説明

カラーフィルタ基板、およびカラーフィルタ基板の製造方法

【課題】正確に色度および透過率を評価することが可能なカラーフィルタ基板を実現する。
【解決手段】吐出されたインクにより表示領域2内の画素の着色層が形成されるカラーフィルタ基板1は、表示領域外領域3に、当該表示領域2内の画素と同形状および同素材であり、単一色の画素からなる単色描画領域4が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットにより画素の着色層が形成されるカラーフィルタ基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピューを初めとしたOA機器、携帯電話等の携帯情報端末、テレビなどへの液晶表示装置の応用が急速に進展している。これらの液晶表示装置はカラー化に対応するためにカラーフィルタが用いられており、一般的には赤(R)、緑(G)、青(B)の光の3原色のフィルタが透明基板上にパターン形成されている。
【0003】
従来のフォトリソ方式を用いて形成するカラーフィルタ基板は、画素内の着色層の形状が平坦であった。そのため、表示領域(アクティブエリア)における画素内の数十μmの着色層領域を顕微分光測定などを行うことで、容易に、色度、透過率などを評価し、管理することが可能であった。ここで、着色層の膜厚と濃度および透過率との関係について説明する。ある物質(ここではカラーフィルタ基板)に入射する光と透過する光の関係はLambert-Beerの法則で表すことができ、吸光度はその光路の長さ(着色層の膜厚)と濃度の両方に比例する。従って、ある物質(カラーフィルタ基板)の吸光度が予め分かっていれば、膜厚が変化した時の透過率、色度を計算で求めることができる。このように所望の透過率、色度が得られるように膜厚の微調整を行なうことができ、この評価を基にカラーフィルタ基板を管理することができる。
【0004】
例えば特許文献1では、基板中央部に膜厚管理用のダミーカラーフィルタを備える技術が開示されている。また、特許文献2では、反射型LCDなどに用いられるピンホールを有するカラーフィルタにおいて、各色ごとに表示領域外に表示領域と同一の材料で単色膜領域部を形成して色度測定を行う技術について開示されている。
【特許文献1】特開2002−258254号公報(2002年9月11日公開)
【特許文献2】特開2003−240936号公報(2003年8月27日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、インクの吐出により表示領域内の画素の着色層を形成する、つまり、インクジェット方式により画素を形成したカラーフィルタ基板は、インクの表面張力、インクと下地基板との接触角などにより、乾燥過程でのインクの流動制御が難しく、着色層が1画素内で連続的な凸あるいは凹形状となってしまう。そのため、1画素内で膜厚の異なる領域が多数存在することになり、所望の色特性を満たすための色度、透過率の評価が困難であった。従って、特許文献1に記載の技術を用いたとしても、インクジェットにより形成した連続的な凸あるいは凹形状の着色層を膜厚で管理することは困難である。また、特許文献2に記載の技術は、反射型、あるいは半透過型などのピンホールを有するカラーフィルタに限定されたものであり、インクジェットにより形成したカラーフィルタ基板に適用することは困難である。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、正確に色度および透過率を評価することが可能なカラーフィルタ基板、およびカラーフィルタ基板の製造方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るカラーフィルタ基板は、上記課題を解決するために、吐出されたインクにより表示領域内の画素の着色層が形成されるカラーフィルタ基板において、表示領域外に、当該表示領域内の画素と同形状および同素材であり、単一色の画素からなる単色描画領域が形成されていることを特徴としている。
【0008】
上記構成によると、表示領域外の単色描画領域では表示領域内の画素と同形状および同素材の画素が形成されている。つまり、表示領域外に、表示領域内の画素が忠実に再現されている。そして、一つの単色描画領域の画素は、単一の描画色のみからなっている。よって、単色描画領域を用いて、その単一の描画色(表示領域の着色層を形成する際用いたインクの色)についての、色度および透過率を、測定することができる。よって、吐出されたインクにより表示領域内の画素の着色層が形成されるカラーフィルタ基板に起こる、インク乾燥後の連続的な凸あるいは凹形状の着色層の、平均的な色度および透過率を評価することが可能となる。よって、単色描画領域が設けられていることで、カラーフィルタ基板の良、不良判定などの検査、品質管理などを容易に行うことができる。
【0009】
また、上記のように、検査、品質管理されたカラーフィルタ基板を用いると、視認性の優れた表示を行うことができる表示装置を製造することが可能である。
【0010】
本発明に係るカラーフィルタ基板では、上記構成に加え、上記単色描画領域には、複数の画素が存在しているのが好ましい。
【0011】
上記構成によると、複数の画素を含んだ単色描画領域について色度および透過率を測定することができるので、画素によっては着色層であるインクが連続的な凸形状(場合によっては凹形状)となっていても、平均的な色度および透過率を、精度よく測定することが可能となる。
【0012】
ここで、単色描画領域に複数の画素が含まれていても、表示領域と同様、単色描画領域の周辺画素と中央付近の画素とで乾燥スピードが異なり、結果として周辺画素の着色層の形状が偏ったものとなってしまい、色度および透過率の測定には使用できなくなってしまうことがある。そのため、1つの単色描画領域には、その外周画素を含まない部分で、色度および透過率を測定できる程度の数の画素が存在していることが好ましい。このように単色描画領域が形成されていると、偏った着色層の形状(インク形状)の特異的な画素の色度および透過率特性を省いた測定が可能となる。偏った着色層の形状(インク形状)の画素は、正常な画素と比べ、膜厚分布が異なったものとなる。従って光漏れ、光の吸収の度合いが異なり、色度および透過率特性も異なることとなるため、予め省いておくのが好ましい。
【0013】
従って、画素のサイズにもよるが、1つの単色描画領域において、縦横3×3画素以上存在するのが、特に好ましい。3×3画素存在すると、少なくとも中央の画素は着色層の形状(インク形状)の偏りがない(少ない)画素となるので、正しく光学特性を測定することができる。より正確に測定するために、表示領域外に配置可能な限り複数の画素を形成しておくことが好ましい。
【0014】
本発明に係るカラーフィルタ基板では、上記構成に加え、上記単色描画領域は、上記表示領域内の画素の描画色の数と同数以上存在しているのが好ましい。
【0015】
上記構成によると、全描画色(表示領域の着色層を形成する際用いた全てのインク色)について、色度および透過率評価が可能となる。よって、表示領域内の全描画色について、検査および品質管理をすることができ、高品質のカラーフィルタ基板を製造することができる。
【0016】
本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、上記何れか1つに記載のカラーフィルタ基板の製造方法であって、上記単色描画領域の光学的特性を測定して、当該カラーフィルタ基板の検査、品質管理を行うステップを有することを特徴としている。
【0017】
上記方法によると、表示領域外の、表示領域内と同じ形状・同じ素材で画素が忠実に再現されている単色描画領域における光学特性を測定することで、カラーフィルタ基板の検査、管理をすることができる。よって、容易に、確実に品質管理された、高品質のカラーフィルタ基板を製造することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るカラーフィルタ基板は、以上のように、吐出されたインクにより表示領域内の画素の着色層が形成されるカラーフィルタ基板において、表示領域外に、当該表示領域内の画素と同形状および同素材であり、単一色の画素からなる単色描画領域が形成されていることを特徴としている。
【0019】
上記構成によると、表示領域外の単色描画領域では表示領域内の画素と同形状および同素材の画素が形成されている。つまり、表示領域外に、表示領域内の画素が忠実に再現されている。そして、一つの単色描画領域の画素は、単一の描画色のみからなっている。よって、単色描画領域を用いて、その単一の描画色についての、色度および透過率を測定することができる。吐出されたインクにより表示領域内の画素の着色層が形成されるカラーフィルタ基板に起こる、インク乾燥後の連続的な凸あるいは凹形状の着色層の、平均的な色度および透過率を評価することが可能となる。よって、単色描画領域が設けられていることで、カラーフィルタ基板の良、不良判定などの検査、品質管理などを容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明すると以下の通りである。図1に示すように、本発明に係るカラーフィルタ基板1は、ガラスの基板上に、画素を有する表示領域(アクティブエリア)2と、表示領域外領域(表示領域2以外の基板上の領域)3にある単色描画領域4とを備えている。基板は、ガラス基板やプラスチック基板が好適に用いられる。しかし、カラーフィルタ基板に用いる場合の透明性、機械的強度等の必要特性を有するものであれば、特に限定されない。
【0021】
表示領域2は、遮光層として、ブラックマトリクスが図2(a)に示すように格子状にパターニング形成されており、インクジェット方式を用いてインクにより着色層が形成された各色の画素21が、交互に繰り返し配置されている。
【0022】
ブラックマトリクスは、数十μm〜数百μmの画素ピッチで格子状になっているものとする。しかしこの形状に限定されることはなく、ストライプ状等になっていてもよい。
【0023】
ブラックマトリクスは、通常、遮光材を分散させた樹脂ブラックマトリクスを用いるのが一般的である。樹脂としては、例えば、ポリイミド、アクリル等が用いられるが、限定はされない。遮光材となる黒色顔料の例としてピグメントブラック、チタンブラックなどが挙げられるが、これらに限定されず種々の顔料でもかまわない。
【0024】
単色描画領域4は、表示領域2と同様に、図2(b)に示すようにブラックマトリクスが、表示領域2と同じ形状にパターニング形成されている。また、インクジェット方式を用いて表示領域2と同じインクにより着色層が形成された画素が配置されている。単色描画領域4の画素は、表示領域2の画素と、同形状であり、同じ描画方法で吐出されたインクで着色層を形成されている。また、1つの単色描画領域4の画素は、単一の描画色のみからなっている。単色描画領域4は、単色描画領域に着色される色(単色描画領域の描画色、インクの色)を区別して説明するときは、単色描画領域4A、単色描画領域4B,単色描画領域4C…のように記載する。本実施形態では、図3(a)〜(c)に示すように、第1の描画色のインクにて着色層が形成される単色描画領域4A、第2の描画色のインクにて着色層が形成される単色描画領域4B、第3の描画色のインクにて着色層が形成される単色描画領域4C、とする。
【0025】
インクジェット方式により形成したカラーフィルタ基板1は、一般的にインクの表面張力、インクと下地基板との接触角などにより、図5(a),(b)に示すように、着色層が1画素内で連続的な凸形状(場合によっては凹形状)となってしまう。ここで、図5(a)は、図3(a)に示す単色描画領域のA−A’断面、図5(b)は、図3(a)に示す単色描画領域のB−B’断面である。さらに、インク吐出後の乾燥過程において、インクの流動制御が困難であり、溶剤雰囲気下にさらされていない単色描画領域4の外周部から乾燥が始まり、外周に向かってインクのフローが発生する。これにより、単色描画領域4の外周部の画素ではインクの重心が外に偏った形状となってしまう。このような、インクの偏りは表示領域2においても同様に起こる。
【0026】
ここで、1つの単色描画領域4に、複数の画素が存在していると、複数の画素を含んだ単色描画領域について色度および透過率を測定することができるので、画素によっては着色層であるインクが連続的な凸形状(場合によっては凹形状)となっていても、平均的な色度および透過率を、精度よく測定することが可能となる。特に、1つの単色描画領域4に、その外周画素を含まない部分で、色度および透過率を測定できる程度の数の画素が存在していること好ましい。このように単色描画領域が形成されていると、偏ったインク形状の特異的な画素の色度および透過率特性を省いた測定が可能となる。偏ったインク形状の画素は、正常な画素と比べ、光漏れ、光の吸収の度合いが異なるため、色度および透過率特性が低下してしまうため、予め省いておくのが好ましい。
【0027】
従って、画素のサイズにもよるが、1つの単色描画領域4において、縦横3×3画素以上存在するのが、特に好ましい。3×3画素存在すると、少なくとも中央の画素はインク形状の偏りがない(少ない)画素となるので、正しく光学特性を測定することができる。より正確に測定するために、表示領域外領域3に配置可能な限り複数の画素を形成しておくことが好ましい。
【0028】
単色描画領域4は、表示領域2内の画素を形成するのに使用した描画色の数(インクの種類の数)と同数あると、全描画色について、色度および透過率評価が可能となるので好ましい。
【0029】
なお、表示領域2の外側に額縁となるブラックマトリクスがあるので、そのブラックマトリクスの外側に単色描画領域4を形成するのが好ましい。しかし、単色描画領域4は、表示領域2に干渉せず、表示に影響を与えなければ、どこに設けられていてもかまわない。よって、単色描画領域4のサイズにもよるが、額縁のブラックマトリクスの一部に形成することも可能である。
【0030】
以上のように、表示領域2の画素21と単色描画領域4の画素41とは同形状であり、同じ描画方法で吐出されたインクで着色層を形成されているので、つまり、表示領域2の画素の状態が、表示領域外の単色描画領域4で再現されている。
【0031】
次に本発明に係るカラーフィルタ基板1の作成方法について説明する。初めに、ガラス基板上に図2(a),(b)に示すように、ブラックマトリクス(以下、BMとする)を、フォトリソ方式を用いて形成する。BMはインク吐出時にインクが混合することを防ぐための隔壁(仕切り)を兼ねるため、樹脂BMを用い、例えば2μmの膜厚とするのが好ましいが、この数値に限定はされない。
【0032】
表示領域2と単色描画領域4には、画素ピッチ横150μm×縦450μmで格子状にBMを形成する。1つの単色描画領域4には、横方向に90画素、縦方向に30画素形成し、横13.5mm×縦13.5mmの正方形とした。画素の大きさ、数、はこれに限らず、単色描画領域4が、色度および透過率測定時に、測定エリア以上の領域が確保できればよい。
【0033】
また、BMの形状は、表示領域2と単色描画領域4とで、同じであれば、図2(a),(b)に示す格子状以外にも、ストライプ状の形状でもよい。また、BMの形成方法としてフォトリソ方式以外にも、印刷方式、熱転写方式などを用いてもよい。
【0034】
次に、インク吐出時のリーク、混色を防止するためにフッ素系ガスを用いたプラズマ処理を行い、BMの撥水処理を行う。これによりBMは撥水となり、ガラス基板上はプラズマによりクリーニングされ親水となり、インクの塗り分けが容易となる。なお、撥水化あるいは親水化の手法として、光触媒による表面改質、撥水性BM材料等を用いてもよい。これらの処理は、全て公知の方法を用いることができる。
【0035】
次に、インクジェット方式により、第1の描画色を図6(a)に示す表示領域内の所定の位置と、図6(b)に示す単色描画領域4Aに吐出する。ここで、インク吐出は、表示領域2内の画素と単色描画領域4とで吐出シーケンス、膜厚などが同じであることが重要である。そのため、インク吐出は、表示領域2内の画素と単色描画領域4とでインク吐出の条件(吐出方法、吐出温度、滴下速度等)を揃えて、吐出を行う。吐出するインクは、顔料を分散させた熱硬化型のインクが好適に用いられる。インクジェット装置、ヘッドなどは一般的なピエゾアクチュエータを使用するピエゾ方式のもの、ヘッド内にヒータを有するバブル方式のもの、あるいはその他の方式のものを使用することができる。
【0036】
さらに、インクジェット方式により、第2の描画色を図6(c)に示す表示領域2内の所定の位置と、図6(d)に示す単色描画領域4Bに吐出する。インク吐出は、表示領域2内の画素と単色描画領域4とで吐出シーケンス、膜厚などが同じになるように、インク吐出の条件(吐出方法、吐出温度、滴下速度等)を揃えて、吐出を行う。
【0037】
最後に、インクジェット方式により、第3の描画色を図6(e)に示す表示領域2内の所定の位置と、図6(f)に示す単色描画領域4Cに吐出する。インク吐出は、表示領域2内の画素と単色描画領域4とで吐出シーケンス、膜厚などが同じになるように、インク吐出の条件(吐出方法、吐出温度、滴下速度等)を揃えて、吐出を行う。なお、第1、第2、第3の描画色を同時に吐出し、塗り分けを行ってもよい。
【0038】
以上の工程を経て、インクを乾燥させて、インクジェットを用いたカラーフィルタ基板1が形成される。インクの乾燥として、例えば、溶媒を蒸発させ、その後、焼成を行い、インクの熱重合を行うことで、着色層を形成することができる。なお、上記インク溶媒の蒸発の方法、焼成の方法は、公知の方法をインクや基板等の状態に合わせて適宜利用すればよい。
【0039】
以上のように、表示領域2の画素21と単色描画領域4の画素41とを同形状で形成し、同じ描画方法でインクを吐出して着色層を形成しているので、表示領域2の画素の状態を、表示領域外の単色描画領域4で再現することができる。
【0040】
なお、カラーフィルタ基板1から表示領域2ごとにパネルとして切り出す際、単色描画領域4がパネルの分断ラインより外側に形成されている場合、切り落とされることになる。単色描画領域4が、分断ラインより内側(表示領域の額縁ブラックマトリクス付近)に形成されている場合には、パネル内に残ることになる。
【0041】
(実施例)
本発明について、実施例を挙げてより具体的に説明する。
【0042】
上記実施の形態に即し、初めに、ガラス基板上にBMを、フォトリソ方式で、格子状に形成した。BMはインク吐出時の隔壁を兼ねるため、樹脂BMを用い、2μmの膜厚とした。表示領域と単色描画領域とは、画素ピッチ横150μm×縦450μmの格子状とした。また、単色描画領域は、それぞれの描画色(着色層の色)の数と同数作成した。つまり、本実施形態では、それぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)の単色描画領域の分を作成した。単色描画領域は、横方向に90画素、縦方向に30画素形成し、横13.5mm×縦13.5mmの正方形とした。その後、実施の形態に即し、撥水、親水処理を行った。
【0043】
そして、実施の形態に即し、インクジェットの技術を用いて、表示領域の画素の着色層を形成し、同時に単色描画領域の画素の着色層の形成を行った。
【0044】
本実施例で形成したカラーフィルタ基板の特性評価を行うために、それぞれの描画色の単色描画領域ごとに、分光輝度計を用いて、図4に示すように単色描画領域の中央付近の複数の画素に対して、色度、透過率(輝度)の測定を行った。分光輝度計は、TOPCON社製SR−3を用い、測定エリア(図4で点線での囲み)は3mmΦとし、バックライトを光源として測定を行った。
【0045】
上記測定により、測定エリア内に連続的な凸形状の着色層の画素が複数個入っているので、平均的な色、透過率を測定することが可能となる。さらに単色描画領域における周辺画素を含まず、中央付近の複数の画素の測定を行うことで、精度よく測定することができ、カラーフィルタ基板の検査、基板管理を容易に行うことが可能となる。
【0046】
なお、本実施例で作成したカラーフィルタは2°視野のCIE(Commission International de l’Eclairage:国際照明委員会)色度座標において、EBU(European Broad casting Unit)規格を充分に満たす範囲にあり、同じ描画色の単色描画領域間の色差ΔEab(L色空間上のユークリッド距離)は1以内となっており、面内均一性の良好な特性を得ることができた。
【0047】
本発明は上述した実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、インクジェット技術を用いて製造するカラーフィルタ基板に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態のカラーフィルタ基板を示す平面図である。
【図2】(a)は上記カラーフィルタ基板における表示領域の画素を示し、(b)は単色描画領域の画素を示す図である。
【図3】(a)〜(c)は、上記カラーフィルタ基板における各単色描画領域の平面図である。
【図4】単色描画領域の平面図であり、色度および透過率評価領域が破線の円形領域内で示してある図である。
【図5】(a)は、図3(a)に示す単色描画領域のA−A’断面、(b)は、図3(a)に示す単色描画領域のB−B’断面を示す図である。
【図6】(a)は第1描画色の吐出工程にある表示領域、(b)は第1描画色の吐出工程にある第1描画色の単色描画領域、(c)は第2描画色の吐出工程の表示領域、(d)は第2描画色の吐出工程にある第2描画色の単色描画領域、(e)は第3描画色の吐出工程の表示領域、(f)は第3描画色の吐出工程にある第3描画色の単色描画領域、を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 カラーフィルタ基板
2 表示領域
3 表示領域外領域
4,4A,4B,4C 単色描画領域
21 表示領域の画素
41 単色描画領域の画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出されたインクにより表示領域内の画素の着色層が形成されるカラーフィルタ基板において、
表示領域外に、当該表示領域内の画素と同形状および同素材であり、単一色の画素からなる単色描画領域が形成されていることを特徴とするカラーフィルタ基板。
【請求項2】
上記単色描画領域には、複数の画素が存在することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項3】
上記単色描画領域は、上記表示領域内の画素の描画色の数と同数以上存在することを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載のカラーフィルタ基板の製造方法であって、
上記単色描画領域の光学的特性を測定して、当該カラーフィルタ基板の検査、品質管理を行うステップを有することを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−187838(P2007−187838A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5298(P2006−5298)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】