説明

カルシトニン遺伝子関連ペプチドに対するアンタゴニスト抗体およびその使用方法

本発明は、抗CGRPアンタゴニスト抗体を投与することによって、頭痛(例えば、片頭痛、群発性頭痛、および緊張性頭痛)および顔面紅潮を含めた血管運動症状などのCGRP関連障害を予防または治療する方法を特色とする。CGRPに対するアンタゴニスト抗体G1およびG1に由来する抗体も記載する。
【図1】




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【特許請求の範囲】
【請求項1】
37℃で表面プラズモン共鳴によって測定される、ヒトα−CGRPに対する結合親和性(K)が50nM以下である抗体。
【請求項2】
配列番号1とアミノ酸配列が少なくとも90%同一であるVドメインを含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
配列番号1の99位のアミノ酸残基がLであり、またはA、N、S、T、VもしくはRによって置換され、配列番号1の100位のアミノ酸残基がAであり、またはL、R、S、V、Y、C、G、T、KもしくはPによって置換されている、請求項2に記載の抗体。
【請求項4】
配列番号2とアミノ酸配列が少なくとも90%同一であるVドメインを含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項5】
a.配列番号3で示されるCDR H1、
b.配列番号4で示されるCDR H2、
c.配列番号5で示されるCDR H3、
d.配列番号6で示されるCDR L1、
e.配列番号7で示されるCDR L2、
f.配列番号8で示されるCDR L3、ならびに
g.表6で示されるL1、L2およびH2の変異体
からなる群から選択される少なくとも1つのCDRを含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項6】
a.配列番号5で示されるVCDR3、または1つもしくは2つの保存的アミノ酸置換により配列番号5と異なる配列と、
b.配列番号8で示されるVCDR3、または1つもしくは2つの保存的アミノ酸置換により配列番号8と異なる配列と
を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項7】
配列番号1とアミノ酸配列が少なくとも90%同一であるVドメインと、配列番号2とアミノ酸配列が少なくとも90%同一であるVドメインとを含む抗体。
【請求項8】
抗体がIgG、IgM、IgE、IgA、もしくはIgD分子であり、またはそれに由来する、請求項7に記載の抗体。
【請求項9】
ATCCアクセッション番号PTA−6867の発現ベクターによって産生される重鎖を含む、請求項7に記載の抗体。
【請求項10】
ATCCアクセッション番号PTA−6866の発現ベクターによって産生される軽鎖を含む、請求項7に記載の抗体。
【請求項11】
請求項1に記載の抗体と、薬学的に許容できる添加剤とを含む医薬組成物。
【請求項12】
個体中の少なくとも1つの血管運動症状を予防または治療する方法であって、有効量の抗CGRPアンタゴニスト抗体を個体に投与するステップを含む方法。
【請求項13】
前記血管運動症状が、前兆を伴うもしくは伴わない片頭痛、片麻痺性片頭痛、群発性頭痛、片頭痛性神経痛、慢性頭痛、または緊張性頭痛である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記血管運動症状が顔面紅潮である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
抗CGRPアンタゴニスト抗体が、請求項1から10に記載の抗体のいずれかである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
抗GCRPアンタゴニスト抗体が、ATCCアクセッション番号PTA−6867およびPTA−6866の発現ベクターによって産生される抗体である、請求項12に記載の方法。

【図1】12種のマウス抗体のアラニン置換ヒトα−CGRPフラグメントに対する結合親和性を示した図である。結合親和性は、チップ上のCGRP上にFabを送流させることにより、Biacoreを用いて25℃で測定された。四角で囲まれた部分の値は、親フラグメント(25〜37(イタリック体))と比較したアラニン変異体の親和性の減失を表示している。例外として、K35Aは19〜37の親フラグメントに由来している。「a」は、19〜37および25〜37フラグメントへの親和性の値が、異なるセンサーチップ上の2種類の独立した測定による平均値±標準偏差の平均値であることを表している。「B」は、これらの反応が二相性のオフレートのために単純な二分子反応モデルから逸脱していたことを表しており、そのためそれらの親和性は立体構造変化モデルを用いて決定された。グレイスケール階調:白色(1.0)は親ペプチドの親和性、明灰色(0.5未満)は親ペプチドより高い結合親和性を、暗灰色(2を超える)は親ペプチドより低い親和性を、黒色は結合がまったく認められなかったことを表している。
【図2A−2B】CGRP8〜37(400nmol/kg)、抗体4901(25mg/kg)および抗体7D11(25mg/kg)投与による皮膚血流への影響を、30秒間の電気パルス刺激後の血液細胞の流束として測定した図である。CGRP8〜37は電気パルス刺激3〜5分前に静脈内(iv)に投与された。抗体は電気パルス刺激72時間前に腹腔内(IP)に投与された。グラフ中の各点はそれぞれ図に表したような条件下で処置された1匹のラットのAUCを表示している。グラフ中の各線はそれぞれ図に示したような条件下で処置されたラットのAUCの平均値を表示している。AUC(血中濃度時間曲線下面積)は、Δ流束×Δ時間に等しい。「Δ流束」は電気パルス刺激後の流束単位の変化を表示しており、「Δ時間」は血液細胞流束レベルが電気パルス刺激前のレベルに戻るのに要した時間を表示している。
【図3】抗体4901の異なる用量(25mg/kg、5mg/kg、2.5mg/kgまたは1mg/kg)の投与による皮膚血流への影響を、30秒間の電気パルス刺激後の血液細胞の流束として測定した図である。抗体は電気パルス刺激24時間前に静脈内(IV)に投与された。グラフ中の各点はそれぞれ図に表したような条件下で処置された1匹のラットのAUCを表示している。グラフ中の各線はそれぞれ図に示したような条件下で処置されたラットのAUCの平均値を表示している。
【図4A−4B】抗体4901(1mg/kgもしくは10mg/kg、i.v.)、抗体7E9(10mg/kg、i.v.)および抗体8B6(10mg/kg、i.v.)投与による皮膚血流への影響を、30秒間の電気パルス刺激後の血液細胞の流束として測定した図である。抗体は静脈内(i.v)に投与され、抗体投与30、60、90および120分後に電気パルス刺激が行われた。Y軸は抗体をまったく投与しなかった場合(時間0分)のAUCレベルと比較したAUCの割合を表示している。X軸は抗体投与から電気パルス刺激までの時間(分)を表示している。「*」は時間0分時の値と比較した場合のP<0.05を、「**」はP<0.01を表示している。データはダネット多重比較検定を用いて一元配置分散分析で解析が行われた。
【図5】抗体G1の重鎖可変領域(配列番号1)および軽鎖可変領域(配列番号2)のアミノ酸配列の図である。KabatのCDRは太字で書かれ、ChothiaのCDRには下腺が付されている。重鎖および軽鎖の可変領域のアミノ酸残基には順次番号が付されている。
【図6】Biacoreを使用したペプチド競合による抗体G1のエピトープマッピングの図である。N−ビオチン化ヒトα−CGRPはSAセンサーチップ上で捕捉された。G1Fab(50nM)は、競合ペプチド非存在下で、または10uMの競合ペプチドと1時間事前にインキュベートされた後、チップ上に送流された。チップ上でのG1Fabのヒトα−CGRPへの結合を測定した。Y軸は、競合ペプチド非存在下での結合と比較した、競合ペプチドの存在下で阻止された結合の割合を表示している。
【図7】抗体G1投与(1mg/kgもしくは10mg/kg、i.v.)または媒体(0.01%Tween20加PBS)の皮膚血流への影響を、30秒間の電気パルス刺激後の血液細胞の流束として測定した図である。抗体G1および媒体が静脈内(i.v.)に投与され、抗体投与30、60、90および120分後に神経電気パルス刺激が行われた。Y軸は、抗体がまったく投与されていないまたは媒体(100%と定義されている)が投与された時点(時間0分)のAUCレベルと比較したAUCの割合を表示している。X軸は、抗体投与から電気パルス刺激までの時間(分)を表示している。「*」は媒体と比較した場合のP<0.05を、「**」はP<0.01を表示している。データは二元配置分散分析およびBonferroniの事後分析を用いて解析された。
【図8A】G1抗体(1mg/kg、3mg/kgまたは10mg/kg、i.v.)または媒体(0.01%Tween20加PBS)投与の皮膚血流への影響を、投薬後24時間で行われた30秒間の電気パルス刺激後、血液細胞の流束として測定した図である。抗体G1または媒体は、神経の電気パルス刺激の24時間前に静脈内(i.v.)に投与された。Y軸は、血中濃度時間曲線下面積を表示している(血液細胞流束の変化×電気パルス刺激から血液細胞の流束がベースラインに戻るまでの時間の変化、AUC)。X軸は、抗体G1の異なる投与量を表示している。「*」は媒体と比較した場合のP<0.05を、「**」はP<0.01を表示している。データは、一元配置分散分析およびダネット多重比較検定を用いて分析された。
【図8B】抗体G1(0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kgまたは10mg/kg、i.v)または媒体(0.01%Tween20加PBS)投与の皮膚血流への影響を、投薬7日後での30秒間の電気パルス刺激後に、血液細胞の流束として測定した図である。抗体G1または媒体は、神経の電気パルス刺激の7日前に静脈内(i.v.)に投与された。Y軸は、totalAUCを表示している。X軸は抗体G1の異なる投薬量を表示している。「**」は媒体と比較した場合のP<0.01を、「***」はP<0.001を表示している。データは、一元配置分散分析およびダネット多重比較検定を用いて解析された。
【図8C】図8Aおよび8Bからのデータの曲線適合解析の図である。抗体G1または媒体は、神経の電気パルス刺激の24時間前または7日前のいずれかに静脈内(i.v.)に投与された。Y軸は、totalAUCを表示し、X軸は、EC50を決定するために、抗体G1の変動容量をmg/kg単位で対数目盛で表示している。
【図9】抗体mu7E9(10mg/kg)、BIBN4096BSまたは媒体(0.01%Tween20加PBS)の、電場刺激後の中硬膜動脈の直径の変化に対する影響を示した図である。抗体mu7E9、BIBN4096BSまたは媒体は、電場刺激後に対するベースラインの反応が確立された後、0分時点に静脈内(i.v.)に投与を行った。Y軸は、電場刺激後の中硬膜動脈の直径の変化を表示している。安静時の直径は0%に相当する。X軸は電気パルス刺激の時間(分)を表示している。「*」は媒体と比較した場合のP<0.05を、「**」はP<0.01を表示している。データは、一元配置分散分析およびダネット多重比較検定を用いて解析された。
【図10】抗体G1(1mg/kg、3mg/kgまたは10mg/kg、i.v.)または媒体(0.01%Tween20加PBS)の、電場刺激後の中硬膜動脈の直径の変化に対する影響を示した図である。抗体G1または媒体は、電場刺激の7日前に静脈内(i.v.)に投与された。Y軸は、中硬膜動脈の直径の変化を表示している。安静時の直径が0%に相当する。X軸は刺激電圧を表示している。「*」は媒体と比較した場合のP<0.05を、「**」はP<0.01を、「***」はP<0.001を表示している。データは、二元配置分散分析およびBonferroniの事後分析を用いて分析された。
【図11A】24時間前に静脈内(i.v.)に投与された抗体mu4901(10 MG/KG)または媒体(0.01%Tween20加PBS)の、モルヒネ中毒のラットにおけるナロキソン(1mg/kg)の皮下投与に誘導された中核体温の低下に対する影響を示した図である。Y軸は、ベースラインからの体温の違いを表示している。X軸は、ナロキソンの投与時点から測った時間を表示している。
【図11B】24時間前に静脈内(i.v.)に投与された抗体mu4901(10mg/kg)または媒体(0.01%Tween20加PBS)の、モルヒネ中毒のラットにおけるナロキソン(1mg/kg)の皮下投与に誘導された尾表面体温の上昇に対する影響を示した図である。Y軸は、ベースラインからの体温の違いを表示している。X軸は、ナロキソンの投与時点から測った時間を表示している。
【0305】
【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【公表番号】特表2009−515942(P2009−515942A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540715(P2008−540715)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際出願番号】PCT/IB2006/003181
【国際公開番号】WO2007/054809
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(505129415)ライナット ニューロサイエンス コーポレイション (33)
【Fターム(参考)】