説明

カーテン支持具

【課題】ランナーの摺動性に優れるとともに、カーテンレールにおける長手方向の反りや変形を防止し、しかも人体や環境保全に考慮したカーテン支持具を提供する。
【解決手段】竹集成材を切削加工し丸棒状に形成されたカーテンレール2と、取付壁面に対して取付けられ、カーテンレール2を支持する一対のブラケットと、カーテンレール2ンに摺動可能に取付けられ、カーテンを着脱可能に吊り下げるランナーとを具備する。特に、カーテンレール2の竹集成材は、竹の繊維方向に沿って切断され断面が略長方形状に形成された薄板状の竹材10を、接着剤を介して板厚方向に積層して構成され、積層方向が互いに直交するように配置された少なくとも夫々一組の第一積層部11及び第二積層部12を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテン支持具に関するものであり、特に、丸棒状のカーテンレールを有するカーテン支持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、装飾されたカーテンレールとして、木製のカーテンレールが広く知られている。このカーテンレールによれば、フローリングや木製ドアなどが配設された洋風のリビングにおいて、調度品との調和を損なうことなく設けることができ、しかも人体に対する癒しの効果も期待することができる。
【0003】
なお、このような木製のカーテンレールは、その材質として、ブナ、ミズブナ、またはミズタモなどの天然木から削り出した無垢材が使用されている。
【0004】
しかし、これらの天然木は比較的高価であり、しかも木材として使用できる程度に成長するまでには数十年を要することから、木材伐採による森林資源の枯渇、環境破壊などの問題も提起されている。また、自然樹を利用したものでは、経時的な劣化は避けがたく、しかも膨張・伸縮が起きることにより長手方向に反りや曲がりが発生する虞がある。
【0005】
そこで、これらの問題点を解決するために、集成材を用いたカーテンレール、すなわち比較的安価な木材を薄板状に形成し、それらを厚み方向に積層して構成されるカーテンレールが提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−81753号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の集成材は比較的安価で節目の多い木材から形成されているため、節目に起因する歪みにより強度が低下したり、ランナーの摺動性を悪化させたりすることが懸念される。また、節目の多いカーテンレールは、意匠性を大幅に損なうことから商品価値が低下するという問題もある。なお、節目を目立たなくさせ、しかもランナーの摺動性を上げるために、カーテンレールの表面に、厚めの塗装を施したり、木目印刷を施した合成樹脂製シート材を貼着したりすることも考えられている。しかし、これによれば、木質感がなくなり木の温かみや癒しの効果が失われるとともに、長期間の使用により塗装が剥がれランナーの摺動性が損なわれてしまう。また、塗料に含まれる化学物質が人体に悪影響を及ぼす虞もある。
【0008】
また、カーテンレールは、一般に2m程度以上の長さが要求されることから、集成材を用いた場合でも、長期間の使用により長さ方向の反りや曲がりが発生し、見栄えを損ねる虞がある。特に、丸棒状のカーテンレールでは、上下左右方向を特定することなく使用されるため、カーテンを吊り下げた際、集成材の積層方向に力が加わる場合もあれば、積層方向に対して垂直な方向に力が加わる場合もあり、使い方によっては、反り易さや曲がり易さが助長され、ひいては意匠性ばかりではなく使い勝手も悪化させる虞がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、ランナーの摺動性に優れるとともに、カーテンレールにおける長手方向の反りや変形を防止し、しかも人体や環境保全に考慮したカーテン支持具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかるカーテン支持具は、「竹集成材を切削加工し丸棒状に形成されたカーテンレールと、
取付壁面に対して取付けられ、前記カーテンレールを支持する一対のブラケットと、
前記カーテンレールに摺動可能に取付けられ、カーテンを着脱可能に吊り下げるランナーと
を具備し、
前記竹集成材は、竹の繊維方向に沿って切断され断面が略長方形状に形成された薄板状の竹材を、接着剤を介して板厚方向に積層して構成され、積層方向が互いに直交するように配置された少なくとも夫々一組の第一積層部及び第二積層部を有する」ものである。
【0011】
本発明のカーテン支持具によれば、カーテンレールは、竹を原材料とする竹集成材を切削加工し丸棒状に形成されたものであるため、竹の特徴である表面の滑らかさにより、摺動性の高い表面部位を持つことができ、表面に塗装を施したり、合成樹脂製シート材を貼着する必要が無くなる。また、竹は高い堅牢性と耐久性、低伸縮性を有することから、湿度による反りや変形も抑制される。特に、竹集成材は、竹の繊維方向に沿って切断され断面が略長方形状に形成された薄板状の竹材を、板厚方向に積層して構成された第一積層部と第二積層部とを有し、これらの積層部を、積層方向が互いに直交するように配置している。このため、例えば、丸棒状のカーテンレールに対し所定方向に力が加えられた場合、その力の方向が第一積層部の積層方向(板厚方向)であれば、第二積層部に対しては並設方向(積層方向に対して垂直となる方向)に力が加わることとなる。つまり、一方の積層部に対し強度の弱い方向に力が加えられた場合でも、他方の積層部に対しては強度の強い方向に力が加えられることとなる。すなわち、積層方向を直交させることにより、双方の積層部の協働によってカーテンレールの曲がり難さを高め合い、カーテンレールの強度を一層高めることが可能になる。したがって、カーテンレールがどのような状態で配設された場合であっても、カーテンレールにおける長手方向の反りや変形を確実に抑制することが可能となる。
【0012】
また、本発明のカーテン支持具において、「前記カーテンレールの前記竹集成材は、二組の前記第一積層部及び前記第二積層部を、径方向断面が略「卍」形になるように配置してなる」ことを特徴とする。
【0013】
本発明のカーテンレールによれば、丸棒状のカーテンレールの中に、少なくとも第一積層部及び第二積層部が夫々二組設けられ、断面が略「卍」形(まんじ形)になるように、配置されている。つまり、径方向の断面を十文字で四分割したと仮定した場合、右上及び左下に一方の積層部(例えば第一積層部)が配置され、左上及び右下に他方の積層部(例えば第二積層部)が配置されている。このため、カーテンレールにおける長手方向の反りや変形を確実に防止することができるとともに、周方向の変形(捩れの力)に対しても強固となる。また、カーテンレールの表面(周面)に現れる模様は、カーテンレールの軸線を中心として線対称となるため、カーテンレールをどの方向から見た場合でも、竹材の積層状態を容易に認識させることができ、積層面による自然な木の質感を十分に与えることができる。したがって、癒しの効果及び意匠性を一層高めることが可能になる。
【0014】
さらに、本発明のカーテン支持具において、「前記第一積層部及び前記第二積層部は、夫々の前記竹材における節目が前記カーテンレールの径方向において互いに重ならないように積層されている」ことを特徴とする。
【0015】
本発明のカーテンレールによれば、第一積層部及び第二積層部は、夫々複数の竹材を厚み方向に積層して構成したものであるが、竹材における節目がカーテンレールの径方向において互いに重ならないように、すなわちカーテンレールの長手方向において互いにずれるように積層されている。このため、竹材に節目が含まれていても、カーテンレールの長手方向に分散させることができ、節目による強度の低下及び意匠性の低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
このように、本発明のカーテン支持具によれば、摺動性の高いカーテン支持具を実現できる。また、高い摺動性を有することにより、カーテンレールの表面を塗装しない構成、あるいは薄めの塗装を施す構成を採用することができ、木質感による癒しの効果を十分に発揮させることが可能になる。さらに、竹集成材を使用することにより、抗菌・抗カビ作用、脱臭・消臭作用などの良い影響を得ることもでき、また、高い堅牢性、耐久性、及び低伸縮性を有することから、湿度による反りや変形を抑制することができる。特に、カーテンレールの基材となる竹集成材は、積層方向が互いに直交する第一積層部及び第二積層部を有していることから、いずれの方向から力が加えられた場合でも、カーテンレールの反りや変形を防止することができる。さらに、森林伐採による環境破壊にも荷担することなく、環境保全に考慮したカーテン支持具を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態であるカーテン支持具について、図1乃至図6に基づき説明する。図1は本発明のカーテン支持具の使用状態を示す正面図であり、図2はカーテン支持具の構成を示す斜視図であり、図3はカーテンレールの構成を示す側面図及び正面図であり、図4はランナーの構成を示す側面図であり、図5は装飾部材の構成を示す側面図及び正面図であり、図はブラケットの構成を示す平面図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、カーテン支持具1は、カーテンKを吊り下げるための装置であり、主に、丸棒状のカーテンレール2と、カーテンレール2を取付壁面に支持する一対のブラケット3と、カーテンレール2に外挿され長手方向に沿って摺動可能な複数のランナー4と、カーテンレール2の両端に装着される装飾部材5とを具備して構成されている。以下、各部材の構成及び製造方法について詳細に説明する。
【0019】
(カーテンレールの構成及び製造方法)
カーテンレール2は、図3に示すように、竹集成材を切削加工して丸棒状に形成された部材である。ここで、竹集成材とは、断面が略長方形に形成された薄板状の竹材10を、接着剤(図示しない)を介して板厚方向(すなわち厚み方向)に積層して構成されたものである。特に、本例の竹集成材は、積層方向が互いに直交する二組の第一積層部11及び第二積層部12を有しており、径方向の断面が略卍形(まんじ形)になるように配置されている。つまり、図3(a)に示す例では、右上及び左下の部位は、積層方向が鉛直方向となる(すなわち上下方向に積層された)第一積層部11から形成され、左上及び右下の部位は、積層方向が水平方向となる(すなわち左右方向に積層された)第二積層部12から形成されている。なお、第一積層部11及び第二積層部12では、竹の繊維方向に沿って薄板状に切断された竹材10が用いられている。竹材10の厚みは特に限定されるものではないが、例えば、2mmから7mm程度の厚みとすることができる。
【0020】
また、夫々の竹材10には、竹の節目13が含まれる場合もあるが、本例では、第一積層部11及び第二積層部12を製造する際、複数の節目13がカーテンレール2の径方向において互いに重ならないように位置決めがなされている。つまり、図3(b)に示すように、複数の節目13がカーテンレール2の長手方向に分散された状態で積層されている。
【0021】
次に、カーテンレール2の製造方法について説明する。まず、孟宗竹を繊維方向に沿って切断し、任意の数に分割する。分割された竹は、縦・横の湾曲した側面を切り落とされ、例えば幅が2cm、長さが1m、厚みが3〜4mmの竹材10として取り出される。
【0022】
次に、竹材10を沸騰した湯の中に投入し、6時間程度煮沸する。これにより、竹の繊維が加工しやすい柔らかさになり、かつ、竹繊維中または表面に付着した害虫や細菌が死滅させることができる。
【0023】
そして、上記で得られた竹材10を、任意の枚数積層させる。つまり、第一積層部11及び第二積層部12を成形する。竹材10と竹材10との間にはエポキシ樹脂などの接着剤が塗布される。この接着剤は、耐熱、耐水、耐薬品、及び耐候性等を有するため、長時間使用した場合にも強度が確保される。また、揮発性有機化合物の発散が少なく、シックハウス症候群などの人体に悪影響を与える化学物質をほとんど発散しない。
【0024】
なお、第一積層部11と第二積層部12は、配設される方向が互いに異なるだけであり、形状も積層方向も同一である。したがって、夫々の積層部同士を組合せるまでは、第一積層部11及び第二積層部12を区別することなく、共通部品として扱われる。
【0025】
その後、四組の積層部を、断面「田」字状に、上下二段及び左右二列で配列し、接着剤を介して互いに接着させる。特に、この際、上下左右に隣接する積層部同士の積層方向が直交するように配置する。これにより、四組の積層部のうち二組が第一積層部11となり、他の二組が第二積層部12となって、全体として断面が卍形に積層された竹集成材が形成される。
【0026】
次に、積層された竹集成材を、プレス機などで圧縮し、竹材10同士をより強固に圧着させる。さらに、それを乾燥させ例えば水分の9〜12パーセントを残して蒸発させる。これにより、四角柱状の乾燥した竹集成材が形成され、旋盤等を用いて丸棒状に切削加工することが可能になる。
【0027】
(ブラケット3の構成及び製造方法)
図1、図2に示すように、ブラケット3は、カーテンレール2を、室内の壁面または天井(以下、「取付壁面」と称す)に対して支持させるためのものであり、掛止部17を有するブロック状の取付部18、取付部18から突出し取付壁面とカーテンレール2との間隔を適度に保つ支柱部19、及びカーテンレール2を支持するためのU字型の受部20を備えている。なお、掛止部17には、取付壁面に掛止するための掛止金具(図示しない)が装着されている。また、受部20には透孔が穿設され、カーテンレール2に形成されたネジ孔(図示しない)に取付ネジ(図示しない)をねじ込むことにより、カーテンレール2とブラケット3との連結を可能にしている。
【0028】
図6に示すように、ブラケット3は、カーテンレール2と同様、竹集成材を切削加工して形成された部材であり、断面が略長方形に形成された薄板状の竹材15を、接着剤を介して板厚方向に積層して構成されている。ただし、竹材15の積層方向は全て一定であり、薄板状の竹材15がブラケット3の幅方向(図6では紙面上下方向)に積層されている。
【0029】
なお、ブラケット3における竹集成材の製造方法は、カーテンレール2の場合と同様であり、切断、煮沸、積層、圧着、及び乾燥の各工程が順に行われることにより製造される。ただし、竹材15の積層方向は一定であることから、カーテンレール2のように、予め積層した積層部同士を組合せる工程は不要である。
【0030】
(ランナーの構成及び製造方法)
ランナー4は、カーテンレール2に外挿されたドーナツ状の部材であり、外周の下端部にカーテンフック27が取付けられている。つまり、カーテンレール2に沿って摺動可能に装着されるとともに、カーテンフック27を介してカーテンKを着脱可能に吊り下げることが可能になっている。
【0031】
また、図4に示すように、ランナー4は、ブロック状の竹集成材をドーナツ状に切削加工して形成された部材であり、断面が略長方形に形成された薄板状の竹材24を、接着剤を介して板厚方向に積層して構成されている。特に、カーテンレール2の場合と同様、ランナー4で用いられる竹集成材においても、積層方向が互いに直交するように配置された第一積層部25及び第二積層部26を有している。具体的には、積層方向が鉛直方向となるように配置された第一積層部25と、それを挟むように、上下両側に設けられ積層方向が水平方向となるように配置された第二積層部26とから構成された竹集成材が用いられている。なお、第一積層部25の厚みは、ランナー4における内径よりも短くなっており、ドーナツ状に切削された状態では、複数の竹材24が放射状に拡がるように積層面が現れる。
【0032】
なお、ランナー4の製造方法は、カーテンレール2と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0033】
(装飾部材5の構成及び製造方法)
図2及び図5に示すように、装飾部材5は、球状の頭部33と、挿入孔(図示しない)が穿設された円筒状の連結部34とから構成されている。挿入孔は、カーテンレール2の断面形状(ここでは円形)と略等しい形状であるが、入り口側がカーテンレール2の直径より広く、奥側が直径より狭くなっている。
【0034】
また、装飾部材5は、ブロック状の竹集成材を壷状に切削加工して形成された部材であり、断面が略長方形に形成された薄板状の竹材30を、板厚方向に積層して構成されている。特に、この竹集成材は、ランナー4と同様に、積層方向が鉛直方向となるように配置された第一積層部31と、それを挟むように、上下両側に設けられ積層方向が水平方向となるように配置された第二積層部32とから構成されている。なお、製造方法はカーテンレール2やランナー4と同様である。
【0035】
次に、本例のカーテン支持具1の使用方法について説明する。まず、取付壁面に、被掛止金具(図示しない)を取り付ける。被掛止金具は、カーテンレール2の長さに応じて、カーテンレール2の両端部付近に位置する壁面に取り付けられる。ここで、被掛止金具とは、特に限定されるものではないが、例えばネジ孔を有するコ字形金具などが挙げられる。次に、ブラケット3の取付部18に取り付けられた掛止金具を、取付壁面に取り付けられた被掛止金具に掛合させ、ブラケット3を取付壁面に支持させる。
【0036】
次に、カーテンレール2に、ランナー4を挿入する。ランナー4は、例えば2.1m幅のカーテンKにおいては22個、3.1m幅のカーテンKにおいては32個挿入する。
【0037】
そして、一対のブラケット3の受部20に、カーテンレール2の端部をそれぞれ差込み、ブラケット3の受部20が有する透孔を介して木ネジなどの取付ネジをねじ込む。これにより、カーテンレール2は、ブラケット3に連結され、取付壁面に対して支持される。
【0038】
次に、カーテンフック27に、カーテンKを掛止し取り付ける。これによれば、使用者によってカーテンKの開閉動作が為されると、カーテンKの動く方向に応じて、カーテンフック27が引っ張られ、カーテンフック27に連結されたランナー4を、カーテンレール2の軸方向に沿って滑らかに移動させることが可能になる。
【0039】
そして、装飾部材5を、カーテンレール2の両端部に取り付ける。カーテンレール2の端部を挿入孔に挿入し、回転させながらねじ込む。この際、挿入孔は、テーパー状に形成されているため、カーテンレール2の端部の外周面が挿入孔の内周面に圧接され、装飾部材5は、この圧接力によってカーテンレール2に支持される。
【0040】
このように、本例のカーテン支持具1によれば、竹集成材を用いて丸棒状のカーテンレール2が形成されるため、竹の特徴である表面の滑らかさにより、摺動性の高い表面部位を形成することができ、表面に塗装を施したり、合成樹脂製シート材を貼着する必要が無くなる。また、竹は高い堅牢性と耐久性、低伸縮性を有することから、湿度による反りや変形も抑制される。
【0041】
特に、竹集成材は、薄板状の竹材10等を、板厚方向に積層して構成された第一積層部11と第二積層部12とを有し、これらの積層部11,12を、積層方向が互いに直交するように配置して構成されているため、双方の積層部11,12の協働によってカーテンレール2の曲がり難さを高め合うことができる。特に、丸棒状のカーテンレール2の中に、第一積層部11及び第二積層部12が夫々二組設けられ、断面が略「卍」形になるように、配置されているため、カーテンレール2における長手方向の反りや変形を確実に防止することができるとともに、周方向の変形(捩れの力)に対しても強固となる。したがって、カーテンレール2がどのような状態で配設された場合であっても、カーテンレール2における長手方向の反りや変形を確実に防止することができる。
【0042】
また、カーテンレール2の表面に現れる模様は、カーテンレール2の軸線を中心として線対称となるため、カーテンレール2をどの方向から見た場合でも、表面には竹の積層面が現れ、自然な木の質感を醸し出すことができる。したがって、癒しの効果及び意匠性を一層高めることが可能になる。
【0043】
また、本例のカーテンレール2によれば、竹材10における節目13がカーテンレール2の径方向において互いに重ならないように積層されているため、節目13による強度の低下及び意匠性の低下を抑制することができる。
【0044】
また、本例のカーテン支持具1によれば、カーテンレール2に加え、ランナー4も竹集成材から構成されているため、より一層摺動性を高め、滑らかで軽いカーテンKの開閉動作を実現できる。
【0045】
また、本例のカーテン支持具1によれば、ブラケット3を竹集成材から構成することにより、カーテン布の重量やカーテン開閉動作に伴う引張り力に対して十分な強度を有することができる。さらに、経時劣化や反り・変形が少なく、長時間の使用に耐えうることができる。
【0046】
さらに、竹集成材を使用することにより、抗菌・抗カビ作用、脱臭・消臭作用などの良い影響を得ることもでき、さらに、森林伐採による環境破壊にも荷担することなく、環境保全に考慮したカーテン支持具1を提供することができる。
【0047】
以上、本発明を実施するための最良の形態を挙げて説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すように本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および設計の変更が可能である。
【0048】
すなわち、上記実施形態のカーテンレール2では、二組の第一積層部11及び第二積層部12を、径方向断面が卍形になるように配置したものを示したが、図7に示すように、夫々一組の第一積層部11及び第二積層部12を重ね合わせて構成してもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、ブラケット3の受部20にカーテンレール2の端部を差込むことで、カーテンレール2をブラケット3に連結させる構成を示したが、これに限定されるものではなく、カーテンレール2をブラケット3に連結させる構成であればどのようなものであってもよい。例えば、受部20にネジ孔を穿設し、カーテンレール2の端部にネジ部を設けることで、このネジ孔とネジ部と螺合させカーテンレール2をブラケット3に連結させる構成としてもよい。さらに、ブラケット3の取付部18を、掛止金具によって取付壁面に取付けるものを示したが、例えば取付部18に透孔を穿設し、木ネジなどの取付ネジをねじ込むことで、ブラケット3を取付壁面に固定するようにしてもよい。しかし、上記の構成によれば、簡単な構成にてカーテン支持具1を取付壁面に設置することができるため、設置に必要とされる作業者の労力を軽減できる。
【0050】
さらに、上記の実施形態では、ブラケット3及びランナー4を竹集成材から形成するものを示したが、例えば、無垢材や、FRPなどのプラスチックで形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】カーテン支持具の使用状態を示す正面図である。
【図2】カーテン支持具の構成を示す斜視図である。
【図3】(a)はカーテンレールの構成を示す側面図であり、(b)はカーテンレールの構成を示す正面図である。
【図4】ランナーの構成を示す側面図である。
【図5】(a)は装飾部材の構成を示す側面図であり、(b)は装飾部材の構成を示す正面図である。
【図6】ブラケットの構成を示す平面図である。
【図7】他の例のカーテンレールの構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 カーテン支持具
2 カーテンレール
3 ブラケット
4 ランナー
10 竹材
11 第一積層部
12 第二積層部
13 節目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
竹集成材を切削加工し丸棒状に形成されたカーテンレールと、
取付壁面に対して取付けられ、前記カーテンレールを支持する一対のブラケットと、
前記カーテンレールに摺動可能に取付けられ、カーテンを着脱可能に吊り下げるランナーと
を具備し、
前記竹集成材は、竹の繊維方向に沿って切断され断面が略長方形状に形成された薄板状の竹材を、接着剤を介して板厚方向に積層して構成され、積層方向が互いに直交するように配置された少なくとも夫々一組の第一積層部及び第二積層部を有することを特徴とするカーテン支持具。
【請求項2】
前記カーテンレールの前記竹集成材は、二組の前記第一積層部及び前記第二積層部を、径方向断面が略「卍」形になるように配置してなることを特徴とする請求項1に記載のカーテン支持具。
【請求項3】
前記第一積層部及び前記第二積層部は、夫々の前記竹材における節目が前記カーテンレールの径方向において互いに重ならないように積層されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカーテン支持具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−209616(P2007−209616A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−34247(P2006−34247)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(304023101)
【Fターム(参考)】