、カメラ9、操作部11、及びディスプレイ13(図1参照)を備えている。ただし、灯台301は、カラーコード出力部5及びカメラ9をその上端付近に備えており、それらの上下左右方向の角度を変更可能に構成されている。また、船舶303は、カラーコード出力部5及びカメラ9をその中央ブリッジの上端付近に備えており、それらの上下左右方向の角度を変更可能に構成されている。また、灯台301は、操作部11、及びディスプレイ13を、灯台内の操作室(図示略)に備えており、船舶303は、操作部11、及びディスプレイ13を、その操縦室(図示略)に備えている。
【0086】
灯台301と船舶303とは、前記第1の実施形態における送信側携帯電話3Aと受信側携帯電話3Bとの通信と同様にして、カラーコード通信を行うことができる。すなわち、灯台301と船舶303のうちの一方に備えられたカラーコード出力部5で出力したカラーコードを、他方に備えられたカメラ9で撮影して、双方向のカラーコード通信を行うことができる。
【0087】
本実施形態においても、前記第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
尚、本発明は前記実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0088】
例えば、カラーコード出力部5において、光照射部5−1〜5−9の配置パターンは、図3に示すものに限定されず、任意のパターンで配置することができる。例えば、光照射部5−1〜5−9を縦又は横方向の1直線上に配置することができる。また、同心円上に配置することもできる。
【0089】
また、カラーコード出力部5が備える光照射部の数(カラーコードを構成するセルの数)は9に限定されず、任意の数(例えば、4、5、6、7、8、10、16、25、36・・・)とすることができる。
【0090】
また、カラーコードの各セルの色は、R、G、Bには限定されず、任意の色(無彩色を含む)とすることができる。任意の色は、赤色LED素子15、緑色LED素子17、及び青色LED素子19の光の強さの比率を調整することで実現できる。また、カラーコードにおける一部のセルは、光が点灯していない状態であってもよい。
【0091】
また、前記第1及び第2の実施形態において、携帯電話3のディスプレイ13をカラーコード出力手段としてもよい。すなわち、ディスプレイ13の画面に、複数の領域を設定し、それぞれの領域から所定の色の光を照射することで、カラーコードを出力することができる。この場合、ディスプレイ13に設定された各領域がカラーコードを構成するセルとなる。ディスプレイ13におけるセルの配置パターンは、図3に示すようなm×n(m、nは任意の整数)のマトリックスでもよいし、縦又は横方向の1直線上の配置でもよいし、同心円上の配置でもよい。なお、ディスプレイ13の制御は、前記第1の実施形態におけるカラーコード出力部5の制御と同様に行うことができる。
【0092】
また、前記第2の実施形態のカラーコード施錠/開錠システム101は、ドア等の施錠/開錠だけではなく、例えば、車両や各種装置の起動の許可/不許可の制御に用いることができる。例えば、車両等に設けられた施錠/開錠装置103に設定カラーコードが入力されたときのみ、車両等の起動(エンジンやモーターの起動、電源ON)を許可し、設定カラーコードが入力されないときは、車両等の起動を許可しないようにすることができる。
【0093】
また、前記第2の実施形態において、施錠はドア等が閉じたときに自動的に行われ(オートロック)、設定カラーコードの送受信によりドア等の開錠のみが実行されるようにしてもよい。
【0094】
また、前記第1及び第2の実施形態において、携帯電話3の代わりに、携帯電話以外の携帯端末(例えばノートPC、タブレット端末等)を用いてもよい。
また、前記第4の実施形態において、双方向カラーコード通信システムは、空港の管制塔と、航空機とから構成されるものであってもよい。すなわち、空港の管制塔と、航空機とにそれぞれ、カラーコード出力部5及びカメラ9を備え、空港の管制塔と航空機との間でカラーコード通信を行うことができる。
【0095】
また、双方向カラーコード通信システムは、携帯電話3と車両201とで構成されるものであってもよい。すなわち、携帯電話3が出力したカラーコードを車両201に備えられたカメラ9で撮影し、また、車両201から出力されたカラーコードを携帯電話3のカメラ9で撮影して、双方向のカラーコード通信を行うことができる。さらに、双方向カラーコード通信システムは、船舶同士でカラーコード通信を行うものであってもよいし、航空機同士でカラーコード通信を行うものであてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1・・・双方向カラーコード通信システム、3・・・携帯電話、
3A・・・送信側携帯電話、3B・・・受信側携帯電話、5・・・カラーコード出力部、
5−1〜5−9・・・光照射部、7・・・制御部、9・・・カメラ、11・・・操作部、
13・・・ディスプレイ、15・・・赤色LED素子、17・・・緑色LED素子、
19・・・青色LED素子、101・・・カラーコード施錠/開錠システム、
103・・・施錠/開錠装置、105・・・カラーコード出力部、
105−1〜105−9・・・光照射部、107・・・制御部、109・・・カメラ、
111・・・施錠/開錠部、201・・・車両、301・・・灯台、303・・・船舶
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の色を変化させることができる光照射手段が複数配列されたカラーコード出力手段と、
前記光照射手段が照射する光の色を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするカラーコード出力装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記光照射手段が照射する光の強度を周期的に変動させることを特徴とする請求項1記載のカラーコード出力装置。
【請求項3】
光の色を変化させることができる光照射手段が複数配列されたカラーコード出力手段と、
前記光照射手段が照射する光の色を制御する制御手段と、
カラーコードを読み取る読み取り手段と、
を備えることを特徴とするカラーコード通信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記光照射手段が照射する光の強度を周期的に変動させることを特徴とする請求項3記載のカラーコード通信装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載のカラーコード出力装置と、
前記カラーコード出力装置から出力されたカラーコードを読み取るカラーコード読み取り装置と、
から構成されるカラーコード通信システム。
【請求項6】
複数の請求項3又は4記載のカラーコード通信装置から構成される双方向カラーコード通信システム。
【請求項7】
前記カラーコード通信装置は、
他のカラーコード通信装置から出力されたカラーコードを前記カラーコード読み取り手段により読み取った場合、前記他のカラーコード通信装置に受信信号を出力する受信信号出力手段と、
前記カラーコード出力手段により、使用する色の範囲が異なる複数のカラーコードを出力する複数のカラーコード出力手段と、
前記複数のカラーコードのそれぞれに対応する前記受信信号の受信状態に基づき、前記カラーコード出力手段により出力するカラーコードの色の範囲を設定する色範囲設定手段と、
を備えることを特徴とする請求項6記載の双方向カラーコード通信システム。
【請求項8】
請求項1又は2記載のカラーコード出力装置であって、所定の設定カラーコードを出力可能なカラーコード出力装置と、
前記カラーコード出力装置により出力されたカラーコードを読み取る読み取り手段、及び前記読み取り手段で読み取ったカラーコードが前記設定カラーコードである場合、施錠及び/又は開錠を行う施錠/開錠手段を備えた施錠/開錠装置と、
から構成されるカラーコード施錠/開錠システム。
【請求項9】
前記カラーコード出力装置は、前記設定カラーコードを更新する更新手段と、更新後の前記設定カラーコードを出力する更新後カラーコード出力手段とを備え、
前記施錠/開錠装置は、前記更新後カラーコード出力手段により出力された更新後の前記設定カラーコードを読み取り、その更新後の前記設定カラーコードを前記施錠/開錠手段にて用いる前記設定カラーコードとすることを特徴とする請求項8記載のカラーコード施錠/開錠システム。
【請求項1】
光の色を変化させることができる光照射手段が複数配列されたカラーコード出力手段と、
前記光照射手段が照射する光の色を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするカラーコード出力装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記光照射手段が照射する光の強度を周期的に変動させることを特徴とする請求項1記載のカラーコード出力装置。
【請求項3】
光の色を変化させることができる光照射手段が複数配列されたカラーコード出力手段と、
前記光照射手段が照射する光の色を制御する制御手段と、
カラーコードを読み取る読み取り手段と、
を備えることを特徴とするカラーコード通信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記光照射手段が照射する光の強度を周期的に変動させることを特徴とする請求項3記載のカラーコード通信装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載のカラーコード出力装置と、
前記カラーコード出力装置から出力されたカラーコードを読み取るカラーコード読み取り装置と、
から構成されるカラーコード通信システム。
【請求項6】
複数の請求項3又は4記載のカラーコード通信装置から構成される双方向カラーコード通信システム。
【請求項7】
前記カラーコード通信装置は、
他のカラーコード通信装置から出力されたカラーコードを前記カラーコード読み取り手段により読み取った場合、前記他のカラーコード通信装置に受信信号を出力する受信信号出力手段と、
前記カラーコード出力手段により、使用する色の範囲が異なる複数のカラーコードを出力する複数のカラーコード出力手段と、
前記複数のカラーコードのそれぞれに対応する前記受信信号の受信状態に基づき、前記カラーコード出力手段により出力するカラーコードの色の範囲を設定する色範囲設定手段と、
を備えることを特徴とする請求項6記載の双方向カラーコード通信システム。
【請求項8】
請求項1又は2記載のカラーコード出力装置であって、所定の設定カラーコードを出力可能なカラーコード出力装置と、
前記カラーコード出力装置により出力されたカラーコードを読み取る読み取り手段、及び前記読み取り手段で読み取ったカラーコードが前記設定カラーコードである場合、施錠及び/又は開錠を行う施錠/開錠手段を備えた施錠/開錠装置と、
から構成されるカラーコード施錠/開錠システム。
【請求項9】
前記カラーコード出力装置は、前記設定カラーコードを更新する更新手段と、更新後の前記設定カラーコードを出力する更新後カラーコード出力手段とを備え、
前記施錠/開錠装置は、前記更新後カラーコード出力手段により出力された更新後の前記設定カラーコードを読み取り、その更新後の前記設定カラーコードを前記施錠/開錠手段にて用いる前記設定カラーコードとすることを特徴とする請求項8記載のカラーコード施錠/開錠システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−147311(P2012−147311A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4945(P2011−4945)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(399031827)エイディシーテクノロジー株式会社 (163)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(399031827)エイディシーテクノロジー株式会社 (163)
【Fターム(参考)】
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