説明

カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ

【課題】従来のニーダーで製造されたものに比較してより微細な有機顔料を用いることによる、カラーフィルタに要求される高コントラスト比を満たすカラーフィルタ用着色組成物、および従来よりも高コントラスト比を有するカラーフィルタの提供。
【解決手段】透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と顔料とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、前記顔料が、有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤とを含有する混練混合物を、複数のブレードが遊星運動するプラネタリー型ミキサーにて混練してなる微細有機顔料であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物、および該着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するカラーフィルタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー液晶表示装置および固体撮像素子に用いられるカラーフィルタを構成するフィルタセグメントの形成に用いられるカラーフィルタ用着色組成物、ならびに該カラーフィルタ用着色組成物を用いて得られるカラーフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっており、この2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示を可能にしている。現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっているが、一般に有機顔料を分散したカラーフィルタは、顔料粒子による光の散乱等により、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまうという問題がある。すなわち、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰するという現象があり、ON状態とOFF状態のディスプレー上の輝度の比をコントラスト比と呼んでいる。
【0003】
一般に、微細な顔料粒子をワニスのような顔料担体に分散させ、安定な分散体を得ることは難しく、分散体は往々にして経時で顔料粒子の凝集などにより高粘度化し、チキソトロピック性を示すようになる。このような分散体の粘度上昇、流動性不良は、製造作業上の問題や製品価値に種々の問題を引き起こす。例えば、カラーフィルタのフィルタセグメントの形成は、一般にモノマーおよび樹脂を含む担体に顔料が分散されている着色組成物をガラス等の透明基板上に塗布することで行われているが、高粘度、流動性不良の着色組成物を用いると塗布性不良、レベリング不良などにより、膜厚の均一な塗膜を得ることができず好ましくない。また、顔料粒子が凝集した分散体を用いて形成されたカラーフィルタは、コントラスト比を著しく低下させるため、顔料には、凝集することなく安定な微細粒子であり、かつ取り扱いが容易な性状であることが望まれている。
【0004】
このような微細な顔料粒子を得る方法として現在広く用いられている方法には、ソルベントソルトミング法がある。
ソルベントソルトミリング法は、粗大な顔料粒子を、塩化ナトリウムや硫酸ナトリウム等の無機塩類と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の粘性の高い水溶性有機溶剤の存在下で、ニーダー等により機械的に摩砕して微細化する方法である。ソルベントソルトミリング法は、顔料粒子を微細化、整粒するのに有効な方法であるが、カラーフィルタにおいてより高コントラスト化を実現させるためには、従来のソルトミリング法で得られていた顔料よりもより微細かつ整粒された顔料を用いる必要性がある。
【特許文献1】特開平7−53889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ソルベントソルトミリング法は工業的に有利であるものの、従来よく用いられているニーダーでは、有機顔料の微細化に対して多大なエネルギーを使用し、また、カラーフィルタに求められる高コントラスト比を実現させるためには、より微細な顔料粒子が求められるが、前述の方法でこれを得るのは困難であった。
本発明はかかる状況に鑑みなされたものであって、従来のニーダーで製造されたものに比較してより微細な有機顔料を用いることにより、カラーフィルタに要求される高コントラスト比を満たすカラーフィルタ用着色組成物、および従来よりも高コントラスト比を有するカラーフィルタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と顔料とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、
前記顔料が、有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤とを含有する混練混合物を、複数のブレードが遊星運動するプラネタリー型ミキサーにて磨砕混練してなる微細有機顔料であり、かつ、
前記顔料のアスペクト比が、1.68以下であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
【0007】
また、本発明は、混練混合物が、さらに顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体およびトリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種の誘導体を含有することを特徴とする上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
【0008】
また、プラネタリー型ミキサーの遊星運動するブレード数が3であることを特徴とする上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
【0009】
また、混練混合物を混練する際の混練温度が0〜150℃に制御されていることを特徴とする上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
【0010】
また、混練混合物が、さらに樹脂を含有することを特徴とする上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
【0011】
また、上記カラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤とを含有する混練混合物を、複数のブレードが自転、公転する遊星運動により、ブレード相互間及びブレードとタンク内壁の精密な間隔によってデッドスペース(死点)が非常に少なく強力な練り効果を発揮することにより、微細化と共に整粒された微細な顔料を含むため、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いることにより、従来よりも高いコントラスト比を有するカラーフィルタを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と顔料とを含有しており、前記顔料が有機顔料と、水溶性無機塩と、水溶性有機溶剤とを含有する混練混合物を、複数のブレードが遊星運動するプラネタリー型ミキサーにて混練してなる微細有機顔料であることが最大の特徴である。
【0014】
本発明で使用するプラネタリー型ミキサーを図面に基づいて説明する。プラネタリー型ミキサー本体(1)は、モータ等の駆動源(図示略)により適宜の伝達機構を介して遊星運動する複数本の駆動軸(2)(図面内での例は2本)を有し、該駆動軸(2)にはタンク(3)内に挿入されるようそれぞれブレード(4)が取り付けられている。タンク内に混練混合物を投入し、ブレードを降下させて図1に示すような状態にセットし、タンク内で複数本のブレードを遊星運動させると、ブレードとタンクの内壁、底壁間および複数本のブレード間でそれぞれ剪断力を混練混合物に与える。
【0015】
本発明のプラネタリー型ミキサーの具体例としては、例えば、プラネタリーミキサー、スパイラルミキサー、トリミックス(井上製作所製)がある。中でも、遊星運動するブレード数を3有するトリミックスは大きな剪断力を与えることが可能であり、有機顔料を微細化すると共に、整粒する効果が大きく、本発明の目的である、カラーフィルタの高コントラスト化を達成するために好ましい。
【0016】
次に、このような混練機によって混練分散処理が施される混練組成物について詳細に説明する。
混練組成物は、有機顔料と、水溶性無機塩と、水溶性有機溶剤と、必要に応じて樹脂および/または顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体またはトリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種の誘導体とを含有する。
【0017】
本発明で使用する有機顔料は、カラーフィルタに用いられている公知の有機顔料であり、1種を単独で、または2種類以上を混合して用いることができる。有機顔料として、平均一次粒子径が0.1〜0.5μmの有機顔料を用いると、平均一次粒子径が0.01〜0.1μmの非常に微細な状態まで有機顔料を微細化することができ、特に高いコントラストが発揮されるため好ましい。有機顔料としては、粗製有機顔料、すなわち合成により得られたままの、(a)平均一次粒子径が10〜200μm程度の大きな粒子や、(b)平均一次粒子径が0.01μm以下の非常に微細な粒子が非常に強く凝集した粒子(凝集物)を用いることもできる。また、調色のために、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有してもよい。
【0018】
以下に、使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色着色組成物には、C.I. Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272等の赤色顔料を用いることができる。赤色着色組成物には、後に例示する黄色顔料や、C.I. Pigment orange 36、43、51、55、59、61、71、73等のオレンジ顔料を併用することができる。
【0019】
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができる。緑色着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントを形成するための青色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができる。青色着色組成物には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
【0020】
イエロー色フィルタセグメントを形成するためのイエロー色着色組成物には、C.I. Pig
ment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199等の黄色顔料を用いることができる。
【0021】
シアン色フィルタセグメントを形成するためのシアン色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16、81等の青色顔料を用いることができる。
マゼンタ色フィルタセグメントを形成するためのマゼンタ色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Violet 1、19、C.I. Pigment Red144、146、177、169、81等の紫色顔料および赤色顔料を用いることができる。マゼンタ色組成物には、黄色顔料を併用することができる。
【0022】
また、混練組成物に用いられる水溶性無機塩は特に限定されないが、例えば、食塩(塩化ナトリウム)、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、塩化亜鉛、塩化カルシウムまたはこれらの混合物等を挙げることができる。
混練組成物中の水溶性無機塩の量は、特に限定されるものではないが、少なすぎると有機顔料の微細化及び整粒が進み難く、多すぎると顔料の処理量が少なくなるため、生産性が低下して工業的には不利となる。このため、有機顔料100重量部に対し、水溶性無機塩が100〜3000重量部の範囲が好ましく、目的とする粒度に応じて選択できる。
【0023】
また、混練組成物に用いられる水溶性有機溶剤は、有機顔料と水溶性無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、水と自由に混和するもの、または自由に混ざらないが工業的に水洗により除去できる溶解度をもつものであり、顔料粒子が成長するものであれば特に限定されないが、混練時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。
混練組成物中の水溶性有機溶剤の量は、特に限定されるものではないが、少なすぎると混練組成物が硬くなり過ぎて安定運転し難く、多すぎると混練組成物が軟らかくなり過ぎて微細化や整粒のレベルが低下する。このため、有機顔料100重量部に対し、水溶性有機溶剤が10〜700重量部の範囲が好ましく、水溶性無機塩の量と混練組成物の硬さに応じて選択できる。
【0024】
水溶性有機溶剤としては、例えば、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール、アニリン、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。有機溶剤は、必要に応じて2種類以上を混合して使用してもよい。
【0025】
また、混練組成物には、樹脂を添加しても良い。
樹脂は、水難溶性で、水溶性有機溶剤に部分的に溶解するものが好ましく、カラーフィルタ用着色組成物を構成する顔料担体として用いることのできる樹脂そのもの、あるいは顔料担体として用いることのできる樹脂と性質の差異が少ないものが用いられる。特に、ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、ロジンアミン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン、ロジン金属塩、ロジン変性フェノール樹脂およびロジン変性マレイン樹脂などのロジン系樹脂は添加効果と価格の面から好ましい。
このような樹脂を混練混合物中に添加することで、微細有機顔料の凝集を防止し、容易にその後の顔料担体に分散できるようになる。
混練混合物中の樹脂の使用量としては特に制限はないが、顔料100重量部に対し、0.01〜100重量部、より好ましくは0.5〜50重量部である。樹脂の量が0.01重量部未満の場合、分散性に対する効果が小さくなり、100重量部を超える場合には、添加した分の分散効果が得られない。
【0026】
また、 混練組成物には、有機顔料の結晶成長や結晶転移を防止し、効率的に微細な有機顔料を製造するために、顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体またはトリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種の誘導体を含有させることが好ましい。前記各誘導体は、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、またはフタルイミドメチル基を導入した化合物である。フタルイミドメチル基は、置換基を有していても良い。なかでも顔料誘導体、とくに微細化される有機顔料と同一の構造を母体骨格とする顔料誘導体は、顔料の結晶成長を抑制する効果が特に高いため好ましい。
【0027】
顔料誘導体は、下記一般式(1)で示される化合物である。
A−B 式(1)
A:有機顔料残基
B:塩基性置換基、酸性置換基またはフタルイミドメチル基
式(1)中、Aの有機顔料残基を構成する有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられる。
【0028】
式(1)中、Bの塩基性置換基としては、下記式(2)、式(3)、式(4)、および式(5)で示される置換基が挙げられ、酸性置換基としては、式(6)、式(7)、および式(8)で示される置換基が挙げられる。
【化1】

【0029】
上記式(2)〜(5)において、
Xは、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
nは、1〜10の整数を表す。
1、R2は、それぞれ独立に、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1 とR2 とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。
3は、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
4、R5、R6、R7は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
【0030】
Yは、−NR8−Z−NR9−または直接結合を表す。
8、R9は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Zは、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキレン基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。
Pは、式(9)で示される置換基または式(10)で示される置換基を表す。
Qは、水酸基、アルコキシル基、式(9)で示される置換基または式(10)で示される置換基を表す。式(9)および式(10)において、R1〜R7およびnは、上に定義した通りのものである。
【0031】
【化2】

【0032】
【化3】

【0033】
上記式(6)〜(8)において、
Mは、水素原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子、マンガン原子またはアルミニウム原子を表す。
iは、Mの価数を表す。
10、R11、R12、R13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基またはポリオキシアルキレン基を表す。
【0034】
式(2)〜式(5)および式(9)、式(10)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジーsec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
【0035】
式(8)のスルホン酸アミン塩を形成するために使用されるアミン成分は、1級、2級、3級、4級のいずれのアミンでもよい。例えば、1級アミンとしては、側鎖を有していてもよいへキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、エオコシルアミン等の飽和アミン、およびそれぞれの炭素数に対応する不飽和アミンが挙げられる。
2級アミンとしては、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン等が挙げられる。
3級アミンとしては、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、トリオクチルアミン等が挙げられる。
【0036】
4級アミンとしては、ジメチルジドデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、ジメチルジデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクチルアンモニウムクロリド、トリメチルステアリルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、トリメチルデシルアンモニウムクロリド、トリメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロリド、ジメチルドデシルテトラデシルアンモニウムクロリド、ジメチルヘキサデシルオクタデシルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
また、式(8)におけるR10、R11、R12、R13のいずれかがポリオキシアルキレン基を表す場合、その例としてはポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等が挙げられる。
【0037】
顔料誘導体の具体例を、化合物番号を付して以下に示すが、これらに限定されるわけではない。
【化4】

【0038】
【化5】

【0039】
【化6】

【0040】
混錬組成物中の誘導体の配合量は、有機顔料100重量部に対して、好ましくは1〜30重量部、更に好ましくは5〜20重量部である。誘導体の配合量が1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、30重量部を超える場合には、余剰の誘導体により分散に影響を及ぼすことがある。
なお、誘導体は分散剤としての効果も有するため、顔料担体への分散性も良いものを選択するのが好ましいが、結晶成長防止効果の高い誘導体と、誘導体以外の分散助剤である樹脂型顔料分散剤や、界面活性剤等とを組み合わせてもよい。これらの誘導体、分散助剤は、本発明における混練機での混練時だけでなく、顔料担体への顔料分散時に用いることもできる。
【0041】
上記樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などが用いられる。また、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物等が用いられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0042】
上記界面活性剤としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミンなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0043】
本発明における混練機の運転条件については特に制限はないが、有機顔料の処理量や得られる微細有機顔料の品質のコントロールは、混練混合物の配合比、混練温度、機械的エネルギー投入量、回転数、原料の供給量、主軸動力負荷等を調整することにより可能となる。ただし、混練温度については、有機顔料粒子の磨砕と、水溶性有機溶剤との接触による粒子成長を、いずれも効果的に進行させるため、0〜150℃、特には40〜130℃が好ましい。温度を上げることにより、顔料粒子の成長速度を促進させることが可能となり、逆に混練温度が低い場合には、有機顔料の結晶成長を制御して、より微細化、整粒効果が高くなる。しかし、混練温度が150℃より高温では、有機顔料の結晶成長が大きいために、混練時間を短時間にする必要があり、顔料の整粒効果が不十分となり、品質上好ましくない。
【0044】
必要に応じて、混練機を時間と共に2段階以上に温度を調整し、初期段階を高温で、後段階を低温で混錬して、より効率的に結晶成長制御と微細化及び整粒を行うことも可能である。また当該混練機にて混練させる前後に他種の混練機で予備混練もしくは追加混練を実施してその都度温度を変えて処理し、より効果的に顔料粒子の微細化及び整粒を行っても良い。
混練組成物は初期に全量投入する必要はなく、混練組成物の硬さの状況もしくは混練開始後に混練組成物の微細化および整粒度に応じて水溶性有機溶剤および水溶性無機塩を適宜投入しても良い。
【0045】
混練後の混練組成物は、常法により処理される。すなわち、混練組成物を水または鉱酸水溶液で処理し、濾過、水洗により水溶性無機塩および水溶性有機溶剤を除去し、微細有機顔料を単離する。微細有機顔料は、このまま湿潤状態で使用することも、乾燥・粉砕により粉末状態で使用することも可能である。必要に応じて、樹脂、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、その他の添加剤を混練後に加えてもよい。
微細有機顔料の平均一次粒子径は、微細化処理の条件や有機顔料の種類によって異なるが、適切に条件を設定することで、10〜500nm程度の範囲で、任意の一次粒子径に制御することができる。
【0046】
次に、このようにして得られた微細有機顔料と、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体を含有するカラーフィルタ用着色組成物について説明する。
本発明におけるカラーフィルタ用着色組成物を構成する顔料担体は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および活性エネルギー線硬化性樹脂が挙げられるが、特に活性エネルギー線硬化性樹脂が好ましい。また、その前駆体としては、活性エネルギー線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが挙げられ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
【0047】
顔料担体は、カラーフィルタ用着色組成物中の顔料100重量部に対して30〜700重量部、好ましくは60〜450重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂とその前駆体との混合物を顔料担体として用いる場合には、透明樹脂は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、20〜400重量部、好ましくは50〜250重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂の前駆体は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、10〜300重量部、好ましくは10〜200重量部の量で用いることができる。
【0048】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0049】
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性の置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
【0050】
透明樹脂の前駆体であるモノマーおよびオリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
【0051】
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、顔料を充分に顔料担体中に分散させ、ガラス等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために、溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−n−アミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いることができる。
溶剤は、カラーフィルタ用着色組成物中の顔料100重量部に対して、800〜4000重量部、好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
【0052】
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、該着色組成物を紫外線照射により硬化するときには、光重合開始剤等が添加される。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。光重合開始剤は、カラーフィルタ用青色着色組成物中の顔料100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部の量で用いることができる。
【0053】
これらの光重合開始剤は、単独であるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4'−ジエチルイソフタロフェノン、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。増感剤は、カラーフィルタ用着色組成物中の光重合開始剤100重量部に対して、0.1〜60重量部の量で用いることができる。
【0054】
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、着色組成物の経時粘度を安定化させるために、貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、カラーフィルタ用着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
【0055】
カラーフィルタ用着色組成物は、グラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセット印刷インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材は、一般的には熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または活性エネルギー線硬化性樹脂と、モノマーと、光重合開始剤と、溶剤とを含有する組成物中に顔料を分散させたものである。本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、顔料担体中に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて顔料を微細に分散して製造することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、数種類の顔料を別々に顔料担体に分散したものを混合して製造することもできる。
【0056】
顔料を顔料担体中に分散する際には、適宜、前記の顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体、トリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種の誘導体、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤などの分散助剤を用いることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を顔料担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。分散助剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。
なかでも、顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体、トリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種の誘導体は、微細有機顔料の凝集を防ぎ、有機顔料が微細に分散した状態を維持する働きに優れ、これらの誘導体を含有する着色組成物を用いることにより、高コントラスト比で色純度の高いカラーフィルタを製造することができるため、分散助剤として好ましい。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
【0057】
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するカラーフィルタである。カラーフィルタには、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備する加法混色型、および少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメント、および少なくとも1つのイエロー色フィルタセグメントを具備する減法混色型のものがある。
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、本発明の着色組成物および上記各色の着色組成物を用いて透明基板上に各色のフィルタセグメントを形成することにより製造することができる。
【0058】
透明基板としては、ガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
印刷法による各色フィルタセグメントの形成は、上記各種の印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の板上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
【0059】
フォトリソグラフィー法により各色フィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
【0060】
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
【0061】
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物は、いずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめカラーフィルタ層を形成しておき、このカラーフィルタ層を所望の透明基板に転写させる方法である。
【実施例】
【0062】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。
実施例に先立ち、顔料の平均一次粒子径、アスペクト比、比表面積、コントラスト比の測定方法、実施例および比較例に用いたアクリル樹脂溶液の調整、および微細有機顔料の製造について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0063】
顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)写真から一次粒子の大きさを直接計測する一般的な方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。 なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果が得られる。
【0064】
顔料のアスペクト比は、電子顕微鏡から個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、下記式で算出した。このアスペクト比が1に近いほど粒子の結晶状態が正方形に近づき好ましい。
(アスペクト比)=(長軸径)/(短軸径)
顔料粒子の比表面積は、窒素吸着によるBET法で求めた。なお、測定には自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル社製「BELSORP18」)を用いた。
【0065】
塗膜のコントラスト比は、図2に示す測定装置を用いて、下記の方法で測定した。液晶ディスプレー用バックライトユニット(7)から出た光は、偏光板(6)を通過して偏光され、ガラス基板(5)上に塗布された着色組成物の乾燥塗膜(4)を通過し、偏光板(3)に到達する。偏光板(6)と偏光板(3)の偏光面が平行であれば、光は偏光板(3)を透過するが、偏光面が直行している場合には光は偏光板(3)により遮断される。しかし、偏光板(6)によって偏光された光が着色組成物の乾燥塗膜(4)を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり、偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは偏光板(3)を透過する光量が減り、偏向板が直行のときは偏光板(3)を一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と、直行のときの輝度との比(コントラスト比)を算出した。
(コントラスト比)=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
【0066】
従って、着色組成物の乾燥塗膜(4)の顔料により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直行のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計(1)としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスク(2)を当てた。
【0067】
(アクリル樹脂溶液の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で滴下管よりスチレン60.0部、メタクリル酸60.0部、メチルメタクリレート65.0部、ブチルメタクリレート65.0部、アゾビスイソブチロニトリル10.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下後さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けて、重量平均分子量が約40000のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
【0068】
(微細有機顔料1の製造)
ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6、東洋インキ製造社製「リオノールブルーE」)500部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール700部を、15000容量部のプラネタリーミキサー(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕して微細銅フタロシアニン顔料を製造した。運転条件としては、公転18rpm、自転54rpmで磨砕温度は110℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら10時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し微細有機顔料1を得た。
得られた微細有機顔料1の比表面積は100m2/gであり、平均一次粒子径は45nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られた微細有機顔料1のアスペクト比は1.67であった。
【0069】
(微細有機顔料2の製造)
ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6、東洋インキ製造社製「リオノールブルーE」)450部、フタルイミドメチル基を有する銅フタロシアニン顔料誘導体(化合物3)50部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール650部を、15000容量部のプラネタリーミキサー(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕して微細銅フタロシアニン顔料を製造した。運転条件としては、公転18rpm、自転54rpmで磨砕温度は70℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら14時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し微細有機顔料2を得た。
得られた微細有機顔料2の比表面積は104m2/gであり、平均一次粒子径は42nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られた微細有機顔料2のアスペクト比は1.67であった。
【0070】
(微細有機顔料3の製造)
ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6、東洋インキ製造社製「リオノールブルーE」)455部、塩基性基を有する銅フタロシアニン顔料誘導体(化合物2)45部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール700部を、15000容量部のトリミックス(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕して微細銅フタロシアニン顔料を製造した。運転条件としては、公転18rpm、自転54rpmで磨砕温度は70℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら10時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し微細有機顔料3を得た。
得られた微細有機顔料3の比表面積は111m2/gであり、平均一次粒子径は39nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られた微細有機顔料3のアスペクト比は1.58であった。
【0071】
(微細有機顔料4の製造)
ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6、東洋インキ製造社製「リオノールブルーE」)450部、フタルイミドメチル基を有する銅フタロシアニン顔料誘導体(化合物3)50部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール750部を、15000容量部のトリミックス(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕して微細銅フタロシアニン顔料を製造した。運転条件としては、公転36rpm、自転108rpmで磨砕温度は50℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら16時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し微細有機顔料4を得た。
得られた微細有機顔料4の比表面積は122m2/gであり、平均一次粒子径は32nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られた微細有機顔料4のアスペクト比は1.50であった。
【0072】
(微細有機顔料5の製造)
ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6、東洋インキ製造社製「リオノールブルーE」)450部、フタルイミドメチル基を有する銅フタロシアニン顔料誘導体(化合物3)50部、樹脂としてロジンエステル20部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール750部を、15000容量部のトリミックス(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕して微細銅フタロシアニン顔料を製造した。運転条件としては、公転36rpm、自転108rpmで磨砕温度は50℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら16時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し微細有機顔料5を得た。
得られた微細有機顔料5の比表面積は124m2/gであり、平均一次粒子径は30nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られた微細有機顔料5のアスペクト比は1.51であった。
【0073】
(微細有機顔料6の製造)
ジケトピロロピロール顔料(C.I.ピグメントレッド254、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)550部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール700部を、15000容量部のプラネタリーミキサー(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕して微細ジケトピロロピロール顔料を製造した。運転条件としては、公転18rpm、自転54rpmで磨砕温度は110℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら10時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し微細有機顔料6を得た。
得られた微細有機顔料6の比表面積は90m2/gであり、平均一次粒子径は41nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られた微細有機顔料6のアスペクト比は1.67であった。
【0074】
(微細有機顔料7の製造)
ジケトピロロピロール顔料(C.I.ピグメントレッド254、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)500部、塩基性基を有するジケトピロロピロール顔料誘導体(化合物5)50部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール700部を、15000容量部のトリミックス(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕して微細ジケトピロロピロール顔料を製造した。運転条件としては、公転18rpm、自転54rpmで磨砕温度は70℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら14時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し微細有機顔料7を得た。
得られた微細有機顔料7の比表面積は112m2/gであり、平均一次粒子径は34nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られた微細有機顔料7のアスペクト比は1.61であった。
【0075】
(微細有機顔料8の製造)
ジケトピロロピロール顔料(C.I.ピグメントレッド254、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)500部、酸性基を有するキナクリドン系誘導体(化合物7)50部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール700部を、15000容量部のトリミックス(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕して微細ジケトピロロピロール顔料を製造した。運転条件としては、公転18rpm、自転54rpmで磨砕温度は70℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら10時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し微細有機顔料8を得た。
得られた微細有機顔料8の比表面積は104m2/gであり、平均一次粒子径は36nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られた微細有機顔料8のアスペクト比は1.61であった。
【0076】
(微細有機顔料9の製造)
ジケトピロロピロール顔料(C.I.ピグメントレッド254、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)500部、塩基性基を有するジケトピロロピロール顔料誘導体(化合物5)50部、樹脂としてロジンエステル20部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール800部を、15000容量部のトリミックス(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕して微細ジケトピロロピロール顔料を製造した。運転条件としては、公転36rpm、自転108rpmで磨砕温度は50℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら16時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し微細有機顔料9を得た。
得られた微細有機顔料9の比表面積は121m2/gであり、平均一次粒子径は32nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られた微細有機顔料9のアスペクト比は1.59であった。
【0077】
(微細有機顔料10の製造)
ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントグリーン 36、東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)2250部、塩基性基を有するキナクリドン顔料誘導体(化合物4)250部、塩化ナトリウム2250部、ジエチレングリコール2000部を、15000容量部のプラネタリーミキサー(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕して微細ハロゲン化銅フタロシアニン顔料を製造した。運転条件としては、公転18rpm、自転54rpmで磨砕温度は120℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら10時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し微細有機顔料10を得た。
得られた微細有機顔料10の比表面積は92m2/gであり、平均一次粒子径は54nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られた微細有機顔料10のアスペクト比は1.72であった。
【0078】
(微細有機顔料11の製造)
ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントグリーン 36、東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)2250部、塩基性基を有するキナクリドン顔料誘導体(化合物4)250部、塩化ナトリウム2250部、ジエチレングリコール2000部を、15000容量部のトリミックス(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕して微細ハロゲン化銅フタロシアニン顔料を製造した。運転条件としては、公転18rpm、自転54rpmで磨砕温度は60℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら14時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し微細有機顔料11を得た。
得られた微細有機顔料11の比表面積は95m2/gであり、平均一次粒子径は48nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られた微細有機顔料11のアスペクト比は1.68であった。
【0079】
(微細有機顔料12の製造)
キノフタロン顔料(C.I.ピグメントイエロー138、BASF社製「パリオトールイエローK0961HD」500部、塩化ナトリウム6000部、ジエチレングリコール700部を、15000容量部のトリミックス(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕して微細キノフタロン顔料を製造した。運転条件としては、公転18rpm、自転54rpmで磨砕温度は70℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら10時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し微細有機顔料12を得た。
得られた微細有機顔料12の比表面積は95m2/gであり、平均一次粒子径は44nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られた微細有機顔料12のアスペクト比は1.74であった。
【0080】
(微細有機顔料13の製造)
キノフタロン顔料(C.I.ピグメントイエロー138、BASF社製「パリオトールイエローK0961HD」)460部、塩基性基を有するアゾ顔料誘導体(化合物12)40部、塩化ナトリウム6000部、ジエチレングリコール800部を、15000容量部のトリミックス(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕して微細キノフタロン顔料を製造した。運転条件としては、公転36rpm、自転108rpmで磨砕温度は50℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら16時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し微細有機顔料13を得た。
得られた微細有機顔料13の比表面積は104m2/gであり、平均一次粒子径は40nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られた微細有機顔料13のアスペクト比は1.68であった。
【0081】
(微細有機顔料14の製造)
ジオキサジンバイオレット顔料(C.I.ピグメントバイオレット23、住友化学社製「スミトンファーストバイオレットRLベース」)500部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール700部を、15000容量部のトリミックス(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕して微細ジケトピロロピロール顔料を製造した。運転条件としては、公転18rpm、自転54rpmで磨砕温度は70℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら10時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し微細有機顔料14を得た。
得られた微細有機顔料14の比表面積は96m2/gであり、平均一次粒子径は52nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られた微細有機顔料14のアスペクト比は1.72であった。
【0082】
(微細有機顔料15の製造)
ジオキサジンバイオレット顔料(C.I.ピグメントバイオレット23、住友化学社製「スミトンファーストバイオレットRLベース」)450部、塩基性基を有するジオキサジンバイオレット顔料誘導体(化合物6)50部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール800部を、15000容量部のトリミックス(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕して微細ジオキサジンバイオレット顔料を製造した。運転条件としては、公転36rpm、自転108rpmで磨砕温度は50℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら16時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し微細有機顔料15を得た。
得られた微細有機顔料15の比表面積は108m2/gであり、平均一次粒子径は41nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られた微細有機顔料15のアスペクト比は1.62であった。
【0083】
(比較顔料1)
ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6、東洋インキ製造社製「リオノールブルーE」)500部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール550部を15000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、80℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら12時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し比較顔料1を得た。 得られた比較顔料1の比表面積は90m2/gであり、TEM写真で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は60nmであり、また、アスペクト比は1.75であった。
【0084】
(比較顔料2)
ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6、東洋インキ製造社製「リオノールブルーE」)450部、フタルイミドメチル基を有する銅フタロシアニン顔料誘導体(化合物3)50部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール550部を15000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、70℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら10時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し比較顔料2を得た。
得られた比較顔料2の比表面積は95m2/gであり、TEM写真で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は56nmであり、また、アスペクト比は1.70であった。
【0085】
(比較顔料3)
ジケトピロロピロール顔料(C.I.ピグメントレッド254、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)550部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール600部を15000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、80℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら12時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し比較顔料3を得た。
得られた比較顔料3の比表面積は76m2/gであり、TEM写真で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は52nmであり、また、アスペクト比は1.76であった。
【0086】
(比較顔料4)
ジケトピロロピロール顔料(C.I.ピグメントレッド254、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)500部、塩基性基を有するジケトピロロピロール顔料誘導体(化合物5)50部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール600部を15000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、70℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら10時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し比較顔料4を得た。
得られた比較顔料4の比表面積は82m2/gであり、TEM写真で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は43nmであり、また、アスペクト比は1.72であった。
【0087】
(比較顔料5)
ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントグリーン 36、東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)2500部、塩化ナトリウム2500部、ジエチレングリコール1250部を15000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、120℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら10時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し比較顔料5を得た。
得られた比較顔料5の比表面積は74m2/gであり、TEM写真で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は72nmであり、また、アスペクト比は1.81であった。
【0088】
(比較顔料6)
キノフタロン顔料(C.I.ピグメントイエロー138、BASF社製「パリオトールイエローK0961HD」)500部、塩化ナトリウム6000部、ジエチレングリコール600部を15000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、50℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら14時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し比較顔料6を得た。
得られた比較顔料6の比表面積は84m2/gであり、TEM写真で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は64nmであり、また、アスペクト比は1.83であった。
【0089】
(比較顔料7)
ジオキサジンバイオレット顔料(C.I.ピグメントバイオレット23、住友化学社製「スミトンファーストバイオレットRLベース」)450部、塩基性基を有するジオキサジンバイオレット顔料誘導体(化合物6)50部、塩化ナトリウム5000部、ジエチレングリコール500部を15000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、110℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら10時間混練した。磨砕後温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗、乾燥し比較顔料7を得た。
得られた比較顔料7の比表面積は87m2/gであり、TEM写真で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は64nmであり、また、アスペクト比は1.88であった。
【0090】
[実施例1]
得られた微細有機顔料1を含む下記組成の混合物を均一に撹拌した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体を作製した。
微細有機顔料1 10.0部
誘導体(化合物1) 1.0部
リン酸エステル系顔料分散剤(ビックケミー社製「BYK111」)1.0部
アクリル樹脂溶液 40.0部
シクロヘキサノン 48.0部
【0091】
さらに、得られた顔料分散体を含む下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型レジスト材を作製した。
顔料分散体 45.0部
アクリル樹脂溶液 15.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート 9.0部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤 2.0部
(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製「イルガキュアー907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.2部
シクロヘキサノン 28.8部
【0092】
[実施例2〜9、11,13,15、参考例10,12,14、比較例1〜7]

実施例1の微細有機顔料1を表1に示す微細有機顔料または比較顔料10.0部、および誘導体1.0部の混合物に変更した以外は実施例1と同様にしてアルカリ現像型レジスト材を得た。
[コントラスト比]
実施例および比較例で得られたアルカリ現像型レジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて膜厚が異なる3種の塗布基板を得た。
塗布基板を、70℃で20分乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて積算光量150mJで紫外線露光を行い、230℃で1時間加熱、放冷後、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いてコントラスト比を測定した。レジスト材塗布基板について、3組の膜厚、およびコントラスト比データから、膜厚2μmにおけるコントラスト比を近似法により求めた。その結果を表1に示す。また、実施例および比較例で用いた微細有機顔料の比表面積、平均一次粒子径、アスペクト比の測定結果を表1に示す。
【0093】
【表1】

【0094】
実施例で得られたレジスト材は、有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤とを含有する混練混合物を、複数のブレードが自転、公転する遊星運動により、ブレード相互間及びブレードとタンク内壁の精密な間隔によってデッドスペース(死点)が非常に少なく強力な練り効果を発揮することにより、微細化と共に整粒された微細な顔料を含むため、従来よりも高いコントラスト比を有していた。
特に実施例3〜5、7〜9、11、13、15は平均一次粒子径が小さく、さらにアクペクト比がより1に近く整粒されており、高コントラスト比であった。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明で使用する混練機の一例を示す、正面図である。
【図2】塗膜のコントラスト比を測定する装置の概念図である。
【符号の説明】
【0096】
(図1)
1 プラネタリー型ミキサー本体
2 駆動軸
3 タンク
4 ブレード
(図2)
1 輝度計
2 マスク
3 偏光板
4 着色組成物乾燥塗膜
5 ガラス基板
6 偏光板
7 バックライトユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と顔料とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、
前記顔料が、有機顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤とを含有する混練混合物を、複数のブレードが遊星運動するプラネタリー型ミキサーにて磨砕混練してなる微細有機顔料であり、かつ、
前記顔料のアスペクト比が、1.68以下であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
【請求項2】
混練混合物が、さらに顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体およびトリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種の誘導体を含有することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
【請求項3】
プラネタリー型ミキサーの遊星運動するブレード数が3であることを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
【請求項4】
混練混合物を混練する際の混練温度が0〜150℃に制御されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のカラーフィルタ用着色組成物。
【請求項5】
混練混合物が、さらに樹脂を含有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−32833(P2012−32833A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236676(P2011−236676)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【分割の表示】特願2006−117698(P2006−117698)の分割
【原出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【出願人】(000222118)東洋インキSCホールディングス株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】