説明

カラー画像形成装置

【課題】偽造防止に配慮しつつ、必要に応じて外部画像データの出力を偽造防止マーク無しとする。
【解決手段】状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳するよう画像処理部を制御すると共に、状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データが特定の暗号化状態であって特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを復号後の画像データに重畳しないよう、制御部が画像処理部を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は偽造防止に配慮されたカラー複写機やカラープリンタなどのカラー画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のカラー画像形成装置は、解像度や色再現性が優れており、原稿と画像形成出力(プリントアウト)との見分けがつきにくくなってきている。このため、カラー画像形成装置で印紙、切手、紙幣、有価証券などの各種有価物を複写することも技術的には可能なレベルに達している。
【0003】
そこで、このような高性能なカラー画像形成装置を用いた偽造を防止するための技術について各種の工夫がなされている。
たとえば、以下の特許文献1に記載されているように、有価物に含まれる特徴的なパターン(紙幣であれば印章部分)などを予め記憶しておき、画像データと比較して、有価物であると判断できるときは画像形成を行わないような制御をする。
【0004】
また、以下の特許文献2に記載されているように、偽造に使用された画像形成装置を特定するために、装置1台毎に異なる追跡マークを記録紙上に形成する工夫が提案されている。
【0005】
また、以下の特許文献3に記載のように、所定のモード時には強制的に偽造防止用の所定のマークを重畳して画像形成する手法も存在している。
【特許文献1】特開平6−54186号公報(第1頁〜第5頁、図1)
【特許文献2】特開2002−202650号公報(第3頁、図7)
【特許文献3】特開2004−347923号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、外国の工場で画像形成装置を製造することが行われている。よって、以上のような偽造防止対策が仕向地に合わせた仕様である場合には、現地の有価物などに対しては有効でなくなる場合もありうる。
【0007】
また、製造段階(以下、「工程内」と呼ぶ)で画像形成装置が動作可能な状態になった時点で、工場内で偽造に用いられた場合、例え追跡マークで追跡が可能であったとしても、製造会社や販売会社の企業責任が問われることになる。また、このような工程内の偽造があれば、企業イメージを大きく損なう可能性もある。
【0008】
また、装置の出荷後であっても、定期点検、故障時の点検など、顧客以外の者(メンテナンス実行会社のサービスマンなど)が、基板交換や調整や修理の際に、出荷後テストモードとしてカラー画像形成装置を操作することがある。このような作業において偽造に用いられた場合、メンテナンス実行会社や製造会社や販売会社の企業責任が問われることになる。また、このような作業時の偽造があれば、企業イメージを大きく損なう可能性もある。
【0009】
そして、特許文献3のように、製造段階やテスト時などに強制的に偽造防止用の所定マークを重畳することで、製造段階やテスト時における悪用を抑止することができる。しかし、製造段階やテスト時において、検査用のテストチャートを画像形成した場合にも偽造防止用の所定マークが重畳されてしまい、正しい検査ができなくなる問題がある。一方、偽造防止用の所定マークを簡単に解除できたのでは、悪用を抑止できない問題が新たに生じる。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、工程内あるいは出荷後テストモードでの偽造防止に配慮されたカラー画像形成装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、課題を解決する手段としての本発明は以下に説明するようなものである。
(1)請求項1記載の発明は、画像形成動作可能であるが製造工程内である場合には工程モードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データに特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、ことを特徴とするカラー画像形成装置である。
【0012】
(2)請求項2記載の発明は、画像形成動作可能であるが製造工程内である場合には工程モードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された特定の暗号化状態の画像データの画像形成時には偽造防止用の所定のマークを復号後の前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、ことを特徴とするカラー画像形成装置である。
【0013】
(3)請求項3記載の発明は、画像形成動作可能であるが製造工程内である場合には工程モードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データが特定の暗号化状態であって特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを復号後の前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、ことを特徴とするカラー画像形成装置である。
【0014】
(4)請求項4記載の発明は、出荷後であって画像形成動作可能であるがテストモードである場合には出荷後テストモードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データに特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、ことを特徴とするカラー画像形成装置である。
【0015】
(5)請求項5記載の発明は、出荷後であって画像形成動作可能であるがテストモードである場合には出荷後テストモードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に出荷後モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された特定の暗号化状態の画像データの画像形成時には偽造防止用の所定のマークを復号後の前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、ことを特徴とするカラー画像形成装置である。
【0016】
(6)請求項6記載の発明は、出荷後であって画像形成動作可能であるがテストモードである場合には出荷後テストモードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データが特定の暗号化状態であって特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを復号後の前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、ことを特徴とするカラー画像形成装置である。
【0017】
(7)請求項7記載の発明は、前記特定の情報は、予め定められた認証情報である、ことを特徴とする請求項1,3,4,6のいずれか一項に記載のカラー画像形成装置である。
【0018】
(8)請求項8記載の発明は、前記特定の暗号化状態は、予め定められた方式による暗号化である、ことを特徴とする請求項2,3,5,6のいずれか一項に記載のカラー画像形成装置である。
【0019】
(9)請求項9記載の発明は、前記プリンタ部が少なくともイエロー,マゼンタ,シアンを含む複数色の色材を用いて画像形成するカラー画像形成装置であって、前記画像処理部は、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色の所定のマークを前記画像データに重畳する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のカラー画像形成装置である。
【0020】
(10)請求項10記載の発明は、前記プリンタ部が少なくともイエロー,マゼンタ,シアンを含む複数色の色材を用いて画像形成するカラー画像形成装置であって、前記画像処理部は、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色に加え、イエローを用いて所定のマークを前記画像データに重畳する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のカラー画像形成装置である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)請求項1記載の発明では、状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳するよう画像処理部を制御し、状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データに特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳しないよう画像処理部を制御する。
【0022】
これにより、製造工程内では原則として、画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成される。また、製造工程を脱した時点で工程モードを示す情報が状態保存部に保存されなくなるので、所定のマークが付されることはなくなる。この結果、製造工程内の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、製造工程内で偽造された有価物が利用されることがなくなり、製造者側からみた安全性が向上する。
【0023】
また、製造工程内であっても、予め定められた入力部から入力された画像データに特定の情報が含まれている場合には、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳しないで画像形成時される。この結果、特定の条件が揃った状態でのみ偽造防止用のマーク無しで画像形成されるため、製造工程内であってもカラーバランス調整など微妙な色の調整が可能になるものの、特定の条件が揃う必要があるために、製造工程内の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、安全性に配慮された条件を維持しつつ、偽造防止用の所定マーク無しの画像形成が実行される。
【0024】
(2)請求項2記載の発明では、状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳するよう画像処理部を制御し、状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された特定の暗号化状態の画像データの画像形成時には、復号後の画像データに偽造防止用の所定のマークを重畳しないよう画像処理部を制御する。
【0025】
これにより、製造工程内では原則として、画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成される。また、製造工程を脱した時点で工程モードを示す情報が状態保存部に保存されなくなるので、所定のマークが付されることはなくなる。この結果、製造工程内の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、製造工程内で偽造された有価物が利用されることがなくなり、製造者側からみた安全性が向上する。
【0026】
また、製造工程内であっても、予め定められた入力部から入力された画像データが特定の暗号化状態である場合には、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳しないで画像形成時される。この結果、特定の条件が揃った状態でのみ偽造防止用のマーク無しで画像形成されるため、製造工程内であってもカラーバランス調整など微妙な色の調整が可能になるものの、特定の条件が揃う必要があるために、製造工程内の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、安全性に配慮された条件を維持しつつ、偽造防止用の所定マーク無しの画像形成が実行される。
【0027】
(3)請求項3記載の発明では、状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳するよう画像処理部を制御し、状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データが特定の暗号化状態であって特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを復号後の前記画像データに重畳しないよう画像処理部を制御する。
【0028】
これにより、製造工程内では原則として、画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成される。また、製造工程を脱した時点で工程モードを示す情報が状態保存部に保存されなくなるので、所定のマークが付されることはなくなる。この結果、製造工程内の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、製造工程内で偽造された有価物が利用されることがなくなり、製造者側からみた安全性が向上する。
【0029】
また、製造工程内であっても、予め定められた入力部から入力された画像データが特定の暗号化状態であって特定の情報が含まれている場合には、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳しないで画像形成時される。この結果、特定の条件が揃った状態でのみ偽造防止用のマーク無しで画像形成されるため、製造工程内であってもカラーバランス調整など微妙な色の調整が可能になるものの、特定の条件が揃う必要があるために、製造工程内の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、安全性に配慮された条件を維持しつつ、偽造防止用の所定マーク無しの画像形成が実行される。
【0030】
(4)請求項4記載の発明では、状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳するよう画像処理部を制御し、状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データに特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳しないよう画像処理部を制御する。
【0031】
これにより、出荷後テストモード時では原則として、画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成される。また、出荷後テストモードを脱した時点で出荷後テストモードを示す情報が状態保存部に保存されなくなるので、所定のマークが付されることはなくなる。この結果、出荷後テストモード時の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、出荷後テストモード時で偽造された有価物が利用されることがなくなり、製造者側からみた安全性が向上する。
【0032】
また、出荷後テストモード時であっても、予め定められた入力部から入力された画像データに特定の情報が含まれている場合には、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳しないで画像形成時される。この結果、特定の条件が揃った状態でのみ偽造防止用のマーク無しで画像形成されるため、出荷後テストモード時であってもカラーバランス調整など微妙な色の調整が可能になるものの、特定の条件が揃う必要があるために、出荷後テストモード時の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、安全性に配慮された条件を維持しつつ、偽造防止用の所定マーク無しの画像形成が実行される。
【0033】
(5)請求項5記載の発明では、状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳するよう画像処理部を制御し、状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された特定の暗号化状態の画像データの画像形成時には、復号後の画像データに偽造防止用の所定のマークを重畳しないよう画像処理部を制御する。
【0034】
これにより、出荷後テストモード時では原則として、画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成される。また、出荷後テストモードを脱した時点で出荷後テストモードを示す情報が状態保存部に保存されなくなるので、所定のマークが付されることはなくなる。この結果、出荷後テストモード時の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、出荷後テストモード時で偽造された有価物が利用されることがなくなり、製造者側からみた安全性が向上する。
【0035】
また、出荷後テストモード時であっても、予め定められた入力部から入力された画像データが特定の暗号化状態である場合には、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳しないで画像形成時される。この結果、特定の条件が揃った状態でのみ偽造防止用のマーク無しで画像形成されるため、出荷後テストモード時であってもカラーバランス調整など微妙な色の調整が可能になるものの、特定の条件が揃う必要があるために、出荷後テストモード時の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、安全性に配慮された条件を維持しつつ、偽造防止用の所定マーク無しの画像形成が実行される。
【0036】
(6)請求項6記載の発明では、状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳するよう画像処理部を制御し、状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データが特定の暗号化状態であって特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを復号後の前記画像データに重畳しないよう画像処理部を制御する。
【0037】
これにより、出荷後テストモード時では原則として、画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成される。また、出荷後テストモードを脱した時点で出荷後テストモードを示す情報が状態保存部に保存されなくなるので、所定のマークが付されることはなくなる。この結果、出荷後テストモード時の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、出荷後テストモード時で偽造された有価物が利用されることがなくなり、製造者側からみた安全性が向上する。
【0038】
また、出荷後テストモード時であっても、予め定められた入力部から入力された画像データが特定の暗号化状態であって特定の情報が含まれている場合には、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳しないで画像形成時される。この結果、特定の条件が揃った状態でのみ偽造防止用のマーク無しで画像形成されるため、出荷後テストモード時であってもカラーバランス調整など微妙な色の調整が可能になるものの、特定の条件が揃う必要があるために、出荷後テストモード時の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、安全性に配慮された条件を維持しつつ、偽造防止用の所定マーク無しの画像形成が実行される。
【0039】
(7)請求項7記載の発明では、以上の(1)(3)(4)(6)での特定の情報として、予め定められた認証情報を用いる。したがって、画像データに認証情報が含まれている場合に、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳しないで画像形成時される。この結果、特定の条件が揃った状態でのみ偽造防止用のマーク無しで画像形成されるため、カラーバランス調整など微妙な色の調整が可能になるものの、特定の条件が揃う必要があるために偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、安全性に配慮された条件を維持しつつ、偽造防止用の所定マーク無しの画像形成が実行される。
【0040】
(8)請求項8記載の発明では、以上の(2)(3)(5)(6)での特定の暗号化状態は、予め定められた方式による暗号化を用いる。したがって、画像データが特定の暗号化方式によって暗号化されている場合に、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳しないで画像形成時される。この結果、特定の条件が揃った状態でのみ偽造防止用のマーク無しで画像形成されるため、カラーバランス調整など微妙な色の調整が可能になるものの、特定の条件が揃う必要があるために偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、安全性に配慮された条件を維持しつつ、偽造防止用の所定マーク無しの画像形成が実行される。
【0041】
(9)請求項9記載の発明では、プリンタ部が少なくともイエロー,マゼンタ,シアンを含む複数色の色材を用いて画像形成する場合に、偽造防止部が、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色の所定のマークを画像データに重畳するようにしている。
【0042】
このように、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色で所定のマークを生成することで、マークの視認性を高め、偽造防止効果を高めることができる。さらに、プリンタ部でマーク生成に使用するマゼンタもしくはシアンを使用しないで画像形成しようとすると、画像の全体の色味が変化してしまうので、さらに、偽造防止効果を高めることができる。
【0043】
また、特定の条件が揃った状態でのみ偽造防止用のマーク無しで画像形成されるため、カラーバランス調整など微妙な色の調整が可能になるものの、特定の条件が揃う必要があるために偽造防止に十分配慮された状態となる。
【0044】
(10)請求項10記載の発明では、プリンタ部が少なくともイエロー,マゼンタ,シアンを含む複数色の色材を用いて画像形成する場合に、偽造防止部が、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色にイエローを加えて、所定のマークを画像データに重畳するようにしている。
【0045】
このように、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色とイエローとで所定のマークを生成することで、マークの視認性を高め、偽造防止効果を高めることができる。さらに、プリンタ部でマーク生成に使用するマゼンタもしくはシアンを使用しないで画像形成しようとすると、画像の全体の色味が変化してしまうので、さらに、偽造防止効果を高めることができる。また、イエローによって追跡マークを形成することで、追跡機能を有効にすることもでき、偽造防止効果をより一層高めることができる。
【0046】
また、特定の条件が揃った状態でのみ偽造防止用のマーク無しで画像形成されるため、カラーバランス調整など微妙な色の調整が可能になるものの、特定の条件が揃う必要があるために偽造防止に十分配慮された状態となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(実施形態)を詳細に説明する。
〔1〕第一実施形態:
ここでは、本発明をカラー画像形成装置に適用した場合の具体例を第一実施形態として説明するが、後述するようにモノクロの画像形成装置であっても本発明を適用することは可能である。
【0048】
〔1−a〕画像形成装置の構成:
ここで、第一実施形態のカラー画像形成装置100の構成を、図1〜図2に基づいて詳細に説明する。
【0049】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の実施形態のカラー画像形成装置100の電気的な主要部分の構成図である。ここでは、カラー画像形成装置100として、画像読み取りのためのスキャナ部と、プリンタ部とを備えた複写機、あるいは、複写機とファクシミリ装置とを兼ねた複合機を具体例にする。
【0050】
この図1において、101はカラー画像形成装置100の各部を制御する制御部であり、本実施の形態例においては通常の画像形成の制御のほかに、工程モード時あるいは出荷後テストモード時である場合に偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳するか重畳しないかの制御を行う。
【0051】
105は外部メモリ200等から画像データを入力するためのコネクタやスロットなど入力部である。なお、後述するように、この入力部105から入力される画像データが特定の画像データとして扱われることがある。
【0052】
したがって、複数の入力コネクタや入力スロットを備える場合には、どの入力コネクタや入力スロットが特定の画像データとして扱う際の入力部に相当するかを予め定めておく。また、単一の入力部の場合であっても、その入力部である入力コネクタや入力スロットが特定の画像データとして扱う際の入力部に相当すると定めてもよい。
【0053】
110はユーザからの各種入力の操作がなされると共に、装置の状態を表示する表示パネルを備えた操作部である。
120は原稿の画像を読み込んで画像データを生成するためのスキャナなどの画像読み取り手段で構成されたスキャナ部である。
【0054】
130はプリンタ部170の製造工程における工程モードの状態を示す情報としての工程モード情報、あるいは、出荷後にテストされる場合の出荷後テストモードの状態の情報を示す出荷後テストモード情報のいずれかのモード情報が記憶される状態保存部である。
【0055】
140は工程モード時や出荷後テストモード時に出力すべき予め定められた固定のテストパターンのデータが格納されているテストパターン保持部である。
150は外部機器からの画像データを直接あるいはネットワーク経由で受ける通信部であり、スキャナ部120で読み取られて生成された画像データと同様な画像データを通信部150を介して外部機器から受け取る。
【0056】
160は各種画像データ(通信部150を介した図示されない外部機器からの画像データ、スキャナ部120などからの画像データ、入力部105を介した外部メモリ200からの画像データ、またはテストパターン保持部140に格納されている画像データ)を受けて必要な画像処理を施す画像処理部である。この画像処理部は画像形成に必要な通常の画像処理の他に、本発明の実施形態の特徴部分である偽造防止の処理を実行する。
【0057】
ここで、画像処理部160は、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳する偽造防止部161(161C、161M、161Y)を備えている。このカラー画像形成装置100では、プリンタ部が少なくともイエロー,マゼンタ,シアンを含む複数色の色材を用いて画像形成する場合に、制御部101の制御により、工程モードあるいは出荷後テストモードにおいて、偽造防止部161が、マゼンタもしくはシアン、またはマゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色にイエローを加えて、所定のマークを画像データに重畳するようにしている。
【0058】
また、偽造防止部161C〜161Yのそれぞれには、マーク生成用デバイス162C〜162Yが内蔵されており、偽造防止のための所定のマークを画像データに重畳するようにしている。
【0059】
170は少なくともイエロー,マゼンタ,シアンを含む複数色(ここでは、最大で、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの4色)の色材を用いて画像形成するプリンタ部であり、各色毎に画像形成を行う感光体(像担持体)としてのドラム171C〜171Y(あるいは、ドラム171C〜171K)を有しており、前述した制御部101からのプロセス制御を受けつつ画像形成を実行する。
【0060】
なお、このプリンタ部170は、画像データに基づいて生成したトナー像を像担持体であるドラムと転写ローラとで記録紙を挟持することにより像担持体から記録紙に転写することにより画像形成するものである。
【0061】
〔1−b〕画像形成装置の制御部の制御:
なお、本実施の形態例では、制御部101は、特定の画像データを以下のように定めた上で、以下の(1)〜(15)のような制御を行う。
【0062】
ここで、特定の画像データとは、
・予め定められた入力部から入力された画像データ;
・特定の方式の暗号化が施された画像データ;
・特定の情報(たとえば、認証情報)が含まれている画像データ;
・予め定められた入力部から入力され、特定の方式の暗号化が施された画像データ;
・予め定められた入力部から入力され、特定の情報(たとえば、認証情報)が含まれている画像データ;
・予め定められた入力部から入力され、特定の方式の暗号化が施され、特定の情報(たとえば、認証情報)が含まれている画像データ;
などが該当する。特定の画像データとして、いずれを採用するかは、管理者や特定の権限を持った者などが定めることが望ましい。
【0063】
ここで、暗号化としては、単に第三者に内容が分からないようにするためではなく、偽造を防止することを目的とするため、元の画像を所定の大きさの複数のブロックに分割して並べ替えて画像形成出力するような方式も望ましい。
【0064】
また、ここで、認証情報としては、予め定められた従業員のIDとパスワードなどを用いることが可能である。
(1)制御部101は、状態保存部130に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には、固定のテストパターンデータと特定の画像データ(予め定められた入力部から入力され、特定の暗号化がなされ、特定の認証情報が含まれる画像データ)によるパターン以外の場合では、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳するよう制御する。
【0065】
(2)制御部101は、状態保存部130に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には、固定のテストパターンデータと特定の画像データ(予め定められた入力部から入力され、特定の暗号化がなされ、特定の認証情報が含まれる画像データ)によるパターン以外の場合では、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳するよう制御する。
【0066】
(3)少なくともイエロー,マゼンタ,シアンを含む複数色の色材を用いて画像形成する場合に、制御部101は、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色の所定のマークを画像データに重畳するように制御する。
【0067】
(4)少なくともイエロー,マゼンタ,シアンを含む複数色の色材を用いて画像形成する場合に、制御部101は、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色にイエローを加えて、所定のマークを画像データに重畳するように制御する。
【0068】
(5)少なくともイエロー,マゼンタ,シアンを含む複数色の色材を用いて画像形成する場合に、偽造防止部が、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色にイエローを加えて、すなわち、複数の色の色材を用いて所定のマークを画像データに重畳する際に、複数の色を順次切り換えて所定のマークを生成するように制御する。
【0069】
(6)制御部101は、製造工程内あるいは出荷後テストモード動作時では画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成するように制御しており、この際に5mm以上の間隔で所定のマークを画像データに重畳するように制御する。
【0070】
(7)制御部101は、製造工程内あるいは出荷後テストモード動作時では画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成するようにしており、この際に15mm以下の間隔で所定のマークを画像データに重畳するように制御する。
【0071】
(8)制御部101は、製造工程内あるいは出荷後テストモード動作時では画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成するようにしており、この際に2mm以下の間隔の2本線を所定のマークとして画像データに重畳するように制御する。
【0072】
(9)制御部101は、製造工程内あるいは出荷後テストモード動作時では画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成するようにしており、所定のマークを副走査方向に並べるようにして画像データに重畳するよう制御する。
【0073】
(10)制御部101は、製造工程内あるいは出荷後テストモード動作時に画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成し、所定のマークを副走査方向に並べるようにして画像データに重畳しており、この副走査方向に並べた所定のマークの主走査方向からみた開始位置を変更可能に構成されている。
【0074】
(11)制御部101は、製造工程内あるいは出荷後テストモード動作時では画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成するようにしており、所定のマークを主走査方向に並べるようにして画像データに重畳するよう制御する。
【0075】
(12)制御部101は、製造工程内あるいは出荷後テストモード動作時では画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成するようにしており、所定のマークを主走査方向と副走査方向とが組み合わされた方向(斜め方向)に並べるようにして画像データに重畳するよう制御する。
【0076】
(13)制御部101は、状態保存部に工程モードあるいは出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている場合であっても、テストパターン保持部140からのテストパターンに関する画像データを画像形成している場合には、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳しないよう制御する。
【0077】
(14)制御部101は、設置時の各条件設定が全て揃った時点で、状態保存部の「工程モード」の状態を示す情報を「出荷モード」の状態を示す情報に更新するよう制御する。
(15)制御部101は、設置時の各条件設定が全て揃った時点で操作部から所定のパスワードが入力された場合に、状態保存部の「工程モード」の状態を示す情報を「出荷モード」の状態を示す情報に更新するよう制御する。
【0078】
なお、この実施形態では、制御部101が上述した各動作モードにおける各制御を統括的に行うものとしているが、専用の制御手段を個別に設けるようにしてもよい。
〔1−c〕画像形成装置の製造工程時の基本動作:
以下、第一の実施形態の動作説明を行う。ここでは、まず、基本となる動作を説明する。
【0079】
図1に示すカラー画像形成装置100を製造する工程(製造工程)では、各種部品や基板が取り付けられて画像形成が可能な状態になると、制御部101は状態保存部130に「工程モード」であることを示す情報を保存する。
【0080】
スキャナ部120で読み込まれたカラー原稿の画像データは、操作部110で設定された処理内容に従って画像処理部160で処理される。また、通信部150を介して外部から与えられた画像データも、操作部110で設定された処理内容に従って画像処理部160で処理される。
【0081】
この際、すくなくとも、イエロー,マゼンタ,シアンの各色の画像データについては、画像処理部160内の偽造防止部161C,161M,161Yを通過してから、プリンタ部170で画像データに応じた露光がなされる。
【0082】
ここで、状態保存部130に工程モードであることを示す情報が保存されている場合、制御部101は、偽造防止部161C,161M,161Yに指示を与え、読み込み画像(図2(a))の画像データに対して、図2(b)〜図2(h)のいずれかに示すように、所定のマーク(偽造防止用パターン)を重畳した状態にする。
【0083】
すなわち、このカラー画像形成装置では、状態保存部130に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳するよう、制御部101が偽造防止部161を制御している。
【0084】
これにより、製造工程内では、画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成される。また、製造工程を脱した時点で工程モードを示す情報が状態保存部130に保存されなくなるので、所定のマークが付されることはなくなる。この結果、工程内の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、工程内で偽造された有価物が利用されることがなくなり、製造者側からみた安全性が向上する。
【0085】
なお、偽造防止用の所定のマークとは、図2(b)〜図2(h)に示すように、画像データに重畳すべき縦線(1本実線、1本破線、2本実線、2本破線)、斜め線(1本実線、1本破線、2本実線、2本破線)、横線(1本実線、1本破線、2本実線、2本破線)、縦線と横線あるいは向きの異なる斜め線の組み合わせ、多数の丸印、など各種の態様が考えられる。
【0086】
また、このカラー画像形成装置の実施形態では、プリンタ部170が少なくともイエロー,マゼンタ,シアンを含む複数色の色材を用いて画像形成する場合に、偽造防止部161が、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色の所定のマークを画像データに重畳するように、制御部101が制御している。
【0087】
このように、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色で所定のマークを生成することで、マークの視認性を高め、偽造防止効果を高めることができる。さらに、プリンタ部170でマーク生成に使用するマゼンタもしくはシアンを使用しないで画像形成しようとすると、画像の全体の色味が変化してしまうので、さらに、偽造防止効果を高めることができる。
【0088】
また、このカラー画像形成装置の実施形態では、プリンタ部170が少なくともイエロー,マゼンタ,シアンを含む複数色の色材を用いて画像形成する場合に、偽造防止部161が、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色にイエローを加えて、所定のマークを画像データに重畳するように、制御部101が制御している。
【0089】
このように、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色とイエローとで所定のマークを生成することで、マークの視認性を高め、偽造防止効果を高めることができる。さらに、プリンタ部170でマーク生成に使用するマゼンタもしくはシアンを使用しないで画像形成しようとすると、画像の全体の色味が変化してしまうので、さらに、偽造防止効果を高めることができる。また、イエローによって追跡マークを形成することで、追跡機能を有効にすることもでき、偽造防止効果をより一層高めることができる。
【0090】
また、このカラー画像形成装置の実施形態では、プリンタ部170が少なくともイエロー,マゼンタ,シアンを含む複数色の色材を用いて画像形成する場合に、偽造防止部161が、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色にイエローを加えて、すなわち、複数の色の色材を用いて所定のマークを画像データに重畳する際に、複数の色を順次切り換えて所定のマークを生成するようにしている。
【0091】
このように、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色とイエローとで所定のマークを生成することで、マークの視認性を高め、偽造防止効果を高めることができる。さらに、プリンタ部170でマーク生成に使用するマゼンタもしくはシアンを使用しないで画像形成しようとすると、画像の全体の色味が変化してしまうので、さらに、偽造防止効果を高めることができる。また、イエローによって追跡マークを形成することで、追跡機能を有効にすることもでき、偽造防止効果をより一層高めることができる。そして、複数の色を順次切り換えて所定のマークを生成することで、感光体ドラムやその周辺の作像系の負荷を和らげることができ、消耗や疲労を抑えることができる。
【0092】
この場合、1頁の画像内で1つのマーク単位に色を変えるようにしてもよいし、複数頁の画像の場合には頁毎に色を変えるようにしてもよい。たとえば、複数頁の原稿の場合は、奇数頁はマゼンタもしくはマゼンタとイエロー、偶数頁はシアンもしくはシアンとイエロー、というように切り換えてもよい。
【0093】
なお、ブラックもイエロー,マゼンタ,シアンの組み合わせで発色可能であるため、ブラック単色で偽造防止の所定のマークを形成するより、他の色で偽造防止の所定のマークを形成しておいた方が、偽造防止効果が高まる。
【0094】
また、このカラー画像形成装置の実施形態では、製造工程内では画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成するようにしており、この際に、偽造防止部161は5mm以上の間隔で所定のマークを画像データに重畳するように、制御部101が制御している。
【0095】
このように、5mm以上の間隔で所定のマークを生成することで、画質評価に用いるパッチ(4mm程度)などの形成および読み取りに影響を与えなくすることができ、偽造防止効果と調整作業との両立を図ることが可能になる。
【0096】
また、このカラー画像形成装置の実施形態では、製造工程内では画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成するようにしており、この際に、偽造防止部161は15mm以下の間隔で所定のマークを画像データに重畳するように、制御部101が制御している。
【0097】
このように、15mm以下の間隔で所定のマークを生成することで、所定のマークを避けるようにした切り貼りによる偽造を行い難くし、工程内での偽造防止効果を高めることが可能になる。さらに、この場合、切手や印紙などの15mm未満の大きさの有価物の偽造を防止できる。
【0098】
さらに、5mm以上・15mm以下の間隔で所定のマークを生成することで、画質評価に用いるパッチなどの形成および読み取りに影響を与えなくすることができ、かつ、所定のマークを避けるようにした切り貼りによる偽造を行い難くし、偽造防止効果と調整作業との両立を図ることが可能になる。
【0099】
また、このカラー画像形成装置の実施形態では、製造工程内では画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成するようにしており、この際に、偽造防止部161は2mm以下の間隔の2本線を所定のマークとして画像データに重畳するように、制御部101が制御している。
【0100】
このように、2mm以下の間隔の2本線による所定のマークを生成することで、所定のマークの視認性を高めて偽造防止効果を高め、所定のマークを避けるようにした切り貼りによる偽造を行い難くし、工程内での偽造防止効果を高めることが可能になる。
【0101】
なお、以上の2本線の所定のマークを5mm以上の間隔で生成することで、画質評価に用いるパッチなどの形成および読み取りに影響を与えなくすることができ、偽造防止効果と調整作業との両立を図ることが可能になる。
【0102】
また、以上の2本線の所定のマークを15mm以下の間隔で生成することで、所定のマークを避けるようにした切り貼りによる偽造を行い難くし、工程内での偽造防止効果を高めることが可能になる。
【0103】
さらに、以上の2本線の所定のマークを5mm以上・15mm以下の間隔で生成することで、画質評価に用いるパッチなどの形成および読み取りに影響を与えなくすることができ、かつ、所定のマークを避けるようにした切り貼りによる偽造を行い難くし、偽造防止効果と調整作業との両立を図ることが可能になる。
【0104】
また、このカラー画像形成装置の実施形態では、製造工程内では画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成するようにしており、偽造防止部161は、所定のマークを副走査方向に並べるようにして画像データに重畳する。
【0105】
このように、副走査方向に並べた所定のマークを生成することで、画質評価に用いるパッチなどは主走査方向の同じ位置に形成することで、該パッチの形成および読み取りに影響を与えなくすることができ、偽造防止効果と調整作業との両立を図ることが可能になる。
【0106】
なお、以上の副走査方向に並べた所定のマークを主走査方向5mm以上の間隔で生成することで、画質評価に用いるパッチなどの形成および読み取りに影響を与えなくすることができ、偽造防止効果と調整作業との両立を図ることが可能になる。また、以上の副走査方向に並べた所定のマークを主走査方向15mm以下の間隔で生成することで、所定のマークを避けるようにした切り貼りによる偽造を行い難くし、工程内での偽造防止効果を高めることが可能になる。さらに、以上の副走査方向に並べた所定のマークを主走査方向5mm以上・15mm以下の間隔で生成することで、画質評価に用いるパッチなどの形成および読み取りに影響を与えなくすることができ、かつ、所定のマークを避けるようにした切り貼りによる偽造を行い難くし、偽造防止効果と調整作業との両立を図ることが可能になる。
【0107】
また、このカラー画像形成装置の実施形態では、製造工程内に画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成し、偽造防止部161は、所定のマークを副走査方向に並べるようにして画像データに重畳しており、ここでは、図7のように、縦方向実線を具体例にすると、この副走査方向に並べた所定のマークの主走査方向からみた開始位置を変更可能に構成されている。この様子を、図7(a)のスタート1、図7(b)のスタート2として示す。
【0108】
このように、副走査方向に並べた所定のマークについて、主走査方向からみた開始位置を変更可能にしていることで、画質評価に用いるパッチなどとの重なりを防ぐことができ、該パッチの形成および読み取りに影響を与えなくすることができ、偽造防止効果と調整作業との両立を図ることが可能になる。また、主走査方向からみた開始位置を変更することで、感光体ドラムなどの作像系の同じ場所が消耗・疲労することを防止することができる。
【0109】
また、このカラー画像形成装置の実施形態では、製造工程内では画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成するようにしており、偽造防止部161は、所定のマークを主走査方向に並べるようにして画像データに重畳する。
【0110】
このように、主走査方向に並べた所定のマークを生成することで、感光体ドラムなどの作像系の同じ場所が消耗・疲労することを防止することができる。
なお、以上の主走査方向に並べた所定のマークを副走査方向5mm以上の間隔で生成することで、画質評価に用いるパッチなどの形成および読み取りに影響を与えなくすることができ、偽造防止効果と調整作業との両立を図ることが可能になる。また、以上の主走査方向に並べた所定のマークを副走査方向15mm以下の間隔で生成することで、所定のマークを避けるようにした切り貼りによる偽造を行い難くし、工程内での偽造防止効果を高めることが可能になる。さらに、以上の主走査方向に並べた所定のマークを副走査方向5mm以上・15mm以下の間隔で生成することで、画質評価に用いるパッチなどの形成および読み取りに影響を与えなくすることができ、かつ、所定のマークを避けるようにした切り貼りによる偽造を行い難くし、偽造防止効果と調整作業との両立を図ることが可能になる。
【0111】
また、このカラー画像形成装置の実施形態では、製造工程内では画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成するようにしており、偽造防止部161は、所定のマークを主走査方向と副走査方向とが組み合わされた方向(斜め方向)に並べるようにして画像データに重畳する。
【0112】
このように、斜め方向に並べた所定のマークを生成することで、感光体ドラムなどの作像系の同じ場所が消耗・疲労することを防止することができる。
なお、以上の主走査方向に並べた所定のマークを副走査方向5mm以上の間隔で生成することで、画質評価に用いるパッチなどの形成および読み取りに影響を与えなくすることができ、偽造防止効果と調整作業との両立を図ることが可能になる。また、以上の主走査方向に並べた所定のマークを副走査方向15mm以下の間隔で生成することで、所定のマークを避けるようにした切り貼りによる偽造を行い難くし、工程内での偽造防止効果を高めることが可能になる。さらに、以上の主走査方向に並べた所定のマークを副走査方向5mm以上・15mm以下の間隔で生成することで、画質評価に用いるパッチなどの形成および読み取りに影響を与えなくすることができ、かつ、所定のマークを避けるようにした切り貼りによる偽造を行い難くし、偽造防止効果と調整作業との両立を図ることが可能になる。
【0113】
〔1−d〕画像形成装置の製造工程後(出荷後)の基本動作:
また、このカラー画像形成装置の実施形態では、制御部101は、設置時の各条件設定が全て揃った時点で、自動的に状態保存部130の「工程モード」の状態を示す情報を「出荷モード」の状態を示す情報に更新するようにしている。このようにすることで、工程モードを解除するための特別の手続きは必要なく、設置作業を確実に完了することができる。
【0114】
また、このカラー画像形成装置の実施形態の他の例では、制御部101は、設置時の各条件設定が全て揃った時点で所定のパスワードの入力があった場合に、状態保存部130の「工程モード」の状態を示す情報を「出荷モード」の状態を示す情報に更新するようにしている。このようにすることで、工程内での偽造の心配のない確実な状態で工程モードを解除することが可能になる。
【0115】
〔1−e〕画像形成装置の出荷後のテスト時の基本動作:
以上の実施形態において、制御部101は、設置時の各条件設定が全て揃った時点で、自動的に状態保存部130の「工程モード」の状態を示す情報を「出荷モード」の状態を示す情報に更新するようにしている。これにより、出荷後は上述した偽造防止用の所定のマークは画像データに重畳されなくなる。
【0116】
ところが、出荷後であっても、定期点検、故障時の点検など、顧客以外の者(メンテナンス実行会社のサービスマンなど)が、基板交換や調整や修理の際にカラー画像形成装置100を操作することがある。このような作業において偽造に用いられた場合、メンテナンス実行会社や製造会社や販売会社の企業責任が問われることになる。また、このような作業時の偽造があれば、企業イメージを大きく損なう可能性もある。
【0117】
そこで、このカラー画像形成装置の実施形態では、出荷モードになった後に、故障判断や調整などのテストモードになった場合には、制御部101は状態保存部130を「出荷モード」から「出荷後テストモード」の状態を示す情報に書き換える。
【0118】
そして、状態保存部130に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には、固定のテストパターンまたは上述した特定の条件が揃った画像データ以外の場合は、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳するよう、制御部101が偽造防止部161を制御する。
【0119】
これにより、サービスマンによる調整、修理、基板交換時などの出荷後テストモード動作時は、固定のテストパターンまたは上述した特定の条件が揃った画像データ以外の場合は、画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成される。
【0120】
また、テストモード動作を脱した時点でテストモードを示す情報が状態保存部130に保存されなくなるので、所定のマークが付されることはなくなる。この結果、出荷後テストモード動作時の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、出荷後テストモード動作時に偽造された有価物が利用されることがなくなり、製造者側や販売者などからみた安全性が向上する。
【0121】
〔1−f〕画像形成装置の製造工程時・出荷後テスト時における詳細動作:
以下、画像形成装置の製造工程時・出荷後テスト時における詳細動作について、図3のフローチャート及び図4〜図6の問題分析図に従って説明する。
【0122】
ここで、画像形成出力するファイルが外部機器や画像形成装置100で選択され(図3中のステップS301)ると、制御部101は以下のように制御を行う。なお、スキャナ部120で読み込まれた画像についても、以下のように制御部101が制御する。
【0123】
状態保存部130に工程モードの状態を示す情報が保存されていない場合(図3中のステップS302でYES)、通常の動作時の画像形成であるので、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳せず(図3中のステップS310)、画像形成を実行する(図3中のステップS312)制御を、制御部101が実行する。
【0124】
状態保存部130に工程モードの状態を示す情報や出荷後テスト時を示す情報が保存されている場合であっても(図3中のステップS302でNO)、テストパターン保持部140からの固定のテストパターンに関する画像データを画像形成している場合には(図3中のステップS303でYES)、あくまでも所定のテストパターンの出力であり、偽造の問題は生じない。そのため、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳しないよう偽造防止部161を制御して(図3中のステップS310)、画像形成を実行する(図3中のステップS312)。このように、テストパターン保持部140からの内部のテストパターンを画像形成している場合には、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳しないようにすることで、テストパターンを用いた調整動作に悪影響を与えることがなくなる。
【0125】
この実施形態において、制御部101は、状態保存部130に工程モードの状態を示す情報が保存されている場合であって(図3中のステップS302でNO)、テストパターン保持部140からの固定のテストパターンに関する画像データ以外を画像形成している場合(図3中のステップS303でNO)、以下のようにして、処理を進める。また、この実施形態において、制御部101は、状態保存部130に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている場合であって(図3中のステップS302でNO)、テストパターン保持部140からの固定のテストパターンに関する画像データ以外を画像形成している場合(図3中のステップS303でNO)、以下のようにして、処理を進める。
【0126】
まず、暗号化ファイルであれば(図3中のステップS304でYES)、復号化して(図3中のステップS305)、画像データに含まれる認証情報を抽出しておく(図3中のステップS306)。
【0127】
ここで、画像形成しようとする画像データが暗号化ファイルでなければ(図3中のステップS304でYNO)、後述する特定の条件を満たさないため、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳するよう偽造防止部161を制御して(図3中のステップS311)、画像形成を実行する(図3中のステップS312)。
【0128】
ここで、予め定められた入力部105から入力され(図3中のステップS307でYES)、特定の方式により暗号化がなされており(図3中のステップS308でYES)、復号化された画像データに特定の認証情報が含まれていれば(図3中のステップS309でYES)、特定の条件を満たすため、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳しないよう偽造防止部161を制御して(図3中のステップS310)、画像形成を実行する(図3中のステップS312)。
【0129】
この場合、フローチャートに示したものは、いずれかの条件を満たさない場合には、偽造防止マークを重畳させるようにしている。なお、この場合、所定の入力部、特定の暗号化、特定の認証の全てを満たして偽造防止マーク重畳無しにしているが、どの条件を満たして偽造防止マーク重畳無しとするかは、管理者が定めることが可能である。
【0130】
このように、特定の条件が揃った状態において、外部メモリ200からの画像データを画像形成している場合には、偽造防止用の所定のマークを画像データに重畳しないようにすることで、テストパターンを用いた調整動作に悪影響を与えることがなくなる。
【0131】
この場合、特定の条件が揃った状態でのみ偽造防止用のマーク無しで画像形成されるため、製造工程内であってもカラーバランス調整など微妙な色の調整が可能になるものの、特定の条件が揃う必要があるために、製造工程内の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、安全性に配慮された条件を維持しつつ、偽造防止用の所定マーク無しの画像形成が実行される。
【0132】
以上のように、製造工程内や出荷後テストモード時では原則として、特定の条件を満たした場合以外は、画像データと所定のマークとが重畳された状態で画像形成される。また、製造工程を脱した時点で工程モードを示す情報が状態保存部に保存されなくなるので、所定のマークが付されることはなくなる。この結果、製造工程内の偽造防止に十分配慮された状態となる。従って、製造工程内や出荷後テストモード時に偽造された有価物が利用されることがなくなり、製造者側からみた安全性が向上する。
【0133】
〔1−g〕画像形成装置の各種動作:
以上説明した制御部101による各種動作の組み合わせとして、以下のようにすることが可能である。この場合、管理者が、いずれの動作をするかについて定めることが可能である。
【0134】
〔1−g−1〕画像形成装置の各種動作(1):
以上のような動作を行うにあたり制御部101の制御として、図4の問題分析図に示すように、工程内モードでなければ偽造防止用の所定マーク無しの画像形成を実行し、工程内モードであって固定のテストパターンあるいは特定の画像データによる画像形成の場合には偽造防止用の所定マーク無しの画像形成を実行し、工程内モードであって固定のテストパターン以外あるいは特定の画像データ以外の画像形成の場合には偽造防止用の所定マーク有りの画像形成を実行する。
【0135】
〔1−g−2〕画像形成装置の各種動作(2):
以上のような動作を行うにあたり制御部101の制御として、図5の問題分析図に示すように、工程内モードでなく出荷後テストモードでもなければ偽造防止用の所定マーク無しの画像形成を実行し、工程内モードでなく出荷後テストモードでの場合には偽造防止用の所定マーク有りの画像形成を実行する。
【0136】
そして、工程内モードであって固定のテストパターンあるいは特定の画像データによる画像形成の場合には偽造防止用の所定マーク無しの画像形成を実行し、工程内モードであって固定のテストパターン以外あるいは特定の画像データ以外の画像形成の場合には偽造防止用の所定マーク有りの画像形成を実行する。
【0137】
〔1−g−3〕画像形成装置の各種動作(3):
以上のような動作を行うにあたり制御部101の制御として、図6の問題分析図に示すように、工程内モードでなく出荷後テストモードでもなければ偽造防止用の所定マーク無しの画像形成を実行し、工程内モードでなく出荷後テストモードであって固定のテストパターンあるいは特定の画像データによる画像形成の場合には偽造防止用の所定マーク無しの画像形成を実行し、工程内モードでなく出荷後テストモードであって固定のテストパターン以外あるいは特定の画像データ以外の画像形成の場合には偽造防止用の所定マーク有りの画像形成を実行する。
【0138】
そして、工程内モードであって固定のテストパターンあるいは特定の画像データによる画像形成の場合には偽造防止用の所定マーク無しの画像形成を実行し、工程内モードであって固定のテストパターン以外あるいは特定の画像データ以外の画像形成の場合には偽造防止用の所定マーク有りの画像形成を実行する。
【0139】
〔2〕その他の実施形態:
以上の特定の画像データとして扱う場合、予め定められた入力部から入力された画像データとしていたが、この入力部については、入力コネクタや入力スロットだけでなく、通信部150を介した外部機器のIPアドレスで定めることも可能である。
【0140】
〔3〕その他の実施形態:
以上の説明では、カラー画像形成装置を具体例としてきた。しかし、カラーではなく、モノクロの画像形成装置であっても、本願発明を適用することは可能である。従って、以下に記載する各付記も本願発明の一実施形態に含まれる。
【0141】
〔付記1〕
画像形成動作可能であるが製造工程内である場合には工程モードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、
読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、
前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、
画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データに特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0142】
〔付記2〕
画像形成動作可能であるが製造工程内である場合には工程モードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、
読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、
前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、
画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された特定の暗号化状態の画像データの画像形成時には偽造防止用の所定のマークを復号後の前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0143】
〔付記3〕
画像形成動作可能であるが製造工程内である場合には工程モードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、
読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、
前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、
画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データが特定の暗号化状態であって特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを復号後の前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0144】
〔付記4〕
出荷後であって画像形成動作可能であるがテストモードである場合には出荷後テストモードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、
読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、
前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、
画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データに特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0145】
〔付記5〕
出荷後であって画像形成動作可能であるがテストモードである場合には出荷後テストモードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、
読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、
前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、
画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に出荷後モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された特定の暗号化状態の画像データの画像形成時には偽造防止用の所定のマークを復号後の前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0146】
〔付記6〕
出荷後であって画像形成動作可能であるがテストモードである場合には出荷後テストモードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、
読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、
前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、
画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データが特定の暗号化状態であって特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを復号後の前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0147】
〔付記7〕
前記特定の情報は、予め定められた認証情報である、
ことを特徴とする付記1,3,4,6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【0148】
〔付記8〕
前記特定の暗号化状態は、予め定められた方式による暗号化である、
ことを特徴とする付記2,3,5,6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明の実施の形態例のカラー画像形成装置の電気的構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態例における偽造防止用の所定のマークの形成例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態例における動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態例のカラー画像形成装置における制御部の制御状態を示す問題分析図である。
【図5】本発明の実施の形態例のカラー画像形成装置における制御部の制御状態を示す問題分析図である。
【図6】本発明の実施の形態例のカラー画像形成装置における制御部の制御状態を示す問題分析図である。
【図7】本発明の実施の形態例における偽造防止用の所定のマークの形成例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0150】
100 カラー画像形成装置
101 制御部
105 入力部
110 操作部
120 スキャナ部
130 状態保存部
140 テストパターン保持部
150 通信部
160 画像処理部
160 偽造防止部
170 プリンタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成動作可能であるが製造工程内である場合には工程モードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、
読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、
前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、
画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データに特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、
ことを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項2】
画像形成動作可能であるが製造工程内である場合には工程モードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、
読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、
前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、
画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された特定の暗号化状態の画像データの画像形成時には偽造防止用の所定のマークを復号後の前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、
ことを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項3】
画像形成動作可能であるが製造工程内である場合には工程モードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、
読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、
前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、
画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に工程モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データが特定の暗号化状態であって特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを復号後の前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、
ことを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項4】
出荷後であって画像形成動作可能であるがテストモードである場合には出荷後テストモードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、
読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、
前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、
画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データに特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、
ことを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項5】
出荷後であって画像形成動作可能であるがテストモードである場合には出荷後テストモードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、
読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、
前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、
画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に出荷後モードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された特定の暗号化状態の画像データの画像形成時には偽造防止用の所定のマークを復号後の前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、
ことを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項6】
出荷後であって画像形成動作可能であるがテストモードである場合には出荷後テストモードの状態を示す情報を保存する状態保存部と、
読み込まれた画像データあるいは外部から供給された画像データを画像形成用に画像処理すると共に必要に応じて偽造防止用の所定のマークを該画像データに重畳する画像処理部と、
前記画像処理部で処理された画像データを受けて画像形成を実行するプリンタ部と、
画像形成に関して各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況での画像形成時には偽造防止用の所定のマークを前記画像データに重畳するよう前記画像処理部を制御すると共に、前記状態保存部に出荷後テストモードの状態を示す情報が保存されている状況であっても予め定められた入力部から入力された画像データが特定の暗号化状態であって特定の情報が含まれている画像形成時には偽造防止用の所定のマークを復号後の前記画像データに重畳しないよう前記画像処理部を制御する、
ことを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項7】
前記特定の情報は、予め定められた認証情報である、
ことを特徴とする請求項1,3,4,6のいずれか一項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項8】
前記特定の暗号化状態は、予め定められた方式による暗号化である、
ことを特徴とする請求項2,3,5,6のいずれか一項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項9】
前記プリンタ部が少なくともイエロー,マゼンタ,シアンを含む複数色の色材を用いて画像形成するカラー画像形成装置であって、
前記画像処理部は、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色の所定のマークを前記画像データに重畳する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のカラー画像形成装置。
【請求項10】
前記プリンタ部が少なくともイエロー,マゼンタ,シアンを含む複数色の色材を用いて画像形成するカラー画像形成装置であって、
前記画像処理部は、マゼンタもしくはシアンの少なくとも一方の色に加え、イエローを用いて所定のマークを前記画像データに重畳する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のカラー画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−20240(P2010−20240A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183001(P2008−183001)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】