説明

カラーフィルタの製造装置および製造方法

【課題】連続してパターン形状を形成する場合でも、精度よくパターン形状を形成することができるカラーフィルタの製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】露光装置11は露光ヘッド21およびカメラ25を有し、露光ヘッド21およびカメラ25には制御装置23が接続されている。
露光ヘッド21は図示しないアクチュエータを有し、このアクチュエータによりC1、C2方向に移動可能である。
露光時は、まず、カメラ25がブラックマトリクスを撮像し、その画像を制御装置23に送信する。
制御装置23は、受信した画像から検出した基準位置をもとに、露光ヘッド21の位置を決定する。
制御装置23は、アクチュエータに露光ヘッド21の位置座標を送信し、アクチュエータはその位置に露光ヘッド21を移動する。
即ち、露光ヘッド21はシート3の変形にリアルタイムで追従する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート上にカラーフィルタ形成用のパターン形状を形成するカラーフィルタの製造装置および製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルタは、基板と、基板上に設けられた黒色の枠状パターンであるブラックマトリクスと、枠内に設けられた赤、緑、青の3色の着色パターンであるカラーフィルタ層からなり、主に液晶ディスプレイの部品として用いられている。
【0003】
カラーフィルタの基板としては、従来はガラスが用いられており、基板にブラックマトリクスとカラーフィルタ層を設ける場合は、基板1枚毎に感光材を塗布し、露光、現像によりパターン形状を形成していた。
【0004】
一方、ガラスは重量があり、カラーフィルタの製造時に作業性が悪いことや、液晶ディスプレイの軽量化の妨げになることなどから、近年では基板にガラスではなく、プラスチックフィルムのようなシートを用いる場合がある。
【0005】
この場合、製造時には、長尺状のシートに複数のカラーフィルタのパターン形状を連続して形成し、後でパターン形状ごとにシートを切断してカラーフィルタを製造する場合があり、以下のようなものが知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004-144862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、プラスチックフィルムのようなシートは、ガラスと比べて熱や応力の影響を受けて製造中に変形しやすいため、連続してパターンを形成しようとすると、途中で変形の影響によりパターン形状がずれてしまうことがある。
従って、高い寸法精度を要求されるカラーフィルタには不向きであった。
【0007】
この場合、パターンを形成する際、即ち露光の際に一旦、シートを停止させることにより、比較的高い寸法精度を確保することが可能であるが、この場合は製造に時間がかかるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は連続してパターン形状を形成する場合であっても、精度よくパターン形状を形成することができるカラーフィルタの製造装置および製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、シート上に感光材のパターンを連続して形成するカラーフィルタの製造装置であって、前記シートを連続して搬送する搬送装置と、前記搬送装置により搬送中の前記シートに前記感光材を塗布する塗布装置と、前記搬送装置により搬送中の前記シート上の前記感光材を乾燥する乾燥装置と、前記搬送装置により搬送中の前記シート上の前記感光材の所定の位置を露光する露光装置と、前記搬送装置により搬送中の前記感光材を現像する現像装置と、前記搬送装置により搬送中の前記シート上の前記感光材を焼成する焼成装置と、を有することを特徴とするカラーフィルタの製造装置である。
【0010】
前記シート上にはブラックマトリクスが設けられ、前記露光装置は、前記シートの表面と平行な面内を移動可能に設けられ、前記感光材を露光する露光手段と、前記露光手段を移動する第1の移動手段と、前記ブラックマトリクスを撮像する第1の撮像手段と、前記第1の撮像手段および前記露光手段に接続され、前記露光手段の移動を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第1の撮像手段が撮像した前記ブラックマトリクスの画像から、前記ブラックマトリクス上の予め設定された任意の位置である基準位置を検出する第1の検出手段と、検出した前記基準位置を基準にして、前記所定の位置に前記露光手段が移動するように前記第1の移動手段に指示する第1の指示手段と、を有してもよい。
【0011】
前記制御手段は、検出した前記基準位置を基準にして、前記所定の位置を露光するタイミングを前記露光手段に指示する第2の指示手段をさらに有してもよい。
前記第1の指示手段は、前記所定の位置に前記露光手段が移動するようにリアルタイムで前記第1の移動手段に指示する手段であってもよい。
【0012】
また、前記シート上には、前記ブラックマトリクスよりも前記搬送方向の上流側に形成された位置決め用の印であるアライメントマークがさらに設けられ、前記露光装置は、前記アライメントマークを撮像する第2の撮像手段をさらに有し、前記制御手段は、
前記第2の撮像手段が撮像した前記アライメントマークの画像から、前記アライメントマークの位置を検出する第2の検出手段と、検出した前記アライメントマークの位置を基準にして、前記所定の位置に前記露光手段が移動するように前記第1の移動手段に指示する第3の指示手段と、をさらに有してもよい。
【0013】
あるいは、前記シート上には、位置決め用の印であるアライメントマークが設けられ、前記露光装置は、前記シートの表面と平行な面内を移動可能に設けられ、前記シートを露光する露光手段と、前記露光手段を移動する第2の移動手段と、前記シート上のアライメントマークを撮像する第3の撮像手段と、前記第3の撮像手段および前記露光手段に接続され、前記露光手段の移動を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第3の撮像手段が撮像した前記アライメントマークの画像から、前記搬送装置上の前記アライメントマークの位置を検出する第3の検出手段と、検出した前記アライメントマークの位置を基準にして、前記所定の位置に前記露光手段が移動するように前記第2の移動手段に指示する第4の指示手段と、を有してもよい。
この場合、前記制御手段は、検出した前記アライメントマークの位置を基準にして、前記所定の位置を露光するタイミングを前記露光手段に指示する第5の指示手段をさらに有してもよい。
【0014】
前記第2の撮像手段を移動する第3の移動手段と、前記シート上のアライメントマークを撮像する第4の撮像手段と、をさらに有し、前記制御手段は、前記第4の撮像手段が撮像した前記アライメントマークの画像から、前記搬送装置上の前記アライメントマークの位置を検出する第4の検出手段と、前記第4の検出手段が検出した前記アライメントマークの位置に前記第2の撮像手段が移動するように前記第3の移動手段に指示する第6の指示手段と、をさらに有してもよい。
【0015】
第2の発明は、シート上に感光材のパターンを連続して形成するカラーフィルタの製造方法であって、搬送装置により搬送中の前記シートに前記感光材を塗布する工程(a)と、搬送装置により搬送中の前記シートの前記感光材を乾燥する工程(b)と、搬送装置により搬送中の前記シートの前記感光材の所定の位置を露光する工程(c)と、搬送装置により搬送中の前記シートの前記感光材を現像する工程(d)と、搬送装置により搬送中の前記シートの前記感光材を焼成する工程(e)と、を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0016】
前記工程(c)は、第1の撮像手段を用いて前記シート上に設けられたブラックマトリクスを撮像する工程(f)と、撮像した前記ブラックマトリクスの画像から、前記ブラックマトリクス上の予め設定された任意の位置である基準位置を検出する工程(g)と、検出した前記基準位置を基準にして、前記所定の位置に露光手段が移動するよう指示する工程(h)と、を有してもよい。
前記工程(c)は、前記工程(h)の後に、検出した前記基準位置を基準にして、前記所定の位置を露光するタイミングを前記露光手段に指示する工程(i)をさらに有してもよい。
前記工程(c)〜(h)は、搬送中の前記シートに対してリアルタイムで繰り返し行われる工程であってもよい。
【0017】
前記工程(c)は、前記工程(f)の前に、第2の撮像手段を用いて前記シート上に設けられたアライメントマークを撮像する工程(j)と、撮像した前記アライメントマークの画像から、前記アライメントマークの位置を検出する工程(k)と、検出した前記アライメントマークの位置を基準にして、前記所定の位置に前記露光手段が移動するように指示する工程(l)と、を有してもよい。
【0018】
前記工程(c)は、第3の撮像手段を用いて前記シート上に設けられたアライメントマークを撮像する工程(m)と、撮像した前記アライメントマークの画像を用いて、前記アライメントマークの位置を検出する工程(n)と、検出した前記アライメントマークの位置を基準にして、前記所定の位置に前記露光手段が移動するように指示する工程(o)と、を有してもよい。
この場合、前記工程(c)は、前記工程(o)の後に、検出したアライメントマークの位置を基準にして、前記所定の位置を露光するタイミングを前記露光手段に指示する工程(p)をさらに有してもよい。
【0019】
あるいは、前記工程(c)は、前記工程(j)の前に、第4の撮像手段を用いて前記シート上に設けられたアライメントマークを撮像する工程(q)と、撮像した前記アライメントマークの画像から、前記アライメントマークの位置を検出する工程(r)と、検出した前記アライメントマークの位置に前記第2の撮像手段が移動するように指示する工程(s)と、を有してもよい。
【0020】
本発明では、カラーフィルタの製造装置の一部である露光装置が撮像手段、制御手段および露光手段を備えており、制御手段は、撮像手段が撮像したブラックマトリクスやアライメントマークの画像から、シート上の基準位置を検出し、検出した位置に基づいて露光手段を移動させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、カラーフィルタの製造装置の一部である露光装置が撮像手段、制御手段および露光手段を備えており、露光手段が随時、シートの変形に追従して移動するため、連続してパターン形状を形成する場合であっても、精度よくパターン形状を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面に基づいて本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。図1は、第1の実施形態に係るカラーフィルタ製造装置1を示す概略図であって、図2は図1のシート3の斜視図である。
【0023】
図1に示すように、カラーフィルタ製造装置1は円筒状のローラ5a、5bを有し、ローラ5a、5bには基板としてのフィルム状のシート3が巻きつけられている。
そして、ローラ5a、5bがB1、B2方向に回転することによって、シート3はA方向に移動する。
【0024】
図2に示すように、シート3は長尺状の形状を有しており、シート3上には、黒色の感光材により形成されたパターン形状であるブラックマトリクス17a、17b、17cが設けられている。
【0025】
ブラックマトリクス17a、17b、17cは各々が1枚のカラーフィルタに対応しており、後述する着色層を形成した後に、シート3を裁断することにより、個々のカラーフィルタとして形成される。
【0026】
なお、第1の実施形態においては、シート3はブラックマトリクス17a、17b、17cは枠内に横線18のみを有しており、2本の横線18の間に着色層が形成される。
【0027】
また、シート3のブラックマトリクスの数は3つしか記載されていないが、実際にはブラックマトリクスの数はシートの全長やブラックマトリクス自体の大きさによって異なり、もっと多い場合がある。
【0028】
図1に示すように、ローラ5aとローラ5bの間で、かつシート3の周囲には、ローラ5b側からローラ5a側に向けて順番に、塗布装置7、乾燥装置9、露光装置11、現像装置13、焼成装置15が設けられている。
【0029】
塗布装置7は、シート3の表面に感光材を塗布する装置であり、図示しないダイコータ等によりシート3の表面に感光材を塗布する。
乾燥装置9は、シート3の表面に塗布された感光材を乾燥させる装置である。
【0030】
露光装置11は、感光材を選択的に露光する装置であり、詳細は後述する。
現像装置13は、感光材を現像する装置である。
焼成装置15は、感光材を焼成して硬化させる装置である。
【0031】
即ち、塗布装置7で塗布された感光材は、露光装置11で露光によって表面の物性が選択的に変化し、現像装置13で現像により不要な部分が除去され、所定のパターン形状が形成される。
なお、感光材には、露光された箇所が現像にて除去される、いわゆるポジ型と、露光領域が残るネガ型があるが、第1の実施形態では、どちらを用いてもよい。
【0032】
また、これらの装置はシート3が図1のA方向に移動している間に各処理を行う。
即ち、カラーフィルタ製造装置1は、シート3を常に移動させながら連続してパターン形状を形成する。
なお、カラーフィルタは、基板上に赤、緑、青の3色の着色パターンが形成されているため、カラーフィルタ製造装置1は、各色ごとに1台ずつ必要となる。
【0033】
次に、露光装置11の構成および動作について、詳細に説明する。
まず、露光装置11の構成について説明する。
図3は図2の露光装置11を示す斜視図であって、図4は図3の側面図である。
なお、図4においては、露光ヘッド21は断面図を表示してある。
【0034】
図3および図4に示すように、露光装置11はシート3の上方に露光手段としての露光ヘッド21を有している。
また、シート3の下方で、かつ露光ヘッド21よりもA方向の上流側には、第1の撮像手段としてのカメラ25が設けられ、露光ヘッド21およびカメラ25には制御手段としての制御装置23が接続されている。
【0035】
露光ヘッド21は、露光に必要な光をシート3上の感光材に照射する装置であり、内部には紫外線等の光源27が設けられ、シート3と対向する面にはフォトマスク29が設けられている。
なお、第1の実施形態においては、光源27は露光装置11の動作中は常時点灯している。
【0036】
フォトマスク29にはパターン開口部31が設けられており、光源27からC方向に照射された光のうち、パターン開口部31を通過した光が、シート3上の感光材を選択的に露光する。
【0037】
また、露光ヘッド21は第1の移動手段としての図示しないアクチュエータを有しており、露光ヘッド21はシート3の表面と平行な面内を、図示しないアクチュエータによって、図3のC1方向およびC2方向に移動可能である。
【0038】
カメラ25はシート3上のブラックマトリクス17aを撮像する装置であり、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラである。
制御装置23は露光ヘッド21の移動を制御するコンピュータであり、具体的には、図示しないアクチュエータに露光ヘッド21の位置座標を送信することにより、移動を制御する。
【0039】
次に、露光時の露光装置11の動作について説明する。
図5は露光時の露光装置11の動作を示すフローチャートであって、図6は露光時のシート3を示す図である。
【0040】
なお、図5および図6は、ブラックマトリクスの横線18の間に塗布した着色感光材を露光する工程であり、光源27が常時点灯して露光を行っている。
また、図5および図6ではシート3は常に図3のA方向に移動している。
【0041】
まず、カメラ25は上方を通過するシート3上のブラックマトリクスを撮像して(ステップ101)撮像したブラックマトリクスの画像を制御装置23に送信する(ステップ102)。
制御装置23はブラックマトリクスの画像を受信する(ステップ103)。
【0042】
制御装置23は、ブラックマトリクスの画像からシート3上の基準位置を検出する(ステップ104)。
ここで基準位置とは、ブラックマトリクス上の予め設定された任意の位置であり、例えば図6に示す基準位置βのような、横線18の1つの位置座標である。
【0043】
制御装置23は、基準位置をもとにして露光ヘッド21の位置座標を決定する(ステップ105)。
例えば、シート3が熱や応力で変形し、図6に示すように、前回検出した基準位置αと、今回検出した基準位置βがずれている場合は、ずれγの分だけ前回の露光ヘッド21の位置座標から移動した位置座標を、露光ヘッド21の位置座標とする。
【0044】
制御装置23は、露光ヘッド21の図示しないアクチュエータに露光ヘッド21の位置座標を送信し、露光ヘッド21の移動を指示する(ステップ106)。
露光ヘッド21の図示しないアクチュエータは露光ヘッド21の位置座標を受信し(ステップ107)、その位置座標が示す位置に露光ヘッド21を移動する(ステップ108)。
【0045】
以後は、シート3の移動に応じてリアルタイムでステップ101〜ステップ108が繰り返される。
即ち、露光ヘッド21はシート3の変形にリアルタイムで追従して移動するため、連続してパターン形状を形成する場合であっても精度良くパターン形状を形成することができる。
なお、パターン形状の精度は、カメラ25によるブラックマトリクスの撮像の間隔を短くすればするほど高精度になる。
【0046】
このように、第1の実施形態によれば、カラーフィルタ製造装置1は露光装置11を有し、露光装置11の露光ヘッド21は、カメラ25が撮像したブラックマトリクスの画像をもとに制御装置23が検出した基準位置に基づいて、シート3の変形にリアルタイムで追従して移動する。
【0047】
従って、シート3上に連続してパターン形状を形成する場合であっても、精度よくパターン形状を形成することができる。
【0048】
次に、第2の実施形態について説明する。
図7は第2の実施形態に係るカラーフィルタ製造装置1aでパターン形状が形成されるシート3aを示す斜視図であって、図8はカラーフィルタ製造装置1aの露光装置11aを示す斜視図である。
【0049】
なお、第1の実施形態に係るカラーフィルタ製造装置1および露光装置11と同様の機能を果たす要素には同一の番号を付し、説明を省略する。
また、カラーフィルタ製造装置1aの構成は第1の実施形態に係るカラーフィルタ製造装置1と同様であるため、説明を省略する。
【0050】
第2の実施形態は、第1の実施形態において、露光ヘッド21aの光源27aが、断続的に露光可能なフラッシュ光源であり、露光のタイミングを制御装置23が制御する。
【0051】
図7に示すように、シート3aはブラックマトリクス18a、18b、18cを有しているが、ブラックマトリクス18a、18b、18cは複数の横線18および縦線41を有する格子状となっている。
【0052】
図8に示すように、露光装置11aの構造は露光装置11と同様であるが、光源27aは断続的に露光が可能なフラッシュ光源である。
また、詳細は後述するが、光源27aの露光のタイミングは制御装置23によって制御される。
【0053】
露光の際には、横線18と縦線41に囲まれた矩形の領域に、フォトマスク29aのパターン開口部31aの形状が露光部43として形成される。
【0054】
次に、露光装置11aの動作について説明する。
図9は露光時の露光装置11aの動作を示すフローチャートである。
【0055】
まず、カメラ25は上方を通過するブラックマトリクスを撮像して(ステップ201)撮像したブラックマトリクスの画像を制御装置23に送信する(ステップ202)。
制御装置23はブラックマトリクスの画像を受信する(ステップ203)。
【0056】
制御装置23は、ブラックマトリクスの画像から基準位置を検出する(ステップ204)。
ここで基準位置とは、例えば図7の横線18と縦線41の交点の1つの位置である。
【0057】
制御装置23は、基準位置をもとにして露光ヘッド21aの位置座標を決定する(ステップ205)。
【0058】
制御装置23は、露光ヘッド21aの図示しないアクチュエータに露光ヘッド21aの位置座標を送信し、その位置への露光ヘッド21aの移動を指示する(ステップ206)。
【0059】
露光ヘッド21aの図示しないアクチュエータは、露光ヘッド21aの位置座標を受信し(ステップ207)、その位置座標が示す位置に露光ヘッド21aを移動する(ステップ208)。
【0060】
制御装置23は、基準位置をもとにして、露光の指示(光源27aを点灯させる指示)を露光ヘッド21aに送信する(ステップ209)。
具体的には、制御装置23は基準位置をもとに、ブラックマトリクス上の横線18と縦線41に囲まれた矩形の領域の位置を検出し、この領域が露光ヘッド21aの直下に来たときに露光の指示を行う。
露光ヘッド21aは露光の指示を受信すると、光源27aを点灯させ、露光を行う(ステップ210)。
【0061】
以後は、シート3aの移動に応じてリアルタイムでステップ201〜ステップ210が繰り返される。
即ち、露光ヘッド21aはシート3aの変形にリアルタイムで追従して移動するため、露光の度にシート3aを停止する必要がなく、連続してパターン形状を形成する場合であっても精度良くパターン形状を形成することができる。
【0062】
このように、第2の実施形態によれば、カラーフィルタ製造装置1aは露光装置11aを有し、露光装置11aの露光ヘッド21aは、カメラ25が撮像したブラックマトリクスの画像をもとに制御装置23が検出した基準位置に基づいて、シート3aの変形にリアルタイムで追従する。
【0063】
従って、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0064】
また、第2の実施形態によれば、露光ヘッド21aの光源27aはフラッシュ光源であり、露光のタイミングは、制御装置23が基準位置をもとにして露光ヘッド21aに指示する。
【0065】
従って、ブラックマトリクス18a、18b、18cが格子状であってもパターン形状を形成できる。
【0066】
次に、第3の実施形態について説明する。
図10は第3の実施形態に係るカラーフィルタ製造装置1bでパターン形状が形成されるシート3bを示す斜視図であって、図11はカラーフィルタ製造装置1bの露光装置11bを示す斜視図である。
【0067】
なお、第2の実施形態に係るカラーフィルタ製造装置1aおよび露光装置11aと同様の機能を果たす要素には同一の番号を付し、説明を省略する。
また、カラーフィルタ製造装置1bの構成は第2の実施形態に係るカラーフィルタ製造装置1aと同様であるため、説明を省略する。
【0068】
第3の実施形態は、第2の実施形態において、シート3b上にアライメントマークをさらに設け、アライメントマークの画像から検出されたアライメントマークの位置に基づく露光ヘッドの移動と、ブラックマトリクスの画像から検出された基準位置に基づく露光ヘッドの移動を組み合わせたものである。
【0069】
図10に示すように、シート3bは格子状のブラックマトリクス17d、17e、17f、17g、17h、17iを有している。
【0070】
また、ブラックマトリクス17dとブラックマトリクス17eの間にはアライメントマーク47cが設けられており、ブラックマトリクス17eとブラックマトリクス17fの間にはアライメントマーク47aが設けられている。
【0071】
同様に、ブラックマトリクス17gとブラックマトリクス17hの間にはアライメントマーク47dが設けられており、ブラックマトリクス17hとブラックマトリクス17iの間にはアライメントマーク47bが設けられている。
【0072】
アライメントマーク47a、47b、47c、47dは十字型のマークであり、詳細は後述するが、アライメントマークの位置の検出に用いられる。
【0073】
図11に示すように、露光装置11bは、露光ヘッド53a、53b、53cを有しており、露光ヘッド53a、53b、53cは制御装置23に接続されている。
露光ヘッド53a、53b、53cはシート3bと平行な平面内を図11のC1、C2方向に移動可能である。
【0074】
露光ヘッド53a、53b、53cの構造は第2の実施形態に係る露光ヘッド21aと同様であり、各々がシート3bの特定の領域の露光を担当している。
従って、露光ヘッド53a、53b、53cは3つでシート3bの全体を露光することができる。
【0075】
また、露光ヘッド53a、53b、53cよりもA方向の上流側には、第2の撮像手段としてのカメラ51a、51bが設けられている。カメラ51a、51bの構造はカメラ25と同様である。
カメラ51a、51bはアライメントマークを撮像するカメラである。
【0076】
次に、露光装置11bの動作について説明する。
図12は露光時の露光装置11bの動作を示すフローチャートであって、図13は図12のステップ301の詳細なフローチャートである。
【0077】
最初に、露光装置11bの動作の概略について図12を用いて説明する。
まず、カメラ51a、51bは下方を通過するアライメントマークを撮像し、制御装置23は、アライメントマークの画像からアライメントマークの位置を検出する。
制御装置23は、アライメントマークの位置をもとにして、露光ヘッド53a、53b、53cの図示しないアクチュエータに露光ヘッド53a、53b、53cの位置座標を送信する。
露光ヘッド53a、53b、53cの図示しないアクチュエータは位置座標の示す位置に露光ヘッド53a、53b、53cを移動する(ステップ301)。
【0078】
次に、カメラ25は上方を通過するブラックマトリクスを撮像し、制御装置23は、ブラックマトリクスの画像から基準位置を検出する。
制御装置23は、基準位置をもとにして、露光ヘッド53a、53b、53cの図示しないアクチュエータに露光ヘッド53a、53b、53cの位置座標を送信する。
露光ヘッド53a、53b、53cの図示しないアクチュエータは位置座標の示す位置に露光ヘッド53a、53b、53cを移動する
そして、制御装置23は、基準位置を基準にして、露光の指示を露光ヘッド53a、53b、53cに送信し、露光ヘッド53a、53b、53cは露光を行う(ステップ302)。
【0079】
このように、アライメントマークの画像から検出したアライメントマークの位置を基にした露光ヘッド53a、53b、53cの移動と、ブラックマトリクスの画像から検出した基準位置を基にした露光ヘッド53a、53b、53cの移動を組み合わせることにより、露光ヘッド53a、53b、53cの位置の補正を2度行うことになるため、さらに精度よくパターン形状を形成することができる。
【0080】
次に、ステップ301の詳細について図13を用いて説明する。
まず、カメラ51a、51bは下方にあるアライメントマーク(図11ではアライメントマーク47a、47b)を撮像して(ステップ401)、撮像したアライメントマークの画像を制御装置23に送信する(ステップ402)。
制御装置23はアライメントマークの画像を受信する(ステップ403)。
【0081】
制御装置23は、アライメントマークの画像からアライメントマークの位置を検出する(ステップ404)。
ここでアライメントマークの位置とは、例えばアライメントマークの十字の交差点の位置座標である。
【0082】
制御装置23は、アライメントマークの位置をもとにして露光ヘッド53a、53b、53cの位置座標を決定する(ステップ405)。
例えば、シート3bが熱や応力で変形し、前回検出したアライメントマークの位置と、今回検出したアライメントマークの位置がずれている場合は、ずれの分だけ前回の露光ヘッド53a、53b、53cの位置座標から移動した位置座標を、露光ヘッド53a、53b、53cの位置座標とする。
【0083】
制御装置23は、露光ヘッド53a、53b、53cの図示しないアクチュエータに露光ヘッド53a、53b、53cの位置座標を送信し、その位置への露光ヘッド53a、53b、53cの移動を指示する(ステップ406)
【0084】
露光ヘッド53a、53b、53cの図示しないアクチュエータは露光ヘッド53a、53b、53cの位置座標を受信し(ステップ407)、位置座標の示す位置に露光ヘッド53a、53b、53cを移動する(ステップ408)。
【0085】
なお、ステップ302は、第2の実施形態におけるステップ201〜210と同様である。
【0086】
このように、第3の実施形態によれば、カラーフィルタ製造装置1bは露光装置11bを有し、露光装置11bの露光ヘッド53a、53b、53cは、カメラ25が撮像したブラックマトリクスをもとに制御装置23が検出した基準位置に基づいて、シート3bの変形にリアルタイムで追従して移動する。
【0087】
従って、第2の実施形態と同様の効果を奏する。
【0088】
また、第3の実施形態によれば、露光装置11bがカメラ51a、51bをさらに有し、露光ヘッド53a、53b、53cは、カメラ51a、51bが撮像したアライメントマークをもとに制御装置23が検出したアライメントマークの位置位置に基づいて、シート3bの変形にリアルタイムで追従して移動する。
【0089】
従って、露光ヘッド53a、53b、53cの露光位置の補正を2度行うことになるため、第2の実施形態よりも、さらに精度よくパターン形状を形成することができる。
【0090】
次に、第4の実施形態について説明する。
図14は第4の実施形態に係るカラーフィルタ製造装置1cでパターン形状が形成されるシート3cを示す斜視図であって、図15はカラーフィルタ製造装置1cの露光装置11cを示す斜視図である。
【0091】
また、図16は露光ヘッド67aのフォトマスク75の形状を示す図であって、図17は露光ヘッド69のフォトマスク77の形状を示す図、図18は露光ヘッド71のフォトマスク81の形状を示す図である。
【0092】
さらに、図19は露光ヘッド67a、67b、67c、69、71によりシート3c上に形成されるパターン形状91aを示す図である。
なお、カラーフィルタ製造装置1cの構成は第1の実施形態に係るカラーフィルタ製造装置1と同様であるため、説明を省略する。
【0093】
第4の実施形態におけるカラーフィルタ製造装置1cは、これまでの実施形態と異なり、アライメントマークのみが形成されたシート3c上に、ブラックマトリクスのパターン形状を形成するための装置である。
【0094】
図14に示すように、シート3c上にはブラックマトリクスは形成されておらず、アライメントマーク47a、47b、47c、47dのみが形成されている。
【0095】
図15に示すように、露光装置11cは、第3の撮像手段としてのカメラ61a、61bを有し、カメラ61a、61bのA方向の下流側には第3の撮像手段としてのカメラ63a、63bが設けられている。
さらに、カメラ63a、63bのA方向の下流側には第3の撮像手段としてのカメラ65a、65bが設けられている。
【0096】
カメラ61a、61bとカメラ63a、63bの間には露光手段としての露光ヘッド67a、67b、67cが設けられており、カメラ63a、63bとカメラ65a、65bの間には露光手段としての露光ヘッド69が設けられている。
さらに、カメラ65a、65bのA方向の下流側には露光手段としての露光ヘッド71が設けられている。
【0097】
カメラ61a、61b、63a、63b、65a、65bはアライメントマークを撮像するカメラであり、構造は第2の実施形態にかかるカメラ51a、51bと同様である。
なお、カメラ61a、61b、63a、63b、65a、65bは制御装置23に接続されている。
【0098】
露光ヘッド67a、67b、67cはブラックマトリクスの格子形状を露光する露光ヘッドであり、構造は第3の実施形態にかかる露光ヘッド53aと同様である。
露光ヘッド67aのフォトマスク75のパターン開口部73は、図16に示す形状となっている。露光ヘッド67b、67cも同様である。
【0099】
露光ヘッド69はブラックマトリクスの横枠の形状を露光する露光ヘッドであり、構造は第3の実施形態にかかる露光ヘッド53aと同様である。
露光ヘッド69のフォトマスク77のパターン開口部79a、79b、79c、79dは、図17に示す形状となっている。
【0100】
露光ヘッド71はブラックマトリクスの縦枠の形状を露光する露光ヘッドであり、構造は第3の実施形態にかかる露光ヘッド53aと同様である。
露光ヘッド71のフォトマスク81のパターン開口部83a、83bは、図18に示す形状となっている。
【0101】
即ち、これらの露光ヘッドのパターン開口部の形状を組み合わせると図19に示すパターン形状91aのようなブラックマトリクスの形状となる。
従って、図15のA方向に搬送されるシート3cは、これらの露光ヘッドによる露光により、図18に示すパターン形状91aを転写され、表面にブラックマトリクスが形成される。
【0102】
なお、露光ヘッド67a、67b、67c、69、71には、第2の移動手段としてのアクチュエータが設けられており、シート3cと平行な面内を図15のC1、C2方向に移動可能である。
また、露光ヘッド67a、67b、67c、69、71は制御手段としての制御装置23に接続されている。
制御装置23は第2の実施形態の制御装置23と同様のコンピュータであり、露光ヘッド67a、67b、67c、69、71の移動および露光を制御する。
【0103】
次に、露光装置11cの動作について説明する。
図20は露光時の露光装置11cの動作を示すフローチャートであって、図21は図20のステップ501の詳細なフローチャートである。
【0104】
最初に、動作の概略について図20を用いて説明する。
まず、カメラ61a、61bは下方を通過するアライメントマークを撮像し、制御装置23は、アライメントマークの画像からアライメントマークの位置を検出する。
制御装置23は、アライメントマークの位置をもとにして、露光ヘッド67a、67b、67cの図示しないアクチュエータに露光ヘッド67a、67b、67cの位置座標を送信する。
露光ヘッド67a、67b、67cの図示しないアクチュエータは位置座標の示す位置に露光ヘッド67a、67b、67cを移動する。
そして、制御装置23は、アライメントマークの位置を基準にして、露光の指示を露光ヘッド67a、67b、67cに送信し、露光ヘッド67a、67b、67cは露光を行う(ステップ501)。
【0105】
次に、カメラ63a、63bは下方を通過するアライメントマークを撮像し、制御装置23は、アライメントマークの画像からアライメントマークの位置を検出する。
制御装置23は、アライメントマークの位置をもとにして、露光ヘッド69の図示しないアクチュエータに露光ヘッド69の位置座標を送信する。
露光ヘッド69の図示しないアクチュエータは位置座標の示す位置に露光ヘッド69を移動する。
そして、制御装置23は、アライメントマークの位置を基準にして、露光の指示を露光ヘッド69に送信し、露光ヘッド69は露光を行う(ステップ502)。
【0106】
次に、カメラ65a、65bは下方を通過するアライメントマークを撮像し、制御装置23は、アライメントマークの画像からアライメントマークの位置を検出する。
制御装置23は、アライメントマークの位置をもとにして、露光ヘッド71の図示しないアクチュエータに露光ヘッド71の位置座標を送信する。
露光ヘッド71の図示しないアクチュエータは位置座標の示す位置に露光ヘッド71を移動する。
そして、制御装置23は、アライメントマークの位置を基準にして、露光の指示を露光ヘッド71に送信し、露光ヘッド71は露光を行う(ステップ503)。
【0107】
次に、ステップ501の詳細について図21を用いて説明する。
まず、カメラ61a、61bは下方を通過するアライメントマークを撮像して(ステップ601)、撮像したアライメントマークの画像を制御装置23に送信する(ステップ602)。
制御装置23はアライメントマークの画像を受信する(ステップ603)。
【0108】
制御装置23は、アライメントマークの画像からアライメントマークの位置を検出する(ステップ604)。
制御装置23は、アライメントマークの位置をもとにして露光ヘッド67a、67b、67cの位置座標を決定する(ステップ605)。
【0109】
制御装置23は、露光ヘッド67a、67b、67cの図示しないアクチュエータに露光ヘッド67a、67b、67cの位置座標を送信し、その位置への露光ヘッド67a、67b、67cの移動を指示する(ステップ606)。
【0110】
露光ヘッド53a、53b、53cの図示しないアクチュエータは露光ヘッド67a、67b、67cの位置座標を受信し(ステップ607)、位置座標の示す位置に露光ヘッド67a、67b、67cを移動する(ステップ608)。
【0111】
制御装置23は、アライメントマークの位置を基準にして、露光の指示を露光ヘッド71に送信し(ステップ609)、露光ヘッド67a、67b、67cは露光を行う(ステップ610)
【0112】
なお、ステップ502およびステップ503は、ステップ501と同様であるため、説明を省略する。
【0113】
このように、アライメントマークの画像から検出したアライメントマークの位置を基にして露光ヘッド67a、67b、67c、69、71を移動させることにより、精度よくパターン形状を形成することができる。
【0114】
このように、第4の実施形態によれば、カラーフィルタ製造装置1cは露光装置11cを有し、露光装置11cの露光ヘッド67a、67b、67c、69、71は、カメラ61a、61b、63a、63b、65a、65bが撮像したアライメントマークをもとに制御装置23が検出したアライメントマークの位置に基づいて、シート3cの変形にリアルタイムで追従する。
【0115】
従って、連続してブラックマトリクスのパターン形状を形成する場合であっても、精度よくパターン形状を形成することができる。
【0116】
次に、第5の実施形態について説明する。
図22は第5の実施形態に係るカラーフィルタ製造装置1dの露光装置11dを示す斜視図である。
【0117】
なお、第3の実施形態に係るカラーフィルタ製造装置1bおよび露光装置11bと同様の機能を果たす要素には同一の番号を付し、説明を省略する。
また、カラーフィルタ製造装置1dの構成は第1の実施形態に係るカラーフィルタ製造装置1と同様であるため、説明を省略する。
【0118】
第5の実施形態におけるカラーフィルタ製造装置1dは、第3の実施形態において、カメラ97a、97bを移動可能とし、さらにカメラ95a、95bを設けたものである。
【0119】
図22に示すように、露光装置11dは第2の撮像手段としてのカメラ97a、97bを有し、カメラ97a、97bの上流側には第4の撮像手段としてのカメラ95a、95bが設けられている。
【0120】
カメラ97a、97bには第3の移動手段としての図示しないアクチュエータが設けられている。
従って、カメラ97a、97bは、シート3bの表面と平行な面内を、図示しないアクチュエータによって、図22のC1方向およびC2方向に移動可能である。
【0121】
カメラ97a、97b、95a、95bの構造は第3の実施形態に係るカメラ51a、51bの構造と同様であるが、カメラ97a、97bはカメラ95a、95bよりも高倍率、狭視野のカメラである。
逆にいえば、カメラ95a、95bはカメラ97a、97bよりも低倍率、広視野のカメラである。
【0122】
カメラ95a、95bの倍率および視野は、例えば倍率はCCD画素が10〜20μm、視野は25〜100mmである。
また、カメラ97a、97bの倍率および視野は、例えば倍率はCCD画素が1〜2μm、視野は0.25〜1mmである。
【0123】
次に、露光装置11dの動作について説明する。
図23は露光時の露光装置11dの動作を示すフローチャートであって、図24は図23のステップ701の詳細なフローチャートである。
【0124】
最初に、動作の概略について図23を用いて説明する。
まず、カメラ95a、95bは下方を通過するアライメントマークを撮像し、制御装置23は、アライメントマークの画像からアライメントマークの位置を検出する。
制御装置23は、アライメントマークの位置をもとにして、カメラ97a、97bの図示しないアクチュエータにアライメントマークの位置座標を送信する。
カメラ97a、97bの図示しないアクチュエータは位置座標の示す位置にカメラ97a、97bを移動する(ステップ701)。
【0125】
次に、カメラ97a、97bは下方を通過するアライメントマークを撮像し、制御装置23は、アライメントマークの画像からアライメントマークの位置を検出する。
制御装置23は、アライメントマークの位置をもとにして、露光ヘッド53a、53b、53cの図示しないアクチュエータに露光ヘッド53a、53b、53cの位置座標を送信する。
露光ヘッド53a、53b、53cの図示しないアクチュエータは位置座標の示す位置に露光ヘッド53a、53b、53cを移動する。
そして、制御装置23は、アライメントマークの位置を基準にして、露光の指示を露光ヘッド53a、53b、53cに送信し、露光ヘッド53a、53b、53cは露光を行う(ステップ702)。
【0126】
次に、カメラ25は上方を通過するブラックマトリクスを撮像し、制御装置23は、ブラックマトリクスの画像から基準位置を検出する。
制御装置23は、基準位置をもとにして、露光ヘッド53a、53b、53cの図示しないアクチュエータに露光ヘッド53a、53b、53cの位置座標を送信する。
露光ヘッド53a、53b、53cの図示しないアクチュエータは位置座標の示す位置に露光ヘッド53a、53b、53cを移動する。
そして、制御装置23は、基準位置を基準にして、露光の指示を露光ヘッド53a、53b、53cに送信し、露光ヘッド53a、53b、53cは露光を行う(ステップ703)。
【0127】
このように、第5の実施形態では、低倍率、広視野のカメラ95a、95bがアライメントマークを撮像し、検出したアライメントマークの位置座標にカメラ97a、97を移動する。
従って、アライメントマークがカメラ97a、97bの視野から外れることを防ぐことができる。
また、第3の実施形態と比べて、カメラ97a、97bの倍率を高くできるので、アライメントマークの位置座標の検出精度を上げることができる。
【0128】
次に、ステップ701の詳細について図24を用いて説明する。
まず、カメラ95a、95bは下方を通過するアライメントマークを撮像して(ステップ801)、撮像したアライメントマークの画像を制御装置23に送信する(ステップ802)。
【0129】
制御装置23はアライメントマークの画像を受信する(ステップ803)。
制御装置23は、アライメントマークの画像からアライメントマークの位置を検出する(ステップ804)。
【0130】
制御装置23は、カメラ97a、97bの図示しないアクチュエータにアライメントマークの位置座標を送信し、その位置へのカメラ97a、97bの移動を指示する(ステップ805)。
【0131】
カメラ97a、97bの図示しないアクチュエータはアライメントマークの位置座標を受信し(ステップ806)、位置座標の示す位置にカメラ97a、97bを移動する(ステップ807)。
【0132】
なお、ステップ702およびステップ703は、第3の実施形態のステップ301およびステップ302と同様であるため、説明を省略する。
【0133】
このように、第5の実施形態によれば、カラーフィルタ製造装置1dは露光装置11dを有し、露光装置11dがカメラ97a、97bを有し、露光ヘッド53a、53b、53cは、カメラ97a、97bが撮像したアライメントマークをもとに制御装置23が検出したアライメントマークの位置に基づいて、シート3bの変形にリアルタイムで追従して移動する。
また、露光装置11dの露光ヘッド53a、53b、53cは、カメラ25が撮像したブラックマトリクスをもとに制御装置23が検出した基準位置に基づいて、シートの変形にリアルタイムで追従して移動する。
【0134】
従って、第3の実施形態と同様の効果を奏する。
【0135】
また、第5の実施形態によれば、露光装置11dがカメラ95a、95bをさらに有し、カメラ97a、97bは、カメラ95a、95bが撮像したアライメントマークをもとに制御装置23が検出したアライメントマークの位置に基づいて、シートの変形にリアルタイムで追従して移動する。
【0136】
従って、アライメントマークがカメラ97a、97bの視野から外れることを防ぐことができる。
また、第3の実施形態と比べて、カメラ97a、97bの倍率を高くできるので、アライメントマークの位置座標の検出精度を上げることができる。
【0137】
以上、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0138】
例えば、第1の実施形態では露光ヘッド21をシートの上方に設け、カメラ25をシートの下方に設けているが、露光ヘッド21をシートの下方に設けてもよいし、カメラ25をシートの上方に設けてもよい。
【0139】
また、第2の実施形態、第3の実施形態および第5の実施形態では、ブラックマトリクスの形状は格子形状となっているが、図25に示すブラックマトリクス形状98aのような「く」の字形状でもよく、あるいは図26に示すブラックマトリクス形状98bのようなデルタ形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】カラーフィルタ製造装置1を示す概略図
【図2】図1のシート3の斜視図
【図3】図2の露光装置11を示す斜視図
【図4】図3の側面図
【図5】露光時の露光装置11の動作を示すフローチャート
【図6】露光時のシート3を示す図
【図7】シート3aを示す斜視図
【図8】露光装置11aを示す斜視図
【図9】露光時の露光装置11aの動作を示すフローチャート
【図10】シート3bを示す斜視図
【図11】露光装置11bを示す斜視図
【図12】露光装置11bの動作を示すフローチャート
【図13】図12のステップ301の詳細なフローチャート
【図14】シート3cを示す斜視図
【図15】露光装置11cを示す斜視図
【図16】露光ヘッド67aのフォトマスク75の形状を示す図
【図17】露光ヘッド69のフォトマスク77の形状を示す図
【図18】露光ヘッド71のフォトマスク81の形状を示す図
【図19】露光ヘッド67a、67b、67c、69、71によりシート3c上に形成されるパターン形状91aを示す図
【図20】露光時の露光装置11cの動作を示すフローチャート
【図21】図20のステップ501の詳細なフローチャート
【図22】露光装置11dを示す斜視図
【図23】露光装置11dの動作を示すフローチャート
【図24】図23のステップ701の詳細なフローチャート
【図25】ブラックマトリクスの形状を示す図
【図26】ブラックマトリクスの形状を示す図
【符号の説明】
【0141】
1…………カラーフィルタ製造装置
3…………シート
5a………ローラ
7…………塗布装置
9…………乾燥装置
11………露光装置
17a……ブラックマトリクス
21………露光ヘッド
23………制御装置
25………カメラ
27………光源
29………フォトマスク
31………パターン開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート上に感光材のパターンを連続して形成するカラーフィルタの製造装置であって、
前記シートを連続して搬送する搬送装置と、
前記搬送装置により搬送中の前記シートに前記感光材を塗布する塗布装置と、
前記搬送装置により搬送中の前記シート上の前記感光材を乾燥する乾燥装置と、
前記搬送装置により搬送中の前記シート上の前記感光材の所定の位置を露光する露光装置と、
前記搬送装置により搬送中の前記感光材を現像する現像装置と、
前記搬送装置により搬送中の前記シート上の前記感光材を焼成する焼成装置と、
を有することを特徴とするカラーフィルタの製造装置。
【請求項2】
前記シート上にはブラックマトリクスが設けられ、
前記露光装置は、
前記シートの表面と平行な面内を移動可能に設けられ、前記感光材を露光する露光手段と、
前記露光手段を移動する第1の移動手段と、
前記ブラックマトリクスを撮像する第1の撮像手段と、
前記第1の撮像手段および前記露光手段に接続され、前記露光手段の移動を制御する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、
前記第1の撮像手段が撮像した前記ブラックマトリクスの画像から、前記ブラックマトリクス上の予め設定された任意の位置である基準位置を検出する第1の検出手段と、
検出した前記基準位置を基準にして、前記所定の位置に前記露光手段が移動するように前記第1の移動手段に指示する第1の指示手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタの製造装置。
【請求項3】
前記制御手段は、検出した前記基準位置を基準にして、前記所定の位置を露光するタイミングを前記露光手段に指示する第2の指示手段をさらに有することを特徴とする請求項2記載のカラーフィルタの製造装置。
【請求項4】
前記第1の指示手段は、前記所定の位置に前記露光手段が移動するようにリアルタイムで前記第1の移動手段に指示する手段であることを特徴とする請求項2記載のカラーフィルタの製造装置。
【請求項5】
前記シート上には、前記ブラックマトリクスよりも前記搬送方向の上流側に形成された位置決め用の印であるアライメントマークがさらに設けられ、
前記露光装置は、前記アライメントマークを撮像する第2の撮像手段をさらに有し、
前記制御手段は、
前記第2の撮像手段が撮像した前記アライメントマークの画像から、前記アライメントマークの位置を検出する第2の検出手段と、
検出した前記アライメントマークの位置を基準にして、前記所定の位置に前記露光手段が移動するように前記第1の移動手段に指示する第3の指示手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項2記載のカラーフィルタの製造装置。
【請求項6】
前記シート上には、位置決め用の印であるアライメントマークが設けられ、
前記露光装置は、
前記シートの表面と平行な面内を移動可能に設けられ、前記シートを露光する露光手段と、
前記露光手段を移動する第2の移動手段と、
前記シート上のアライメントマークを撮像する第3の撮像手段と、
前記第3の撮像手段および前記露光手段に接続され、前記露光手段の移動を制御する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、
前記第3の撮像手段が撮像した前記アライメントマークの画像から、前記搬送装置上の前記アライメントマークの位置を検出する第3の検出手段と、
検出した前記アライメントマークの位置を基準にして、前記所定の位置に前記露光手段が移動するように前記第2の移動手段に指示する第4の指示手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタの製造装置。
【請求項7】
前記制御手段は、検出した前記アライメントマークの位置を基準にして、前記所定の位置を露光するタイミングを前記露光手段に指示する第5の指示手段をさらに有することを特徴とする請求項6記載のカラーフィルタの製造装置。
【請求項8】
前記第2の撮像手段を移動する第3の移動手段と、
前記シート上のアライメントマークを撮像する第4の撮像手段と、
をさらに有し、
前記制御手段は、
前記第4の撮像手段が撮像した前記アライメントマークの画像から、前記搬送装置上の前記アライメントマークの位置を検出する第4の検出手段と、
前記第4の検出手段が検出した前記アライメントマークの位置に前記第2の撮像手段が移動するように前記第3の移動手段に指示する第6の指示手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項5記載のカラーフィルタの製造装置。
【請求項9】
シート上に感光材のパターンを連続して形成するカラーフィルタの製造方法であって、
搬送装置により搬送中の前記シートに前記感光材を塗布する工程(a)と、
搬送装置により搬送中の前記シートの前記感光材を乾燥する工程(b)と、
搬送装置により搬送中の前記シートの前記感光材の所定の位置を露光する工程(c)と、
搬送装置により搬送中の前記シートの前記感光材を現像する工程(d)と、
搬送装置により搬送中の前記シートの前記感光材を焼成する工程(e)と、
を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【請求項10】
前記工程(c)は、
第1の撮像手段を用いて前記シート上に設けられたブラックマトリクスを撮像する工程(f)と、
撮像した前記ブラックマトリクスの画像から、前記ブラックマトリクス上の予め設定された任意の位置である基準位置を検出する工程(g)と、
検出した前記基準位置を基準にして、前記所定の位置に露光手段が移動するよう指示する工程(h)と、
を有することを特徴とする請求項9記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項11】
前記工程(c)は、前記工程(h)の後に、検出した前記基準位置を基準にして、前記所定の位置を露光するタイミングを前記露光手段に指示する工程(i)をさらに有することを特徴とする請求項10記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項12】
前記工程(c)〜(h)は、搬送中の前記シートに対してリアルタイムで繰り返し行われる工程であることを特徴とする請求項10記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項13】
前記工程(c)は、
前記工程(f)の前に、
第2の撮像手段を用いて前記シート上に設けられたアライメントマークを撮像する工程(j)と、
撮像した前記アライメントマークの画像から、前記アライメントマークの位置を検出する工程(k)と、
検出した前記アライメントマークの位置を基準にして、前記所定の位置に前記露光手段が移動するように指示する工程(l)と、
を有することを特徴とする請求項10記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項14】
前記工程(c)は、
第3の撮像手段を用いて前記シート上に設けられたアライメントマークを撮像する工程(m)と、
撮像した前記アライメントマークの画像を用いて、前記アライメントマークの位置を検出する工程(n)と、
検出した前記アライメントマークの位置を基準にして、前記所定の位置に前記露光手段が移動するように指示する工程(o)と、
を有することを特徴とする請求項9記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項15】
前記工程(c)は、前記工程(o)の後に、検出したアライメントマークの位置を基準にして、前記所定の位置を露光するタイミングを前記露光手段に指示する工程(p)をさらに有することを特徴とする請求項14記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項16】
前記工程(c)は、
前記工程(j)の前に、
第4の撮像手段を用いて前記シート上に設けられたアライメントマークを撮像する工程(q)と、
撮像した前記アライメントマークの画像から、前記アライメントマークの位置を検出する工程(r)と、
検出した前記アライメントマークの位置に前記第2の撮像手段が移動するように指示する工程(s)と、
を有することを特徴とする請求項13記載のカラーフィルタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−96654(P2008−96654A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−277717(P2006−277717)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】