説明

カルボン酸エステル基を有する環状シラザン化合物及びその製造方法

【課題】窒素原子上に水素原子を有さず、塗料や接着剤添加時に官能基自身が反応してしまうのを防ぐことができ、使用時に活性な水素を発生することで、定量的、効率的に官能基を再生することができ、且つ使用時に発生する揮発性有機化合物の低減が可能であり、しかもアミノ基のみを有するシラン化合物より添加効果の高い環状シラザン化合物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)


[R1は1価炭化水素基又はR789Si−(R7、R8及びR9は1価炭化水素基である。)で示されるトリオルガノシリル基、R2及びR3は1価炭化水素基、R4、R5及びR6は水素原子又は1価炭化水素基であり、aは0又は1、bは1〜10の整数、nは0、1又は2である。]
で示されるカルボン酸エステル基を有する環状シラザン化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なカルボン酸エステル基を有する環状シラザン化合物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノ基を有するシラン化合物は、塗料添加剤、接着剤、シランカップリング剤、繊維処理剤、表面処理剤として有用であり、このようなアミノ基を有するシラン化合物としては、例えば「シリコーンハンドブック」,日刊工業新聞社,伊藤邦雄著,pp.55〜56(非特許文献1)記載のアミノプロピルトリメトキシシラン等の1級アミノ基を有するアルコキシシラン化合物や、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等の2級アミノ基を有するアルコキシシラン化合物、また、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン等の3級アミノ基を有するアルコキシシラン化合物等が知られている。
【0003】
しかしながら、これらのシラン化合物は1分子あたり1つの官能基、即ちアミノ基しか有していないため、塗料添加剤、接着剤、シランカップリング剤、繊維処理剤、表面処理剤として使用した場合、官能基導入による効果の発現が少ない場合がある。
【0004】
上記問題を解決するため、アミノ基とカルボン酸エステル基を有するシラン化合物が提案されており、このアミノ基とカルボン酸エステル基を有するシラン化合物としては、例えばJournal of Polymer Science,Part A:Polymer Chemistry(2007),45(13),2689−2704(非特許文献2)、「ネットワークポリマー」(2008)29(2),106−116(非特許文献3)記載のN−(2−メトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、この化合物はポリウレタンの変性剤として有用であるとの記載がある。
【0005】
上記アミノ基とカルボン酸エステル基を有するシラン化合物は、上記アミノ基のみを有するシラン化合物と比較して添加効果は高いものの、アミノ基の窒素原子に水素原子が結合しているため、その窒素−水素結合と反応する官能基、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、酸無水物を有する高分子材料と混合して使用する場合には、予めシラン化合物と混合しておくとシラン化合物との反応が進行し、増粘、硬化してしまうため、1液型組成物とすることができない。そのため、使用直前にシラン化合物を添加、混合する2液型としなければならず、使用直前に正確に秤量、混合する必要等が生じ、取り扱いが煩雑となってしまう。
【0006】
また、上記アミノ基を有するシラン化合物を含め、アルコキシシラン化合物は使用する際の加水分解プロセスにおいて、相当量のアルコールが発生することが知られている。近年、地球温暖化や健康問題等に関係の深い環境問題において、揮発性有機化合物の削減が大きなテーマとして挙げられており、アルコキシシラン化合物から発生するアルコール量を削減することで揮発性有機化合物の削減に取り組む開発が行われており、添加効果が高く、且つ、アルコールの発生量が少ないシラン化合物が望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「シリコーンハンドブック」,日刊工業新聞社,伊藤邦雄著,pp.55〜56
【非特許文献2】Journal of Polymer Science,Part A:Polymer Chemistry(2007),45(13),2689−2704
【非特許文献3】「ネットワークポリマー」(2008)29(2),106−116
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、窒素原子上に水素原子を有さず、塗料や接着剤添加時に官能基自身が反応してしまうのを防ぐことができ、使用時に活性な水素を発生することで、定量的、効率的に官能基を再生することができ、且つ使用時に発生する揮発性有機化合物の低減が可能であり、しかもアミノ基のみを有するシラン化合物より添加効果の高い環状シラザン化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、特定のカルボン酸エステル基を有するシラザン化合物が、塗料や接着剤添加時に官能基自身が反応してしまうのを防ぐことができ、使用時には空気中の水分等により活性な水素を発生することでアミノ基とカルボン酸エステル基を有する有機ケイ素化合物と同等の添加効果を示し、且つ使用時に発生する揮発性有機化合物の低減が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
従って、本発明は、下記に示すカルボン酸エステル基を有する環状シラザン化合物及びその製造方法を提供する。
請求項1:
下記一般式(1)
【化1】

[式中、R1は炭素数1〜20の置換若しくは非置換の1価炭化水素基又はR789Si−(式中、R7、R8及びR9は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)で示されるトリオルガノシリル基であり、R2及びR3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基、R4、R5及びR6は水素原子又は炭素数1〜20の置換若しくは非置換の1価炭化水素基であり、aは0又は1、bは1〜10の整数、nは0、1又は2である。]
で示されるカルボン酸エステル基を有する環状シラザン化合物。
請求項2:
下記一般式(2)
【化2】

[式中、R1は炭素数1〜20の置換若しくは非置換の1価炭化水素基又はR789Si−(式中、R7、R8及びR9は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)で示されるトリオルガノシリル基であり、R2及びR3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基、R4、R5及びR6は水素原子又は炭素数1〜20の置換若しくは非置換の1価炭化水素基であり、aは0又は1、bは1〜10の整数、nは0、1又は2である。]
で示されるカルボン酸エステル基を有するアミノシラン化合物を分子内環化させることを特徴とする請求項1記載のカルボン酸エステル基を有する環状シラザン化合物の製造方法。
請求項3:
常圧又は減圧下、酸性又は塩基性触媒を用いて0〜200℃で1〜100時間分子内環化させる請求項2記載の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明により提供されるカルボン酸エステル基を有する環状シラザン化合物は、塗料添加剤、接着剤、シランカップリング剤、繊維処理剤、表面処理剤として使用した場合、官能基自身が反応してしまうのを防ぐことができ、使用時には空気中の水分等により活性な水素を発生し、添加による特性向上を図ることができ、且つ使用時に発生する揮発性有機化合物の低減が可能であるため、塗料添加剤、接着剤、シランカップリング剤、繊維処理剤、表面処理剤等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1で得られた2,2−ジメトキシ−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタンの1H−NMRスペクトルである。
【図2】実施例1で得られた2,2−ジメトキシ−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタンのIRスペクトルである。
【図3】実施例2で得られた2,2−ジメトキシ−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタンの1H−NMRスペクトルである。
【図4】実施例2で得られた2,2−ジメトキシ−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタンのIRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のカルボン酸エステル基を有する環状シラザン化合物は、下記一般式(1)
【化3】

[式中、R1は炭素数1〜20の置換若しくは非置換の1価炭化水素基又はR789Si−(式中、R7、R8及びR9は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)で示されるトリオルガノシリル基であり、R2及びR3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基、R4、R5及びR6は水素原子又は炭素数1〜20の置換若しくは非置換の1価炭化水素基であり、aは0又は1、bは1〜10の整数、nは0、1又は2である。]
で示される化合物である。
【0014】
ここで、R1が炭素数1〜20、特に1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基の場合、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、テキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基等が例示される。また、炭化水素基の水素原子の一部又は全部が置換されていてもよく、該置換基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、(イソ)プロポキシ基等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子からなる基、シアノ基、アミノ基、芳香族炭化水素基、エステル基、エーテル基、アシル基、スルフィド基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基等が挙げられ、これらを組み合わせて用いることもできる。
【0015】
また、R1が、R789Si−で示されるトリオルガノシリル基の場合、R7〜R9は炭素数1〜20、特に1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R7〜R9の具体例としては、R1と同様のものを挙げることができる。トリオルガノシリル基としては、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、ジエチルメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、テキシルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、オクタデシルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等が挙げられる。
【0016】
2、R3は炭素数1〜20、特に1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、テキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基等が例示される。また、炭化水素基の水素原子の一部又は全部が置換されていてもよく、該置換基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、(イソ)プロポキシ基等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子からなる基、シアノ基、アミノ基、芳香族炭化水素基、エステル基、エーテル基、アシル基、スルフィド基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基等が挙げられ、これらを組み合わせて用いることもできる。
【0017】
4、R5、R6は、水素原子又は炭素数1〜20、特に1〜10の置換若しくは非置換の1価炭化水素基であり、炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基の場合、上記R2、R3と同様の基が例示される。また、aは0又は1、bは1〜10、特に1〜5の整数であり、nは0、1又は2である。
【0018】
上記一般式(1)で示されるカルボン酸エステル基を有する環状シラザン化合物の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエチル−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−エトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−エトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−エトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−エトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−エトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエチル−1−(2−エトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエチル−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエチル−1−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエチル−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−エトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−エトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−エトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−エトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−エトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエチル−1−(2−エトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、
2,2−ジエチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエチル−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエチル−1−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエチル−1−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエチル−1−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエチル−1−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエチル−1−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロヘキサン等が例示される。
【0019】
これらのなかでも特に、2,2−ジメトキシ−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−エトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−エトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタンが好ましい。
【0020】
また、本発明における上記一般式(1)で示されるカルボン酸エステル基を有する環状シラザン化合物の製造方法は、例えば、下記一般式(2)
【化4】

[式中、R1は炭素数1〜20の置換若しくは非置換の1価炭化水素基又はR789Si−(式中、R7、R8及びR9は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)で示されるトリオルガノシリル基であり、R2及びR3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基、R4、R5及びR6は水素原子又は炭素数1〜20の置換若しくは非置換の1価炭化水素基であり、aは0又は1、bは1〜10の整数、nは0、1又は2である。]
で示されるカルボン酸エステル基を有するアミノシラン化合物を分子内環化させて製造する方法が挙げられる。
【0021】
上記一般式(2)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は上述したものが例示でき、上記一般式(2)で示される化合物の具体例としては、N−(2−メトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルメチルジメトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルジメチルエトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルメチルジメトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルジメチルエトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルメチルジメトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルジメチルエトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルメチルジメトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルジメチルエトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルメチルジメトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルジメチルエトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルメチルジメトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル)エチル−4−アミノブチルジメチルエトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、
N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルメチルジメトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルジメチルエトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルメチルジメトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルジメチルエトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルメチルジメトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−トリメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルジメチルエトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルメチルジメトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−トリエチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルジメチルエトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルメチルジメトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−t−ブチルジメチルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルジメチルエトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルメチルジメトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−トリイソプロピルシロキシカルボニル−2−メチル)エチル−4−アミノブチルジメチルエトキシシラン等が例示される。
【0022】
これらのなかでも特に、N−(2−メトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−エトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリエトキシシランが好ましい。
【0023】
本発明の分子内環化方法としては、環化の際に生成するアルコールを除去しながら反応させる方法が採用できる。
【0024】
アルコールの除去は、常圧又は減圧下で実施することができるが、アルコールの除去効率を高めるためには減圧下で実施するのが好ましい。その際の圧力は10kPa以下、特に5kPa以下が好ましい。下限値は特に制限されないが、0.01kPa以上が好ましい。
【0025】
本発明の製造方法において、反応温度は特に限定されないが、0〜200℃、特に50〜200℃が好ましい。反応時間も特に限定されないが、1〜100時間、特に1〜50時間が好ましい。
【0026】
本発明の製造方法において、触媒等は特に用いなくても良いが、反応速度を向上させるために用いることもできる。用いられる触媒としては、酸性又は塩基性化合物が例示され、具体的には、酸性化合物としては、硫酸、硫酸アンモニウム、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸といった酸とその誘導体やそのアンモニウム塩、ピリジニウム塩等のイオン性含窒素化合物誘導体又は無機塩等が例示される。一方、塩基性化合物としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液、ナトリウムエトキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属オルガノオキシド等が例示される。これらのなかでも特に、硫酸、硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ナトリウムメトキシド、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液が好ましい。
【0027】
酸性又は塩基性化合物の使用量は特に限定されないが、反応性、生産性の点から一般式(2)で示される化合物1モルに対し、0.001〜1モル、特に0.005〜0.1モルの範囲が好ましい。
【0028】
なお、上記反応は無溶媒でも進行するが、溶媒を用いることもできる。用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒等が例示される。これらの溶媒は1種を単独で使用してもよく、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
【0029】
以上のようにして得られた反応液からは、蒸留等の通常の方法で目的物を回収することができる。
【0030】
なお、上記一般式(2)の化合物の製造方法は特に制限されないが、例えば、下記一般式(3)
【化5】

(式中、R2、R3、b及びnは上記と同様である。)
で示されるアミノシラン化合物と、下記一般式(4)
【化6】

(式中、R1及びR4は上記と同様である。)
で示される化合物とを反応させて得ることができる。
【0031】
この場合、反応条件は、式(3)の化合物1モルに対して、式(4)の化合物を0.2〜5モル、特に0.5〜2モルの割合で用い、窒素、アルゴン等の雰囲気下、0〜200℃、特に0〜150℃で、1〜40時間、特に1〜20時間反応させることが好ましい。反応溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒等を用いることができる。
【実施例】
【0032】
以下、合成例及び実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0033】
[合成例1]N−(2−メトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン161.4g(0.9モル)、メタノール16.1gを仕込み、60℃に加熱した。内温が安定した後、アクリル酸メチル77.5g(0.9モル)を1時間かけて滴下し、その温度で2時間撹拌した。得られた反応液を蒸留し、N−(2−メトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを沸点125−128℃/0.15kPaの留分として147.4g得た。
【0034】
[実施例1]2,2−ジメトキシ−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタンの合成
塔頂部に還流器、抜き出し口を備えた、ステンレススチール製充填物で充填された塔及び温度計を備えたフラスコに、合成例1で得られたN−(2−メトキシカルボニル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン53.1g(0.2モル)と28質量%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液0.38gを仕込み、3.0kPaで、135〜145℃、5時間還流し、引き続き留出することで、沸点95−96℃/0.4kPaの留分20.2gを得た。
【0035】
得られた留分の質量スペクトル、1H−NMRスペクトル、IRスペクトルを測定した。
質量スペクトル
m/z 233,232,218,160,130,91
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒)
図1にチャートで示す。
IRスペクトル
図2にチャートで示す。
以上の結果より、得られた化合物は、2,2−ジメトキシ−1−(2−メトキシカルボニル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタンであることが確認された。
【0036】
[合成例2]N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン161.4g(0.9モル)、メタノール16.1gを仕込み、70℃に加熱した。内温が安定した後、メタクリル酸メチル90.1g(0.9モル)を1時間かけて滴下し、その温度で20時間撹拌した。得られた反応液を蒸留し、N−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを沸点142−144℃/0.8kPaの留分として150.3g得た。
【0037】
[実施例2]2,2−ジメトキシ−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタンの合成
塔頂部に還流器、抜き出し口を備えた、ステンレススチール製充填物で充填された塔及び温度計を備えたフラスコに、合成例2で得られたN−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン55.9g(0.2モル)と28質量%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液0.38gを仕込み、2.0kPaで、135〜145℃、5時間還流し、引き続き留出することで、沸点100−101℃/0.4kPaの留分21.3gを得た。
【0038】
得られた留分の質量スペクトル、1H−NMRスペクトル、IRスペクトルを測定した。
質量スペクトル
m/z 247,232,160,130,91,59
1H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒)
図3にチャートで示す。
IRスペクトル
図4にチャートで示す。
以上の結果より、得られた化合物は、2,2−ジメトキシ−1−(2−メトキシカルボニル−2−メチル)エチル−1−アザ−2−シラシクロペンタンであることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】

[式中、R1は炭素数1〜20の置換若しくは非置換の1価炭化水素基又はR789Si−(式中、R7、R8及びR9は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)で示されるトリオルガノシリル基であり、R2及びR3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基、R4、R5及びR6は水素原子又は炭素数1〜20の置換若しくは非置換の1価炭化水素基であり、aは0又は1、bは1〜10の整数、nは0、1又は2である。]
で示されるカルボン酸エステル基を有する環状シラザン化合物。
【請求項2】
下記一般式(2)
【化2】

[式中、R1は炭素数1〜20の置換若しくは非置換の1価炭化水素基又はR789Si−(式中、R7、R8及びR9は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基である。)で示されるトリオルガノシリル基であり、R2及びR3は炭素数1〜20の置換又は非置換の1価炭化水素基、R4、R5及びR6は水素原子又は炭素数1〜20の置換若しくは非置換の1価炭化水素基であり、aは0又は1、bは1〜10の整数、nは0、1又は2である。]
で示されるカルボン酸エステル基を有するアミノシラン化合物を分子内環化させることを特徴とする請求項1記載のカルボン酸エステル基を有する環状シラザン化合物の製造方法。
【請求項3】
常圧又は減圧下、酸性又は塩基性触媒を用いて0〜200℃で1〜100時間分子内環化させる請求項2記載の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−246392(P2011−246392A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121187(P2010−121187)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】