説明

カーテンウォール及び建造物

【課題】建造物の外観品質やコスト上の問題を招来することなく自然換気量を十分に確保すること。
【解決手段】上下方向に沿って複数の面材10を配設することにより、建造物の外壁を構成するカーテンウォール1において、上方に位置する面材10が下方に位置する面材10よりも室外側に位置するとともに、互いの間に間隙60を確保した状態で上下に隣接する面材10の端部領域を互いに重ね合わせ、かつ建造物の室内空間に対して間隙60の少なくとも一つを通気用通路60Aとして連通させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンウォール及びこれを適用した建造物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境配慮の観点から、自然換気機能を付与するようにした建造物が種々提供されている。例えば、カーテンウォールによって外壁を構成した建造物では、カーテンウォールの無目や下枠、あるいは目地部分に通気用の開口を形成し、この通気用開口を介して室内空間の換気を行うようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。この種のカーテンウォールを適用した建造物によれば、窓を開ける必要がないため、高層の建造物であっても自然換気を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−308906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自然換気による換気量を増大するには、通気用の開口を大きく確保する必要がある。しかしながら、通気用の開口を大きく確保した場合には、これがそのまま外部に露出することになるため、建造物の外観品質を著しく損なう恐れがある。しかも、通気用の開口を大きく確保した場合には、雨水の浸入を防止するルーバー等の雨除けを設ける必要もあり、適用する建造物の外観品質が一層損なわれる恐れがあるばかりか、コスト的にも好ましいものとはいえない。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、外観品質やコスト上の問題を招来することなく自然換気量を十分に確保することのできるカーテンウォール及び建造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るカーテンウォールは、上下方向に沿って複数の面材を配設することにより、建造物の外壁を構成するカーテンウォールにおいて、上方に位置する面材が下方に位置する面材よりも室外側に位置するとともに、互いの間に間隙を確保した状態で上下に隣接する面材の端部領域を互いに重ね合わせ、かつ前記間隙の少なくとも一つを建造物の室内空間に通気用通路として連通させたことを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、互いに端部領域を重ね合わせた上方の面材と下方の面材との間の間隙を通気用通路として室内空間に連通させているため、この通気用通路を通じて室内空間の自然換気を行うことができる。
【0008】
また、本発明は、上述したカーテンウォールにおいて、上方に位置する面材及び下方に位置する面材は、それぞれを下方に向かうに従って漸次室外側に傾斜させたことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、平板状のカーテンウォールを適用して通気用通路を構成することが可能となる。
【0010】
また、本発明は、上述したカーテンウォールにおいて、上方に位置する面材と下方に位置する面材との間に確保した間隙を、天井スラブと天井板との間に設けた設備用通気ダクトに連通させたことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、天井スラブと天井板との間の設備用通気ダクトに対しても外気を効率良く導入することが可能となる。
【0012】
また、本発明は、上述したカーテンウォールにおいて、上方に位置する面材の内表面において下端から所定の高さ位置となる部位に中間材を突設し、かつこの中間材と下方に位置する面材の上端部との間に、互いに係合した場合に上方に位置する面材と下方に位置する面材との相対移動を規制する係合部材を設けたことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、係合部材により個々の面材が都合二箇所で隣接する面材に係合されることになる。これにより、スラブ等の躯体に対する固定部が一箇所であった場合にも面材をより確実に支持することが可能となる。
【0014】
また、本発明は、上述したカーテンウォールにおいて、室内空間に連通する通気用通路を構成した上下一対の面材は、上方に位置する面材の上端を前記室内空間の天井板とその上方に配置される天井スラブとの間に配置し、下方に位置する面材の上端を前記室内空間の床スラブと前記天井板との間に配置するとともに、その下端を下層の室内空間を構成する天井板よりも下方に配置したことを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、ワンフロアを構成する天井スラブと床スラブとの間に2枚の面材を用意すれば、室内空間の自然換気を行うことができるとともに、設備用通気ダクトに対して外気を導入することができる。
【0016】
また、本発明は、上述したカーテンウォールにおいて、室内空間に連通する通気用通路を構成した上下一対の面材は、少なくとも上方に位置するものが透光性を有することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、面材が透光性を有するように構成しているため、適用する建造物の室内空間に十分な採光を確保することができる。
【0018】
また、本発明に係る建造物は、上述したカーテンウォールのいずれか一つを外壁として適用したことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、カーテンウォールとして互いに端部領域を重ね合わせた上方の面材と下方の面材との間の間隙を通気用通路として室内空間に連通したものを適用しているため、この通気用通路を通じて室内空間の自然換気を行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、互いに端部領域を重ね合わせた上方の面材と下方の面材との間の間隙を通気用通路として室内空間に連通させているため、この通気用通路を通じて室内空間に自然換気を行うことができる。通気用通路は、下方に向けて開口するものであり、建造物の姿図に現れることがないため、自然換気量を増大すべくその開口面積を増大させた場合にも、建造物の外観品質を何ら損なう恐れはない。しかも、上方の面材が雨除けとしても機能するため、外観品質やコストの問題を招来することなく雨水の浸入も確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の実施の形態であるカーテンウォールを適用した建造物の外壁部分を示す縦断面図である。
【図2】図2は、図1に示した建造物を室外側から見た図である。
【図3】図3は、図1に示したカーテンウォールの要部を拡大して示す図である。
【図4】図4は、図1に示したカーテンウォールの要部を拡大して示す図である。
【図5】図5は、図2におけるA−A線断面図である。
【図6】図6は、図2におけるB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係るカーテンウォール及び建造物の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
図1及び図2は、本発明の実施の形態であるカーテンウォール及びこれを適用した建造物の要部を示したものである。ここで例示する建造物は、複数のフロアを有したビルである。各フロアには、上方に配置されたスラブSの下方に天井板RPが配設してあり、下方に配置されたスラブSと天井板RPとの間に室内空間が構成される。それぞれのフロアにおいて上方に配置されたスラブSと天井板RPとの間には、室内空調を行うための設備用通気ダクトDが設けられている。尚、以下においては便宜上、基準としたフロアの室内空間に対して上方に配置されるスラブを「天井スラブ」と称し、下方に配置されるスラブを「床スラブ」と称して説明を行う。
【0024】
この建造物の外壁として適用されるカーテンウォール1は、複数の面材10を上下左右に並べて配設することにより構成したものである。個々の面材10は、図1〜図4に示すように、上枠部材11、下枠部材12及び左右一対の縦枠部材13,13を枠組みすることによって構成した枠の内部に面材パネル14を保持させたものである。本実施の形態では、特に、図2に示すように、下枠部材12として中央部から両側に向かうに従って漸次上方に傾斜するV字状に形成したものを適用し、下方に向けて凸となる五角形の面材10を構成している。また、面材10としては、図4〜図6に示すように、2枚のガラス板から成る複層ガラス14aを面材パネル14とした透光性を有するものと、外表面側の1枚のガラス板14bと内表面側のアルミニウムパネル14cとを面材パネル14とした透光性を有していないものとの2種類を適用している。それぞれの面材10の高さ方向の寸法は、天井板RPから床スラブSまでの距離とほぼ等しく構成してある。尚、以下において2種類の面材10を区別する場合には、複層ガラス14aを面材パネル14としたものを「透光性面材10A」、1枚のガラス板14b及びアルミニウムパネル14cを面材パネル14としたものを「非透光性面材10B」と称することとする。
【0025】
それぞれの面材10には、図3及び図4に示すように、上枠部材11にジョイントピース(係合部材)20が設けてあるとともに、内表面側となる部位に固定ブラケット30及び増し材(中間材)40が設けてある。ジョイントピース20は、上枠部材11の上面から上枠部材11の長手方向に沿って上方に突出した凸状部品であり、上枠部材11の上面において内表面側に近接した縁部に複数取り付けてある。
【0026】
固定ブラケット30は、面材10を建造物のスラブSに支持させるためのもので、取付部31と調整ボルト装着部32とを有している。取付部31は、縦枠部材13を介して面材10の内表面に取り付けられる部分である。この取付部31には、高さ方向の略中間となる部位にボルト挿入孔33及びウェルドナット34が設けてある。調整ボルト装着部32は、取付部31の上端となる部位からほぼ直角となる方向に向けて突出した部分であり、調整ボルト35を備えている。調整ボルト35は、調整ボルト装着部32に貫設したネジ孔(図示せず)に螺合したもので、適宜回転させることによって調整ボルト装着部32の下面からの突出量を調整することが可能である。この固定ブラケット30は、取付部31の両端部を介して縦枠部材13に取り付けることにより、それぞれの面材10の内表面側となる部位に固定してある。具体的には、図1及び図3に示すように、透光性面材10Aにはその上縁部に固定ブラケット30が設けてあり、一方、非透光性面材10Bには、図1及び図4に示すように、上端から全高のほぼ1/3となる高さ位置に固定ブラケット30が設けてある。
【0027】
増し材40は、上下に配設する面材10の連結部となる部分であり、一対の縦枠部材13の間に架設した支持部材16を介して面材10の内表面から突出するように取り付けてある。図4に示すように、増し材40の面材10からの突出量mdは、面材10の室内外方向に沿った寸法xよりも大きく構成してあり、また、図4及び図5に示すように、増し材40の左右方向に沿った寸法mhは、面材10の左右方向に沿った幅wと同じに形成してある。図1に示すように、増し材40を設ける高さ位置は、面材10の下端よりも上方となる部位、例えば下端から全高のほぼ1/3となる部位としてある。尚、増し材40を設ける位置は、必ずしもこれに限らず、面材10の内表面において下端よりも上方となる部位であれば、いずれの高さ位置であっても構わない。
【0028】
図4からも明らかなように、面材10の増し材40には、内部に中空部41が構成してあるとともに、下面にジョイント受部材(係合部材)50が設けてある。中空部41は、個々の面材10ごとに独立した空間であり、増し材40の下面に導入口42を有する一方、増し材40の上面に排出口43を有している。中空部41の導入口42は、増し材40の下面において支持部材16との接続部に近接した位置に常時開口している。中空部41の排出口43は、増し材40の上面においてそのほぼ中央となる位置に開口している。透光性面材10Aに取り付けた増し材40の排出口43には、蓋部材44が開閉可能に設けてある。非透光性面材10Bに取り付けた増し材40の排出口43には、ダクト連通管路45が接続してある。ダクト連通管路45は、上述した設備用通気ダクトDに接続するための通気通路を構成するものである。ジョイント受部材50は、増し材40の下面から増し材40の長手方向に沿って下方に突出した直線状に延在する凹状部材であり、その突出面に係合溝51を有している。ジョイント受部材50の係合溝51は、面材10の上枠部材11に設けたジョイントピース20に嵌合する大きさに形成してあり、その内部にジョイントピース20が嵌合された場合、ジョイントピース20とジョイント受部材50とを互いに連結するように機能する。このジョイント受部材50は、ジョイントピース20が嵌合した場合、下方に配置された面材10の外表面と上方に配置された面材10の内表面との間に間隙60を確保できる位置に配設してある。
【0029】
さらに、それぞれの面材10には、ウィンドバリア70が設けてある。ウィンドバリア70は、ゴム等の弾性部材によって成形してあり、面材10を上下方向及び左右方向に並べて配設した場合に互いの間に水密性及び気密性を確保するものである。本実施の形態では、上枠部材11の上面から縦枠部材13の側面を通って増し材40の側面に至り、さらに増し材40の側面から増し材40の下面へと一繋がりとなるようにウィンドバリア70が配設してある。上枠部材11の上面に設けたウィンドバリア70と増し材40の下面に設けたウィンドバリア70とは、ジョイントピース20をジョイント受部材50と連結させた場合に相互に圧接するように配設してある。縦枠部材13及び増し材40の側面に設けたウィンドバリア70は、面材10を互いに左右方向に沿って並べた場合に相互に圧接するように配設してある。
【0030】
上記のように構成したカーテンウォール1を建造物の外壁として支持させるには、まず、図3及び図4に示すように、天井スラブSの下面を支持する梁Hの下面に支持ブラケットsbを介してファスナーFを取り付けるとともに、床スラブSの室外側に位置する端部に支持ブラケットsbを介してファスナーFを取り付ける。
【0031】
ファスナーFは、支持ブラケットsbの上面にほぼ水平となるように取り付けられる基片部Faと、基片部Faから上方に突出した取付片部Fbとを有した略L字状を成すアングル材である。本実施の形態では、基片部Faを水平方向に配置した場合に一方の端部から突出した取付片部Fbが上方に向かうに従って漸次一方の端部から離隔するように傾斜するファスナーFを適用している。取付片部Fbには、上端部に受片部Fcが設けてあるとともに、高さ方向のほぼ中間となる部位にボルト挿通孔Fdが貫設してある。それぞれのファスナーFは、取付片部Fbを室外側に位置させた状態で支持ブラケットsbに強固に固定してある。
【0032】
このファスナーFの取付片部Fbに対して固定ブラケット30の調整ボルト装着部32を上方に配置させ、この状態から取付片部Fbのボルト挿通孔Fd及び固定ブラケット30のボルト挿入孔33を介してウェルドナット34に取付ボルトBBを締結させれば、ファスナーF及び固定ブラケット30介して面材10を建造物のスラブSに保持させることができる。すなわち、取付ボルトBBをウェルドナット34に締結させることでファスナーFに対する固定ブラケット30の左右方向及び離反する方向の相対移動が規制され、さらに調整ボルト35の下端面がファスナーFに設けた受片部Fcに当接することでファスナーFに対する固定ブラケット30の下方への移動が規制されることになる。
【0033】
このとき、本実施の形態の建造物にあっては、透光性面材10Aの固定ブラケット30を梁Hの下面に取り付けた支持ブラケットsbのファスナーFに締結させることにより、図1及び図2に示すように、透光性面材10Aの上端を天井板RPとその上方に配置される天井スラブSとの間に位置させ、かつその下端を床スラブSの上面にほぼ等しい高さに位置させる。これにより、室内空間に対しては、その上方部に配置される透光性面材10Aの複層ガラス14aを通じて十分な採光が確保される。一方、非透光性面材10Bに関しては、固定ブラケット30を床スラブSの端部に取り付けた支持ブラケットsbのファスナーFに締結させることにより、その上端を床スラブSと天井板RPとの間に位置させ、かつその下端を下層フロアの天井板RPよりも下方に位置させる。尚、図5中の符号PPは、アルミニウムパネル14cよりも室内側となる部位において枠に保持させた耐火パネルである。この耐火パネルPPは、非透光性面材10Bを耐火構造に構成するためのものである。
【0034】
上述の方法を繰り返し行うことにより、透光性面材10A及び非透光性面材10Bを建造物の下方となる部位から順次上方に向けてスラブSに保持させる。下方に面材10を保持させた後にその上方に面材10を保持させる際には、下方の面材10の上枠部材11と上方の面材10の増し材40とを対向させ、ジョイントピース20とジョイント受部材50とを互いに連結させる。この場合、図2に示すように、下方に保持させた面材10に対して上方に保持させる面材10を左右方向に幅wの1/2だけオフセットさせ、上下に並ぶ面材10が千鳥状となるように配置する。
【0035】
上記のようにして構成されるカーテンウォール1は、ファスナーFの受片部Fcが取付片部Fbに対して室内側上方に向けて傾斜し、かつ下方に配置された面材10の上枠部材11と、上方に配置された面材10の増し材40とを対向させているため、それぞれの面材10が下方に向かうに従って漸次室外側に傾斜されるとともに、下方に位置する面材10の上端部が、常に上方に位置する面材10の下端部よりも室内側に位置した状態で両者の端部領域が互いに重ね合わされることになる。しかも、下方に配置された面材10の外表面と上方に配置された面材10の内表面との間には、下方に配置された面材10のジョイントピース20と、上方に配置された面材10のジョイント受部材50が嵌合することによって間隙60が確保される。さらに、面材10の相互間に確保された間隙60の上方延長上には、それぞれ増し材40の下面に設けた導入口42が配置されることになる。
【0036】
これらの結果、図4に示すように、外気が下方の面材10の傾斜に沿って上方に案内され、透光性面材10Aの内表面と非透光性面材10Bの外表面との相互間に確保した間隙60を通気用通路60Aとして増し材40の導入口42に至る。従って、図4中の二点鎖線で示すように、室内空間において透光性面材10Aの増し材40に設けた蓋部材44を開放すれば、通気用通路60Aが室内空間に連通することになり、増し材40の中空部41から排出口43を通じて室内空間に自然換気用の空気を導入することができる。これにより、上記カーテンウォール1を適用した建造物によれば、窓が存在しない場合であっても、室内空間を自然換気することができるようになる。
【0037】
一方、透光性面材10Aの外表面と非透光性面材10Bの内表面との間に確保した間隙60においては、外気が増し材40の導入口42から中空部41及びダクト連通管路45を通じて設備用通気ダクトDに導入されることになる。
【0038】
ここで、面材10の相互間に確保した間隙60は、それぞれの面材10が下方に向けて漸次外方に傾斜するものであるため、下方に向けて開口することになり、建造物の姿図に現れることはない。従って、間隙60の開口面積を大きく確保した場合にも、建造物の外観品質を何ら損なう恐れはない。しかも、間隙60の上方に配置された面材10は、雨除けとしても機能するため、別途ルーバー等の雨除けを付設することなく雨水等の水の浸入を防止することができる。従って、上述したカーテンウォール1によれば、外観品質やコストの問題を招来することなく水の浸入も確実に防止したうえで、通過する空気の流量を増大することができ、室内空間に対する自然換気や設備用通気ダクトDへの空気導入量を大きく確保することができる。
【0039】
尚、上述した実施の形態では、面材の下端縁を下に向けて凸となるように形成しているが、必ずしも下方に向けて凸である必要はなく、例えば矩形状の面材を適用してももちろん良い。
【0040】
また、上述した実施の形態では、一つのフロアについて2つの面材10を配置させるようにしているが、一つのフロアに対して1つの面材を配置したり、3以上の面材を配置するようにしても良い。この場合、設備用通気ダクトに空気を導入するための間隙は、必ずしも設ける必要はない。
【0041】
さらに、上述した実施の形態では、係合部材として互いに嵌合するジョイントピース及びジョイント受部材を例示したが、必ずしも嵌合するものである必要はなく、相互に係合した場合に互いの移動を規制するものであれば、その他の構成であっても構わない。
【符号の説明】
【0042】
1 カーテンウォール
10 面材
11 上枠部材
12 下枠部材
13 縦枠部材
14 面材パネル
20 ジョイントピース
30 固定ブラケット
40 増し材
41 中空部
42 導入口
43 排出口
44 蓋部材
45 ダクト連通管路
50 ジョイント受部材
51 係合溝
60 間隙
60A 通気用通路
70 ウィンドバリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に沿って複数の面材を配設することにより、建造物の外壁を構成するカーテンウォールにおいて、
上方に位置する面材が下方に位置する面材よりも室外側に位置するとともに、互いの間に間隙を確保した状態で上下に隣接する面材の端部領域を互いに重ね合わせ、かつ前記間隙の少なくとも一つを建造物の室内空間に通気用通路として連通させたことを特徴とするカーテンウォール。
【請求項2】
上方に位置する面材及び下方に位置する面材は、それぞれを下方に向かうに従って漸次室外側に傾斜させたことを特徴とする請求項1に記載のカーテンウォール。
【請求項3】
上方に位置する面材と下方に位置する面材との間に確保した間隙を、天井スラブと天井板との間に設けた設備用通気ダクトに連通させたことを特徴とする請求項1に記載のカーテンウォール。
【請求項4】
上方に位置する面材の内表面において下端から所定の高さ位置となる部位に中間材を突設し、かつこの中間材と下方に位置する面材の上端部との間に、互いに係合した場合に上方に位置する面材と下方に位置する面材との相対移動を規制する係合部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のカーテンウォール。
【請求項5】
室内空間に連通する通気用通路を構成した上下一対の面材は、
上方に位置する面材の上端を前記室内空間の天井板とその上方に配置される天井スラブとの間に配置し、
下方に位置する面材の上端を前記室内空間の床スラブと前記天井板との間に配置するとともに、その下端を下層の室内空間を構成する天井板よりも下方に配置した
ことを特徴とする請求項3に記載のカーテンウォール。
【請求項6】
室内空間に連通する通気用通路を構成した上下一対の面材は、少なくとも上方に位置するものが透光性を有することを特徴とする請求項5に記載のカーテンウォール。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載のカーテンウォールを外壁として適用したことを特徴とする建造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−122301(P2011−122301A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278303(P2009−278303)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】