説明

カラーフィルター用シアン色顔料分散液、及びカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物

【課題】着色濃度が高く、硬化後の色再現性、輝度、及びコントラストに優れたカラーフィルター用シアン色顔料分散液、及びカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】少なくともC.I.ピグメントグリーン58と青色顔料とを含む顔料、顔料分散剤、及び溶剤を含有することを特徴とするカラーフィルター用シアン色顔料分散液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画素のような着色層を形成するのに用いられるカラーフィルター用シアン色顔料分散液、及びカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピューターなどのフラットディスプレーとして、カラー液晶表示装置が急速に普及してきている。一般にカラー液晶表示装置(101)は、図1に示すように、カラーフィルター1とTFT基板等の電極基板2とを対向させて1〜10μm程度の間隙部3を設け、当該間隙部3内に液晶化合物Lを充填し、その周囲をシール材4で密封した構造をとっている。カラーフィルター1は、透明基板5上に、画素間の境界部を遮光するために所定のパターンに形成されたブラックマトリクス層6と、各画素を形成するために複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色)を所定順序に配列した画素部7と、保護膜8と、透明電極膜9とが、透明基板に近い側からこの順に積層された構造をとっている。また、カラーフィルター1及びこれと対向する電極基板2の内面側には配向膜10が設けられる。さらに間隙部3には、カラーフィルター1と電極基板2の間のセルギャップを一定且つ均一に維持するために、スペーサーが設けられる。スペーサーとしては一定粒子径を有するパール11を分散したり、又は、図2に示すようにセルギャップに対応する高さを有する柱状スペーサー12を、カラーフィルターの内面側であってブラックマトリクス層6が形成されている位置と重なり合う領域に形成する。そして、各色に着色された画素それぞれ又
はカラーフィルターの背後にある液晶層の光透過率を制御することによってカラー画像が得られる。
【0003】
カラーテレビにおける画像信号の代表的な伝送方式として、NTSC(National Television Standards Committee)がある。NTSCは日本、アメリカ、カナダ等においてテレビ放送を行う方式、規格として採用されている。
また、カラーテレビの色再現域を決定するのは受像機の三原色(受像三原色)の色度であり、NTSC規格の受像三原色は、XYZ表色系における色度座標x及びyについて下記のように定められている。
【0004】
赤:x=0.67;y=0.33
緑:x=0.21;y=0.71
青:x=0.14;y=0.08
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶表示装置の急速な普及に伴い、カラーフィルターの高色再現性、高輝度、及び高コントラスト等、更なる表示性能の向上が求められている。色再現性を高めるため、カラーフィルターにおいて、赤(R)、緑(G)、青(B)色画素に、イエロー、マゼンダ、シアン色の少なくとも一色からなる画素を加えることが検討されている。また、色再現性を向上させるには、各色の画素部が充分に高い着色濃度を有していることが求められる。
【0006】
特許文献1には、C.I.ピグメントグリーン36と、C.I.ピグメントブルー15:4との混合物からなる着色剤を含有するシアン色のカラーフィルター用感放射線性組成物が開示されている。
また、特許文献2には、顔料が、C.I.ピグメントグリーン7及びC.I.ピグメントグリーン36から選択される少なくとも一種と、C.I.ピグメントブルー15:3及びC.I.ピグメントブルー15:6から選択される少なくとも一種とを含む、シアン色の光硬化性組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載のシアン色の組成物を用いて形成した画素を有するカラーフィルターでは、充分な色再現性、輝度、及びコントラストを得るのは困難である。
【0007】
【特許文献1】特開平11−72615号公報
【特許文献2】特開2006−98684号公報
【0008】
上記実情に鑑み、本発明は、着色濃度が高く、硬化後の色再現性、輝度、及びコントラストに優れたカラーフィルター用シアン色顔料分散液、及びカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討の結果、緑色顔料として、C.I.ピグメントグリーン58を用いることにより、上記課題が解決されるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るカラーフィルター用シアン色顔料分散液は、少なくともC.I.ピグメントグリーン58と青色顔料とを含む顔料、顔料分散剤、及び溶剤を含有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、緑色顔料として、C.I.ピグメントグリーン58を用いることにより、着色濃度が高く、硬化後の色再現性、輝度、及びコントラストに優れたカラーフィルター用シアン色顔料分散液とすることができる。
【0011】
本発明に係るカラーフィルター用シアン色顔料分散液においては、前記C.I.ピグメントグリーン58の配合量が、当該C.I.ピグメントグリーン58と、前記青色顔料との合計100重量部に対して、30〜90重量部の範囲であることが、着色濃度を高め、硬化後の色再現性、輝度、及びコントラストを向上させる点から好ましい。
【0012】
本発明に係るカラーフィルター用シアン色顔料分散液においては、前記青色顔料が、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、及びC.I.ピグメントブルー15:6よりなる群から選ばれる1種以上を含むことが、色度調整、耐熱性、耐候性、及び耐薬品性の点から好ましい。
【0013】
本発明に係るカラーフィルター用シアン色顔料分散液においては、黄色顔料を含有することが、濃度及び色度調整の点から好ましい。
【0014】
本発明に係るカラーフィルター用シアン色顔料分散液においては、前記黄色顔料の配合量が、顔料全体に対して、0〜50重量%の範囲であることが、色度領域保持の点から好ましい。
【0015】
本発明に係るカラーフィルター用シアン色顔料分散液においては、前記黄色顔料が、少なくともC.I.ピグメントイエロー138、及び/又はC.I.ピグメントイエロー150を含むことが、色度調整、耐熱性、及び耐候性を確保する点から好ましい。
【0016】
本発明に係るカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物は、本発明に係るカラーフィルター用シアン色顔料分散液、熱硬化性樹脂、熱重合開始剤、及び溶剤を含有することを特徴とする。本発明によれば、上記カラーフィルター用シアン色顔料分散液を含有することにより、色再現性、輝度、及びコントラストに優れた画素を形成することができる。
【0017】
本発明に係るカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物においては、透過スペクトルの最大値が485〜515nmであることが、輝度を高める点から好ましい。
【0018】
本発明に係るカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物においては、前記カラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物を平均膜厚1.0〜3.0μmの均一な膜に成膜し、当該膜をC光源で測色した時に、CIEのXYZ表色系においてx座標が0.110≦x≦0.130、y座標が0.460≦y≦0.480であることが好ましい。本発明に係るカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物によれば、少なくともC.I.ピグメントグリーン58と青色顔料とを組み合わせることにより、着色濃度を高め、色再現性、輝度、及びコントラストに優れた画素を形成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るカラーフィルター用シアン色顔料分散液によれば、緑色顔料として、C.I.ピグメントグリーン58を用いることにより、着色濃度が高く、硬化後の色再現性、輝度、及びコントラストを向上させることができる。
また、本発明に係るカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物によれば、色再現性、輝度、及びコントラストに優れた画素を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明のカラーフィルター用シアン色顔料分散液、及びカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物について順に説明する。尚、本明細書において、シアン色顔料分散液とは、後述する各顔料分散液を混合し、調製したものである。
【0021】
I.カラーフィルター用シアン色顔料分散液
本発明に係るカラーフィルター用シアン色顔料分散液は、少なくともC.I.ピグメントグリーン58と青色顔料とを含む顔料、顔料分散剤、及び溶剤を含有することを特徴とする。
本発明によれば、緑色顔料として、C.I.ピグメントグリーン58を用いることにより、着色濃度が高く、硬化後の色再現性、輝度、及びコントラストに優れたカラーフィルター用シアン色顔料分散液とすることができる。
【0022】
以下、このような本発明のカラーフィルター用シアン色顔料分散液に用いられる成分を説明する。
<顔料>
本発明に用いるカラーフィルター用シアン色顔料分散液における顔料は、少なくとも下記化学式(1)で表されるC.I.ピグメントグリーン58と青色顔料とを含む。
【0023】
【化1】

(上記化学式(1)中、X〜X16は、各々独立に、塩素原子、臭素原子、又は水素原子である。但し、X〜X16中、9〜16個が臭素原子である。)
【0024】
また、上記青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、及びC.I.ピグメントブルー15:6よりなる群から選ばれる1種以上を含むことが、色度調整、耐熱性、耐候性、及び耐薬品性の点から好ましい。
【0025】
上記C.I.ピグメントグリーン58は、顔料全体に対して、10〜90重量%含まれることが好ましく、更に50〜75重量%含まれることが好ましい。10重量%未満の場合、高輝度効果が減少するおそれがあり、90重量%を超えると色度ずれのおそれがある。
また、上記C.I.ピグメントグリーン58の配合量は、当該C.I.ピグメントグリーン58と、上記青色顔料との合計100重量部に対して、30〜90重量部の範囲であることが好ましく、更に30〜60重量部の範囲であることが好ましい。30重量部未満の場合、C.I.ピグメントグリーン58の高輝度効果消失のおそれがあり、90重量部を超えると色度ずれのおそれがある。
更に、上記C.I.ピグメントグリーン58の配合量は、溶剤を含むカラーフィルター用シアン色顔料分散液全量に対し、10〜25重量%であることが、顔料分散性の点から好ましい。更に好ましくは、15〜20重量%である。
【0026】
本発明に用いる顔料は、黄色顔料を含有することが、濃度及び色度調整の点から好ましい。黄色顔料としては、少なくともC.I.ピグメントイエロー138、及び/又はC.I.ピグメントイエロー150を含むことが好ましい。
【0027】
上記黄色顔料の配合量は、顔料全体に対して、0〜50重量%の範囲であることが好ましく、更に10〜35重量%の範囲であることが好ましい。上記範囲内とすることで、色度領域を確保することができる。
【0028】
本発明に用いる顔料としては、上記の顔料のみを含んで構成されていても良いが、適宜、他の顔料を用いても良い。
他の顔料としては、有機着色剤及び無機着色剤の中から任意のものを選んで使用することができる。有機着色剤としては、例えば、染料、有機顔料、天然色素等を用いることができる。また、無機着色剤としては、例えば、無機顔料、体質顔料等を用いることができる。これらの中で有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高いので、好ましく用いられる。有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
【0029】
C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド242、及びC.I.ピグメントバイオレット23。
【0030】
また、前記無機顔料あるいは体質顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、アンバー等を挙げることができる。本発明において、他の顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0031】
<顔料分散剤>
本発明のカラーフィルター用シアン色顔料分散液には、顔料を良好に分散させるために顔料分散剤を配合する。顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系等の界面活性剤などを使用できる。界面活性剤の中でも、次に例示するような高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。また、特殊アクリル系重合体などの分散補助樹脂を更に用いても良い。
すなわち、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類などの高分子界面活性剤が好ましく用いられる。
上記顔料分散剤の含有量は、上記シアン色顔料分散液の顔料全体に対して、30〜80重量%であることが好ましく、更に50〜70重量%であることが好ましい。
【0032】
<溶剤>
本発明に係るカラーフィルター用シアン色顔料分散液には、顔料を分散させるために溶剤が含まれる。
本発明のシアン色顔料分散液に用いる溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、N−プロピルアルコール、i−プロピルアルコールなどのアルコール系溶剤;メトキシアルコール、エトキシアルコールなどのセロソルブ系溶剤;メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノールなどのカルビトール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メトキシエチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶剤;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテートなどのカルビトールアセテート系溶剤;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性アミド溶剤;γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの不飽和炭化水素系溶剤;N−ヘプタン、N−ヘキサン、N−オクタンなどの飽和炭化水素系溶剤などの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中では、メトキシエチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶剤;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などのカルビトールアセテート系溶剤;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤;メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶剤が好適に用いられる。中でも、本発明に用いる溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(CHOCHCH(CH)OCOCH)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート(BCA)及びシクロヘキサノンよりなる群から選択される1種以上であることが、他の成分の溶解性や塗布適性の点から好ましい。
【0033】
これらの溶剤は単独もしくは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明に係るシアン色顔料分散液は、以上のような溶剤を、当該溶剤を含むシアン色顔料分散液の全量に対して、通常は60〜85重量%の割合で用いて調製する。溶剤が少なすぎると、粘度が上昇し、顔料分散性が低下しやすい。また、溶剤が多すぎると、顔料濃度が低下し、シアン色熱硬化性樹脂組成物を調製後、目標とする色度座標に達成することが困難な場合がある。
【0034】
<シアン色顔料分散液の製造方法>
本発明に係るシアン色顔料分散液は、まず初めに、上記の顔料ごとに、顔料と顔料分散剤を溶剤に混合し、公知の分散機を用いて分散させることによって各顔料分散液を調製する。次いで、当該顔料分散液を混合し、公知の撹拌機を用いて混合させることによって、当該シアン色顔料分散液を調製することができる。分散処理を行うための分散機としては、2本ロール、3本ロール等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルが挙げられる。ビーズミルの好ましい分散条件として、使用するビーズ径は0.03〜2.00mmが好ましく、より好ましくは0.10〜1.0mmである。
【0035】
顔料を分散させる際には、ジルコニアビーズ等を適宜加え、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼社製)等を用いて数時間分散を行うことが好ましい。具体的には、ビーズ径が比較的大きめな2mmジルコニアビーズで1時間、更にビーズ径が比較的小さめな0.1mmジルコニアビーズで2時間分散することが挙げられる。また、分散後、5.0ミクロンのメンブランフィルターで濾過することが好ましい。
このようにして、顔料粒子の分散性に優れたシアン色顔料分散液が得られる。このシアン色顔料分散液は、顔料分散性に優れたカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物を調製するための予備調製物として用いられる。
【0036】
II.カラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物
本発明に係るカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物は、本発明に係るカラーフィルター用シアン色顔料分散液、熱硬化性樹脂、熱重合開始剤、及び溶剤を含有することを特徴とする。本発明によれば、上記カラーフィルター用シアン色顔料分散液を含有する樹脂組成物を用いることにより、色再現性、輝度、及びコントラストに優れた画素を形成することができる。
また、本発明において、画素部を形成する方法としては、印刷法、顔料分散法、インクジェット法等、既知の方法を使用することができるが、中でも生産性に優れたインクジェット法を好適に使用することができる。
以下、このような本発明のカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物に用いられる成分を説明する。尚、溶剤については、上記カラーフィルター用シアン色顔料分散液の箇所において説明したものと同様のものを用いることができるので、ここでの説明は省略する。
【0037】
<熱硬化性樹脂>
本発明の熱硬化性樹脂としては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物が用いられる。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましい。また、これらにそれ自体は重合反応性のない重合体を更に用いても良い。
【0038】
1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物として、通常は、1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物が用いられる。1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物は、エポキシ基を2個以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個を1分子中に有するエポキシ化合物(エポキシ樹脂と称されるものを含む)である。エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。エポキシ化合物としては、カルボン酸により硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
【0039】
エポキシ化合物としては、硬化膜に耐溶剤性や耐熱性を付与するために、比較的分子量の高い重合体と、硬化膜の架橋密度を高くするために、比較的分子量の低い化合物とを併用することが好ましい。熱硬化性樹脂としては具体的には、特開2006−106503号公報の段落番号0132〜段落番号0160に記載されているような樹脂を用いることができる。
【0040】
上記熱硬化性樹脂の含有量は、上記シアン色熱硬化性樹脂組成物の固形分の全量に対して、
5.00〜25.0重量%の範囲内であることが好ましく、なかでも6.50〜22.0重量%の範囲内であることが好ましい。上記範囲より少ないと、充分な熱硬化性が得られない場合が生じるからである。また、上記範囲より多いと、硬化不良を生じるからである。
尚、「固形分」とは、組成物中の溶剤以外の成分を示すものである。
【0041】
<熱重合開始剤>
本発明に用いられる熱重合開始剤は特に制限されないが、酸無水物であることが、ポットライフが長く、発熱量が少ない点から好ましい。酸無水物としては、例えば、多価カルボン酸無水物が挙げられ、具体的には、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリレイト、グリセリントリストリメリレイトなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
【0042】
上記の熱重合開始剤は、1種単独でも2種以上の混合でも用いることができる。本発明に用いられる熱重合開始剤の配合量は、熱硬化性樹脂100重量部当たり、通常は1〜100重量部の範囲であり、好ましくは5〜50重量部である。熱重合開始剤の配合量が1重量部未満であると、硬化が不充分となり、強靭な塗膜を形成することができないおそれがある。また、熱重合開始剤の配合量が100重量部を超えると、塗膜の基板に対する密着性が劣るおそれがある。
【0043】
<その他の成分>
更に、本発明のカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、その他の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。そのような添加剤としては、次のようなものを例示できる。
a)充填剤:例えば、ガラス、アルミナなど。
b)密着促進剤:例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなど。
c)レベリング剤:例えば、ポリオキシアルキレン系界面活性剤、脂肪酸エステル系界面活性剤、特殊アクリル系重合体、ビニルエーテル系重合体等のビニル系重合体など。
d)凝集防止剤:例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなど。
【0044】
<熱硬化性樹脂組成物の製造方法>
本発明のカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物は、顔料、顔料分散剤、熱硬化性樹脂、及び熱重合開始剤を必要に応じて他の配合成分と共に、単独溶剤又は混合溶剤である溶剤に投入して混合し、公知の分散方法によって固形成分を溶解又は分散させることにより製造することができる。
しかしながら、上記の方法では多量の顔料を溶剤中に十分に分散させることができない場合がある。そこで、予め、上記本発明に係る顔料分散液を準備し、一方、熱硬化性樹脂等その他の成分を溶剤と混合、分散又は溶解した樹脂組成物液を調製することが好ましい。そして、得られた顔料分散液と樹脂組成物液を混合し、必要に応じて分散処理を行うことによって、顔料分散性、及び顔料分散経時安定性に優れたカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物が容易に得られる。
【0045】
顔料分散液を予め調製しない場合には、溶剤に先ず、顔料及び顔料分散剤を投入し充分に混合、撹拌して上記顔料を分散させた後、熱硬化性樹脂を含む残りの成分を追加して混合することにより、顔料分散工程においてその他の配合成分により分散性が阻害されずに済むだけでなく、安定性にも優れる。
【0046】
また、カラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物全重量に対する固形分濃度は15〜25重量%、好ましくは18〜22重量%である。固形分濃度が低すぎると、画素中に塗布する液量を増やす必要があるため、パターニング時の決壊などの問題が起こる。一方、固形分濃度が高すぎると、インクジェットヘッドノズル詰まり、吐出性の不具合などの問題が起こる。
尚、ここで、固形分濃度とは、組成物中の溶剤以外の成分の正味の重量の組成物総重量に対する重量%のことである。
【0047】
また、本発明のカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物においては、P/V比を、0.5〜1.2の範囲に調製することが好ましい。ここで、P/V比とは、上記シアン色熱硬化性樹脂組成物中の顔料以外の固形分量(V:ビヒクル)に対する、顔料含有量(P:ピグメント)の重量比のことである。
【0048】
<膜物性>
本発明に係るカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物は、少なくともC.I.ピグメントグリーン58と青色顔料とを含む顔料を用いたことにより、着色濃度が高く、色再現性、輝度、及びコントラストが高い膜を実現することができる。ここでの膜は、シアン色熱硬化性樹脂組成物の乾燥後の膜をいう。
具体的には、本発明のシアン色熱硬化性樹脂組成物を平均膜厚1.0〜3.0μmの均一な膜に成膜し、当該膜をC光源で測色した時に、CIEのXYZ表色系においてx座標が0.110≦x≦0.130、y座標が0.460≦y≦0.480を達成することができ、所望のシアン色とすることができる。
ここで上記均一な膜とは、膜厚差が0.1μm未満のものをいう。また、上記均一な膜は例えば以下のように作製することができる。まず、ガラス基板上に、スピンコートによりシアン色熱硬化性樹脂組成物を塗布する。その後、当該膜を乾燥し、必要に応じてプリベークした後、適宜露光及び/又は加熱することにより硬化させ、均一な膜を形成する。乾燥硬化後の膜厚の測定は、膜厚測定装置(KLA−Thencor社製、製品名:TENCOR P−II)により行うことができる。
【0049】
また、本発明に係るカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物の透過スペクトルは、最大値が485〜515nmであることが好ましく、更に490〜505nmであることが好ましい。上記範囲内とすることで、色純度の高いシアン色熱硬化性樹脂組成物とすることができる。
尚、上記シアン色熱硬化性樹脂組成物の透過スペクトルの測定は、顕微鏡分光測定器(オリンパス(株)製、製品名OSP−SP200)により行うことができる。
【実施例】
【0050】
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
【0051】
(実施例1)
(1)顔料分散液の調製
顔料、顔料分散剤、及び溶剤を下記の割合で混合し、直径1.0mmのジルコニアビーズを100重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いて3時間分散し、緑色顔料分散液、青色顔料分散液、及び黄色顔料分散液をそれぞれ調製した。
[緑色顔料分散液の組成]
・C.I.ピグメントグリーン58(FASTOGEN GREEN A110:商品名、Dic(株)製):15.0重量部
・顔料分散剤(アジスパーPB821:商品名、味の素ファインテクノ(株)製):10.5重量部
・ブチルジグリコールアセテート:74.5重量部
[青色顔料分散液の組成]
・C.I.ピグメントブルー15:6(LIONOL BLUE ES:商品名、東洋インキ製造(株)製):15.0重量部
・顔料分散剤(アジスパーPB821:商品名、味の素ファインテクノ(株)製):10.5重量部
・ブチルジグリコールアセテート:74.5重量部
[黄色顔料分散液の組成]
・C.I.ピグメントイエロー150(E4GN−GT:商品名、LANXESS製):15.0重量部
・顔料分散剤(アジスパーPB821:商品名、味の素ファインテクノ(株)製):10.5重量部
・ブチルジグリコールアセテート:74.5重量部
【0052】
(2)カラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物の調製
次に、熱硬化性樹脂として1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(EHPE3150:商品名、ダイセル化学工業(株)製)143重量部、及び熱重合開始剤(酸無水物、リカシッドMTA−15:商品名、新日本理化(株)製)5.2重量部を混合し、更にジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート148.2重量部を加えた固形分50重量%の樹脂組成物8.89重量部に、上記(1)の緑色顔料分散液36.62重量部、上記(1)の青色顔料分散液17.54重量部、及び上記(1)の黄色顔料分散液7.38重量部を混合することで、顔料(P)と顔料以外の固形分(V)との配合重量比(P/V)を1.00とした。更に、上記混合液中の固形分が20質量%となるように、希釈溶媒として、ブチルジグリコールアセテート29.57重量部を加えて、カラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物を調製した。
【0053】
(比較例1)
(1)顔料分散液の調製
顔料、顔料分散剤、及び溶剤を下記の割合で混合し、直径1.0mmのジルコニアビーズを100重量部加え、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いて3時間分散し、緑色顔料分散液、青色顔料分散液、及び黄色顔料分散液をそれぞれ調製した。
[緑色顔料分散液の組成]
・C.I.ピグメントグリーン36(LIONOL GREEN 2YS:商品名、東洋インキ製造(株)製):15.0重量部
・顔料分散剤(アジスパーPB821:商品名、味の素ファインテクノ(株)製):10.5重量部
・ブチルジグリコールアセテート:74.5重量部
[青色顔料分散液の組成]
・C.I.ピグメントブルー15:6(LIONOL BLUE ES:商品名、東洋インキ製造(株)製):15.0重量部
・顔料分散剤(アジスパーPB821:商品名、味の素ファインテクノ(株)製):10.0重量部
・ブチルジグリコールアセテート:75.0重量部
[黄色顔料分散液の組成]
・C.I.ピグメントイエロー150(E4GN−GT:商品名、LANXESS製):15.0重量部
・顔料分散剤(アジスパーPB821:商品名、味の素ファインテクノ(株)製):10.0重量部
・ブチルジグリコールアセテート:75.0重量部
【0054】
(2)カラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物の調製
次に、熱硬化性樹脂として1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(EHPE3150:商品名、ダイセル化学工業(株)製)143重量部、及び熱重合開始剤(酸無水物、リカシッドMTA−15:商品名、新日本理化(株)製)5.2重量部を混合し、更にジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート148.2重量部を加えた固形分50重量%の樹脂組成物8.89重量部に、上記(1)の緑色顔料分散液33.80重量部、上記(1)の青色顔料分散液19.45重量部、及び上記(1)の黄色顔料分散液8.20重量部を混合することで、顔料(P)と顔料以外の固形分(V)との配合重量比(P/V)を1.00とした。更に、上記混合液中の固形分が20質量%となるように、希釈溶媒として、ブチルジグリコールアセテート29.57重量部を加えて、カラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物を調製した。
【0055】
得られた各カラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物について、下記のように樹脂硬化膜を形成して輝度、及びコントラストについて評価を行った。その評価結果を表1に併せて示す。
[評価]
(1)塗膜の形成
厚み0.7mmのガラス基板(コーニング製、1737ガラス板)上に、スピンコートにより上記各シアン色熱硬化性樹脂組成物を塗布した。
その後、90℃のホットプレート上で10分間プリベークを行った。その後、クリーンオーブン内で、200℃で30分間加熱してポストベークを行い、更に240℃で30分加熱してポストベークを行って、カラーフィルター層を形成した。尚、乾燥硬化後の膜厚を表1に示した。膜厚の測定は、膜厚測定装置(KLA−Thencor社製、製品名:TENCOR P−II)により行った。
(2)色度座標(x、y、輝度Y)
得られたカラーフィルター層について、顕微鏡分光測定器(オリンパス(株)製、OSP−SP200)を用い、色度x=0.118、色度y=0.470、及びP/V=1.0に固定して、輝度Yを測定した。
(3)コントラスト測定
得られたカラーフィルター層について、コントラスト測定装置DOJUN KOKIMFG(光源:F(演色AAA昼白色)、輝度計:コニカミノルタ製、製品名:LS100)を用いて、輝度の測定を行った。コントラストは輝度の測定値を用い、以下の式により導き出せる。
コントラスト=平行輝度(cd/m)/直交輝度(cd/m
【0056】
【表1】

【0057】
(結果のまとめ)
表1より、緑色顔料として、C.I.ピグメントグリーン58を用いた実施例1では、緑色顔料として、C.I.ピグメントグリーン36を用いた比較例1に比べて、輝度、及びコントラストが高い。また、顔料(P)と顔料以外の固形分(V)との配合重量比(P/V)が同じでありながら、実施例1では、カラーフィルター層の膜厚を薄くできることから、緑色顔料として、C.I.ピグメントグリーン58を用いることで、着色濃度を高くできることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】液晶パネルの一例についての模式的断面図である。
【図2】液晶パネルの別の例についての模式的断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 カラーフィルター
2 電極基板
3 間隙部
4 シール材
5 透明基板
6 ブラックマトリクス層
7(7R、7G、7B) 画素
8 保護膜
9 透明電極膜
10 配向膜
11 パール
12 柱状スペーサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
黄色顔料を含む
少なくともC.I.ピグメントグリーン58と青色顔料とを含む顔料、顔料分散剤、及び溶剤を含有することを特徴とするカラーフィルター用シアン色顔料分散液。
【請求項2】
前記C.I.ピグメントグリーン58の配合量が、当該C.I.ピグメントグリーン58と、前記青色顔料との合計100重量部に対して、30〜90重量部の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルター用シアン色顔料分散液。
【請求項3】
前記青色顔料が、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、及びC.I.ピグメントブルー15:6よりなる群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用シアン色顔料分散液。
【請求項4】
黄色顔料を含有することを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルター用シアン色顔料分散液。
【請求項5】
前記黄色顔料の配合量が、顔料全体に対して、0〜50重量%の範囲であることを特徴とする、請求項4に記載のカラーフィルター用シアン色顔料分散液。
【請求項6】
前記黄色顔料が、少なくともC.I.ピグメントイエロー138、及び/又はC.I.ピグメントイエロー150を含むことを特徴とする、請求項4又は5に記載のカラーフィルター用シアン色顔料分散液。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のカラーフィルター用シアン色顔料分散液、熱硬化性樹脂、熱重合開始剤、及び溶剤を含有することを特徴とする、カラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
透過スペクトルの最大値が485〜515nmであることを特徴とする、請求項7に記載のカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
前記カラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物を平均膜厚1.0〜3.0μmの均一な膜に成膜し、当該膜をC光源で測色した時に、CIEのXYZ表色系においてx座標が0.110≦x≦0.130、y座標が0.460≦y≦0.480であることを特徴とする請求項7又は8に記載のカラーフィルター用シアン色熱硬化性樹脂組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2010−26107(P2010−26107A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−185361(P2008−185361)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(000183923)ザ・インクテック株式会社 (268)
【Fターム(参考)】