説明

カルシウム含有化合物を含む組成物の溶融造粒

本発明は、カルシウム含有化合物を含む錠剤の製造のための新規な方法に関し、その方法は、チョーク様の味の十分なマスキングが実質的に達成され、カルシウム含有化合物の不快なマウスフィーリングが実質的に避けられ、一方、同時に低い容量の錠剤を与えるように、糖アルコールが溶融され、カルシウム含有化合物を埋め込む溶融造粒法を含む。本発明の方法は、カルシウム含有化合物の含量が高い錠剤の製造に特に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルシウム含有化合物を含む錠剤の製造のための新規な方法に関し、その方法は、チョーク様(chalkiness)の味の十分なマスキングが実質的に達成され、カルシウム含有化合物の不快なマウスフィーリングが実質的に避けられ、一方、同時に低い容量の錠剤を与えるように、糖アルコールが溶融され、カルシウム含有化合物を埋め込む溶融造粒法を含む。本発明の方法は、カルシウム含有化合物の含量が高い錠剤の製造に特に適している。
【0002】
具体的な態様において、錠剤へのさらなる加工に適した顆粒(granulate)は、押出機で行なわれる溶融造粒法により得ることができる。
【背景技術】
【0003】
カルシウムは、イオン化カルシウムおよびカルシウム複合体の両方として、身体中の多くの重要な機能に不可欠である。多くの疾病、特に骨に関連した疾病は、十分な量のカルシウム含有化合物の摂取により治療される/予防的に治療される。通常、特に、例えばチュアブル錠または舐めることが可能な錠剤(suckable tablet)のような投与形態を形成するカルシウムは、比較的大量に経口投与されなければならない。
【0004】
しかしながら、この点における主な課題の一つは、正しくかつ有効な治療を達成するために、顧客の十分な服薬遵守を有する組成物を得ることである。この課題は、カルシウム含有化合物の不快な味および/またはマウスフィーリングに関し、その味および/またはマウスフィーリングをマスクすることは非常に困難である。したがって、医薬的または栄養補助的使用のためのカルシウム含有製品に関する開発は、この味をマスクすることに主に集中されている。このため、異なる製造工程、種々の味マスキング剤の使用およびそれらの組み合わせ等を含む、カルシウム含有化合物の味を適当にマスクする多くの異なった方法が明らかになっている。
【0005】
カルシウム含有固形投与形態の製剤に関するもう一つの主な課題は、投与形態のサイズである。通常、カルシウムの単回投与量は500 mg(12.5 mmol)であり、それは、カルシウム源として炭酸カルシウムが用いられるとき、単回投与量は1250 mgの炭酸カルシウムを含む(炭酸カルシウムのMWは100である)ことを意味する。さらに、カルシウム含有化合物を錠剤化するために、通常、医薬的に許容される賦形剤の添加を必要とする。このことは、カルシウムの単回投与量を含んで得られる錠剤は、比較的高い重量を有し、その結果、錠剤の容量が比較的高くなることを意味する。それゆえ、患者が錠剤を摂取することを不快と感じないように、投与形態の(例えば、通常、錠剤の形態での)サイズを可能な限り最小限にしようとすることは、最大限重要なことである。勿論、錠剤のサイズは、(飲み込まれる)経口投与用を意図した錠剤の場合に非常に重要である。
【0006】
その代わり、咀嚼錠のサイズは、適切な単回投与量を含む錠剤が、慣用の錠剤化装置により製造できるならば、それほど重要ではない。しかしながら、一回服用量分配を必要とする場合、サイズは重要である。さらに、咀嚼錠は、余り硬すぎて咀嚼できなくすべきではない。すなわち、それらは、錠剤を咀嚼することの容易性と錠剤を通常に取り扱うことに耐えるための強固さの重要性とのバランスを保った破砕強度を有すべきである。さらに、患者の服薬遵守を保証するために、マウスフィーリングと味が最大限重要である。
【0007】
カルシウム含有化合物を含む微粒子状(particulate)物質を製造するための特別な方法が、最終製品の味およびマウスフィーリングに影響を及ぼすことが見出されている。したがって、例えば、流動床法は、錠剤に圧縮されたとき、使用時に許容される味とマウスフィーリングを有するカルシウム含有微粒子状物質を製造することができることが見出されている。この場合、カルシウム含有化合物の品質ならびにカルシウム含有化合物を含む医薬組成物の製造法が、チュアブル錠の許容される味およびマウスフィーリングを得るために非常に重要である(WO 00/28973)。
【0008】
この方法により得られる顆粒は、適当な感覚性、すなわち許容されるマウスフィーリングおよび味を有する錠剤に加工される。しかしながら、そのような錠剤は、例えば一回服用量分配機での充填に曝されることに耐える、適当な小サイズ、適当な機械的安定性および適当な機械的強度を有しなければならない。さらに、流動床法は、しばしば、非常に多孔性の顆粒を生じ、次にそれは多孔性の錠剤を生じる。すなわち、そのような錠剤は、余り大きすぎて一回服用量分配機のカセットに適合できない可能性がある。
【0009】
さらに、流動床法は、一般的に、例えば舐めることおよび飲み込むことを意図した錠剤に適用できない。その理由は、カルシウムが比較的大量に調薬され、単回投与形態(錠剤)においてこの用量を含むため、錠剤のサイズは、患者が飲み込むのに不都合な大きさになる。したがって、流動床法は、そのサイズが大して重要でない、チュアブル錠の製造において特別有用である。
【0010】
飲み込むのに適したカルシウム含有錠剤(すなわち、カルシウム含有化合物のチョーク味およびマウスフィーリングを考慮しないで製造される錠剤)は、例えば高剪断混合を含む方法により製造できる(WO 06/09036 Innothera)。この方法を用いることにより、比較的密度の高い顆粒が得られ、これは、次いで、流動床法が用いられたときに得られるものと比較して、サイズの減少した錠剤を生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明者らにより対処される課題は、優先無しに、チュアブル錠の形態ならびに飲み込むことの可能な錠剤の形態で、カルシウム含有化合物の投与形態の製造できる代替法を提供することである。換言すれば、既知の方法は、チュアブル錠の製造または飲み込むことの可能な錠剤の製造における使用のどちらかに適している。それらとは対照的に、本発明による方法は、チュアブル錠および飲み込むことの可能な錠剤のそれぞれの製造の両方に用いることができる。
【0012】
そのような方法は、錠剤が咀嚼されることまたは飲み込まれることを対象としているかどうかにかかわらず、錠剤の製造において同じ装置を用いることを可能にするので、高い経済的な可能性を有する。したがって、同じ製造ラインを、一方の方法から他方の方法へ容易に変えることができ、二つの独立しかつ異なった製造装置に投資する必要がない。
【0013】
したがって、患者がそれを飲み込むために、小さくされかつ使いやすいサイズを有する錠剤のような投与形態の製造を可能にし、さらにチュアブル錠の製造にも用いることができる、新規な方法を開発する必要性がある。
【0014】
さらに、カルシウムのチョーク味および不快なマウスフィーリングを効果的にマスキングすることの困難性のため、許容されかつ良好な味を得るための使用に適した方法を開発する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
発明の詳細な説明
したがって、本発明の観点において、本発明は、カルシウム含有化合物を含む組成物を溶融造粒法、すなわち、溶融されるかまたは少なくとも軟らかくされた結合剤により粒子を凝集する方法に付すことにより十分な味のマスキングを得ることの効果的でかつ容易な方法を提供する。具体的な態様において、結合剤は、特にカルシウム含有化合物の味のマスキングに通常用いられるような糖アルコールである。
【0016】
本発明は、カルシウム含有化合物を含む組成物を糖アルコールと一緒に溶融造粒および/または押出すことにより、味およびマウスフィーリングに関して非常に望ましい特性を有する顆粒が得られることの発見に基づく。押出工程の間、加熱され、このことにより糖アルコールは溶融または軟化され、それによって、糖アルコールはカルシウム含有化合物の粒子を少なくとも部分的に覆う。錠剤に圧縮されたとき、糖アルコールマトリックスが形成される。このマトリックスが、錠剤を咀嚼するときに、主たるカルシウム粒子の容易な湿潤化をもたらす。糖アルコールマトリックスは、唾液との接触により口の中で溶ける。この容易な湿潤化はチョーク様および不快なマウスフィーリングを減少する。
【0017】
さらに、錠剤が、流動床および高剪断混合のような既知の方法で得られるものより低い高さで製造できることが示された。高さが低いことは飲み込むことを容易にする。小さい容量と好ましいマウスフィーリング(チョーク様がより小さい)との組み合わせは、患者が錠剤を咀嚼するかまたは飲み込むかどうか選択することを可能にするであろう。
【0018】
したがって、一つの観点において、本発明は、
i)カルシウム含有化合物を含む組成物を糖アルコールと一緒に溶融造粒すること、
ii)一以上の医薬的に許容される賦形剤を任意に加えること、および
iii)このようにして得られる顆粒を錠剤に圧縮すること
を含む、活性物質としてカルシウム含有化合物を含む錠剤の製造方法に関する。
【0019】
本発明は押出機の適用から生じる上記の観察に基づくが、カルシウム含有化合物の味のマスキングを得る同じ方法が、溶融造粒のための使用に適したその他の装置により得ることができるだろうと考えられる理由がある。適当な装置は、溶融造粒のために特に設計された高および低剪断混合機を含む。したがって、本発明は、押出しによる溶融造粒法に限定されず、適当な全ての方法が本発明に包含される。
【0020】
さらに、本導入部で述べたように、本発明はチュアブル錠に加工するのに適した顆粒の製造に限定されない。以下の実施例に示すように、本発明の方法は、特定の成分、それらの品質および用いられる種々の工程パラメータにより、チュアブル錠、舐めることの可能な錠剤、飲み込むことの可能な錠剤の各々または同時に三つの特性を有する錠剤の製造における使用に適するように設計され得る顆粒を提供することの必要性を満たす。
【0021】
特定の観点において、本発明は、
i)カルシウム含有化合物を含む組成物をスクリュー押出機中での押出しにより溶融造粒すること、
ii)一以上の医薬的に許容される賦形剤を任意に加えること、および
iii)このようにして得られる顆粒を錠剤に圧縮すること
を含む、活性物質としてカルシウム含有化合物を含む錠剤の製造方法に関する。
【0022】
前記のように、チュアブル錠へさらに加工するのに特に適した顆粒に導く具体的な態様において、造粒は溶融造粒により行なわれる。
もう一つの具体的な態様において、溶融造粒は、飲み込むことに適した錠剤に導く。
もう一つの具体的な態様において、溶融造粒は、飲み込むことが可能でかつ咀嚼することが可能な両方の錠剤に導く。
【0023】
通常、組成物は、最大でも約160℃の融点を有する糖アルコールを含む。
例えばスクリュー押出機(例えばシングル-、ツイン-またはトリプルスクリュー押出機)のような押出機または遊星歯車様に設計された押出機(Bohle連続造粒機BCGのような)の場合は、溶融造粒は、スクリュー押出機の少なくとも一つのセグメントを糖アルコールの融点を超える温度に加熱することにより行なわれる。より詳細は以下の実施例に示す。
用いられる温度は、通常、用いられる糖アルコールの融点より最大で50℃高い。
【0024】
好ましい態様において、結合剤のような性質を有する糖アルコールを用いることが好都合である。すなわち、それは、組成物においておよびさらに合着(coherent)錠に圧縮する間の結合において、個々の粒子間で結合を起こすことがある程度可能である。したがって、結着性を有するそのような糖アルコールは、凝集工程ならびに錠剤化工程を容易にする。
【0025】
本発明による方法での使用に適した糖アルコールは、イソマルト、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、エリトリトール、ラクチトール、マルチトール等およびそれらの混合物からなる群から選択される。通常、カルシウム含有化合物を含む組成物中の糖アルコールの濃度は、例えば約5重量%〜35重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約25重量%のような、約5重量%〜約40重量%である。一般に、前記の全ての糖アルコールが、結合剤として用いられ得る。しかしながら、適当な結合を得るために必要とされる量は、該当の糖アルコールの結着性に依存する。以下の図8に、種々の糖アルコールの圧密力(compaction force)の関数としての破砕強度をグラフにしたものを示す。このグラフから、より低い傾きを有する糖アルコールは、より急勾配の傾きを有する糖アルコールより多くの量を必要とすることが分かる。
【0026】
具体的な態様において、糖アルコールは、本発明の組成物中に用いられる唯一の結合剤であるが、その他の態様において、それはその他の結合剤と組合せて用いられ得る。典型的には、例えばポリエチレングリコール(PEG)、PVP、HPMC、ワックス、油脂および脂質のようなその他の溶融結合剤が用いられ得る。
【0027】
カルシウム含有化合物を含む組成物中の結合剤の濃度は、用いられる特定の結合剤により大きく範囲が変わり得るが、一般的に、例えば約0.2〜約35重量%、約0.3〜約30重量%または約0.4〜25重量%もしくは約0.4〜約24.2重量%のような、約0.1〜約40重量%の間である。
【0028】
糖アルコールが結合剤として用いられるか否かに拘わらず、一以上の糖アルコール(例えば、前記のような)が、具体的な態様中に含まれる。糖アルコールは、それ自体で甘味特性および味マスキング特性を有し、それらが、本件における使用に特に適するようにする。カルシウム含有化合物を含む組成物中(あるいは、得られる顆粒中)の糖アルコールの濃度は、例えば約5重量%〜約35重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約25重量%のような、約5重量%〜約40重量%である。
【0029】
以下の実施例に示すように、スクリュー押出機は混練領域を使用しないのが好ましい。混練の使用はより強いがより高い錠剤に導く。しかしながら、混練のために必要なスクリュー構成部分は、押出しの間に激しい摩擦を引き起こす。これは、溶融した糖アルコールの潤滑効果によって解決できるだけであり、このことは、適用され得る糖アルコールがどれだけ低い量かの制限を意味する。
【0030】
もう一つの観点において、本発明は、本明細書に記載の方法の造粒工程により得られる顆粒を提供する。ここで、個々の顆粒は少なくとも部分的に糖アルコールで覆われており、得られる顆粒の多孔性は、流動床および/または高剪断混合機法を用いて、その他の全ての条件は変えずに得られるものより低い。
【0031】
カルシウム含有化合物を含む錠剤は、カルシウム含有組成物自体からなり得るか、またはそれは、ここに記載されたような一以上の医薬的に許容される賦形剤も含み得る。もし、組み合わせの製品、すなわち一より多い医薬的、予防的および/または診断的に活性な物質を含む製品を製造することを望むなら、その組成物は、一以上のそのような物質も含み得る。このために、カルシウムと例えばビタミンDのような栄養剤とを含む組み合わせの製品が既に市場にあり、治療において有効であることが証明されていることが言及されるべきである。しかしながら、ビタミンDの湿気および酸化に対する感受性のため、通常、ビタミンDは、例えば顆粒を錠剤に圧縮するまえに、顆粒に加えられる。すなわち、ビタミンDは、本発明による方法の造粒工程に付されない。
【0032】
カルシウム含有化合物
本発明により製造される顆粒組成物中に含まれるカルシウム含有化合物は、治療的および/または予防的に活性な、生理学的に忍容され得るカルシウム含有化合物である。
【0033】
カルシウムは、イオン化カルシウムおよびカルシウム複合体の両方として、身体の多くの重要な機能に必須である(Campell AK.Clin Sci 1987; 72:1-10)。細胞の挙動および成長はカルシウムにより調節される。トロポニンと共同して、カルシウムは筋収縮および弛緩を制御する(Ebashi S. Proc R Soc Lond 1980; 207:259-86)。
【0034】
カルシウム選択チャンネルは、細胞膜の一般的な特徴であり、神経組織の電気的活性および神経分泌顆粒の放電は、細胞内外のカルシウムレベルのバランス機能である(Burgoyne RD. Biochim Biophys Acta 1984;779:201-16)。ホルモンの分泌と重要な酵素および蛋白質の活性は、カルシウムに依存する。最後に、リン酸カルシウム複合体としてのカルシウムは、骨格の硬さおよび強さを与える(Boskey AL. Springer, 1988:171-26)。骨は、全身カルシウムの99%以上を含むので、骨格のカルシウムは、主な長期的カルシウム貯蔵所としても働く。
【0035】
例えば、炭酸カルシウムまたはリン酸カルシウムのようなカルシウム塩は、特に、骨粗鬆症を患っているかまたは恐れのある患者のカルシウム源として用いられる。さらに、炭酸カルシウムは、制酸錠剤中の酸中和剤として用いられる。
【0036】
前記のように、カルシウムは、哺乳類の体内、特にヒトにおいて、多くの重要な機能を有する。さらに、多くの動物モデルにおいて、慢性の低カルシウム摂取はオステオペニアを生じる。オステオペニアは、皮質骨より海綿骨に影響を及ぼし、カルシウムの補足で完全に可逆的になり得ない。もし、その動物が成長していけば、減じられたカルシウムの摂取は発育阻害を招く。早産新生児において、高いカルシウムの摂取は、骨格のカルシウム付着の増加を大きくし、もし十分高ければ、在胎のカルシウム保持と等しくできる。成長の間に慢性的なカルシウムの不足はくる病を招く。思春期前後の両方の健康な子供にカルシウムの補給は、骨の質量の増加に導く。思春期において、カルシウムの摂取が高いほど、初潮直後に生じる一番高い保持をもって、カルシウムの保持が大きくなる。
【0037】
総合すれば、これらのデータは、子供および思春期において、カルシウムの適切な摂取が考慮されれば、骨質量のピークを、カルシウムで食生活を補完することにより、最適にすることができることを提案する。成長の間に骨格中のカルシウムの沈着を最適にすることに関与するメカニズムは知られていない。それらは、多分、もしカルシウムの供給が高ければ、類骨の最適な石灰化を保証するミネラル化工程の先天的な性質である。カルシウム欠乏の状態での成長の発育阻害に応答する因子も知られていないが、骨格の大きさを調節する成長因子を明らかに含む。
【0038】
大人において、カルシウムの補給は、年齢に関する骨損失の速度を減少させる(Dawson-Hughes B. Am J Clin Nut 1991;54:S274-80)。カルシウムの補給は、食物から最適なカルシウム摂取を達成することができないか、またはできないであろう個体にとって重要である。さらに、カルシウムの補給は、骨粗鬆症等の予防および治療において重要である。
【0039】
その上、カルシウムは、大腸内で抗癌作用を有し得る。いくつかの予備的な研究は、高カルシウム食またはカルシウム補充の摂取は、大腸・直腸癌の減少に関係することを示している。アセチルサリチル酸(ASA)および他の非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)と組み合わせたカルシウムが直腸結腸癌の危険性を減少させる証拠が増えている。
【0040】
最近の調査研究は、カルシウムが月経前症候群(PMS)を緩和し得ることを提案している。いくらかの研究者は、カルシウム調節の乱れが、PMS症状の進展における根本的な要因であると信じている。ある研究において、米国全体の閉経前の女性の446人グループの半分が三回の月経周期について追跡され、周期を通して毎日1200 mgのカルシウム補給物が与えられた。最終結果は、プラセボを摂取した女性の48%がPMS関連症状を示した。カルシウム錠剤を摂取した人では30%のみだった。
【0041】
例えば、炭酸カルシウムのようなカルシウム塩は錠剤で用いられ、高用量のカルシウムを必要とするため、そのような錠剤は、たいてい、チュアブル錠の形態である。チョーク(chalk)の独特の優勢な味またはフィーリングなしに、快適な味と許容可能なマウスフィーリングを有するカルシウム塩を含むチュアブル錠に製剤化することは難問である。
【0042】
本発明による使用のためのカルシウム含有化合物は、例えばビスグリシノカルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム、カルシウムコーネート(calcium cornate)、フッ化カルシウム、カルシウムグルビオネート(calcium glubionate)、グルコン酸カルシウム、カルシウムグリセロホスフェート、リン酸水素カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト、乳酸カルシウム、カルシウムラクトビオネート(calcium lactobionate)、カルシウムラクトグルコネート、リン酸カルシウム、カルシウムピドレート(calcium pidolate)、ステアリン酸カルシウムおよびリン酸三カルシウムであり得る。
【0043】
その他のカルシウム源は、水溶性カルシウム塩、または例えばアルギン酸カルシウム、カルシウム-EDTA等のような複合体、または例えば有機リン酸カルシウムのようなカルシウムを含む有機化合物であり得る。骨粉、ドロマイトおよびその他の粗製カルシウム源の使用は、それら供給源が鉛およびその他の毒性汚染物質を含み得るので、思いとどまらされる。しかしながら、そのような供給源は、もしそれらが所望の度合に精製されれば、適切であり得る。
【0044】
カルシウム含有化合物は、単独またはその他のカルシウム含有化合物と組み合わせて用いられ得る。
ビスグリシノカルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム、カルシウムコーネート、フッ化カルシウム、カルシウムグルビオネート、グルコン酸カルシウム、カルシウムグリセロホスフェート、リン酸水素カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト、乳酸カルシウム、カルシウムラクトビオネート、カルシウムラクトグルコネート、リン酸カルシウム、カルシウムピドレート、ステアリン酸カルシウムおよびリン酸三カルシウムが特に興味がある。異なるカルシウム含有化合物の混合物も用いられ得る。以下の実施例に示すように、炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウムが、カルシウム含有化合物としての使用に特に適しており、炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム(Ca5(PO4)OH)およびβ-リン酸三カルシウム(Ca3(PO4))は高いカルシウム含有量を有する。一方、リン酸二カルシウム(CaHPO4)のカルシウム含有量はより低いが、高密度品質で利用できる。
【0045】
炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウムが特に興味がある。
通常、本発明により製造される錠剤は、例えば約150〜約800 mg、約200〜約700 mg、約200〜約600 mgまたは約200〜約500 mg Caのような、約100〜約1000 mg Caに相当する量のカルシウム含有化合物を含む。
炭酸カルシウム
炭酸カルシウムは三つの異なる結晶構造:カルサイト、アラゴナイトおよびバテライトで存在し得る。鉱物学的に、これらは、結晶構造中のカルシウム、炭素および酸素原子の明確な配列に関する特異なミネラルの様相である。これらの明確な様相は、結晶形の形状および対称性に影響を及ぼす。
【0046】
例えば、カルサイトは四つの異なる形状:偏三角面体状、プリズム状、球状および菱面体状で入手可能であり、アラゴナイト結晶は、例えば別々かまたは房になった針状形として得られる。例えば立方体形(ScoraからのScoralite 1A+B)のような他の形状も入手可能である。
【0047】
以下の例に示されるように、炭酸カルシウムの特に適した品質は、例えば50 μm以下または40 μm以下のような、60 μm以下の平均粒子径を有する炭酸カルシウムである。
さらに、炭酸カルシウムの興味ある品質は、2 g/mLより小さい嵩密度を有する。
【0048】
10〜30 μmの平均粒子径、0.4〜0.7 g/mLの見掛け嵩密度、および0.3 m2/gの比表面積を有する、炭酸カルシウム2064 Merck(ドイツ、ダルムシュタット、メルクより入手可能);
約3.9 μmの平均粒子径および0.4〜0.7 g/mLの見掛け嵩密度を有する、炭酸カルシウム2069 Merck(ドイツ、ダルムシュタット、メルクより入手可能);
【0049】
Scoralite 1A(フランス、Scora Watrigant SAより入手可能)は、5〜20 μmの平均粒子径、0.7〜1.0 g/mLの見掛け嵩密度、および0.6 m2/gの比表面積を有する;
Scoralite 1B(フランス、Scora Watrigant SAより入手可能)は、10〜25 μmの平均粒子径、0.9〜1.2 g/mLの見掛け嵩密度、および0.4〜0.6 m2/gの比表面積を有する;
Scoralite 1A+1B(フランス、Scora Watrigant SAより入手可能)は、7〜25 μmの平均粒子径、0.7〜1.2 g/mLの見掛け嵩密度、および0.35〜0.8 m2/gの比表面積を有する;
【0050】
Pharmacarb LL(Mahawah New Jersie、Chr. Hansenから入手可能)Lは、12〜16 μmの平均粒子径、1.0〜1.5 g/mLの見掛け嵩密度、および0.7 m2/gの比表面積を有する;
Sturcal H(Pensylvania、Bethlehem、Specialty Mineralsから入手可能)は、約4 μmの平均粒子径、0.48〜0.61 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
Sturcal F(Pensylvania、Bethlehem、Specialty Mineralsから入手可能)は、約2.5 μmの平均粒子径、0.32〜0.43 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
【0051】
Sturcal M(Pensylvania、Bethlehem、Specialty Mineralsから入手可能)は、7 μmの平均粒子径、0.7〜1.0 g/mLの見掛け嵩密度、および1.5 m2/gの比表面積を有する;
【0052】
Sturcal L(Pensylvania、Bethlehem、Specialty Mineralsから入手可能)は、約7 μmの平均粒子径、0.78〜0.96 g/mLの見掛け嵩密度を有し、Sturcal Lは偏三角面体状の結晶からなる;
【0053】
Socal P2PHV(ベルギー、ブリュッセル、Solvayから入手可能)は、1.5 μmの平均粒子径、0.28 g/mLの見掛け嵩密度、および7.0 m2/gの比表面積を有し、Socal P2PHVは偏三角面体状の結晶からなる;
【0054】
Mikhart 10、SPL、15、40および65 (フランス、Provencale、Provencaleから入手可能);
Mikhart 10は10 μmの平均粒子径を有する、
Mikhart SPLは20 μmの平均粒子径を有する、
Mikhart 15は17 μmの平均粒子径を有する、
Mikhart 40は30 μmの平均粒子径、1.1〜1.5 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
Mikhart 65は60 μmの平均粒子径、1.25〜1.7 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
【0055】
Hubercal Elite 500(アメリカ、J.M.Huber Corpより入手可能)は、5.8 μmの平均粒子径および1.8 m2/gの比表面積を有する;
Hubercal Elite 500(アメリカ、J.M.Huber Corpより入手可能)は、8.2 μmの平均粒子径および1.3 m2/gの比表面積を有する;
【0056】
Omyapure 35(フランス、パリ、Omya S.A.Sから入手可能)は、5〜30 μmの平均粒子径、および2.9 m2/gの比表面積を有する;
【0057】
10〜30 μmの平均粒子径、0.9〜1.2 g/mlの見掛け嵩密度、および0.7 m2/gの比表面積を有する、Calci Pure 250 Heavy、Calci Pure 250 Extra HeavyおよびCalci Pure GCC HD 212(セントルイス モンタナ、Particle Dynamic Inc.から入手可能)。
【0058】
リン酸カルシウム
約70 μmの平均粒子径および約1.3 g/mlの嵩密度ならびに多結晶質で多孔質な性質を有する、DI-CAFOS A (CaHPO4)(ドイツ、Buddenheim、Chemische Fabrik Buddenheim KGから入手可能);
平均粒子径<7 μmおよび約0.9 g/mlの嵩密度を有する、DI-CAFOS PA (CaHPO4)(ドイツ、Buddenheim、Chemische Fabrik Buddenheim KGから入手可能);
【0059】
平均粒子径<6 μmおよび約0.25 g/mlの嵩密度ならびに多結晶質で多孔質な性質を有する、TRI-CAFOS P (Ca5(PO4)3OH)(ドイツ、Buddenheim、Chemische Fabrik Buddenheim KGから入手可能);
約70 μmの平均粒子径および約0.5 g/mlの嵩密度を有する、TRI-CAFOS S (Ca5(PO4)3OH)(ドイツ、Buddenheim、Chemische Fabrik Buddenheim KGから入手可能);
【0060】
平均粒子径<5 μmおよび約0.6 g/mlの嵩密度を有する、CAFOS DB (Ca3(PO4)2) (ドイツ、Buddenheim、Chemische Fabrik Buddenheim KGから入手可能);
その他の品質も、本発明による使用に適し得る。
【0061】
本発明により製造される錠剤中のカルシウム含有化合物の量は、例えば約65重量%〜約98重量%、約70重量%〜約95重量%、約75重量%〜約95重量%のような、約60重量%〜約100重量%の範囲であるか、または少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%もしくは少なくとも約75重量%である。
【0062】
通常、治療または予防目的のためのカルシウムの用量は、一日当たり、約350 mg(例えば新生児)〜約1200 mg(授乳中の女性)である。錠剤中のカルシウム含有化合物の量は、錠剤が一日1〜4回、好ましくは一日1または2回の投与に適する量に調整され得る。
【0063】
前記のように、本発明による方法の造粒工程で得られる顆粒は、そのままで用いられ得るが、例えば、錠剤、カプセルまたはサシェのような固形投与形態へさらに加工することにも非常に適している。
【0064】
本実施例において、チュアブル錠または飲み込み可能な錠剤をそれぞれ製造するために考慮に入れるために重要なパラメータおよび好適な設定を選択する仕方の手引きが与えられる。この手引きを基に、当業者は、所望のカルシウム含有製品を得るために、その組成および種々の工程パラメータを調整する仕方を知るだろう。
【0065】
本発明の一つの観点において、本方法の造粒工程により得られる顆粒は、錠剤に製造されることを意図している。しばしば、得られる顆粒の付着を避け、そして/または流動性を増加するために、一以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば滑沢剤)を加えることが必要である。したがって、本方法は、得られる顆粒と一以上の医薬的に許容される賦形剤とを混合する工程も含み得る。
【0066】
カルシウム含有化合物以外の活性な物質を含むことが望まれる場合、本方法は、得られる顆粒に一以上の治療的、予防的および/または診断的に活性な物質を加える工程も含み得る。
そのような物質は、例えば、一以上のビタミンまたはミネラルのような、一以上の栄養剤を含む。具体的な態様において、さらなる活性物質は、例えばビタミンD3、ビタミンD2またはそれらの誘導体のようなビタミンDである。
【0067】
ビタミンDまたはその他の活性物質
本発明により製造される顆粒または錠剤は、さらなる医薬的および/または予防的に活性な物質を含み得るか、またはそれは、例えば一以上のビタミンまたはミネラルのような一以上の栄養剤を含み得る。例えばビタミンB、ビタミンC、ビタミンDおよび/またはビタミンK、ならびに例えば亜鉛、マグネシウム、セレン等のようなミネラルが特に興味がある。
【0068】
例えばビタミンD2(エルゴカルシフェロール)ならびにロシュ(Roche)から入手可能な乾燥ビタミンD3、100 CWSおよびBASFから入手可能な乾燥ビタミンD3 100 GFPを含むビタミンD3(コレカルシフェロール)のような、一以上のビタミンD化合物が特に興味がある。
【0069】
カルシウムおよび骨格の恒常性への作用に加えて、ビタミンDは、身体のいくつかの主なシステムの調節に関与する。ビタミンDの作用は、主に腎臓で作られる1,25-(OH)2 ビタミンD とビタミンD受容体(VDR)とで形成される複合体によるゲノムでメディケート(medicated)される。ビタミンD受容体は多くのセルタイプ中に広く分布している。1,25-(OH)2 ビタミンD/VDR複合体は、細胞分化および免疫系において重要な調節の役割を有している。これらの作用のいくつかは、多分、腎臓よりも他のある組織の、局所的に1,25-(OH)2 ビタミンDを作り、傍分泌として作用する能力に依存する(Adams JSら、Endocrinology 1996;137:4514-7)。
【0070】
ヒトにおいて、ビタミンDの欠乏は、小児においてくる病および大人において骨軟化症をもたらす。基本的な異常は、石灰化は骨芽細胞により行なわれるので、類骨から離れる石灰化速度の遅れである(Peacock M. London Livingstone, 1993:83-118)。この遅れが、骨芽細胞における、1,25-(OH)2 ビタミンD-依存メカニズムの破綻によるか、もしくは吸収不良の次のカルシウムおよびホスフェートの供給の減少によるか、または二つの組み合わせによるかどうかは明らかではない。石灰化の遅れに伴い、カルシウムおよびホスフェートの供給減少、低カルシウム血症および低リン酸塩血症を伴う重篤な二次性上皮小体機能亢進症および骨交替(turnover)の増加がある。
【0071】
ビタミンDの不足、ビタミンD欠乏の前臨床段階も、欠乏で見られるより緩和な度合ではあるが、カルシウム供給の減少および二次性上皮小体機能亢進症を引き起こす。もし、この状態が慢性になれば、オステオペニアを生じる。このカルシウムの不足状態の根底にある生化学的プロセスは、多分、その基質の25-OHDの還元による1,25-(OH)2 ビタミンDの不適切なレベルである(Francis RMら、Eur J Clin Invest 1983; 13:391-6)。
【0072】
ビタミンD不足の状態は、高齢者において、最も一般的に見られる。年齢に伴い、日光曝露の減少および起こり得る皮膚合成の減少により、血清25-OH ビタミンDが減少する。さらに、高齢者において、カルシウム取り込みの減少および逆説的なカルシウム吸収の減少により、この状態は悪化させられる。腎の1,25-(OH)2 ビタミンD産生の減少を生じる、年齢に伴う腎機能の減少が要因となり得る。
【0073】
高齢者の骨損失における、ビタミンD補給の効果の多くの研究がある。あるヒトはカルシウムの補給なしに、他のヒトはカルシウムの補給を伴う。その研究から、ビタミンD補給は欠乏および不足を覆すのに必要ではあるが、主な骨格の異常はカルシウム欠乏であるので、骨格に関する限りは、カルシウムを補給することがましてやなおさら重要であることが分かる。
【0074】
臨床試験に基づく文献において、最近の発見は、高齢の患者に対して、より高用量のビタミンDの必要性の傾向を提案している(Compston JE. BMJ 1998;317:1466-67)。ビタミンD 150.000〜300.000 IUの毎年の注射(約400〜800 IU/日に相当)のオープン準ランダム研究は、治療患者において、体全体の骨折率の有意な減少を示したが、股関節骨折の率には有意な減少を示さなかった(Heikinheimo RJら、Calcif Tissue Int 1992; 51:105-110)。
【0075】
前記から分かるように、カルシウムとビタミンDの組み合わせに興味がある。カルシウムとビタミンD3の推奨される一日許容量(recommended Daily Allowance (RDA))は次のとおりである(欧州委員会、欧州共同体中の骨粗鬆症の報告、予防のための処置、欧州共同体の公報局、ルクセンブルグ 1988):
【0076】
グループ年齢(歳) カルシウム(mg)* ビタミンD3 (μg)
新生児 0-0.5 400 10-25
0.5-1.0 360-400 10-25
小児 1.0-3.0 400-600 10
4.0-7.0 450-600 0-10
8.0-10 550-700 0-10
【0077】
男性 11-17 900-1000 0-10
18-24 900-1000 0-15
25-65 700-800 0-10
65+ 700-800 10
女性 11-17 900-1000 0-15
18-24 900-1000 0-10
25-50 700-800 0-10
51-65 800 0-10
65+ 700-800 10
妊婦 700-900 10
授乳婦 1200 10
* カルシウムのRDAは、国によって変わり、多くの国で再評価中である。
【0078】
ビタミンDは湿気に非常に感受性であり、分解される。それゆえ、ビタミンDは保護マトリックスの状態でしばしば投与される。したがって、ビタミンDを含んで錠剤が製造されるとき、錠剤化工程の間に適用される圧縮力が、マトリックスの保護効果を減少せず、それによりビタミンDの安定性を損なわないことが、最も重要である。
【0079】
このために、本発明により製造される顆粒または錠剤中の種々の成分の組み合わせは、錠剤化の間に比較的低い圧縮力を用い、適当な機械的強度(破砕強度、破砕性等)を有する錠剤を達成することができるので、ビタミンDもその組成物中に組み込まれる場合に、非常に適していることが証明された。
【0080】
したがって、圧縮工程は、錠剤の直径および所望の高さに関して調整される圧縮力で行われ、それゆえ、適用される圧縮力は、最大で約50 kN、最大で約40 kN、最大で約30 kNまたは最大で約20 kNのような最大でも約25 kNである。
【0081】
具体的な態様において、本発明は、
i)活性物質としてカルシウム含有化合物、
ii)ビタミンD、および
iii)任意に、一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含む錠剤を提供する。
【0082】
より具体的には、本錠剤は、
i)少なくとも200 mgのカルシウム含有化合物(通常の範囲200〜1500 mg)、
ii)少なくとも5 μgのビタミンD(通常の範囲5〜100 μg - 1 μg=40 IU)、および
iii)任意に、一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含み得る。
【0083】
具体的な態様において、本発明は、成分の全量が約100重量%に相当する条件で、
i)約50重量%〜約90重量%のカルシウム含有化合物、
ii)約0.00029重量%〜約0.0122重量%のビタミンD、および
iii)任意に、一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含む錠剤を提供する。
【0084】
特に、本錠剤は、成分の全量が約100重量%に相当する条件で、
i)約50重量%〜約90重量%のカルシウム含有化合物、
ii)約5〜40重量%の甘味剤
iii)約0.12重量%〜約4.9重量%の保護マトリックスを含むビタミンD、
iv)任意に、一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含み得る。
【0085】
本発明による錠剤の製造
本発明による方法は、任意に一以上の医薬的に許容される賦形剤と混合されている、ここに記載のようにして得られる顆粒の圧縮をも含み得る。
【0086】
一般的に、錠剤は、顆粒が溶融造粒により得られる条件で、当業者に既知のあらゆる適当な方法により製造できる。当業者は、任意にRemington's The Science and Practice of Pharmacy (2003)からの手引きを用いて、異なる技術を採用する仕方を知るだろう。
【0087】
通常、錠剤中のカルシウム含有化合物の量は、例えば約150〜約800 mg、約200〜約700 mg、約200〜約600 mgまたは約200〜約500 mg Caのような、約100〜約1000 mg Caに相当する。
【0088】
本発明の具体的な態様において、錠剤の破砕強度は
i)カルシウム含有化合物を含む組成物中に含まれるソルビトールの濃度、
ii)カルシウム含有化合物を含む組成物中に含まれるキシリトールの濃度、
iii)顆粒にエキストラ顆粒状(extragranularly)で加えられるソルビトールの濃度、
iv)顆粒にエキストラ顆粒状で加えられるキシリトールの濃度
の少なくとも一つのバランスをとることによって調整される。
【0089】
医薬的に許容される賦形剤
本文脈において、「医薬的に許容される賦形剤」の用語は、それ自体があらゆる治療的および/または予防的効果を実質的に有しない意味で不活性である、あらゆる物質を意味する。医薬的に許容される賦形剤は、許容可能な技術的性質を有する医薬組成物を得ることを可能にする目的で、活性薬物に加えられ得る。
【0090】
通常、カルシウム含有化合物は、錠剤への圧縮前に、一以上の医薬的に許容される賦形剤と混合される。そのような賦形剤は、例えば充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、芳香剤、着色剤のような固形剤の製剤化に通常用いられるものを含み、甘味料、pH調整剤、緩衝剤、安定化剤等を含む。
【0091】
本発明により製造される錠剤における使用に適した賦形剤の例は次のとおりである。
【表1】

【0092】
以下の実施例から判るように、キシリトールの使用は、破砕強度の弱い錠剤を生じるようである。破砕強度の改善は、ソルビトールを含む顆粒を加えること(特に、各々が15%の糖アルコールを含む顆粒のブレンド)により得ることができる。したがって、具体的な態様において、カルシウム含有化合物を含む組成物は、
i)ソルビトールおよび/または
ii)キシリトール
をさらに含む。
本発明による方法は、得られる顆粒に(すなわち、溶融造粒工程の後に)、キシリトールおよび/またはソルビトールを加える工程も含み得る。
【0093】
甘味剤
好適な甘味料の例は、デキストロース、エリトリトール、フルクトース、グリセリン、グルコース、イノシトール、イソマルト、ラクチトール、乳糖、マルチトール、マルトース、マンニトール、ソルビトール、ショ糖、タガトース、トレハロース、キシリトール等を含む。ソルビトール、例えば、Neosorb P100T、Sorbidex P166B0およびSorbogem Fines Crystalline Sorbitolは、Roquette Freres, CerestarおよびSPI Polyols Inc.からそれぞれ入手可能である。Maltisorb P90(マルチトール)はRoquette Freresから入手可能、Xylitol CM50、Fructofin CM(フルクトース)およびLactitol CM50はDanisco Sweetenersから入手可能、Iaomalt ST-PF、Gaio TagatoseおよびManitolはPalatinit, Arla FoodsおよびRoquette, Freresからそれぞれ入手可能である。
【0094】
ソルビトールは(ショ糖と比較して)0.55の甘味効果を有し;マルチトールは≦1の甘味効果を有し;キシリトールは1の甘味効果を有し;イソマルトは<0.5の甘味効果等を有する。甘味効果は、個々の甘味剤の選択と関連して価値があり得る。したがって、もし錠剤の減少した重量と容量を望むなら、高い甘味効果を有する甘味剤を選択することが好適である。
【0095】
人工甘味料
アセスルファムカリウム、アリテーム、アスパルテーム、シクラミン酸、シクラミン酸塩(例えばシクラミン酸カルシウム、シクラミン酸ナトリウム)、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジン塩酸塩、サッカリン、サッカリン塩(例えばサッカリンアンモニウム、サッカリンカルシウム、サッカリンカリウム、サッカリンナトリウム)、スクラロース(sucralose)、タウマチンおよびそれらの混合物。
【0096】
芳香剤
アプロコット(Aprocot)、レモン、レモン/ライム、ライム、オレンジ、マンダリン、例えば、Firmenich, Kerpen, Germanyから入手可能なアプロコット501.110 AP0551、レモン501.051 TP0551、レモン501.162 AP0551、レモン/ライム501.053 TP0551、ライム501.054 TP0551、オレンジ501.071 AP0551、オレンジTP0551、オレンジ501.434 P0551、マンダリン501.AP0551、レモン デュラローム(Durarome)501.282 TDI1091、またはTasteTech, Bristol, Englandから入手可能なジューシー レモン フレバリング(Juicy Lemon Flavouring)T3602、またはGivaudan Schweiz AG, Kemptthal, Schweizから入手可能なレモン ライム フレーバー パームシール(Lemon Lime Flavour Permseal)11029-31、レモン フレーバー パーマシール(Lemon Flavour Permaseal)12028-31、レモン フレーバー ウルトラドシール(Lemon Flavour Ultradseal)96918-71、またはFrey + Lau Gmbh, Henstedt-Ulzburg, Germanyから入手可能なレモン フレーバー パウダー(Lemon Flavour Powder)605786、レモン フレーバー パウダー605897。
【0097】
崩壊剤
アルギン酸−アルギネート、カルボキシメチルセルロース カルシウム、カルボキシメチルセルロース ナトリウム、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、信越化学から入手可能なLH11、LH20、LH21、LH22、LH30、LH31、LH32)のようなセルロース誘導体および微結晶性セルロース、ポラクリリン カリウムまたはナトリウム、ポリアクリル酸、ポリカーボフィル、ポリエチレングリコール、ポリビニル酢酸、ポリビニルピロリドン(例えばPolyvidon(登録商標)CL、Polyvidon(登録商標)CL-M、Kollidon(登録商標)CL、Polyplasdone(登録商標)XL、Polyplasdone(登録商標)XL-10);カルボキシメチル澱粉ナトリウム(例えばPrimogel(登録商標)およびExplotab(登録商標))、クロスカルメロース ナトリウム(すなわち、架橋したカルボキシメチルセルロース ナトリウム塩、例えばAc-Di-Sol(登録商標))、ナトリウム澱粉グリコレート、澱粉(例えば馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、コメ澱粉)、α化澱粉。
【0098】
当業者は、圧縮性錠剤が30分以内、より望ましくは15以内、最も望ましくは5分以内に崩壊することが好ましいことを理解するであろう。それゆえ、好ましくは、用いられる崩壊剤は、30分以内、より好ましくは15分以内、最も好ましくは5分以内に錠剤の崩壊をもたらす。しかしながら、咀嚼のみのための錠剤に対しては、幾分長い崩壊時間が許される。
【0099】
発泡剤(例えば炭酸水素ナトリウム(炭酸塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属)とクエン酸(酒石酸、フマル酸等)との混合物)。
【0100】
グリダント(Glidant)および滑沢剤
ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、タルク、高融点を有するワックスおよびグリセリド、水素化植物油、コロイドシリカ、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコールおよびアルキルサルフェートのようなグリダントおよび滑沢剤が組み込まれ得る。
好適な滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、水素化植物油等を含む。好ましくは、ステアリン酸マグネシウムが用いられる。
【0101】
充填剤/希釈剤/結合剤
デキストリン、マルトデキストリン(例えばLodex(登録商標)5およびLodex(登録商標)10)、デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、エリトリトール、イソマルト、ラクチトール、乳糖(例えば噴霧乾燥乳糖、α-乳糖、β-乳糖、Tabletose(登録商標)、種々のグレードのPharmatose(登録商標)、MicrotoseまたはFast-Floc(登録商標))、マルチトール、マルトース、マンニトール、ソルビトール、ショ糖、タガトース、トレハロース、キシリトール、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(例えば信越化学から入手可能なLH11、LH20、LH21、LH22、LH30、LH31、LH32)、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102またはAvicel(登録商標)PH105のような種々のAvicel(登録商標)、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tai(登録商標)およびSolka-Floc(登録商標))、澱粉または加工澱粉(例えば馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、コメ澱粉、α化澱粉)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、寒天(例えばアルギン酸ナトリウム)、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム(例えば、塩基性リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム)、硫酸カルシウム、カルボキシアルキルセルロース、デキストレート、二塩基性リン酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド(例えばデキストラン、大豆ポリサッカライド)、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム。
【0102】
界面活性剤/エンハンサー
次のような界面活性剤が用いられ得る:
非イオン性(例えばポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、ポリソルベート120、ソルビタン モノイソステアレート、ソルビタン モノラウレート、ソルビタン モノパルミテート、ソルビタン モノステアレート、ソルビタン モノオレエート、ソルビタン セスキオレエート、ソルビタン トリオレエート、グリセリル モノオレエートおよびポリビニルアルコール)、
【0103】
アニオン性(例えばドキュセートナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウム)
カチオン性(例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムおよびセトリミド)
脂肪酸、脂肪アルコールおよび脂肪エステル、例えば:
オレイン酸エチル、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸、ラウリル酸メチル、オレイン酸、カプリン酸ナトリウム
【0104】
ジオクチル カルシウム スルホスクシネート、ジオクチル カリウム スルホスクシネート、ドデシルトリメチルアンモニウム ブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム ブロマイド、トリメチルテトラデシルアンモニウム ブロマイド、ポリオキシエチレン エーテル(ポリオキシエチレン-9-ラウリル エーテル)、ドデシル硫酸ナトリウム、ナトリウム ジオクチル スルホスクシネート、ラウリル酸ナトリウム、5-メトキシサリチル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム;
【0105】
胆汁酸塩、例えば:
デオキシコール酸ナトリウム、デオキシコール酸、コール酸ナトリウム、コール酸、グリココール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム;
細胞粘着剤、例えば:
レクチン(例えばトマト凝集素(Lycopersicon Esculentum Agglutinin)、小麦胚凝集素(Wheat Germ Agglutinin)、ウルチカ ジオイカ凝集素(Urtica Dioica Agglutinin))。
【0106】
N-アシル化アミノ酸(特に、N-[8-(2-ヒドロキシ-4-メトキシ)ベンゾイル]アミノカプリル酸(4-MOAC)、4-[4-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ]酪酸、N-[8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ]-カプリル酸ナトリウム);
【0107】
リン脂質、例えば:
ヘキサデシルホスホコリン、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、1,2-ジ(2,4-オクタデカジエノイル)-sn-グリセロール-3-ホスホリルコリンおよびホスファチジルコリン(例えばジデカノイル-L-ホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン)、リゾホスファチジルコリンが特に興味がある;
【0108】
シクロデキストリン、例えば:
β-シクロデキストリン、ジメチル-β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル β-シクロデキストリン、メチル シクロデキストリン;特に、ジメチル-β-シクロデキストリンが特に興味がある;
フシジン酸誘導体、例えば:
タウロジヒドロフシジン酸ナトリウム、グリコジヒドロフシジン酸ナトリウム、ホスフェート-ジヒドロフシジン酸ナトリウム;特に、タウロジヒドロフシジン酸ナトリウムが特に興味がある。
【0109】
その他:
例えばグリシルリジン酸、カプリン酸のナトリウム塩、アルカン(例えばアザシクロアルカン)、アミンおよびアミド(例えばN-メチル-ピロリドン、アゾン(Azone))、アミノ酸および修飾アミノ酸化合物(例えばアセチル-L-システイン)、ポリオール(例えばプロピレングリコール、ヒドロゲル)、スルホキシド(例えばジメチルスルホキシド)、テルペン(例えばカルボン)、アンモニウム グリシルリジネート(ammonium glycyrrizinate)、ヒアルロン酸、イソプロピル ミリステート、n-ラウリル-β-D-マルトピラノシド、サポニン、DL-オクタノイルカルニチン クロライド、パルミトイル-DL-カルニチン クロライド、DL-ステアロイルカルニチン クロライド、アシルカルニチン、エチレンジアミンジヒドロ-クロライド、ホスフェート-ジヒドロフシデート、ナトリウム CAP);特に、n-ラウリル-β-D-マルトピラノシドが特に興味がある、α 1000 ペプチド、少なくとも6モル%のアスパラギン酸およびグルタミン酸を含むMW<1000 ペプチド、分解されたロイヤルゼリー、プレビオチカ(prebiotica)、ブチレート、酪酸、ビタミンD2、ビタミンD3、ヒドロキシ-ビタミンD3、1,25-ジヒドロキシ-ビタミンD3、スピルリナ、プロテオグリカン、大豆加水分解物、リジン、乳酸、ジ-フルクトース-無水物、ビリトール(vylitol)Ca-(ラクテート)、カゼインの加水分解物、特にカゼイノグリコマクロペプチド、CaCO3の陰イオン化、アセチルサリチル酸、ビタミンK、クレアチン。
【0110】
フィルム形成剤
投与形態にはコーティングを施すことができる。親水性フィルム形成剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC) (例えばHPMC E5、HPMC E15)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリデキストロースおよびマルトデキストリン、Seppic S.A.から入手可能なSepifilm(商標)およびSepifilm(商標)LP、信越化学から入手可能なPharmacoat(登録商標)、Colorconから入手可能なOpadry(登録商標)、BASFから入手可能なKolicoat(登録商標)。
【0111】
フィルム添加剤
アセチル化モノグリセリド、アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、安息香酸ベンジル、ステアリン酸カルシウム、ひまし油、セタノール、クロレブタノール、コロイドシリカ、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、シュウ酸ジエチル、リンゴ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、マロン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、フタル酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、グリセリン、グリセロールトリブチレート、グリセロールトリアセテート、グリセリル ベハネート、モノステアリン酸グリセリル、水素化植物油、レシチン、ロイシン、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレン グリコール、プロピレン グリコール、ポリソルベート、シリコーン、ステアリン酸、タルク、二酸化チタン、トリアセチン、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、ステアリン酸亜鉛、ワックス。
【0112】
本発明のその他の観点
本発明は、本発明の方法により得られる顆粒および固形投与形態にも関する。具体的には、本発明は、
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度でカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物を含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0113】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度でカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物を含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0114】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度でカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物を含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはビタミンD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0115】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度でカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物とを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0116】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも5重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0117】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも10重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0118】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも15重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0119】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも20重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0120】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、約25重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0121】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも5重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0122】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも10重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0123】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも15重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0124】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも20重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0125】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、約25重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0126】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも5重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0127】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも10重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0128】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも15重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0129】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも20重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0130】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、約25重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0131】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と少なくとも5重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0132】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と少なくとも10重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0133】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と少なくとも15重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0134】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と少なくとも20重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0135】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と約25重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
を提供する。
【0136】
さらに、本発明は、一以上の上記の顆粒または組成物を含む、錠剤、特に咀嚼錠を提供する。
本発明は、次の非限定な実施例によりさらに説明される。
【0137】
材料および方法
方法
破砕強度:Ph.Eur. 2.9.8による
錠剤の高さ:(Moore & Wright(Sheffield)Ltdにより製造された)Micro 2000を使用
【0138】
以下の実施例において、次の材料を用いた。
【表2】

【0139】
以下の非限定な実施例は、本発明を説明するためのものである。当業者のために、工程パラメータの選択の仕方ならびに好適な成分およびそれらの好適な品質の選択の仕方の手引きを与えるために、本実施例は、主に、比較的固定された成分の組成を中心に取扱われる。しかしながら、当業者は、本内容を基に、工程パラメータならびに成分およびそれらの品質の調整の仕方を知るであろう。したがって、本発明は、以下の実施例に示される特定の組成に限定されない。
【実施例】
【0140】
実施例1
溶融造粒、顆粒の粒子径、錠剤の破砕強度および錠剤の高さに対する異なる糖アルコールの影響
炭酸カルシウムおよび糖アルコールを、Bohle回転混合機中、25 rpmで15分間、バッチサイズ約2 kgで混合した。この混合物をLeistritzツインスクリュー押出機MIC 27GL/28D、8.4 kWを用いて溶融造粒した。使用された工程パラメータおよび組成を表1に示す。
【0141】
【表3】

【0142】
顆粒を室温に冷却し、篩分析により特徴付けを行なった。篩分析の結果を図1に示す。次の篩、1000 μm、500 μm、300 μm、250 μm、180 μmおよび125 μmを用いた。
【0143】
ソルビトールの顆粒とキシリトールの顆粒の1:1ブレンドを含む混合物を、Erweka回転混合機を用い、27 rpm、5分間、0.5 kg〜1 kgの間のバッチサイズで製造した。
【0144】
その顆粒を、Erweka回転混合機を用い、27 rpm、5分間、0.5 kg〜2 kgの間のバッチサイズで、0.35重量%のステアリン酸マグネシウムと混合した。回転プレスおよび14 mm丸型パンチを備えたKorsch PH106を用いて錠剤を製造した。
目的の錠剤質量:1200 mg
目的の圧縮力:10 kN、17 kNおよび24 kN
ダイテーブルrpm:20
【0145】
製造2日後に破砕強度および錠剤の高さを測定し、錠剤を特徴付けた。
その結果を図2および3に示すが、これらからマンニトールおよびソルビトールを含む錠剤が、キシリトールを含む錠剤に比べてより高い破砕強度を有することが判る。さらに、ソルビトールとキシリトールの混合物の使用は、ソルビトールとキシリトールの間の破砕強度を有する錠剤を生じる。一方、キシリトールの使用は、乏しい破砕強度の錠剤を生じる。
イソマルトの使用は、錠剤の高さを増加させ、破砕強度をソルビトールとソルビトール/キシリトール混合物の間にする。
【0146】
ソルビトールおよびマンニトールは、比較的低い圧縮力(約17 kN)においてさえも非常に硬い錠剤(200 N以上)を生じ、一方、キシリトールの使用は余りにも低い破砕強度(約23 kNの圧縮力で50 N以下)を有する錠剤を生じることをこれらの結果は示す。しかしながら、破砕強度はソルビトールとキシリトールの混合により操作できる。このことはマンニトールとキシリトールの混合物の場合にもあてはまる。
【0147】
硬い錠剤は、その低い錠剤の高さのために錠剤の飲み込み易さを増大し、このことは、大量の活性成分を含む錠剤について有利であろう。
しかしながら、より高い錠剤は、その相対的により低い硬度(およびより高い多孔性)のため、チュアブル錠を製造するときに望ましい。それゆえ、ソルビトールとキシリトールの混合に興味があり得る。
【0148】
次の表2に、用いられた糖アルコールと用いられた種々の圧縮力での錠剤の高さおよび破砕強度との関係を示す。1〜5に相当する点数が与えられ、錠剤の高さに関して、1の点数は一番低い錠剤に対応し、5が一番高いものである。一方、破砕強度に関して、1の点数は一番高い破砕強度に対応し、5が一番低いものである。
【0149】
【表4】

【0150】
上記の表は、所望の投与形態のタイプにより、使用に適した糖アルコールをどのように選択するかに関する手引きを与える。したがって、経口投与に適しかつ飲み込まれることが意図される錠剤の場合、できる限り小さい錠剤を得ることが重要であり、同時に、それらは通常の錠剤の取り扱いに耐える十分な強固さを有しなければならない。さらに、錠剤のマウスフィーリングと味のために、錠剤は口腔内ですぐに崩壊すべきではない。すなわち、錠剤は余り低すぎる破砕強度を有すべきではない。表から、例えばソルビトールおよびマンニトールのような糖アルコールが、顆粒の製造のためにツインスクリュー装置を用いるこの適用に適していることが判る。これとは対照的に、例えばイソマルトおよびキシリトールとソルビトールとの組み合わせのような糖アルコールは、味とマウスフィーリングが許容される条件で、咀嚼錠の場合に選択されるように思える。
【0151】
図1から明らかなように、イソマルトを含む顆粒についての粒子径分布(psd)は、他の三つの糖アルコールよりも粗い粒子(1000 μm以上)を含む。
予備的な感覚試験に基づき、理論に拘束されることなく、炭酸カルシウム粒子は糖アルコール顆粒中に部分的に埋め込まれるようである。このことは、溶融造粒工程およびそれに続く錠剤化工程は、炭酸カルシウムを含む糖アルコールマトリックスを生じることを意味する。
【0152】
実施例2
溶融造粒、顆粒の粒子径、錠剤の破砕強度および錠剤の高さに対する糖アルコールの異なる濃度の影響
実施例1に従って、顆粒および錠剤を製造し特徴付けた。使用した工程パラメータおよび組成を表3に示す。
【0153】
【表5】

【0154】
ソルビトール(10重量%)とキシリトール(10重量%)の顆粒の1:1ブレンドを含む混合物およびソルビトール(15重量%)とキシリトール(15重量%)の顆粒の1:1ブレンドを含む混合物を、Erweka回転混合機を用い、27 rpm、5分間、0.5 kg〜1 kgの間のバッチサイズで製造した。
その結果を図4および5ならびに以下の表4に示す。
【0155】
キシリトール、ソルビトールおよびソルビトール/キシリトール混合物ならびに参考バッチ(流動床および高剪断混合機)で得られた結果の分析は次のことを示す:
*濃度を増加することは錠剤破砕強度の増大に導くけれども、キシリトールは全ての濃度で錠剤破砕強度が乏しい錠剤を生じる。
*ソルビトールの濃度の増加は錠剤破砕強度を増加する。
・17 kNを超える圧縮力は高い錠剤破砕強度をもたらす。
【0156】
*ソルビトール15%とキシリトール15%の1:1ブレンドは中間の錠剤破砕強度をもたらす。この効果は、ソルビトール10%とキシリトール10%の1:1ブレンドよりも顕著でない。
*溶融造粒において結合剤としての糖アルコールの使用は、流動床および高剪断混合機顆粒における湿式造粒に基づく錠剤より、極めて低い錠剤の高さを有し、錠剤破砕強度が増加した錠剤をもたらす。さらに、流動床または高剪断混合機法よりも溶融造粒法の方が、必要とする糖アルコールの濃度がかなり低い。
【0157】
*糖アルコールの濃度の増加は、錠剤の高さを減少する。しかしながら、その効果はキシリトールについてはより顕著でない。
*糖アルコールの濃度の増加は、顆粒の粒子径を増大する(図8)。
【0158】
結論として、本発明による方法は、錠剤、特に飲み込むことも可能なチュアブル錠の製造においての使用に適した顆粒を製造することを可能にする。まず、例えば流動床法(WO 02/23973参照)および高剪断混合機法(InnotheraのFR2724844参照)のような湿式造粒法と比較して、減少したサイズの錠剤を得ることが可能であり、そしてこのことは患者が錠剤を咀嚼するのにより都合よくするか、または患者が錠剤を飲み込むことを可能にする。サイズの減少が、錠剤の硬さの増加なしに得られる。逆に、(破砕強度として表される)硬さは、ソルビトール15%に基づく錠剤を除いてわずかに減少するようである。すなわち、その錠剤は咀嚼することもまたずっと容易になり得る。
【0159】
【表6】

【0160】
実施例3
溶融造粒、顆粒の粒子径、錠剤の破砕強度および錠剤の高さに対する混練の影響
混練領域が挿入されたかまたはされていないLeistritzツインスクリュー押出機MIC27GL/28Dを用いて、顆粒および錠剤を製造した。錠剤を実施例1に従って特徴付けた。用いられた工程パラメータおよび組成を表5に示す。
【0161】
【表7】

結果を図6および7に示す。
混練の影響の分析は次のことを示す:
*混練は増大した破砕強度を有する錠剤をもたらす。
*混練は増大した錠剤の高さをもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】実施例1における異なる糖アルコールの篩分析の結果を示した図である。
【図2】実施例1における異なる糖アルコールの圧縮力と錠剤の高さの関係を示した図である。
【図3】実施例1における異なる糖アルコールの圧縮力と錠剤の破砕強度の関係を示した図である。
【図4】実施例2におけるキシリトール、ソルビトールおよびソルビトール/キシリトール混合物の異なる濃度ならびに参考バッチ(流動床および高剪断混合機)の圧縮力と錠剤の高さの関係を示した図である。
【図5】実施例2におけるキシリトール、ソルビトールおよびソルビトール/キシリトール混合物の異なる濃度ならびに参考バッチ(流動床および高剪断混合機)の圧縮力と錠剤の破砕強度の関係を示した図である。
【図6】実施例3における混練の効果を圧縮力と錠剤の高さの関係で示した図である。
【図7】実施例3における混練の効果を圧縮力と錠剤の破砕強度の関係で示した図である。
【図8】実施例2における糖アルコールの異なる濃度での篩分析の結果を示した図である。
【図9】種々の糖アルコールの圧密力(compaction force)と破砕強度との関係を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)カルシウム含有化合物を含む組成物を糖アルコールと一緒に溶融造粒すること、
ii)一以上の医薬的に許容される賦形剤を任意に加えること、および
iii)このようにして得られる顆粒を錠剤に圧縮すること
を含む、活性物質としてカルシウム含有化合物を含む錠剤の製造方法。
【請求項2】
溶融造粒がスクリュー押出機中での押出しで行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
錠剤中のカルシウム含有化合物の濃度が少なくとも60重量%である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
溶融造粒が、最大でも約160℃の融点を有する糖アルコールを用いて行なわれる、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
溶融造粒が、スクリュー押出機の少なくとも一つのセグメントを糖アルコールの融点を超える温度に加熱することにより成し遂げられる、請求項2〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
温度が、用いられる糖アルコールの融点より最大で50℃高い、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
糖アルコールが結合剤のような性質を有する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
溶融造粒が、イソマルト、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、エリトリトール、ラクチトール、マルチトール、およびそれらの混合物からなる群から選択される糖アルコールを用いて行なわれる、請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
溶融造粒工程中の糖アルコールの濃度が、溶融造粒に付される組成物の全量を基に、例えば約5重量%〜約35重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約25重量%のような、約5重量%〜約40重量%である、請求項1、3〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
溶融結合剤がカルシウム含有化合物を含む組成物中に含まれる、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
水溶性結合剤がカルシウム含有化合物を含む組成物中に含まれる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
結合剤が、デキストリン、マルトデキストリン(例えばLodex(登録商標)5およびLodex(登録商標)10)、デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、エリトリトール、イソマルト、ラクチトール、乳糖(例えば噴霧乾燥乳糖、α-乳糖、β-乳糖、Tabletose(登録商標)、種々のグレードのPharmatose(登録商標)、MicrotoseまたはFast-Floc(登録商標))、マルチトール、マルトース、マンニトール、ソルビトール、ショ糖、タガトース、トレハロース、キシリトール、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、信越化学から入手可能なLH11、LH20、LH21、LH22、LH30、LH31、LH32)、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標) PH101、Avicel(登録商標) PH102またはAvicel(登録商標) PH105のような種々のグレードのAvicel(登録商標)、Elcema(登録商標) P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tai(登録商標)およびSolka-Floc(登録商標))、澱粉および加工澱粉(例えば馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、コメ澱粉およびα化澱粉)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、寒天(例えばアルギン酸ナトリウム)、カルボキシアルキルセルロース、デキストレート、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、例えばデキストラン、大豆ポリサッカライドのようなポリサッカライドからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
カルシウム含有化合物を含む組成物中の結合剤の濃度が約0.5重量%〜約40重量%である、請求項7〜12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
カルシウム含有化合物を含む組成物中の糖アルコールの濃度が、例えば約5重量%〜約35重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約25重量%のような、約5重量%〜約40重量%である、請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
スクリュー押出機がツインスクリュー押出機である、請求項2〜14のいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
スクリュー押出機が混練領域を有しない、請求項2〜15のいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】
スクリュー押出機がダイプレートを備えている、請求項2〜16のいずれか一つに記載の方法。
【請求項18】
得られる顆粒に、一以上の医薬的、予防的および/または診断的に活性な物質を加える工程をさらに含む、請求項1〜17のいずれか一つに記載の方法。
【請求項19】
加えられる活性な物質が、例えば一以上のビタミンまたはミネラルのような一以上の栄養剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
活性物質が、例えばビタミンD3、ビタミンD2またはそれらの誘導体のようなビタミンDである、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
カルシウム含有化合物を含む組成物がソルビトールをさらに含む、請求項1〜20のいずれか一つに記載の方法。
【請求項22】
カルシウム含有化合物を含む組成物がキシリトールをさらに含む、請求項1〜21のいずれか一つに記載の方法。
【請求項23】
得られる顆粒にキシリトールを加える工程をさらに含む、請求項1〜22のいずれか一つに記載の方法。
【請求項24】
得られる顆粒にソルビトールを加える工程をさらに含む、請求項1〜23のいずれか一つに記載の方法。
【請求項25】
錠剤中のカルシウム含有化合物の量が、例えば約150〜約800 mg、約200 mg〜約700 mg、約200 mg〜約600 mgまたは約200 mg〜約500 mg Caのような、約100〜約1000 mg Caに相当する、請求項1〜24のいずれか一つに記載の方法。
【請求項26】
ソルビトールおよび/またはキシリトールを含む、請求項1〜25のいずれか一つに記載の方法。
【請求項27】
錠剤の破砕強度が、
i)カルシウム含有化合物を含む組成物中に含まれるソルビトールの濃度、
ii)カルシウム含有化合物を含む組成物中に含まれるキシリトールの濃度、
iii)顆粒にエキストラ顆粒状で加えられるソルビトールの濃度、
iv)顆粒にエキストラ顆粒状で加えられるキシリトールの濃度
の少なくとも一つのバランスをとることによって調整される、請求項1〜26のいずれか一つに記載の方法。
【請求項28】
個々の顆粒が糖アルコールで少なくとも部分的に覆われており、得られる顆粒の多孔性が、流動床および/または高剪断混合機法を用いて、その他の全ての条件は変えずに得られるものよりも低い、請求項1〜27のいずれか一つの工程i)で定義されたようにして得られる顆粒。
【請求項29】
最大でも20%の多孔性を有する、請求項28に記載の顆粒。
【請求項30】
医薬組成物の製造のための、請求項1〜27のいずれか一つで定義された工程i)から得られる顆粒の使用。
【請求項31】
医薬組成物が投与形態である、請求項30に記載の使用。
【請求項32】
投与形態が錠剤である、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
組成物がカルシウム含有化合物を少なくとも60重量%含む、請求項30〜32のいずれか一つに記載の使用。
【請求項34】
組成物が咀嚼錠の形態にある、請求項32または33に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−528675(P2008−528675A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553727(P2007−553727)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際出願番号】PCT/IB2006/000188
【国際公開番号】WO2006/082499
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(506390753)ニコメド ファーマ エイエス (9)
【氏名又は名称原語表記】NYCOMED PHARMA AS
【住所又は居所原語表記】Drammensveien 852,NO−1385 Asker,Norway
【Fターム(参考)】