説明

カーテンレール

【課題】リングランナーの摺動によるレール本体の摩耗の発生を防ぎ、リングランナーの滑り性を良くしてカーテンの開閉操作の円滑性を向上させることができるカーテンレールを提供する。
【解決手段】レール本体2の外径面で上部の位置に、凹溝3を長さ方向に沿って設け、この凹溝3内に滑り部材4を、その一部がレール本体2の外径面から外部に突出するように取付け、カーテン7の開閉操作時にカーテン7を吊り下げたリングランナー6がレール本体2と接触することなく摺動するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物の開口部分にカーテンを吊り下げ状に配置するために用いるカーテンレールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の棒状カーテンレールとして知られている木製カーテンレールは、木材を用いて断面円形の長い円軸状に形成され、その外径面を塗装仕上げした構造を有し、両端部を壁面等に固定したブラケットで支持することによって建物の開口部分の上部に水平配置され、このカーテンレールに木製や樹脂製等の多数のリングランナーを移動可能に外嵌し、カーテンの上部を所定の間隔で順次リングランナーに吊りかけることで、カーテンを開閉可能に吊り下げるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような木製カーテンレールは、重厚感があって装飾性に優れているが、カーテンの開閉操作時に、カーテンの重量がかかっているリングランナーがカーテンレールを摺動するため、カーテンレールの特に上部の部分がリングランナーで擦られて摩耗が発生し、短期間で塗装仕上げがはげて見た目が悪くなるという問題がある。
【0004】
また、カーテンの開閉においては、軽い力で開閉できる円滑性が要求されるが、表面を塗装仕上げしたカーテンレールでは、リングランナーの滑り性が決して良いとはいえず、このため、カーテンの開閉操作に円滑性を欠くことになる。
【0005】
そこで、この発明の課題は、リングランナーの摺動によるレール本体の摩耗や擦り傷の発生を防ぎ、装飾性の低下をなくすことができ、しかも、リングランナーの滑り性を良くしてカーテンの開閉操作の円滑性を向上させることができるカーテンレールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような課題を解決するため、この発明は、レール本体の外径面で少なくとも上部の位置に、その一部がレール本体の外径面から外部に突出する滑り部材を長さ方向に沿って設けた構成を採用したものである。
【0007】
また、レール本体の外径面で少なくとも上部の位置に、凹溝を長さ方向に沿って設け、この凹溝内に滑り部材を、その一部がレール本体の外径面から外部に突出するように取付けた構成を採用することができる。
【0008】
更に、上記滑り部材が、摩擦係数の小さい硬質の合成樹脂か金属材料を用いて形成されている構造とすることができる。
【0009】
ここで、上記レール本体は、木材や金属材料を用いて長い円軸や円筒の棒状に形成され、塗装やメッキ仕上げしたその外径面で上部の位置に凹溝が長さ方向の全長にわたって設けられ、滑り部材はこの凹溝に嵌合する部分の上部延長部がレール本体の外径面から外部に突出する断面形状を有し、前記凹溝の全長にわたって取付けられている。
【発明の効果】
【0010】
この発明によると、滑り部材がレール本体の外径面から外部に突出しているので、カーテンの重量がかかるリングランナーが滑り部材で支持され、レール本体の外径面に直接接触することがなく、カーテンの開閉操作時にリングランナーがレール本体をこすることがないので、リングランナーの摺動によるレール本体の摩耗の発生を防ぎ、表面が損傷しないので、レール本体の装飾性を長期にわたって維持することができる。
【0011】
また、滑り部材に摩擦係数の小さい硬質の合成樹脂か金属材料を用いることにより、リングランナーの滑り性が良く、カーテンの開閉操作時の円滑性が向上する。
【0012】
更に、レール本体に凹溝を設けることにより、レール本体が木製の場合、溝を設ける効果によってレール本体に割れや反り、ねじれ等の変形の発生を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態を図示例に基づいて説明する。
【0014】
図示のように、カーテンレール1は、木材を用いて断面円形の長い棒状に形成されたレール本体2の塗装仕上げしたその外径面で上部の位置に、凹溝3を長さ方向の全長にわたって設け、この凹溝3内に滑り部材4をその一部がレール本体2の外径面から外部に突出するように取付け、更に、レール本体2は両端に装飾部材5が取付けられ、レール本体2の両端部を壁面や天井面等に固定したブラケット10で支持することによって建物の開口部分の上部に水平配置されるようになっている。
【0015】
上記凹溝3は、図示の場合断面角形とし、滑り部材4は、ABS樹脂、ポリカーボネート、アクリル等の滑り性のよい硬質の合成樹脂か同効の金属材料を用い、凹溝3に嵌合する部分の上部延長部がレール本体2の外径面から外部に突出する板状の断面形状を有し、前記凹溝3の全長にわたって取付けられている。なお、滑り部材4は、凹溝3の全長に連続したものでも、適宜長さのものを継足すものでもよい。
【0016】
この凹溝3に嵌合した滑り部材4は、両端が装飾部材5で長さ方向の抜け止めとなるので、凹溝3に対して単に嵌め込むだけの取付けだけでも良いが、接着剤を用いて固定化するようにしてもよい。
【0017】
なお、滑り部材4を凹溝3に対して単に嵌め込むだけの取付けを採用すると、滑り部材4の取換えが容易となり、メンテナンスに有利となる。
【0018】
また、レール本体2の材質は、上述した木製に限ることなく、ステンレス等の各種金属材料を用いて断面円筒形に形成したものであってもよい。
【0019】
上記凹溝3は、図示省略したが底部が広い蟻溝に形成し、滑り部材4は凹溝3に嵌合する部分を蟻溝に適合する形状とし、その上部にレール本体2の外径面に突出する上部延長部とした構造としてもよく、この滑り部材4は凹溝3に対して一方の端部から差し込むことにより、上方への抜け止め状に取付ければよい。
【0020】
このように、レール本体2に凹溝3を設けることにより、レール本体2が木製である場合、凹溝3の効果によってレール本体2に割れや反り、ねじれ等の発生を防止できることになる。
【0021】
なお、レール本体2に対する滑り部材4の取付けは、図示のような凹溝3を用いた取付けだけでなく、帯板状の滑り部材をレール本体2の上部位置に接着剤で貼り付け固定するようにしたり、レール本体2の上部位置だけでなく、カーテンレール1の装飾性を低下させない範囲で側面等の複数箇所に取付けるようにしてもよい。
【0022】
上記のようなカーテンレール1は、建物の開口部分の上部で壁面や天井面に固定したブラケット10を用いて水平配置された状態で、レール本体2に木製や金属、樹脂製等の多数のリングランナー6を移動可能に外嵌し、カーテン7の上部に取付けた吊り下げフック8をリングランナー6の下部吊り環9に引っかけ、これによって、カーテン7の上部を所定の間隔で順次リングランナー6に吊りかけることで、カーテン7を開閉可能に吊り下げることになる。
【0023】
上記したカーテン7の吊り下げ状態において、滑り部材4がレール本体2の外径面から外部に突出しているので、カーテン7の重量がかかるリングランナー6は、内径の上部が滑り部材4の上部延長部の上面で支持され、レール本体2の外径面に直接接触することがなく、カーテン7の開閉操作時にリングランナー6がレール本体2をこすることがないので、リングランナー6の摺動によるレール本体2の摩耗の発生を防ぐことができ、レール本体2の表面塗装仕上げやメッキが損傷しないので、装飾性を長期にわたって維持することができる。
【0024】
また、滑り部材4に摩擦係数が小さく滑り性のよい硬質の合成樹脂か金属材料を用いることにより、リングランナー6の滑り性が良く、カーテン7の開閉操作時の円滑性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】カーテンレールの使用状態を示す斜視図
【図2】カーテンレールの使用状態を示す縦断側面図
【符号の説明】
【0026】
1 カーテンレール
2 レール本体
3 凹溝
4 滑り部材
5 装飾部材
6 リングランナー
7 カーテン
8 吊り下げフック
9 下部吊り環
10 ブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール本体の外径面で少なくとも上部の位置に、その一部がレール本体の外径面から外部に突出する滑り部材を長さ方向に沿って設けたカーテンレール。
【請求項2】
レール本体の外径面で少なくとも上部の位置に、凹溝を長さ方向に沿って設け、この凹溝内に滑り部材を、その一部がレール本体の外径面から外部に突出するように取付けたカーテンレール。
【請求項3】
上記滑り部材が、摩擦係数の小さい硬質の合成樹脂か金属材料を用いて形成されている請求項1又は2に記載のカーテンレール。

【図1】
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【図2】
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