説明

カルボニル化法において飛沫同伴された揮発性触媒種を封鎖するための方法及び装置

【課題】カルボニル化法において揮発性触媒種を封鎖するための方法を提供する。
【解決手段】生成物流れを、飛沫同伴された触媒種又は揮発性触媒種を封鎖する機能があるビニルピリジン又はビニルピロリドン樹脂ベッドと接触させることを含む方法及び装置。本発明は、飛沫同伴された触媒種又は揮発性触媒種の損失により触媒作用のある反応器内容物が枯渇する、メタノールのイリジウム触媒カルボニル化に関して特に有用である。かかる樹脂は、触媒金属を回収するために蒸解してもよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
技術分野
本発明は、一般的にはカルボニル化法に関し、具体的にはカルボニル化用装置において飛沫同伴された第VIII族金属触媒種又は揮発性である第VIII族金属触媒種を封鎖する方法に関する。
【0002】
背景技術
カルボニル化法は当技術分野において周知である。特に商業的に意義があるのは、メタノールをカルボニル化して酸性の酸を製造するための方法や酢酸メチルをカルボニル化して無水酢酸を製造するための方法である。Applied Homogeneous Catalyst With Organometallic Compounds, Cornils et al., Ed. (Bench Edition) (Wylie, Weinheim, Federal Republic of Germany 2000), Chapter 2, Parts 2.1.2及びそれ以降のpp. 104-137を参照のこと。
【0003】
酸性の酸を製造するため、選択される一つの方法は、メタノールを均一系反応媒体中でメタノール化し、その際、ロジウムを触媒として利用することを包含する。この方法は一般的には当技術分野においてモンサント法と呼ばれており、1970年代に開発された。特に好ましい方法はSmithらへの米国特許第5,144,068号に教示されている。このいわゆる「低水分」法においては、ヨウ化物塩、特にヨウ化リチウムで安定させたロジウム触媒を含有し、それと一緒に、ヨウ化メチルなどのヨウ化アルキルと酢酸メチルなどのアルキルアセテートとを指定した割合で含有する液体反応媒体中で、メタノールなどのアルコールを一酸化炭素と反応させる。測定可能な濃度の水が反応媒体中に存在するため、生成物は例えば無水物ではなくカルボン酸である。‘068号特許の反応系によれば、水分含量が著しく低い酸生成物が予想外に好都合の速度で提供されるだけでなく、予想外に高い触媒安定性も示される。すなわち、かかる触媒は反応媒体からの触媒沈降に対して耐性がある。
【0004】
メタノールをカルボニル化するための選択される別の方法は、反応器中で均一系イリジウム触媒を利用することを包含する。例えば、Sunleyらへの米国特許第5,883,295号には酢酸を製造するための方法が開示されている。その方法は、イリジウムカルボニル化触媒、ヨウ化メチル共触媒、水、酢酸、及び酢酸メチルを含む液体反応組成物を含有し、その際、液体反応組成物において、(a)水が5重量%未満の濃度;(b)ヨウ化メチルが12重量%より高い濃度、及び(c)カルボニル化反応器において全圧が50バール未満に維持されるカルボニル化用反応器中、金属助触媒及び/又はヨウ化物イオン共助触媒が実質的に不存在下で、メタノール及び/又はその反応性誘導体とを一酸化炭素でカルボニル化させることを含む。Ditzelらへの米国特許第5,877,348号及び同じくDitzelらへの米国特許第5,877,347号も参照のこと。
【0005】
イリジウムにより触媒される均一系の一つの欠点は、とりわけ、触媒が揮発性種を形成し、それにより触媒損失につながる傾向があることである。例えば、Garlanらへの米国特許第5,942,460号のカラム4、ライン3以降、並びにMorrisらへの米国特許第5,932,764号のカラム3、ライン1以降を参照のこと。そこには次のように述べられている:
「好ましくは、イリジウム触媒及び/又は任意の助触媒の揮発性が有意に高まるのを防ぐために、第二の反応帯域から抜き出される第二の液体組成物中の一酸化炭素の量は、典型的には、その中に溶解した気体及び/又は飛沫同伴された気体の少なくとも20容量%を維持できないほどあまりに低くすべきではない。」
当業者であれば認識できるように、現存する方法に対する改良へのインセンティブは常に存在し、例えば、均一系のロジウム系における沈殿は絶えず改良されている一方、イリジウム系における揮発性の問題も絶えず取り扱われている。提案され広範囲に取り組まれてきた一つの方法は、担持触媒をカルボニル化系へ導入して、安定性/揮発性/及び沈殿の諸問題を避けることである。例えば、Scatesらへの米国特許第5,466,874号には、ロジウム種を担持したペンダントピロリドン基を含有する高分子支持体を含む、メタノールのカルボニル化に有用な高分子カルボニル化触媒系が開示されている。Scatesらへの米国特許第5,281,359号並びに、Yonedaらへの米国特許第5,334,755号及びMinamiらへの米国特許第5,364,963号も参照のこと。
【0006】
そして同様に、Marstonらへの米国特許第5,155,261号には、酢酸調製のための改良されたモンサントタイプ法及びその方法を達成するための不均一系担持触媒が開示されている。かかる方法は、約65〜80バールの圧力下、170〜200℃の温度で、ヨウ化メチル及び触媒の存在下、メタノールを一酸化炭素と反応させることを含み、かかる触媒はそのポリマー成分の約10重量%未満(金属として表す)まで負荷されたロジウム種を担持するペンダント遊離塩基(pendant free base)、 N-オキシド、又は四級化(quaternized)ピリジン基を有する不溶性ポリマーを含む。
【0007】
WIPO公報WO98/57918号には、ビニルピリジン担持型第VIII族金属触媒を使用した酢酸の製造方法が開示されており、典型的な態様においては、約9重量パーセントのビニルピリジンがカルボニル化用反応器に充填される。10頁の実施例1を参照のこと。
【0008】
また、イリジウム触媒を担持するための種々の支持体が具体的に提唱されている。Ramprasadらへの米国特許第5,892,110号には、アルキルハロゲン化物及び不均一系二官能性触媒の存在下、高温、高圧にて、酢酸メチル、一酸化炭素、及び水素の反応により無水酢酸を製造するための方法が開示されている。その触媒は、ペンダント四級化ホスフィン基を有する不溶性ポリマーを含有し、ホスフィン基のうち幾つかはアニオン性の第VIII族金属錯体にイオン結合しており、残りのホスフィン基はヨウ化物に結合している。‘110号特許によれば、先行の方法とは対照的に、触媒反応を達成するために促進剤(助触媒)を全く必要とせず生成物はろ過により触媒から容易に分離されることが報告されている。かかる触媒は、活性を損失することなく連続的な操作に再利用することができる。一般に、それら触媒には、ペンダントホスフィン基をもつポリマーなどのポリマーと、ロジウム又はイリジウムなどの第VIII族金属基とが含まれる。カラム2、55〜60行を参照のこと。また、WIPO公報98-33590号及びGrayらへの米国特許第4,127,506号も参照のこと。
【0009】
本発明は、窒素を含有する繰返し単位をもつポリマー基質を利用して、飛沫同伴された触媒種又は揮発性触媒種を封鎖する。このやり方においては、飛沫同伴されたロジウムがカルボニル化用装置中で「めっき析出する」ことがなく、揮発性イリジウム錯体を回収することができる。
【0010】
発明の要旨
本発明の第一の側面においては、反応体をカルボニル化するための方法が提供される。かかる方法には、第VIII族金属触媒成分及びアルキルハロゲン化物を含む反応混合物を含有する反応器が含まれ、その反応器は、その反応混合物の流れを連続的に受け生成物流れと再循環反応混合物流れとに分離するように配置されたフラッシャーに連結されている。その際、生成物流れを、その生成物流れ中に存在する第VIII族金属触媒成分を封鎖する効果をもたらす、窒素を含有する複素環式繰返し単位を有するポリマー樹脂と接触させることにより、かかる方法を改良する。ピリジン環を含有する樹脂及びピロリドン環を含有する樹脂が特に好ましい。典型的には、ビニルピリジン樹脂及びビニルピロリドン樹脂を使用する。これらの樹脂は少なくとも約20%の架橋度で架橋しているので反応媒体中で不溶性である。最も好ましくは、カルボニル化可能な反応体はメタノール又は酢酸メチルであり、反応混合物中に存在するアルキルハロゲン化物はヨウ化メチルである。第VIII族触媒成分は、典型的には、イリジウム、ロジウム、コバルト、ルテニウム、又はそれらの混合物からなる群から選択される。本発明は、イリジウムにより触媒される系に関して特に有用である。
【0011】
本発明は、痕跡量の第VIII族初期触媒成分を生成物流れから除去するのに同じく特に有用である。典型的には、そのような痕跡量は第VIII族金属の含量に基づいて1ppbから約150ppmであることができる。より典型的には、本発明は、第VIII族金属の含量に基づいて第VIII族金属含量が概して約5ppb〜約5ppmである生成物流れに関して有利に使用される。
【0012】
本発明の別の側面においては、フラッシャーに連結され、次に、生成物精製系に連結されている反応器を含むカルボニル化系が提供される。そのカルボニル化系では:
(a)反応器が第VIII族金属触媒成分とアルキルハロゲン化物助触媒成分とを含む反応混合物を含有しており;
(b)フラッシャーが、反応混合物の流れを連続的に受けて反応器に戻される液体再循環流れと精製系に供給される蒸気生成物流れとに分離するように調節されており、そして、飛沫同伴された第VIII族金属触媒成分又は揮発性の第VIII族金属触媒成分を含んでおり;
(c)更に、フラッシャーの下流に、窒素を含有する複素環式繰返し単位を有する樹脂基質を含む、第VIII族金属触媒成分を生成物流れから封鎖するための手段が提供される。
【0013】
典型的には、ポリマー基質は粒状又はビーズの形態であり、最も好ましくは、反応媒体中で不溶性である架橋ポリビニルピロリドン樹脂である。典型的には、樹脂ビーズは、フラッシャーと精製系の間に固定床として存在するので、固定床の粒状樹脂は蒸気の形態の生成物流れと接触する。
【0014】
本明細書中に更に説明するように、典型的な装置においては、フラッシャーはそれに供給される反応混合物の流れを断熱的に蒸発させて蒸気生成物流れを生成するように配置される。
【0015】
本発明の更に別の側面においては、メタノールのカルボニル化により酢酸を製造する方法が提供される。その方法には:
(a)イリジウム、ロジウム、及びそれらの混合物の可溶性形態からなる群から選択される触媒金属成分を含む均一系反応媒体であって、場合により、ルテニウム、オスミウム、タングステン、レニウム、亜鉛、カドミウム、インジウム、水銀、及びそれらの混合物からなる群から選択される共−助触媒が含まれ、そして更に、酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び水が含まれる媒体が供給された反応器において、メタノールを一酸化炭素と反応させ;
(b)反応混合物の流れを、その反応混合物の流れを液体再循環流れと生成物流れとに分離するように調節されたフラッシャーに供給し;
(c)再循環流れを反応器に再循環し;
(d)生成物流れを、ビニルピリジン樹脂及びビニルピロリドン樹脂並びにそれらの混合物からなる群から選択される樹脂であって、生成物流れ中に存在する触媒金属成分を封鎖する効果をもたらす樹脂と接触させ、そして;
(e)生成物流れを精製することが含まれる。
【0016】
本発明に関連して使用することができるカルボニル化用装置を説明する概略図である一つの図を参照しながら、本発明を以下に詳細に説明する。
好ましい態様の説明
本発明は、一般的には、第VIII族金属触媒成分を使用するカルボニル化系に向けられている。理論で括ることを望むものではないが、アニオン性金属カルボニル錯体の形態の触媒成分が、その基質上でのヨウ化アルキルの反応により生じたポリマー基質のカチオン性部位に静電的に結合して、窒素を含有する複素環式繰返し単位がポリマー基質上で四級化されると考えられている。従って、本発明に従えば、飛沫同伴された触媒種又は揮発性触媒種が樹脂上に固定され、ポリマーを蒸解することにより、すなわち、燃焼又は他のいずれかの適する手段により、それらの触媒種を回収することができる。本発明は、例えば、反応溶媒(典型的には、酢酸)、メタノール及び/又はその反応性誘導体、可溶性イリジウム触媒、少なくとも測定可能な濃度の水、並びにピリジン又はピロリドン環を含有する不溶性のポリマーを含み、場合により、オスミウム又はルテニウム助触媒が含まれる、均一系触媒反応系におけるメタノール、その反応性誘導体と一酸化炭素とのカルボニル化に関連して評価することができる。イリジウム触媒を使用するメタノールのカルボニル化は周知であり、一般的には、以下の米国特許:5,942,460号;5,932,764号;5,883,295号;5,877,348号;5,877,347号及び5,696,284号(これらの開示は示されるままそっくり参照により本出願に援用される)に記載されている。
【0017】
適するメタノールの反応性誘導体には、酢酸メチル、ジメチルエーテル、及びヨウ化メチルが含まれる。本発明の方法においては、メタノールとその反応性誘導体との混合物を反応体として使用してもよい。好ましくは、メタノール及び/又は酢酸メチルを反応体として使用する。メタノール及び/又はその反応性誘導体の少なくとも一部は、液体反応組成物中で酢酸生成物又は溶媒との反応により酢酸メチルに転化するので、酢酸メチルとして存在する。酢酸メチルの液体反応組成物中濃度は、約1〜70重量%であることが適しており、好ましくは、約2〜50重量%、最も好ましくは、約3〜35%重量である。
【0018】
例えば、メタノール反応体と酢酸生成物との間のエステル化反応により、液体反応生成物において水がその場で形成されてもよい。水は、液体反応組成物の他の成分と一緒にカルボニル化用反応器に導入してもよく、又はそれらと別々に導入してもよい。水は、反応器から抜き出した反応組成物の他の諸成分から分離してもよく、制御された量で再循環させて、液体反応組成物において必要な水の濃度を維持してもよい。好ましくは、液体反応組成物中の水の濃度は、約0.1〜15重量%、より好ましくは、約1〜15重量%、最も好ましくは、約1〜10重量%である。
【0019】
液体カルボニル化反応組成物におけるイリジウム触媒は、その液体反応組成物に可溶性である、イリジウムを含有するいずれかの化合物を含んでいてもよい。イリジウム触媒は、その液体反応組成物中で溶解するか又は可溶性の形態に転換できるいずれかの適する形態で、カルボニル化反応のための液体反応組成物に添加してもよい。液体反応組成物に添加することができる適するイリジウム含有性化合物の例には、次のものが含まれる:IrCl3、IrI3、IrBr3、[Ir(CO)2I]2、[Ir(CO)2Cl]2、[Ir(CO)2Br]2、[Ir(CO)2I2]-H+、[Ir(CO)2Br2]-H+、[Ir(CO)2I4]-H+、[Ir(CH3)I3(CO2]-H+、Ir4(CO)12、IrCl3・3H2O、IrBr3・3H2O, Ir4(CO)12、イリジウム金属、Ir2O3、Ir(acac)(CO)2、Ir(acac)3、酢酸イリジウム、[Ir3O(OAc)6(H2O)3][OAc]、及びヘキサクロロイリジウム酸[H2IrCl6]。より好ましくは、アセテート、オキサレート及びアセトアセテートなどの、塩素を含まないイリジウムの錯体を使用する。
【0020】
好ましくは、液体反応組成物中のイリジウム触媒濃度は、イリジウムの重量基準で約100〜6000ppmの範囲である。
欧州特許公報EP0849248号(その開示は参照により援用される。)に説明されているように、助触媒及び共−助触媒を本発明の触媒系の一部として使用してもよい。適する助触媒は、ルテニウム、オスミウム、タングステン、レニウム、亜鉛、カドミウム、インジウム、ガリウム及び水銀から選択され、より好ましくは、ルテニウム及びオスミウムから選択される。ルテニウムは最も好ましい助触媒である。好ましくは、助触媒は、液体反応組成物及び/又はカルボニル化用反応器に再循環されるいずれかの液体プロセス流れにおいて、その溶解性の限界までの有効量で存在する。助触媒は約[0.5〜15]:1のモル比で液体反応組成物中に存在するのが適しており、好ましくは、約[2〜10]:1、より好ましくは、約[2〜7.5]:1のモル比である。適する助触媒濃度は400〜5000ppmである。
【0021】
助触媒は、液体反応組成物中で可溶性である、助触媒金属を含有するいずれかの適する化合物を含んでいてもよい。助触媒は、その液体反応組成物中で溶解するか又は可溶性の形態に転換できるいずれかの適する形態で、カルボニル化反応のための液体反応組成物に添加してもよい。助触媒源として使用することができるルテニウムを含有する適する化合物の例には、塩化ルテニウム(III)、塩化ルテニウム(III)三水和物、塩化ルテニウム(IV)、臭化ルテニウム(III)、ルテニウム金属、ルテニウム酸化物、ルテニウム(III)ホーメート、[Ru(CO)3I3]-H+、[Ru(CO)2I2]n、[Ru(CO)4I2]、[Ru(CO)3I2]2、テトラ(アセト)クロロルテニウム(II,III)、ルテニウム(III)アセテート、ルテニウム(III)プロピオネート、ルテニウム(III)ブチレート、ペンタカルボニルルテニウム、トリルテニウムドデカカルボニル、及び、ジクロロトリカルボニルルテニウム(II)ダイマー、ジブロモトリカルボニルルテニウム(II)ダイマー等の混合ルテニウム含ハロゲンカルボニル化合物、並びに、テトラクロロビス(4-シメン)ジルテニウム(II)、テトラクロロビス(ベンゼン)ジルテニウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ-1,5ジエン)ルテニウム(II)ポリマー及びトリス(アセチルアセトネート)ルテニウム(III)等の他のオルガノルテニウム錯体が含まれる。
【0022】
助触媒源として使用することができるオスミウムを含有する適する化合物の例には、塩化オスミウム(III)水和物及び無水和物、オスミウム金属、四酸化オスミウム、トリオスミウムドデカカルボニル、[Os(CO)4I2]、[Os(CO)4I2]2、[Os(CO)3I3]-H+、ペンタクロロ-μ-ニトロジオスミウム、及び、トリカルボニルジクロロオスミウム(II)ダイマー等の混合オスミウム含ハロゲンカルボニル化合物、並びに他のオルガノオスミウム錯体が含まれる。
【0023】
助触媒源として使用することができるタングステンを含有する適する化合物の例には、W(CO)6、WCl4、WCl6、WBr6、WI2、又はC9H12W(CO)3、及びあらゆるタングステンクロロ−、ブロモ−又はヨード−カルボニル化合物が含まれる。
【0024】
助触媒源として使用することができるレニウムを含有する適する化合物の例には、Re2(CO)10、Re(CO)5Cl、Re(CO)5Br、Re(CO)5I、ReCl3xH2O、[Re(CO)4I]2、Re(CO)4I2]-H+、及びReCl5-yH2Oが含まれる。
【0025】
助触媒源として使用することができるカドミウムを含有する適する化合物の例には、Cd(OAc)2、CdI2、CdBr2、CdCl2、Cd(OH)2、及びカドミウムアセチルアセトネートが含まれる。
【0026】
助触媒源として使用することができる水銀を含有する適する化合物の例には、Hg(OAc)2、HgI2、HgBr2、HgCl2、Hg2I2及びHg2Cl2が含まれる。
助触媒源として使用することができる亜鉛を含有する適する化合物の例には、Zn(OAc)2、Zn(OH)2、ZnI2、ZnBr2、ZnCl2及び亜鉛アセチルアセトネートが含まれる。
【0027】
助触媒源として使用することができるガリウムを含有する適する化合物の例には、ガリウムアセチルアセトネート、ガリウムアセテート、GaCl3、GaBr3、GaI3、Ga2Cl4及びGa(OH)3が含まれる。
【0028】
助触媒源として使用することができるインジウムを含有する適する化合物の例には、インジウムアセチルアセトネート、インジウムアセテート、InCl3、InBr3、InI3、InI及びIn(OH)3が含まれる。
【0029】
液体反応組成物中のヨウ化メチルの濃度は約1〜50重量%であるのが好ましく、好ましくは、約2〜30重量%である。
一酸化炭素反応体は本質的に純粋であってもよく、又は、二酸化炭素、メタン、窒素、希ガス、水及びC1〜C4パラフィン炭化水素等の不活性な不純物を含有していてもよい。一酸化炭素中の水素の存在、及び水性ガスシフト反応によりその場で発生する水素の存在は、その存在により水添生成物が形成される可能性があることから、例えば分圧1バール未満に低く保持することが好ましい。反応における一酸化炭素の分圧は約1〜70バールであることが適しており、好ましくは、約1〜35バール、最も好ましくは、約1〜15バールである。
【0030】
カルボニル化反応の圧力は10〜200バールであることが適しており、好ましくは、約10〜100バール、最も好ましくは、約15〜50バールである。カルボニル化反応の温度は約100〜300℃であることが適しており、好ましくは、約150〜220℃である。
【0031】
酢酸は、典型的には反応のための溶媒として使用する。
本明細書中で使用する「ピリジン環を含有するポリマー」、「ピリジンポリマー」等の用語は、置換若しくは非置換ピリジン環、又は、キノリン環等の置換若しくは非置換のピリジンを含有する重縮合環を含有するポリマーを言及することを意図している。置換基にはアルキル基及びアルコキシ基等のメタノールカルボニル化に対して不活性なものが含まれる。不溶性のピリジン環含有性ポリマーの典型的な例には、ビニルピリジンとジビニルモノマーとの反応又はビニルピリジンとジビニルモノマーを含有するビニルモノマーとの反応により得られるものが含まれ、例えば、4-ビニルピリジンとジビニルベンゼンのコポリマー、2-ビニルピリジンとジビニルベンゼンのコポリマー、スチレン、ビニルベンゼン及びジビニルベンゼンのコポリマー、ビニルメチルピリジンとジビニルベンゼンのコポリマー、並びに、ビニルピリジン、メチルアクリレート及びエチルジアクリレートのコポリマー等が含まれる。特に好ましいポリマーは、Yonedaらへの米国特許第5,334,755号に記載されている(その開示は参照により本明細書中に援用される)。比較的高いポリマーの架橋度が最も好ましい。
【0032】
本明細書中で使用する「ピロリドン環を含有するポリマー」、ピロリドンポリマー等の用語は、置換又は非置換のピロリドン環を含有するポリマーを言及することを意図している。置換基には、アルキル基及びアルコキシ基等のメタノールカルボニル化用媒体に対して不活性なものが含まれる。不溶性の、ピロリドン環を含有するポリマーの典型的な例には、ビニルピロリドンとジビニルモノマーを含有するビニルモノマーとの反応により得られるものが含まれ、例えば、ビニルピロリドンとジビニルベンゼンのコポリマー等が含まれる。ピロリドンポリマーは、Scatesらの米国特許第5,466,874号並びに米国特許第5,286,826号;4,786,699号及び4,139,688号に記載されている(これらの開示は参照により本明細書中に援用される)。好ましいピロリドンポリマー基質は、Indianapolis, INDのReilley Tar and Chemical CorporationからReillex(登録商標)の商標で入手可能である。
【0033】
上述の窒素複素環式環を含有するポリマーは、少なくとも10%、好ましくは、少なくとも約15%又は20%〜約75%架橋することが望ましい。ポリマーの機械的強度は使用中に低下することから、10%より低い架橋度は不都合である。架橋度が増加するにつれ、ポリマー表面の利用能は過度に制限される。従って、最大架橋度は50又は60パーセントが好ましい。本明細書中で使用する「架橋度」という語は、例えば、ジビニルモノマーの重量%の含量を言及することを意図している。
【0034】
ピリジン又はピロリドン不溶性ポリマーは、これまでに示したように、遊離塩基であるか又は、N-オキシドの形態若しくは四級化された形態であってもよい。不溶性の、ピリジン又はピロリドン環を含有するポリマーは、好ましくは、ビーズ又は粒状の形態であり、より好ましくは、球形の形態であり、粒径は約0.01〜2mm、好ましくは、約0.1〜1mm、より好ましくは、約0.25〜0.7mmである。本発明の目的のためには、Reillex-425(Reilly Tar and Chemical Corporationの製品)、並びに、KEK-316、KeK-501及びKEK-212(Koei Chemical Co., Ltd.の製品)等の商業的に入手可能なピリジンを含有するポリマーを使用するのが適している。これまでに示したように、ピロリドンもReilly Tarから入手可能であり、架橋度は少なくとも約10%が好ましい。
【0035】
本発明は、典型的なカルボニル化系を説明する概略図である図1を参照することにより、より理解される。図1には、ベント14を備えた反応器12を含むカルボニル化系10が示されている。反応器12は導管18を経由してフラッシャー16に連結している。次に、フラッシャーは精製区画198に連結しており、精製区画は一般に、軽質生成物カラム20、脱水カラム22及び重質生成物カラム24を含んでいる。本発明に従えば、30に示す、粒状形態のピロリドン又はピリジン樹脂の固定床が提供される。固定床30は、蒸気若しくは生成物流れを媒介としてフラッシャーを出る、飛沫同伴された触媒種又は揮発性イリジウム等の揮発性触媒種を封鎖する効果をもたらす。
【0036】
酢酸は、約150〜200℃の温度、約30〜約60バールの圧力で液相反応において製造される。高い一酸化炭素分圧で十分に混合しながら、一酸化炭素及びメタノールを連続的に反応器12に導入する。非凝縮性の副生物は反応器から排出され、最適な一酸化炭素分圧が維持される。反応器のオフガスは、フレアリングの前に反応器の凝縮性物質、すなわちヨウ化メチルを回収するために処理される。メタノール効率及び一酸化炭素効率は、それぞれ約98及び90%より高いことが好ましい。これまでに示したSmithらの特許から分かるように、カルボニル化法の主要な非効率要因は、水性ガスシフト反応を介した一酸化炭素及び水素の同時製造である。
【0037】
反応混合物の流れを反応器から導管18を介してフラッシャー16へと連続的に供給する。フラッシャーにより、断熱的一段階反応において、生成物である酢酸と大部分の軽質生成物(ヨウ化メチル、酢酸メチル、水)とを反応器の触媒溶液から分離し、溶解したガスとともに蒸留又は精製区画へと送る。触媒溶液は導管32を介して反応器へと再循環する。フラッシュの方法条件下において、触媒はフラッシュ容器中の低い一酸化炭素分圧で失活しやすいので、精製系19へと飛沫同伴されてもよい。
【0038】
酢酸の精製は、典型的には、3つのカラムを用いたプロセスでの蒸留が必要となる。フラッシャーオーバーヘッドからの蒸気生成物を、初めに、ピロリドン、ピリジン又は窒素を含有する他の樹脂の固定床30に通過させて、軽質生成物カラムへと供給する前に存在している飛沫同伴された第VIII族金属触媒又は揮発性の第VIII族金属触媒種を除去する。ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び一部の水は、軽質生成物カラムにおいてオーバーヘッドで凝縮して二相を形成する(有機及び無機)。それらオーバーヘッド相はどちらも再循環ライン34を介して反応区画へと戻る。軽質生成物カラムからの溶解ガスは蒸留区画を通して排出する。このベント流れをフレアリングする前に、残りの軽質生成物を洗浄してプロセスへと再循環させる。軽質生成物カラムから抜き出した水性酢酸側流は脱水カラム22に供給される。示すように、このカラムからの水及び一部の酢酸は、分かれて再循環ライン34を介して反応系へと再循環する。乾燥粗酢酸はこのカラムからの残りの流れであり、重質生成物カラム24へと供給される。示すように、生成物である酢酸は重質生成物カラムから抜き出された蒸気側流として提供される。高沸点成分である酢酸副生物の混合物、主としてプロピオン酸は、カラムからボトムとして除去される。
【0039】
場合により、別の固定床36が提供され、生成物中のヨウ化物(特に、ヨウ化アルキル)含量を制御するために使用される。固定床の一つのタイプは、Fillersらの欧州特許公報0685445号に開示されるようなビニルピリジン固定床であってもよい;ところが、ヨウ化物を除去する特に好ましい方法は、Hiltonへの米国特許第4,615,806号に開示されるような、巨大網目状の銀交換強酸イオン交換樹脂を使用することを必要とする。
【0040】
ビニルピロリドン樹脂がロジウム触媒成分に結合することは、例えば、Scatesらへの米国特許第5,466,874号に証明されている;一方、ビニルピリジン樹脂は、Marstonらへの米国特許第5,155,261号に開示されるように、同様にロジウム触媒成分に結合する。‘874号特許及び‘261号特許は参照により本明細書中に援用される。イリジウム触媒及びレニウム触媒がこれらの樹脂と結合するかどうか、そしてこれらの樹脂が揮発性又は飛沫同伴された第VIII族金属触媒成分を封鎖するための手段として有用であるかどうかを確かめるため、以下の実験を行った。
【0041】
一般的手順
300ccのHostalloy B製バッチ式オートクレーブ(Autoclave Engineering)中で一連の運転を行った。各々の運転は約30分続け、反応器温度約195℃、一酸化炭素圧力約400psigで行った。全ての運転の手順を以下に表Iに説明する。
【0042】
反応体を秤量し反応器に充填した。反応器中、溶液は、水(3.8g)、氷酢酸(60.4g)、酸化イリジウム(IV)水和物(3000ppm、0.6g)(PPG Industries)、酢酸メチル(33.7g)(Aldrich)(メタノール及び酢酸と平衡に達している)、及びヨウ化メチル(20.4g)(Fisher)から構成されていた。反応器を50psigの一酸化炭素で数回パージした。確実に反応器の洩れがないようにしてから、反応器270psigまで加圧し195℃まで加熱した。反応器の温度を1℃未満の変動で195℃に維持した。温度は電気ヒーターを使用して維持し、さらに冷却水により調節した。温度を高くしながら、レザバーから一酸化炭素を加えることにより反応器圧力を400psigまであげた。反応器溶液が目的の条件に到達したら、撹拌器を800rpmで廻し始めた。レザバーからの一酸化炭素を、400psigを維持するのに必要な圧力で反応器へと導入した。この時間を時間ゼロとして記録した。レザバーからの一酸化炭素取り込み、反応器温度及び反応器圧力を毎分ごとに記録した。一酸化炭素取り込みが停止したら、運転を完了し、反応溶液を室温まで冷却した。
【0043】
消費された一酸化炭素を時間の関数としてプロットすることにより、ガス取り込みの速度を測定した。次いで、このガス取り込みの速度を用いて、特定の反応器組成において、時間当たり冷脱ガス反応器液体1リットル当たりに消費された反応体のモル数(mol/l/hr)(空間時間収率(STY))として、カルボニル化速度を計算した。
【0044】
実施例
比較例A
窒素複素環式含有性ポリマーを添加せずに上述の手順を行った。結果を表Iに示す。
【0045】
実施例1
25%架橋したポリ(4-ビニルピリジン)(PVP-I)(Aldrich,Reilly)を1.3g(約1%)添加し、上述の手順を行った。カルボニル加速度を、比較例Aと同じ基準でおよそ43STYと測定した。運転を終えた後、ポリマーに固定されたイリジウムの量を測定するため、ポリマーを蒸解してイリジウム金属について分析した。この実験についての結果も、実施例2〜8の結果とともに表Iに示す。
【0046】
実施例2〜8
実施例1の手順に続いて、異なる量のポリ(ビニルピリジン)を用いて一連の運転を行った。ポリビニルピリジンはAldrich又はReilly Industries(Indianapolis. Ind.)のいずれかにより供給されたものである。反応器組成と固定されたイリジウムに関する結果を表Iに示す。
【0047】
分かるように、触媒を封鎖するという観点からは、本発明に従った生成物流れにおいて堆積させた固定床で、樹脂の第VIII族金属触媒に対する比が比較的高いときに、最もよい結果が得られた。
【0048】
【表1】

実施例9〜14
概してこれまでに示した手順に続いて、架橋したポリビニルピロリドン樹脂を以下に表IIに列挙する種々の成分と共にオートクレーブに充填した。
【0049】
【表2】

本発明を多くの態様に関して詳細に記載し説明してきた。当業者であれば、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、特定の態様に容易に修飾を施すことができることは明らかである。例えば、ロジウム共触媒を、唯一の触媒金属として使用したイリジウム又はロジウムとともに使用することができるだろう。そのような修飾は、特許請求の範囲に示す本発明の精神及び範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、本発明に関連して使用することができるカルボニル化用装置を説明する概略図である。
【符号の説明】
【0051】
10 カルボニル化系
12 反応器
14 ベント
16 フラッシャー
18 導管
19 精製区画(精製系)
20 軽質生成物カラム
22 脱水カラム
24 重質生成物カラム
30 固定床
32 触媒再循環過程(ライン)
34 精製カラム再循環過程(ライン)
36 固定床

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボニル化可能な反応体をカルボニル化するためのカルボニル化方法であって、第VIII族金属触媒成分とハロゲン化アルキル助触媒成分とを含む反応混合物を含有する反応器を含み、該反応器が前記反応混合物の流れを連続的に受け生成物流れと再循環反応混合物流れとに分離するように配置されたフラッシャーに連結された方法において、前記生成物流れを、前記生成物流れ中に存在する前記第VIII族金属触媒成分を封鎖する効果をもたらす、窒素を含有する複素環式繰返し単位を有するポリマー樹脂と接触させることを含む改良。
【請求項2】
前記樹脂がピリジン環を含有する樹脂及びピロリドン環を含有する樹脂からなる群から選択される、請求項1記載の改良。
【請求項3】
前記樹脂がビニルピリジン樹脂である、請求項2記載の改良。
【請求項4】
前記樹脂が少なくとも約10%の架橋度を有する架橋ビニルピリジン樹脂である、請求項3記載の改良。
【請求項5】
前記樹脂がポリビニルピロリドン樹脂である、請求項2記載の改良。
【請求項6】
前記樹脂が、少なくとも約10%の架橋度を有するビニルピロリドン樹脂である、請求項5記載の改良。
【請求項7】
前記ハロゲン化アルキルがヨウ化メチルである、請求項1記載の改良。
【請求項8】
前記第VIII族金属触媒成分が、イリジウム、ロジウム、コバルト、ルテニウム又はそれらの混合物を含む、請求項1記載の改良。
【請求項9】
前記第VIII族金属触媒成分がロジウムを含む、請求項8記載の改良。
【請求項10】
前記第VIII族金属触媒成分がイリジウムを含む、請求項8記載の改良。
【請求項11】
フラッシャーに連結され、次に生成物精製系に連結された反応器を含む、カルボニル化可能な反応体をカルボニル化するためのカルボニル化系であって:
(a)前記反応器が、ハロゲン化アルキル助触媒成分中に、第VIII族金属触媒成分を含む反応混合物を含有し;
(b)前記フラッシャーが、前記反応混合物の流れを連続的に受け、該流れを前記反応器に戻される液体再循環流れと前記精製系に供給される蒸気生成物流れとに分離するように調節されており、その際、前記生成物流れが飛沫同伴された第VIII族金属触媒成分又は揮発性の第VIII族金属触媒成分を含有しており;
(c)更に、前記フラッシャーの下流に、窒素を含有する複素環式繰返し単位を有するポリマー基質を含む、前記第VIII族金属触媒成分を前記生成物流れから封鎖するための手段が提供される系。
【請求項12】
前記ポリマー基質が架橋ビニルピリジン樹脂及び架橋ビニルピロリドン樹脂からなる群から選択される樹脂から構成される、請求項11記載の系。
【請求項13】
前記樹脂が粒状の架橋ポリビニルピロリドン樹脂である、請求項12記載の系。
【請求項14】
前記樹脂が粒状の架橋ビニルピリジン樹脂である、請求項12記載の系。
【請求項15】
前記第VIII族金属触媒成分を封鎖するための前記手段が、前記フラッシャーと前記精製系との間の前記蒸気生成物流れ中に配置され、そして粒状樹脂の固定床を含む、請求項12記載の系。
【請求項16】
前記フラッシャーが前記反応混合物の流れを断熱的に蒸発させて前記蒸気生成物流れを生成するように配置されている、請求項15記載の系。
【請求項17】
前記カルボニル化可能な反応体がメタノールを含む、請求項12記載の系。
【請求項18】
前記アルキルハロゲン化物助触媒がヨウ化メチルを含む、請求項17記載の系。
【請求項19】
前記カルボニル化可能な反応体が酢酸メチルを含む、請求項12記載の系。
【請求項20】
前記アルキルハロゲン化物助触媒がヨウ化メチルを含む、請求項19記載の系。
【請求項21】
メタノールのカルボニル化により酢酸を製造する方法であって:
(a)イリジウム、ロジウム、及びそれらの混合物の可溶性形態からなる群から選択される触媒金属成分を含む均一系反応媒体であって、場合により、ルテニウム、オスミウム、タングステン、レニウム、亜鉛、カドミウム、インジウム、水銀、及びそれらの混合物からなる群から選択される共−助触媒が含まれ、そして更に、酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び水が含まれる媒体が供給された反応器において、メタノールを一酸化炭素と反応させ;
(b)前記反応混合物の流れを、前記反応混合物の前記流れを液体再循環流れと生成物流れとに分離するように調節されたフラッシャーに供給し;
(c)前記再循環流れを前記反応器に再循環し;
(d)前記生成物を、架橋ビニルピリジン樹脂及び架橋ビニルピロリドン樹脂並びにそれらの混合物からなる群から選択される樹脂であって、前記生成物流れ中に存在する触媒金属成分を封鎖する効果をもたらす前記樹脂と接触させ、そして;
(e)前記生成物流れを精製することを含む、方法。
【請求項22】
前記生成物流れを前記樹脂と接触させる前記工程が、前記生成物流れが蒸気の形態である間に行われる、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記樹脂が架橋ビニルピロリドン樹脂である、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記触媒金属成分がイリジウムを含む、請求項21記載の方法。
【請求項25】
前記触媒金属成分がルテニウムを含む、請求項24記載の方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−6963(P2012−6963A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−180493(P2011−180493)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【分割の表示】特願2002−521173(P2002−521173)の分割
【原出願日】平成13年7月30日(2001.7.30)
【出願人】(500175107)セラニーズ・インターナショナル・コーポレーション (77)
【Fターム(参考)】