カラーフィルタの欠陥修正装置、およびカラーフィルタの欠陥修正方法
【課題】カラーフィルタの着色インクの除去部の凹凸などにより、変位センサによって計測される高さ計測高さが異なり、インクジェットヘッドから吐出される修正インクの着弾位置にずれが生じたりするという不都合があった。
【解決手段】カラーフィルタ5の欠陥部を含む着色層を除去し、その除去された結果略平坦になった除去部から距離検出手段21までの距離のZ軸方向の成分値から記憶手段により記憶されている距離検出手段21と吐出手段22、23、24との距離のZ軸方向の成分値を差分することにより、吐出手段22、23、24とカラーフィルタ5の距離のZ軸方向の成分値を求め、その求められた距離のZ軸方向の成分値が、あらかじめ定められた値の範囲内になるように、カラーフィルタと吐出手段22、23、24とのZ軸方向の相対的な位置関係を変化させる。
【解決手段】カラーフィルタ5の欠陥部を含む着色層を除去し、その除去された結果略平坦になった除去部から距離検出手段21までの距離のZ軸方向の成分値から記憶手段により記憶されている距離検出手段21と吐出手段22、23、24との距離のZ軸方向の成分値を差分することにより、吐出手段22、23、24とカラーフィルタ5の距離のZ軸方向の成分値を求め、その求められた距離のZ軸方向の成分値が、あらかじめ定められた値の範囲内になるように、カラーフィルタと吐出手段22、23、24とのZ軸方向の相対的な位置関係を変化させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルのカラーフィルタの製作工程において発生する色抜け、異物などの欠陥部を修正するカラーフィルタの欠陥修正装置に関するもので、特に、カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去した後、該着色層が除去された除去部に修正用インクを滴下することにより、該欠陥部を修正するカラーフィルタの欠陥修正装置、およびカラーフィルタの欠陥修正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルタは、赤、青、緑の3原色に対応する赤色画素(R)、青色画素(B)、緑色画素(G)を含み、透明基板上に図10に示すようなマトリックス状あるいは図11に示すようなストライプ状の着色パターンで作成されている。このカラーフィルタの製造方法として、顔料分散法、染色法などが知られている。
ここで、図10は、カラーフィルタの着色パターン(マトリックス状)を示す図である。また、図11は、カラーフィルタの着色パターン(ストライブ状)を示す図である。
【0003】
1枚の液晶パネルには、たとえば、約10インチサイズで約90万個の画素があることから、液晶パネルのカラーフィルタの製作工程において色抜けや異物などの欠陥部が生じやすく、欠陥のない完全なカラーフィルタを製作するのは困難であった。特に近年、液晶パネルが大型化し、その液晶パネルのカラーフィルタの製造工程において完全なカラーフィルタを製作するのがより一層困難となっている。
【0004】
そこで、カラーフィルタが完成した後に、事後的にそのカラーフィルタの欠陥部に対して修正(補修)が行われていた。以下のその方法を紹介する(たとえば、特許文献1)。
【0005】
この従来のフィルタの欠陥部の補修方法は、カラーフィルタの欠陥部を補修するために、フィルタのパターン欠陥部(欠陥部)の内部にプロッティングピン(補修用のピン)の先端部(インクジェットヘット)を接触させ、プロッティングピンの先端部より欠陥部(欠陥部の着色パターン)に、その着色パターンの色調の補修用インクを適量吐出させて、そのパターン欠陥部を補修するものであった。
【0006】
しかしこの従来の方法でも、プロッティングピンの先端部が欠陥部に接触する際に、カラーフィルタとプロッティングピンの先端部との接触部に傷が発生したり、プロッティングピンの先端部が破損したり、プロッティングピンの先端部で着色インクが固まるという問題があった。
【0007】
この問題点を解決するため、プロッティングピンの先端部がカラーフィルタ基板(カラーフィルタ)と非接触の状態で、欠陥部に対し補修液(着色インク)を吐出させるようにするとともに、待機時においては、プロッティングピンの先端部で着色インクが固まらないようにするために、プロッティングピンの先端部をキャッピングするものが考えられている。
【特許文献1】特開平6−109914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記の方法についても、カラーフィルタの修正を行なう場合に、インクジェットヘットから吐出される修正インク(着色インク)の着弾位置(吐出位置)の精度が悪いときには、赤色画素のところに緑色の修正インクが吐出されるなど色の混在が起こり好ましくないことが生じることがあった。
【0009】
この方法を使用したとしても、インクジェットヘットから吐出される修正インクの着弾位置がそのインクジェットヘットから吐出される修正インク(着色インク)の目標位置に対して、十数μm以下の精度で行なう必要があるという課題がある。
【0010】
特に、インクジェットヘッドを用いる場合には、図8に示すようにインクジェットヘッドから吐出される修正インクがカラーフィルタ基板上に垂直に着弾するものではなく、カラーフィルタ基板の法線に対し一定の傾き±θを持たざるを得ない。
そのためカラーフィルタ基板の上面では、インクジェットヘッドから吐出される修正インクがカラーフィルタ基板上に垂直に吐出した場合に比べ着弾位置が±△ずれることとなる。ここで、図8は、インクジェットヘッドからカラーフィルタ基板に対し、着色インクを吐出す状態を示した図である。
【0011】
さらに、インクジェットヘッドの吐出口からカラーフィルタ基板までの距離が大きくなればなるほど、気流の影響を受けインクジェットヘッドから吐出される修正インクの着弾位置と目標位置のずれがさらに大きくなる。
上記要因を最小限にするとともに、カラーフィルタ基板の法線とインクジェットヘッドから吐出される修正インクの角度±θの影響を最小にする必要があり、そのためには、インクジェットヘッドの吐出部とカラーフィルタ基板上面との距離を一定の範囲に抑える必要がある。
【0012】
また、さらに、上記要因を限界まで抑えることに加え、インクジェットヘッドの吐出部とガラスの基板の上面との距離のばらつきを、一定範囲内(たとえば、50μm)に抑える必要がある。
【0013】
すなわち、図8に示すようにインクジェットヘッドの吐出部とカラーフィルタ基板の上面との距離がhのときには、インクジェットヘッドから吐出される修正インクの着弾位置の範囲が±△となるが、この場合でもインクジェットヘッドの吐出部とガラスの基板の上面との距離のばらつきによる、着弾位置のずれ(δ)を一定範囲内に抑える必要がある。
【0014】
カラーフィルタの欠陥修正装置のような生産装置に使用するセンサとしては、できる限り安価なセンサが好ましく、その安価なセンサとしてレーザ変位センサ(変位センサ)がよく用いられている。この変位センサを用いた測定方法を図5に示す。図5は、変位センサを用いてインクジェットヘッドの吐出部からカラーフィルタの上面までの距離を測定する方法を説明するための図である。
【0015】
この変位センサ21を用いて、インクジェットヘッドの吐出部からカラーフィルタの上面までの距離を測定するためには、変位センサ21を固定しながら、カラーフィルタ基板を図5に示す矢印fの方向に移動される。
【0016】
このようにして、インクジェットヘッドの吐出部からカラーフィルタ基板の上面までの距離を計測すると、変位センサ21の表示値(即ち高さ方向の値)は、カラーフィルタの表面の凹凸などにより、図7に示すような±50μm程度ばらつきが生じ、さらに図示しないがカラーフィルタ基板の端部ではそれ以上ばらつくこともある。
【0017】
このようなばらつきが生じれば、許容値をh±50μm以下に抑えなければならない生産装置ではもはや使用することができない。
【0018】
さらに生産装置の構成上、必然的に変位センサとインクジェットヘッドの位置関係を一定のオフセットLを持たせ取付けざるを得ない(図2)。
【0019】
以上のように、変位センサによって計測される高さ計測位置とインクジェットヘッドから吐出される修正インクの着弾位置が異なり、さらにカラーフィルタ基板の反りなどからインクジェットヘッドの吐出部からカラーフィルタ基板の上面までの距離hが大きくばらつき、インクジェットヘッドから吐出される修正インクの着弾位置にずれが生じたりするという不都合があった。
【0020】
また、カラーフィルタの端部に欠陥部がある場合は、インクジェットヘッドの吐出部が欠陥部の上部にくるようにインクジェットヘッドを移動させると、生産装置に取付けられた変位センサによって計測される高さ計測位置がカラーフィルタ基板から外れてしまい変位センサによる高さ計測ができないという不都合があった(図9)。
本発明は以上のような不都合を解決するためになされたものであり、インクジェットヘッドの吐出部からカラーフィルタの上面までの距離(高さ)をカラーフィルタの表面の凹凸などに影響されることなく安定して計測できるとともに、カラーフィルタの欠陥修正装置などの生産装置の構成上からくる変位センサにより高さ計測できないところをなくすことにより、インクジェットヘッドの吐出部からカラーフィルタ基板の上面までの距離(高さ)のばらつきを許容範囲内に抑えることができ、カラーフィルタの欠陥の修正を良好に行なうことができるカラーフィルタの欠陥修正装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去した後、該着色層が除去された除去部に修正用インクを滴下することにより、該欠陥部を修正するカラーフィルタの欠陥修正装置であって、カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去する除去手段と、該除去手段により着色層が除去された除去部にカラーフィルタの修正用インクを吐出す吐出手段と、除去手段により着色層が除去され、略平坦になった除去部からの距離を検出する距離検出手段と、あらかじめ測定された距離検出手段と吐出手段との距離のうち、あらかじめ設定された距離検出手段からカラーフィルタに向かう方向と略同一方向であるZ軸方向の成分値を記憶する記憶手段と、距離検出手段により検出された該距離検出手段から除去部までの距離のZ軸方向の成分値から記憶手段により記憶されているZ軸方向の成分値を差分することにより、吐出手段とカラーフィルタの距離のZ軸方向の成分値を算出する算出手段と、カラーフィルタと吐出手段の相対的な位置関係を変化させる位置変化手段と、を有し、該位置変化手段は、算出手段により算出された距離のZ軸方向の成分値が、あらかじめ定められた値の範囲内になるように、カラーフィルタと吐出手段とのZ軸方向の相対的な位置関係を変化させることを特徴とする。
【0022】
さらに本発明は、位置変化手段は、吐出手段をZ軸方向に移動させるZ軸ステージを有し、Z軸ステージを移動させることにより、カラーフィルタと吐出手段の相対的な位置関係を変化させることを特徴とする。
【0023】
また本発明は、カラーフィルタをZ軸方向と直交するX軸方向と該X軸方向およびZ軸方向と直交するY軸方向に移動させることが可能なカラーフィルタの欠陥修正装置であって、記憶手段は、あらかじめ測定された距離検出手段と吐出手段の距離のうち、X軸方向の成分値とY軸方向の成分値を記憶し、位置変化手段は、カラーフィルタと前記距離検出手段の相対的な位置関係を変化させ、距離検出手段を目標移動位置(たとえば、カラーフィルタ基板5の欠陥部(除去部))まで移動させるために、カラーフィルタと距離検出手段とのX軸方向およびY軸方向の相対的な位置関係を変化させ、さらに、距離検出手段を目標移動位置まで移動させた後に、距離検出手段を記憶手段に記憶されているX軸方向の成分値、Y軸方向の成分値の距離だけ移動させるために、カラーフィルタと距離検出手段とのX軸方向およびY軸方向の相対的な位置関係を変化させることを特徴とする。
【0024】
さらに本発明は、位置変化手段は、カラーフィルタをX軸方向に移動させるX軸ステージと、カラーフィルタをY軸方向に移動させるY軸ステージを有し、X軸ステージ、Y軸ステージを移動させることにより、カラーフィルタと距離検出手段の相対的な位置関係を変化させることを特徴とする。
【0025】
また本発明は、除去手段はレーザ照射装置であり、距離検出手段はレーザ変位計であり、吐出手段はインクジェットヘッドであることを特徴とする。
【0026】
また本発明は、カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去した後、該着色層が除去された除去部に修正用インクを滴下することにより、該欠陥部を修正するカラーフィルタの欠陥修正方法であって、カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を平坦に除去する除去工程と、該除去された除去部から距離検出手段までの距離を検出する距離検出工程と、距離検出工程により検出された距離検出手段から除去部までの距離のうち、あらかじめ設定された距離検出手段からカラーフィルタに向かう方向と略同一方向であるZ軸方向の成分値から、あらかじめ測定され記憶されている距離検出手段と吐出手段との距離のZ軸方向の成分値を差分することにより、吐出手段とカラーフィルタの距離のZ軸方向の成分値を算出する算出工程と、算出工程により算出された距離のZ軸方向の成分値が、あらかじめ定められた値の範囲内になるように、カラーフィルタと吐出手段とのZ軸方向の相対的な位置関係を変化させる位置変化工程と、除去により着色層が除去された除去部にカラーフィルタの修正用インクを吐出す吐出工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
以上のように請求項1に係る発明によれば、カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去し、その除去された結果略平坦になった除去部から距離検出手段までの距離のZ軸方向の成分値から記憶手段により記憶されている距離検出手段と吐出手段との距離のZ軸方向の成分値を差分することにより、吐出手段とカラーフィルタの距離のZ軸方向の成分値を求め、その求められた距離のZ軸方向の成分値が、あらかじめ定められた値の範囲内になるように、カラーフィルタと吐出手段とのZ軸方向の相対的な位置関係を変化させるので、カラーファイル基板の除去部からインクジェットヘッドの吐出口までの高さ距離のばらつきが少なく、インクジェットヘッドの吐出口から吐出される修正液のカラーフィルタ基板の着弾位置もばらつきが生ずることなく、カラーフィルタの欠陥の修正を精度よく行なうことができる。
【0028】
また請求項3に係る発明によれば、距離検出手段を目標移動位置まで移動させるために、カラーフィルタと距離検出手段とのX軸方向およびY軸方向の相対的な位置関係を変化させ、さらに、距離検出手段を目標移動位置まで移動させた後に、距離検出手段を記憶手段に記憶されているX軸方向の成分値、Y軸方向の成分値の距離だけ移動させるために、カラーフィルタと距離検出手段とのX軸方向およびY軸方向の相対的な位置関係を変化させるので、XY平面状で距離検出位置と修正インクの吐出位置を同一位置にでき、従来のように、計測位置によって計測できないことによりカラーフィルタの欠陥部の修正できない領域が生じることもなく、カラーフィルタ基板のどの領域でも修正が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の一実施形態における欠陥修正装置を図1および図2を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるカラーフィルタの欠陥修正装置の斜視図である。また、図2は、本発明の一実施形態におけるカラーフィルタの欠陥修正装置のインクジェットヘッド周辺部を示す斜視図である。
【0030】
なお、カラーフィルタは、本来カラーフィルタ基板と着色層のみならずその周辺部分も含む概念であるが、以下に記載している「カラーフィルタ」は「カラーフィルタ基板」とほぼ同様の意味として使用している。
【0031】
基台1は、欠陥修正装置の最下部に位置するものであり、土台となるものである。この基台1の上部にカラーフィルタをX軸方向に移動可能にするカラーフィルタ基板移動用のX軸ステージ2と、さらにそのX軸ステージ2の上部にカラーフィルタをY軸方向に移動可能にするY軸ステージ3が設けられている。
【0032】
Y軸ステージ3の上部には、カラーフィルタ基板5を載置するためのカラーフィルタ基板載置台4が固定されている。また、カラーフィルタ基板載置台4の上部には、カラーフィルタ基板5の側面を固定するピン6が設けられ、このピン6によりカラーフィルタ基板載置台4上のカラーフィルタ基板5がX軸方向またはY軸方向に動かないようにされている。本実施形態では、さらにカラーフィルタ基板載置台4の上面に真空吸着孔7を設け、カラーフィルタ基板5が真空吸着孔7からの吸引力により完全に固定するようにしている。
【0033】
第1取付板8は、基台1と垂直方向に取付けられている。この第1取付板8には、後述する吐出口をZ軸方向に移動可能にする第1Z軸ステージ9が設けられている。この第1Z軸ステージ9には、Z軸方向に移動可能な第1Z軸ステージ可動部10が取り付けられ、さらに第1Z軸ステージ可動部10には、背板11が取付けられている。本実施形態では、この第1Z軸ステージ9と第1Z軸ステージ可動部10、そして後述する第2Z軸ステージ14と第2Z軸ステージ可動部15とでZ軸ステージを構成している。しかし、これに限定するのではなく、第1Z軸ステージ9と第1Z軸ステージ可動部10、もしくは、後述する第2Z軸ステージ14と第2Z軸ステージ可動部15のいずれか一方のみでZ軸ステージを構成すると考えてもよい。
【0034】
背板11には、カラーフィルタ基板5を含むカラーフィルタを拡大して観察するための観察用顕微鏡12と、カラーフィルタの欠陥部27を含む着色層をレーザを照射することにより除去するレーザ照射装置13と、後述するインクジェットヘッドR17、インクジェットヘッドG18、インクジェットヘッドB19などをZ軸方向に移動可能にする第2Z軸ステージ14が固定されている。
【0035】
第2Z軸ステージ14には、第2Z軸ステージ可動部15が取付けられ、第2Z軸ステージ可動部15がZ軸ステージ14に沿って移動することにより、インクジェットヘッドR17、インクジェットヘッドG18、インクジェットヘッドB19などがZ軸方向に移動することとなる。
【0036】
なお、本実施形態では、後述する光学式変位計21(距離検出手段)からカラーフィルタに向かう方向と略同一方向をZ軸方向としている(図1参照)。しかしこれに限定されるわけではなく、本発明の作用効果が生ずる限り、便宜Z軸方向を設定してもよい。
【0037】
インクジェットヘッドR取付板16は、第2Z軸ステージ可動部15に取付けられ、このインクジェットヘッドR取付板16とインクジェットヘッドB取付板20により、インクジェットヘッドR17とインクジェットヘッドG18とインクジェットヘッドB19を挟み込むようにして、インクジェットヘッドR17、インクジェットヘッドG18、インクジェットヘッドB19を固定している。
【0038】
レーザ変位計である光学式変位計21は、インクジェットヘッドB取付板20に取付けられて、光学式変位計21からカラーフィルタの上面までの距離を計測する。
【0039】
この光学式変位計21により、光学式変位計21からカラーフィルタの上面までの距離が計測され、その計測された距離(Z軸方向の距離)からあらかじめ測定されている光学式変位計21からインクジェットヘッド17、18、19の吐出口22、23、24(吐出手段)までのZ軸方向の距離(高さ距離)を差分することにより、インクジェットヘッド17、18、19のそれぞれの吐出口22、23、24の位置がカラーフィルタの上面から測定してあらかじめ定められた許容範囲(h±50μm)の位置になるようにすることができる。本実施形態では、光学式変位計21とインクジェットヘッド17、18、19の吐出口22、23、24とのZ軸方向の距離(高さ距離)はともに同じである。
【0040】
このあらかじめ測定された光学式変位計21からインクジェットヘッド17、18、19の吐出口22、23、24までの距離は、図1および図2に示すX軸Y軸Z軸別にそれぞれ記憶手段(図示略)に記憶されている。
【0041】
また、上述した光学式変位計21からカラーフィルタの上面までの距離(Z軸方向の距離)からあらかじめ測定されている光学式変位計21からインクジェットヘッド17、18、19の吐出口22、23、24までのZ軸方向の距離(高さ距離)を差分し、光学式変位計21からインクジェットヘッド17、18、19までのZ軸方向の距離を算出しているが、この算出は図示しない算出手段により行なわれる。
【0042】
なお、本実施形態では、光学式変位計21からカラーフィルタの上面までの距離がWのときに、カラーフィルタ基板5の上面とインクジェットヘッドの吐出口22、23,24のZ軸方向の距離(高さ距離)がhになるように取付けられ、光学式変位計21の表示も、便宜的に、光学式変位計21からカラーフィルタの上面までの高さ距離から、あらかじめ測定されている光学式変位計21とインクジェットヘッド17、18、19の吐出口22、23、24との高さ距離を差分した値としている。
【0043】
したがって、光学式変位計21からカラーフィルタの上面までの距離がWのときに、光学式変位計21に表示される値はhとなる。
【0044】
乾燥手段25は、カラーフィルタ基板5を乾燥させるものであり、乾燥手段取付板26を介し背板11に取付けられている。なお、乾燥手段25として、本実施形態では温風を噴出す温風ヒータが用いられている。
【0045】
つぎに、このように構成されたカラーフィルタの欠陥修正装置を用いて、カラーフィルタ基板の欠陥部を修正する手順について図3を参照しながら説明する。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態におけるカラーフィルタの欠陥修正装置による修正処理(修正方法)を示すフローチャートである。
【0047】
まず、S101において、欠陥部27を有するカラーフィルタ基板5が位置決め手段であるピン(位置決めピン)6により位置決めされる。このカラーフィルタ基板5の位置決めは、カラーフィルタ基板5の周辺部を位置決めピン6により固定することにより行なう。
【0048】
つぎに、S102により、カラーフィルタの欠陥部27が観察用顕微鏡12により観察可能な観察領域内に入るように、X、Y軸ステージ2,3をX軸方向、Y軸方向に移動させる。
【0049】
すなわち、カラーフィルタ基板5の欠陥部27(欠陥位置)は予め検出され、その検出内容をデータ化しているため、この欠陥位置データに基づいて、欠陥部27が観察用顕微鏡12により観察可能な観察領域内に入るように、X、Y軸ステージ2,3を移動させる。
【0050】
S103により、カラーフィルタ基板5の欠陥部27が観察用顕微鏡12の観察領域の中心にくるように、またカラーフィルタ基板5の欠陥部27にピントが合うように、X、Y軸ステージ2、3、第1Z軸ステージ9の第1Z軸ステージ可動部10を微動させる。
【0051】
このX、Y軸ステージ2、3、第1Z軸ステージの第1Z軸ステージ可動部10の微動は、観察用顕微鏡27からの観察データを画像処理装置(図示略)に送信して、その画像処理装置の処理信号を受信した制御手段(図示略)により行われる。すなわち、制御手段は、受信した画像処理装置の処理信号を元に、カラーフィルタ基板5の欠陥部27にピントが合うように制御する。
【0052】
そして、S104により、カラーフィルタ基板5の欠陥部27が観察用顕微鏡12の観察領域の中心に移動し、かつカラーフィルタ基板5の欠陥部27にピントが合ったときに、カラーフィルタ基板5の位置データが取込まれ、この位置データを用いて、後述する欠陥修正工程が行われる。なお、上記位置データは、記憶手段(図示略)に記憶される。
【0053】
S105において、X、Y軸ステージ2、3,第1Z軸ステージ9に取付けられた第1Z軸ステージ可動部10を移動させることにより、カラーフィルタ基板5の欠陥部27の上方にレーザ照射装置13を移動させ、レーザ照射装置13によりカラーフィルタ基板5の欠陥部27(所定の幅)を除去する。
【0054】
例えば図12に示すように、カラーフィルタ基板5の赤色画素、緑色画素にまたがった欠陥部27がある場合には、かかる欠陥部27に対しレーザ照射装置13からのレーザを照射し、欠陥部27の赤色画素と緑色画素(所定の幅分)を含む着色層を除去する。本実施形態では、その除去する赤色画素と青色画素の着色層の所定の幅(大きさ)は、およそ50μm〜200μm位としている。
【0055】
この観察用顕微鏡12のピントが欠陥部27の中心に合った状態から該欠陥部27の上方にレーザ照射装置13を位置させるためには、S104で記憶手段(図示略)に記憶された位置(位置データ)を中心として、あらかじめ測定されている観察用顕微鏡12とレーザ照射装置13の距離だけ、レーザ照射装置13を移動されることにより行なわれる。
【0056】
この観察用顕微鏡12とレーザ照射装置13との位置関係は、それぞれX軸Y軸Z軸のそれぞれの方向別に記憶手段(図示略)に記憶されている。
【0057】
その後、S106において、レーザ照射装置13と光学式変位計21とのX、Y軸方向の位置関係があらかじめ把握されているので、X、Y軸ステージ2、3をその距離の分だけ移動させ、カラーフィルタ基板5の除去部28または29(図2参照)の上方に光学式変位計21がくるようにする。
【0058】
すなわち、欠陥部27の上方にレーザ照射装置13が位置している状態からカラーフィルタ基板5の除去部28または29の上方に光学式変位計21を位置させるためには、あらかじめ測定されているレーザ照射装置13と光学式変位計21の距離のX軸方向の成分値およびY軸方向の成分値だけ、X、Y軸ステージ2、3を移動させることにより行なわれる。このレーザ照射装置13と光学式変位計21との位置関係は、それぞれX軸Y軸Z軸のそれぞれの方向別に記憶手段(図示略)に記憶されている。
【0059】
このようにして、カラーフィルタ基板5の除去部28または29の上方に光学式変位計21を移動させることができる。
【0060】
次に、Z軸方向については、例えばインクジェットヘッド17、18の吐出口22、23とカラーフィルタ基板5の上面とのZ軸方向の距離(高さ距離)がhになるように、第2Z軸ステージ14に取付けられている第2Z軸ステージ可動部15を移動させる。
【0061】
具体的には、図4に示すように、光学式変位計21により、光学式変位計21からカラーフィルタ基板5の上面の除去部28、29までのZ軸方向の距離(高さ距離)が測定され、その測定されたZ軸方向の距離から、記憶手段に記憶されている光学式変位計21からインクジェットヘッド17、18の吐出口22、23までの距離のZ軸方向の成分値を差分して、インクジェットヘッド17、18の吐出口22、23からラーフィルタ基板5の上面の除去部28、29までのZ軸方向の距離(高さ距離)を求め、その求められたインクジェットヘッド17、18の吐出口22、23とカラーフィルタ基板5の上面の除去部28、29とのZ軸方向の距離(高さ距離)がhになるように、第2Z軸ステージ14に取付けられている第2Z軸ステージ可動部15を移動させる。
【0062】
このとき、カラーフィルタ基板5の除去部28または29に光学式変位計21のスポットが当たることとなり、光学式変位計21の計測値は上述したようにhと表示される。
【0063】
図13に示すように、カラーフィルタ基板5の除去部28、29は、レーザ照射装置13から照射されるレーザによる欠陥部27が除去され平坦な面をなしているので、従来のようにカラーフィルタ上面の色の違いや凹凸によって生じる光学式変位計21の計測値の大きなばらつきが少なく、図6に示すようにせいぜい数μm程度のばらつきであり光学式変位計21の計測値として無視できるようである。
【0064】
つぎに、S107により、着色インク(修正用インク)をインクジェットヘッド17、18の吐出口22、23から吐出し、カラーフィルタ基板5の欠陥部28(除去部)の修正を行なう。
【0065】
この修正を行なう際のインクジェットヘッド17、18の移動は、光学系変位計21とインクジェットヘッド17、18、19の各吐出口22、23、24とのX、Y軸方向の位置関係があらかじめ測定され、記憶手段(図示略)に記憶されているので、その分だけX、Y軸ステージ2、3を移動させ、たとえばカラーフィルタ基板5の赤色画素の除去部28の上方にインクジェットヘッドR17を移動させる。
【0066】
そして、赤色の着色インク(修正用インク)をインクジェットヘッドR17の吐出口22から吐出させることにより、カラーフィルタ基板5の欠陥部28の修正が行なわれる。
【0067】
また同様に、カラーフィルタ基板5の緑色画素の除去部29についても、その除去部29の上方にインクジェットヘッドG18を移動させ、緑色の着色インク(修正用インク)をインクジェットヘッドG18の吐出口23から吐出させることにより、カラーフィルタ基板5の欠陥部29の修正が行なわれる。
【0068】
なお、S106において、インクジェットヘッド17、18の吐出口22、23とカラーフィルタ基板5の上面との距離(高さ距離)は、S106によりhに設定されているので、あらためて設定する必要はない。
【0069】
S108において、インクジェットヘッド17、18の吐出口22、23からカラーフィルタ基板5の除去部28、29に対し、着色インク(修正インク)を吐出した後は、X,Y軸ステージを移動させることにより上記着色インクを吐出した位置にヒータ25がくるように移動させ、そのヒータ28により着色インクを乾燥させる。そして、カラーフィルタ基板5の除去部28、29に吐出させた着色インクが乾燥すれば、カラーフィルタ基板5の欠陥の修正が終了する。
【0070】
図14にカラーフィルタ基板5の欠陥を修正した後のカラーフィルタ基板を示す。
図14は、欠陥を修正した後のカラーフィルタ基板の上面図および側面図である。
【0071】
なお、本実施形態では、説明を容易にするため、1回でカラーフィルタ基板5の欠陥を修正するようにしたが、これに限らず、欠陥部が大きく除去部が大きい場合、また欠陥部が複数あり除去部が複数にまたがる場合など、カラーフィルタ基板5の欠陥部の修正をインクジェットヘッドからの一回の吐出ではできない場合は、インクジェットヘッド22、23、24からの着色インクの吐出、乾燥の工程を複数回に亘って行ってもよい。また、ブラックマトリックス(BM)は微小面積であるので修正を行わなくても特に問題はなく、本実施形態では修正を行わない。
(変形例)
(1) 本実施形態では、レーザ変位計25(高さ検出手段)とインクジェットヘッド22、23、24を一つのZ軸ステージを用いて移動させることとしたが、これに限らず、レーザ変位計25(高さ検出)とインクジェットヘッド22、23、24について別々のZ軸ステージを設けて、それぞれ移動させるようにしてもよい。この場合でも、カラーフィルタ基板5とインクジェットヘッド22、23、24との高さ距離を、許容値の誤差の範囲内で計測することができ、レーザ変位計25(高さ検出手段)とインクジェットヘッド22、23、24のX,Y,Zの相対的な位置関係をあらかじめ掌握することにより、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0072】
(2) 本実施形態では、インクジェットヘッド22、23、24を用いて説明したが、これに限らず、デイスペンサーなどの非接触の着色インク(修正インク)の吐出手段であっても良い。
【0073】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態におけるカラーフィルタの欠陥修正装置の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるカラーフィルタの欠陥修正装置のインクジェットヘッド周辺部を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるカラーフィルタの欠陥修正装置による修正処理(修正工程)を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態におけるレーザ変位計によりカラーフィルタの欠陥除去部の高さを計測するところを示す側面図である。
【図5】変位センサを用いてインクジェットヘッドの吐出部からカラーフィルタの上面までの距離を測定する方法を示す図である。
【図6】図4のレーザ変位計により計測された計測値のグラフを示す図である。
【図7】図5のレーザ変位計により計測された計測値のグラフを示す図である。
【図8】インクジェットヘッドからカラーフィルタ基板に対し、着色インクを吐出す状態を示した図である。
【図9】カラーフィルタ端部の欠陥部の修正位置にインクジェットヘッドがきた場合に、計測位置がカラーフィルタ基板から離れている様子を示す図である。
【図10】カラーフィルタの着色パターン(マトリックス状)を示す図である。
【図11】カラーフィルタの着色パターン(ストライブ状)を示す図である。
【図12】欠陥部を有するカラーフィルタ基板を示す図である。
【図13】図10の欠陥部をレーザ照射装置でトリミング(除去)状態を示す図である。
【図14】図11の除去部を修正した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1 基台、2 X軸ステージ、3 Y軸ステージ、4 カラーフィルタ基板載置台、5 カラーフィルタ基板、6 ピン(位置決めピン)、7 真空吸着孔、8 第1取付板、9 第1Z軸ステージ、10 第1Z軸ステージ可動部、11 背板、12 観察用顕微鏡、13 レーザ照射装置、14 第2Z軸ステージ、15 第2Z軸ステージ可動部、16 インクジェットR取付板、17 インクジェットヘッドR、18 インクジェットヘッドG、19 インクジェットヘッドB、20 インクジェットヘッドB取付板、21 レーザ変位計、22 インクジェットヘッドRの吐出口、23 インクジェットヘッドGの吐出口、24 インクジェットヘッドBの吐出口、25 乾燥手段(温風ヒータ)、26 乾燥手段取付板、27 欠陥部、28 赤色画素の除去部、29 緑色画素の除去部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルのカラーフィルタの製作工程において発生する色抜け、異物などの欠陥部を修正するカラーフィルタの欠陥修正装置に関するもので、特に、カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去した後、該着色層が除去された除去部に修正用インクを滴下することにより、該欠陥部を修正するカラーフィルタの欠陥修正装置、およびカラーフィルタの欠陥修正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルタは、赤、青、緑の3原色に対応する赤色画素(R)、青色画素(B)、緑色画素(G)を含み、透明基板上に図10に示すようなマトリックス状あるいは図11に示すようなストライプ状の着色パターンで作成されている。このカラーフィルタの製造方法として、顔料分散法、染色法などが知られている。
ここで、図10は、カラーフィルタの着色パターン(マトリックス状)を示す図である。また、図11は、カラーフィルタの着色パターン(ストライブ状)を示す図である。
【0003】
1枚の液晶パネルには、たとえば、約10インチサイズで約90万個の画素があることから、液晶パネルのカラーフィルタの製作工程において色抜けや異物などの欠陥部が生じやすく、欠陥のない完全なカラーフィルタを製作するのは困難であった。特に近年、液晶パネルが大型化し、その液晶パネルのカラーフィルタの製造工程において完全なカラーフィルタを製作するのがより一層困難となっている。
【0004】
そこで、カラーフィルタが完成した後に、事後的にそのカラーフィルタの欠陥部に対して修正(補修)が行われていた。以下のその方法を紹介する(たとえば、特許文献1)。
【0005】
この従来のフィルタの欠陥部の補修方法は、カラーフィルタの欠陥部を補修するために、フィルタのパターン欠陥部(欠陥部)の内部にプロッティングピン(補修用のピン)の先端部(インクジェットヘット)を接触させ、プロッティングピンの先端部より欠陥部(欠陥部の着色パターン)に、その着色パターンの色調の補修用インクを適量吐出させて、そのパターン欠陥部を補修するものであった。
【0006】
しかしこの従来の方法でも、プロッティングピンの先端部が欠陥部に接触する際に、カラーフィルタとプロッティングピンの先端部との接触部に傷が発生したり、プロッティングピンの先端部が破損したり、プロッティングピンの先端部で着色インクが固まるという問題があった。
【0007】
この問題点を解決するため、プロッティングピンの先端部がカラーフィルタ基板(カラーフィルタ)と非接触の状態で、欠陥部に対し補修液(着色インク)を吐出させるようにするとともに、待機時においては、プロッティングピンの先端部で着色インクが固まらないようにするために、プロッティングピンの先端部をキャッピングするものが考えられている。
【特許文献1】特開平6−109914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記の方法についても、カラーフィルタの修正を行なう場合に、インクジェットヘットから吐出される修正インク(着色インク)の着弾位置(吐出位置)の精度が悪いときには、赤色画素のところに緑色の修正インクが吐出されるなど色の混在が起こり好ましくないことが生じることがあった。
【0009】
この方法を使用したとしても、インクジェットヘットから吐出される修正インクの着弾位置がそのインクジェットヘットから吐出される修正インク(着色インク)の目標位置に対して、十数μm以下の精度で行なう必要があるという課題がある。
【0010】
特に、インクジェットヘッドを用いる場合には、図8に示すようにインクジェットヘッドから吐出される修正インクがカラーフィルタ基板上に垂直に着弾するものではなく、カラーフィルタ基板の法線に対し一定の傾き±θを持たざるを得ない。
そのためカラーフィルタ基板の上面では、インクジェットヘッドから吐出される修正インクがカラーフィルタ基板上に垂直に吐出した場合に比べ着弾位置が±△ずれることとなる。ここで、図8は、インクジェットヘッドからカラーフィルタ基板に対し、着色インクを吐出す状態を示した図である。
【0011】
さらに、インクジェットヘッドの吐出口からカラーフィルタ基板までの距離が大きくなればなるほど、気流の影響を受けインクジェットヘッドから吐出される修正インクの着弾位置と目標位置のずれがさらに大きくなる。
上記要因を最小限にするとともに、カラーフィルタ基板の法線とインクジェットヘッドから吐出される修正インクの角度±θの影響を最小にする必要があり、そのためには、インクジェットヘッドの吐出部とカラーフィルタ基板上面との距離を一定の範囲に抑える必要がある。
【0012】
また、さらに、上記要因を限界まで抑えることに加え、インクジェットヘッドの吐出部とガラスの基板の上面との距離のばらつきを、一定範囲内(たとえば、50μm)に抑える必要がある。
【0013】
すなわち、図8に示すようにインクジェットヘッドの吐出部とカラーフィルタ基板の上面との距離がhのときには、インクジェットヘッドから吐出される修正インクの着弾位置の範囲が±△となるが、この場合でもインクジェットヘッドの吐出部とガラスの基板の上面との距離のばらつきによる、着弾位置のずれ(δ)を一定範囲内に抑える必要がある。
【0014】
カラーフィルタの欠陥修正装置のような生産装置に使用するセンサとしては、できる限り安価なセンサが好ましく、その安価なセンサとしてレーザ変位センサ(変位センサ)がよく用いられている。この変位センサを用いた測定方法を図5に示す。図5は、変位センサを用いてインクジェットヘッドの吐出部からカラーフィルタの上面までの距離を測定する方法を説明するための図である。
【0015】
この変位センサ21を用いて、インクジェットヘッドの吐出部からカラーフィルタの上面までの距離を測定するためには、変位センサ21を固定しながら、カラーフィルタ基板を図5に示す矢印fの方向に移動される。
【0016】
このようにして、インクジェットヘッドの吐出部からカラーフィルタ基板の上面までの距離を計測すると、変位センサ21の表示値(即ち高さ方向の値)は、カラーフィルタの表面の凹凸などにより、図7に示すような±50μm程度ばらつきが生じ、さらに図示しないがカラーフィルタ基板の端部ではそれ以上ばらつくこともある。
【0017】
このようなばらつきが生じれば、許容値をh±50μm以下に抑えなければならない生産装置ではもはや使用することができない。
【0018】
さらに生産装置の構成上、必然的に変位センサとインクジェットヘッドの位置関係を一定のオフセットLを持たせ取付けざるを得ない(図2)。
【0019】
以上のように、変位センサによって計測される高さ計測位置とインクジェットヘッドから吐出される修正インクの着弾位置が異なり、さらにカラーフィルタ基板の反りなどからインクジェットヘッドの吐出部からカラーフィルタ基板の上面までの距離hが大きくばらつき、インクジェットヘッドから吐出される修正インクの着弾位置にずれが生じたりするという不都合があった。
【0020】
また、カラーフィルタの端部に欠陥部がある場合は、インクジェットヘッドの吐出部が欠陥部の上部にくるようにインクジェットヘッドを移動させると、生産装置に取付けられた変位センサによって計測される高さ計測位置がカラーフィルタ基板から外れてしまい変位センサによる高さ計測ができないという不都合があった(図9)。
本発明は以上のような不都合を解決するためになされたものであり、インクジェットヘッドの吐出部からカラーフィルタの上面までの距離(高さ)をカラーフィルタの表面の凹凸などに影響されることなく安定して計測できるとともに、カラーフィルタの欠陥修正装置などの生産装置の構成上からくる変位センサにより高さ計測できないところをなくすことにより、インクジェットヘッドの吐出部からカラーフィルタ基板の上面までの距離(高さ)のばらつきを許容範囲内に抑えることができ、カラーフィルタの欠陥の修正を良好に行なうことができるカラーフィルタの欠陥修正装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去した後、該着色層が除去された除去部に修正用インクを滴下することにより、該欠陥部を修正するカラーフィルタの欠陥修正装置であって、カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去する除去手段と、該除去手段により着色層が除去された除去部にカラーフィルタの修正用インクを吐出す吐出手段と、除去手段により着色層が除去され、略平坦になった除去部からの距離を検出する距離検出手段と、あらかじめ測定された距離検出手段と吐出手段との距離のうち、あらかじめ設定された距離検出手段からカラーフィルタに向かう方向と略同一方向であるZ軸方向の成分値を記憶する記憶手段と、距離検出手段により検出された該距離検出手段から除去部までの距離のZ軸方向の成分値から記憶手段により記憶されているZ軸方向の成分値を差分することにより、吐出手段とカラーフィルタの距離のZ軸方向の成分値を算出する算出手段と、カラーフィルタと吐出手段の相対的な位置関係を変化させる位置変化手段と、を有し、該位置変化手段は、算出手段により算出された距離のZ軸方向の成分値が、あらかじめ定められた値の範囲内になるように、カラーフィルタと吐出手段とのZ軸方向の相対的な位置関係を変化させることを特徴とする。
【0022】
さらに本発明は、位置変化手段は、吐出手段をZ軸方向に移動させるZ軸ステージを有し、Z軸ステージを移動させることにより、カラーフィルタと吐出手段の相対的な位置関係を変化させることを特徴とする。
【0023】
また本発明は、カラーフィルタをZ軸方向と直交するX軸方向と該X軸方向およびZ軸方向と直交するY軸方向に移動させることが可能なカラーフィルタの欠陥修正装置であって、記憶手段は、あらかじめ測定された距離検出手段と吐出手段の距離のうち、X軸方向の成分値とY軸方向の成分値を記憶し、位置変化手段は、カラーフィルタと前記距離検出手段の相対的な位置関係を変化させ、距離検出手段を目標移動位置(たとえば、カラーフィルタ基板5の欠陥部(除去部))まで移動させるために、カラーフィルタと距離検出手段とのX軸方向およびY軸方向の相対的な位置関係を変化させ、さらに、距離検出手段を目標移動位置まで移動させた後に、距離検出手段を記憶手段に記憶されているX軸方向の成分値、Y軸方向の成分値の距離だけ移動させるために、カラーフィルタと距離検出手段とのX軸方向およびY軸方向の相対的な位置関係を変化させることを特徴とする。
【0024】
さらに本発明は、位置変化手段は、カラーフィルタをX軸方向に移動させるX軸ステージと、カラーフィルタをY軸方向に移動させるY軸ステージを有し、X軸ステージ、Y軸ステージを移動させることにより、カラーフィルタと距離検出手段の相対的な位置関係を変化させることを特徴とする。
【0025】
また本発明は、除去手段はレーザ照射装置であり、距離検出手段はレーザ変位計であり、吐出手段はインクジェットヘッドであることを特徴とする。
【0026】
また本発明は、カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去した後、該着色層が除去された除去部に修正用インクを滴下することにより、該欠陥部を修正するカラーフィルタの欠陥修正方法であって、カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を平坦に除去する除去工程と、該除去された除去部から距離検出手段までの距離を検出する距離検出工程と、距離検出工程により検出された距離検出手段から除去部までの距離のうち、あらかじめ設定された距離検出手段からカラーフィルタに向かう方向と略同一方向であるZ軸方向の成分値から、あらかじめ測定され記憶されている距離検出手段と吐出手段との距離のZ軸方向の成分値を差分することにより、吐出手段とカラーフィルタの距離のZ軸方向の成分値を算出する算出工程と、算出工程により算出された距離のZ軸方向の成分値が、あらかじめ定められた値の範囲内になるように、カラーフィルタと吐出手段とのZ軸方向の相対的な位置関係を変化させる位置変化工程と、除去により着色層が除去された除去部にカラーフィルタの修正用インクを吐出す吐出工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
以上のように請求項1に係る発明によれば、カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去し、その除去された結果略平坦になった除去部から距離検出手段までの距離のZ軸方向の成分値から記憶手段により記憶されている距離検出手段と吐出手段との距離のZ軸方向の成分値を差分することにより、吐出手段とカラーフィルタの距離のZ軸方向の成分値を求め、その求められた距離のZ軸方向の成分値が、あらかじめ定められた値の範囲内になるように、カラーフィルタと吐出手段とのZ軸方向の相対的な位置関係を変化させるので、カラーファイル基板の除去部からインクジェットヘッドの吐出口までの高さ距離のばらつきが少なく、インクジェットヘッドの吐出口から吐出される修正液のカラーフィルタ基板の着弾位置もばらつきが生ずることなく、カラーフィルタの欠陥の修正を精度よく行なうことができる。
【0028】
また請求項3に係る発明によれば、距離検出手段を目標移動位置まで移動させるために、カラーフィルタと距離検出手段とのX軸方向およびY軸方向の相対的な位置関係を変化させ、さらに、距離検出手段を目標移動位置まで移動させた後に、距離検出手段を記憶手段に記憶されているX軸方向の成分値、Y軸方向の成分値の距離だけ移動させるために、カラーフィルタと距離検出手段とのX軸方向およびY軸方向の相対的な位置関係を変化させるので、XY平面状で距離検出位置と修正インクの吐出位置を同一位置にでき、従来のように、計測位置によって計測できないことによりカラーフィルタの欠陥部の修正できない領域が生じることもなく、カラーフィルタ基板のどの領域でも修正が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の一実施形態における欠陥修正装置を図1および図2を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるカラーフィルタの欠陥修正装置の斜視図である。また、図2は、本発明の一実施形態におけるカラーフィルタの欠陥修正装置のインクジェットヘッド周辺部を示す斜視図である。
【0030】
なお、カラーフィルタは、本来カラーフィルタ基板と着色層のみならずその周辺部分も含む概念であるが、以下に記載している「カラーフィルタ」は「カラーフィルタ基板」とほぼ同様の意味として使用している。
【0031】
基台1は、欠陥修正装置の最下部に位置するものであり、土台となるものである。この基台1の上部にカラーフィルタをX軸方向に移動可能にするカラーフィルタ基板移動用のX軸ステージ2と、さらにそのX軸ステージ2の上部にカラーフィルタをY軸方向に移動可能にするY軸ステージ3が設けられている。
【0032】
Y軸ステージ3の上部には、カラーフィルタ基板5を載置するためのカラーフィルタ基板載置台4が固定されている。また、カラーフィルタ基板載置台4の上部には、カラーフィルタ基板5の側面を固定するピン6が設けられ、このピン6によりカラーフィルタ基板載置台4上のカラーフィルタ基板5がX軸方向またはY軸方向に動かないようにされている。本実施形態では、さらにカラーフィルタ基板載置台4の上面に真空吸着孔7を設け、カラーフィルタ基板5が真空吸着孔7からの吸引力により完全に固定するようにしている。
【0033】
第1取付板8は、基台1と垂直方向に取付けられている。この第1取付板8には、後述する吐出口をZ軸方向に移動可能にする第1Z軸ステージ9が設けられている。この第1Z軸ステージ9には、Z軸方向に移動可能な第1Z軸ステージ可動部10が取り付けられ、さらに第1Z軸ステージ可動部10には、背板11が取付けられている。本実施形態では、この第1Z軸ステージ9と第1Z軸ステージ可動部10、そして後述する第2Z軸ステージ14と第2Z軸ステージ可動部15とでZ軸ステージを構成している。しかし、これに限定するのではなく、第1Z軸ステージ9と第1Z軸ステージ可動部10、もしくは、後述する第2Z軸ステージ14と第2Z軸ステージ可動部15のいずれか一方のみでZ軸ステージを構成すると考えてもよい。
【0034】
背板11には、カラーフィルタ基板5を含むカラーフィルタを拡大して観察するための観察用顕微鏡12と、カラーフィルタの欠陥部27を含む着色層をレーザを照射することにより除去するレーザ照射装置13と、後述するインクジェットヘッドR17、インクジェットヘッドG18、インクジェットヘッドB19などをZ軸方向に移動可能にする第2Z軸ステージ14が固定されている。
【0035】
第2Z軸ステージ14には、第2Z軸ステージ可動部15が取付けられ、第2Z軸ステージ可動部15がZ軸ステージ14に沿って移動することにより、インクジェットヘッドR17、インクジェットヘッドG18、インクジェットヘッドB19などがZ軸方向に移動することとなる。
【0036】
なお、本実施形態では、後述する光学式変位計21(距離検出手段)からカラーフィルタに向かう方向と略同一方向をZ軸方向としている(図1参照)。しかしこれに限定されるわけではなく、本発明の作用効果が生ずる限り、便宜Z軸方向を設定してもよい。
【0037】
インクジェットヘッドR取付板16は、第2Z軸ステージ可動部15に取付けられ、このインクジェットヘッドR取付板16とインクジェットヘッドB取付板20により、インクジェットヘッドR17とインクジェットヘッドG18とインクジェットヘッドB19を挟み込むようにして、インクジェットヘッドR17、インクジェットヘッドG18、インクジェットヘッドB19を固定している。
【0038】
レーザ変位計である光学式変位計21は、インクジェットヘッドB取付板20に取付けられて、光学式変位計21からカラーフィルタの上面までの距離を計測する。
【0039】
この光学式変位計21により、光学式変位計21からカラーフィルタの上面までの距離が計測され、その計測された距離(Z軸方向の距離)からあらかじめ測定されている光学式変位計21からインクジェットヘッド17、18、19の吐出口22、23、24(吐出手段)までのZ軸方向の距離(高さ距離)を差分することにより、インクジェットヘッド17、18、19のそれぞれの吐出口22、23、24の位置がカラーフィルタの上面から測定してあらかじめ定められた許容範囲(h±50μm)の位置になるようにすることができる。本実施形態では、光学式変位計21とインクジェットヘッド17、18、19の吐出口22、23、24とのZ軸方向の距離(高さ距離)はともに同じである。
【0040】
このあらかじめ測定された光学式変位計21からインクジェットヘッド17、18、19の吐出口22、23、24までの距離は、図1および図2に示すX軸Y軸Z軸別にそれぞれ記憶手段(図示略)に記憶されている。
【0041】
また、上述した光学式変位計21からカラーフィルタの上面までの距離(Z軸方向の距離)からあらかじめ測定されている光学式変位計21からインクジェットヘッド17、18、19の吐出口22、23、24までのZ軸方向の距離(高さ距離)を差分し、光学式変位計21からインクジェットヘッド17、18、19までのZ軸方向の距離を算出しているが、この算出は図示しない算出手段により行なわれる。
【0042】
なお、本実施形態では、光学式変位計21からカラーフィルタの上面までの距離がWのときに、カラーフィルタ基板5の上面とインクジェットヘッドの吐出口22、23,24のZ軸方向の距離(高さ距離)がhになるように取付けられ、光学式変位計21の表示も、便宜的に、光学式変位計21からカラーフィルタの上面までの高さ距離から、あらかじめ測定されている光学式変位計21とインクジェットヘッド17、18、19の吐出口22、23、24との高さ距離を差分した値としている。
【0043】
したがって、光学式変位計21からカラーフィルタの上面までの距離がWのときに、光学式変位計21に表示される値はhとなる。
【0044】
乾燥手段25は、カラーフィルタ基板5を乾燥させるものであり、乾燥手段取付板26を介し背板11に取付けられている。なお、乾燥手段25として、本実施形態では温風を噴出す温風ヒータが用いられている。
【0045】
つぎに、このように構成されたカラーフィルタの欠陥修正装置を用いて、カラーフィルタ基板の欠陥部を修正する手順について図3を参照しながら説明する。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態におけるカラーフィルタの欠陥修正装置による修正処理(修正方法)を示すフローチャートである。
【0047】
まず、S101において、欠陥部27を有するカラーフィルタ基板5が位置決め手段であるピン(位置決めピン)6により位置決めされる。このカラーフィルタ基板5の位置決めは、カラーフィルタ基板5の周辺部を位置決めピン6により固定することにより行なう。
【0048】
つぎに、S102により、カラーフィルタの欠陥部27が観察用顕微鏡12により観察可能な観察領域内に入るように、X、Y軸ステージ2,3をX軸方向、Y軸方向に移動させる。
【0049】
すなわち、カラーフィルタ基板5の欠陥部27(欠陥位置)は予め検出され、その検出内容をデータ化しているため、この欠陥位置データに基づいて、欠陥部27が観察用顕微鏡12により観察可能な観察領域内に入るように、X、Y軸ステージ2,3を移動させる。
【0050】
S103により、カラーフィルタ基板5の欠陥部27が観察用顕微鏡12の観察領域の中心にくるように、またカラーフィルタ基板5の欠陥部27にピントが合うように、X、Y軸ステージ2、3、第1Z軸ステージ9の第1Z軸ステージ可動部10を微動させる。
【0051】
このX、Y軸ステージ2、3、第1Z軸ステージの第1Z軸ステージ可動部10の微動は、観察用顕微鏡27からの観察データを画像処理装置(図示略)に送信して、その画像処理装置の処理信号を受信した制御手段(図示略)により行われる。すなわち、制御手段は、受信した画像処理装置の処理信号を元に、カラーフィルタ基板5の欠陥部27にピントが合うように制御する。
【0052】
そして、S104により、カラーフィルタ基板5の欠陥部27が観察用顕微鏡12の観察領域の中心に移動し、かつカラーフィルタ基板5の欠陥部27にピントが合ったときに、カラーフィルタ基板5の位置データが取込まれ、この位置データを用いて、後述する欠陥修正工程が行われる。なお、上記位置データは、記憶手段(図示略)に記憶される。
【0053】
S105において、X、Y軸ステージ2、3,第1Z軸ステージ9に取付けられた第1Z軸ステージ可動部10を移動させることにより、カラーフィルタ基板5の欠陥部27の上方にレーザ照射装置13を移動させ、レーザ照射装置13によりカラーフィルタ基板5の欠陥部27(所定の幅)を除去する。
【0054】
例えば図12に示すように、カラーフィルタ基板5の赤色画素、緑色画素にまたがった欠陥部27がある場合には、かかる欠陥部27に対しレーザ照射装置13からのレーザを照射し、欠陥部27の赤色画素と緑色画素(所定の幅分)を含む着色層を除去する。本実施形態では、その除去する赤色画素と青色画素の着色層の所定の幅(大きさ)は、およそ50μm〜200μm位としている。
【0055】
この観察用顕微鏡12のピントが欠陥部27の中心に合った状態から該欠陥部27の上方にレーザ照射装置13を位置させるためには、S104で記憶手段(図示略)に記憶された位置(位置データ)を中心として、あらかじめ測定されている観察用顕微鏡12とレーザ照射装置13の距離だけ、レーザ照射装置13を移動されることにより行なわれる。
【0056】
この観察用顕微鏡12とレーザ照射装置13との位置関係は、それぞれX軸Y軸Z軸のそれぞれの方向別に記憶手段(図示略)に記憶されている。
【0057】
その後、S106において、レーザ照射装置13と光学式変位計21とのX、Y軸方向の位置関係があらかじめ把握されているので、X、Y軸ステージ2、3をその距離の分だけ移動させ、カラーフィルタ基板5の除去部28または29(図2参照)の上方に光学式変位計21がくるようにする。
【0058】
すなわち、欠陥部27の上方にレーザ照射装置13が位置している状態からカラーフィルタ基板5の除去部28または29の上方に光学式変位計21を位置させるためには、あらかじめ測定されているレーザ照射装置13と光学式変位計21の距離のX軸方向の成分値およびY軸方向の成分値だけ、X、Y軸ステージ2、3を移動させることにより行なわれる。このレーザ照射装置13と光学式変位計21との位置関係は、それぞれX軸Y軸Z軸のそれぞれの方向別に記憶手段(図示略)に記憶されている。
【0059】
このようにして、カラーフィルタ基板5の除去部28または29の上方に光学式変位計21を移動させることができる。
【0060】
次に、Z軸方向については、例えばインクジェットヘッド17、18の吐出口22、23とカラーフィルタ基板5の上面とのZ軸方向の距離(高さ距離)がhになるように、第2Z軸ステージ14に取付けられている第2Z軸ステージ可動部15を移動させる。
【0061】
具体的には、図4に示すように、光学式変位計21により、光学式変位計21からカラーフィルタ基板5の上面の除去部28、29までのZ軸方向の距離(高さ距離)が測定され、その測定されたZ軸方向の距離から、記憶手段に記憶されている光学式変位計21からインクジェットヘッド17、18の吐出口22、23までの距離のZ軸方向の成分値を差分して、インクジェットヘッド17、18の吐出口22、23からラーフィルタ基板5の上面の除去部28、29までのZ軸方向の距離(高さ距離)を求め、その求められたインクジェットヘッド17、18の吐出口22、23とカラーフィルタ基板5の上面の除去部28、29とのZ軸方向の距離(高さ距離)がhになるように、第2Z軸ステージ14に取付けられている第2Z軸ステージ可動部15を移動させる。
【0062】
このとき、カラーフィルタ基板5の除去部28または29に光学式変位計21のスポットが当たることとなり、光学式変位計21の計測値は上述したようにhと表示される。
【0063】
図13に示すように、カラーフィルタ基板5の除去部28、29は、レーザ照射装置13から照射されるレーザによる欠陥部27が除去され平坦な面をなしているので、従来のようにカラーフィルタ上面の色の違いや凹凸によって生じる光学式変位計21の計測値の大きなばらつきが少なく、図6に示すようにせいぜい数μm程度のばらつきであり光学式変位計21の計測値として無視できるようである。
【0064】
つぎに、S107により、着色インク(修正用インク)をインクジェットヘッド17、18の吐出口22、23から吐出し、カラーフィルタ基板5の欠陥部28(除去部)の修正を行なう。
【0065】
この修正を行なう際のインクジェットヘッド17、18の移動は、光学系変位計21とインクジェットヘッド17、18、19の各吐出口22、23、24とのX、Y軸方向の位置関係があらかじめ測定され、記憶手段(図示略)に記憶されているので、その分だけX、Y軸ステージ2、3を移動させ、たとえばカラーフィルタ基板5の赤色画素の除去部28の上方にインクジェットヘッドR17を移動させる。
【0066】
そして、赤色の着色インク(修正用インク)をインクジェットヘッドR17の吐出口22から吐出させることにより、カラーフィルタ基板5の欠陥部28の修正が行なわれる。
【0067】
また同様に、カラーフィルタ基板5の緑色画素の除去部29についても、その除去部29の上方にインクジェットヘッドG18を移動させ、緑色の着色インク(修正用インク)をインクジェットヘッドG18の吐出口23から吐出させることにより、カラーフィルタ基板5の欠陥部29の修正が行なわれる。
【0068】
なお、S106において、インクジェットヘッド17、18の吐出口22、23とカラーフィルタ基板5の上面との距離(高さ距離)は、S106によりhに設定されているので、あらためて設定する必要はない。
【0069】
S108において、インクジェットヘッド17、18の吐出口22、23からカラーフィルタ基板5の除去部28、29に対し、着色インク(修正インク)を吐出した後は、X,Y軸ステージを移動させることにより上記着色インクを吐出した位置にヒータ25がくるように移動させ、そのヒータ28により着色インクを乾燥させる。そして、カラーフィルタ基板5の除去部28、29に吐出させた着色インクが乾燥すれば、カラーフィルタ基板5の欠陥の修正が終了する。
【0070】
図14にカラーフィルタ基板5の欠陥を修正した後のカラーフィルタ基板を示す。
図14は、欠陥を修正した後のカラーフィルタ基板の上面図および側面図である。
【0071】
なお、本実施形態では、説明を容易にするため、1回でカラーフィルタ基板5の欠陥を修正するようにしたが、これに限らず、欠陥部が大きく除去部が大きい場合、また欠陥部が複数あり除去部が複数にまたがる場合など、カラーフィルタ基板5の欠陥部の修正をインクジェットヘッドからの一回の吐出ではできない場合は、インクジェットヘッド22、23、24からの着色インクの吐出、乾燥の工程を複数回に亘って行ってもよい。また、ブラックマトリックス(BM)は微小面積であるので修正を行わなくても特に問題はなく、本実施形態では修正を行わない。
(変形例)
(1) 本実施形態では、レーザ変位計25(高さ検出手段)とインクジェットヘッド22、23、24を一つのZ軸ステージを用いて移動させることとしたが、これに限らず、レーザ変位計25(高さ検出)とインクジェットヘッド22、23、24について別々のZ軸ステージを設けて、それぞれ移動させるようにしてもよい。この場合でも、カラーフィルタ基板5とインクジェットヘッド22、23、24との高さ距離を、許容値の誤差の範囲内で計測することができ、レーザ変位計25(高さ検出手段)とインクジェットヘッド22、23、24のX,Y,Zの相対的な位置関係をあらかじめ掌握することにより、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0072】
(2) 本実施形態では、インクジェットヘッド22、23、24を用いて説明したが、これに限らず、デイスペンサーなどの非接触の着色インク(修正インク)の吐出手段であっても良い。
【0073】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態におけるカラーフィルタの欠陥修正装置の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるカラーフィルタの欠陥修正装置のインクジェットヘッド周辺部を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるカラーフィルタの欠陥修正装置による修正処理(修正工程)を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態におけるレーザ変位計によりカラーフィルタの欠陥除去部の高さを計測するところを示す側面図である。
【図5】変位センサを用いてインクジェットヘッドの吐出部からカラーフィルタの上面までの距離を測定する方法を示す図である。
【図6】図4のレーザ変位計により計測された計測値のグラフを示す図である。
【図7】図5のレーザ変位計により計測された計測値のグラフを示す図である。
【図8】インクジェットヘッドからカラーフィルタ基板に対し、着色インクを吐出す状態を示した図である。
【図9】カラーフィルタ端部の欠陥部の修正位置にインクジェットヘッドがきた場合に、計測位置がカラーフィルタ基板から離れている様子を示す図である。
【図10】カラーフィルタの着色パターン(マトリックス状)を示す図である。
【図11】カラーフィルタの着色パターン(ストライブ状)を示す図である。
【図12】欠陥部を有するカラーフィルタ基板を示す図である。
【図13】図10の欠陥部をレーザ照射装置でトリミング(除去)状態を示す図である。
【図14】図11の除去部を修正した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1 基台、2 X軸ステージ、3 Y軸ステージ、4 カラーフィルタ基板載置台、5 カラーフィルタ基板、6 ピン(位置決めピン)、7 真空吸着孔、8 第1取付板、9 第1Z軸ステージ、10 第1Z軸ステージ可動部、11 背板、12 観察用顕微鏡、13 レーザ照射装置、14 第2Z軸ステージ、15 第2Z軸ステージ可動部、16 インクジェットR取付板、17 インクジェットヘッドR、18 インクジェットヘッドG、19 インクジェットヘッドB、20 インクジェットヘッドB取付板、21 レーザ変位計、22 インクジェットヘッドRの吐出口、23 インクジェットヘッドGの吐出口、24 インクジェットヘッドBの吐出口、25 乾燥手段(温風ヒータ)、26 乾燥手段取付板、27 欠陥部、28 赤色画素の除去部、29 緑色画素の除去部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去した後、該着色層が除去された除去部に修正用インクを滴下することにより、該欠陥部を修正するカラーフィルタの欠陥修正装置であって、
カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去する除去手段と、
該除去手段により着色層が除去された除去部にカラーフィルタの修正用インクを吐出す吐出手段と、
前記除去手段により着色層が除去され、略平坦になった前記除去部からの距離を検出する距離検出手段と、
あらかじめ測定された前記距離検出手段と前記吐出手段との距離のうち、あらかじめ設定された前記距離検出手段からカラーフィルタに向かう方向と略同一方向であるZ軸方向の成分値を記憶する記憶手段と、
前記距離検出手段により検出された該距離検出手段から前記除去部までの距離の前記Z軸方向の成分値から前記記憶手段により記憶されている前記Z軸方向の成分値を差分することにより、前記吐出手段とカラーフィルタの距離の前記Z軸方向の成分値を算出する算出手段と、
カラーフィルタと前記吐出手段の相対的な位置関係を変化させる位置変化手段と、
を有し、
該位置変化手段は、前記算出手段により算出された距離の前記Z軸方向の成分値が、あらかじめ定められた値の範囲内になるように、カラーフィルタと前記吐出手段とのZ軸方向の相対的な位置関係を変化させることを特徴とするカラーフィルタの欠陥修正装置。
【請求項2】
前記位置変化手段は、前記吐出手段をZ軸方向に移動させるZ軸ステージを有し、
前記Z軸ステージを移動させることにより、カラーフィルタと前記吐出手段の相対的な位置関係を変化させることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタの欠陥修正装置。
【請求項3】
カラーフィルタをZ軸方向と直交するX軸方向と該X軸方向およびZ軸方向と直交するY軸方向に移動させることが可能なカラーフィルタの欠陥修正装置であって、
前記記憶手段は、あらかじめ測定された前記距離検出手段と前記吐出手段の距離のうち、X軸方向の成分値とY軸方向の成分値を記憶し、
前記位置変化手段は、カラーフィルタと前記距離検出手段の相対的な位置関係を変化させ、前記距離検出手段を目標移動位置まで移動させるために、カラーフィルタと前記距離検出手段とのX軸方向およびY軸方向の相対的な位置関係を変化させ、さらに、前記距離検出手段を目標移動位置まで移動させた後に、前記距離検出手段を前記記憶手段に記憶されている前記X軸方向の成分値、前記Y軸方向の成分値の距離だけ移動させるために、カラーフィルタと前記距離検出手段とのX軸方向およびY軸方向の相対的な位置関係を変化させることを特徴とする請求項1または請求項2記載のカラーフィルタの欠陥修正装置。
【請求項4】
前記位置変化手段は、カラーフィルタをX軸方向に移動させるX軸ステージと、カラーフィルタをY軸方向に移動させるY軸ステージを有し、
前記X軸ステージ、前記Y軸ステージを移動させることにより、カラーフィルタと前記距離検出手段の相対的な位置関係を変化させることを特徴とする請求項3記載のカラーフィルタの欠陥修正装置。
【請求項5】
前記除去手段はレーザ照射装置であり、前記距離検出手段はレーザ変位計であり、前記吐出手段はインクジェットヘッドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタの欠陥修正装置。
【請求項6】
カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去した後、該着色層が除去された除去部に修正用インクを滴下することにより、該欠陥部を修正するカラーフィルタの欠陥修正方法であって、
カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を平坦に除去する除去工程と、
該除去された前記除去部から距離検出手段までの距離を検出する距離検出工程と、
前記距離検出工程により検出された前記距離検出手段から前記除去部までの距離のうち、あらかじめ設定された前記距離検出手段からカラーフィルタに向かう方向と略同一方向であるZ軸方向の成分値から、あらかじめ測定され記憶されている前記距離検出手段と吐出手段との距離の前記Z軸方向の成分値を差分することにより、前記吐出手段とカラーフィルタの距離の前記Z軸方向の成分値を算出する算出工程と、
前記算出工程により算出された距離の前記Z軸方向の成分値が、あらかじめ定められた値の範囲内になるように、カラーフィルタと前記吐出手段とのZ軸方向の相対的な位置関係を変化させる位置変化工程と、
前記除去により着色層が除去された除去部にカラーフィルタの修正用インクを吐出す吐出工程と、を有することを特徴とするカラーフィルタの欠陥修正方法。
【請求項1】
カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去した後、該着色層が除去された除去部に修正用インクを滴下することにより、該欠陥部を修正するカラーフィルタの欠陥修正装置であって、
カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去する除去手段と、
該除去手段により着色層が除去された除去部にカラーフィルタの修正用インクを吐出す吐出手段と、
前記除去手段により着色層が除去され、略平坦になった前記除去部からの距離を検出する距離検出手段と、
あらかじめ測定された前記距離検出手段と前記吐出手段との距離のうち、あらかじめ設定された前記距離検出手段からカラーフィルタに向かう方向と略同一方向であるZ軸方向の成分値を記憶する記憶手段と、
前記距離検出手段により検出された該距離検出手段から前記除去部までの距離の前記Z軸方向の成分値から前記記憶手段により記憶されている前記Z軸方向の成分値を差分することにより、前記吐出手段とカラーフィルタの距離の前記Z軸方向の成分値を算出する算出手段と、
カラーフィルタと前記吐出手段の相対的な位置関係を変化させる位置変化手段と、
を有し、
該位置変化手段は、前記算出手段により算出された距離の前記Z軸方向の成分値が、あらかじめ定められた値の範囲内になるように、カラーフィルタと前記吐出手段とのZ軸方向の相対的な位置関係を変化させることを特徴とするカラーフィルタの欠陥修正装置。
【請求項2】
前記位置変化手段は、前記吐出手段をZ軸方向に移動させるZ軸ステージを有し、
前記Z軸ステージを移動させることにより、カラーフィルタと前記吐出手段の相対的な位置関係を変化させることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタの欠陥修正装置。
【請求項3】
カラーフィルタをZ軸方向と直交するX軸方向と該X軸方向およびZ軸方向と直交するY軸方向に移動させることが可能なカラーフィルタの欠陥修正装置であって、
前記記憶手段は、あらかじめ測定された前記距離検出手段と前記吐出手段の距離のうち、X軸方向の成分値とY軸方向の成分値を記憶し、
前記位置変化手段は、カラーフィルタと前記距離検出手段の相対的な位置関係を変化させ、前記距離検出手段を目標移動位置まで移動させるために、カラーフィルタと前記距離検出手段とのX軸方向およびY軸方向の相対的な位置関係を変化させ、さらに、前記距離検出手段を目標移動位置まで移動させた後に、前記距離検出手段を前記記憶手段に記憶されている前記X軸方向の成分値、前記Y軸方向の成分値の距離だけ移動させるために、カラーフィルタと前記距離検出手段とのX軸方向およびY軸方向の相対的な位置関係を変化させることを特徴とする請求項1または請求項2記載のカラーフィルタの欠陥修正装置。
【請求項4】
前記位置変化手段は、カラーフィルタをX軸方向に移動させるX軸ステージと、カラーフィルタをY軸方向に移動させるY軸ステージを有し、
前記X軸ステージ、前記Y軸ステージを移動させることにより、カラーフィルタと前記距離検出手段の相対的な位置関係を変化させることを特徴とする請求項3記載のカラーフィルタの欠陥修正装置。
【請求項5】
前記除去手段はレーザ照射装置であり、前記距離検出手段はレーザ変位計であり、前記吐出手段はインクジェットヘッドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタの欠陥修正装置。
【請求項6】
カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を除去した後、該着色層が除去された除去部に修正用インクを滴下することにより、該欠陥部を修正するカラーフィルタの欠陥修正方法であって、
カラーフィルタの欠陥部を含む着色層を平坦に除去する除去工程と、
該除去された前記除去部から距離検出手段までの距離を検出する距離検出工程と、
前記距離検出工程により検出された前記距離検出手段から前記除去部までの距離のうち、あらかじめ設定された前記距離検出手段からカラーフィルタに向かう方向と略同一方向であるZ軸方向の成分値から、あらかじめ測定され記憶されている前記距離検出手段と吐出手段との距離の前記Z軸方向の成分値を差分することにより、前記吐出手段とカラーフィルタの距離の前記Z軸方向の成分値を算出する算出工程と、
前記算出工程により算出された距離の前記Z軸方向の成分値が、あらかじめ定められた値の範囲内になるように、カラーフィルタと前記吐出手段とのZ軸方向の相対的な位置関係を変化させる位置変化工程と、
前記除去により着色層が除去された除去部にカラーフィルタの修正用インクを吐出す吐出工程と、を有することを特徴とするカラーフィルタの欠陥修正方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−156329(P2007−156329A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−354930(P2005−354930)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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